JP5488291B2 - 段ボールシート、その製造方法、及び段ボール箱 - Google Patents

段ボールシート、その製造方法、及び段ボール箱 Download PDF

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Description

本発明は、段ボールシート、その製造方法、及び前記段ボールシートで作成した段ボール箱に関する。
更に詳しくは、高い意匠性を持ちながら、内容物の包装工程や輸送によっても意匠性が損なわれ難く、かつ、破れ難く、耐水性を有する段ボール箱及び段ボールシートと、該ボールシートの製造方法に関する。また、レーザー印刷にも対応可能で、環境汚染の原因となり難くすることもでき、更に、少ロット対応可能で資源のムダを削減できる、段ボールシートとそれで作製した段ボール箱、また該段ボールシートの製造方法に関する。
従来、裏面印刷を施した透明プラスチックフィルムを段ボールシートに貼り付けて耐水性や意匠性に優れる段ボールシートを製造する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。また、裏面印刷を施した透明プラスチックフィルムと紙、金属箔、クロス、不織布等を貼り合わせた積層体を積層ライナーとして用い、中芯と貼り合わせて段ボールシートを製造する技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
ここで、図8は、プラスチックフィルムを積層した積層ライナー82の一例として、裏面印刷層9を形成した透明プラスチックフィルム3を使用した積層ライナー82を説明する概略断面図である。この様に、従来の積層ライナー82は、透明プラスチックフィルムの表面に表面印刷層が形成されていない。
実開昭61−50432号公報 特開昭59−152857号公報
ところで、透明プラスチックフィルムに印刷する場合、巻き取りから巻き出した帯状フィルムに対して輪転印刷機によって印刷することになるが、輪転印刷では少量生産に向かないという問題があった。
すなわち、枚葉印刷は紙の最低梱包枚数が500枚程度で、寸法規格もあるため、例えば100枚のみ印刷して残りを他の製品に使用することができ、少量生産が可能である。しかし、透明プラスチックフィルムは製品ごとに決められた幅にスリットしたものを購入し、帯状フィルムに輪転印刷するため、他の製品に転用し難い。更に、帯状フィルムでは、巻取りの長さは通常4000m巻き等と長尺であるため、一度に大量の印刷物が製造されてしまい、少量生産には向いておらず、少量しか使用しない用途では、やむを得ず余った巻き取りフィルムを廃棄する場合が多々ある。
そこで、本発明の課題は、プラスチックフィルムを貼り合わせた段ボールシート、および、当該段ボールシートで製造した段ボール箱に、優れた機能性や優れた意匠性を付与することである。また、当該機能性や意匠性が付与された段ボールシートの製造を可能にすることである。また、当該機能性や意匠性が付与された段ボールシートの少量生産を可能にし、また、当該段ボールシートを用いた段ボール箱の少量生産を可能にすることである。
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の段ボールシートは、次の構成とした。
(1)ライナーを中芯の両面に貼り合わせた段ボールシートにおいて、
該ライナーの少なくとも片方が、表面から透明プラスチックフィルム、接着層、紙層を有し、かつ、該透明プラスチックフィルムに裏面印刷層と共に表面にも表面印刷層が形成されている積層ライナーからなることを特徴とする、段ボールシート。
(2)上記(1)に於いて、表面印刷層と裏面印刷層とが相互の見当を合わせて形成されていることを特徴とする、段ボールシート。
(3)上記(2)において、表面印刷層及び裏面印刷層が、任意のパターンを、段ボールシートを枚葉シートに断裁する時の断裁間隔に対応して形成されたものであることを特徴とする、段ボールシート。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、表面印刷層が、当該段ボールシートにより包装される内容物固有の表示情報を含むことを特徴とする、段ボールシート。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、表面印刷層が、白色インキ層の表面に黒色インキ層を形成したレーザー印刷用表示部を含むことを特徴とする、段ボールシート。
(6)上記(5)において、レーザー印刷用表示部にレーザー印刷が施されていることを特徴とする、段ボールシート。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかにおいて、透明プラスチックフィルムとして生分解性フィルムを用いたことを特徴とする、段ボールシート。
(8)上記(7)において、生分解性フィルムがポリ乳酸フィルムであることを特徴とする、段ボールシート。
また、本発明の段ボール箱は次の構成とした。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかの段ボールシートで作成したことを特徴とする、段ボール箱。
(10)上記(5)の段ボールシートで作成した段ボール箱であって、更に、そのレーザ印刷用表示部にレーザー印刷が施されていることを特徴とする、段ボール箱。
また、本発明の段ボールシートの製造方法は、次の構成とした。
(11)ライナーを中芯の両面に貼り合わせた段ボールシートの製造方法において、
該ライナーの少なくとも片方に、表面から透明プラスチックフィルム、接着層、紙層を有し、かつ、前記透明プラスチックフィルムに裏面印刷層と共に表面にも表面印刷層が形成され、更に表面印刷層と裏面印刷層とが相互の見当を合わせて形成された積層ライナーを用いる製造方法であって、
該積層ライナーにおける表面印刷層と裏面印刷層とを、透明プラスチックフィルムへの輪転印刷機による表裏の見当合わせをした両面印刷によって形成することを特徴とする、段ボールシートの製造方法。
(12)ライナーを中芯の両面に貼り合わせた段ボールシートの製造方法において、
該ライナーの少なくとも片方が、表面から透明プラスチックフィルム、接着層、紙層を有し、かつ、前記透明プラスチックフィルムに裏面印刷層と共に表面にも表面印刷層が形成され、更に表面印刷層と裏面印刷層とが相互の見当を合わせて形成された積層ライナーとなっている段ボールシートの製造方法であって、
前記透明プラスチックフィルムに、裏面印刷層のみの片面印刷、或いは裏面印刷層と表面印刷層の両面印刷を、輪転印刷機によって形成して作製した積層ライナーを用いて、該積層ライナーを含むライナーを中芯の両面に貼り合わせて段ボールシートを製造した後、
当該段ボールシートを枚葉化した枚葉シートに対して、該積層ライナーの透明プラスチックフィルムの表面に表面印刷層を、枚葉印刷機による見当合わせ印刷で追い刷りして形成することを特徴とする、段ボールシートの製造方法。
(13)上記(11)又は(12)において、透明プラスチックフィルムへの両面印刷が、グラビア印刷、または、フレキソ印刷であることを特徴とする、段ボールシートの製造方法。
(14)上記(11)〜(13)のいずれかにおいて、枚葉シートとなった段ボールシートの前記透明プラスチックの表面に、当該段ボールシートにより包装される内容物固有の表示情報を追い刷りすることを特徴とする、段ボールシートの製造方法。
(15)上記(11)〜(14)のいずれかにおいて、積層ライナーにおける透明プラスチックフィルムと紙層との接着層による積層が、ドライラミネーション法、または、押し出しラミネーション法のいずれかであることを特徴とする、段ボールシートの製造方法。
(16)上記(11)〜(15)のいずれかにおいて、積層ライナーと中芯とを接着剤により貼り合わせ、加熱工程により固化乾燥させて貼り合せることを特徴とする、段ボールシートの製造方法。
(1.1)本発明によれば、その少なくとも片側のライナーが紙層の表側に透明プラスチックフィルムが積層した積層ライナーで且つ該透明プラスチックフィルムには裏面印刷層のみならず表面にも表面印刷層が形成されているので、より高い意匠性、より高い機能性が付与できる。その結果、従来の裏面印刷層のみによる意匠性に加えて、表面に於いてのみ表現可能な意匠(例えば、マット調、高光沢、エンボス調等)、表面であるが故に機能する機能性(例えば、埃付着防止のための静電気防止性、非加熱圧着のためのコールドシール性、屋外使用のための撥水性、糊貼りのための易接着性、汚れ防止のための離型性、水蒸気滅菌の温度やエチレンオキサイドガスに反応して変色する滅菌インジケーター機能、その他、滑り性、難滑性等)を付与することができる。しかも、複数の意匠性や機能性(例えば、易接着性と離型性、撥水性と導電性等)を同時に発現させることもできる。このため、段ボールシートの意匠性、機能性が顕著に向上する。
しかも、積層ライナーの基本構成は、透明プラスチックフィルムと紙層であり、中芯と貼り合わせる面が紙層なので、従来の段ボールシート製造装置のウェットラミネーション等のライナーの貼り合わせ方法をそのまま使用できる。
(1.2)そして、表面印刷層はその印刷位置を裏面印刷層の絵柄や文字の印刷位置に見当を合わせて形成することで、段ボールシートの意匠性、機能性がより顕著に向上する。更に、印刷法でパターン状に形成することによりインクなど材料の無駄を省くことができる。また、印刷パターンを、枚葉シートへの断裁間隔に対応して形成すれば、段ボールシートの無駄を少なくできる。
(1.3)表面印刷層で、包装される内容物固有の情報を表示することで、包装物の管理も容易に行うことができる。
また、重ね刷りも可能なため、白色印刷層の表面に黒色印刷層を重ねることにより、レーザー印刷用表示部を設けることもできる。
このレーザー印刷用表示部にレーザー印刷を施せば、例えば、内容物固有の情報等として、内容物に関する製造年月日、使用期限、製造ロット、製造番号等の変動情報(可変情報)を表示して、似通った複数の製品群の管理も容易に行うことができる。
(1.4)また、透明プラスチックフィルムとして生分解性フィルムを用いることにより廃棄処理が容易となり、環境負荷を低減することができる。更に、生分解性フィルムとしてポリ乳酸フィルムを用いれば、印刷、貼り合わせ等の機械適性が良好となる。
(2.1)また、上記の様な段ボールシートを用いて作製した段ボール箱では、上記各種効果が得られる。
また、レーザ印刷用表示部へのレーザ印刷は段ボール箱を作製した後に施した物とすることで、内容物固有の情報を更に管理容易に表示できる。
(3.1)本発明の製造方法によれば、裏面印刷層と表面印刷層とを見当を合せた輪転機印刷機による両面印刷で形成することで、大量生産に適した形で生産性良く製造できる。また、両面印刷のピッチを段ボールシートの最終断裁長に容易に合わせることができる。
(3.2)また、少なくとも裏面印刷層は輪転印刷機で形成して一旦段ボールシートを作製した後、この段ボールシートを枚葉シートとしてから、この枚葉シートに対して表面印刷層を見当を合わせた枚葉印刷による追い刷りの印刷方法で形成することにより、大量生産の利点と少量生産の利点とを兼ね備えた形で、少量生産に適した製造が可能となる。
例えば、同じ、または、ほとんど同じデザインで、内容物の呼称、型番、内容量等のみ異なる、大きさが同じ箱、スリーブ、シート等を用いて数種類の製品を包装する、いわゆるシリーズ品において、段ボールシートを断裁するまでは少量生産に不向きな巻取り状態で内容物固有の情報の印刷を施さないまま製造しておいて、断裁後に少量生産に向いている枚葉印刷で内容物に固有の製品名、型番、JANコード等の印刷を施すことにより、各製品の製造量に応じた、箱、スリーブ、シート等の生産が可能であるため、資材の無駄、保管スペースの削減、納期の短縮等を図ることができる。
(3.3)また、輪転印刷機による両面印刷をグラビア印刷又はフレキソ印刷で行えば、生産性良く意匠性の高い裏面印刷層及び表面印刷層を形成できる。
また、枚葉シートとなった後の段ボールシートに対して、その積層ライナーの透明プラスチックの表面に、包装される内容物固有の情報を追い刷りすることで、大量印刷には適さない該固有情報の印刷を、枚葉印刷、レーザ印刷など少量生産に適した印刷方式で形成することができる。
(3.4)また、積層ライナーにおける透明プラスチックフィルムと紙層との積層を、ドライラミネーション法、または、押し出しラミネーション法で行えば、軟包装材料の貼り合わせ方法であるので、巻取りから巻き出した帯状フィルムに対して効率よく製造することができる。
本発明に係る段ボールシートの一形態例を示す概略断面図。 本発明に係る段ボールシートの他の形態例を示す概略断面図。 本発明で用いる、透明プラスチックフィルムに両面印刷を施した積層ライナーの一形態を例示する概略断面図。 本発明に係る、両面印刷を施した積層ライナーを用いた段ボールシートの一形態について、積層ライナーの積層部分を示す概略断面図。 輪転印刷機で両面印刷を施した透明プラスチックフィルムの一形態を例示する概略平面外観図。 本発明に係る断裁した後の段ボールシートの一形態を例示する概略平面外観図。 本発明に係る段ボールシートで作成した、本発明に係る段ボール箱の一形態を例示する概略外観図。 従来の段ボールシートに於ける積層ライナーを例示する概略断面図。
以下、図面を参照しながら本発明について、実施の形態を詳述する。
〔概要〕
図1に例示するように、本発明に係る段ボールシート1は、通常の両面段ボールシートの少なくとも片側のライナーの構成が、表面から透明プラスチックフィルム3、接着層4、紙層5からなり、しかも、透明プラスチックフィルム3には印刷層として、裏面側の裏面印刷層9のみならず、表面側にも表面印刷層10が形成された構成の積層ライナー2となっている。
そして、図1に例示の段ボールシート1の形態では、この積層ライナー2が中芯7の表側(図面では上方)に、通常のライナー8が裏側に貼り合わせられた構成である。
また、この様な積層ライナー2を用いた段ボールシートであっても、該積層ライナーの裏側は紙層5であり、積層ライナー2と中芯7の貼り合せは紙面同士の貼り合わせであるため、通常の段ボールシート製造装置で製造することができる。
中芯7と、その片側のみ積層ライナー2を貼り合わせた場合の残りの片側のライナー8は、通常の段ボールシートのように、クラフト紙や、その他の紙などからなる通常のライナーを用いることができる。
この様に、本発明では段ボールシートのライナーに透明プラスチックフィルムの両面に印刷層が形成された積層ライナーを用いることによって、機能性や意匠性を格段に高めることができる様になる。
更に、この様な段ボールシートを用いて作製し段ボール箱とすることで、機能性や意匠性を格段に高めることができる様になる。
また、段ボールシートの製造に於いても、後述する様に特に積層ライナーに於ける裏面印刷層の印刷と表面印刷層の印刷を各々工夫することによって、生産性及び少量生産に適した製造が可能となる。
なお、図1に例示の段ボールシート1の構成では、積層ライナー2は、中芯5の片側のみの形態例であったが、両側に積層ライナー2を用いても良い。
また、積層ライナー2は、図2に例示する段ボールシート1の様に、例えば更に、中間層6を設けて、表面から透明プラスチックフィルム3、接着層4、中間層6、接着層4、紙層5とすることもできる。
以下、更に本発明を詳述する。
A.段ボールシート
先ず、段ボールシートから説明する。本発明による段ボールシートは、中芯の表裏両面にライナーが貼り合わされた両面段ボールシートであり、このうち少なくとも片側(通常は表側)のライナーが、表面側から順に、少なくとも、表面印刷層、透明プラスチックフィルム、裏面印刷層、接着層、紙層が積層された構成の積層ライナーを用いる。
〔積層ライナー〕
次に、積層ライナー2を構成する、透明プラスチックフィルム3、接着層4、紙層5、裏面印刷層9、表面印刷層10、中間層6などについて説明する。
[透明プラスチックフィルム]
透明プラスチックフィルム3としては、巻取り状態から繰り出して帯状で印刷、加工を行えるものであればよく、一般的に軟包装材料の印刷原反を用いることができる。例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム等が代表的であり、その他のフィルムとして、ポリ乳酸フィルム、未延伸ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、等や、各種樹脂の共押し出しフィルム、マット調フィルム等を用いることができる。
尚、透明プラスチックフィルムとして生分解性フィルムを用いることにより、環境負荷を低減することができる。特に、ポリ乳酸フィルムは印刷、貼り合わせ等の機械適性が良好なため、好適である。また、これらフィルムは単層、または、複層のフィルムを用いることができる。
尚、一般的なプラスチックフィルムには、インキ等の接着性を高めるため印刷面(片面)にコロナ放電処理が施してあるが、両面印刷する場合には両面コロナ放電処理フィルムを使用するか、片面コロナ放電処理フィルムの未処理面への印刷直前に、印刷機内でコロナ放電処理を施すか、または、未処理面でも接着性が良いインキを使用する等の対応をすると良い。
[表面印刷層と裏面印刷層]
また、透明プラスチックフィルムへの表面印刷層10、及び裏面印刷層9の印刷は、グラビア印刷、フレキソ印刷、活版印刷等、従来からプラスチックフィルムへの印刷に用いられている方法をそのまま用いることができる。なお、透明プラスチックフィルムへの印刷は、生産性に優れる点で、巻き取りから巻き出した帯状フィルムに印刷するのが好ましく、従って、上記各種印刷方式による印刷は輪転印刷機を用いるのが好ましい。
なお、表面印刷層と裏面印刷層とを、帯状フイルムの状態での透明プラスチックフィルムに対して印刷形成するときは、輪転印刷機を用いることによって、表裏両面の見当を合せた両面印刷で同一印刷機上で表裏同時に、表裏相互の見当を合わせて印刷形成できる。表裏見当合わせした両印刷層により、意匠性が高く、また、表示内容も多用な製品が得られる。
また、表面印刷層では、表面印刷層であるが故に表現可能な意匠、例えば、マット調、高光沢、エンボス調等を表現できる。また、表面印刷層では、表面であるが故に機能する機能性、例えば、埃付着防止のための静電気防止性、非加熱圧着のためのコールドシール性、屋外使用のための撥水性、糊貼りのための易接着性、汚れ防止のための離型性、水蒸気滅菌の温度やエチレンオキサイドガスに反応して変色する滅菌インジケーター機能、その他、滑り性、難滑性等の機能を付与することができる。
なお、これらの意匠や機能は、複数の意匠性や機能性、例えば、易接着性と離型性、撥水性と導電性等を同時に発現させることもできる。このため、段ボールシートの意匠性、機能性が顕著に向上する。
もっとも、表面印刷層と裏面印刷層とは必ずしも、相互の見当を合わせて形成されている必要はない。例えば、マット調の表面印刷層を、透明プラスチックフィルムの全面に形成する場合には、表裏の見当合わせの必要はない。この様なときは、表面印刷層と裏面印刷層とは両面印刷可能な輪転印刷機で同時に形成しても良いが、夫々の印刷層を別の印刷機で形成しても良い。
なお、この様な全面に形成する印刷層は、塗工層と呼ぶこともでき、パターン形成可能な印刷機ではなく塗工機を用いて形成することができる。ただ、本明細書においては、この様に塗工形成された層も(表面乃至は裏面)印刷層と呼ぶことにする。
(レーザー印刷用表示部)
後述図7等を参照した説明の様に、表面印刷層として、白インキ層上に黒インキ層を積層して、レーザー印刷用表示部11を設けることができる。レーザー印刷用表示部11にレーザーを照射して表面の黒色インキ層を除去することで、レーザー印刷する。レーザ印刷用表示部は、レーザ印刷された表示の白黒が明確なのが好ましい。この為には、レーザ印刷用表示部の印刷は、オフセット印刷よりはグラビア印刷の方が、特に白を濃くできる点で、好ましい。したがって、レーザ印刷用表示部を含む表面印刷層と裏面印刷層とを見当を合わせて形成するときは、グラビア印刷による両面印刷で形成するのが好ましい。
[接着層]
巻き取り可能な帯状フィルムの状態の透明プラスチックフィルムと紙層との積層には、一般的に軟包装材料の貼り合わせに用いられる、ドライラミネーション法や、押し出しラミネーション法が適している。この為、これら両層の積層に用いる接着層4としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等の各種オレフィン系樹脂、各種酸変性ポリオレフィン樹脂等を用いることができる。
[紙層]
紙層5としては、中芯7との貼り合わせにウエットラミネーション法を用いることが多いことから、レーヨン紙、障子紙等の和紙、未晒クラフト紙、上質紙等の洋紙を問わず、紙であれば良い。また、紙層5としては、ウエットラミネート可能であれば、パルプ分を含まない不織布を用いても良い。紙の坪量としては30〜100g/m2ものを用いると、中芯のフルートが透けて見え難く、好ましい。但し、中芯のフルートを見せたい場合、見えても良い場合、印刷インキで透明プラスチックフィルムに遮光性を付与する場合等があるため、坪量が30g/m2未満の紙でも用いる場合もある。また、段ボールシートの腰を上げる、中芯が見えないようにする、または、中芯のフルートとの貼り合わせによる表面の凹凸を無くしたい等の理由により、坪量が100g/m2を越える紙を使用する場合もあるため、紙の坪量は特に限定されるものではない。
[中間層]
なお、透明プラスチックフィルム3と、中芯7と貼り合わせる紙層5との間の任意の位置(通常は透明プラスチックフィルム3に形成済みの裏面印刷層9と紙層5との間となる)となる様にに、他のフィルム、金属箔、紙等を貼り合わせ、中間層6を設けることができる。
中間層6は、積層ライナーの物理的強度向上や、中芯のフルートの隠蔽等を目的として、適宜設ける層である。この様に、中間層6の役割は、中芯が透けて見えないようにするための遮光性、突き刺し強度等の物理的強度向上、段ボールシートの腰の向上等、一般的なものから、吸水性樹脂、乾燥剤、消臭剤等を練り込んだフィルムを使用して段ボールシートに特殊機能を付与する等、特に制限は無い。
例えば、中間層6として、前記透明プラスチックフィルムで列記した各種フィルムやその他のフィルムを用いて積層ライナーの物理的強度を向上させ、また、金属箔や金属蒸着フィルムを用いて中芯のフルートを隠蔽する。また、これらフィルムは単層、または、複層のフィルムを用いることができる。
〔中芯、および、他方のライナー〕
中芯7、および、段ボールシートの片方(通常は裏面側)に積層ライナーを用いない場合に用いるライナー8は、通常の段ボールシート用の公知の材料を用いれば良い。また、これらには、必要に応じて撥水性、吸湿性、その他の機能性を有するものを使用しても構わない。
また、中芯のサイズも、一般的に用いられるAフルート、Bフルート、Cフルート、Eフルート、Fフルート、及び、Gフルートその他を用いることができ、これらの中芯を組み合せたWフルート等、特殊な中芯も利用できる。
次に、図3〜図6を参照しながら、より具体的な形態例について、その製造方法を交えながら説明する。
先ず、図3は、両面印刷を施した透明プラスチックフィルム3を使用した積層ライナー2を説明する概略断面図である。両面印刷を施した透明プラスチックフィルムの裏面印刷層9で形成する内容は、一般的には、図柄、表示項目、JANコード、製品名等、デザインや被包装物固有の固定情報である。
また、裏面印刷層9で形成する内容は、更に必要に応じて、透明プラスチックフィルムを介しても機能が発現し、かつ、表面印刷層(同図では10aとして表示)として形成すると脱落したり、汚れたり、濡れたりして機能性が損なわれる恐れがあるもの、例えば示温インキによる温度表示機能、帯電防止剤による帯電防止機能等の機能性インキを用いて形成される機能(層)もあり得る。
また、両面印刷を施した透明プラスチックフィルムの表面印刷層10aで形成する内容は、例えば、白色印刷層の表面に黒色印刷層を形成したレーザー印刷用表示部11である。また、該内容は、各種プライマー、離型剤、撥水剤、マットニス、光沢ニス、粘着剤、コールドシール剤、ヒートシール剤、帯電防止剤、示温インキ、滅菌インジケーターインキ等の機能性インキを用いて形成される機能(層)などである。これらのインキは、透明プラスチックフィルムの表裏を問わずパターン形成可能である。
この様にすることで、高生産性、高機能性、高意匠性を付与できる。
図4は、両面印刷を施した段ボールシートの特に積層ライナー部分を説明する概略断面図である。ここでは、裏面印刷層9と表面印刷層10aとの両面印刷を施した透明プラスチックフィルム3を使用した積層ライナー2と中芯7とを接着剤により貼り合わせ、加熱工程により該接着剤を固化乾燥させて製造した(帯状の)段ボールシートを、透明プラスチックフィルムに施した印刷のピッチに合わせて断裁した枚葉の段ボールシートに、枚葉印刷機を用いた見当合わせ印刷により、更に表面印刷層10bを追い刷りによって印刷形成し、都合、2回の印刷工程で見当合わせ印刷して形成した段ボールシートを示している。
このように、大量に製造せざるを得ない巻取り状(帯状)フィルム製造工程と、少量生産可能な枚葉シート製造工程とを組み合わせることにより、内容量違い、成分違い、品名違い等、複数種類の内容物に共通の、デザインや会社名等の印刷を透明プラスチックフィルムに施しておき、複数の内容物に固有の情報はそれぞれ枚葉印刷で印刷しておけば、内容物に応じた段ボール箱などの容器を、必要な時に必要な量だけ製造することができるので、無駄の削減と、生産効率の向上を図ることができる。
また、特に図示しないが、従来の裏面印刷層のみの積層ライナーを用いた段ボールシートでも、同様にして枚葉印刷により見当合わせ追い刷りすることで、表面印刷層を形成することができる。
図5は、両面印刷を施した透明プラスチックフィルム3の概略平面外観図である。この透明プラスチックフィルム3には、例えば、グラビア輪転印刷機を用いて裏面印刷層9として文字や図形、段ボールシートを断裁する際に断裁機が断裁位置13を読み取るための光電管マーク14等が、また、表面印刷層10aとしてレーザー印刷用表示部11が同時に印刷形成されている。
図6は、通常のライナーと中芯を積層した後、図5で前記した両面印刷を施した透明プラスチックフィルム3を用いて作成した積層ライナーを積層し、断裁位置で断裁し、枚葉の段ボールシートとしたものに、更に、枚葉印刷機を用いて、表面印刷層10bとして内容物固有の表示情報12を更に追い刷りにより施した枚葉の段ボールシート1を示す平面外観図である。
前記図5で説明した様に、透明プラスチックフィルム3には両面印刷で施した裏面印刷層及び表面印刷層は数種類の製品に共通の内容が表示されている。そして、枚葉化後の段ボールシートに枚葉印刷機で、個々の製品ごとに異なる情報、例えば、品番、呼称、JANコード等の内容物固有の表示情報12を、枚葉印刷見当合わせ追い刷りで印刷形成した表面印刷層10bによって表現する。この様にすることで、少量生産は不得意だが、意匠性や耐摩擦性に優れ、かつ、各種機能性インキを用いた印刷が可能な輪転印刷方式と、少量生産可能な枚葉印刷方式とを組み合わせ、必要なときに必要なだけ製造することができ、資源やエネルギーの無駄のみならず、在庫による資源の無駄も低減することができる。
B.段ボール箱
本発明による段ボール箱は、上記した様な段ボールシートを用いて作製した段ボール箱である。また、その段ボール箱の表面には、つまり通常は表側の積層ライナーの表面には、更に追加の印刷が施されていても良い。
例えば、図7は、前記図6で説明した様な段ボールシートを抜いてブランクを作成し、サック貼りを施した後、箱に組み立てた、本発明に係る段ボール箱20である。当該段ボール箱には、前記枚葉印刷機で追い刷りで施した表面印刷層10bによって製品ごとに異なる内容物に固有の情報12として、内容物の製品単位で固定的な固定情報を表現することができる。加えて、表面印刷層10aとして形成した白インキ層上に黒インキ層を積層したレーザー印刷用表示部11では、レーザー印刷によって表面の黒色インキ層を除去することで、箱一つ一つに固有の可変情報、例えば、製造年月日、ロット番号、使用期限等を、EAN、JAN、GS1 DataBar、DataMatrix等の、バーコードや2次元コードによって、内容物に固有の情報12として、1〜複数の箱単位で可変する可変情報(変動情報)を表現することができる。通常、このようなレーザー印刷はサック貼り品、または、箱組み後の、内容物を包装する直前、または、直後に実施される。
尚、前記枚葉段ボールシートは、通常の段ボール箱製造工程に投入可能であり、Gフルート等中芯の畝が小さい場合はコートボールの製造ラインに投入することもできる。
C.段ボールシートの製造方法
本発明による段ボールシートの製造方法は、上記した様な段ボールシートを製造する際に、積層ライナー中の透明プラスチックフィルムに形成する表面印刷層について、特に追い刷りを利用したその形成時期と、印刷方式、特に裏面印刷層の印刷方式との組み合わせに特徴を有する。これによって、少量生産にも適し且つ無駄を削減できる製造方法が可能となる。
〔第1の製造形態〕
本発明による段ボールシート1は、図1で例示した様に、透明プラスチックフィルム3の表側にも印刷層として表面印刷層10を有するが、この表面印刷層10を、段ボールシート1に貼り合せる前の積層ライナー2単体の状態で、表裏見当合わせされた表面印刷層10を印刷形成しておくのが、第1の形態である。
表面印刷層10を印刷するとき、表面印刷層10と裏面印刷層9とは、所定の相互の位置関係となる様に、輪転印刷機によって表裏の見当を合せた両面印刷で形成する。
また、両面印刷時の印刷方式としては、印刷品質、意匠性、生産性などに優れる点で、グラビア印刷、或いはフレキソ印刷が好ましい。
なお、従来より透明プラスチックフィルムの両面に、同一印刷機上で同時に印刷を施す両面印刷が用いられている。特に、グラビア印刷、フレキソ印刷等で行う両面印刷では、表裏の絵柄の見当合わせが可能であり、かつ、絵柄印刷の色インキのみならず各種プライマー、ニス、剥離剤等、フィルムに機能性や意匠性を付与させることができる機能性インキを印刷可能である。その上、フィルムを巻き取った状態で工程間の移動を行えるためコスト面でも優れている。
しかしながら、両面印刷を施したフィルムは、別の各種フィルムや紙とラミネートされ、袋体やプラスチック容器の蓋材等、いわゆる軟包装分野では用いられているが、本発明の様に、紙箱等、紙器分野での利用は殆んど用いられていない。
〔第2の製造形態〕
第2の形態では、積層ライナー単体の状態では少なくとも裏面印刷層を輪転印刷機で形成した積層ライナーを用いて段ボールシートを作製し、更にこれを断裁して枚葉の段ボールシートを作製した後に、この枚葉の段ボールシートに対して、表面印刷層を枚葉印刷機で見当合わせして追い刷りにより印刷形成する形態である。
輪転印刷機は、一旦印刷して巻き取った被印刷材への見当合わせ追い刷りは非常に困難だが、枚葉印刷機では見当を合わせた追い刷りが容易である。このため、段ボールシートの最終断裁長にピッチを合わせて少なくとも裏面印刷を施した透明プラスチックフィルムで積層ライナーを製造し、これを中芯と貼り合わせて段ボールシートを製造した後、当該段ボールシートを既定の長さに断裁し、枚葉化した段ボールシートの表面に、枚葉印刷機を用いて見当合わせ印刷で追い刷りすることにより、結果的に透明プラスチックフィルムの両面印刷を構成することができる。
更に、段ボールシートの最終断裁長にピッチを合わせて輪転印刷機で両面印刷を施した透明プラスチックフィルムで積層ライナーを製造し、これを中芯と貼り合わせて段ボールシートを製造した後、当該段ボールシートを既定の長さに断裁し、枚葉化した段ボールシートの表面に、枚葉印刷機を用いて見当合わせ印刷で追い刷りすることもできる。
なお、枚葉印刷時の見当合わせの対象は、裏面印刷層のみの場合は該裏面印刷層であるが、裏面印刷層と共に表面印刷層も両面印刷で表裏見当を合わせて印刷してあるときは、この表面印刷層に対して見当を合わせても良い。なお、枚葉シートに断裁するときは裏面印刷層乃至は前記表面印刷層も断裁ピッチに合せた形で断裁した場合、この枚葉シートを枚葉印刷するときは、枚葉シートの外周辺に位置合わせして印刷することになり、これも一種の見当合わせ印刷である。
ところで、最初の積層ライナー単体では少なくも裏面印刷層が形成されているが、上記した様に、追い刷りする表面印刷層とは別の表面印刷層が更に形成されていてもよい。積層ライナー単体の状態で形成しておく表面印刷層は、少量生産には適さずに大量生産に適する内容のものが好ましい。
また、枚葉印刷機では、少量印刷が可能であることから、表面印刷層で形成する内容は、前記段ボールシートの欄で述べた様に、少量生産でしか対応できない様な情報、例えば、段ボールシートにより包装され得る内容物固有の表示情報(固定情報や可変情報)が好ましい。
この様に、輪転印刷機による裏面印刷層と、その後の枚葉物となった後の枚葉印刷機による表面印刷層とを巧みに組み合わせることで、少量生産に適し且つ資源の無駄を省いた製造が可能となる。
なお、印刷済みのフィルムに更に印刷を行う為に追い刷りする方法として、インクジェットプリント、サーマルプリント等の印刷方式が知られている。しかし、これらの印刷方式は、広い面積の印刷には、印刷時間がかかり過ぎること、大面積の帯状フィルムに対応可能な印刷装置の製造には高度な技術が必要で困難であること、消耗品の使用量が多すぎてコスト面の問題が生じることなどから一般的には適さない。しかし、これらの、インクジェットプリント、サーマルプリント等の無版印刷方式で、表面印刷層などの印刷層を形成することを、本発明は排除するものではない。
〔透明プラスチックフィルムと紙層との積層〕
なお、積層ライナーの製造に於いて、透明プラスチックフィルムと紙層との積層は、軟包装材料の貼り合わせ方法として、巻取りの状態から帯状フィルムを巻き出して効率よく製造することができる点で、ドライラミネーション法、接着層の溶融樹脂を押し出して他の他の層と貼り合わす押し出しラミネーション法が好ましい。
〔ライナーと中芯との貼り合わせ〕
なお、積層ライナーも含めて表裏のライナーと中芯との貼り合わせは、積層ライナーも貼り合わせ面は紙層としてあるので、従来の段ボールシート製造と同様でよい。例えば、積層ライナーも含めた表裏のライナーと、中芯とを接着剤により貼り合わせ、加熱工程により接着剤を固化乾燥させて貼り合せる。この接着剤には、通常、澱粉糊などの水系接着剤が使用される。
D.その他の形態
本発明は、上記した形態例、及び下記実施例に限定されるものではない。
例えば、図3等では、機能性インキを用いて形成する機能層について、両面印刷で形成する形態として説明したが、該機能層をパターン状に且つ表裏の見当を合わせて形成する必要がないのであれば、パターン状に形成する場合も含めて、必ずしも両面印刷で形成しなくても良く、表裏別々の機械で形成しても良い。
また、追い刷りは枚葉印刷を主体に述べてきたが、インクジェットプリント、サーマルプリント等の無版印刷方式によっても良い。なお、レーザ印刷も追い刷りの一種と捉えることができる。また、これらの無版印刷は、有版印刷として説明した枚葉印刷機や輪転印刷機による印刷と併用しても良い。
また、本発明の段ボールシートは、両面段ボールシートを前提としたものであったが、本発明で用いる積層ライナーの高意匠性及び高機能性、少量生産適性等の各種利点は、片面段ボールシートにおいても発揮され得る。
次に、実施例により本発明を更に詳述する。
〔実施例1〕
透明プラスチックフイルムとして厚み15μmの両面コロナ処理二軸延伸ポリアミドフィルムの片面に、裏刷り形式で文字及び絵柄印刷した裏面印刷層を、残りの片面に段ボール箱のブランクの形で且つ糊代部を除いた形状での帯電防止剤のベタ印刷の表面印刷層を、グラビア輪転印刷機を用いた両面見当合わせ印刷により施した。
そして、上記文字及び絵柄印刷の側にアンカーコート剤を塗布しつつ、溶融低密度ポリエチレン樹脂(接着層)を用いて押し出しラミネーション(サンドイッチラミネーション)により、坪量90g/m2のポリプロピレン・パルプ混抄湿式不織布(紙層)を積層して、積層ライナーを作成した。
次にAフルートのコルゲーター(段ボールシート製造装置)に上記の積層ライナーをセットし、通常の紙からなる内面ライナーと中芯と上記積層ライナーとを貼合し、断裁して枚葉段ボールシートを得た。当該枚葉段ボールシートから、通常の段ボール箱のブランクを抜き、サック貼りを施した後、積層ライナーを表側にした段ボール箱を組み立てた。
その結果、通常の段ボール箱には無い、高級な意匠性と耐水性が得られた。その上、帯電防止剤の効果によって紙粉や埃が付着し難くなり、内容物の梱包時における内容物への紙粉や埃の付着が減少した。また、流通段階における湿気の影響で箱の強度低下が少ないことから、テレビ、冷蔵庫等、かさばり且つ重量のある電気製品等の輸送箱に好適な段ボール箱であった。
〔実施例2〕
透明プラスチックフイルムとして厚み20μmの両面コロナ処理二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、裏刷り形式で文字及び絵柄印刷による裏面印刷層を、グラビア輪転印刷機を用いて印刷した。
そして、上記文字及び絵柄印刷面に、ポリエステル・イソシアネート型で2液硬化型の接着剤層(接着層)を5μmの厚みで設けて、坪量45g/m2のレーヨン紙(紙層)とをドライラミネーションして、積層ライナーを作成した。
次にGフルートのコルゲーターに上記の積層ライナーをセットし、通常の紙からなる内面ライナーと中芯と上記積層ライナーとを貼合し、断裁して枚葉段ボールシートを得た。次いで、当該枚葉段ボールシートの前記ポリプロピレンフィルム面に、枚葉オフセット印刷機を用いて、内容物の製品単位での固有の情報(固定情報)として、商品名、製造者等の表示事項、および、JANコードの印刷を施して表面印刷層を形成した。
その後、外寸、幅150mm、長さ150mm、高さ80mmのサック箱のブランクを抜き、サック貼りを施した後、積層ライナーを表側にした段ボール箱を組み立てた。
その結果、1種類のデザインで作成した表面が透明プラスチックフィルムからなる積層ライナーを用いた枚葉段ボールシートに、異なる製品の情報を追い刷りできることが実証できた。
〔実施例3〕
透明プラスチックフイルムとして厚み12μmの両面コロナ処理二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、裏刷り形式で文字及び絵柄印刷による裏面印刷層を、残りの片面に白ベタで29mm×24mmの矩形と該白ベタの矩形を覆うような黒ベタで30mm×25mmの矩形とからなるレーザ印刷用表示部の表面印刷層の印刷を、グラビア輪転印刷機を用いた両面見当合わせ印刷により施した。
そして、上記文字及び絵柄印刷面にポリエステル・イソシアネート型の2液硬化型の接着剤層(接着層)を5μmの厚みで設けて、坪量70g/m2のレーヨン雲龍紙(紙層)とをドライラミネーションして、積層ライナーを作成した。
次にGフルートのコルゲーターに上記の積層ライナーをセットし、通常の紙からなる内面ライナーと中芯と上記積層ライナーとを貼合し、断裁して枚葉段ボールシートを得た。当該枚葉段ボールシートから、外寸、幅150mm、長さ150mm、高さ80mmのサック箱のブランクを抜き、サック貼りを施した後、前記レーザ印刷用表示部の黒ベタの矩形面にレーザー印刷によりモジュール幅0.25mmのGS1 DataBar Limited CC−Aで、内容物に固有の情報で1乃至複数の箱単位で可変となり得る可変情報である、製品コード、製造年月日、使用期限年月日、6桁の製造番号を印刷した後、段ボール箱を組み立てた。
その結果、従来の段ボール箱では得られなかった、高コントラストの2次元コードを含むシンボルで、内容物の可変情報を直接表面に印刷した、積層ライナーを表側にした段ボール箱が得られた。
〔実施例4〕
実施例3で作成した枚葉段ボールシートのポリエチレンテレフタレートフィルム面に、さらに、枚葉オフセット印刷機を用いて、製品単位で異なる内容物に固有の情報である、商品名、製造者等の表示事項、および、JANコードの印刷を施して、追加の表面印刷層を形成した。
次に、当該枚葉段ボールシートから、外寸、幅150mm、長さ150mm、高さ80mmのサック箱のブランクを抜き、サック貼りを施した後、前記レーザ印刷用表示部の黒ベタの矩形面にレーザー印刷によりモジュール幅0.25mmのGS1 DataBar Limited CC−Aで、箱単位で可変となり得る内容物に固有の情報である、製品コード、製造年月日、使用期限年月日、6桁の製造番号を印刷した後、段ボール箱を組み立てた。
その結果、1種類のデザインで作成した表面がプラスチックフィルムからなる積層ライナーを用いた枚葉段ボールシートに、異なる製品の情報を追い刷りできることが実証できた。また、従来の段ボール箱では得られなかった、高コントラストの2次元コードを含むシンボルで、内容物の可変情報を直接表面に印刷した、積層ライナーを表側にした段ボール箱が得られた。
1 段ボールシート
2 積層ライナー
3 透明プラスチックフィルム
4 接着層
5 紙層
6 中間層
7 中芯
8 ライナー
9 裏面印刷層
10 表面印刷層
10a 両面印刷された表面印刷層
10b 枚葉印刷で見当合わせ追い刷りされた表面印刷層
11 レーザー印刷用表示部
12 内容物に固有の情報
13 断裁位置
14 光電管マーク
20 段ボール箱
82 従来の裏面印刷のみの積層ライナー

Claims (16)

  1. ライナーを中芯の両面に貼り合わせた段ボールシートにおいて、
    該ライナーの少なくとも片方が、表面から透明プラスチックフィルム、接着層、紙層を有し、かつ、該透明プラスチックフィルムに裏面印刷層と共に表面にも表面印刷層が形成されている積層ライナーからなることを特徴とする、段ボールシート。
  2. 表面印刷層と裏面印刷層とが相互の見当を合わせて形成されていることを特徴とする、請求項1記載の段ボールシート。
  3. 表面印刷層及び裏面印刷層が、任意のパターンを、段ボールシートを枚葉シートに断裁する時の断裁間隔に対応して形成されたものであることを特徴とする、請求項1又は2記載の段ボールシート。
  4. 表面印刷層が、当該段ボールシートにより包装される内容物固有の表示情報を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の段ボールシート。
  5. 表面印刷層が、白色インキ層の表面に黒色インキ層を形成したレーザー印刷用表示部を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の段ボールシート。
  6. レーザー印刷表示部にレーザー印刷が施されていることを特徴とする、請求項5記載の段ボールシート。
  7. 透明プラスチックフィルムとして生分解性フィルムを用いたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の段ボールシート。
  8. 生分解性フィルムがポリ乳酸フィルムであることを特徴とする、請求項7記載の段ボールシート。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の段ボールシートで作成したことを特徴とする、段ボール箱。
  10. 請求項5記載の段ボールシートで作成した段ボール箱であって、更に、そのレーザー印刷用表示部に、レーザー印刷が施されていることを特徴とする、段ボール箱。
  11. ライナーを中芯の両面に貼り合わせた段ボールシートの製造方法において、
    該ライナーの少なくとも片方に、表面から透明プラスチックフィルム、接着層、紙層を有し、かつ、前記透明プラスチックフィルムに裏面印刷層と共に表面にも表面印刷層が形成され、更に表面印刷層と裏面印刷層とが相互の見当を合わせて形成された積層ライナーを用いる製造方法であって、
    該積層ライナーにおける表面印刷層と裏面印刷層とを、透明プラスチックフィルムへの輪転印刷機による表裏の見当合わせをした両面印刷によって形成することを特徴とする、段ボールシートの製造方法。
  12. ライナーを中芯の両面に貼り合わせた段ボールシートの製造方法において、
    該ライナーの少なくとも片方が、表面から透明プラスチックフィルム、接着層、紙層を有し、かつ、前記透明プラスチックフィルムに裏面印刷層と共に表面にも表面印刷層が形成され、更に表面印刷層と裏面印刷層とが相互の見当を合わせて形成された積層ライナーとなっている段ボールシートの製造方法であって、
    前記透明プラスチックフィルムに、裏面印刷層のみの片面印刷、或いは裏面印刷層と表面印刷層の両面印刷を、輪転印刷機によって形成して作製した積層ライナーを用いて、該積層ライナーを含むライナーを中芯の両面に貼り合わせて段ボールシートを製造した後、
    当該段ボールシートを枚葉化した枚葉シートに対して、該積層ライナーの透明プラスチックフィルムの表面に表面印刷層を、枚葉印刷機による見当合わせ印刷で追い刷りして形成することを特徴とする、段ボールシートの製造方法。
  13. 透明プラスチックフィルムへの両面印刷が、グラビア印刷、または、フレキソ印刷であることを特徴とする、請求項11又は12記載の段ボールシートの製造方法。
  14. 枚葉シートとなった段ボールシートの前記透明プラスチックの表面に、当該段ボールシートにより包装される内容物固有の表示情報を追い刷りすることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の段ボールシートの製造方法。
  15. 積層ライナーにおける透明プラスチックフィルムと紙層との接着層による積層が、ドライラミネーション法、または、押し出しラミネーション法のいずれかであることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか1項に記載の段ボールシートの製造方法。
  16. 積層ライナーと中芯とを接着剤により貼り合わせ、加熱工程により固化乾燥させて貼り合せることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項に記載の段ボールシートの製造方法。
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