JP2004209082A - 衛生薄葉紙および衛生薄葉紙ロール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】裏面(内側)3bに模様5を印刷により付した薄葉紙3の裏面3bと薄葉紙4の裏面4bとを重ね合わせて、その模様5を表面3a,4aから透かして見ることができるように衛生薄葉紙を形成する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄葉紙を重ね合わせて表面から透かして見ることができる模様を印刷により内側に付したキッチンペーパー、紙ナプキン、ティッシュペーパーなどの衛生薄葉紙および、キッチンペーパーロール、トイレットペーパーロールなどの衛生薄葉紙ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のキッチンペーパーは、エンボス加工を施した白色無地の薄葉紙の裏面どおしをtip−to−tip、nested、スチールマッチなどで2枚重ね合わせてなる。
【0003】
キッチンペーパーは、野菜、魚、肉などを載せて水分を吸収したり、揚げ物を載せて油切りをするなど、水分や油分を吸い取るための機能を有するものである。このため、キッチンで使用することが多く、キッチンペーパーは、安らぎ感を創出し、豊かな気持で楽しみながら食事の準備ができるものであることが望ましい。
【0004】
しかし、従来のキッチンペーパーは、白色無地で味気なく、楽しみながら使用できるとはいえないものであった。そこで、次のような文献が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−212024号公報
【0006】
この文献には、長手方向に幅とほぼ同じ長さの一定間隔で形成した、切り離し用のミシン目の間に模様を付した、ユーザーに好印象を抱かせる、キッチンペーパーの生地が開示されている。
【0007】
しかし、キッチンペーパーは、前述のように、野菜、魚、肉、揚げ物などの食品が表面に直に触れるため、インクの種類には、食品衛生法による厳しい基準がある。したがって、特開2001−212024号公報で開示されているキッチンペーパーにインクを用いて模様を付すには、その基準に適合したインクを用いなければならず、インクの種類が限定されてしまい、豊かな色彩の模様を付することができなくなってしまう恐れがある。また、キッチンペーパーの表面にインクを用いて模様を付した場合、その表面に水分を含んだ野菜、魚、肉、油を含んだ揚げ物などの食品が触れた際、そのインクが食品に色移りしてしまい、食品の持つ彩りを台無しにしてしまうという問題がある。
【0008】
一方、食用色素をインクとして用い、模様を表面に付したキッチンペーパーが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、食用色素を用いて表面に模様を付したキッチンペーパーは、その表面に水分を含んだ野菜、魚、肉、油を含んだ揚げ物などの食品が触れた場合、その食品に食用色素が色移りしてしまい、食品の持つ彩りを台無しにしてしまうという問題がある。また、限られた色でしか模様を付することができないため、華やかさに乏しく、楽しみながら使用することができないという問題がある。
【0010】
そこで、この発明の目的は、安らぎ感を創出するとともに、楽しみながら使用でき、しかも色移りしにくい衛生薄葉紙を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、薄葉紙を重ね合わせて表面から透かして見ることができる模様を印刷により内側に付することを特徴とする。
【0012】
したがって、衛生薄葉紙で直接、食品を包んだり、載せたりする場合には、食品衛生法による基準を考慮することなくインクなどを用いて多彩な模様を印刷により付して、安らぎ感を創出するとともに、楽しみながら使用できる衛生薄葉紙を提供することができる。また、模様を衛生薄葉紙の表面から透かして見るので、ぼかしのある模様となり、柔らかいイメージを醸し出すことができ、安らぎ感を創出するとともに、楽しみながら使用できる衛生薄葉紙を提供することができる。さらに、衛生薄葉紙が水分や油分を含んだ場合でも、インクなどで形成した模様が滲みにくく、食品の水切りや揚げ物の油切りなどの用途に使用しても、インクが食品に色移りすることがなく安心である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生薄葉紙において、一方の薄葉紙の裏面に他方の薄葉紙の表面から透かして見ることができる前記模様を付して、両方の薄葉紙の裏面どうしを重ね合わせることを特徴とする。
【0014】
したがって、2枚の薄葉紙を重ね合せて模様の付された衛生薄葉紙を製造するので、簡単な構成で外部から透かして見ることができる模様を内部に付した衛生薄葉紙を提供することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の衛生薄葉紙において、前記他方の薄葉紙の裏面に前記一方の薄葉紙の表面から透かして見ることができる前記模様を付して、両方の薄葉紙の裏面どうしを重ね合わせることを特徴とする。
【0016】
したがって、例えば、2枚の薄葉紙にそれぞれ模様を付して、その模様同士を合わせるようにして重ねた場合、模様同士が重なることにより、華やかさと深みのある模様を形成することができ、安らぎ感を創出し、楽しく使用できる衛生薄葉紙を提供することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1に記載の衛生薄葉紙を長手方向に巻き付けてロール状に形成した衛生薄葉紙ロールにおいて、前記長手方向を横切るミシン目を一定間隔ごとに形成することを特徴とする。
【0018】
したがって、必要な長さで衛生薄葉紙ロールを容易に破断して使用することができる。また、破断後の衛生薄葉紙ロールの見栄えがよい。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の衛生薄葉紙ロールにおいて、前記模様が隣り合う前記ミシン目の間に付されていることを特徴とする。
【0020】
したがって、模様を破断することなく、衛生薄葉紙ロールを使用することができ、安らぎ感を創出するとともに、楽しみながら使用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。図1に示すように、この発明の衛生薄葉紙ロールの一例としてのキッチンペーパーロールは、パルプを用いて抄造され、エンボス加工の施された吸収性を有する幅180〜320mmの2枚の薄葉紙を重ね合せてロール状に巻き付けてなる。詳しくは、裏面に模様5を付した一方の薄葉紙の裏面と、エンボス加工の凸部に無色透明の接着剤を塗布した他方の薄葉紙の裏面とを、例えば、tip−to−tip、nestedなどで重ね合せて接着したり、裏面に模様5を付した一方の薄葉紙の裏面と、他方の薄葉紙の裏面とをスチールマッチなどで重ね合せる。そして、長手方向Aを180〜320mmの一定間隔ごとに横切るようにミシン目1を形成した後、長手方向Aに巻き付けて、直径90〜180mmのキッチンペーパーロールとする。
【0022】
このキッチンペーパーロールを使用するときは、図示しないホルダに取り付ける。そして、ユーザーは、キッチンペーパーロールを適当な長さに巻き出して、所望のミシン目1の前後を両手で把持し、キッチンペーパーロールの長手方向Aに引張り、ミシン目1において分離し、表面3aまたは表面4aに、野菜、魚、肉などを載せて水分を取ったり、揚げ物を載せて油切りをしたりする。
【0023】
そして、キッチンペーパーが水分や油を多量に含んだときは、キッチンペーパーロールから適当な長さだけ巻き出し、所望のミシン目1で分離したキッチンペーパーと交換する。
【0024】
このキッチンペーパーは、詳しくは、図2のようになっている。すなわち、一方の薄葉紙3の裏面(内側)3bにフレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などにより、絵・文字・柄などの模様5を付すとともに、他方の薄葉紙4の裏面4bのエンボスの凸部に接着剤を塗布して、薄葉紙3と薄葉紙4とを重ね合せて接着する。
【0025】
特に、フレキソ印刷は、樹脂凸版を使用し、アニロックスロールにより版の凸部に水性インクを付けて印刷する方法であり、一般的に輪転方式が用いられ、塗布するインク量が少なくて済むという特性がある。したがって、フレキソ印刷は、食品を載せたり、包装したりする際の印刷に適している。さらに、不織布などの凹凸のある素材への印刷が容易であり、また、紙などに印刷する場合に、切れのよい文字が印刷できるという利点があり、好ましい。
【0026】
このようにして製造されたキッチンペーパーは、薄葉紙4の表面4aから透かして見たとき、また、薄葉紙3の表面から透かして見たとき、模様5がぼやけて見え、柔らかいイメージを醸し出すことができる。
【0027】
ところで、この例のキッチンペーパーロールは、野菜、魚、肉、揚げ物などを直に載せたり包んだりするため、薄葉紙3の裏面3bに模様5を形成するインクが薄葉紙3の表面3aに裏抜けしてしまうと、インクが食品衛生法による基準を達成しなくてはならず、インクの種類が限定されてしまい、豊かな色彩の模様を付することができなくなってしまう恐れがある。したがって、食品に使用する場合には、インクが薄葉紙3の表面3aに裏抜けしないようにすることが望ましく、この方法として、例えば、樹脂凸版から薄葉紙3への印圧を調整したり、アニロックスロールから樹脂凸版に転移するインク量を調整したりするとよい。
【0028】
なお、薄葉紙4は、表面4aから、模様5が透かして見ることができるように、また、薄葉紙3は、裏面3bに付した模様5が表面3aから透かして見ることができるように、坪量などを調整して抄造する。加えて、模様5は、一定間隔で形成された隣り合うミシン目1の間に付すようにする。
【0029】
上述の例では、キッチンペーパーを、一方の薄葉紙3の裏面3bに他方の薄葉紙4の表面4aから透かして見ることができる模様5を付して、両方の薄葉紙3,4の裏面3b,4bどうしを重ね合わせて製造し、それを長手方向Aに巻き付けてキッチンペーパーロールとしたが、これに加えて、他方の薄葉紙4の裏面4bにも一方の薄葉紙3の表面3aから透かして見ることができる模様を付して、両方の薄葉紙3,4の裏面3b,4bどうしを重ね合わせて製造し、それを長手方向Aに巻き付けてキッチンペーパーロールとしてもよい。
【0030】
さらに、2枚の薄葉紙の間に模様を付した別のシートを重ねて衛生薄葉紙を製造してもよい。換言すると、模様を付した別のシートを内部に挟んで、2枚の薄葉紙を重ね合わせて衛生薄葉紙とし、その模様が衛生薄葉紙の外部から透かして見ることができるようにしてもよい。
【0031】
また、この例では、キッチンペーパーロールについて説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、トイレットペーパーロールなどあらゆる衛生薄葉紙ロールに適用できる。
【0032】
さらに、この例では、衛生薄葉紙ロールについて説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、ロール状でなく予めカットされた、キッチンペーパー、紙ナプキン、ティッシュペーパーなどの衛生薄葉紙についても適用できる。
【0033】
【発明の効果】
したがって、この発明によれば、安らぎ感を創出するとともに、楽しみながら使用でき、しかも色移りしにくい衛生薄葉紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例としてのキッチンペーパーロールの斜視図である。
【図2】その一部を拡大した分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ミシン目
3 薄葉紙(一方の薄葉紙)
3a,4a 表面
3b,4b 裏面(内側)
4 薄葉紙(他方の薄葉紙)
5 模様
Claims (5)
- 薄葉紙を重ね合わせて表面から透かして見ることができる模様を印刷により内側に付することを特徴とする、衛生薄葉紙。
- 一方の薄葉紙の裏面に他方の薄葉紙の表面から透かして見ることができる前記模様を付して、両方の薄葉紙の裏面どうしを重ね合わせることを特徴とする、請求項1に記載の衛生薄葉紙。
- 前記他方の薄葉紙の裏面に前記一方の薄葉紙の表面から透かして見ることができる前記模様を付して、両方の薄葉紙の裏面どうしを重ね合わせることを特徴とする、請求項2に記載の衛生薄葉紙。
- 請求項1ないし3のいずれか1に記載の衛生薄葉紙を長手方向に巻き付けてロール状に形成した衛生薄葉紙ロールにおいて、
前記長手方向を横切るミシン目を一定間隔ごとに形成することを特徴とする、衛生薄葉紙ロール。 - 前記模様が隣り合う前記ミシン目の間に付されていることを特徴とする、請求項4に記載の衛生薄葉紙ロール。
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