JP2004211653A - 軽金属合金鋳包み用バルブシート - Google Patents

軽金属合金鋳包み用バルブシート Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム合金等の軽金属合金鋳包み性に優れたバルブシートを提案する。
【解決手段】シリンダヘッドと接する外周面側領域とバルブと接触するフェース面側領域とで空孔率を変化させ、外周面側領域を体積率で5〜50%の高い空孔率を有する鉄系焼結体とする。また、フェース面側領域と外周面側領域の基地組成を異なる組成とし、シリンダヘッドと接する外周面側領域は、質量%で、C:0.1 〜2.0 %を含み残部Feおよび不可避的不純物からなる組成とすることが好ましい。フェース面側領域は、耐摩耗性に優れた鉄系焼結体とすることが好ましい。また、フェース面側である下層を耐摩耗性に優れた鉄系焼結体とし、上層を軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体とする上下2層としてもよい。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用のバルブシートに係り、とくに内燃機関(エンジン)のアルミニウム合金等の軽金属合金製シリンダヘッドに鋳包まれて使用されるバルブシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
バルブシートは、燃焼ガスのシールとバルブを冷却する役割を担ってエンジンのシリンダヘッドに圧入されて使用されてきた。しかし、圧入されたバルブシートは、実際にはシリンダヘッドの全ての面と接触しているわけではなく、接触が不十分なものとなっている。
【0003】
このような問題に対し、例えば、特許文献1には、エンジンのシリンダヘッドを鋳造すると同時にバルブシートを鋳包み、バルブシートとシリンダヘッドとを溶着した鋳鉄製シリンダヘッドが提案されている。
最近は、エンジンの軽量化および放熱性を高める目的から、軽金属合金の1種である、アルミニウム合金製のエンジンが一般化しつつある。そして、このようなアルミニウム合金製シリンダヘッドに鉄系焼結合金製のバルブシートを鋳包んで装着することが実用化されつつある。例えば、特許文献2には、排気系のバルブシートと吸気系バルブシートとをおのおの耐衝撃性に富む鉄系焼結合金で形成させるとともに、プラグシートを伝熱性に富む鉄系焼結合金で形成させ、これらを互いに一体的に結着した状態で鋳込み結着するエンジンのシリンダヘッドの製造方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、特許文献2等に記載された技術では、バルブシートとシリンダヘッドとが金属的に結合されておらず、バルブシートとシリンダヘッドとの間に隙間が存在する場合が多い。このため、熱伝導性が低下してバルブシート温度を低下できないとともに、バルブシートとシリンダヘッド間の接合強度が低下するという問題があった。
【0005】
このような問題に対し、例えば、特許文献3には、バルブシート表面に、好ましくはバルブシートおよびシリンダヘッドと親和性の良い金属をコーティングしたのち、フッ化物系フラックスを塗布して鋳ぐるむ、エンジンバルブシートの鋳ぐるみ方法が提案されている。
また、特許文献4には、バルブシートの外周面に互いに偏心した上下2つの円周面で形成したバルブシートが提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭52−122712 号公報
【特許文献2】
特開昭58−74266号公報
【特許文献3】
特開平8−232616 号公報
【特許文献4】
実公昭63−29130号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3に記載された技術では、バルブシート表面に金属や特殊なコーティングを施す必要があり、製造工程が複雑となり製造コストが高騰するという問題があった。また、特許文献4に記載された技術では、バルブシートとシリンダヘッドとの間に隙間が存在し、熱引け性が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題を解決し、軽金属合金で鋳包んでも容易に脱落しない高い接合強度を保持できる、バルブシートを提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、鉄系焼結体製のバルブシートと軽金属合金との接合性(以下、「軽金属合金鋳包み性」ともいう)に及ぼす要因について鋭意検討した。その結果、本発明者らは、体積率で5〜50%の空孔を有し、あるいはさらに空孔のうち直径5μm を超える空孔を、全空孔率に対し80%以上有する焼結体とすることにより鉄系焼結体の軽金属合金鋳包み性が顕著に向上することを見出した。そして、このような軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体をシリンダヘッドと接する側に配置することにより、軽金属合金で鋳包んでも容易に脱落しない高い接合強度を保持できる、軽金属合金鋳包み用バルブシートとすることができることを知見した。
【0010】
またさらに、本発明者らは、シリンダヘッドと接する側に軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体を、一方、バルブと接触するフェース面側には耐摩耗性に優れた鉄系焼結体を配置した複合型焼結体とすることにより、軽金属合金鋳包み性と耐摩耗性を兼備したバルブシートが得られることを見出し、本発明を成すに至った。
【0011】
すなわち、本発明の要旨はつぎのとおりである。
(1)軽金属合金製シリンダヘッドに鋳包まれるバルブシートであって、該バルブシートが、前記軽金属合金製シリンダヘッドと接する外周面側領域とバルブと接触するフェース面側領域とで空孔率を変化させた空孔率傾斜型鉄系焼結体からなるバルブシートであり、前記外周面側領域が前記フェース面側領域にくらべ高い空孔率を有し、前記外周面から内側に少なくとも0.1mm の領域が、体積率で5〜50%の空孔を有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(2)(1)において、前記空孔が、該空孔のうち直径5μm を超える空孔を、全空孔率に対し80%以上有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(3)(1)または(2)において、前記空孔率傾斜型鉄系焼結体が、質量%で、C:0.1 〜2.0 %を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(4)(3)において、前記基地組成に加えてさらに、質量%で、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下含有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(5)(3)または(4)において、前記空孔率傾斜型鉄系焼結体が、粒径:150 μm 以下のMnS 、CaF、BNおよびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上からなる被削性改善用微細粒子を0.1 〜5質量%含有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(6)軽金属合金製シリンダヘッドに鋳包まれるバルブシートであって、該バルブシートが、前記軽金属合金製シリンダヘッドと接する外周面側領域を軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体で、バルブと接触するフェース面側領域を耐摩耗性に優れた鉄系焼結体で構成し、これら鉄系焼結体が拡散接合されてなる複合型鉄系焼結体からなることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(7)軽金属合金製シリンダヘッドに鋳包まれるバルブシートであって、該バルブシートを上下2層からなる2層型鉄系焼結体製とし、軽金属合金製シリンダヘッドと接する上層を軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体からなる層とし、バルブと接触する下層を耐摩耗性に優れた鉄系焼結体からなる層とする2層型鉄系焼結体であることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(8)(6)または(7)において、前記軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体が、体積率で5〜50%の空孔を有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(9)(8)において、前記空孔が、該空孔のうち直径5μm を超える空孔を、全空孔率に対し80%以上有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(10)(6)ないし(9)のいずれかにおいて、前記軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体が、質量%で、C:0.1 〜2.0 %を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(11)(10)において、前記基地組成に加えてさらに、質量%で、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下含有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(12)(10)または(11)において、前記軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体が、さらに粒径:150 μm 以下のMnS 、CaF、BNおよびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上からなる被削性改善用微細粒子を0.1 〜5質量%含有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(13)(6)ないし(12)のいずれかにおいて、前記耐摩耗性に優れた鉄系焼結体が、質量%で、C:0.1 〜2.0 %を含み、さらに、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
(14)(13)において、前記耐摩耗性に優れた鉄系焼結体が、さらに粒径:150 μm 以下のMnS 、CaF、BNおよびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上からなる被削性改善用微細粒子を0.1 〜5質量%含有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のバルブシートは、鉄系焼結体で構成され、アルミニウム合金等の軽金属合金製のシリンダヘッドに鋳包まれて使用に供される。
本発明のバルブシート1は、軽金属合金製シリンダヘッド2と接する外周面12側領域と、バルブと接触するフェース面11側領域とで空孔率のみを変化させた空孔率傾斜型鉄系焼結体からなるバルブシート1であり、図1に示すように、外周面12から内側に少なくとも0.1mm の領域1Aが、体積率で5〜50%の空孔を有する。
【0013】
空孔の体積率が5%未満では、アルミニウム合金等の軽金属合金製シリンダヘッドに鋳包むとき、軽金属合金の溶湯が焼結体の空孔内に含浸せず、シリンダヘッドとバルブシートとの密着が不十分となる。一方、空孔の体積率が50%を超えると、空孔が多すぎてバルブシートの強度が低下して、バルブシートの製造が困難となる。このため、バルブシート外周面12から内側に少なくとも0.1mm の領域では、空孔は、体積率で5〜50%の範囲に限定した。なお、体積率で5〜50%の空孔を含む領域が、外周面から1mm未満では、軽金属合金溶湯の含浸深さが不足しシリンダヘッドとバルブシートとの接合が不十分となる。
【0014】
なお、本発明のバルブシートでは、バルブシート外周面から内側に少なくとも0.1mm の領域に存在する全空孔のうち80%以上が、直径5μm を超える空孔であることが好ましい。直径5μm を超える空孔が全空孔量に対し80%未満では、すなわち、直径5μm 以下の空孔が全空孔量に対し20%を超えると微細空孔が増加し、接合強度が低下する。このため、直径5μm を超える空孔を、全空孔量に対し80%以上に限定することが好ましい。なお、本発明におけるバルブシートを構成する鉄系焼結体中の空孔の体積率(空孔率)は、アルキメデス法により測定された密度から換算した値(体積率)を用いるものとする。
【0015】
本発明のバルブシートに使用する空孔率傾斜型鉄系焼結体は、C:0.1 〜2.0 質量%を含み、あるいはさらに、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50質量%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有することが好ましい。つぎに、空孔率傾斜型鉄系焼結体の基地組成の限定理由について説明する。
【0016】
C:0.1 〜2.0 質量%
Cは、焼結体の強度、硬さを増加させる元素であり、 本発明では強度確保のために、0.1 質量%以上含有することが好ましい。一方、2.0 質量%を超えて含有すると炭化物が粗大化し、却って被削性が低下する。このため、Cは0.1 〜2.0 質量%に限定することが好ましい。
【0017】
Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50質量%以下
Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vはいずれも、焼結体の強度を増加し、さらに、耐摩耗性、高温強度を向上させる作用を有する元素であり、必要に応じ1種または2種以上含有できる。なお、これらの元素の含有量合計が50質量%を超えると、成形性が低下し強度が低下する。
【0018】
本発明のバルブシートに使用する空孔率傾斜型鉄系焼結体の基地組成では、上記した成分以外、残部はFeおよび不可避的不純物である。
なお、本発明のバルブシートで使用する空孔率傾斜型鉄系焼結体では、基地中に、被削性改善のため、被削性改善用微細粒子を分散させることが好ましい。分散させる被削性改善用微細粒子としては、MnS 、CaF、BN、およびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上とすることが好ましい。MnS 、CaF、BN、およびエンスタタイトはいずれも、被削性を改善する粒子であり、必要に応じて選択して含有できる。
【0019】
このような被削性改善用微細粒子を基地中に均一分散させることにより、切削中の切粉は、これらの微細粒子と微細粒子間の距離で決定される大きさに分断されるため、切削抵抗は低く維持される。
また、基地中に分散させる被削性改善用微細粒子は、粒径:150 μm 以下の微細粒子とすることが好ましい。微細粒子の粒径が150 μm を超えると、接合強度が低下する。なお、好ましくは5〜100 μmである。
【0020】
また、鉄系焼結体の基地中に分散させる被削性改善用微細粒子の含有量は、0.1 〜5質量%とすることが好ましい。被削性改善用微細粒子の含有量が、0.1 質量%未満では被削性改善の効果が認められない。一方、5質量%を超えて含有すると、基地との密着強度が低下する。このため、粒径:150 μm 以下の被削性改善用微細粒子は、0.1 〜5質量%の範囲で含有することが好ましい。
【0021】
上記した空孔率傾斜型鉄系焼結体からなるバルブシートの製造方法について説明する。
本発明のバルブシートは、原料とする鉄系粉末と、黒鉛粉と、あるいはさらに合金元素用粉末と、潤滑剤と、あるいはさらに切削性改善用微細粒子粉と、を混合した混合粉をプレス等で所定の形状に圧粉成形し圧粉体としたのち、焼結して鉄系焼結体とし、仕上加工してバルブシート(製品)とされる。
【0022】
本発明では、原料粉として使用する鉄系粉末を、60メッシュの篩を通過し(以下、60メッシュアンダー、あるいは−60メッシュともいう)、350 メッシュの篩を通過しない(以下、350 メッシュオーバー、あるいは+350 メッシュともいう)粒度分布に調整した粉末とすることが好ましい。
+100 メッシュ(#100 メッシュの篩を通過しない)の粒子が存在すると、混合粉の圧粉性が低下し、所望の密度の圧粉体とすることが難しくなる場合があるが、−60〜+100 メッシュの粒子が、全体の粉末の40%未満であれば、成形可能であり、所望の空孔率を有する圧粉体とするためには有利となる。一方、−350 メッシュ(#350 メッシュの篩を通過する)の粒子が存在すると、直径5μm 未満の微細空孔の存在量が増加し、軽金属合金鋳包み性が低下する傾向となる。
【0023】
上記した粒度分布を有する鉄系粉末は、純鉄粉および/または合金鋼粉とすることが好ましい。
黒鉛粉は、鉄系焼結体の強度を増加させる合金元素として必要に応じ添加する。このためには、混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計量)に対しC含有量が0.1 〜2.0 質量%となるように、調整して配合することが好ましい。混合粉中の黒鉛粉の配合量が0.1 質量%未満では、所望の強度確保が困難となり、一方、2.0 質量%を超えると、炭化物が増加し、焼結体の特性を劣化させるとともに、焼結時に液相が生じ、独立空孔が多く発生して軽金属合金鋳包み性が低下する。なお、黒鉛粉末の粒径は、0.1 〜10μm とすることが好ましい。0.1 μm 未満では取り扱いが困難となり、10μm を超えると均一分散が困難となる。
【0024】
また、潤滑剤粉末は、圧粉成形時の成形性を向上し、圧粉密度を増加させるために混合粉中に含有される。潤滑剤粉末としては、ステアリン酸亜鉛が好ましい。なお、混合粉中の潤滑剤粉末の混合量は、混合粉全量( 鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計)100 重量部に対し0.2 〜2.0 重量部とすることが好ましい。
【0025】
本発明では、上記した鉄系粉末、黒鉛粉末、潤滑剤粉末に加えてさらに、混合粉には、被削性改善のために、被削性改善用微細粒子粉末を含有することができる。被削性改善用微細粒子粉としては、MnS 、CaF、BN、およびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上とすることが好ましい。MnS 、CaF、BN、およびエンスタタイトはいずれも、被削性を改善する粒子であり、必要に応じて選択して含有できる。また、混合粉に添加する被削性改善用微細粒子粉は、粒径:150 μm 以下の微細粒子粉とすることが好ましい。微細粒子粉の粒径が150 μm を超えると、境界強度が低下する。なお、好ましくは5〜100 μm である。混合粉中に被削性改善用微細粒子粉を含有する場合には、被削性改善用微細粒子粉の含有量は混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計量)に対し0.1 〜5質量%とすることが好ましい。0.1 質量%未満では、被削性改善効果が少なく、一方、5質量%を超えると接合強度が低下する。
【0026】
また、本発明では、上記した混合粉に、さらに合金元素用粉として、Ni粉、Co粉、Cr粉、Mo粉、W粉、Si粉、V粉、あるいはNi、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちの1種または2種以上を含むFe基合金粉、あるいはFe−Mo硬質粒子粉、Cr−Mo−Co−Si系硬質粒子粉、C−Cr−W−Co系硬質粒子粉を、単独または複合して、混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計量)に対し、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちの1種または2種以上の合計で50質量%以下含有するように配合することが好ましい。Ni粉、Co粉、Cr粉、Mo粉、W粉、Si粉、V粉、あるいはFe基合金粉、あるいは硬質粒子粉は、いずれも耐摩耗性向上のために配合するものであり、合計が50質量%以下、好ましくは2質量%以上となるように配合することが好ましい。配合量が2質量%未満では、上記した効果が顕著に認められず、一方、50質量%を超えて配合すると、成形性が劣化する。
【0027】
なお、混合方法は、とくに限定する必要はないが、Vミルを用いることが経済上から好ましい。
上記した混合粉を、金型に装入し圧粉成形して所定形状の圧粉体とする。
なお、本発明では、混合粉を圧粉成形するに際し、バルブと接触するフェイス面側をテーパ付パンチやテーパ付コアを用いて成形する。なお、テーパ角度は10〜70°とすることが好ましい。フェイス面側をテーパ付パンチやテーパ付コアを用いて成形することにより、フェイス面側が、シリンダヘッドと接する外周面側に比べ圧縮される。なお、バルブシート外周面から内側に少なくとも0.1mm の領域の圧粉体の密度が6.3 〜7.3 g/cmとなるように、加圧成形条件を調整することが好ましい。これにより、焼結体において、バルブシート外周面から内側に少なくとも0.1mm の領域の空孔が5〜50体積%とすることができる。なお、混合粉の成形方法は、特に限定されないが、プレス等を用いることが好ましい。
【0028】
ついで、圧紛体を1100〜1300℃で焼結して焼結体とする。なお、焼結雰囲気は還元雰囲気とすることが焼結促進の観点から好ましい。
鉄系焼結体(空孔率傾斜型鉄系焼結体)は、所定形状に加工され、バルブシート(製品)とされる。
また、 本発明のバルブシート1は、複合型鉄系焼結体からなるバルブシートとしてもよい。例えば複合型鉄系焼結体は図2に示すように、軽金属合金製シリンダヘッド2と接する外周面12側領域とバルブと接触するフェース面11側領域とが、組成・組織の異なる鉄系焼結体1a,1b で構成することが好ましい。
【0029】
本発明では、外周面12側領域は、軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体1bで、フェース面11側領域は、耐摩耗性に優れた鉄系焼結体1aで構成することが好ましい。これにより、軽金属合金との密着性が向上し、しかも耐摩耗性も向上したバルブシートとすることができる。なお、これら鉄系焼結体は拡散接合で一体化されることは言うまでもない。
【0030】
なお、外周面12側領域を構成する鉄系焼結体1bは、シリンダヘッドと接するバルブシートの外周面側をすべて軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体とするために、L型断面を有するリング形状に形成することが好ましい。一方、バルブと接触するフェース面側領域を構成する鉄系焼結体1aは、耐摩耗性に優れた鉄系焼結体で構成することが好ましい。なお、フェース面側領域を構成する鉄系焼結体1aは、リング形状に形成され、鉄系焼結体1bのL型断面のリングの内側に配置され拡散接合により一体化してバルブシート形状となすことが好ましい。
【0031】
本発明の複合型鉄系焼結体で構成されるバルブシートは、外周面側領域用の金型、およびフェイス面側領域用の金型に、原料粉として鉄系粉末、黒鉛粉末、潤滑剤粉末、あるいはさらに被削性改善用微細粒子粉末、あるいはさらに合金元素用粉末をそれぞれ異なる量配合し混合した混合粉を装入し、それぞれ圧粉成形し、別々の圧粉体としたのち、一体化して焼結し複合型鉄系焼結体とし、ついで仕上加工されてバルブシート(製品)とされる。なお、外周面側領域用の圧粉体は、L型断面を有するリング状圧粉体とし、フェース面側領域用の圧粉体は、その内側に嵌め込まれるリング状圧粉体とすることが好ましい。なお、外周面側領域用の圧粉体は、軽金属合金鋳包み性に優れた鉄基焼結体となるように、一方、フェース面側領域用の圧粉体は、耐摩耗性に優れた鉄基焼結体となるように、原料粉を配合し混合した混合粉をそれぞれ使用し、圧粉成形して得られる。
【0032】
また、 本発明のバルブシート1は、2層型鉄系焼結体からなるバルブシートとしてもよい。例えば図3に示すように、軽金属合金製シリンダヘッド2と接する上層1dを軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体からなる層とし、バルブと接触する下層1cを耐摩耗性に優れた鉄系焼結体からなる層とすることが好ましい。これにより、軽金属合金との密着性が向上し、しかも耐摩耗性も向上したバルブシートを容易に製造することができる。
【0033】
本発明の2層型鉄系焼結体で構成されるバルブシート1は、まず、バルブシート用金型の、シリンダヘッドと接する側(上層)に相当する部位に軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体となるように、原料粉として鉄系粉末、黒鉛粉末、潤滑剤粉末、あるいはさらに被削性改善用微細粒子粉末、あるいはさらに合金元素用粉末を配合し混合した混合粉を、装入し、ついでバルブと接するフェース面側(下層)に相当する部位に耐摩耗性に優れた鉄系焼結体となるように、原料粉として鉄系粉末、黒鉛粉末、潤滑剤粉末、合金元素用粉末、あるいはさらに被削性改善用微細粒子粉末を配合し混合した混合粉を装入し、2層としたのち、所定の圧力で圧粉成形し圧粉体とし、ついで焼結し、仕上加工して製品(バルブシート)とすることが好ましい。
【0034】
つぎに、各鉄系焼結体の組成、組織限定理由について説明する。
本発明のバルブシートを構成する軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体は、体積率で5〜50%の空孔を有することを特徴とする鉄系焼結体である。
空孔の体積率が5%未満では、アルミニウム合金等の軽金属合金製シリンダヘッドに鋳包むとき、軽金属合金の溶湯が焼結体の空孔内に含浸せず、シリンダヘッドとバルブシートとの密着が不十分となる。一方、空孔の体積率が50%を超えると、空孔が多すぎてバルブシートの強度が低下して、バルブシートの製造が困難となる。このため、軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体では、空孔は、体積率で5〜50%の範囲に限定した。
【0035】
なお、本発明のバルブシートを構成する軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体では、全空孔のうち80%以上が、直径5μm を超える空孔とすることが好ましい。直径5μm を超える空孔が全空孔量に対し80%未満では、すなわち、直径5μm 以下の空孔が全空孔量に対し20%を超えると微細空孔が増加し、接合強度が低下する。このため、直径5μm を超える空孔を、全空孔量に対し80%以上に限定することが好ましい。
【0036】
また、本発明のバルブシートを構成する軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体は、C:0.1 〜2.0 質量%を含み、あるいはさらに、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50質量%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有することが好ましい。
軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体の基地組成の限定理由について説明する。
【0037】
C:0.1 〜2.0 質量%
Cは、焼結体の強度、硬さを増加させる元素であり、 本発明では強度確保のために、0.1 質量%以上含有することが好ましい。一方、2.0 質量%を超えて含有すると炭化物が粗大化し、却って被削性が低下する。このため、Cは0.1 〜2.0 質量%に限定することが好ましい。
【0038】
Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50質量%以下
Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vはいずれも、焼結体の強度を増加し、さらに、耐摩耗性、高温強度を向上させる作用を有する元素であり、必要に応じ1種または2種以上含有できる。これらの元素の含有量合計が50質量%を超えると、成形性が低下し強度が低下する。
【0039】
本発明のバルブシートを構成する軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体の基地組成では、上記した成分以外、残部はFeおよび不可避的不純物である。
なお、本発明のバルブシートを構成する軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体では、前記した空孔率傾斜型鉄系焼結体と同様に基地中に、被削性改善のため、被削性改善用微細粒子を分散させることが好ましい。
【0040】
一方、本発明のバルブシートを構成する耐摩耗性に優れた鉄系焼結体は、質量%で、C:0.1 〜2.0 %を含み、さらに、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有することが好ましい。
本発明のバルブシートを構成する耐摩耗性に優れた鉄系焼結体の基地組成限定理由について説明する。
【0041】
C:0.1 〜2.0 質量%
Cは、焼結体の強度、硬さを増加させる元素であり、 本発明では強度確保のために、0.1 質量%以上含有することが好ましい。一方、2.0 質量%を超えて含有すると炭化物が粗大化し、被削性を低下させるとともに、液相が発生して独立空孔となり鋳包み性が低下する。このため、Cは0.1 〜2.0 質量%に限定することが好ましい。
【0042】
Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50質量%以下
Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vはいずれも、焼結体の強度を増加し、さらに、耐摩耗性、高温強度を向上させる作用を有する元素であり、1種または2種以上含有することが好ましい。なお、これらの元素の含有量合計が50質量%を超えると、成形性および被削性が低下する。
【0043】
なお、本発明のバルブシートを構成する耐摩耗性に優れた鉄系焼結体では、前記した空孔率傾斜型鉄系焼結体と同様に基地中に、被削性改善のため、被削性改善用微細粒子を分散させることが好ましい。
本発明のバルブシートを構成する耐摩耗性に優れた鉄系焼結体の基地組成では、上記した成分以外、残部はFeおよび不可避的不純物である。
【0044】
ついで、バルブシートの製造方法について説明する。
まず、複合型鉄系焼結体で構成されるバルブシートの製造方法について説明する。
原料粉として、鉄系粉末、黒鉛粉末、潤滑剤粉末、あるいはさらに合金元素用粉末、被削性改善用微細粒子粉末をそれぞれ異なる量配合した混合粉を、それぞれ圧粉成形し、別々の圧粉体としたのち、一体化して、焼結し複合型焼結体とし、ついで仕上加工してバルブシート(製品)とする。
【0045】
外周面側領域用となる軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体用の圧粉体では、原料粉として使用する鉄系粉末を、60メッシュの篩を通過し(以下、60メッシュアンダー、あるいは−60メッシュともいう)、350 メッシュの篩を通過しない(以下、350 メッシュオーバー、あるいは+350 メッシュともいう)粒度分布に調整した粉末とすることが好ましい。
【0046】
+100 メッシュ(#100 メッシュの篩を通過しない)の粒子が存在すると、混合粉の圧粉性が低下し、所望の密度の圧粉体とすることが難しくなる場合があるが、−60〜+100 メッシュの粒子が、全体の粉末の40%未満であれば、成形可能であり、所望の空孔率を有する圧粉体とするためには有利となる。一方、−350 メッシュ(#350 メッシュの篩を通過する)の粒子が存在すると、直径5μm 未満の微細空孔の存在量が増加し、軽金属合金鋳包み性が低下する傾向となる。
【0047】
上記した粒度分布を有する鉄系粉末は、純鉄粉および/または合金鋼粉とすることが好ましい。
黒鉛粉は、鉄系焼結体の強度を増加させる合金元素として必要に応じ添加する。このためには、混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計量)に対しC含有量が0.1 〜2.0 質量%となるように、調整して配合することが好ましい。混合粉中の黒鉛粉の配合量が0.1 質量%未満では、所望の強度確保が困難となり、一方、2.0 質量%を超えると、炭化物が増加し、焼結体の特性を劣化させるとともに、焼結時に液相が生じ、独立空孔が多く発生して軽金属合金鋳包み性が低下する。なお、黒鉛粉末の粒径は、0.1 〜10μm とすることが好ましい。0.1 μm 未満では取り扱いが困難となり、10μm を超えると均一分散が困難となる。
【0048】
また、潤滑剤粉末は、圧粉成形時の成形性を向上し、圧粉密度を増加させるために混合粉中に含有される。潤滑剤粉末としては、ステアリン酸亜鉛が好ましい。なお、混合粉中の潤滑剤粉末の混合量は、混合粉全量( 鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計100 重量部)に対し0.2 〜2.0 重量部とすることが好ましい。
【0049】
本発明では、上記した鉄系粉末、黒鉛粉末、潤滑剤粉末に加えてさらに、混合粉には、被削性改善のために、空孔率変化型鉄系焼結体と同様に、被削性改善用微細粒子粉末を含有することができる。被削性改善用微細粒子粉としては、MnS 、CaF、BN、およびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上とすることが好ましい。混合粉中に被削性改善用微細粒子粉を含有する場合には、被削性改善用微細粒子粉の含有量は混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計量)に対し0.1 〜5質量%とすることが好ましい。0.1 質量%未満では、被削性改善効果が少なく、一方、5質量%を超えると接合強度が低下する。
【0050】
また、本発明では、上記した混合粉に、さらに合金元素用粉として、Ni粉、Co粉、Cr粉、Mo粉、W粉、Si粉、V粉、あるいはNi、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちの1種または2種以上を含むFe基合金粉、あるいはFe−Mo硬質粒子粉、Cr−Mo−Co−Si系硬質粒子粉、C−Cr−W−Co系硬質粒子粉を、単独または複合して、混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計量)に対し、質量%で、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちの1種または2種以上の合計で50質量%以下含有するように配合することが好ましい。Ni粉、Co粉、Cr粉、Mo粉、W粉、Si粉、V粉、あるいはFe基合金粉、あるいは硬質粒子粉は、いずれも耐摩耗性向上のために配合するものであり、合計が50質量%以下、好ましくは2質量%以上となるように配合することが好ましい。配合量が2質量%未満では、上記した効果が顕著に認められず、一方、50質量%を超えて配合すると、成形性が劣化する。
【0051】
なお、混合方法は、とくに限定する必要はないが、Vミルを用いることが経済上から好ましい。
ついで、これら混合粉を、例えば、図2に示すL型断面の1b形成の圧粉体を形成できる金型に装入し、圧粉成形することが好ましい。
なお、混合粉の圧粉成形は、圧粉体の密度が6.3 〜7.3 g/cmとなるように、加圧成形条件を調整することが好ましい。これにより、焼結体において、空孔が5〜50体積%とすることができる。なお、混合粉の成形方法は、特に限定されないが、プレス等を用いることが好ましい。
【0052】
一方、フェース面側領域用となる耐摩耗性に優れた鉄系焼結体用の圧粉体では、鉄系粉末に、黒鉛粉末、合金元素用粉末、あるいはさらに被削性改善用微細粒子粉末と、を配合し、混合して得た混合粉を用い、圧粉成形する。
使用する鉄系粉末は純鉄粉、あるいはCr鋼粉、Mo鋼粉とすることが好ましい。
また、黒鉛粉は、鉄系焼結体の強度を増加させる合金元素として必要に応じ添加する。このためには、混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計量)に対しC含有量が0.1 〜2.0 質量%となるように、調整して配合することが好ましい。なお、黒鉛粉末の粒径は、0.1 〜10μm とすることが好ましい。0.1 μm 未満では取り扱いが困難となり、10μm を超えると均一分散が困難となる。
【0053】
また、潤滑剤粉末は、圧粉成形時の成形性を向上し、圧粉密度を増加させるために混合粉中に含有される。潤滑剤粉末としては、ステアリン酸亜鉛が好ましい。なお、混合粉中の潤滑剤粉末の混合量は、混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計100 重量部)に対し0.2 〜2.0 重量部とすることが好ましい。
【0054】
本発明では、上記した鉄系粉末、黒鉛粉末、潤滑剤粉末に加えてさらに、混合粉には、被削性改善のために、空孔率変化型鉄系焼結体と同様に、被削性改善用微細粒子粉末を含有することができる。被削性改善用微細粒子粉としては、MnS 、CaF、BN、およびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上とすることが好ましい。混合粉中に被削性改善用微細粒子粉を含有する場合には、被削性改善用微細粒子粉の含有量は混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計量)に対し0.1 〜5質量%とすることが好ましい。
【0055】
上記した混合粉に、さらに合金元素用粉として、Ni粉、Co粉、Cr粉、Mo粉、W粉、Si粉、V粉、あるいはNi、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちの1種または2種以上を含むFe基合金粉、あるいはFe−Mo硬質粒子粉、Cr−Mo−Co−Si系硬質粒子粉、C−Cr−W−Co系硬質粒子粉を、単独または複合して、混合粉全量(鉄系粉、黒鉛粉、合金元素用粉、被削性改善用微細粒子粉の合計量)に対し、質量%で、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちの1種または2種以上の合計で50質量%以下含有するように配合することが好ましい。Ni粉、Co粉、Cr粉、Mo粉、W粉、Si粉、V粉、あるいはFe基合金粉、あるいは硬質粒子粉は、いずれも耐摩耗性向上のために配合するものであり、合計が50質量%以下、好ましくは2質量%以上となるように配合することが好ましい。配合量が2質量%未満では、上記した効果が顕著に認められず、一方、50質量%を超えて配合すると、成形性が劣化する。
【0056】
上記した混合粉を例えば、図2に示す1a形状の金型に装入し圧粉成形して所定形状の圧粉体とする。
なお、本発明では、混合粉を圧粉成形するに際し、圧粉体の密度が6.3 〜7.3 g/cmとなるように、加圧成形条件を調整することが好ましい。
ついで、これら圧紛体を一体化してのち、1100〜1300℃で焼結して複合型焼結体とする。なお、焼結雰囲気は還元雰囲気とすることが焼結促進の観点から好ましい。ついで、複合型鉄系焼結体は、所定形状に加工され、バルブシート(製品)とされる。
【0057】
ついで、2層型鉄系焼結体で構成されるバルブシートの製造方法について、説明する。
まず、バルブシート用金型の、シリンダヘッドと接する側(上層)に相当する部位に軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体となるように、原料粉として鉄系粉末、黒鉛粉末、潤滑剤粉末、あるいはさらに被削性改善用微細粒子粉末、あるいはさらに合金元素用粉末を配合し混合した混合粉を、一方、バルブと接するフェース面側(下層)に相当する部位に耐摩耗性に優れた鉄系焼結体となるように、原料粉として鉄系粉末、黒鉛粉末、潤滑剤粉末、合金元素用粉末、あるいはさらに被削性改善用微細粒子粉末を配合し混合した混合粉を、それぞれ装入し、図3に示すように2層としたのち、所定の圧力で圧粉成形し圧粉体とし、ついで焼結し、仕上加工して製品(バルブシート)とすることが好ましい。
【0058】
なお、上層を形成する混合粉は、軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体となるように原料粉を配合し混合する。軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体となる混合粉の配合は、前記した複合型鉄系焼結体の製造方法と同様とする。また、下層を形成する混合粉は、耐摩耗性に優れた鉄系焼結体となるように原料粉を配合し混合する。耐摩耗性に優れた鉄系焼結体となる混合粉の配合もまた、前記した複合型鉄系焼結体の製造方法と同様でよく、ここでは特に説明しない。
【0059】
なお、圧粉成形に際しては、上層を形成する圧粉体の密度が6.3 〜7.3 g/cmとなるように圧粉成形の圧力を調整することが好ましい。
また、焼結条件は、上記した複合型鉄系焼結体の場合と同様とすることが好ましい。
本発明のバルブシートは、エンジンのシリンダヘッド用鋳型の対応部位に装着されたのち、その鋳型内に軽金属合金(例えば、アルミニウム合金)溶湯を注入し、低圧ダイキャストして、バルブシートが鋳包れたシリンダヘッドとすることができる。本発明のバルブシートを使用すれば、シリンダヘッドとバルブシートとの境界が隙間なく密着し、接合強度が向上する。
【0060】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す鉄系粉末に、黒鉛粉と、あるいはさらに合金元素粉(合金粉)と、潤滑剤粉末としてのステアリン酸亜鉛粉と、あるいはさらに被削性改善用微細粒子粉を、混合し混練して混合粉とした。混合粉における各粉末の配合量を表2に示す。
【0061】
これら混合粉を、金型に充填し、テーパ角度45°のパンチを用いた成形プレスにより面圧:588MPa(6000kgf/cm)で加圧成形して、バルブシート(寸法:32×22×7.5 mm)形状の圧粉体とした。なお、鉄系粉末および合金元素粉末は、表1に示すように、予め分級し、粒度分布を調整した。
ついで、これら圧粉体を1160℃で焼結し、図1に示すような空孔を含む鉄系焼結体とした。
【0062】
得られた鉄系焼結体について、組成、空孔率、焼結後の密度を測定した。
空孔率は、全空孔率、および外周面から内側に0.1mm の領域の空孔率を求めた。なお、全空孔率は、アルキメデス法により密度を測定し、得られた密度から空孔率(体積%)を求めた。外周面から内側に0.1mm の領域の空孔率は、金属顕微鏡を用いて該領域の組織を撮像し、画像解析により空孔の面積を求め空孔率とした。
【0063】
また、外周面から内側に0.1mm の領域の全空孔に対する微細空孔の比率は、鉄系焼結体のプレス方向断面について、金属顕微鏡により該領域の組織を撮像し、画像解析により直径5μm 以下の微細空孔の全面積と全空孔の面積をもとめ、(直径5μm 以下の微細空孔の全面積)/(全空孔の面積)により求めた。なお、 測定個所は円周上3個所とした。
【0064】
ついで、これら鉄系焼結体を切削・研削加工により、所定の寸法(寸法:29×23×6.3 mm)のバルブシートとした。得られたバルブシートをシリンダヘッド相当鋳型の所定部位に装着した。ついで該鋳型にアルミニウム合金(ADC 8A)溶湯を注入し、低圧ダイカストし、バルブシートが鋳包まれたシリンダヘッド相当材とした。なお、比較例として、鉄系焼結体製バルブシートに代えて、鋳鉄(溶製材)製バルブシートを同様に鋳包んだ。従来例として、鋳鉄製バルブシートをシリンダーヘッド相当材に圧入した。鉄系焼結体製バルブシートの一部についても圧入した。
【0065】
これらシリンダーヘッド相当材について、図5に示すように抜き治具3を用いて、鋳包んだバルブシートあるいは圧入したバルブシート1を押圧して、シリンダヘッド2から離脱する時の抜き荷重Lを測定した。得られた抜き荷重Lについて、圧入した鋳鉄製バルブシート(試料No.6) の場合の抜き荷重を基準(100 )として、各バルブシートの接合性を評価した。
【0066】
得られた結果を表3、および図4に示す。
【0067】
【表1】
Figure 2004211653
【0068】
【表2】
Figure 2004211653
【0069】
【表3】
Figure 2004211653
【0070】
本発明例は、いずれも鋳鉄製バルブシートを圧入した場合と同等以上の高い抜き荷重を示し、接合性が高いことがわかる。一方、本発明範囲を外れる比較例では低い抜き荷重しか示さず、接合性が低下している。なお、溶製材製バルブシートを鋳包んだ場合は、圧入した場合にくらべ抜き荷重は低下している。
(実施例2)
表1に示す鉄系粉末に、黒鉛粉と、あるいはさらに合金元素粉(合金粉)と、潤滑剤粉末としてのステアリン酸亜鉛粉と、あるいはさらに被削性改善用微細粒子粉を、混合し混練して混合粉とした。混合粉は、軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体用混合粉と、耐摩耗性に優れた鉄系焼結体用混合粉とし、各混合粉1〜3種用意した。混合粉における各粉末の配合量を表2に示す。
【0071】
これら混合粉を、図2、または図3に示す形状のバルブシートが得られるような形状とされた金型に充填し、成形プレスで圧粉成形し圧粉体とした。
図2に示す形状のバルブシートでは、シリンダヘッドに接する外周面を形成する外周面側領域用と、フェース面側領域用の金型を用意し、外周面側領域用には軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体用混合粉を、フェース面側領域用には耐摩耗性に優れた鉄系焼結体用混合粉をそれそれ装入し、成形プレスにより面圧:588MPa(6000kgf/cm)で加圧成形して、バルブシート(寸法:32×22×7.5 mm)形状の圧粉体とした。ついで、これら圧粉体を嵌め合い一体化したのち、1160℃で焼結し、拡散接合により互いに接合させた複合型鉄系焼結体とした。外周面側領域はL型断面を有するリング状、フェース面側領域は、その内側に嵌め込まれるリング状である。
【0072】
図3に示す形状のバルブシートでは、シリンダヘッドに接する上層として、軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体用混合粉を金型の相当する部位に装入したのち、バルブと接する下層として、耐摩耗性に優れた鉄系焼結用混合粉を金型の相当する位置に装入し、成形プレスにより面圧:588MPa(6000kgf/cm)で加圧成形して、バルブシート(寸法:32×22×7.7 mm)形状の圧粉体とした。これら圧粉体を1160℃で焼結し、2層型鉄系焼結体とした。
【0073】
ついで、これら複合型鉄系焼結体、または2層型鉄系焼結体を、切削・研削加工により、所定の寸法(寸法:29×23×6.3 mm)のバルブシートとした。得られたバルブシートを実施例1と同様に、シリンダヘッド相当鋳型の所定部位に装着した。ついで該鋳型にアルミニウム合金(ADC 12)溶湯を注入し、低圧ダイカストし、バルブシートが鋳包まれたシリンダヘッド相当材とした。
【0074】
これらシリンダーヘッド相当材について、実施例1と同様に、図5に示すように抜き治具3を用いて、鋳包んだバルブシートあるいは圧入したバルブシート1を押圧して、シリンダヘッド2から離脱する時の抜き荷重Lを測定した。得られた抜き荷重Lについて、圧入した鋳鉄製バルブシート(試料No.6) の場合の抜き荷重を基準(100 )として、各バルブシートの接合性を評価した。なお、各鉄系焼結体の組成、空孔率、密度を実施例1と同様に測定した。なお、空孔率は、プレス方向断面について、金属顕微鏡により焼結体の各領域の組織を撮像し、画像解析により空孔の面積を測定し空孔率に換算した。また、密度は、アルキメデス法によった。
【0075】
得られた結果を表4、および図4に示す。
【0076】
【表4】
Figure 2004211653
【0077】
本発明例は、いずれも鋳鉄材製バルブシートを圧入した場合と同等以上の高い抜き荷重を示し、接合性が高いことがわかる。一方、本発明範囲を外れる比較例では低い抜き荷重しか示さず、接合性が低下している。なお、鋳鉄材製バルブシートを鋳包んだ場合は、圧入した場合にくらべ抜き荷重は低下している。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、バルブシートと軽金属合金製シリンダヘッドとの接合強度が顕著に増加し、エンジン運転中のバルブシートの脱落を防止でき、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブシートの形状の一例を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明のバルブシートの形状の一例を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明のバルブシートの形状の一例を模式的に示す説明図である。
【図4】実施例における抜き荷重の変化を示すグラフである。
【図5】バルブシートの抜き荷重測定方法を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 バルブシート
2 シリンダヘッド
11 フェース面
12 外周面
1a フェース面側領域
1b 外周面側領域
1c 下層
1d 上層
1A 外周面から内側0.1mm 以上の領域
1B それ以外の領域

Claims (14)

  1. 軽金属合金製シリンダヘッドに鋳包まれるバルブシートであって、該バルブシートが、前記軽金属合金製シリンダヘッドと接する外周面側領域とバルブと接触するフェース面側領域とで空孔率を変化させた空孔率傾斜型鉄系焼結体からなるバルブシートであり、前記外周面側領域が前記フェース面側領域にくらべ高い空孔率を有し、前記外周面から内側に少なくとも0.1mm の領域が、体積率で5〜50%の空孔を有することを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  2. 前記空孔が、該空孔のうち直径5μm を超える空孔を、全空孔率に対し80%以上有することを特徴とする請求項1に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  3. 前記空孔率傾斜型鉄系焼結体が、質量%で、C:0.1 〜2.0 %を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有することを特徴とする請求項1または2に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  4. 前記基地組成に加えてさらに、質量%で、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下含有することを特徴とする請求項3に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  5. 前記空孔率傾斜型鉄系焼結体が、粒径:150 μm 以下のMnS 、CaF、BNおよびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上からなる被削性改善用微細粒子を0.1 〜5質量%含有することを特徴とする請求項3または4に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  6. 軽金属合金製シリンダヘッドに鋳包まれるバルブシートであって、該バルブシートが、前記軽金属合金製シリンダヘッドと接する外周面側領域を軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体で、バルブと接触するフェース面側領域を耐摩耗性に優れた鉄系焼結体で構成し、これら鉄系焼結体が拡散接合されてなる複合型鉄系焼結体からなることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  7. 軽金属合金製シリンダヘッドに鋳包まれるバルブシートであって、該バルブシートを上下2層からなる2層型鉄系焼結体製とし、軽金属合金製シリンダヘッドと接する上層を軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体からなる層とし、バルブと接触する下層を耐摩耗性に優れた鉄系焼結体からなる層とすることを特徴とする軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  8. 前記軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体が、体積率で5〜50%の空孔を有することを特徴とする請求項6または7に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  9. 前記空孔が、該空孔のうち直径5μm を超える空孔を、全空孔率に対し80%以上有することを特徴とする請求項8に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  10. 前記軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体が、質量%で、C:0.1 〜2.0 %を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有することを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  11. 前記基地組成に加えてさらに、質量%で、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下含有することを特徴とする請求項10に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  12. 前記軽金属合金鋳包み性に優れた鉄系焼結体が、さらに粒径:150 μm 以下のMnS 、CaF、BNおよびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上からなる被削性改善用微細粒子を0.1 〜5質量%含有することを特徴とする請求項10または11に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  13. 前記耐摩耗性に優れた鉄系焼結体が、質量%で、C:0.1 〜2.0 %を含み、さらに、Ni、Co、Cr、Mo、W、Si、Vのうちから選ばれた1種または2種以上を合計で50%以下含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる基地組成を有することを特徴とする請求項6ないし12のいずれかに記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
  14. 前記耐摩耗性に優れた鉄系焼結体が、さらに粒径:150 μm 以下のMnS 、CaF、BNおよびエンスタタイトのうちから選ばれた1種または2種以上からなる被削性改善用微細粒子を0.1 〜5質量%含有することを特徴とする請求項13に記載の軽金属合金鋳包み用バルブシート。
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