JP3850357B2 - 多孔質金属構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金等の軽合金製部材の特性向上用または特性調整用として好適な、多孔質金属構造体に係り、詳しくはアルミニウム合金製内燃機関の軸受部に鋳包まれて軸受部の特性を向上させる内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関(エンジン)の軽量化および放熱性を高める目的から、軽合金の一種である、アルミニウム合金製のエンジンが一般化しつつある。しかし、アルミニウム合金は、従来の鋳鉄に比べて強度が低く、高温に晒される部材では、強度が不足するという問題が発生している。
【0003】
例えば、エンジンのクランクシャフトは、シリンダブロックと一体に成形された部材(軸受ハウジング)およびその部材に複数の締め付けボルトで固定される部材(クランクシャフト保持部材)で構成される軸受部により軸受メタルを介して支持されている。この軸受部をいずれもアルミニウム合金製とした場合には、クランクシャフトジャーナルの直下でかつ燃焼ガスの爆発による大きな圧力を受ける部位で剛性が不足するという問題がある。また、軸受部をいずれもアルミニウム合金製とした場合には、アルミニウム合金の熱膨張係数が鉄系材料に比べ大きいため、軸受部が高温に晒されると、鉄系材料で構成されるクランクシャフトとの熱膨張差が大きくなり、クリアランスが大きくなり騒音と振動が増大するという問題がある。
【0004】
このような問題に対し、例えば、実開昭63-150115 号公報には、シリンダブロックに取り付けるためのボルト穴の中心線と彎曲したクランク・ジャーナル支持面とで画成される部分の内部を強化繊維で複合強化した内燃機関の軽合金製クランク軸支持部材が提案されている。実開昭63-150115 号公報に記載された技術では、強化繊維の体積率を20〜40%として、クランク軸の熱膨張率とほぼ一致させることが好ましいとしている。
【0005】
また、特開昭60-219436 号公報には、アルミニウム合金製のシリンダブロック本体の下部に取り付けられるアルミニウム合金製ハウジングキャップの軸受部を、 鉄系材料を鋳包んで形成したエンジンブロックが提案されている。
実開昭63-150115 号公報、特開昭60-219436 号公報に記載された技術によれば、アルミニウム合金のみでは得られない強度増加があり、剛性が大幅に向上するとともに、クリアランスが適正に維持できるとしている。
【0006】
また、特開2000-337348 号公報には、内燃機関のクランクシャフトを支持するための支持構造と、支持構造を保持するための保持部分とを有し、支持構造の材料がクランクシャフト材料と略等しい熱膨張率を有する高シリコンアルミニウムからなる多孔質材料であり、保持部分の材料が支持構造の孔内に流入しているクランクシャフト用軸受が提案されている。
【0007】
また、特開2001-276961 号公報には、鉄あるいは鉄系金属をベースとし、これにクロムが10〜40重量%含有されてなる金属多孔質予備成形体が記載されている。特開2001-276961 号公報に記載された金属多孔質成形体は、注湯完了から溶湯含浸までに所定のタイムラグが存在する鋳造法で金属複合部材とされることを目的にしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開昭63-150115 号公報に記載された技術では、強化繊維で複合強化した部材が高温環境下では必ずしも満足できる特性が得られない場合があるという問題がある。また、特開昭60-219436 号公報に記載された技術では、軸受部を所望の熱膨張率に調整するための、鉄系材料の選択が難しいうえ、熱膨張率低下には限界がある。さらにアルミニウム合金との接合強度が不足するという問題があった。
【0009】
また、特開2000-337348 号公報に記載された技術では、たしかにクランクシャフトと支持構造との熱膨張差は少なくなるが、やはり限界があり、保持部分と支持構造との境界強度がばらつき、必ずしも安定して満足できる特性が得られない場合があった。
また、特開2001-276961 号公報に記載された金属多孔質成形体を使用しアルミニウム合金を含浸させた複合部材でも熱膨張率低下には限界があり、境界強度がばらつき、境界剥離が生じる場合があり、必ずしも安定して満足できる特性が得られない場合があるという問題があった。
【0010】
また、金属多孔質成形体(多孔質金属焼結体)は、一般に強度が低くその取り扱い(ハンドリング)が難しい。とくに低密度の金属多孔質成形体(多孔質金属焼結体)は割れやすく、更なる成形が不可能であるとともに、例えば軽金属合金製部材へ鋳包むなど、複合化する場合には剥離、割れ等が発生し所定の形状が得られない場合があるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、アルミニウム合金製内燃機関軸受部の補強用として好適な、軽量でかつ強度が高く取扱い性(ハンドリング性)に優れ、しかもアルミニウム合金の溶浸性に優れ、さらには鉄系金属の熱膨張係数に近い熱膨張係数に調整することが容易な、アルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した課題を達成するために鋭意検討した結果、軽量で高い強度を有しハンドリング性に優れ、さらに優れた溶浸性を有する多孔質金属構造体とするには、内層に単独または分散した複数の孔を有する形状とすることがよく、そして、孔以外の部位、とくに表層部を50%以下の低い空孔率を有する焼結体とし、さらに表層側の最大肉厚を6mm以下とする形状にすることがよいことを見出した。また、強度、溶浸性、熱膨張係数の観点から、内層の孔には、空孔率が50%を超える焼結体を形成し、多孔質金属構造体と一体化することが好ましいことを見出した。
【0013】
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明は、金属質粉末を含む混合粉を所定形状に成形し、 さらに焼結してなる多孔質金属構造体であって、前記所定形状が、内層に単独または分散した複数の孔を有し、表層側の最大肉厚を6mm以下とする形状とし、前記孔以外の部位が20〜50%の空孔率を有することを特徴とするアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体であり、また、本発明では、前記孔に、50%を超える空孔率を有する金属質粉末製焼結体が前記多孔質金属構造体と一体化されて形成されてなることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、上記したアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体のいずれかを、鋳包んでなるアルミニウム合金製内燃機関軸受部である。
また、本発明は、金属質粉末を含む混合粉を金型に装入し、所定形状に成形し、ついで焼結する多孔質金属構造体の製造方法において、前記所定形状を、内層に単独または分散した複数の孔を有し、表層側の最大肉厚が6mm以下である形状とし、前記孔以外の部位が20〜50%の空孔率を有するように成形、焼結することを特徴とするアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体の製造方法であり、また、本発明では、前記孔が、前記焼結後に50%を超える空孔率を有する金属質粉末製焼結体で充たされるように、前記成形後で前記焼結前に金属質粉末を含む混合粉を充填し、あるいは前記混合粉を充填した後にさらに低圧加圧することが好ましい。また、本発明では、前記孔が、前記焼結後に50%を超える空孔率を有する金属質粉末製焼結体で充たされるように前記孔に嵌合可能な形状の金属質粉末製成形体または金属質粉末製焼結体を、前記成形後で前記焼結前に前記孔に挿入することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明における多孔質金属構造体は、例えば、アルミニウム合金製内燃機関軸受部に鋳包まれて、該アルミニウム合金製内燃機関軸受部を補強することができる。例えば、図3(a)、あるいは図3(b)に示すように、軸受部の内部に鋳包まれる。1はクランクシャフト、2は軸受部、3は多孔質金属構造体、4は軸受メタルである。
【0016】
本発明のアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体は、金属質粉末、好ましくは鉄粉、鉄基合金粉、合金元素粉、あるいはさらに被削性改善用微細粒子粉等を含む混合粉、を金型に装入し所定形状に成形し、焼結してなる焼結体である。本発明では、所定形状を、内層には単独または分散した複数の孔が形成され、表層側の最大肉厚を6mm以下とする形状とする。本発明における所定形状の好適な一例を図1、図2に示す。
【0017】
図1は、内層に孔を有する円柱状部材の例 (断面図)である。図1に示す例では、内層に形成される孔は、単独 (1個)(図1(a))、半円形の小孔を複数(2個)(図1(b))、1/4 円形の小孔を複数(4個)(図1(c))有しているが、本発明ではこれに限定されないことはいうまでもない。
図2は、アルミニウム合金製内燃機関軸受部に鋳包まれて、軸受部を補強する補強部材の例(断面図)である。図2には、内層 (中心)に単独の孔(図2(a))、または略扇型の複数(6個)の小孔(図2(b))が形成された例を示す。
【0018】
内層(中心部)に孔を形成することにより、多孔質金属構造体の重量を軽減でき軽量化に寄与できるうえ、溶浸性が向上するという効果が期待できる。内層に形成される孔は、分散した複数の孔(小孔)とするほうが、大きな単独の孔とするより、同一孔体積で比較して多孔質金属構造体の強度向上の観点から好ましい。また、孔の形状は、 とくに限定する必要はなく、また円形に限定されないことはいうまでもない。また、孔の大きさは、金型成形が容易な大きさであればよく、とくに限定されるものではない。
【0019】
本発明のアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体は、上記したように内層に孔を有するとともに、表層側には所定の肉厚を有する層が形成されてなる形状とする。本発明では表層側の最大肉厚を6mm以下とする。表層側に最大肉厚が6mm以下の層が形成されることにより、安定して高い強度が維持でき、ハンドリング性が向上する。表層側の最大肉厚が6mmを超えると、本発明範囲の空孔率範囲では溶浸性が低下し、表面からのアルミニウム合金等の溶浸が不十分となり鋳包み時の接合強度が低下する。アルミニウムの溶浸可能肉厚と多孔質金属焼結体の空孔率との関係を図4に示す。
【0020】
また、本発明のアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体では、 孔以外の部位は、20〜50%(体積率)の空孔率を有する焼結体とする。孔以外の部位の空孔率、すなわち少なくとも表層側に形成される層の空孔率、が50%を超えると、多孔質金属構造体の強度が低下し、成形性、ハンドリング性が低下するとともに、鋳包む等の複合化に際し、割れ、 剥離が生じ所望の形状にすることが困難となる。
【0021】
一方、孔以外の部位の空孔率を20%未満とすると、強度は向上するが、図4に示すように、溶浸性が低下するため、20%を空孔率の下限とした。
また、本発明では、 内層に形成される孔は、空洞のままとしてもよいが、孔内に50%を超える空孔率を有する金属質粉末製焼結体が、本体である多孔質金属構造体と一体化されて形成されることが好ましい。孔を上記したような金属質粉末製焼結体とすることにより、熱膨張係数の調整範囲が向上するとともに、例えば、アルミニウム合金製内燃機関軸受部に鋳包まれて軸受部を補強する場合には、金属質粉末の配合量を調整することにより、軸(鉄系金属製)の熱膨張係数に近づけるように熱膨張係数の調整が可能となるという効果がある。また、溶浸性が向上し、鋳包まれた場合に接合強度が向上するという効果もある。
【0022】
孔に形成される金属質粉末製焼結体の空孔率が50%(体積率)以下では、上記した熱膨張係数の調整はさらに容易となるが、溶浸性の低下が顕著となる。なお、好ましくは孔に形成される金属質粉末製焼結体の空孔率は60%以上である。
つぎに、本発明のアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体の製造方法について、 説明する。
金属質粉末を含む混合粉を金型に装入し、上記したような内層に孔を有し、表層側の最大肉厚が6mm以下である所定形状にプレス等で加圧成形し、圧粉体とする。
【0023】
使用する金属質粉末を含む混合粉としては、とくに限定されないが、鉄粉、鉄基合金粉あるいは合金元素粉の金属質粉末、黒鉛粉、潤滑剤粉、あるいはさらに被削性向上のために固体潤滑剤微細粒子等を配合し混合した混合粉を用いることが好ましい。潤滑剤粉末は、圧粉成形時の成形性を向上し、圧粉密度を増加させるために混合粉中に含有される。潤滑剤粉末としては、ステアリン酸亜鉛等が好ましい。被削性改善用微細粒子粉としては、MnS 、CaF2、BN、およびエンスタタイト等が例示できる。なお、混合粉とする方法は、特に限定する必要はないが、Vミルとすることが経済上から好ましい。
【0024】
なお、成形に際し、孔以外の部位の焼結後の空孔率が20〜50%となるように、 成形圧力を調整することが好ましい。
ついで、圧粉体は、焼結処理を施されて、焼結体とされる。なお、焼結に際し、孔以外の部位の焼結後の空孔率が20〜50%となるように、 焼結条件を調整することが好ましい。
【0025】
なお、成形後に、内層に形成された孔に、金属質粉末を含む混合粉を充填し、あるいはさらに低圧加圧したのち、焼結することが好ましい。これにより、孔内には、金属質粉末製焼結体が孔以外の部位と一体化されて形成される。なお、孔内に形成される焼結体が50%を超える空孔率を有するように、金属質粉末を含む混合粉を充填あるいはさらに低圧加圧することが好ましい。焼結後の空孔率が50%以下では、溶浸性が低下するという問題がある。なお、好ましい空孔率は60〜65%である。また、孔内に充填する金属質粉末を含む混合粉は、 目的に応じ孔以外の部位と同種類としても、また異なる種類としてもよい。
【0026】
また、内層に形成された孔には、孔に嵌合可能な形状の金属質粉末製圧粉体または孔に嵌合可能な形状の金属質粉末製焼結体を、成形後で焼結前に挿入してのちに、焼結してもよい。これによっても、孔内に金属質粉末製焼結体を、孔以外の部位と一体化して形成することができる。なお、孔に嵌合可能な形状に成形された金属質粉末製成形体または金属質粉末製焼結体は、焼結後に50%を超える空孔率を有するように調整することが好ましい。
【0027】
上記した製造方法で作製された多孔質金属構造体は、図3に示すような内燃機関の軸受部、を形成する鋳型の対応部位に装着し、その鋳型内に溶融アルミニウム合金溶湯を注入し、高圧ダイキャストしてあるいは溶湯鍛造して焼結体を鋳包んだアルミニウム合金製部材(内燃機関軸受部)を製造する。これにより、多孔質金属構造体の空孔に溶湯が侵入し部材との接合が完了する。その後、部材は、所定の寸法に切削加工が施され製品とされる。なお、鋳包むに際しては、多孔質金属構造体を予め室温以上に予熱しておくことが好ましい。図4に示すように、アルミニウム合金に鋳包む多孔質金属構造体を室温以上に予熱することにより、溶浸可能肉厚が増加して、アルミニウム合金の溶浸性が向上する。
【0028】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0029】
【実施例】
Fe-Cr 合金粉(Cr:12質量%)、鉄粉、およびCr粉あるいはさらに合金元素粉からなる金属質粉末に、黒鉛粉、および潤滑剤粉、あるいはさらに被削性改善用微細粒子として、MnS 粉を添加し混合して、 混練して混合粉としたのち、金型に充填し成形プレスにより加圧成形して、図1(a)〜(c)に示す内層に孔を有する所定形状の圧粉体とした。なお、Fe-Cr 合金粉、鉄粉、Cr粉、あるいは合金元素粉は、焼結体のCr含有量、C含有量、Cr、C以外の合金元素量が表1に示す値となるように配合した。なお、圧粉体の形状はφ50mm(外径)×15mm(厚さ)とした。
【0030】
ついで、これら圧粉体を1100〜1250℃で焼結し、孔以外の部位が表1に示す空孔率を有する多孔質金属構造体とした。一部の構造体(焼結体)では、焼結後、放電加工により所定の肉厚となるように加工し、ついで乾燥炉にて湿分、油分を除去した。なお、空孔率は、孔以外の部位から試験片を採取し、アルキメデス法により密度を測定し空孔率(体積%)に換算した。
【0031】
また、一部の圧粉体については、内層の孔に、焼結体のCr含有量、C含有量、Cr、C以外の合金元素量が表1に示す値となるように配合した混合粉を充填し、さらに低圧加圧したのち、上記した条件と同様に焼結した。これにより、孔内に表1に示す空孔率を有する焼結体が形成され、孔以外の部位と一体化した多孔質金属構造体となった。なお、孔内に形成された焼結体の空孔率は、孔以外の部位を機械加工により除去したのち、アルキメデス法により密度を測定し空孔率(体積%)に換算した。
【0032】
得られた多孔質金属構造体を、高さ:20cmの位置から落下させ、割れ、剥離等の欠陥の有無を目視で観察し、ハンドリング性を評価した。
また、これら得られた多孔質金属構造体を、内燃機関軸受部相当用鋳型の所定位置に装着した。ついで高圧ダイキャストにより、アルミニウム合金溶湯(JIS ADC12 )を注入して、所定寸法(22mm厚さ×110mm 幅)の内燃機関軸受部相当材とした。
【0033】
得られた内燃機関軸受部相当材から、多孔質金属構造体との境界部を含む引張試験片を採取し、引張強さを測定した。引張試験片の採取方向は、試験片の軸に対し垂直に境界面を含む方向とした。なお、引張強さσは、所望の境界強度σE に対する比、強度比σ/ σE で評価した。なお、σE は表面にアルミめっきした鋳鉄をアルミニウム合金で鋳包んだ場合の境界強度である。
【0034】
また、内燃機関軸受部相当材から、孔以外の部位、および孔の部位からそれぞれ試験片を採取し、熱膨張測定装置により熱膨張係数(室温〜200 ℃間の平均)を測定し、それぞれの部位の体積比から軸受部相当材全体の平均熱膨張係数を算出した。なお、孔に焼結体が形成されていない場合には、孔の部位から採取された試験片はアルミニウム合金からなる試験片である。
【0035】
得られた結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003850357
【0037】
本発明例は、いずれも欠陥はなくハンドリング性に優れ、さらに1.0 以上の高い強度比を有している。また、内層の孔に空孔率が50%を超える多孔質金属製焼結体を形成した本発明例では熱膨張係数が鉄系材料の熱膨張係数に近い値となっている。
一方、本発明の範囲を外れる比較例は、強度比が低いか、あるいは熱膨張係数が大きく、内燃機関用軸受部とした場合、内燃機関稼動時にクリアランスが大きくなりすぎて、騒音・振動を発生する危険性がある。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、軽量でかつ強度が高く取扱い性(ハンドリング性)に優れ、しかもアルミニウム合金の溶浸性に優れ、さらには鉄系金属の熱膨張係数に近い熱膨張係数に調整することが容易な、アルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体を安定してしかも容易に製造でき、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質金属構造体の形状の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の多孔質金属構造体の形状の一例を示す概略断面図である。
【図3】多孔質金属構造体を補強した内燃機関軸受部の例を模式的に示す概略断面図である。
【図4】アルミニウムの溶浸可能肉厚と多孔質金属構造体の空孔率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 クランクシャフト
2 軸受部
3 多孔質金属構造体
4 軸受メタル

Claims (6)

  1. 金属質粉末を含む混合粉を所定形状に成形し、 さらに焼結してなる多孔質金属構造体であって、前記所定形状が、内層に単独または分散した複数の孔を有し、表層側の最大肉厚を6mm以下とする形状とし、前記孔以外の部位が20〜50%の空孔率を有することを特徴とするアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体。
  2. 前記孔に、50%を超える空孔率を有する金属質粉末製焼結体が前記多孔質金属構造体と一体化されて形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体。
  3. 請求項1または2に記載のアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体を、鋳包んでなるアルミニウム合金製内燃機関軸受部
  4. 金属質粉末を含む混合粉を金型に装入し、所定形状に成形し、ついで焼結する多孔質金属構造体の製造方法において、前記所定形状を、内層に単独または分散した複数の孔を有し、表層側の最大肉厚が6mm以下である形状とし、前記孔以外の部位が20〜50%の空孔率を有するように成形、焼結することを特徴とするアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体の製造方法。
  5. 前記孔が、前記焼結後に50%を超える空孔率を有する金属質粉末製焼結体で充たされるように、前記成形後で前記焼結前に金属質粉末を含む混合粉を充填し、あるいは前記混合粉を充填した後にさらに低圧加圧することを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体の製造方法。
  6. 前記孔が、前記焼結後に50%を超える空孔率を有する金属質粉末製焼結体で充たされるように前記孔に嵌合可能な形状の金属質粉末製成形体または金属質粉末製焼結体を、前記成形後で前記焼結前に前記孔に挿入することを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム合金製内燃機関軸受部補強用多孔質金属構造体の製造方法。」
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