JP2004209816A - 吸収マット - Google Patents
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Abstract
【課題】食材などの物品から生じたドリップを効率よく吸収することができる吸収マットを提供する。
【解決手段】吸収層22に表面シート23を積重した吸収マット21に、物品、たとえば肉および魚などの食材を乗載する。食材から流れ出たドリップは表面シート23に形成された複数の開口突部25の開口内に導かれる。開口突部25は、吸収層22に臨んで開口する透孔24を有する。開口突部25が、吸収層22に向かって先細状に形成され、表面シート23の吸収層22に臨む他表面に適度に微小な開口面積で開口する第2開口30を形成する。したがって毛細管現象によって開口突部25の開口内のドリップは、迅速に吸収層22に排出され、吸収される。このようにして吸収マット21は、物品から生じたドリップを効率よく吸収することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】吸収層22に表面シート23を積重した吸収マット21に、物品、たとえば肉および魚などの食材を乗載する。食材から流れ出たドリップは表面シート23に形成された複数の開口突部25の開口内に導かれる。開口突部25は、吸収層22に臨んで開口する透孔24を有する。開口突部25が、吸収層22に向かって先細状に形成され、表面シート23の吸収層22に臨む他表面に適度に微小な開口面積で開口する第2開口30を形成する。したがって毛細管現象によって開口突部25の開口内のドリップは、迅速に吸収層22に排出され、吸収される。このようにして吸収マット21は、物品から生じたドリップを効率よく吸収することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食材などの物品から生じたドリップなどを吸収するために好適に用いることができる吸収マットに関する。
【0002】
【従来の技術】
物品であるたとえば肉類および魚介類などの生鮮食品として市販されているフィーレなどの食材は、発泡合成樹脂から成るトレイに乗載され、ラップフィルムによって梱包されている。このような食材からは、時間の経過とともにドリップが生じ、トレイの底部に溜まる。このドリップには細菌が付着して繁殖し易く、このようなドリップが食材に付着すると、食材の腐敗の原因となり、また食材の質が低下してしまうため、ドリップを食材に接触させないために、前記トレイにはドリップを吸収するための吸収マットを敷設している。
【0003】
典型的な従来の技術では、ドリップと食材との接触を防止するために、不織布の吸収層から成る吸収マットをトレイと食材との間に介在させ、食材から流れ出たドリップを吸収することができるように構成される。
【0004】
前記吸収マットでは、少量のドリップしか吸収することができないので、その吸収マットの吸収することができる量を超えて多量のドリップが生じた場合、前記吸収することのできなかったドリップが、吸収マットと食材との間に保持されてしまう。したがって食材とドリップとが常に接触し、上記のように食材の腐敗および質の低下が生じるという不具合がある。またこの吸収マットにドリップが吸収された状態であっても、吸収マットの表面にはドリップが露出しているので、上記吸収マットに吸収されなかったドリップだけでなく、吸収マットに吸収されたドリップであっても食材に接触するという不具合が生じる。
【0005】
図7は、他の従来の技術の吸収マット1の一部の平面図である。上述の従来の技術の問題を解決するために、吸収マット1では、不織布から成る吸収層2の一表面上に、不透水性のたとえばポリエチレンなどの合成樹脂から成る表面シート3が積重された構成を有する。吸収マット1の厚みは約0.5mm〜約1.0mmである。前記表面シート3には、複数の円形の透孔4が設けられ、この透孔4を介して食材から生じるドリップを吸収層2に吸収させる。前記吸収層2を不透水性の表面シート3が内包するので、吸収層2に吸収されたドリップが吸収マット1の表面に露出することがなく、乗載した食材にドリップが付着することが防がれる。
【0006】
図8は、さらに他の従来の技術の吸収マット11の一部の平面図である。上述の吸収層だけによって吸収マットを構成する従来の技術の問題を解決するために、この従来の技術の吸収マット11では、不織布から成る吸収層12の一表面上に不透水性のたとえばポリエチレンなどの合成樹脂から成る表面シート13が積重された構成を有する。吸収マット1の厚みは約0.5mm〜約1.0mmである。前記表面シート13には、複数の亀裂14が設けられ、この亀裂14を介して食材から生じるドリップを吸収層12に吸収させる。前記吸収層12を不透水性の表面シート13が内包するので、吸収層12に吸収されたドリップが吸収マット11の表面に露出することがなく、乗載した食材にドリップが付着することが防がれる(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−158074号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これら図7および図8に示される各従来技術では、表面シート3,13の表面において、透孔4および亀裂14の開口面積が小さいので、透孔4および亀裂14を除いた表面シート3,13の面積が大きく、食材から流れ出たドリップを充分にかつ迅速に吸収層2,12へ導くことができず、次に述べる図9に示されるように、表面シート3,13上にドリップが残留してしまい、確実にドリップを吸収層2,12へ吸収して、食材への付着を防止することができない。
【0009】
図9は、図7の切断面線IX−IXから見た断面図である。前記吸収マット1は、表面シート3の食材に接する面が多いので、食材と表面シート3との間に表面張力によって保持されるドリップが多い。また透孔4の開口率が小さいので、食材から流れ出たドリップのうち、透孔4を介して吸収層2に導かれるドリップは少量となる。このようにドリップが、吸収層2に充分に吸収されずに表面シート3上に残留し、この残留したドリップが食材と接触し、食材の鮮度が低下するという不具合が生じる。前述の図8に示される従来技術もまた、上記図7に示される従来技術と同様な問題を有する。
【0010】
したがって本発明の目的は、食材などの物品から生じたドリップを効率よく吸収することができる吸収マットを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、フラッフ状の繊維から成るシート状の吸収層と、
吸収層の少なくとも一表面に積重される表面シートとを含み、
前記表面シートには、吸収層に向かって先細状に突出し、吸収層に臨んで開口する透孔を有する複数の開口突部が相互に隣接して形成されることを特徴とする吸収マットである。
【0012】
本発明に従えば、吸収マットの表面シートには、吸収層に向かって先細状に突出し、吸収層に臨んで開口する透孔を有する複数の開口突部が相互に隣接して形成されるので、表面シートの物品と接する一表面の開口面積が多くなり、開口突部を除いた面積が少なくなる。したがって表面張力の作用によって表面シートの一表面に保持されるドリップは、表面シートに載置された物品、たとえば肉および魚などの食材と表面シートの一表面との間に保持されにくく、吸収層へと排出されて、吸収されやすくなる。
【0013】
開口突部の残余の領域を狭くできるので、換言すれば開口突部が吸収層に向かって先細状に形成されるので、載置された物品に臨んで大きな開口面積で開放させることができる。これによって物品から流れ出たドリップを開口突部の開口内に導きやすくして、効率よく吸収層に排出し、吸収させることができる。
【0014】
吸収層に臨む開口突部が、適度に微小な開口面積で開口している場合には毛細管現象によって、開口突部の開口内に導かれたドリップを吸収層へ迅速に開口突部から吸収層に向けて排出することができ、開口突部の開口内にドリップが滞留して食材に付着するという不具合が防がれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の吸収マット21の構成を示す拡大断面図である。吸収マット21は、吸収層22と表面シート23とを含んで構成される。吸収層22は、フラッフ状の繊維から成る不織布によって実現され、たとえば肉などの食材から直接流れ出る血液および微量の油分を含む液体であるドリップを吸収することのできる多くの空隙を有する。表面シート23は、不透水性のシートであり、ドリップを吸収しないポリエチレンシートによって実現される。表面シート23は、吸収層22の表面シート23に臨む一表面に積重した状態で、ホットメルト接着剤によって接着される。
【0016】
表面シート23には、複数の開口突部25が相互に隣接して形成される。開口突部25は、吸収層22に向かって先細状に突出し、吸収層22に臨んで開口する透孔24を有する。
【0017】
開口突部25は、表面シート23の物品に臨む一表面の開口突部25の開口部である第1開口部27、表面シート23の吸収層22に臨む他表面の開口突部25の開口部である第2開口部28とを有する。第1開口部25に外嵌される開口を第1開口29といい、第2開口部28に外嵌される第1開口29よりも小径の開口を第2開口30という。第2開口部28は、毛細管現象によって、開口突部25の開口内に導かれたドリップを吸収層22に向けて迅速に排出するような適度に微小な開口面積で開口している。
【0018】
表面シート23において、物品に臨む一表面を含む平面上における表面シート23の開口率は、50〜85%、本実施の形態では75%であり、吸水層22に臨む他表面の表面シート23の開口率は15%〜50%、本実施の形態では30%である。
【0019】
開口突部25の第1開口部27と第2開口部28とを含む表面シート23の実行厚みである表面シート23の厚みTは、物品を乗載しない状態で約0.2mm〜約1.0mm、本実施の形態では0.5mmである。
【0020】
表1に、本実施の形態の吸収マット21に乗載した物品によって表面シート23の単位面積当たりにかかる荷重Pと本実施の形態の表面シート23の厚みTとの関係を示す。吸収マット21に物品を乗載したとき、表面シート23の物品に臨む一表面が物品を支持し、表面シート23の物品に臨む一表面は開口突部25の第1開口部を含む。
【0021】
【表1】
【0022】
表1に示すように、吸収マット21に物品を乗載しない状態での表面シート23の厚みT1は0.5[mm]である。表面シート23の単位面積あたりにかかる荷重P1が9.8[N/m2]のとき、表面シート23の厚みT2は0.46[mm]である。表面シート23の単位面積あたりにかかる荷重P2が24.5[N/m2]のとき、表面シート23の厚みT3は0.4[mm]である。表面シート23の単位面積あたりにかかる荷重P3が49.0[N/m2]のとき、表面シート23の厚みT4は0.31[mm]である。吸収マット21に肉および魚などの食材を乗載することによって表面シート23の単位面積あたりにかかる荷重Pは、49.0[N/m2]よりも小さいので、表面シート23の厚みTは、表1に示すように0.31[mm]以上である。このとき表面シート23の開口突部25は、上述の構成と同様の構成を有するような充分な強度を有する。
【0023】
吸収マット21に物品、たとえば肉および魚などの食材を乗載すると、その食材は、表面シート23の食材に臨む一表面に支持される。食材から流れ出たドリップは、表面シート23の開口突部25の開口内へ導かれ、毛細管現象によって開口突部25から吸収層22へ迅速に排出される。吸収層22に排出されたドリップは、吸収層22に吸収される。
【0024】
図2は、吸収マット21の使用例を示す斜視図である。発泡合成樹脂から成るトレイに吸収マット21が載置され、吸収マット21に物品、たとえば肉類および魚類などの生鮮食品として市販されているフィーレなどの食材が乗載され、ラップフィルムによって梱包されている。前記食材からは、時間の経過とともにドリップが生じる。食材から流れ出たドリップは、上述のようにして、迅速かつ確実に吸収層22へ排出され、吸収される。
【0025】
図3は、本実施の形態の表面シート23を形成するための構成を示す斜視図である。表面シート23は、供給リールR1、凸面彫刻加熱成型ロールR2、凹面彫刻加熱成型ロールR3、ばり掻取りロールR4および巻取りリールR5を用いて形成される。
【0026】
供給リールR1は、円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりの回転方向Aに回転自在に設けられる。
【0027】
凸面彫刻加熱成型ロールR2は、大略的に円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりの回転方向Bに回転自在に設けられる。凸面彫刻加熱成型ロールR2の外周面には、先細状に形成された円錐台状の突部32が複数設けられる。
【0028】
凹面彫刻加熱成型ロールR3は、大略的に円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりに回転方向Dに回転自在に設けられる。凹面彫刻加熱成型ロールR3の外周面には複数の透孔33が設けられる。凹面彫刻加熱成型ロールR3は、凹面彫刻加熱成型ロールR3の外周面と凸面彫刻加熱成型ロールR2の外周面とが対向するように配置される。
【0029】
ばり掻取りロールR4は、大略的に円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりの回転方向Eに回転自在に設けられる。ばり掻取りロールR4の外周面には、複数の刃などのばり掻取り部材が設けられる。ばり掻取りロールR4は、凹面彫刻加熱成型ロールR3の外周面の内側の面に臨んで配置される。
【0030】
巻取りリールR5は、円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりの回転方向Fに回転自在に設けられる。
【0031】
供給リールR1、凸面彫刻加熱成型ロールR2、凹面彫刻加熱成型加熱ロールR、ばり掻取りロールR4および巻取りリールR5は、それぞれの軸線が互いに平行になるように配置される。
【0032】
供給リールR1には、表面シート23を形成するポリエチレンシート31が巻付けられる。供給リールR1が回転するとともに、供給リールR1に巻付けられたポリエチレンシート31は回転方向Aに沿って回転して、順次供給リールR1から離間し、凸面彫刻加熱成型ロールR2および凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3へと搬送される。凸面彫刻加熱成型ロールR2および凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3へと搬送されたポリエチレンシート31は、凸面彫刻加熱成型ロールR2と凹面彫刻加熱成型ロールR3とに挟まれて、開口突部25を形成される。ポリエチレンシート31は、開口突部25を形成されるとともに凸面彫刻加熱成型ロールR2および凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3の回転によって、巻取りリールR5へと搬送される。開口突部25を形成されたポリエチレンシート31は、巻取りリールR5が回転するとともに、回転方向Fに沿って回転して、巻取りリールR5に巻取られる。
【0033】
図4は、開口突部25を形成するための構成を示す拡大断面図である。凸面彫刻加熱成型ロールR2および凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3は、凸面彫刻加熱成型ロールR2の外周面に設けられた突部32と、凹面彫刻加熱成型ロールR3に設けられた透孔33とが互いに噛合するようにそれぞれ回転する。
【0034】
突部32と透孔33とが互いに噛合して、ポリエチレンシート31を挟むことによって、ポリエチレンシート31には、ポリエチレンシート31の厚み方向一方側に突出する円錐台状の突出部34が形成される。ばり掻取りロールR4が回転することによって、ばり掻取りロールR4に設けられたばり掻取り部材35が、前記突出部34であって凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3の外表面の内側の面から突出した部分を掻取る。このようにしてポリエチレンシート31に、開口突部25が形成される。凸面彫刻加熱成型ロールR2に設けられた複数の突部32と凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3に設けられた複数の透孔33とが、それぞれ互いに噛合することによって、ポリエチレンシート31には複数の開口突部25が形成される。
【0035】
フラッフ状の繊維から成る不織布は、一表面にホットメルト接着剤を塗布される。ホットメルト接着剤を塗布された不織布の一表面に、上述のようにして開口突部25を形成されたポリエチレンシート31の一表面を積重した状態で、ホットメルト接着剤を加熱および加圧した後、冷却することによって、ポリエチレンシート31と不織布とは接着される。接着されたポリエチレンシート31と不織布とは、切断されることなどによって所定の大きさの吸収マット21となる。
【0036】
ポリエチレンシート31のホットメルト接着剤に接する一表面は、表面シート23の吸収層22に臨む他表面となり、不織布のホットメルト接着剤を塗布された一表面は、吸収層22の表面シート23に臨む面となる。
【0037】
図5は、本実施の形態の表面シート23と比較例の表面シート23Aを示す斜視図である。本実施の形態の表面シート23は、上述のようにして形成された複数の開口突部25を有する。
【0038】
比較例の表面シート23Aには、複数の開口突部25Aが相互に隣接して形成される。開口突部25Aは、円筒状に突出して開口する透孔24Aを有する。透孔24Aは、本実施の形態の透孔24の第2開口30と同一の開口面積で開口する第2開口30Aを有する。比較例の表面シート23の透孔24Aは円筒状に形成されるので、第1開口29Aの開口面積は、第2開口30Aの開口面積と同一である。
【0039】
本実施の形態の表面シート23における第1開口29の開口面積は、比較例の表面シート23Aにおける第1開口29の開口面積よりも大きい。これによって食材から流れ出たドリップを開口突部25の開口内に導きやすくして、効率よく吸収層22に排出し、吸収させることができる。
【0040】
本実施の形態の表面シート23における第1開口29の開口面積は、比較例の表面シート23Aにおける第1開口29の開口面積よりも大きいので、本実施の形態の表面シート23の食材に臨む一表面の面積は、比較例の表面シート23Aの食材に臨む一表面の面積よりも小さい。したがって比較例の表面シート23Aに比べて、本実施の形態の表面シート23では、載置された食材と表面シート23の食材に臨む一表面との間に、表面張力によって保持されるドリップが少なくなり、食材から流れ出たドリップは、吸収層22へと排出されて、吸収されやすくなる。
【0041】
本実施の形態の表面シート23では、第2開口30が適度に微小な開口面積で開口している。これによって毛細管現象によって、開口突部25の開口内に導かれたドリップを吸収層22へ迅速に開口突部25から吸収層22に向けて排出することができ、開口突部25の開口内にドリップが滞留して食材に付着するという不具合が防がれる。
【0042】
図6は、本発明の実施の他の形態の吸収マット41の構成を示す断面図である。吸収マット41は、吸収層42、表面シート43および不透水性シート44を含んで構成される。本発明の他の実施の形態の吸収マット41の吸収層42および表面シート43は、上述の実施の形態の吸収マット21の吸収層22および表面シート23とそれぞれ同様の構成であり、説明を省略する。
【0043】
不透水性シート44は、ドリップを吸収しない不透水性のポリエチレンシートによって実現される。不透水性シート44の吸収層42に臨む一表面に吸収層42が積重され、吸収層42の表面シート43に臨む一表面に表面シートが積重される。表面シート43と不透水性シート44とは、それぞれの端部で互いに接合され、吸収層42を内包する。
【0044】
トレイに、上述のように構成された吸収マット41が載置され、吸収マット41に物品、たとえば肉および魚などの食材を乗載すると、前記食材は表面シート43の食材に臨む一表面に支持される。食材から流れ出たドリップは、表面シート43の開口突部45の開口内へ導かれ、毛細管現象によって開口突部45から吸収層42へ迅速に排出され、吸収される。
【0045】
吸収層42が、表面シート43と不透水性シート44とに内包されており、表面シート43および不透水性シート44は不透水性を有するので、吸収マット41に吸収されたドリップは、吸収マット41の食材に臨む一表面および他表面に露出することはない。したがって吸収マット41に吸収されたドリップが、吸収マット41のトレイに臨む他表面に露出してトレイに付着し、トレイに付着したドリップが、吸収マット41に乗載した食材に接触することによって、食材の鮮度を低下させるという不具合を防止することができる。
【0046】
本実施の形態では、凸面彫刻加熱成型ロールR2の外表面に、円錐台状の突部32が設けられたが、多角錘台状の突部が設けられてもよい。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、吸収マットの表面シートには開口突部が先細状に形成されるので、食材から流れ出たドリップを迅速かつ確実に吸収層へ排出して吸収させることができる。これによって、食材にドリップが付着して、食材の質が低下するという不具合を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の吸収マット21の構成を示す拡大断面図である。
【図2】吸収マット21の使用例を示す斜視図である。
【図3】本実施の形態の表面シート23を形成するための構成を示す斜視図である。
【図4】開口突部25を形成するための構成を示す拡大断面図である。
【図5】本実施の形態の表面シート23と比較例の表面シート23Aを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の他の形態の吸収マット41の構成を示す断面図である。
【図7】他の従来の技術の吸収マット1の一部の平面図である。
【図8】さらに他の従来の技術の吸収マット11の一部の平面図である。
【図9】図7の切断面線IX−IXから見た断面図である。
【符号の説明】
21,41 吸収マット
22,42 吸収層
23,43 表面シート
24 透孔
25 開口突部
【発明の属する技術分野】
本発明は、食材などの物品から生じたドリップなどを吸収するために好適に用いることができる吸収マットに関する。
【0002】
【従来の技術】
物品であるたとえば肉類および魚介類などの生鮮食品として市販されているフィーレなどの食材は、発泡合成樹脂から成るトレイに乗載され、ラップフィルムによって梱包されている。このような食材からは、時間の経過とともにドリップが生じ、トレイの底部に溜まる。このドリップには細菌が付着して繁殖し易く、このようなドリップが食材に付着すると、食材の腐敗の原因となり、また食材の質が低下してしまうため、ドリップを食材に接触させないために、前記トレイにはドリップを吸収するための吸収マットを敷設している。
【0003】
典型的な従来の技術では、ドリップと食材との接触を防止するために、不織布の吸収層から成る吸収マットをトレイと食材との間に介在させ、食材から流れ出たドリップを吸収することができるように構成される。
【0004】
前記吸収マットでは、少量のドリップしか吸収することができないので、その吸収マットの吸収することができる量を超えて多量のドリップが生じた場合、前記吸収することのできなかったドリップが、吸収マットと食材との間に保持されてしまう。したがって食材とドリップとが常に接触し、上記のように食材の腐敗および質の低下が生じるという不具合がある。またこの吸収マットにドリップが吸収された状態であっても、吸収マットの表面にはドリップが露出しているので、上記吸収マットに吸収されなかったドリップだけでなく、吸収マットに吸収されたドリップであっても食材に接触するという不具合が生じる。
【0005】
図7は、他の従来の技術の吸収マット1の一部の平面図である。上述の従来の技術の問題を解決するために、吸収マット1では、不織布から成る吸収層2の一表面上に、不透水性のたとえばポリエチレンなどの合成樹脂から成る表面シート3が積重された構成を有する。吸収マット1の厚みは約0.5mm〜約1.0mmである。前記表面シート3には、複数の円形の透孔4が設けられ、この透孔4を介して食材から生じるドリップを吸収層2に吸収させる。前記吸収層2を不透水性の表面シート3が内包するので、吸収層2に吸収されたドリップが吸収マット1の表面に露出することがなく、乗載した食材にドリップが付着することが防がれる。
【0006】
図8は、さらに他の従来の技術の吸収マット11の一部の平面図である。上述の吸収層だけによって吸収マットを構成する従来の技術の問題を解決するために、この従来の技術の吸収マット11では、不織布から成る吸収層12の一表面上に不透水性のたとえばポリエチレンなどの合成樹脂から成る表面シート13が積重された構成を有する。吸収マット1の厚みは約0.5mm〜約1.0mmである。前記表面シート13には、複数の亀裂14が設けられ、この亀裂14を介して食材から生じるドリップを吸収層12に吸収させる。前記吸収層12を不透水性の表面シート13が内包するので、吸収層12に吸収されたドリップが吸収マット11の表面に露出することがなく、乗載した食材にドリップが付着することが防がれる(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−158074号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これら図7および図8に示される各従来技術では、表面シート3,13の表面において、透孔4および亀裂14の開口面積が小さいので、透孔4および亀裂14を除いた表面シート3,13の面積が大きく、食材から流れ出たドリップを充分にかつ迅速に吸収層2,12へ導くことができず、次に述べる図9に示されるように、表面シート3,13上にドリップが残留してしまい、確実にドリップを吸収層2,12へ吸収して、食材への付着を防止することができない。
【0009】
図9は、図7の切断面線IX−IXから見た断面図である。前記吸収マット1は、表面シート3の食材に接する面が多いので、食材と表面シート3との間に表面張力によって保持されるドリップが多い。また透孔4の開口率が小さいので、食材から流れ出たドリップのうち、透孔4を介して吸収層2に導かれるドリップは少量となる。このようにドリップが、吸収層2に充分に吸収されずに表面シート3上に残留し、この残留したドリップが食材と接触し、食材の鮮度が低下するという不具合が生じる。前述の図8に示される従来技術もまた、上記図7に示される従来技術と同様な問題を有する。
【0010】
したがって本発明の目的は、食材などの物品から生じたドリップを効率よく吸収することができる吸収マットを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、フラッフ状の繊維から成るシート状の吸収層と、
吸収層の少なくとも一表面に積重される表面シートとを含み、
前記表面シートには、吸収層に向かって先細状に突出し、吸収層に臨んで開口する透孔を有する複数の開口突部が相互に隣接して形成されることを特徴とする吸収マットである。
【0012】
本発明に従えば、吸収マットの表面シートには、吸収層に向かって先細状に突出し、吸収層に臨んで開口する透孔を有する複数の開口突部が相互に隣接して形成されるので、表面シートの物品と接する一表面の開口面積が多くなり、開口突部を除いた面積が少なくなる。したがって表面張力の作用によって表面シートの一表面に保持されるドリップは、表面シートに載置された物品、たとえば肉および魚などの食材と表面シートの一表面との間に保持されにくく、吸収層へと排出されて、吸収されやすくなる。
【0013】
開口突部の残余の領域を狭くできるので、換言すれば開口突部が吸収層に向かって先細状に形成されるので、載置された物品に臨んで大きな開口面積で開放させることができる。これによって物品から流れ出たドリップを開口突部の開口内に導きやすくして、効率よく吸収層に排出し、吸収させることができる。
【0014】
吸収層に臨む開口突部が、適度に微小な開口面積で開口している場合には毛細管現象によって、開口突部の開口内に導かれたドリップを吸収層へ迅速に開口突部から吸収層に向けて排出することができ、開口突部の開口内にドリップが滞留して食材に付着するという不具合が防がれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の吸収マット21の構成を示す拡大断面図である。吸収マット21は、吸収層22と表面シート23とを含んで構成される。吸収層22は、フラッフ状の繊維から成る不織布によって実現され、たとえば肉などの食材から直接流れ出る血液および微量の油分を含む液体であるドリップを吸収することのできる多くの空隙を有する。表面シート23は、不透水性のシートであり、ドリップを吸収しないポリエチレンシートによって実現される。表面シート23は、吸収層22の表面シート23に臨む一表面に積重した状態で、ホットメルト接着剤によって接着される。
【0016】
表面シート23には、複数の開口突部25が相互に隣接して形成される。開口突部25は、吸収層22に向かって先細状に突出し、吸収層22に臨んで開口する透孔24を有する。
【0017】
開口突部25は、表面シート23の物品に臨む一表面の開口突部25の開口部である第1開口部27、表面シート23の吸収層22に臨む他表面の開口突部25の開口部である第2開口部28とを有する。第1開口部25に外嵌される開口を第1開口29といい、第2開口部28に外嵌される第1開口29よりも小径の開口を第2開口30という。第2開口部28は、毛細管現象によって、開口突部25の開口内に導かれたドリップを吸収層22に向けて迅速に排出するような適度に微小な開口面積で開口している。
【0018】
表面シート23において、物品に臨む一表面を含む平面上における表面シート23の開口率は、50〜85%、本実施の形態では75%であり、吸水層22に臨む他表面の表面シート23の開口率は15%〜50%、本実施の形態では30%である。
【0019】
開口突部25の第1開口部27と第2開口部28とを含む表面シート23の実行厚みである表面シート23の厚みTは、物品を乗載しない状態で約0.2mm〜約1.0mm、本実施の形態では0.5mmである。
【0020】
表1に、本実施の形態の吸収マット21に乗載した物品によって表面シート23の単位面積当たりにかかる荷重Pと本実施の形態の表面シート23の厚みTとの関係を示す。吸収マット21に物品を乗載したとき、表面シート23の物品に臨む一表面が物品を支持し、表面シート23の物品に臨む一表面は開口突部25の第1開口部を含む。
【0021】
【表1】
【0022】
表1に示すように、吸収マット21に物品を乗載しない状態での表面シート23の厚みT1は0.5[mm]である。表面シート23の単位面積あたりにかかる荷重P1が9.8[N/m2]のとき、表面シート23の厚みT2は0.46[mm]である。表面シート23の単位面積あたりにかかる荷重P2が24.5[N/m2]のとき、表面シート23の厚みT3は0.4[mm]である。表面シート23の単位面積あたりにかかる荷重P3が49.0[N/m2]のとき、表面シート23の厚みT4は0.31[mm]である。吸収マット21に肉および魚などの食材を乗載することによって表面シート23の単位面積あたりにかかる荷重Pは、49.0[N/m2]よりも小さいので、表面シート23の厚みTは、表1に示すように0.31[mm]以上である。このとき表面シート23の開口突部25は、上述の構成と同様の構成を有するような充分な強度を有する。
【0023】
吸収マット21に物品、たとえば肉および魚などの食材を乗載すると、その食材は、表面シート23の食材に臨む一表面に支持される。食材から流れ出たドリップは、表面シート23の開口突部25の開口内へ導かれ、毛細管現象によって開口突部25から吸収層22へ迅速に排出される。吸収層22に排出されたドリップは、吸収層22に吸収される。
【0024】
図2は、吸収マット21の使用例を示す斜視図である。発泡合成樹脂から成るトレイに吸収マット21が載置され、吸収マット21に物品、たとえば肉類および魚類などの生鮮食品として市販されているフィーレなどの食材が乗載され、ラップフィルムによって梱包されている。前記食材からは、時間の経過とともにドリップが生じる。食材から流れ出たドリップは、上述のようにして、迅速かつ確実に吸収層22へ排出され、吸収される。
【0025】
図3は、本実施の形態の表面シート23を形成するための構成を示す斜視図である。表面シート23は、供給リールR1、凸面彫刻加熱成型ロールR2、凹面彫刻加熱成型ロールR3、ばり掻取りロールR4および巻取りリールR5を用いて形成される。
【0026】
供給リールR1は、円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりの回転方向Aに回転自在に設けられる。
【0027】
凸面彫刻加熱成型ロールR2は、大略的に円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりの回転方向Bに回転自在に設けられる。凸面彫刻加熱成型ロールR2の外周面には、先細状に形成された円錐台状の突部32が複数設けられる。
【0028】
凹面彫刻加熱成型ロールR3は、大略的に円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりに回転方向Dに回転自在に設けられる。凹面彫刻加熱成型ロールR3の外周面には複数の透孔33が設けられる。凹面彫刻加熱成型ロールR3は、凹面彫刻加熱成型ロールR3の外周面と凸面彫刻加熱成型ロールR2の外周面とが対向するように配置される。
【0029】
ばり掻取りロールR4は、大略的に円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりの回転方向Eに回転自在に設けられる。ばり掻取りロールR4の外周面には、複数の刃などのばり掻取り部材が設けられる。ばり掻取りロールR4は、凹面彫刻加熱成型ロールR3の外周面の内側の面に臨んで配置される。
【0030】
巻取りリールR5は、円筒状の外周面を含む外表面を有し、軸線まわりの回転方向Fに回転自在に設けられる。
【0031】
供給リールR1、凸面彫刻加熱成型ロールR2、凹面彫刻加熱成型加熱ロールR、ばり掻取りロールR4および巻取りリールR5は、それぞれの軸線が互いに平行になるように配置される。
【0032】
供給リールR1には、表面シート23を形成するポリエチレンシート31が巻付けられる。供給リールR1が回転するとともに、供給リールR1に巻付けられたポリエチレンシート31は回転方向Aに沿って回転して、順次供給リールR1から離間し、凸面彫刻加熱成型ロールR2および凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3へと搬送される。凸面彫刻加熱成型ロールR2および凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3へと搬送されたポリエチレンシート31は、凸面彫刻加熱成型ロールR2と凹面彫刻加熱成型ロールR3とに挟まれて、開口突部25を形成される。ポリエチレンシート31は、開口突部25を形成されるとともに凸面彫刻加熱成型ロールR2および凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3の回転によって、巻取りリールR5へと搬送される。開口突部25を形成されたポリエチレンシート31は、巻取りリールR5が回転するとともに、回転方向Fに沿って回転して、巻取りリールR5に巻取られる。
【0033】
図4は、開口突部25を形成するための構成を示す拡大断面図である。凸面彫刻加熱成型ロールR2および凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3は、凸面彫刻加熱成型ロールR2の外周面に設けられた突部32と、凹面彫刻加熱成型ロールR3に設けられた透孔33とが互いに噛合するようにそれぞれ回転する。
【0034】
突部32と透孔33とが互いに噛合して、ポリエチレンシート31を挟むことによって、ポリエチレンシート31には、ポリエチレンシート31の厚み方向一方側に突出する円錐台状の突出部34が形成される。ばり掻取りロールR4が回転することによって、ばり掻取りロールR4に設けられたばり掻取り部材35が、前記突出部34であって凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3の外表面の内側の面から突出した部分を掻取る。このようにしてポリエチレンシート31に、開口突部25が形成される。凸面彫刻加熱成型ロールR2に設けられた複数の突部32と凹面彫刻加熱成型加熱ロールR3に設けられた複数の透孔33とが、それぞれ互いに噛合することによって、ポリエチレンシート31には複数の開口突部25が形成される。
【0035】
フラッフ状の繊維から成る不織布は、一表面にホットメルト接着剤を塗布される。ホットメルト接着剤を塗布された不織布の一表面に、上述のようにして開口突部25を形成されたポリエチレンシート31の一表面を積重した状態で、ホットメルト接着剤を加熱および加圧した後、冷却することによって、ポリエチレンシート31と不織布とは接着される。接着されたポリエチレンシート31と不織布とは、切断されることなどによって所定の大きさの吸収マット21となる。
【0036】
ポリエチレンシート31のホットメルト接着剤に接する一表面は、表面シート23の吸収層22に臨む他表面となり、不織布のホットメルト接着剤を塗布された一表面は、吸収層22の表面シート23に臨む面となる。
【0037】
図5は、本実施の形態の表面シート23と比較例の表面シート23Aを示す斜視図である。本実施の形態の表面シート23は、上述のようにして形成された複数の開口突部25を有する。
【0038】
比較例の表面シート23Aには、複数の開口突部25Aが相互に隣接して形成される。開口突部25Aは、円筒状に突出して開口する透孔24Aを有する。透孔24Aは、本実施の形態の透孔24の第2開口30と同一の開口面積で開口する第2開口30Aを有する。比較例の表面シート23の透孔24Aは円筒状に形成されるので、第1開口29Aの開口面積は、第2開口30Aの開口面積と同一である。
【0039】
本実施の形態の表面シート23における第1開口29の開口面積は、比較例の表面シート23Aにおける第1開口29の開口面積よりも大きい。これによって食材から流れ出たドリップを開口突部25の開口内に導きやすくして、効率よく吸収層22に排出し、吸収させることができる。
【0040】
本実施の形態の表面シート23における第1開口29の開口面積は、比較例の表面シート23Aにおける第1開口29の開口面積よりも大きいので、本実施の形態の表面シート23の食材に臨む一表面の面積は、比較例の表面シート23Aの食材に臨む一表面の面積よりも小さい。したがって比較例の表面シート23Aに比べて、本実施の形態の表面シート23では、載置された食材と表面シート23の食材に臨む一表面との間に、表面張力によって保持されるドリップが少なくなり、食材から流れ出たドリップは、吸収層22へと排出されて、吸収されやすくなる。
【0041】
本実施の形態の表面シート23では、第2開口30が適度に微小な開口面積で開口している。これによって毛細管現象によって、開口突部25の開口内に導かれたドリップを吸収層22へ迅速に開口突部25から吸収層22に向けて排出することができ、開口突部25の開口内にドリップが滞留して食材に付着するという不具合が防がれる。
【0042】
図6は、本発明の実施の他の形態の吸収マット41の構成を示す断面図である。吸収マット41は、吸収層42、表面シート43および不透水性シート44を含んで構成される。本発明の他の実施の形態の吸収マット41の吸収層42および表面シート43は、上述の実施の形態の吸収マット21の吸収層22および表面シート23とそれぞれ同様の構成であり、説明を省略する。
【0043】
不透水性シート44は、ドリップを吸収しない不透水性のポリエチレンシートによって実現される。不透水性シート44の吸収層42に臨む一表面に吸収層42が積重され、吸収層42の表面シート43に臨む一表面に表面シートが積重される。表面シート43と不透水性シート44とは、それぞれの端部で互いに接合され、吸収層42を内包する。
【0044】
トレイに、上述のように構成された吸収マット41が載置され、吸収マット41に物品、たとえば肉および魚などの食材を乗載すると、前記食材は表面シート43の食材に臨む一表面に支持される。食材から流れ出たドリップは、表面シート43の開口突部45の開口内へ導かれ、毛細管現象によって開口突部45から吸収層42へ迅速に排出され、吸収される。
【0045】
吸収層42が、表面シート43と不透水性シート44とに内包されており、表面シート43および不透水性シート44は不透水性を有するので、吸収マット41に吸収されたドリップは、吸収マット41の食材に臨む一表面および他表面に露出することはない。したがって吸収マット41に吸収されたドリップが、吸収マット41のトレイに臨む他表面に露出してトレイに付着し、トレイに付着したドリップが、吸収マット41に乗載した食材に接触することによって、食材の鮮度を低下させるという不具合を防止することができる。
【0046】
本実施の形態では、凸面彫刻加熱成型ロールR2の外表面に、円錐台状の突部32が設けられたが、多角錘台状の突部が設けられてもよい。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、吸収マットの表面シートには開口突部が先細状に形成されるので、食材から流れ出たドリップを迅速かつ確実に吸収層へ排出して吸収させることができる。これによって、食材にドリップが付着して、食材の質が低下するという不具合を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の吸収マット21の構成を示す拡大断面図である。
【図2】吸収マット21の使用例を示す斜視図である。
【図3】本実施の形態の表面シート23を形成するための構成を示す斜視図である。
【図4】開口突部25を形成するための構成を示す拡大断面図である。
【図5】本実施の形態の表面シート23と比較例の表面シート23Aを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の他の形態の吸収マット41の構成を示す断面図である。
【図7】他の従来の技術の吸収マット1の一部の平面図である。
【図8】さらに他の従来の技術の吸収マット11の一部の平面図である。
【図9】図7の切断面線IX−IXから見た断面図である。
【符号の説明】
21,41 吸収マット
22,42 吸収層
23,43 表面シート
24 透孔
25 開口突部
Claims (1)
- フラッフ状の繊維から成るシート状の吸収層と、
吸収層の少なくとも一表面に積重される表面シートとを含み、
前記表面シートには、吸収層に向かって先細状に突出し、吸収層に臨んで開口する透孔を有する複数の開口突部が相互に隣接して形成されることを特徴とする吸収マット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002382442A JP2004209816A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 吸収マット |
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Publications (1)
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JP2004209816A true JP2004209816A (ja) | 2004-07-29 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008012867A (ja) * | 2006-07-07 | 2008-01-24 | Daiichi Eizai Kk | 吸収マット |
WO2010109624A1 (ja) * | 2009-03-26 | 2010-09-30 | ユニ・チャーム株式会社 | ドリップ吸収マット |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002382442A patent/JP2004209816A/ja active Pending
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WO2010109624A1 (ja) * | 2009-03-26 | 2010-09-30 | ユニ・チャーム株式会社 | ドリップ吸収マット |
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