JP2010036015A - 衛生薄葉紙製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
上面に取出口が形成された包装体に衛生用薄用紙が収納され、使用時にその取出口から衛生薄葉紙の一枚を取り出すと、隣接して積層されている他の一枚の一部が取出口から露出される衛生薄葉紙製品であって、前記衛生薄葉紙は2枚以上の薄葉紙が積層されたプライ構造を有し、その衛生薄葉紙の一部又全部は、積層された薄葉紙のうちの外面を構成する何れかの薄葉紙の積層内面に模様が印刷されている衛生薄葉紙製品により解決される。
【選択図】図9
Description
この種の製品では、取出口から、衛生薄葉紙の一枚を取り出すと、隣接して積層されている他の一枚の一部が取出口から露出されるように束が形成されている(このような方式をポップアップ式ともいう)。
かかる衛生薄葉紙の束を製造するにあたっては、米国特許4052048号公報(特公昭55−1215号公報:先行技術文献1)に記載の技術を基本とする、PCMC社(ペーパー・コンバーティング・マシン・カンパニー)の連続シート折り畳み設備インターフォルダが業界で汎用されている。
このインターフォルダは、PCMC方式設備、マルチスタンド式インターフォルダとも呼ばれ、極めて高速に衛生薄葉紙の束を製造することができる。(以下、明細書においては、単にインターフォルダともいう。)
このインターフォルダは、流れ方向(ライン方向とも言われる)に複数の折り板機が並んだ折り板機群を有し、それらの各降り板機に対して原反ロール支持部が設けられている。各原反ロール支持部には原反ロールがセットされ、各原反ロールから一斉に連続シートが繰り出されて対応する折り板機に供給される。折り板機群は、各原反ロールからの連続シートを連続方向に直行する方向(幅方向ともいう)に折り畳むとともに、流れ方向の前方及び後方に位置する他の折り板機で折り畳まれた連続シートと互い違いになるように積層し、最下流において可動させた折り板機の数に対応する積層数の連続衛生薄葉紙の束を形成する。
衛生薄葉紙製品とするには、この後に連続衛生薄葉紙束を適宜の長さに裁断して、上面に取出口等を有する包装体に収納する。
しかし、ポップアップ式の製品においては、この模様印刷はほとんど普及していない。
これは、ポップアップ式の製品では、上述のとおりインターフォルダにより束を製造するのが一般的であり、原反ロール支持部から繰り出した後に印刷をして折り板に供給したり、一度印刷をしてから巻取ったものを原反ロール支持部にセットして折り板に供給したりすると、模様を構成するインキが折り板機の各部に付着して設備を汚したり、高速操業時のトラブルを発生させやすいという問題があるからである。
<請求項1記載の発明>
複数枚の衛生薄葉紙が、折り畳まれ重層されてなる衛生薄葉紙の束が、上面に取出口又は取出口形成部が形成された包装体に収納され、使用時にその取出口から衛生薄葉紙の一枚を取り出すと隣接して積層されている他の一枚の一部が取出口から露出される衛生薄葉紙製品の製造方法であって、
複数の原反ロールから連続シートを繰り出しつつ各連続シートを重ね合わせて積層し、その後に巻き取って二次原反ロールとする工程と、
前記二次原反ロールから二次連続ロールを繰り出しつつこの二次連続ロールの外面の一方面に模様を印刷し、その後に巻き取って印刷二次原反ロールとする工程と、
印刷二次原反ロールを構成している積層構造の連続シートのうち、巻き取り状態にて外面側に位置する最外層の連続シートのみを他の連続シートから剥離するとともに一周巻き解いて、前記最も外面に位置していた面が積層内面となるように反転させる工程と、
最外層の連続シートを反転させた印刷二次原反ロールを、そのまま又は適宜の幅に裁断して、流れ方向に並ぶ複数の折り板機と、各折り板機に対応して設けられた原反ロール支持部とを有するインターフォルダの前記原反ロール支持部にセットする工程と、
印刷二次原反ロールを含む原反ロール支持部群から順次二次連続シートを繰り出しつつ、各折り板機によって二次連続シートを折りつつ積層して連続衛生薄葉紙の束を形成する工程と、
この連続衛生薄葉紙の束を適宜の長さに裁断して包装体に収納する工程と
を有することを特徴とする衛生薄葉紙製品の製造方法。
本発明では、印刷二次原反ロールを構成している積層構造の連続シートのうち、巻き取り状態にて外面側に位置する最外層の連続シートのみを他の連続シートから剥離するとともに一周巻き解いて、前記最も外面に位置していた面が積層内面となるように反転させる反転工程を有する。したがって、印刷二次原反ロールの状態に何ら影響を与えることなく、模様を積層内面に位置することができる。
そして、その状態で、流れ方向に折り板機が並ぶ所謂PCMC設備、マルチスタンド式インターフォルダで折り畳みと積層とを行なうので、極めて高速に衛生薄葉紙の束を製造することができる。
すなわち、従来の積層外面に模様が印刷されている従来製品では、折り板機に供給する印刷二次原反ロールの外面に模様印刷が位置しているので、折り板機とインキとが擦れて、折り板機が汚れることとなり、製品のロット変更毎に煩雑な清掃作業を要していたところ、本発明において原反ロール支持部にセットされる印刷二次原反ロールは、上記印刷が積層内面に位置されるので、折り板機と模様印刷とが直接接触することがなく、もって印刷二次原反ロールから非印刷二次原反ロールへの切り替えを煩雑な清掃作業を必ずしも要することなく行なうことができる。
そのうえ、本発明に係る衛生薄葉紙は、模様がその衛生薄葉紙を透過して視認されるため、模様を構成する図案の縁が曖昧かつ色合いが淡く視認され、すかし模様、ぼかし模様のような独特な意匠性となり、柔らかさ、優しさ、高級感といった印象を顧客に強く与え、製品としての訴求力が極めて高いものとなる。
この本発明は、衛生薄葉紙のプライ構造とその米坪に着目したものであり、従来にない技術である。
複数枚の衛生薄葉紙が、折り畳まれ重層されてなる衛生薄葉紙の束が、上面に取出口又は取出口形成部が形成された包装体に収納され、使用時にその取出口から衛生薄葉紙の一枚を取り出すと隣接して積層されている他の一枚の一部が取出口から露出される衛生薄葉紙製品の製造方法であって、
複数の原反ロールから連続シートを繰り出しつつ各連続シートを重ね合わせて積層し、その後に巻き取って二次原反ロールとする工程と、
前記二次原反ロールから二次連続ロールを繰り出しつつこの二次連続ロールの外面の一方面に模様を印刷し、その後に巻き取って印刷二次原反ロールとする工程と、
印刷二次原反ロールを、そのまま又は適宜の幅に裁断して、流れ方向に並ぶ複数の折り板機と、各折り板機に対応して設けられた原反ロール支持部とを有するインターフォルダの前記原反ロール支持部にセットする工程と、
セットの後、印刷二次原反ロール構成している積層構造の連続シートのうち、巻き取り状態にて外面側に位置する最外層の連続シートのみを他の連続シートから剥離するとともに一周巻き解いて、前記最も外面に位置していた面が積層内面となるように反転させる工程と、
印刷二次原反ロールを含む原反ロール支持部群から順次二次連続シートを繰り出しつつ、各折り板機によって二次連続シートを折りつつ積層して連続衛生薄葉紙の束を形成する工程と、
この連続衛生薄葉紙の束を適宜の長さに裁断して包装体に収納する工程と
を有することを特徴とする衛生薄葉紙製品の製造方法。
請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
二次原反ロールを印刷して巻き取る際に、印刷面が外面側となるように巻き取り、その後の最外層の連続シートを反転させる工程において、印刷されている連続シートを反転させる、請求項1又は2記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
プライ構造に関係なく外面を構成する何れかの薄葉紙に印刷模様が施されている製品となり、常に模様の視認性が良好な製品が製造される。
模様の相違する複数種の印刷二次原反ロールを製造し、それらを原反ロール支持部にセットする請求項1又は2記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
複数種の模様の衛生薄葉紙が内包されている製品を高速に製造することができる。
上流側又は下流側から所定の位置にある折り板機に対応する原反ロール支持部にのみ模様の相違する印刷二次原反ロールをセットする請求項4記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
請求項1記載の発明と同様の効果のほか、例えば、くじ機能や残量表示機能としての効果を奏する製品を高速に製造することができる。
複数の原反ロール支持部のうちの幾つかに印刷二次原反ロールをセットし、その他の印刷していない二次原反ロールをセットして、製造する請求項1又は2記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
請求項5記載の発明と同様の作用効果を奏する。また、着色インキの使用量が少なく、コストを抑えることができる。
隣接する複数の折り板機毎に供給される印刷二次原反ロールの模様が相違するように、原反ロール支持部に印刷二次原反ロールをセットする請求項1又は2記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
所定の積層数毎に模様が相違する衛生薄葉紙製品を高速に製造できる。
前記模様は、残量表示機能を有する請求項1〜7の何れか1項に記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
内包される衛生薄葉紙の模様が残量表示機能を有する衛生薄葉紙製品が高速に製造できる。
前記模様を印刷するインキに、香料を含有させる請求項1〜8の何れか1項に記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
香料が積層内面に位置している衛生薄葉紙製品を高速に製造できる。また、印刷インキに香料を含有させたので、折り板機に直接香料が接触することがなく折り板機を香料で汚すことがない。
『衛生薄葉紙製品』
本発明に係る衛生薄葉紙製品は、複数枚の衛生薄葉紙が、折り畳まれ重層されてなる衛生薄葉紙の束が、上面に取出口又は取出口形成部が形成された包装体に収納され、使用時にその取出口から衛生薄葉紙の一枚を取り出すと、隣接して積層されている下層の一枚の一部が取出口から露出されるように構成された衛生薄葉紙製品である。
本発明に係る衛生薄葉紙V1は、図1に示すように方形をなしており、同形の薄葉紙1、2が複数枚積層されたプライ構造を有する。積層する薄葉紙の枚数(プライ数)は、特に限定されるものではなく、例えば2枚(2プライ)、3枚(3プライ)、4枚(4プライ)、又はそれ以上の複数枚と適宜変更することができる。特に、2枚又は3枚が効果が顕著であり望ましい。
〔衛生薄葉紙〕
本発明に係る衛生薄葉紙製品V1では、模様Pが印刷されたものを必須として、模様が印刷されていないものも用いうる。これらの相違は、模様印刷の有無のみであるので、ここでは模様Pを印刷した衛生薄葉紙について主に説明する。模様Pのないものについても以下の説明より理解されるであろう。
本発明に係る模様Pを有する衛生薄葉紙V1は、本発明の製品を特徴づける要素である。この衛生薄葉紙V1は、積層された薄葉紙1,2のうち最も外層に位置する2枚の薄葉紙の何れかの薄葉紙の積層内面に模様が印刷されている。
図示の形態では、2プライであるので積層された2枚の薄葉紙のうちの一方の薄葉紙1の積層内面に模様が印刷されている。
(ここで、本発明及び本明細書において、積層内面とは、プライ構造を構成する薄葉紙の面のうち他の薄葉紙に面している部分をいい、他の薄葉紙に面していない衛生薄葉紙自体の外面は積層外面ともいう。)
なお、模様Pを構成する具体的な図案や図柄の形成範囲、大きさ、形状などは特に限定されるものではなく、ロゴマーク、数字、文字、幾何学模様など適宜の図案、適宜の大きさを選択することができる。図示例では、花の図形からなる模様である。
他方、本発明に係る衛生薄葉紙V1を構成する薄葉紙1,2は、非印刷のものも印刷のものも区別なくパルプからなるものであり、その原料パルプは、特に限定されない。衛生薄葉紙の具体的な用途に応じて適宜の原料パルプを選択し、また適宜配合して使用することができる。
薄葉紙自体の地色の調整は、技術に従って着色した抄紙原料を用いて抄紙するなど既知の技術により達成できる。
他方、本発明に係る衛生薄葉紙V1の米坪は、適宜調整することができるが、好適には、プライ全体として20〜80g/m2、好ましくは26〜40g/m2、積層構造とするならば、各層(各プライ)あたり10〜40g/m2。好ましくは12〜20g/m2である。10g/m2未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、使用に耐えうる十分な強度を適正に確保することが困難となり、また、40g/m2超では、硬くなりすぎて、肌触りが悪いものとなりやすい。この範囲は、衛生薄葉紙の用途として、ティシュペーパーとする場合に、特に適する。なお、米坪は、JIS P 8124の米坪測定方法による。
本発明に係る衛生薄葉紙の束W1は、上述の衛生薄葉紙が折り畳まれ、積層されてなるものである。より具体的には、図2に示されるように、方形の薄葉紙が実質的に二つ折りされ、その折り返し片の縁eが上下に隣接する薄葉紙の折り返し内面に位置するようにして、互い違いに重なり合いつつ積層されている。なお、ここで実質的にとは、製造上の形成される縁部の若干の折り返しを許容する意味である。
他方、本発明に係る衛生薄葉紙の束は、特徴的に上記の積層内面に模様が印刷された特有の構造の衛生薄葉紙を含む。
もちろん、そのすべてが模様が印刷された特有の構造の衛生薄葉紙V1で構成されていてもよい。
この場合、模様の異なる複数種の衛生薄葉紙V1が適宜ランダムに積層されたものとすることができる。模様の種類をどの程度用意するかは適宜の設計事項である。束を構成するすべての衛生薄葉紙V1の模様が相違していてもよいし、例えば2〜10種類程度用意して、それらをランダムに積層してもよい。
模様の相違する衛生薄葉紙V1がランダムに積層された束であると、取出口から一枚を取り出したときに、追随して露出される下層の他の一枚の模様が予想できないため、飽きのこない製品となる。
このように構成された衛生薄葉紙の束を包装体に収納してなる製品は、模様の相違する衛生薄葉紙が取り出された時点で、内包される衛生薄葉紙の枚数を概ね理解することができる。
したがって、適宜の積層数に対応する位置のみ模様の相違する衛生薄葉紙を位置せしめるのであれば、その模様Pとして、残存数や使用数などを文字・数字として表した模様Pとして、積極的に使用した枚数や残存数が理解されるようにすることもできる。
他方、本発明に係る衛生薄葉紙の束は、必ずしもそのすべてを模様が印刷された前記特徴的な衛生薄葉紙で構成する必要はない。模様が印刷されていない衛生薄葉紙が混在されていてもよい。
この場合、模様を有する衛生薄葉紙と模様を有しない衛生薄葉紙とが適宜ランダムに積層された構造とすることができる。模様の種類をどの程度用意するか、模様を有する衛生薄葉紙と模様を有しない衛生薄葉紙との比率をどの程度とするかは、適宜の設計事項である。模様を有する衛生薄葉紙については、すべて模様を相違させてもよいし、例えば2〜10種類程度用意して、それらをランダムに積層してもよい。
かかる束を用いた製品では、取出口から一枚を取り出したときに、追随して露出される他の一枚が模様を有するか否か予想できないため、飽きのこない製品となる。
したがって、適宜の積層数に対応する位置のみ模様を有する衛生薄葉紙を位置せしめるのであれば、その模様Pとして、残存数や使用数などを文字として印刷してなる模様Pとして、積極的に使用した枚数や残存数が理解されるようにすることもできる。
前記衛生薄葉紙の束が収納される包装体X1としては、好ましくカートンとも呼ばれる直六面体形状の箱体が採用される。このカートンX1は、図5及び図6に示されるように、上面に取出口形成部である環状のミシン目線21を有する紙箱20と、前記ミシン目線21により囲まれる範囲21aを紙箱内側から覆う樹脂製フィルム22とを有する。
紙箱20は、カートンX1の外形をなす紙製の箱体であり、その大きさ、形状、展開形状等は既知のカートンの紙箱の構成を採用できる。
樹脂製フィルム22の厚みは、10〜200μmが適する。10μm未満では、強度的に不足し、衛生薄葉紙の取り出し時において裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、200μmを超えると、強度の問題はないものの、取り出し難くなり、またコスト高となる。
従って、図5、6に示されるとおり、前記環状ミシン目線21に沿ってそのミシン目線により囲まれる範囲21aを切り剥がすことにより、紙箱上面20Uに取り出口25が形成されるとともに、前記樹脂製フィルム22及びそれに形成されたスリット23が取り出口25を介して露出される。なお、前記スリット23の長さは、適宜の長さとすることができ、既知の環状ミシン目線との大きさの関係で適するとされる長さが採用できる。
包装体に束として収納されている衛生薄葉紙は、前記スリット23を介して取り出し口25から一枚ずつ取り出される。
他方、本発明のカートン以外の他の包装体を例示すると、例えば、外装フィルムによる包装体が挙げられる。この包装体は、図示はしないが、例えば、ピロー包装、ガセット包装、キャラメル包装等と呼ばれる既知のフィルム包装により達成される。
これらの包装体を構成するための包装方法は、周知の技術であるが、より具体的に説明すれば、ピロー包装は、被包装物となる束を外装フィルムで巻き込むように包み、その巻き込み方向において重畳する縁部を接着し、さらに被包装物を越えて延び出した部分をも接着してなる包装態様である。このピロー包装を行う装置等は、既知の装置が利用される。
外装フィルムの各分の熱融着、超音波融着、ホットメルト接着剤等によってなされる。
なお、その他、本発明に係る包装体に関しては、ポップアップ式を妨げない範囲で、プラスチックケースなどの適宜の包装体を採用できる。
次いで、上述の本発明の衛生薄葉紙製品の製造方法について詳述する。
〔二次原反ロール形成工程〕
本発明の製法においては、まず、図7に示されるように、複数の1プライの原反ロール30,30から連続シート31,31を繰り出しつつ適宜の支持ロール、ニップロールRを介して各連続シートを重ね合わせて積層し、その後に巻き取って二次原反ロール40とする。図示例では2プライの二次原反ロール形成工程を例示している。
このとき、2プライの場合であれば、(1)積層される各薄葉紙の各裏面側が外面となるように積層(以下、裏裏積層という)するか、もしくは、(2)一方の表面と他方の裏面とが対面するようにして積層(以下、表裏積層という)するのが望ましい。なお、ここでの表裏とは上述の紙の表裏を意味している。
ここで、前記原反ロール30,30を構成する連続シートは、帯状の薄葉紙であり、その組成・物性は、上述の薄葉紙の組成・物性と同様である。
次いで、二次原反ロールを形成したならば、図8に示すとおり、二次原反ロール40から二次連続シート41を巻きほどき順次繰り出しつつ、この二次連続シート41の外面の一方面に印刷機50により模様Pを印刷する。
このとき、前記裏裏積層、表裏積層を含む積層構造の二次連続シートに対して印刷する場合には、その裏面側に印刷するのが望ましい。
好ましくは、当該図柄の面積占有率が全体の10〜50%とするのがよい。地の部分との図柄とのコントラストが明りょうとなる。
この二次連続シート41への印刷の後には、図8に示されるとおり、再度二次連続シートを巻取って印刷二次原反ロール45とする。印刷と再度の巻き取りは連続して行なうことができる。
この再度の巻き取り操作を行なうにあたっては、2プライの裏裏積層以外の場合には、印刷がされている面が巻き取り外面(ロールとしたときに外周面を構成する面)となるようにして巻取るのが望ましい。
印刷後に二次連続シート41を巻取ったならば、次いで、図9に示すように、本発明の製法において特徴の一つをなす反転工程を行う。
この工程は、図9中(a)〜(c)に示されるように、印刷二次原反ロール45を構成している積層構造の二次連続シート41のうち、巻き取り状態にて外面側に位置する最外層の連続シート41Aのみを他の連続シート41Bから剥離するとともに一周巻き解いて、前記最も外面に位置していた面Kが積層内面となるように反転させる。この操作によって、印刷されている面が積層内面となる。
なお、本発明ではこの反転工程を行う関係上、これより前段において、連続積層シートのプライ接合を行わないか、行っても極めて弱い圧力で行うのが望ましい。
次いで、図10及び図11から理解されるように、最外層の連続シート41Aを反転させた印刷二次原反ロール45’を、そのまま又は適宜の幅に裁断を形成して、流れ方向に並ぶ複数の折り板機70,70…と、各折り板機70,70…に対応して設けられた原反ロール支持部71,71…とを有するインターフォルダMの前記原反ロール支持部70,70…にセットする。なお、図10は、折り板機を流れ方向正面から見た図であり、紙面を貫く方向に複数の折り板機が複数並んでいる。また、図中の符号G1〜G3はガイドローラ、符号77は連続衛生薄葉紙のラインを形成する搬送装置である。
なお、ここでは、反転工程を行ったロール45’を原反ロール支持部71にセットしているが、原反ロール支持部71にロール45をセットした後に、反転工程を行なってもよい。
ここで、本発明に用いられるインターフォルダMは、襲来既知のものでありよく知られているものであるが、説明をすると、図示例の如く、包装体内への収納枚数に応じて多数(たとえば101機)、流れ方向に間隔を置いて設置される複数の折り板機70,70…と、各折り板機70,70…に対応して設けられた原反ロール支持部71,71…とを有するものであり、所定の折り板機70においては対応する原反ロール支持部71から繰り出された連続シートの側部が、その前後の折り板機から連続シートが略C字状に包み込む関係で折り込みが行なわれるように構成されているものである。
従って、本インターフォルダでは、流れ方向の上流から下流へ行くにしたがって、各折り板機70,70…からの連続シート49,49…が順次積層され、流れ方向最下流に位置する折り板機からの連続シートが最上面に位置するようにして連続衛生薄葉紙束が形成される。
他方、インターフォルダにおいて所望の連続衛生薄用紙の束Wを形成したならば、次いで、連続衛生薄葉紙の束Wを適宜の長さに裁断して衛生薄葉紙の束W1とし包装体に収納する。包装体への収納方法は、従来既知の方法が使用できる。
かくして、上述の特徴的な本発明に係る衛生薄用紙製品が製造される。
Claims (9)
- 複数枚の衛生薄葉紙が、折り畳まれ重層されてなる衛生薄葉紙の束が、上面に取出口又は取出口形成部が形成された包装体に収納され、使用時にその取出口から衛生薄葉紙の一枚を取り出すと隣接して積層されている他の一枚の一部が取出口から露出される衛生薄葉紙製品の製造方法であって、
複数の原反ロールから連続シートを繰り出しつつ各連続シートを重ね合わせて積層し、その後に巻き取って二次原反ロールとする工程と、
前記二次原反ロールから二次連続ロールを繰り出しつつこの二次連続ロールの外面の一方面に模様を印刷し、その後に巻き取って印刷二次原反ロールとする工程と、
印刷二次原反ロールを構成している積層構造の連続シートのうち、巻き取り状態にて外面側に位置する最外層の連続シートのみを他の連続シートから剥離するとともに一周巻き解いて、前記最も外面に位置していた面が積層内面となるように反転させる工程と、
最外層の連続シートを反転させた印刷二次原反ロールを、そのまま又は適宜の幅に裁断して、流れ方向に並ぶ複数の折り板機と、各折り板機に対応して設けられた原反ロール支持部とを有するインターフォルダの前記原反ロール支持部にセットする工程と、
印刷二次原反ロールを含む原反ロール支持部群から順次二次連続シートを繰り出しつつ、各折り板機によって二次連続シートを折りつつ積層して連続衛生薄葉紙の束を形成する工程と、
この連続衛生薄葉紙の束を適宜の長さに裁断して包装体に収納する工程と
を有することを特徴とする衛生薄葉紙製品の製造方法。 - 複数枚の衛生薄葉紙が、折り畳まれ重層されてなる衛生薄葉紙の束が、上面に取出口又は取出口形成部が形成された包装体に収納され、使用時にその取出口から衛生薄葉紙の一枚を取り出すと隣接して積層されている他の一枚の一部が取出口から露出される衛生薄葉紙製品の製造方法であって、
複数の原反ロールから連続シートを繰り出しつつ各連続シートを重ね合わせて積層し、その後に巻き取って二次原反ロールとする工程と、
前記二次原反ロールから二次連続ロールを繰り出しつつこの二次連続ロールの外面の一方面に模様を印刷し、その後に巻き取って印刷二次原反ロールとする工程と、
印刷二次原反ロールを、そのまま又は適宜の幅に裁断して、流れ方向に並ぶ複数の折り板機と、各折り板機に対応して設けられた原反ロール支持部とを有するインターフォルダの前記原反ロール支持部にセットする工程と、
セットの後、印刷二次原反ロール構成している積層構造の連続シートのうち、巻き取り状態にて外面側に位置する最外層の連続シートのみを他の連続シートから剥離するとともに一周巻き解いて、前記最も外面に位置していた面が積層内面となるように反転させる工程と、
印刷二次原反ロールを含む原反ロール支持部群から順次二次連続シートを繰り出しつつ、各折り板機によって二次連続シートを折りつつ積層して連続衛生薄葉紙の束を形成する工程と、
この連続衛生薄葉紙の束を適宜の長さに裁断して包装体に収納する工程と
を有することを特徴とする衛生薄葉紙製品の製造方法。 - 二次原反ロールを印刷して巻き取る際に、印刷面が外面側となるように巻き取り、その後の最外層の連続シートを反転させる工程において、印刷されている連続シートを反転させる、請求項1又は2記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
- 模様の相違する複数種の印刷二次原反ロールを製造し、それらを原反ロール支持部にセットする請求項1又は2記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
- 上流側又は下流側から所定の位置にある折り板機に対応する原反ロール支持部にのみ模様の相違する印刷二次原反ロールをセットする請求項4記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
- 複数の原反ロール支持部のうちの幾つかに印刷二次原反ロールをセットし、その他の印刷していない二次原反ロールをセットして、製造する請求項1又は2記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
- 隣接する複数の折り板機毎に供給される印刷二次原反ロールの模様が相違するように、原反ロール支持部に印刷二次原反ロールをセットする請求項1又は2記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
- 前記模様は、残量表示機能を有する請求項1〜7の何れか1項に記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
- 前記模様を印刷するインキに、香料を含有させる請求項1〜8の何れか1項に記載の衛生薄葉紙製品の製造方法。
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- 2008-09-19 JP JP2008241728A patent/JP5377910B2/ja active Active
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