JP2004209674A - 積層体の成形型及び端末加工方法 - Google Patents

積層体の成形型及び端末加工方法 Download PDF

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Yasushi Hayashi
泰 林
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Abstract

【課題】一般部分の基材と表皮との間の接着性を高めつつ、端末部分における良好な基材と表皮との間の剥離性及び良好な外観を有する積層体を成形可能な積層体の成形型及び端末加工方法を提供する。
【解決手段】成形型11の表皮側型17の端末部型面17aeにおいて積層材15の端末部分15aと対応する部分に溝21を設け、その溝21内に押さえリブ22を取着する。この押さえリブ22の押さえ部22aには、多数の放熱孔25を穿設する。そして、この押さえリブ22を、その押さえ部22aが表皮側型17の一般型面17agの端縁から離隔した状態で、積層材15の熱プレス時において押さえ部22aの先端が積層材15における表皮12の外表面に当接するように配置する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両の内装材等に利用される積層体の成形型及び、その積層体の端末加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の積層体の一例として、車両における車室内の天井に取付られるルーフライナが挙げられる。このルーフライナとしては、一般にポリプロピレン、ウレタン発泡体シート、ガラス繊維マット、熱硬化性樹脂シート材等からなる基材に、ポリエステル繊維等のファブリック、プラスチックシート、不織布等からなる表皮を、ホットメルトフィルム等の接着剤で接着させたものが多い。そして、このようなルーフライナは、前記基材、前記表皮及び前記接着剤を、熱プレス機を使用して熱をかけながらプレスすることで、前記基材と表皮とを接着させつつ、車両の天井の形状に沿うように賦形することにより製造されることが多い。
【0003】
ここで、前記ルーフライナでは、基材の端末を表皮の端末で巻き込むことにより、基材端末を覆い隠して、美観の向上を図ることが多い。このような構造を有する端末は、例えば次のような方法で加工されている。すなわち、熱プレスにより所定の形状に賦形された積層体の端末部分に、基材の外表面側からカッタ等を用いて、基材に切り込みを入れる。この切り込みより端末側の基材を積層体から剥離して除去し、表皮の端末部分を残す。そして、その残された表皮の端末部分で、前記基材の端末部分を巻き込んで固着するといった方法である。
【0004】
この端末加工方法において、ルーフライナの形状あるいは基材、表皮及び接着剤の材質等によっては、前記基材の端末部分と前記表皮の端末部分とが剥離しにくいものとなることがある。このような場合には、作業効率が著しく低下したり、基材の端末部分を剥離させる際に表皮の端末部分の破れが生じたりすることがある。
【0005】
そこで、例えば図8に示すように、積層材51を熱プレスする際に使用する成形型52として、表皮53側の端末部型面54に、積層材51の端末部分に対応するように溝55を設けたものが知られている。この成形型52では、前記端末部型面54から積層材51に加えられる熱量が、他の部分の型面56から加えられる熱量よりも小さくなり、積層材51の端末部分における基材57と表皮53との間の接着を弱くすることができる(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−42661号公報(第3頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、車両用部品に対する耐久性の向上要求が高まっている。このような耐久性の向上要求の高まりは、ルーフライナにおいても例外ではなく、表皮と基材との間における接着性のさらなる向上が求められるようになってきている。このような要求に対応するため、ルーフライナの成形においては、積層材の熱プレス時における成形温度が高くなり、加熱時間が長くなる傾向にある。
【0008】
ところが、前記従来構成の成形型52を使用する場合では、熱プレスを行うにあたって、成形温度が高くなったり、加熱時間が長くなったりすると、次のような問題を生じやすい。すなわち、他の部分の型面56よりも伝熱性が低くなってはいるものの、積層材51の端末部分に加えられる熱量が想定外に増大し、表皮53と基材57との間の接着性が高められる。これにより、基材57の端末部分の除去時における作業性の低下及び表皮53の破れ等の不具合が発生することがある。
【0009】
また、溝55に対応する部分においては、積層材51の表皮53側が成形型52で支持されてない状態となり、積層材51の表皮53及び基材57が膨張して、図8において二点鎖線で示すように変形を生じることもある。このような変形が生じると、表皮53と基材57との端末部分を剥離させる際に支障を生じたり、表皮53が想定外に伸ばされて、その表皮53で基材57の端末部分を巻き込んだとしても、ルーフライナの端末部分の意匠性が悪化する。
【0010】
これに対して、例えば図8に一点鎖線で示すように、前記溝55の開口部に蓋58を設けて、このような積層材の端末部分の熱プレス時における変形を抑える構成が知られている(特許文献1参照。)。しかしながら、この構成では、その蓋58を介して前記他の部分の型面56から積層材51の端末部分に熱が、その端末部分全体に供給されてしまう。これにより、その端末部分における表皮53と基材57との間の接着性が想定外に高められ、基材57の端末部分を除去する際の作業性の低下及び表皮53の破れ等の不具合を招く。特に、積層材51において、端末部分を除く他の部分における表皮53と基材57との間の接着性とを高めるために、熱プレス時の加熱温度を上昇させたような場合には、この蓋58を介した熱の伝達が無視できなくなる。
【0011】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、一般部分の基材と表皮との間の接着性を高めつつ、端末加工時における端末部分の良好な基材と表皮との間の剥離性及び良好な外観を有する積層体を成形可能な積層体の成形型及び端末加工方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、基材、表皮及び接着剤を含む積層材を成形型で熱プレスして賦形するとともに熱による接着を行う積層体の成形型において、前記表皮側の分割型における前記積層材の所定部分に対応する所定型面の少なくとも一部の伝熱量を、前記所定部分とは異なる一般部分に対応する一般型面より小さくする伝熱量低減手段と、前記積層材の表皮側の外表面に当接して、熱プレス時における前記所定部分の厚さの変動を抑制する厚さ変動抑制手段とを備え、前記厚さ変動抑制手段を、前記伝熱量低減手段に対応するとともに、前記一般型面の端縁から離隔するように設けたことを要旨とするものである。
【0013】
また、本願請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記伝熱量低減手段が前記所定型面に形成された凹部であり、前記厚さ変動抑制手段がその凹部内に突設された突部であることを要旨とするものである。
【0014】
また、本願請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、前記凹部が前記所定部分の長手方向に沿って延びる溝であり、前記突部が前記所定部分の長手方向に沿って延びるリブであることを要旨とするものである。
【0015】
また、本願請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記突部が、前記分割型とは別体の部材で形成されたものであることを要旨とするものである。
【0016】
また、本願請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、前記突部を、断熱材を介して前記分割型に固定したことを要旨とするものである。
また、本願請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記突部に、その突部に加えられた熱の放出を促進する放熱手段を設けたことを要旨とするものである。
【0017】
また、本願請求項7に記載の発明は、前記請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記積層体が車両における車室内の天井を覆うルーフライナであることを要旨とするものである。
【0018】
また、本願請求項8に記載の発明は、基材、表皮及び接着剤を含む積層材を成形型で熱プレスして賦形するとともに型面の熱で接着し、それにより得られた積層体の端末部分における前記基材にその外表面から切り込みを入れ、その切り込み線から端末側の基材を剥離させて除去し、前記表皮の端末部分を前記基材の外表面側に巻き込んで固着する積層体の端末加工方法において、前記熱プレス時に、前記積層材の基材を除去する基材除去部分に対応する表皮の外表面と前記成形型の型面との間に空間を設けるとともに、前記基材除去部分とは異なる一般部分を成形する一般型面と離隔した状態に配置される厚さ変動抑制手段を、前記基材除去部分に対応する表皮の外表面に当接させることを要旨とするものである。
【0019】
この発明によれば、表皮と基材との接着性を高めるために、熱プレス時における成形温度を上昇させたり、加熱時間を長くしたりしても、伝熱量低減手段により積層材の所定部分に加えられる熱量が低減される。そして、厚さ変動抑制手段により積層材の所定部分における表皮の外表面の膨張等の変形が抑制される。
【0020】
ここで、この熱プレス時において、厚さ変動抑制手段が前記表皮の所定部分の外表面に当接することになるが、その厚さ変動抑制手段は熱源となる一般型面から離隔しており、前記表皮との当接面積も小さく抑えることができる。このため、仮に厚さ変動抑制手段を介して積層材の所定部分に熱が加えられたとしても、その加熱は部分的なものであり、しかもその量も小さく抑えることができる。従って、前記所定部分の基材を除去する際の作業性の低下及び表皮の破れ等の不具合の発生を抑制することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を車両用のルーフライナの成形型及びそのルーフライナの端末加工方法に具体化した一実施形態について図1〜図3に基づいて説明する。
【0022】
まず、成形型11について説明する。
図1に示す成形型11は表皮12、基材13、及び接着剤14とを含む積層材15を熱プレスして車両の天井に対応する形状に賦形するとともに、前記接着剤14を熱で溶融させ、表皮12と基材13とを接着させるためのものである。成形型11は、前記積層材15の基材13が配置される裏面側型16と、前記積層材15の表皮12が配置される分割型としての表皮側型17とを備え、周知の駆動機構により型閉め及び型開き可能に構成されている。
【0023】
前記裏面側型16の型面16aは、前記積層材15の基材13側を押圧して賦形する。また、前記表皮側型17の型面17aにおいて、積層材15の一般部分15gに対応する一般型面17agは、前記積層材15の表皮12側を押圧して賦形するものとなっている。これら型面16a,17aは、車両の天井をなす車体外板の形状に対応した形状となっている。また、前記裏面側型16及び表皮側型17の内部には、熱媒循環流路18が形成されており、この熱媒循環流路18内に加熱したオイル等の熱媒を循環させることによって、前記型面16a,17aを所定温度に加熱するようになっている。
【0024】
図1及び図2に示すように、前記表皮側型17の型面17aにおいて、所定部分及び基材除去部分をなす前記積層材15の端末部分15aと対応する所定型面としての端末部型面17aeには、伝熱量低減手段及び凹部をなす所定深さの溝21が前記端末部分15aの長手方向に沿って延びるように形成されている。そして、その溝21内には、前記積層材15の端末部分15aの長手方向に沿って延びる厚さ変動抑制手段及び突部そしてリブとしての押さえリブ22が設けられている。
【0025】
この押さえリブ22は、表皮側型17とは別体の部材で構成され、断面I字状の押さえ部22aと、その押さえ部22aの一端を屈曲させてなる取着部22bとを有している。そして、この押さえリブ22は、その取着部22bがねじ23を介して前記溝21の内底面21aに取着されている。ここで、この押さえリブ22は、前記溝21内において、空間24を介して前記表皮側型17における一般型面17agの端縁から離隔するように配置されている。そして、この押さえ部22aの先端が、積層材15の熱プレス時にその積層材15における端末部分15aの外表面に当接するようになっている。また、この押さえ部22aには、この押さえリブ22に加えられる熱の放出を促進する放熱手段としての放熱孔25が所定間隔おきに複数穿設されている。
【0026】
次に、前記成形型11を用いて行う積層体としてのルーフライナ31の端末加工方法について説明する。
まず、図1に示すように、前記成形型11内に、基材13,表皮12および接着剤14を含む積層材15をセットし、熱プレスして、車体の天井をなす外板形状に対応した形状に賦形する。このとき、熱プレス時の型面16a,17aの熱により接着剤14が溶融されるため、基材13と表皮12とが接着された状態で、所望の形状を有するルーフライナ31が成形される。
【0027】
ここで、前記積層材15における各層の構成について説明する。
前記基材13は、ルーフライナ31の形状保持および車体外板への取り付け等のためのもので、剛性、断熱性、作業性に優れた種々の材質からなる。例えば、基材13の材質としては、主に熱硬化性樹脂液を含浸させた半硬質ウレタン発泡体シートにガラス繊維マット等を積層したもの、フェノール樹脂シートにガラス繊維マットを積層したもの等が挙げられる。なお、前記基材13の裏面(車体外板に接する面)には、不織布等からなる裏面材(図示せず)が接着剤を介して積層されることもある。
【0028】
前記表皮12は、ルーフライナ31の表面を装飾あるいは保護するためのもので、織布、不織布、ポリエステル繊維等のファブリックやプラスチックシート等からなり、接着剤14を介して基材13の表面(車室内側に配置される面)に積層される。
【0029】
前記接着剤14は、表皮12を基材13により確実に接着するとともに、その基材13の通気を妨げるためのもので、熱プレス時に溶融して溶着する周知のホットメルトフィルムが好適である。
【0030】
さて、前記したように、成形型11の表皮側型17の端末部型面17aeには、積層材15の表皮12における端末部分12aに対応して溝21が形成されている。このため、熱プレス時において、前記溝21の存在により、前記表皮12の端末部分12aに直接加えられる熱量が少なくなる。ここで、本実施形態では、基材13の端末部分13aには裏面側型16の型面16aから熱が加えられることになるが、基材13としては断熱性の高いものが使用されることが多く、この熱が表皮12の端末部分12aに及ぼす影響は大きくない。これにより、積層材15の端末部分15aに加わる熱量は、積層材15の一般部分15gに比べて大幅に低減され、この端末部分15aにおける接着剤14の溶融量が減少し、端末部分15aの基材13と表皮12間の接着が弱くなる。
【0031】
ここで、前記溝21内には、表皮12の端末部分12aの外表面に当接する押さえリブ22が配設されている。そして、この押さえリブ22が、積層材15の熱プレスを行う際に表皮12の端末部分12aの外表面に当接するようになっている。このため、積層材15の端末部分15aの溝21内への移動が規制され、熱プレス時における膨張などによる前記端末部分15aの厚さの変動が抑制される。
【0032】
続いて、前記熱プレスにより成形されたルーフライナ31を成形型11から脱型する。そして、図3(a)に示すように、カッタ等により、前記積層材15の縁部15bを切除するとともに、ルーフライナ31の端末部分15aの内端15cに沿って基材13の厚さに対応する分だけ切り込み線Lcを入れる。その後、図3(b)に示すように、前記切り込み線Lcより端末側における基材13の端末部分13aを表皮12の端末部分12aから剥がして除去する。その際、前記基材13の端末部分13aと表皮12の端末部分12aとが弱く接着しているので、両者をスムーズかつ良好に剥離させることができる。
【0033】
次いで、図3(c)に示すように、残された表皮12の端末部分12aにより、新たに形成された基材13の端末を巻き込んで基材13の裏側へ固着することにより、所望の端末構造を有するルーフライナ31が得られる。
【0034】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(イ) この成形型11では、積層材15の端末部分15aに対応する表皮側型17の端末部型面17aeに、その積層材15の表皮12への熱の伝達を抑制する溝21が形成されている。このため、この成形型11を用いてルーフライナ31の端末加工を行うことにより、成形型11における一般型面17agにおける成形温度を上昇させたとしても、積層材15の端末部分15aに加えられる熱の増加を抑制することができる。これにより、積層材15の端末部分15aにおける表皮12と基材13との間の接着強度の不用意な上昇が抑制される。従って、積層材15における一般部分15gの接着強度を向上しつつ、端末部分15aの剥がし作業の作業性を向上させることができる。
【0035】
(ロ) この成形型11では、表皮側型17の溝21内に、積層材15の熱プレス時において、表皮12の外表面に当接する押さえリブ22が設けられている。このため、表皮12及び基材13の端末部分12a,13aの膨張が抑制され、表皮12の端末部分12aの変形が抑制される。このため、ルーフライナ31における基材13の端末を表皮12の端末部分12aで巻き込んだ状態の外観を良好に保つことができる。
【0036】
(ハ) この成形型11では、溝21内に設けられた押さえリブ22により、積層材15の熱プレス時における膨張等の変形が抑制されるようになっている。このような溝21と押さえリブ22とからなる構成は簡素なものであり、成形型11の製作コストを大きく増大させるものではない。また、変形を抑制する手段として押さえリブ22を採用することで、変形を抑制する手段と積層材15の表皮12との接触面積を小さくすることができる。このため、表皮側型17から押さえリブ22を介して積層材15の端末部分15aに加えられる熱量を低減することができる。
【0037】
(ニ) この成形型11では、押さえリブ22に多数の放熱孔25が穿設されている。このため、押さえリブ22の表面積が増大され、表皮側型17からリブ22を介して押さえリブ22に加えられた熱を迅速に逃がすことができ、積層材15の端末部分15aに加えられる熱量をさらに低減することができる。
【0038】
(変更例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 前記押さえリブ22を、例えば図4に示す断面T字状、図5に示す断面Y字状等をなす押さえ部22aを有するものとしてもよい。また、図6に示すように、押さえ部22aの側面の少なくとも一方に、押さえ部22aの長手方向に延びる放熱手段としてのフィン41を設けてもよい。なお、このフィン41は、前記押さえ部22aの側面に複数設けてもよく、前記押さえ部22aの側面上に断続的に設けられるものであってもよい。また、前記押さえ部22aの側面の少なくとも一方に、押さえ部22aの短手方向に延びるフィンを多数設けてもよい。
【0039】
・ 例えば図7に示すように、前記押さえリブ22の取着部22bを、断熱材42を介して前記表皮側型17における溝21の内底面21aに固定するようにしてもよい。このようにすれば、表皮側型17から押さえリブ22への熱の伝達が抑制される。このため、積層材15の一般部分15gにおける接着強度を高めるべく、表皮側型17の一般型面17agの温度を上昇させたとしても、積層材15の端末部分15aにおける表皮側型17からの熱の影響を一層低減することができる。従って、その端末部分15aにおける表皮12と基材13との接着強度が想定外に高められ、剥離性が低下することを抑制することができる。
【0040】
・ 前記押さえリブ22を、溝21内に複数設けてもよい。
・ 前記押さえリブ22に代えて、熱プレス時における積層材15の端末部分15aに当接する、例えば多数のピン等の突部を設ける構成としてもよい。
【0041】
・ 前記裏面側型16の型面16aにおける積層材15の端末部分15aに対応する部分に、溝21及び押さえリブ22を設けてもよい。
・ 前記押さえ部22aの放熱孔25を省略してもよい。
【0042】
・ 前記押さえ部22aを中空状に形成し、その押さえ部22aの内部に空気、冷媒ガス、液冷媒等の冷却媒体を流通させてもよい。
・ 前記押さえリブ22を表皮側型17に一体に形成してもよい。
【0043】
・ 前記実施形態では、熱プレス時における表皮側型17の型面17aの温度を上昇させることにより、一般部分の接着強度を向上させるものとした。これに対して、前記実施形態の成形型11及び端末加工方法を適用するのであれば、熱プレス時における加熱時間を長くすることによって前記接着強度を向上させてもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、一般部分の基材と表皮との間の接着性を高めつつ、端末加工時における端末部分の良好な基材と表皮との間の剥離性及び良好な外観を有する積層体を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形型の一実施形態を熱プレス状態で示す断面図。
【図2】図1の2−2線断面で押さえリブを中心に示す部分断面図。
【図3】(a)は、図1のルーフライナの端末部分に切り込み線を入れた状態を、(b)は基材の端末部分を除去した状態を、(c)は表皮の端末部分を巻き込んだ状態を、それぞれ示す部分断面図。
【図4】変更例の押さえリブを適用した成形型の要部を示す部分断面図。
【図5】変更例の押さえリブを適用した成形型の要部を示す部分断面図。
【図6】変更例の押さえリブを適用した成形型の要部を示す部分断面図。
【図7】変更例の押さえリブを適用した成形型の要部を示す部分断面図。
【図8】従来の成形型の一実施形態を熱プレス状態で示す断面図。
【符号の説明】
11…成形型、12…表皮、12a,13a,15a…所定部分及び基材除去部分をなす端末部分、13…基材、14…接着剤、15…積層材、15g…一般部分、16a,17a…型面、17…分割型としての表皮側型、17ae…所定型面としての端末部型面、17ag…一般型面、21…伝熱量低減手段及び凹部をなす溝、22…厚さ変動抑制手段及び突部そしてリブとしての押さえリブ、24…空間、25…放熱手段としての放熱孔、31…積層体としてのルーフライナ、41…放熱手段としてのフィン、42…断熱材、Lc…切り込み線。

Claims (8)

  1. 基材、表皮及び接着剤を含む積層材を成形型で熱プレスして賦形するとともに熱による接着を行う積層体の成形型において、
    前記表皮側の分割型における前記積層材の所定部分に対応する所定型面の少なくとも一部の伝熱量を、前記所定部分とは異なる一般部分に対応する一般型面より小さくする伝熱量低減手段と、前記積層材の表皮側の外表面に当接して、熱プレス時における前記所定部分の厚さの変動を抑制する厚さ変動抑制手段とを備え、前記厚さ変動抑制手段を、前記伝熱量低減手段に対応するとともに、前記一般型面の端縁から離隔するように設けた積層体の成形型。
  2. 前記伝熱量低減手段が前記所定型面に形成された凹部であり、前記厚さ変動抑制手段がその凹部内に突設された突部である請求項1に記載の積層体の成形型。
  3. 前記凹部が前記所定部分の長手方向に沿って延びる溝であり、前記突部が前記所定部分の長手方向に沿って延びるリブである請求項2に記載の積層体の成形型。
  4. 前記突部が、前記分割型とは別体の部材で形成されたものである請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の積層体の成形型。
  5. 前記突部を、断熱材を介して前記分割型に固定した請求項4に記載の積層体の成形型。
  6. 前記突部に、その突部に加えられた熱の放出を促進する放熱手段を設けた請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の積層体の成形型。
  7. 前記積層体が車両における車室内の天井を覆うルーフライナである請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の積層体の成形型。
  8. 基材、表皮及び接着剤を含む積層材を成形型で熱プレスして賦形するとともに型面の熱で接着し、それにより得られた積層体の端末部分における前記基材にその外表面から切り込みを入れ、その切り込み線から端末側の基材を剥離させて除去し、前記表皮の端末部分を前記基材の外表面側に巻き込んで固着する積層体の端末加工方法において、
    前記熱プレス時に、前記積層材の基材を除去する基材除去部分に対応する表皮の外表面と前記成形型の型面との間に空間を設けるとともに、前記基材除去部分とは異なる一般部分を成形する一般型面と離隔した状態に配置される厚さ変動抑制手段を、前記基材除去部分に対応する表皮の外表面に当接させる積層体の端末加工方法。
JP2002378710A 2002-12-26 2002-12-26 積層体の成形型及び端末加工方法 Pending JP2004209674A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015112741A (ja) * 2013-12-09 2015-06-22 株式会社イノアックコーポレーション 車両用天井材の製造方法及びこれに用いる加熱プレス成形型

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