JP2004210721A - 口腔用組成物及びチューインガム - Google Patents

口腔用組成物及びチューインガム Download PDF

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Mitsuyoshi Kashiwagi
光義 柏木
Kazuhiko Kato
和彦 加藤
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Abstract

【課題】有機酸及び/または無機酸と、フッ素イオン供給化合物とを含む、歯の美白効果が高い口腔用組成物等に、さらに陰イオン界面活性剤及び/またはメントールを配合する際に、有機酸及び/または無機酸、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールにより発現される異味等を抑制することができる、使用感の良い口腔用組成物等を提供する。
【解決手段】本発明に係る口腔用組成物等は、有機酸及び/または無機酸と、フッ素イオン供給化合物と、陰イオン系界面活性剤と、メントールとを含む口腔用組成物であるか、又は、有機酸及び/または無機酸と、フッ素イオン供給化合物と、メントールとを含むチューインガムであって、歯のエナメル質層において光散乱層を形成することができ、しかも、成分(A)として特定の甘味成分を配合することにより異味が少ない。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯のエナメル質層に光散乱層が形成され、内因性による歯牙着色層を遮蔽し、歯を白く見せることが可能な口腔用組成物またはチューインガム(以下、「口腔用組成物等」という。)に、有機酸及び/または無機酸、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールを配合する際に、これらの有機酸及び/または無機酸、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールにより発現される異味(不快な味)等を抑制することができる口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯牙の着色は、歯石や歯垢、喫煙、又はコーヒー若しくはお茶等の習慣的飲食等により歯面に着色物が付着する外因性着色と、加齢等によって象牙質が着色してくるため、透明度の高いエナメル質を通してその色が見える場合や、エナメル質形成期にテトラサイクリン等の薬剤の使用によりエナメル質自体が着色した場合等の内因性着色に依存する。そこで、歯を根本的に白くするためには、外因性着色のみならず内因性着色にも対応する必要がある。
【0003】
本発明者らの知見によれば、有機酸及び/または無機酸と、フッ素イオン供給化合物とを含む口腔用組成物等を歯に適用すると、歯のエナメル質層において光散乱層が形成され、この光散乱層の遮蔽効果によりエナメル質層下の内因性着色が遮断され、歯を白く見せることができ、高い美白効果が認められる。
【0004】
しかし、前記の口腔用組成物等には、有機酸及び/または無機酸、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールが配合されるために、有機酸及び/または無機酸と陰イオン界面活性剤及び/またはメントールとの相互作用により苦味や渋味(異味)が発現する。
【0005】
これまで、このような異味を低減するために、有機酸及び/または無機酸由来の酸味、メントールや界面活性剤やメントール由来の苦味等、原料単独の異味発現を抑える方法が有効であると考えられており、多くの検討がなされている。
酸味を抑制する方法として、特許文献1のように塩化リゾチームなどの甘味剤を添加する方法や、特許文献2のようにクルクリンやペプチドを添加する方法が考案されている。また、苦味を低減する方法として、特許文献3のようにリン脂質を添加する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、組成物の中に配合される原料単独の異味発現を抑制するためには、上記各特許文献に開示の発明が有効であるかもしれないが、これらの各々の方法を複数の成分の相互作用によって発現する複合的な異味に対し抑制する効果は必ずしもあるとは限らない。つまり、前記各特許文献のいずれの場合も酸味成分、苦味成分が単独に配合された場合についての異味を抑制することしか考慮されておらず、有機酸及び/または無機酸と界面活性剤ならびにメントールの複合味、または有機酸及び/または無機酸とメントールの複合味から発現する異味を抑制することは考慮されていない。また、クルクリンやペプチドなどは、口腔用組成物等の系では不安定であるという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−224602号公報
【特許文献2】
特開2001−89500号公報
【特許文献3】
特開平7−69932号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有機酸及び/または無機酸と、フッ素イオン供給化合物とを含む、歯のエナメル質層において光散乱層が形成される口腔用組成物等に、さらに陰イオン界面活性剤及び/またはメントールを配合する際に、有機酸及び/または無機酸、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールの相互作用により発現される異味等を抑制することができる、使用感の良い口腔用組成物等を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、有機酸及び/または無機酸と、フッ素イオン供給化合物と、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールを含む口腔用組成物に、特定の1種又は2種以上の甘味成分を添加すると、有機酸及び/または無機酸、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールの相互作用により発現する異味を低減でき、使用感の良い口腔用組成物等を得ることができた。
【0010】
具体的に、本発明は、有機酸及び/または無機酸と、フッ素イオン供給化合物と、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールを含む口腔用組成物等であって、前記口腔用組成物等が歯に適用されるときに、歯のエナメル質層において光散乱層が形成され、前記口腔用組成物等には、(A)ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、トレハロース、アセサルファムK、スクラロース、ステビオサイド、グリチルリチン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、オリゴ糖から選ばれる1種以上のものがさらに配合されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
口腔用組成物等に用いる有機酸及び/または無機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の一塩基酸;シュウ酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、マレイン酸等の二塩基酸;乳酸、グリコール酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、グリセリン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;ピルビン酸、アセト酢酸、レブリン酸等のケト酸;安息香酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸;エチレンジアミンテトラ酢酸等のポリカルボン酸類、イソクエン酸、マロン酸、グルタル酸、クルクロン酸、コウジ酸、フィチン酸、アコニット酸、グリセロリン酸等が挙げられる。
【0012】
これらの有機酸の中でも、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸から選ばれる1種又は2種以上を用いることが口腔用組成物等の味・風味の改善、原料の入手しやすさ、コストの低減の点から好ましい。
有機酸の配合量は、口腔用組成物等に対し、色素成分を除去しやすくする効果、歯面へのフッ素取り込み等の効果の点から通常は0.01〜10.0質量%、好ましくは0.1〜7.0質量%とする。
無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、炭酸、リン酸等が挙げられ、リン酸が好ましい。
【0013】
フッ素イオン供給成分としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化リチウム、モノフルオロホスフェイト(例えばモノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウム、モノフルオロリン酸アンモニウム等)等の無機性フッ化物、アミンフッ化物等の有機性フッ化物が挙げられ、中でも安全性、溶解性及び風味等の点からフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ、フッ化リチウム、フッ化アンモニウムが好ましい。このうち、モノフルオロホスフェイトは、フッ素イオンではなく、まずモノフルオロホスフェイトイオンを供給し、口腔中で徐々にフッ素イオンを供給する。
【0014】
口腔用組成物等に含有される有機酸及び/または無機酸としては、口腔用組成物等を適用した口腔内においてpHを3〜6に保つ緩衝系を形成できるものを用いることが好ましく、特に、pH4〜5が好ましい。
【0015】
本発明で使用する陰イオン界面活性剤は特に制限されず、口腔用組成物等に発泡剤として一般に用いられているもの、例えばラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシネート塩等のN−アシルアミノ酸塩等を用いることができる。
陰イオン界面活性剤は1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、口腔用組成物等に対し、磨き心地のよい泡立ちで使用感を高めたり、香料や殺菌剤などの油溶性成分を可溶化する等の点から0.01〜2.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%とする。
なお、陰イオン界面活性剤は、チューインガムの場合には配合しなくてもよい。
【0016】
本発明において、メントールは、口腔用組成物等を使用した後の適度な清涼感を付与するために、0.01〜1.0質量%、好ましくは0.1〜0.7質量%の割合で口腔用組成物等に配合する。
【0017】
上記有機酸及び/または無機酸、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールの同時配合により発現する異味を抑制するために、本発明においては、(A)成分:ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、トレハロース、アセサルファムK、スクラロース、ステビオサイド、グリチルリチン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、オリゴ糖のなかから1種又は2種以上を組み合わせて口腔用組成物等に配合する。ここで、前記オリゴ糖は、例えば、ラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖などが挙げられる。
【0018】
また、(A)成分には、更にグリセリン、サッカリンナトリウムを含めてもよく、例えば、グリセリン又はサッカリンナトリウムと上記特定の甘味成分との組み合わせ、或いは、グリセリンとサッカリンナトリウムとの組み合わせを(A)成分として用いることができる。
【0019】
これら特定の甘味成分、すなわち、(A)成分は、有機酸及び/または無機酸、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールの同時配合により発現する異味を効果的に抑制し、かつ、口腔内で使用したときの使用感を良くするために、異味の質と強さに合わせて適宜選択することによって、口腔用組成物等の味覚又は風味のバランスをとることが好ましい。選択された1種以上の甘味成分の合計が、通常は0.0001〜80.0質量%、好ましくは0.1〜60質量%の割合となるように口腔用組成物等に配合する。
【0020】
前記(A)成分は、食品にも使用されているものであり、安全性にも優れている。また、有機酸及び/または無機酸を含む口腔用組成物等の場合、配合成分(例えば、特許文献2のようなクルクリンやペプチド)によっては、経時的安定性に問題が生ずるものもあるが、本発明の(A)成分(グリセリン、サッカリンナトリウムを含む)は熱的安定性等を含む経時的安定性にも優れている。
【0021】
上記特定の甘味成分に、グリセリン、サッカリンナトリウムが更に加わった場合、口腔用組成物等の異味を抑制することがより効果的であり、口腔用組成物等の味を良好にすることができる。
グリセリン及びサッカリンナトリウムは、有機酸及び/または無機酸、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールの同時配合により発現する異味を効果的に抑制し、かつ、口腔内で使用したときの使用感を良くする観点から、それらの合計が0.0001〜40.0質量%、好ましくは0.1〜30.0質量%の割合で口腔用組成物等に配合する。
【0022】
本発明の前記(A)成分は、異味を抑制し、甘味のバランスがとれた良好な味に調整するために、当該(A)成分の甘味度を5000〜10000にすることができる。特に6000〜9000の範囲とすることが好ましい。(A)成分がグリセリン、サッカリンナトリウム又はその両方を含む場合には、当該(A)成分の甘味度を6000〜9000の範囲とすることが異味の抑制に特に効果的である。
ここで甘味度とは、ショ糖を100としたときの相対的な甘味の強さである。成分(A)の甘味度は、成分(A)を構成する各甘味剤の甘味度及び配合割合によって決定され、グリセリン及びサッカリンナトリウムを含む上記特定の甘味成分から具体的に選ばれた各甘味剤の組み合わせ又は配合量を変えることによって調整することができる。
【0023】
本発明の口腔用組成物等には、前記成分の他、例えば発泡剤、発泡助剤、研磨剤、湿潤剤、粘結剤、増量剤、甘味剤、保存料、殺菌剤、薬効成分、粘着剤、顔料、色素、香料等の通常の口腔用組成物又はチューインガムに用いられる成分を適宜含有させることができる。
【0024】
例えば、従来用いられた美白成分であるポリエチレングリコール;塩化ナトリウム、乳酸アルミニウム、グリチルレチン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、塩化リゾチーム、イプシロンアミノカプロン酸、アズレン、銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅、乳酸アルミニウム、酢酸dl−トコフェロール、硝酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、デキストラナーゼ、アミラーゼ、クエン酸亜鉛、塩化亜鉛等の有効成分;無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の研磨剤などを適宜配合することができる。
【0025】
そのほかにも、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の湿潤剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン等の粘結剤;パラオキシ安息香酸メチル等の保存剤、塩化ベンゼトニウム、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム等の殺菌剤;トラネキサム酸等の消炎剤;水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のpH調整剤;ペパーミント油、スペアミント油、アネトール、ユーカリプトール、リモネン、サリチル酸メチル、オイゲノール、チモール、シンナミックアルデヒド、ハーブやスパイスから得られたフレーバー素材、種々のフルーツフレーバー等口腔用組成物や食品に使用することのできる香料;着色剤;発泡剤を添加することができる。また、本発明の口腔用組成物等を調整するために、精製水等の水を用いることができる。
【0026】
本発明の口腔用組成物等は、例えば、練り歯磨き、液状歯磨き、洗口液等として、或いはチューインガムとして用いることができ、口腔用組成物の一般的な製法に準じてゲル状、ペースト状、溶液状といった剤形に調製することができる。
【0027】
【実施例】
<口腔用組成物の調製>
表1に示す組成に従って実施例1〜5及び比較例1及び2の歯磨剤を調製した。また、表2に示す組成に従って実施例6〜9及び比較例3及び4の洗口剤を調製した。さらに表3に示す組成に従って実施例10〜13及び比較例5及び6のチューインガムを調製した。
【0028】
【表1】
Figure 2004210721
【0029】
【表2】
Figure 2004210721
【0030】
【表3】
Figure 2004210721
【0031】
<評価方法>
(1)味の評価
得られた歯磨剤、洗口剤及びチューインガムについて、甘味度を測定すると共に、専門パネル3名が下記基準にて官能評価を行なった。歯磨剤の使用量は約1g、洗口剤の使用量は約5ml、チューインガムの使用量は1gとし、以下の基準で評価した。
(1−1)異味の抑制効果
1:明らかに異味が抑制されていない
2:異味が抑制されていない
3:異味がやや抑制されている
4:異味が抑制されている
(1−2)甘さの強さ
不足:甘さが足りない
適度:甘さがちょうど良い
やや過度:甘さがやや強い
過度:甘さが強い
(1−3)総合評価
1:使用感が良くない
2:使用感があまりよくない
3:使用感がやや良い
4:使用感が良い
【0032】
表1、表2及び表3に示す成分の甘味度は、ソルビトール(甘味度:70)、キシリトール(甘味度:100)、グリチルリチン(甘味度:25000)、パラチニット(甘味度:60)、トレハロース(甘味度:45)、エリスリトール(甘味度:80)、サッカリンナトリウム(甘味度:50000)、グリセリン(甘味度:60)を含む甘味度であって、下記の計算式によって計算される。なお、各甘味剤の甘味度は、「甘味料総覧」フードケミカル−4(食品化学新聞社発行)のデータより換算したものである。
甘味度 = Σ(甘味剤の甘味度×組成物中の配合率)
【0033】
(2)光散乱層の有無
表1に示す組成物をイオン交換水で30質量%に希釈し、この希釈液の中に牛の歯牙(表面は鏡面研磨)を40時間浸漬した。また、表2に示す組成物中に牛の歯牙(表面は鏡面研磨)を40時間浸漬した。さらに、表3の場合は、チューインガムを細かくした後、濃度が30質量%になるようにイオン交換水を加え、十分撹拌した液の中に牛の歯牙(表面は鏡面研磨)を40時間浸漬した。
【0034】
牛の歯牙を割って、その割断面をマイクロスコープ写真撮影し、エナメル質表層下に光散乱層(図1(a))が形成されているか否かを確認した。光散乱層が認められたもの(図1(a))を○、光散乱層が認められなかったもの(図1(b))を×とした。
【0035】
(3)美白効果の有無
表1に示す組成物をイオン交換水で30質量%に希釈し、この希釈液の中にあらかじめ写真撮影した牛の歯牙(表面は鏡面研磨)を40時間浸漬した。また、表2に示す組成物中にあらかじめ写真撮影した牛の歯牙(表面は鏡面研磨)を40時間浸漬した。さらに、表3にの場合は、チューインガムを細かくした後、濃度が30質量%になるようにイオン交換水を加え、十分撹拌した液の中にあらかじめ写真撮影した牛の歯牙(表面は鏡面研磨)を40時間浸漬した。牛の歯牙を引き上げた後に当該歯牙の写真撮影を行い、以下の基準で評価した。
【0036】
処理前後の歯牙を撮影した写真を15名のパネルに見てもらい、白くなったと判断したものを○、変わらなかったと判断したものを×とした。また、処理によりつやが無くなったと感じたものは、たとえ白くなっていたとしても評価は×とした。全員が白くなったと評価したものは◎とし、半数以上が白くなったと評価したものを○、それ以外は×とした。評価の結果は、それぞれ、表1〜3に示した。
【0037】
<評価の結果>
実施例1の歯磨剤には、ソルビトールが配合されているため、適度な甘味を有すると共に、クエン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、メントールの相互作用により発現する異味が抑制される結果が得られた(表1)。また、実施例2の歯磨剤には、ソルビトール、キシリトール、サッカリンナトリウムが配合され、適度な甘味を有し、クエン酸、リン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、メントールの相互作用により発現する異味が抑制される結果が得られた。また、実施例3は、ソルビトール、トレハロースに加え、サッカリンナトリウムとグリセリンとで甘味度が調整された結果、クエン酸、リンゴ酸、ラウリル硫酸ナトリウム、メントールの相互作用により発現する異味が抑制される結果が得られた。
【0038】
実施例5は、ソルビトール、キシリトール、トレハロースに加え、サッカリンナトリウムとグリセリンとで甘味度が調整された結果、リンゴ酸、ラウリル硫酸ナトリウム、メントールの相互作用により発現する異味が抑制され、これらのものの総合的な効果として、口腔用組成物の味のバランスがさらに良くなった(総合評価:4;表1)。すなわち、実施例5の歯磨剤は適度な甘味を有するのみならず、リンゴ酸、ラウリル硫酸ナトリウム、メントールの相互作用により発現する異味がより一層抑制され、かつ、味のバランスが良く、その結果、より使用感の良い歯磨剤が得られた。
【0039】
また、実施例1〜5及び比較例1の練り歯磨きでは、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成が認められ、美白効果も認められたのに対して、比較例2の練り歯磨きでは、有機酸の配合量が多いため、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成は認められず、美白効果もやや低い結果であった。
【0040】
実施例6の洗口剤には、キシリトールが配合され、適度な甘味を有すると共に、クエン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、メントールの相互作用により発現する異味が抑制される結果が得られた。また、実施例8の洗口剤には、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、グリチルリチンが配合され、実施例6の洗口剤と同様に適度な甘さを有するとともに、リンゴ酸、ラウリル硫酸ナトリウム、メントールの相互作用により発現する異味が抑制される結果が得られた。
【0041】
また、実施例9の洗口剤には、ソルビトール、キシリトール、グリチルリチンに加えて、サッカリンナトリウムとグリセリンとで甘味度が調整された結果、これらのものの総合的な効果として、口腔用組成物の味のバランスがさらに良くなった(総合評価:4;表2)。すなわち、実施例9の洗口剤には、適度な甘味があり、リン酸、リンゴ酸、ラウリル硫酸ナトリウム、メントールの相互作用により発現する異味がより一層抑制され、かつ、味のバランスが良くなり、その結果、より使用感の良い洗口剤が得られた。
【0042】
また、実施例6〜9及び比較例3の洗口剤では、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成が認められ、美白効果も認められたのに対して、比較例4の洗口剤では、有機酸の配合量が多いため、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成は認められず、美白効果もやや低い結果であった。
【0043】
実施例10のチューインガムには、キシリトールが配合され、適度な甘味を有すると共に、クエン酸、メントールの相互作用により発現する異味が抑制される結果が得られた。また、実施例11のチューインガムには、パラチニットに加え、サッカリンナトリウムで甘味度が調製されたため、クエン酸、リン酸、メントールの相互作用により発現する異味が抑制される結果が得られた。
【0044】
また、実施例13のチューインガムには、パラチニット、キシリトール、グリチルリチンに加えて、サッカリンナトリウムで甘味度が調整された結果、リンゴ酸、リン酸、メントールの相互作用により発現する異味が抑制される結果が得られ、これらのものの総合的な効果として、口腔用組成物の味のバランスがさらに良くなった(総合評価:4;表3)。すなわち、実施例13のチューインガムには、適度な甘味があり、リン酸、クエン酸、メントールの相互作用により発現する異味がより一層抑制され、かつ、味のバランスが良くなり、その結果、より使用感の良いチューインガムが得られた。
【0045】
また、実施例10〜13及び比較例5のチューインガムでは、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成が認められ、美白効果も認められたのに対して、比較例6のチューインガムでは、有機酸の配合量が多いため、歯牙のエナメル質層内部に光散乱層の形成は認められず、美白効果もやや低い結果であった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の口腔用組成物等を口腔に適用することによって、日常の口腔の手入れ又はチューインガムの愛用を通じて、手軽に歯の美白を実行することが可能であり、しかも、有機酸及び/または無機酸と、陰イオン界面活性剤及び/またはメントールを併用しているにもかかわらず異味が少なく、味覚又は風味が良好であることから、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】牛の歯牙の割断面をマイクロスコープで観察した写真である。
(a)は本発明の口腔用組成物によって処理された牛の歯牙の割断面である。
(b)は処理されていない牛の歯牙の割断面である。
(c)は歯牙の構造を示した図である。

Claims (4)

  1. 有機酸及び/または無機酸と、フッ素イオン供給化合物と、陰イオン界面活性剤と、メントールとを含む口腔用組成物であって、
    前記口腔用組成物が歯に適用されるときに、歯のエナメル質層において光散乱層が形成され、
    前記口腔用組成物には、成分(A)ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、トレハロース、アセサルファムK、スクラロース、ステビオサイド、グリチルリチン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、オリゴ糖から選ばれる1種以上のものがさらに配合された口腔用組成物。
  2. 前記成分(A)の甘味度が5000〜10000であって、前記成分(A)には、グリセリン、サッカリンナトリウムを更に含む請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 有機酸及び/または無機酸と、フッ素イオン供給化合物と、メントールとを含むチューインガムであって、
    前記チューインガムが歯に適用されるときに、歯のエナメル質層において光散乱層が形成され、
    前記チューインガムには成分(A)ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、トレハロース、アセサルファムK、スクラロース、ステビオサイド、グリチルリチン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、オリゴ糖から選ばれる1種以上のものがさらに配合されたチューインガム。
  4. 前記成分(A)の甘味度が5000〜10000であって、前記成分(A)には、グリセリン、サッカリンナトリウムを更に含む請求項3に記載のチューインガム。
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