JP2004209014A - 肩掛けフック付き傘 - Google Patents

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Shinobu Abe
忍 阿部
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    • A45BWALKING STICKS; UMBRELLAS; LADIES' OR LIKE FANS
    • A45B25/00Details of umbrellas
    • A45B25/14Devices for opening and for closing umbrellas

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Abstract

【課題】閉じて持ち歩く際にあまり邪魔にならない形の、片手で操作できる、使用時には一時的にでも手を離せるほどの安定性をもつ傘を提供する。
【解決手段】内蔵引きバネ1を介してスライダー2と一体化させた肩掛けフック3と、流線形プッシュボタン4と一体化した下はじき5を、ガイドレール6を成型したロッド7に取り付け、押しバネ8を付けたロック9と回転用ねじりバネ10並びにキャップ11をグリップ12に取り付け、前記グリップ12を前記ロッド7に固着させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、日常使用する傘に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な傘は、片手を完全にふさがれてしまうという欠点があった。この欠点を軽減しようとする従来の技術は、紐やパイプなどを使い、首や肩に傘をかける装置を付けるというものである。(たとえば、実公平5−68318、特公平10−33223、特公2000−41824、特公2002−78517)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記にも述べたとおり、従来の一般的な傘は、片手が完全にふさがれてしまうという欠点があった。この欠点を軽減しようと考案された従来の技術も、日常持ち歩くには大げさすぎる装置であったり、手を離せるほどの安定性を持たなかったりするという問題点があった。
【0004】
本発明は、閉じて持ち歩く際にあまり邪魔にならない形の、片手で操作できる、使用時には一時的にでも手を離せるほどの安定性をもつ傘を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の傘においては、内蔵引きバネを介して肩掛けフックと一体化させたスライダーと、流線形プッシュボタンと一体化した下はじきを、ガイドレールを成型したロッドに取り付け、押しバネを付けたロックと回転用ねじりバネ並びにキャップをグリップに取り付け、前記グリップを前記ロッドに固着させたものである。
【0006】
内蔵引きバネを介して肩掛けフックとスライダーを一体化させるのは、使用者の肩の厚さに合わせて伸縮させフィットさせるためである。
【0007】
また、スライダーはロッドの外周を利用して肩掛けフックを移動させるという目的と、肩掛けフックの支点になるという目的を合わせ持っている。ロッドの外周を移動するのであるから、スライダーの中心にはロッドを通すための空洞がなければならない。
【0008】
当然ながら上記の空洞の口径はロッドの外周の直径よりわずかに大きくするわけである。空洞の口径とロッド外周の直径の差の程度により、移動する際にどの程度の抵抗が生じるかが決まる。差が小さすぎれば抵抗が大きすぎてフックの移動が困難になり、逆に差が大きすぎるとスライダーがロッドのガイドレールから外れてしまう可能性が高くなる。
【0009】
ロッドにガイドレールを成型するのは、スライダーの移動領域を制御するためである。すなわち、ロッドの中間点付近で肩掛けフックを止めるためでもあり、また傘を閉じる際には邪魔にならない収納位置まで移動させるためでもある。ロッドの中間付近で止めるのは、この位置が最も安定性をもたらす支点になるからである。また、邪魔にならない収納位置とは、Jの字形のグリップと組み合わさって0の字を形成するような位置であろう。そこで、少なくとも下はじきを越えて双方向に移動できる仕組みが必要になる。
【0010】
それを可能にするのが、流線形プッシュボタンである。すなわち、プッシュボタンを流線形にすることにより、スライダーの通過の際には、通過自体の力によってプッシュボタン及びそれと一体の下はじきの露出部がロッド内にほぼ完全に埋没し、通過が終わると再び元の位置にもどるというわけである。
【0011】
また、ロッドは、上記したようにガイドレールを成形するのであるから、一般の傘に用いられているような材質と厚さでは強度に問題が生じる可能性が高い。それゆえ、軽くて強い材質で、ある程度厚さのあるロッドを採用しなければならない。おそらくアルミの一体成型加工などが適しているものと思われる。
【0012】
さらに、収納時には邪魔にならず、使用開始時には片手で操作できるという2つの要求を満たすために、スライダーをグリップのすぐ上で180度回転させるという手段を使う。そのために、先端を露出させた回転用ねじりバネとキャップ、ロッドの開口部、さらにはロック機構が必要なのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1において、内蔵引きバネ1を介して肩掛けフック3と一体化させたスライダー2と、流線形プッシュボタン4と一体化した下はじき5を、ガイドレール6を有するロッド7に取り付け、押しバネ8を付けたロック9と回転用ねじりバネ10並びにキャップ11をグリップ12に取り付け、前記グリップを前記ロッドに固着させる。
【0014】
図2は、上記におけるキャップ11を上から見た平面図である。13がロッドを通すための穴であり、14は上記におけるロック9の動作の邪魔にならないよう設ける凹部であり、15は回転用ねじりバネの先端が通る穴である。回転用ねじりバネの先端は、ロックを外した瞬間に、図2で言えば上端から時計の反対周りに下端まで移動するよう設定しておく。
【0015】
図3は、肩掛けフック3と一体化したスライダー2を下から見た平面図である。
16はロッドを通すための穴であり、20はロッドのガイドレールとかみ合う突起である。17は上記におけるロック機構に必要な凹部であり、18は回転用ねじりバネの先端が入る穴である。スライダーが上から降りてきてグリップの上に乗る段階で、バネの先端と前記穴18がうまく合うように設定しておく必要がある。
【0016】
図4は、ロッド7を図1におけるグリップ12の直上の位置で水平に切断したものを斜視図で表したものである。6はガイドレール、19はガイドレールの開口部である。開口部19はスライダーの180度の回転を可能にするよう成型されなければならない。なお、図4ではこの部分のロッドの内側が空洞になっているように描いているが、場合によっては強度を保つため空洞を埋めることも検討されてよい。もちろんその場合、流線形プッシュボタンと一体化された下はじきが埋没するための空間だけは最低限確保されなければならない。
【0017】
図5は、ロッド7の、流線形プッシュボタン4と一体化した下はじき5を取り付けた部分の断面図である。スライダーがこの部分を通過する際にここが障害とならないよう、適切な角度の流線形にしなければならない。また、流線形プッシュボタンの幅は、指に痛みを感じない程度には広くしておかなければならない。
【0018】
図6は、グリップ12の上にスライダー2が収納された状態をロック側正面から描いた平面図である。
【0019】
【実施例】
本発明の傘の使用者は、まず流線形プッシュボタン4を押して傘を開く(本発明においては、いわゆるジャンプ傘を想定しているが、手動で開く傘についてももちろん適用できる)。この時傘の先端は上を向いているものとする。次に押しバネ付きロック9を押し下げる。その瞬間、回転用ねじりバネ10の回転圧力によって、スライダー2が180度回転し、肩掛けフック3はグリップ12の先端とは反対方向に向き、使用者の肩に掛けやすい位置にくる。
【0020】
次に、肩掛けフックが肩にかけやすい位置にきた段階で、使用者は肩掛けフックの先端を肩に掛け、グリップを下に引く。すると、先端に向かって伸びたロッド7のガイドレール6をスライダー内周の突起(図3における20)が通る形で、スライダーはロッドの先端に向かって相対的に上昇する(実際にはグリップが下降する)。
【0021】
スライダーがロッドを相対的に上昇しはじめてすぐの段階で、流線形プッシュボタン4にぶつかるが、流線形プッシュボタンの形状(すなわち流線形)により、流線形プッシュボタン並びにそれと一体化した下はじきの露出部がスライダーの通過と共にロッド内部の空間に埋没し、スライダーの通過を妨げない。一般に普及しているジャンプ傘のプッシュボタンではこのような通過は不可能である。
【0022】
流線形プッシュボタンを越えて先端部に向かって相対的に上昇したスライダーは、ロッドの中間付近で終わるガイドレールの終端で止まる。この段階で使用者がさらにグリップを下に引くと、内蔵引きバネを介してスライダーとつながった肩掛けフックが使用者の肩の厚さに合わせてフィットする。なお、このフィットの動きはスライダーが流線形プッシュボタンを越える際に受ける抵抗の力によって達成されることもあり得る。
【0023】
上記におけるガイドレールの終端を正確にどこに設定するかを決めるには、傘のバランスと使用者の頭上の空間を如何に確保するかという点にかかっている。すなわち、肩掛けフックが使用者の肩にフィットし使用者が傘から手を放したときに、傘全体のバランスが最も安定し、かつ使用者の頭に開いた傘の内側が当たらないように設定するのが望ましい。もちろんそこには、肩掛けフックの形状やグリップの重さなども関係してくる。
【0024】
なお、本発明の傘を閉じる時は、全て片手でというわけにはいかない。肩掛けフックを下はじきの露出部の直上、あるいはグリップの直上まで下ろすことは重力によって達成可能であろうが、そこから最終的な収納段階までは両手を使わなければならない。すなわち、スライダーをグリップに押し付けるようにしながら使用開始時と逆方向に180度回転させる。回転が終わった瞬間に押しバネ付きロックが自動的に上がり、スライダーの収納が完了する。その後は普通の傘と同じように閉じることができる。なお、スライダーを回転させる前の段階でも傘を閉じることはできる。そのようにすることで窓枠などにも傘のグリップをかけることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0026】
まず、本発明の傘の使用者は、使用開始時の操作を片手で簡単に行うことができる。たとえば、左手に重いかばんを持ち、右手に傘をさしているときに、ポケットからキーを取り出す動作が必要になったとする。今までの一般的な傘であれば、「3本目の手が欲しい」と嘆くところであるが、本発明の傘であれば、右手の簡単な動作で引き出した肩掛けフックを肩にかけ、自由になった右手でキーを取り出すことができる。
【0027】
また、お年寄りや子供、体の不自由な方々も、本発明の傘なら弱い力でも安定性を維持してさすことができる。
【0028】
さらに、使用者は日常気軽にこれを持ち運ぶことができる。肩掛けフックがあまり邪魔にならない形で収納できるからである。どんなに機能が優れていても、日常気軽に持ち運べるようなものでないと、人はあまり使いたがらないものである。その点では、本発明の傘は今までの一般的な傘とほとんど変わらない気軽さで持ち歩くことができ、爆発的に普及する可能性がある。そしてそうなった暁には、人類の雨の日の活動能力を飛躍的に高めることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の傘の平面図である。
【図2】グリップ上部に取り付けるキャップを上から見た平面図である。
【図3】肩掛けフックと一体化されたスライダーを下から見た平面図である。
【図4】ロッドをグリップ直上の位置で水平に切断したものを表した斜視図である。
【図5】ロッドの、流線形プッシュボタンと一体化した下はじきを取り付けた部分の断面図である。
【図6】グリップの上にスライダーが収納された状態をロック側正面から描いた平面図である。
【符号の説明】
1 内蔵引きバネ
2 スライダー
3 肩掛けフック
4 流線形プッシュボタン
5 下はじき
6 ガイドレール
7 ロッド
8 押しバネ
9 ロック
10 回転用ねじりバネ
11 キャップ
12 グリップ

Claims (1)

  1. 内蔵引きバネ(1)を介して肩掛けフック(3)と一体化させたスライダー(2)と、流線形プッシュボタン(4)と一体化した下はじき(5)を、ガイドレール(6)を有するロッド(7)に取り付け、押しバネ(8)を付けたロック(9)と回転用ねじりバネ(10)並びにキャップ(11)をグリップ(12)に取り付け、前記グリップ(12)を前記ロッド(7)に固着させた傘。
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