JP2004208043A - デジタル入力信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基準電圧と電源電圧との何れかにスイッチ手段を介して接続される複数の各信号ラインの電圧を、マイコン等の情報処理用ICに入力させるデジタル入力信号処理装置において、装置の小型化と消費電力の低減とを実現する。
【解決手段】スイッチ手段SW*(*は0〜7)を介して電源電圧VDに接続される8つの信号ラインL*の電圧をマイコン3に入力させる回路5は、各信号ライン毎の通電量増減回路ZK*と、一端が接地電位(=0V)に接続された共通の抵抗25とを備えている。そして、各通電量増減回路ZK*では、抵抗25よりも抵抗値が大きい抵抗R*で信号ラインL*を常時プルダウンするが、スイッチ手段SW*がオンされてからある時間までは、スイッチCT*がオンとなって信号ラインL*を小抵抗値の抵抗25でもプルダウンする。また、各抵抗R*に生じる電圧が、5V又は0Vの信号に変換されてマイコン3へ出力される。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基準電圧と該基準電圧よりも高い電源電圧との何れかにスイッチやトランジスタ等のスイッチ手段を介して接続される複数の各信号ラインの電圧を、マイコン等の情報処理用ICに入力させるデジタル入力信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車用の電子制御装置(以下、ECUという)においては、イグニッションスイッチ及びキースイッチや、シフトレバーのシフト位置(P,N,D,2,…)を検出するためのシフト位置検出スイッチ等、各種スイッチ手段のオン/オフ状態を表すデジタル系のスイッチ信号が、情報処理用ICとしてのマイコンに入力され、そのマイコンが、上記各スイッチ信号に基づいてエンジンやトランスミッション等の制御対象を制御するようになっている。
【0003】
また、この種のスイッチ信号としては、基準電圧としての接地電位(=0V)にスイッチ手段を介して接続される信号ラインの電圧であって、そのスイッチ手段がオンすることで当該信号ラインの電圧が0Vとなるローアクティブ型の信号と、基準電圧よりも高い電源電圧にスイッチ手段を介して接続される信号ラインの電圧であって、そのスイッチ手段がオンすることで当該信号ラインの電圧が電源電圧となるハイアクティブ型の信号との、2タイプがある。
【0004】
そして、ハイアクティブ型の場合には、スイッチ手段がオフされている場合の信号ラインの電圧を基準電圧(=0V)に安定させるために、その信号ラインと基準電圧との間に抵抗(いわゆるプルダウン抵抗)が接続され、ローアクティブ型の場合には、スイッチ手段がオフされている場合の信号ラインの電圧を電源電圧に安定させるために、その信号ラインと電源電圧との間に抵抗(いわゆるプルアップ抵抗)が接続される(例えば、特許文献1参照。)。また一般的には、その各信号ラインの電圧が、比較器等からなる入力バッファ回路により、基準電圧と電源電圧との間の所定電圧(一般には5V)をハイレベルとし基準電圧をローレベルとした二値の電圧信号に変換されて、マイコンへと入力される。
【0005】
次に、この種のスイッチ信号をマイコンに入力させるための従来のデジタル入力信号処理装置の構成例を図12に示す。尚、図12は、ハイアクティブ型の8つのスイッチ信号をマイコン101に入力させる場合を例示している。つまり、図12の例では、8本の各信号ラインL0〜L7が、8個の各スイッチ手段SW0〜SW7を介して電源電圧VDに夫々接続される。また、以下の説明において、例えば“L*”などの「*」は、「0」〜「7」のうちの何れかを意味している。
【0006】
図12に示すように、従来のデジタル入力信号処理装置は、各信号ラインL0〜L7毎に入力回路K0〜K7を備えており、その各入力回路K*は、それに対応する信号ラインL*と接地電位との間に接続された電圧安定化用の抵抗11と、電源電圧VDと接地電位との間に直列に接続され、電源電圧VDを分圧することでしきい値電圧Vthを発生する2つの抵抗12,13と、そのしきい値電圧Vthが反転入力端子(−端子)に入力された比較器16と、抵抗11の接地電位側とは反対側の端部と比較器16の非反転入力端子(+端子)との間に接続された電流制限用の抵抗14と、抵抗11の接地電位側とは反対側の端部とスイッチ手段SW*との間の信号ラインL*上に設けられた逆流防止用のダイオード15とから構成されている。
【0007】
そして、各入力回路K*の比較器16は、非反転入力端子の電圧(即ち、抵抗11の接地電位側とは反対側の端部の電圧)がしきい値電圧Vthよりも高ければ、マイコン101へハイレベルに該当する5Vの電圧信号を出力し、逆に、非反転入力端子の電圧がしきい値電圧Vthよりも高くなければ、マイコン101へローレベルに該当する0Vの電圧信号を出力する。
【0008】
よって、例えば、スイッチ手段SW2がオフされていれば、入力回路K2における抵抗11の接地電位側とは反対側の端部の電圧が0Vとなるため、その入力回路K2からマイコン101へ0Vのローレベル信号が出力され、スイッチ手段SW2がオンされれば、入力回路K2における抵抗11の接地電位側とは反対側の端部の電圧がほぼ電源電圧VDとなるため、その入力回路K2からマイコン101へ5Vのハイレベル信号が出力されることとなる。
【0009】
尚、抵抗14とダイオード15は削除することも可能である。また、2つの抵抗12,13は、全ての入力回路K0〜K7で1組を共通に使用するように構成することも可能である。一方、各信号ラインL*がスイッチ手段SW*を介して接地電位に接続されるローアクティブ型の場合には、各入力回路K*における抵抗11の一端が、接地電位ではなく、電源電圧VDに接続されると共に、ダイオード15が逆向きに設けられることとなる。
【0010】
また、この種のデジタル系のスイッチ信号を発生させるスイッチ手段としては、イグニッションスイッチやキースイッチのような接点を有したスイッチと、他のECU等に設けられているトランジスタ等の接点を有さないスイッチング素子とがある。
【0011】
そして、スイッチ手段が、接点を有したスイッチである場合には、そのスイッチの接点の表面に絶縁効果のある酸化皮膜が発生する可能性があるため、そのスイッチには酸化皮膜を破ることができるだけの大きな電流を流してやる必要がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0012】
例えば、図12の例では、スイッチ手段SW0,SW1が、接点を有したスイッチであり、スイッチ手段SW2〜SW6が、他のECU内に設けられているトランジスタ等の半導体からなるスイッチング素子(具体的にはPNPトランジスタ)である。このため、少なくともスイッチ手段SW0,SW1の信号ラインL0,L1に対応する入力回路K0,K1における抵抗11の抵抗値は、できるだけ小さい値(例えば1KΩ以下)に設定する必要がある。
【0013】
尚、図12の例では、スイッチ手段SW7も接点を有したスイッチであるが、そのスイッチ手段SW7は、ランプに電流を供給する役割を果たすものであるため、入力回路K7における抵抗11の抵抗値を特に小さく設定しなくても、接点に十分大きな電流が流れることとなり、酸化皮膜が発生する心配は無い。つまり、図12の例において、スイッチ手段SW7に対応する信号ラインL7は、ランプのオン/オフ状態をマイコン101にてモニタするための信号ラインとなっている。
【0014】
【特許文献1】
特開平9−46199号公報(第2頁の「従来の技術」の欄、図10)
【特許文献2】
特開平11−1155号公報(第3頁の「発明が解決しようとする課題」の欄、図10)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図12に示した従来のデジタル入力信号処理装置では、各信号ラインL*毎に入力回路K*を夫々設けているため、その装置を構成する素子数が多くなってしまうという問題がある。例えば、図12の例において、仮に、抵抗12,13を全ての入力回路K*で共用すると共に、抵抗14を削除したとしても、「(抵抗11+比較器16+ダイオード15)×8系統+(抵抗12+抵抗13)」=26個の素子が必要となる。
【0016】
そして更に、上記従来のデジタル入力信号処理装置では、何れかのスイッチ手段SW*がオンされている間中、そのスイッチ手段SW*の信号ラインL*に接続された電圧安定化用抵抗11に電流が流れることとなり、n個(但しnは自然数)のスイッチ手段がオンされていれば、n個の電圧安定化用抵抗11に電流が流れることとなるため、その抵抗11で消費される電力(即ち、電力ロス)のトータル量が大きくなってしまうという問題もある。
【0017】
また特に、スイッチ手段SW*が接点を有したスイッチである場合には、前述したように、電圧安定化用抵抗11の抵抗値を小さく設定して、そのスイッチの接点に酸化被膜が形成されないようにする必要があるが、抵抗で消費される電力は該抵抗の抵抗値を小さくするほど大きくなるため、その電圧安定化用抵抗11として、許容ワット数の大きいものを使用しなければならなくなる。そして、許容ワット数の大きい抵抗を多数設けることは、素子サイズだけでなく発熱量の面においてもIC化には向かないため、そのような消費電力の大きい抵抗の数を減らすことが望まれている。
【0018】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、基準電圧と該基準電圧よりも高い電源電圧との何れかにスイッチ手段を介して接続される複数の各信号ラインの電圧を、マイコン等の情報処理用ICに入力させるデジタル入力信号処理装置において、装置の小型化と消費電力の低減とを実現することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載のデジタル入力信号処理装置は、基準電圧と該基準電圧よりも高い電源電圧との何れかであるアクティブレベルの電圧にスイッチ手段を介して接続される複数の各信号ラインの電圧を、前記基準電圧と前記電源電圧との間の所定電圧をハイレベルとし前記基準電圧をローレベルとした二値の電圧信号に変換して、情報処理用ICへ出力するものであり、出力端子と前記複数の各信号ラインが夫々接続される複数の入力端子とを有した選択手段と、前記基準電圧と前記電源電圧とのうち、前記アクティブレベルの電圧ではない方であるパッシブレベルの電圧と選択手段の出力端子との間に接続された電圧安定化用抵抗と、二値化手段とを備えている。
【0020】
そして、このデジタル入力信号処理装置では、選択手段が、複数の入力端子のうち、情報処理用ICからの選択信号により指示される1つの入力端子を選択して出力端子に接続させる。すると、その選択された入力端子に接続されている信号ラインは、電圧安定化用抵抗を介してパッシブレベルの電圧に接続された状態となる。また、二値化手段が、電圧安定化用抵抗のパッシブレベルの電圧側とは反対側の端部の電圧(換言すれば、選択手段の出力端子の電圧であり、以下、この電圧安定化用抵抗の端部の電圧を二値化対象電圧ともいう)を、基準電圧と電源電圧との間のしきい値電圧と大小比較することにより前記二値の電圧信号に変換して、情報処理用ICへ出力する。
【0021】
このような請求項1のデジタル入力信号処理装置では、選択手段の入力端子の何れかを指示する選択信号を情報処理用ICから与えれば、その選択信号に該当する入力端子に接続された信号ラインが、選択手段により選択されて、電圧安定化用抵抗のパッシブレベルの電圧側とは反対側の端部に接続される。このため、その選択された信号ラインの電圧である二値化対象電圧は、当該信号ラインのスイッチ手段がオンであれば、アクティブレベルの電圧となり、また、当該信号ラインのスイッチ手段がオフであれば、電圧安定化用抵抗の作用によりパッシブレベルの電圧となる。そして、こうした二値化対象電圧が、二値化手段により情報処理用ICが入力可能な二値の電圧信号に変換されて、該情報処理用ICへと出力される。
【0022】
よって、このような請求項1のデジタル入力信号処理装置によれば、情報処理用ICからの選択信号により、選択手段の各入力端子を1つずつ選択することで、その各入力端子に夫々接続されている信号ラインの電圧を、情報処理用ICが入力可能な二値の電圧信号に変換して該情報処理用ICに入力させることができる。
【0023】
そして特に、この請求項1のデジタル入力信号処理装置によれば、複数の各信号ラインを、選択手段により、1つの電圧安定化用抵抗及び二値化手段からなる部分に切り替えて接続するようにしているため、装置を構成する素子数を減らして大幅な小型化を実現することができる。
【0024】
しかも、複数の信号ラインに対して電圧安定化用抵抗が1つであるため、その抵抗で消費される電力を大幅に低減することができる。つまり、信号ラインの数がN(但し、Nは自然数)であるとすると、この請求項1のデジタル入力信号処理装置によれば、各信号ライン毎に電圧安定化用抵抗を設ける図12のような従来装置と比べて、電圧安定化用抵抗の抵抗値が同じであれば、その電圧安定化用抵抗で消費されるトータルの電力が1/Nになるからである。
【0025】
次に、請求項2に記載のデジタル入力信号処理装置は、請求項1のデジタル入力信号処理装置において、選択手段の複数の入力端子のうちの少なくとも1つが、パッシブレベルの電圧に常時接続されているか、或いはオープン状態であることを特徴としている。
【0026】
そして、このような請求項2のデジタル入力信号処理装置によれば、電圧安定化用抵抗で消費される電力を更に低減することができる。
つまり、情報処理用ICからの選択信号によって、選択手段の各入力端子を順次選択するようにした場合、少なくとも、パッシブレベルの電圧に常時接続するか或いはオープン状態にした入力端子の選択期間中は、電圧安定化用抵抗に電流が流れることはないからである。
【0027】
また特に、情報処理用ICが、ある一定時間毎の処理タイミングが到来する毎に、選択手段の入力端子の切り替えと当該装置からの二値の電圧信号の読み込みとを、選択手段の全ての入力端子について順番に行うと共に、最終番目の入力端子についての選択動作及び電圧信号の読み込みが完了したら、次回の処理タイミングが到来するまで上記最終番目の入力端子の選択状態を継続する、といった処理を実施する場合には、上記最終番目の入力端子をパッシブレベルの電圧に常時接続するか或いはオープン状態にしておくことにより、一層大きな消費電力低減効果を得ることができる。次回の処理タイミングが到来するまでの比較的長い休止期間中に、電圧安定化用抵抗に電流が流れることがなくなるからである。
【0028】
次に、請求項3に記載のデジタル入力信号処理装置も、基準電圧と該基準電圧よりも高い電源電圧との何れかであるアクティブレベルの電圧にスイッチ手段を介して接続される複数の各信号ラインの電圧状態を、情報処理用ICへ出力するものである。
【0029】
ここで特に、請求項3のデジタル入力信号処理装置は、基準電圧と電源電圧とのうち、前記アクティブレベルの電圧ではない方であるパッシブレベルの電圧に一端が接続された通電経路追加用抵抗を、1つ備えている。
そして更に、この請求項3のデジタル入力信号処理装置は、複数の各信号ライン毎に、以下に述べる通電量増減用スイッチング手段と、電圧安定化用抵抗と、切替制御手段と、電流逆流防止用整流素子とを、夫々備えている。
【0030】
ここで、通電量増減用スイッチング手段、電圧安定化用抵抗、切替制御手段、及び電流逆流防止用整流素子からみて、自分が設けられている信号ラインを“自信号ライン”と呼ぶことにすると、まず、通電量増減用スイッチング手段は、自信号ラインと前記通電経路追加用抵抗のパッシブレベルの電圧側とは反対側の端部との間に直列に接続されている。
【0031】
また、電圧安定化用抵抗は、自信号ラインとパッシブレベルの電圧との間に接続されており、その電圧安定化用抵抗の抵抗値は、前記通電経路追加用抵抗の抵抗値よりも大きい値に設定されている。逆に言えば、通電経路追加用抵抗の抵抗値は、各信号ラインの電圧安定化用抵抗の抵抗値よりも小さい値に設定されている。
【0032】
そして、切替制御手段は、自信号ラインの電圧を監視して、その監視対象電圧が基準電圧と電源電圧との間の判定電圧よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧でなければ、自信号ラインの通電量増減用スイッチング手段をオンさせ、前記監視対象電圧が判定電圧よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧であることを検知すると、自信号ラインの通電量増減用スイッチング手段をオフさせる。
【0033】
また、電流逆流防止用整流素子は、自信号ラインと自信号ラインの通電量増減用スイッチング手段との間の経路、或いは、自信号ラインの通電量増減用スイッチング手段と前記通電経路追加用抵抗との間の経路に直列に接続されており、自信号ライン以外の他の信号ラインのスイッチ手段がオンされた時にそのスイッチ手段を介して自信号ラインの電圧安定化用抵抗に電流が流れてしまうのを防止する。
【0034】
このような請求項3のデジタル入力信号処理装置において、複数の各信号ラインは、その各々に対して設けられた電圧安定化用抵抗を介して、常時パッシブレベルの電圧に接続された状態となっている。つまり、アクティブレベルの電圧が電源電圧であるとすると、各信号ラインは、それに接続されている電圧安定化用抵抗によって基準電圧に常時プルダウンされていることとなり、また、アクティブレベルの電圧が基準電圧であるとすると、各信号ラインは、それに接続されている電圧安定化用抵抗によって電源電圧に常時プルアップされていることとなる。このため、各信号ラインのスイッチ手段がオフ状態であっても、その各信号ラインの電圧はパッシブレベルの電圧に安定される。また当然、何れかの信号ラインのスイッチ手段がオンされると、その信号ラインの電圧はアクティブレベルの電圧になる。
【0035】
ここで、複数の信号ラインの何れか(以下、特定信号ラインという)のスイッチ手段がオンされたとすると、そのオンされた時点から、当該特定信号ラインの電圧が前記判定電圧よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧になるまでは、当該特定信号ラインの通電量増減用スイッチング手段が当該特定信号ラインの切替制御手段によってオンされたままになるため、当該特定信号ラインのスイッチ手段には、電圧安定化用抵抗だけでなく、それよりも抵抗値が小さい通電経路追加用抵抗を介して電流が流れることとなる。
【0036】
そして、当該特定信号ラインの電圧が前記判定電圧よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧となり、そのことが切替制御手段によって検知されると、当該特定信号ラインの通電量増減用スイッチング手段がオフされて、当該特定信号ラインのスイッチ手段には、当該特定信号ラインの電圧安定化用抵抗のみを介して電流が流れることとなる。つまり、信号ラインのスイッチ手段がオンされた直後よりも、通電量が少なくなる。
【0037】
このような請求項3のデジタル入力信号処理装置によれば、各信号ラインのスイッチ手段が、接点を有し且つその接点に酸化皮膜が発生する可能性があるスイッチであっても、そのスイッチがオンされた際には該スイッチに抵抗値の小さい通電経路追加用抵抗を介して大きな電流を流すことができ、酸化皮膜の発生を防止することができる。そして、信号ラインの電圧が判定電圧よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧になると、その信号ラインの通電量増減用スイッチング手段がオフされて、その信号ラインが通電経路追加用抵抗から切り離されるため、該通電経路追加用抵抗に電流が流れる時間を短くすることができる。
【0038】
よって、この請求項3のデジタル入力信号処理装置によれば、スイッチ手段の酸化被膜除去効果を達成できる上に、抵抗値が小さくて消費電力の大きい1つの通電経路追加用抵抗を複数の信号ラインで共通使用していることから、装置を小型化することができ、しかも、その通電経路追加用抵抗に電流が流れる時間を短くすることができるため、消費電力を抑えることができ、発熱も抑えることができる。
【0039】
尚、仮に、前記電流逆流防止用整流素子を設けていなければ、何れかの信号ラインのスイッチ手段がオンされてから当該信号ラインの通電量増減用スイッチング手段がオフされるまでの間に、その信号ラインのスイッチ手段及び通電量増減用スイッチング手段を介して、スイッチ手段がオフされている他の信号ラインの電圧安定化用抵抗に電流が流れてしまい、そのスイッチ手段がオフされている信号ラインの電圧が、誤ってアクティブレベルの電圧になってしまうが、請求項3のデジタル入力信号処理装置では、各信号ライン毎に前記電流逆流防止用整流素子を設けているため、そのような問題が回避され、1つの通電経路追加用抵抗を複数の信号ラインで共通使用することができる。
【0040】
ところで、請求項3のデジタル入力信号処理装置において、情報処理用ICが、電源電圧をハイレベルとした信号をそのまま入力することができる場合には、各信号ラインの電圧を情報処理用ICへ出力するように構成すれば良い。一方、情報処理用ICが、電源電圧をハイレベルとした信号をそのまま入力することができず、基準電圧と電源電圧との間の所定電圧をハイレベルとした信号を入力可能なものであるならば、請求項4に記載のように、当該デジタル入力信号処理装置は、複数の各信号ラインの電圧を、基準電圧と電源電圧との間のしきい値電圧と大小比較することにより、基準電圧と電源電圧との間の所定電圧をハイレベルとし基準電圧をローレベルとした二値の電圧信号に変換し、その二値の電圧信号を各信号ラインの電圧状態として情報処理用ICへ出力するように構成すれば良い。
【0041】
また、このような請求項4のデジタル入力信号処理装置において、前記しきい値電圧と切替制御手段での判定電圧とを同じ値にするのであれば、請求項5に記載の如く、切替制御手段は、前記監視対象電圧が判定電圧(この場合、しきい値電圧でもある)よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧であることを検知している場合とそうでない場合とで電圧が互いに異なる信号を出力するようにし、当該装置は、その切替制御手段から出力される信号を前記二値の電圧信号として情報処理用ICへ出力するか、或いは、その切替制御手段から出力される信号を前記二値の電圧信号にレベル変換して情報処理用ICへ出力するように構成すれば良い。つまり、(a):切替制御手段が、前記所定電圧と基準電圧との何れかとなる信号を出力するのであれば、その切替制御手段からの信号を情報処理用ICへ出力するように構成すれば良いし、(b):また、そうでなければ、切替制御手段から出力される信号をレベル変換して情報処理用ICへ出力するように構成すれば良い。そして特に、上記(a)の場合には、各信号ラインの電圧を、情報処理用ICが入力可能な電圧レベルの信号に変換するための手段として、切替制御手段を流用することとなるため、装置の構成を簡素化することができる。
【0042】
一方、請求項4のデジタル入力信号処理装置において、前記しきい値電圧と切替制御手段での判定電圧とを異なる値にするのであれば、特に請求項6に記載の如く、切替制御手段での判定電圧を、前記しきい値電圧よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧に設定することが好ましい。
【0043】
このように設定すれば、信号ラインのスイッチ手段がオンされてから、その信号ラインについての前記二値の電圧信号がレベル変化するまでのレスポンスを特に悪化させることなく、その信号ラインのスイッチ手段がオンされてから通電量増減用スイッチング手段がオフされるまでの時間(即ち、スイッチ手段に大きな電流を流す期間)を長くすることができ、延いては、十分な酸化被膜除去効果を発揮することができるようになるからである。
【0044】
次に、請求項7に記載のデジタル入力信号処理装置では、請求項3〜6のデジタル入力信号処理装置において、切替制御手段は、前記監視対象電圧が前記判定電圧よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧であることを検知してから所定の遅延時間の経過後に、通電量増減用スイッチング手段をオフさせるように構成されている。
【0045】
このような請求項7のデジタル入力信号処理装置によれば、信号ラインのスイッチ手段がオンされてから通電量増減用スイッチング手段がオフされるまでの時間を十分に長くすることができ、端子を有するスイッチからなるスイッチ手段の酸化皮膜を確実に除去することができるようになる。つまり、請求項6のデジタル入力信号処理装置によって得られる効果と同様の効果を、より確実に得ることができる。
【0046】
次に、請求項8に記載のデジタル入力信号処理装置では、請求項7のデジタル入力信号処理装置において、通電量増減用スイッチング手段として、トランジスタを用いている。そして、切替制御手段は、前記監視対象電圧が判定電圧よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧であるか否かを検知する手段として、前記監視対象電圧と前記判定電圧とを大小比較する比較器を備え、更に、前記遅延時間を設ける遅延手段として、前記比較器の出力信号を積分する抵抗及びコンデンサからなるフィルタ回路と、該フィルタ回路の出力を矩形波に整形して、その波形整形した信号により前記通電量増減用スイッチング手段としてのトランジスタをオン/オフさせる波形整形回路とを備えている。
【0047】
このような請求項8のデジタル入力信号処理装置によれば、信号ラインの電圧が判定電圧よりもアクティブレベルの電圧寄りの電圧であることが比較器によって検知されてから通電量増減用スイッチング手段をオフさせるまでに必要十分な遅延時間を設けることと、通電量増減用スイッチング手段としてのトランジスタを確実且つ完全にオン/オフさせることとを、両立させることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施形態のECU(電子制御装置)について、図面を用いて説明する。尚、以下に説明する各実施形態において、基準電圧は、車載バッテリのマイナス端子の電圧である接地電位(GND=0V)であり、電源電圧VDは、車載バッテリのプラス端子の電圧(いわゆるバッテリ電圧であり、通常約12V)である。
【0049】
まず図1は、第1実施形態のECU10を表す構成図である。
本第1実施形態のECU10は、例えば自動車のエンジンを制御するものであり、図1に示すように、エンジン制御のための処理を行う情報処理用ICとしてのマイコン3と、エンジン制御に必要な各種スイッチ信号をマイコン3に入力させるためのデジタル入力信号処理装置としての入力信号処理回路2とを備えている。
【0050】
尚、本実施形態において、マイコン3が入力可能な電圧信号は、基準電圧としての接地電位と電源電圧VDとの間の5V(所定電圧に相当)をハイレベルとし、0Vをローレベルとした二値の電圧信号である。そして、入力信号処理回路2は、IC化されていると共に、図12の従来装置と同様に、ハイアクティブ型の8つのスイッチ信号をマイコン3に入力させるものである。また、図1において、図12と同じものについては、同一の符号を付している。つまり、本第1実施形態においても、図12と同様に、8本の各信号ラインL0〜L7が、8個の各スイッチ手段SW0〜SW7を介して電源電圧VDに夫々接続されるようになっている。そして、その各信号ラインL*(「*」は「0」〜「7」のうちの何れか)のスイッチ手段SW*側とは反対側の端部が、入力信号処理回路2に夫々接続されている。
【0051】
次に、入力信号処理回路2は、1つの出力端子と複数の入力端子(本実施形態では0番目から7番目までの8つの入力端子)とを有したマルチプレクサ(MPX)17と、そのマルチプレクサ17の出力端子と接地電位(=0V)との間に接続された電圧安定化用抵抗11と、電源電圧VDと接地電位との間に直列に接続され、電源電圧VDを分圧することでしきい値電圧Vth(0<Vth<VD)を発生する2つの抵抗12,13と、そのしきい値電圧Vthが反転入力端子(−端子)に入力された比較器(コンパレータ)16と、抵抗11の接地電位側とは反対側の端部と比較器16の非反転入力端子(+端子)との間に接続された電流制限用の抵抗14と、マルチプレクサ17の出力端子と抵抗11の接地電位側とは反対側の端部との間の信号経路上に、上記出力端子から抵抗11の方を順方向として設けられた逆流防止用のダイオード15と、から構成されている。尚、抵抗14とダイオード15は削除することも可能である。
【0052】
そして、マルチプレクサ17の8つの各入力端子には、各信号ラインL*のスイッチ手段SW*側とは反対側の端部が夫々接続されている。そして更に、マルチプレクサ17は、その8つの入力端子のうち、マイコン3からの選択信号としての3ビットパラレルデータにより指示される1つの番号の入力端子を選択して、その入力端子を出力端子に接続させる。すると、その選択された入力端子に接続されている信号ラインは、電圧安定化用抵抗11を介して接地電位に接続された状態(即ちプルダウンされた状態)となる。
【0053】
例えば、マイコン3から当該入力信号処理回路2に2番目を表す「010」の3ビットパラレルデータ(即ち、データ値が2である3ビットパラレルデータ)が出力されると、マルチプレクサ17は、図1に示すように、信号ラインL2が接続された2番目の入力端子を出力端子に接続させる。よって、この場合には、信号ラインL2が抵抗11によりプルダウンされると共に、その信号ラインL2の電圧が、比較器16の非反転入力端子に入力されることとなる。また例えば、マイコン3から当該入力信号処理回路2に6番目を表す「110」の3ビットパラレルデータ(即ち、データ値が6である3ビットパラレルデータ)が出力されると、マルチプレクサ17は、信号ラインL6が接続された6番目の入力端子を出力端子に接続させる。よって、この場合には、信号ラインL6が抵抗11によりプルダウンされると共に、その信号ラインL6の電圧が、比較器16の非反転入力端子に入力されることとなる。
【0054】
また、本第1実施形態において、抵抗12と抵抗13との抵抗値は同じ値(例えば10KΩ)に設定されている。よって、その両抵抗12,13の接続点に生じるしきい値電圧Vthは、電源電圧VDの半分の電圧(=VD/2)となる。そして、比較器16は、非反転入力端子の電圧(即ち、抵抗11の接地電位側とは反対側の端部の電圧である二値化対象電圧)と、しきい値電圧Vthとを大小比較して、その二値化対象電圧がしきい値電圧Vthよりも高ければ、マイコン3へハイレベルに該当する5Vの電圧信号を出力し、逆に、二値化対象電圧がしきい値電圧Vthよりも高くなければ、マイコン3へローレベルに該当する0Vの電圧信号を出力する。
【0055】
このような本第1実施形態のECU10における入力信号処理回路2では、マルチプレクサ17の入力端子の何れかを指示する3ビットパラレルデータをマイコン3から与えれば、その3ビットパラレルデータのデータ値に該当する番号(0番目〜7番目の何れか)の入力端子に接続された信号ラインが、マルチプレクサ17により選択されて、電圧安定化用抵抗11の接地電位側とは反対側の端部に接続される。
【0056】
このため、その選択された信号ラインの電圧である二値化対象電圧は、当該信号ラインのスイッチ手段がオンであれば電源電圧VDとなり、また、当該信号ラインのスイッチ手段がオフであれば、電圧安定化用抵抗11のプルダウン作用により0Vとなる。そして、こうした二値化対象電圧が、比較器16によりマイコン3が入力可能な5V又は0Vの電圧信号に変換されて、該マイコン3へと出力される。尚、信号ラインL7については、元々ランプによってプルダウンされているため、スイッチ手段SW7がオフならば、抵抗11に接続されていなくても、その信号ラインL7の電圧は0Vとなる。
【0057】
よって、このような入力信号処理回路2によれば、マイコン3からの3ビットパラレルデータにより、マルチプレクサ17の各入力端子を1つずつ切り替えて選択することで、その各入力端子に夫々接続されている信号ラインL0〜L7の電圧を、マイコン3が入力可能な二値の電圧信号に変換して該マイコン3に入力させることができる。
【0058】
例えば、マルチプレクサ17の切替え(詳しくは、出力端子と接続させる入力端子の切替え)方法としては、図2(特に「MPX切替え」の段)に示すように、出力端子と接続させる入力端子を予め決められた所定時間(この例では500μs)毎に且つ順番に切り替えていくようにすることができる。そして、この場合、マイコン3は、出力端子と接続させる入力端子を切り替えてから次に切り替えるまでの間(例えば、切替えを行う直前)に、当該入力信号処理回路2の比較器16から出力される電圧信号のレベルを読み取るようにすれば良い。
【0059】
尚、図2において、「SW*端子」の各段は、信号ラインL*が接続された*番目の入力端子の電圧を表している。また、「MPX切替え」の段に記載された“SW*”の文字は、その時に選択されている入力端子が*番目の入力端子であることを表している。また更に、「コンパレータ出力」の段は、比較器16からマイコン3へ出力される電圧信号を表している。そして、これらのことは、後述する図3についても同様である。
【0060】
また、マルチプレクサ17の切替え方法としては、図3(特に「MPX切替え」の段)に示すように、マイコン3が、ある一定時間(この例では4ms)毎の処理タイミングが到来する毎に、マルチプレクサ17の入力端子の切り替えと当該入力信号処理回路2からの電圧信号の読み込みとを、マルチプレクサ17の全ての入力端子について順番に行うと共に、最終番目である7番目の入力端子についての選択動作及び電圧信号の読み込みが完了したら、次回の処理タイミングが到来するまで最終番目の入力端子の選択状態を継続する、といった処理を実施するようにしても良い。つまり、この場合、マイコン3は、一定時間毎の処理タイミングが到来すると、1チャンネルのデータを読み込む毎に次のチャンネルにマルチプレクサ17を切り替える、といった処理をマルチプレクサ17の8つの全チャンネルについて連続的に実施することとなる。そして、このようにすれば、図2の方法と比べて、各スイッチ手段SW0〜SW7のほぼ同じ時刻でのオン/オフ状態を読み取ることができる、という利点がある。
【0061】
以上のような本第1実施形態のECU10に設けられた入力信号処理回路2によれば、複数の信号ラインL0〜L7を、マルチプレクサ17により、図12の入力回路K*と同じ構成の抵抗11〜14,比較器16,及びダイオード15からなる入力回路に切り替えて接続するようにしているため、素子数を減らして大幅な小型化を実現することができる。
【0062】
例えば、図12の従来例では、前述したように、合計26個の素子が必要(但し、抵抗14を削除した場合)であるのに対して、本第1実施形態の入力信号処理回路2では、抵抗14を設けたとしても、7個の素子で済む。
しかも、本第1実施形態の入力信号処理回路2によれば、複数の信号ラインL0〜L7に対して電圧安定化用抵抗11が1つであるため、その抵抗11で消費される電力を大幅に低減することができる。つまり、各信号ライン毎に電圧安定化用抵抗11を設ける図12のものと比べて、抵抗11の抵抗値が同じであれば、その抵抗11で消費されるトータルの電力が1/8で済むからである。
【0063】
このような入力信号処理回路2によれば、部品数が少ない上に、消費電力が少なく発熱量が抑えられるため、IC化に非常に有利である。
また更に、図12の従来装置ではマイコンが信号ラインの数(8つ)だけのポートを必要としたのに対して、本第1実施形態の入力信号処理回路2によれば、マイコン3は、4つのポート(1つの入力ポートと、選択信号としての3ビットパラレルデータを出力するための3つの出力ポート)を使用するだけで済み、マイコンの使用ポート数を節約できるという利点もある。
【0064】
尚、本第1実施形態では、電源電圧VDがアクティブレベルの電圧に相当し、接地電位がパッシブレベルの電圧に相当している。そして、マルチプレクサ17が選択手段に相当し、抵抗12,13及び比較器16が二値化手段に相当している。
【0065】
また、本第1実施形態の入力信号処理回路2では、各信号ラインL0〜L7のスイッチ手段SW0〜SW7のうち、スイッチ手段SW0,SW1が、接点を有し且つその接点に酸化皮膜が発生する可能性があるスイッチであるため、そのスイッチ手段SW0,SW1に酸化皮膜を破ることが可能なだけの大きな電流を流すことができる様に、電圧安定化用抵抗11の抵抗値を1KΩ以下(具体的には例えば500Ω)といった小さい値に設定している。これに対して、もし、全てのスイッチ手段SW*が、スイッチ手段SW2〜SW7の様に酸化皮膜が発生する可能性が無いものであれば、電圧安定化用抵抗11の抵抗値は、例えば10KΩといった大きい値に設定することができる。そして、このように電圧安定化用抵抗11の抵抗値を大きく設定した場合には、その抵抗11での消費電力がより少なくなり、発熱量もより小さく抑えられるため、IC化に一層有利である。
【0066】
ところで、マルチプレクサ17の切替えを特に図3のように行う場合、その切替えの最終番目の入力端子(7番目の入力端子)を、図4に示す如く接地電位に常時接続するか、或いはオープン状態にしておけば、一層大きな消費電力低減効果を得ることができる。つまり、図3の方法でマルチプレクサ17の切替えを行う場合には、最終番目の入力端子が選択されている状態が長くなるが、その期間中に、電圧安定化用抵抗11に流れる電流が必ず0となるからである。尚、図3における「SW7端子」の段では、7番目の入力端子の電圧が常時0Vであることを示しているが、これは、図4のように7番目の入力端子を接地電位に接続した場合の状態を表したものである。
【0067】
また、マルチプレクサ17の切替えを図2のように行う場合でも、入力端子のうちの少なくとも1つを、接地電位に常時接続するか或いはオープン状態にすることにより、電圧安定化用抵抗11で消費される電力を更に低減することができる。つまり、少なくとも、接地電位に常時接続するか或いはオープン状態にした入力端子の選択期間中は、電圧安定化用抵抗11に流れる電流が必ず0になるからである。
【0068】
一方また、マイコン3に入力させるスイッチ信号がローアクティブ型であるならば、図1の入力信号処理回路2を、図5に示すような入力信号処理回路4に変形すれば良い。尚、図5の入力信号処理回路4において、図1と同じものについては、同一の符号を付している
即ち、図5に示す第2実施形態のECU20に設けられた入力信号処理回路4は、ローアクティブ型の8つのスイッチ信号をマイコン3に入力させるものであり、そのため、図1の入力信号処理回路2に対して、下記の▲1▼及び▲2▼の点が異なっている。
【0069】
▲1▼:電圧安定化用抵抗11の一端が、接地電位ではなく、電源電圧VDに接続されている。
よって、マルチプレクサ17により選択された信号ラインの電圧は、当該信号ラインのスイッチ手段がオンであれば接地電位となり、また、当該信号ラインのスイッチ手段がオフであれば、電圧安定化用抵抗11のプルアップ作用により電源電圧VDとなる。
【0070】
▲2▼:ダイオード15が逆向きに設けられている。つまり、ダイオード15は、マルチプレクサ17の出力端子と抵抗11の電源電圧VD側とは反対側の端部との間の信号経路上に、抵抗11から上記出力端子の方を順方向として設けられている。
【0071】
尚、本第2実施形態では、8本の各信号ラインL0〜L7が、8個の各スイッチ手段SW0〜SW7を介して接地電位に夫々接続される。そして、接地電位がアクティブレベルの電圧に相当し、電源電圧VDがパッシブレベルの電圧に相当している。また、マルチプレクサ17の6番目と7番目の各入力端子に接続された信号ラインL6,L7のスイッチ手段SW6,SW7が、接点を有したスイッチであり、マルチプレクサ17の1番目〜5番目の各入力端子に接続された信号ラインL1〜L5のスイッチ手段SW1〜SW5が、他のECU内に設けられているトランジスタである。また更に、マルチプレクサ17の0番目の入力端子に接続された信号ラインL0のスイッチ手段SW0は、ランプに電流を供給する役割を果たすものである。
【0072】
そして、他の点については第1実施形態と全く同様であり、このような第2実施形態の入力信号処理回路4によっても、第1実施形態の入力信号処理回路2と同じ前述の効果を得ることができる。
尚、上記第1及び第2実施形態の各入力信号処理回路2,4において、抵抗12の抵抗13側とは反対側の端部は、電源電圧VDに限らず、例えばECU10,20内で生成される一定電圧(5Vなど)に接続しても良い。2つの抵抗12,13の接続点に所望のしきい値電圧Vthを発生させることができれば良いからである。
【0073】
また、上記各入力信号処理回路2,4において、比較器16での比較結果を、5V又は0Vのシリアル通信データの電圧信号に変換して、マイコン3へ出力するようにしても良い。
次に、図6は、第3実施形態のECU22を表す構成図である。尚、図6において、図1と同様のものについては同一の符号を付している。
【0074】
本第3実施形態のECU22は、第1実施形態のECU10と比較すると、デジタル入力信号処理装置として、入力信号処理回路2の代わりに、入力信号処理回路5を備えている。
そして、その入力信号処理回路5も、図1の入力信号処理回路2と同様に、IC化されていると共に、8個の各スイッチ手段SW0〜SW7を介して電源電圧VDに夫々接続される8本の各信号ラインL0〜L7の電圧であるハイアクティブ型の8つのスイッチ信号を、マイコン3に入力させるものであるが、本第3実施形態において、各信号ラインL0〜L7のスイッチ手段SW0〜SW7は、接点を有し且つその接点に酸化皮膜が発生する可能性があるスイッチとなっている。
【0075】
次に、本第3実施形態の入力信号処理回路5は、各信号ラインL0〜L7毎に、通電量増減回路ZK0〜ZK7を夫々備えている。そして更に、この入力信号処理回路5は、電源電圧VDと接地電位との間に直列に接続されて、電源電圧VDを分圧することにより判定電圧Vj(0<Vj<VD)を発生する2つの抵抗23,24を1組備えると共に、接地電位に一端が接続された通電経路追加用抵抗25と、マルチプレクサ26と、バッファ回路27とを、1つずつ備えている。
【0076】
ここで、各通電量増減回路ZK*(「*」は「0」〜「7」の何れか)は、それに対応する信号ラインL*と通電経路追加用抵抗25の接地電位側とは反対側の端部との間に直列に接続された通電量増減用スイッチCT*と、信号ラインL*と接地電位との間に接続された電圧安定化用抵抗R*と、その抵抗R*の接地電位側とは反対側の端部の電圧(信号ラインL*の電圧及び監視対象電圧に相当)が非反転入力端子に入力され、前記抵抗23,24によって発生される判定電圧Vjが反転入力端子に入力された比較器CP*と、その比較器CP*の出力信号c*を所定の遅延時間だけ遅延し且つレベル反転して出力する遅延回路DLY*と、信号ラインL*と通電量増減用スイッチCT*との間の経路上に、その通電量増減用スイッチCT*の方を順方向として(即ち、カソードがスイッチCT*の方となるように)設けられた電流逆流防止用ダイオードD*a(電流逆流防止用整流素子に相当)と、電圧安定化用抵抗R*の接地電位側とは反対側の端部とスイッチ手段SW*との間の信号ラインL*上に、抵抗R*の方を順方向として設けられたダイオードD*bと、から構成されている。
【0077】
尚、本第3実施形態において、抵抗23と抵抗24との抵抗値は同じ値(例えば10KΩ)に設定されている。よって、その両抵抗23,24の接続点に生じる判定電圧Vjは、第1実施形態のしきい値電圧Vthと同様に、電源電圧VDの半分の電圧(=VD/2)となる。
【0078】
そして、比較器CP*は、非反転入力端子の電圧が判定電圧Vjよりも高くなければ(即ち、電源電圧VD寄りの電圧でなければ)、ローレベル信号として0Vの信号を出力し、逆に、非反転入力端子の電圧が判定電圧Vjよりも高ければ、ハイレベル信号として電源電圧VDの信号を出力する。
【0079】
そして更に、通電量増減用スイッチCT*は、遅延回路DLY*の出力信号が、ハイレベルに相当する電源電圧VDである時にオンして、信号ラインL*をダイオードD*aを介して通電経路追加用抵抗25に接続させ、遅延回路DLY*の出力信号が、ローレベルに相当する0Vである時にオフする。
【0080】
このため、比較器CP*の出力信号c*がハイレベルに相当する電源電圧VDになって、遅延回路DLY*の出力信号がローレベルに相当する0Vに変化すると、それまでオンしていた通電量増減用スイッチCT*がオフして、信号ラインL*を通電経路追加用抵抗25から切り離すこととなる。
【0081】
また、本実施形態において、各信号ラインL*毎に設けられた電圧安定化用抵抗R*の抵抗値は10KΩに設定されている。そして、通電経路追加用抵抗25の抵抗値は、上記電圧安定化用抵抗R*の抵抗値よりも十分に小さい500Ωに設定されている。
【0082】
一方、マルチプレクサ26は、図1のマルチプレクサ17と同様のものであり、1つの出力端子と複数の入力端子(0番目から7番目までの8つの入力端子)とを有している。そして、マルチプレクサ26は、8つの入力端子のうち、マイコン3からの3ビットパラレルデータにより指示される1つの番号の入力端子を選択して、その入力端子を出力端子に接続させる。
【0083】
また、本第3実施形態の入力信号処理回路5において、マルチプレクサ26の各入力端子には、各通電量増減回路ZK*における比較器CP*の出力端子が夫々接続されている。
よって、例えば、マイコン3から当該入力信号処理回路5に1番目を表す「001」の3ビットパラレルデータが出力されると、マルチプレクサ26により、1番目の信号ラインL1に対応する通電量増減回路ZK1の比較器CP1の出力信号c1が選択されて、その信号c1が当該マルチプレクサ26の出力端子から出力されることとなる。また例えば、マイコン3から当該入力信号処理回路5に2番目を表す「010」の3ビットパラレルデータが出力されると、マルチプレクサ26の出力端子からは、2番目の信号ラインL2に対応する通電量増減回路ZK2の比較器CP2の出力信号c2が選択されて出力されることとなる。
【0084】
そして、バッファ回路27は、このようなマルチプレクサ26の出力端子から出力される信号(即ち、通電量増減回路ZK0〜ZK7のうちの何れかの比較器CP0〜CP7の出力信号c0〜c7)を、マイコン3が入力可能な電圧信号(即ち、5Vをハイレベルとし0Vをローレベルとした電圧信号)にレベル変換して、該マイコン3に出力する。
【0085】
このような本第3実施形態のECU22における入力信号処理回路5において、各信号ラインL*は、その各々に対して設けられた電圧安定化用抵抗R*を介して常時接地電位に接続(即ちプルダウン)された状態となっている。このため、各信号ラインL*のスイッチ手段SW*がオフ状態であれば、その信号ラインL*の電圧は接地電位に安定される。
【0086】
また、図7に示すように、例えばスイッチ手段SW1がオフされている場合には、図6のa1点の電圧(即ち、電圧安定化用抵抗R1の接地電位側とは反対側の端部の電圧)が0Vであり比較器CP1の出力信号c1が0Vとなるため、遅延回路DLY1の出力信号がハイレベルとなり通電量増減用スイッチCT1がオン状態になっている。
【0087】
ここで、この状態からスイッチ手段SW1がオンされたとすると、そのスイッチ手段SW1には、「スイッチ手段SW1→ダイオードD1a→通電量増減用スイッチCT1→通電経路追加用抵抗25→接地電位」という第1の電流経路と、「スイッチ手段SW1→ダイオードD1b→電圧安定化用抵抗R1→接地電位」という第2の電流経路との、2つの電流経路で電流が流れることとなる。
【0088】
また、スイッチ手段SW1がオンされると、図7に示すように、図6のa1点の電圧が、最終的にはほぼ電源電圧V(詳しくは「VD−約0.7V」)まで上昇するが、そのa1点の電圧が判定電圧Vjよりも高くなると、そのことが比較器CP1にて検知されて該比較器CP1の出力信号c1がハイレベルになる。
【0089】
そして、その時点から遅延回路DLY1での遅延時間(図7においてt1で示されている時間)が経過すると、遅延回路DLY1の出力信号がローレベルになって通電量増減用スイッチCT1がオフされ、その結果、上記第1の電流経路が遮断される。このため、オンされたスイッチ手段SW1及び信号ラインL1には、電圧安定化用抵抗R1のみを介して電流が流れるようになり、通電経路追加用抵抗25には電流が流れなくなるため、その抵抗25での消費電力及び発熱が抑えられることとなる。
【0090】
また、その後、スイッチ手段SW1がオフされると、図7に示すように、図6のa1点の電圧が、最終的には0Vまで下降するが、そのa1点の電圧が判定電圧Vj以下になると、比較器CP1の出力信号c1がハイレベルからローレベルになる。そして、その時点から遅延回路DLY1での遅延時間(図7においてt2で示されている時間)が経過すると、遅延回路DLY1の出力信号がローレベルからハイレベルになって通電量増減用スイッチCT1がオン状態に戻ることとなる。
【0091】
尚、以上のことは、スイッチ手段SW1についてだけではなく、他の7つのスイッチ手段SW0,SW2〜SW7についても全く同様である。
つまり、本第3実施形態の入力信号処理回路5では、スイッチ手段SW*がオンされた直後には、そのスイッチ手段SW*に、電圧安定化用抵抗R*だけでなく、それよりも抵抗値が小さい通電経路追加用抵抗25を介して、酸化被膜を除去可能な大きな電流を流し、そのスイッチ手段SW*の信号ラインL*の電圧(本実施形態では、電圧安定化用抵抗R*の接地電位側とは反対側の端部の電圧)が判定電圧Vjよりも高くなると、所定の遅延時間t1の経過後に、その信号ラインL*の通電量増減用スイッチCT*をオフして、その信号ラインL*と通電経路追加用抵抗25との接続を遮断するようにしている。
【0092】
尚、図7におけるt1(即ち、比較器CP*の出力信号c*がハイレベルに変化してから通電量増減用スイッチCT*をオフさせるまでの遅延時間)と、図7におけるt2(即ち、比較器CP*の出力信号c*がローレベルに変化してから通電量増減用スイッチCT*をオンさせるまでの遅延時間)とは、同じであっても良いし、t2<t1としても良い。また、遅延時間t1は、比較器CP*の出力信号c*が反転してからスイッチ手段SW*における接点の酸化皮膜を完全に破ることができる程度の時間に設定しておくことが望ましい。
【0093】
そして更に、本第3実施形態の入力信号処理回路5では、マイコン3からデータ値がi(但しiは0〜7)の3ビットパラレルデータを与えれば、そのi番目の信号ラインLiに対応する比較器CPiの出力信号ciがマルチプレクサ26により選択されてバッファ回路27に入力され、その結果、i番目の信号ラインLiの電圧を判定電圧Vjと大小比較して二値化した5V又は0Vの電圧信号が、マイコン3へと出力されることとなる。
【0094】
よって、マイコン3からの3ビットパラレルデータにより、各信号ラインL*に対応する比較器CP*の出力信号c*を1つずつ切り替えてバッファ回路27に入力させることで、各信号ラインL0〜L7の電圧を判定電圧Vjとの大小比較により二値化した5V又は0Vの電圧信号を、マイコン3へと順次出力させることができる。
【0095】
例えば、マルチプレクサ26の切替え方法としては、図7における「MPX切替え」の段に示すように、選択する比較器CP*の出力信号c*を所定時間毎(この例では500μs毎)に且つ順番に切り替えていくようにすることができる。そして、この場合、マイコン3は、選択する比較器CP*の出力信号c*を切り替えてから次に切り替えるまでの間(例えば、切替えを行う直前)に、当該入力信号処理回路5のバッファ回路27から出力される電圧信号のレベルを読み取るようにすれば良い。尚、図7において、「MPX切替え」の段に記載された“SW*”の文字は、その時に選択されている比較器CP*の出力信号c*が、スイッチ手段SW*の接続された*番目の信号ラインL*に対応するものであることを表している。また「マイコン入力」の段は、当該入力信号処理回路5からマイコン3へ出力される電圧信号を表している。
【0096】
次に、各通電量増減回路ZK*における電流逆流防止用ダイオードD*aの作用について、図8を用い説明する。
まず、仮に、電流逆流防止用ダイオードD*aが設けられていないとする。
そして、この場合に、例えば、図8に示すように、スイッチ手段SW1がオフされている状態で、スイッチ手段SW2がオンされたとする。
【0097】
すると、そのスイッチ手段SW2がオンされてから信号ラインL2の通電量増減用スイッチCT2がオフされるまでの間に、図8の二点鎖線で示すように、その信号ラインL2のスイッチ手段SW2及び通電量増減用スイッチCT2を介して、スイッチ手段SW1がオフされている他の信号ラインL1の通電量増減用スイッチCT1に通常とは逆方向の電流が流れると共に、その電流が信号ラインL1の電圧安定化用抵抗R1に流れてしまう。そして、その結果、信号ラインL1の電圧(具体的には、a1点の電圧)が、スイッチ手段SW1がオフされているにも拘わらず、ハイレベルとみなされる電圧にまで上昇してしまう。
【0098】
そこで、本第3実施形態の入力信号処理回路5では、各信号ラインL*毎に電流逆流防止用ダイオードD*aを設け、通常とは逆方向の電流が通電量増減用スイッチCT*に流れて図8の二点鎖線のような電流経路が発生してしまうことを防止している。例えば、図8の二点鎖線の電流経路は、信号ラインL1に対して設けられた図6の電流逆流防止用ダイオードD1aによって遮断される。そして、このような電流逆流防止用ダイオードD*aを設けることで、1つの通電経路追加用抵抗25を複数の信号ラインL*で共通使用することができるようにしている。
【0099】
尚、各通電量増減回路ZK*の電流逆流防止用ダイオードD*aは、通電量増減用スイッチCT*と通電経路追加用抵抗25との間の経路上に、その抵抗25の方を順方向として設けても良い。
一方、ダイオードD*bの方は削除しても動作には影響しない。つまり、ダイオードD*aは必須であるが、ダイオードD*bは、本入力信号処理回路5側(即ちECU22側)からスイッチ手段SW*側へ電流が逆流しても構わないか、或いはその可能性が無いのであれば、削除しても良い。
【0100】
また、本第3実施形態では、電源電圧VDがアクティブレベルの電圧に相当し、接地電位がパッシブレベルの電圧に相当している。そして、通電量増減用スイッチCT*が、通電量増減用スイッチング手段に相当し、比較器CP*及び遅延回路DLY*が、切替制御手段に相当している。
【0101】
以上のような本第3実実施形態の入力信号処理回路5によれば、スイッチ手段SW0〜SW7に大きな電流を流すことによる酸化被膜除去効果を達成できる上に、抵抗値が小さくて消費電力の大きい1つの通電経路追加用抵抗25を複数の信号ラインL0〜L7で共通使用していることから、回路全体を小型化することができる。しかも、その通電経路追加用抵抗25に電流が流れる時間を短くすることができるため、消費電力を抑えることができ発熱も抑えることができる。よって、IC化に有利である。また特に、本入力信号処理回路5では、比較器CP*の出力信号c*がハイレベルに反転してから通電量増減用スイッチCT*をオフさせるまでに、遅延回路DLY*によって遅延時間t1を持たせているため、スイッチ手段SW*の接点に発生した酸化皮膜を確実に破ることができる。
【0102】
一方、通電経路追加用抵抗25を未接続にすれば、図12に示した従来装置と同様の回路とすることも可能である。このため、例えば、本入力信号処理回路5のうち、通電経路追加用抵抗25以外の部分をIC化して、全信号ラインL0〜L7のスイッチ手段SW0〜SW7のうちの少なくとも1つが、接点に酸化皮膜が発生する可能性があるスイッチである場合に、通電経路追加用抵抗25を接続する、といった使い方をすることもできる。
【0103】
尚、本第3実施形態の入力信号処理回路5では、各信号ラインL*の電圧をマイコン3が入力可能な二値の電圧信号に変換するためのしきい値電圧と、通電量増減用スイッチCT*をオン/オフさせるための判定電圧Vjとが同じ値であり、比較器CP*の出力信号c*(ハイレベル=電源電圧VD,ローレベル=0V)を、バッファ回路27によりハイレベルが5Vでローレベルが0Vの電圧信号にレベル変換してマイコン3へ出力するようにしていたが、比較器CP*がハイレベル信号として5Vの信号を出力するように構成すれば、バッファ回路27を削除して、その各比較器CP*の出力信号c*をレベル変換無しにマイコン3へ出力するように構成することができる。そして、このようにすれば、通電量増減用スイッチCT*をオン/オフ制御するための比較器CP*を、各信号ラインL*の電圧レベルをマイコン3に読み取らせるための二値化用の手段として流用することとなり、回路構成を一層簡素化することができる。
【0104】
また、抵抗23の抵抗24側とは反対側の端部は、電源電圧VDに限らず、例えばECU22内で生成される一定電圧(5Vなど)に接続しても良い。2つの抵抗23,24の接続点に所望の判定電圧(兼しきい値電圧)Vjを発生させることができれば良いからである。
【0105】
ところで、上記入力信号処理回路5において、遅延回路DLY*としては、例えば図9(A)に示すように、複数の信号遅延素子を直列に接続したもの(具体的には、1つ以上の奇数個のインバータバッファと1つ以上のバッファとを直列接続した回路や、奇数個のインバータバッファを直列接続した回路)を用いることができる。但し、この場合には、長い遅延時間を設け難いという欠点がある。
【0106】
そこで、例えば図9(B−1)に示すように、抵抗30及びコンデンサ31からなるフィルタ回路Fによって遅延時間を作り出すように構成すれば、その遅延時間を容易に長くすることができる。尚、図9(B−1)は、8つの通電量増減回路ZK0〜ZK7のうち、通電量増減回路ZK1の部分のみを表しており、図9(B−2)は、その通電量増減回路ZK1の作用を表している。そして、図9(B−1)の例では、構成簡略化のため、ダイオードD1bを削除し、また、通電量増減用スイッチCT1とダイオードD1aとの順番を入れ替えている。つまり、電流逆流防止用ダイオードD1aを、通電量増減用スイッチCT1と通電経路追加用抵抗25との間の経路に設けている。
【0107】
ここで、8つの通電量増減回路ZK0〜ZK7のうち、通電量増減回路ZK1を代表に挙げて説明すると、まず図9(B−1)の例では、通電量増減用スイッチCT1として、NチャネルMOSFETを用いている。
そして、遅延回路DLY1として、比較器CP1の出力信号c1を積分する抵抗30及びコンデンサ31からなるフィルタ回路Fと、該フィルタ回路Fの出力e1を矩形波に整形して、その波形整形した信号f1により通電量増減用スイッチCT1としてのMOSFETをオン/オフさせる比較器32(波形整形回路に相当)とを備えている。
【0108】
そして更に、比較器32は、フィルタ回路Fの出力e1と所定の基準電圧Vref(但し、0<Vref<VD)とを大小比較して、図9(B−2)に示すように、「e1≦Vref」ならば、上記MOSFETのゲートへの信号f1をハイレベルにして該MOSFETをオンさせ、「e1>Vref」ならば、上記MOSFETのゲートへの信号f1をローレベルにして該MOSFETをオフさせる。
【0109】
そして、このような構成によれば、信号ラインL1の電圧が判定電圧Vjよりも高い電圧であることが比較器CP1によって検知されてから(即ち、比較器CP1の出力信号c1がハイレベルに変化してから)通電量増減用スイッチCT1をオフさせるまでの遅延時間t1を、抵抗30又はコンデンサ31の定数によって容易に長くすることができる。しかも、通電量増減用スイッチCT1としてのMOSFETを確実且つ完全にオン/オフさせることができる。
【0110】
つまり、例えば、フィルタ回路Fの出力e1をそのままMOSFETのゲートへ入力すると、そのMOSFETに流れる電流量がリニアに変わってしまって該MOSFETがオン/オフスイッチとして働かず、酸化皮膜除去のための十分な電流を流せない可能性が生じてしまう。また、そのMOSFETでの発熱量が大きくなってしまうという可能性も生じる。これに対して、フィルタ回路Fの出力e1を比較器32により波形整形してMOSFETを駆動するように構成すれば、そのような可能性を全て排除することができるのである。
【0111】
尚、比較器32の非反転入力端子に供給する基準電圧Vrefは、抵抗23,24と同様の分圧抵抗などによって生成すれば良い。また、抵抗23,24によって生成した判定電圧Vjを、基準電圧Vrefとして比較器32に供給するようにしても良い。
【0112】
一方、通電量増減用スイッチCT*としては、例えばPチャネルMOSFETを用いても良く、その場合には、比較器32の入力端子を逆にして、フィルタ回路Fの出力e1を比較器32の非反転入力端子(+端子)に入力すると共に、基準電圧Vrefを比較器32の反転入力端子(−端子)に入力すれば良い。また、通電量増減用スイッチCT*としては、MOSFETに限らず、バイポーラトランジスタを用いることもできる。
【0113】
次に、図10は、第4実施形態のECU40を表す構成図である。尚、図10において、図6と同じものについては、同一の符号を付している
本第4実施形態のECU40は、第3実施形態のECU22と比較すると、デジタル入力信号処理装置として、入力信号処理回路5の代わりに、入力信号処理回路6を備えている。
【0114】
そして、本第4実施形態の入力信号処理回路6は、8個の各スイッチ手段SW0〜SW7を介して接地電位に夫々接続される各信号ラインL0〜L7の電圧であるローアクティブ型の8つのスイッチ信号を、マイコン3に入力させるものである。つまり、本第4実施形態では、接地電位がアクティブレベルの電圧に相当し、電源電圧VDがパッシブレベルの電圧に相当している。尚、本入力処理回路6もIC化されている。
【0115】
ここで、本第4実施形態の入力処理回路6は、図6の入力信号処理回路5に対して、下記の(1)〜(6)の点が異なっている。
(1)通電経路追加用抵抗25の一端と、各通電量増減回路ZK*の電圧安定化用抵抗R*の一端とが、接地電位ではなく、電源電圧VDに接続されている。
【0116】
(2)各通電量増減回路ZK*のダイオードD*aとダイオードD*bとが、両方共に図6と逆向きに設けられている。つまり、両ダイオードD*a,D*bは、スイッチ手段SW*の方を順方向として設けられている。
(3)各通電量増減回路ZK*から遅延回路DLY*が削除されている。
【0117】
このため、各通電量増減回路ZK*の通電量増減用スイッチCT*は、比較器CP*の出力信号c*がハイレベルに相当する電源電圧VDである時にオンして、信号ラインL*をダイオードD*aを介して通電経路追加用抵抗25に接続させ、比較器CP*の出力信号c*がローレベルに相当する0Vである時にオフして、信号ラインL*を通電経路追加用抵抗25から切り離すこととなる。
【0118】
(4)マルチプレクサ26の0番目から7番目までの各入力端子には、各電圧安定化用抵抗R*の電源電圧VD側とは反対側の端部が、0番目の信号ラインL0に対応するものから順に夫々接続されている。
(5)バッファ回路27の代わりに、比較器42を備えており、その比較器42の非反転入力端子が、マルチプレクサ26の出力端子に接続されている。
【0119】
(6)そして更に、電源電圧VDと接地電位との間に直列に接続された2つの抵抗43,44を追加して備えており、その両抵抗43,44の接続点に生じる電圧が、上記比較器42の反転入力端子に、しきい値電圧Vthとして入力されている。尚、本第4実施形態において、上記しきい値電圧Vthは、電源電圧VDの半分の電圧(=VD/2)に設定されているが、各通電量増減回路ZK*の比較器CP*に入力される判定電圧Vjは、そのしきい値電圧Vthよりも低い電圧(即ち、接地電位寄りの電圧)に設定されている。
【0120】
そして、比較器42は、非反転入力端子の電圧(即ち、マルチプレクサ26の出力端子の電圧であって、各電圧安定化用抵抗R0〜R7のうちの何れかの電源電圧VD側とは反対側の端部の電圧)がしきい値電圧Vthよりも高ければ、マイコン3へハイレベルに該当する5Vの電圧信号を出力し、逆に、非反転入力端子の電圧がしきい値電圧Vthよりも高くなければ、マイコン3へローレベルに該当する0Vの電圧信号を出力する。
【0121】
以上のような本第4実施形態の入力信号処理回路6において、各信号ラインL*は、その各々に対して設けられた電圧安定化用抵抗R*を介して常時電源電圧VDに接続(即ちプルアップ)された状態となっている。このため、各信号ラインL*のスイッチ手段SW*がオフ状態であれば、その信号ラインL*の電圧は電源電圧VDに安定される。
【0122】
また、例えばスイッチ手段SW1がオフされている場合には、図10のa1点の電圧(即ち、電圧安定化用抵抗R1の電源電圧VD側とは反対側の端部の電圧)が電源電圧VDであり、比較器CP1の出力信号c1がハイレベルとしての電源電圧VDとなるため、通電量増減用スイッチCT1がオン状態になっている。
【0123】
ここで、この状態からスイッチ手段SW1がオンされたとすると、そのスイッチ手段SW1には、「電源電圧VD→通電経路追加用抵抗25→通電量増減用スイッチCT1→ダイオードD1a→スイッチ手段SW1」という第1の電流経路と、「電源電圧→電圧安定化用抵抗R1→ダイオードD1b→スイッチ手段SW1」という第2の電流経路との、2つの電流経路で電流が流れることとなる。
【0124】
また、スイッチ手段SW1がオンされると、図10のa1点の電圧が、最終的にはほぼ0V(詳しくは「0+約0.7V」)まで低下するが、そのa1点の電圧が判定電圧Vjよりも低くなると、そのことが比較器CP1にて検知されて該比較器CP1の出力信号c1がローレベルになる。
【0125】
そして、このように比較器CP1の出力信号c1がローレベルになると、通電量増減用スイッチCT1がオフされ、その結果、上記第1の電流経路が遮断される。このため、オンされたスイッチ手段SW1及び信号ラインL1には、電圧安定化用抵抗R1のみを介して電流が流れるようになり、通電経路追加用抵抗25には電流が流れなくなるため、その抵抗25での消費電力及び発熱が抑えられることとなる。
【0126】
また、その後、スイッチ手段SW1がオフされると、図10のa1点の電圧が電源電圧VDまで上昇して、比較器CP1の出力信号c1がローレベルからハイレベルになり、通電量増減用スイッチCT1がオン状態に戻ることとなる。
尚、以上のことは、スイッチ手段SW1についてだけではなく、他の7つのスイッチ手段SW0,SW2〜SW7についても全く同様である。
【0127】
そして更に、本第4実施形態の入力信号処理回路6では、マイコン3からデータ値がi(但しiは0〜7)の3ビットパラレルデータを与えれば、そのi番目の信号ラインLiの電圧(詳しくは、その信号ラインLiの電圧安定化用抵抗Riの電源電圧VD側とは反対側の端部の電圧)がマルチプレクサ26により選択されて比較器42に入力され、その結果、i番目の信号ラインLiの電圧が、比較器42によりしきい値電圧Vthと大小比較されて5V又は0Vの電圧信号に変換され、その電圧信号がマイコン3へと出力されることとなる。
【0128】
よって、マイコン3からの3ビットパラレルデータにより、各信号ラインL*の電圧を1つずつ切り替えて比較器42に入力させることで、各信号ラインL0〜L7の電圧をしきい値電圧Vthとの大小比較により二値化した5V又は0Vの電圧信号を、マイコン3へと順次出力させることができる。尚、マルチプレクサ26の切替え方法や、マイコン3が当該入力信号処理回路6からの電圧信号を読み取るタイミングは、前述した第3実施形態と同様でよい。
【0129】
以上のような本第4実施形態の入力信号処理回路6においても、スイッチ手段SW*がオンされた直後には、そのスイッチ手段SW*に、電圧安定化用抵抗R*だけでなく、通電経路追加用抵抗25を介して大きな電流が流れ、そのスイッチ手段SW*の信号ラインL*の電圧(本実施形態では、電圧安定化用抵抗R*の電源電圧VD側とは反対側の端部の電圧)が判定電圧Vjよりも低くなると、その信号ラインL*の通電量増減用スイッチCT*がオフして、その信号ラインL*と通電経路追加用抵抗25との接続が遮断される。
【0130】
そして、本第4実施形態の入力信号処理回路6によっても、第3実施形態と同様の効果を得ることができるが、その効果を、特に遅延回路DLY*を設けることなく確実に実現することができる。
つまり、本第4実施形態では、各比較器CP*の判定電圧Vjを、比較器42のしきい値電圧Vthよりも低い電圧(即ち、接地電位寄りの電圧)に設定しているため、信号ラインL*のスイッチ手段SW*がオンされてから、その信号ラインL*についてのマイコン3への電圧信号がレベル変化するまでのレスポンスを特に悪化させることなく、その信号ラインL*のスイッチ手段SW*がオンされてから通電量増減用スイッチCT*がオフされるまでの時間(即ち、スイッチ手段SW*に大きな電流を流す期間)を長くすることができ、十分な酸化被膜除去効果を発揮することができるからである。
【0131】
尚、本第4実施形態の入力信号処理回路6においても、ダイオードD*bは削除可能であるが、電流逆流防止用ダイオードD*aは必須である。つまり、図10において、例えば、ダイオードD1a,D2aが無いとすると、スイッチ手段SW1がオフの状態で、スイッチ手段SW2がオンされると、そのオンの瞬間に、「電源電圧VD→電圧安定化用抵抗R1→ダイオードD1b→通電量増減用スイッチCT1→通電量増減スイッチCT2→スイッチ手段SW2」といった経路で電流が流れ、その結果、信号ラインL1の電圧(具体的には、a1点の電圧)が、スイッチ手段SW1=オフであるにも拘わらず、ローレベルとみなされる電圧にまで低下してしまうからである。
【0132】
一方、第4実施形態の各入力信号処理回路6においても、第3実施形態と同様に、各比較器CP*の出力信号c*を所定の遅延時間だけ遅延させて通電量増減用スイッチCT*に出力する遅延回路を設け、比較器CP*の出力信号c*がローレベルに変化してから該遅延回路による遅延時間が経過した時に、通電量増減用スイッチCT*がオフされるように構成しても良い。そして、このように構成すれば、酸化被膜除去効果をより確実に発揮することができるようになる。
【0133】
また、第4実施形態の入力信号処理回路6を、ハイアクティブ型のスイッチ信号をマイコン3に入力させるものに変更するのであれば、通電経路追加用抵抗25の一端と、各通電量増減回路ZK*の電圧安定化用抵抗R*の一端とを、接地電位に接続すると共に、各通電量増減回路ZK*のダイオードD*aとダイオードD*bとを、両方共に図10とは逆向きに設ければ良い。そして、この場合、各通電量増減回路ZK*の比較器CP*に入力される判定電圧Vjは、比較器42のしきい値電圧Vthよりも高い電圧(即ち、電源電圧VD寄りの電圧)に設定すれば良い。また更に、この場合、第3実施形態の遅延回路DLY*と同様の遅延回路を設けても良い。
【0134】
次に、図11は、第5実施形態のECU50を表す構成図である。尚、図11において、前述した各図と同じものについては同一の符号を付している。
即ち、本第5実施形態のECU50では、ハイアクティブ型の16個のスイッチ信号をマイコン3に入力させるために、図6の入力信号処理回路5と、図1の入力信号処理回路2とを備え、更に、ローアクティブ型の16個のスイッチ信号をマイコン3に入力させるために、図5の入力信号処理回路4と、図10の入力信号処理回路6とを備えている。そして、このECU50では、マイコン3からの3ビットパラレルデータが各入力信号処理回路2,4,5,6へ共通に入力されると共に、各入力信号処理回路2,4,5,6からの電圧信号がマイコン3へ夫々入力されるようになっている。
【0135】
このような第5実施形態によれば、マイコン3が32個のスイッチ信号を入力するのに必要な該マイコン3の使用ポート数を、7個(4つの入力ポートと、3ビットパラレルデータを出力するための3つの出力ポート)にまで削減することができる。
【0136】
尚、図11の例では、入力信号処理回路2,4の各々にも、接点を有すると共に該接点に酸化皮膜が発生する虞があるスイッチ手段の信号ラインが接続される可能性があるため、その各入力信号処理回路2,4の電圧安定化用抵抗11の抵抗値を、酸化皮膜を除去可能な値(例えば500Ω)に設定している。
【0137】
また、図11のECU50において、点線で囲んだ4つの入力信号処理回路2,4,5,6からなる部分は、1つのパッケージでIC化しても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0138】
例えば、第3及び第4実施形態の各入力信号処理回路5,6において、比較器CP*の非反転入力端子と電圧安定化用抵抗R*とを結ぶ信号経路に、電流制限用の抵抗(図1,図5の抵抗14と同様のもの)を挿入しても良い。
また、第3実施形態の入力信号処理回路5において、マルチプレクサ26を削除すると共に、各通電量増減回路ZK*毎にバッファ回路27と同様のバッファ回路を設け、その8個の各バッファ回路に、該当する通電量増減回路ZK*の比較器CP*の出力信号c*を入力して、その各バッファ回路の出力信号がパラレルにマイコン3へと出力されるように構成しても良い。
【0139】
同様に、第4実施形態の入力信号処理回路6において、マルチプレクサ26を削除すると共に、各通電量増減回路ZK*毎に比較器42と同様の比較器を設け、その8個の各比較器の非反転入力端子に、該当する通電量増減回路ZK*の電圧安定化用抵抗R*の電圧(詳しくは、電源電圧VD側とは反対側の端部の電圧)を入力して、その各比較器の出力信号がパラレルにマイコン3へと出力されるように構成しても良い。
【0140】
また、第3及び第4実施形態の入力信号処理回路5,6において、各比較器CP*の出力信号は、シリアル通信によってマイコン3へ送信するように構成しても良い。つまり、各比較器CP*での比較結果をシリアル通信の信号に変換してマイコン3へ出力するように構成しても良い。そして、この場合には、各信号ラインL*の電圧状態(詳しくは、電圧状態の情報)がシリアル通信データの形でマイコン3へ出力されることとなる。
【0141】
一方、第3及び第4実施形態の各入力信号処理回路5,6において、マイコン3が、電源電圧VDをハイレベルとした信号を入力することができる場合(即ち、マイコン3がバッテリ電圧を入力可能である場合、或いは、電源電圧VDがバッテリ電圧ではなく5Vである場合)には、各電圧安定化用抵抗R*に生じる電圧(各信号ラインL*の電圧に相当)を、各信号ラインL*の電圧状態として、マイコン3へ出力するように構成すれば良い。尚、この場合、その各信号ラインL*の電圧は、パラレルに出力しても良いし、マルチプレクサ26を介して出力するようにしても良い。
【0142】
また、第1〜第4実施形態の各入力信号処理回路2,4,5,6は、8つの信号ラインの電圧をスイッチ信号としてマイコンに入力させるものであったが、信号ラインの数は、8つに限らず2以上であれば良い。
そして更に、マイコン3からの選択信号は、3ビット以外でも良く、また、シリアル信号であっても良い。
【0143】
また、前述した各実施形態において、情報処理用ICとしては、マイコンに限らず、例えば、予め決められた処理を行う専用のハードウェアを有したIC(いわゆるASIC)等でも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のECU(電子制御装置)を表す構成図である。
【図2】第1実施形態の入力信号処理回路におけるマルチプレクサの切替え方法を表すタイムチャートである。
【図3】第1実施形態の入力信号処理回路におけるマルチプレクサの、他の切替え方法を表すタイムチャートである。
【図4】第1実施形態の変形例を説明する説明図である。
【図5】第2実施形態のECUを表す構成図である。
【図6】第3実施形態のECUを表す構成図である。
【図7】第3実施形態の入力信号処理回路の作用を表すタイムチャートである。
【図8】通電量増減回路に電流逆流防止用ダイオードを設けない場合の問題を表す説明図である。
【図9】遅延回路の構成例を表す構成図である。
【図10】第4実施形態のECUを表す構成図である。
【図11】第5実施形態のECUを表す構成図である。
【図12】従来のデジタル入力信号処理装置を表す構成図である。
【符号の説明】
L0〜L7(L*)…信号ライン、SW0〜SW7(SW*)…スイッチ手段、2,4,5,6…入力信号処理回路、3…マイコン、10,20,22,40,50…ECU(電子制御装置)、11,R0〜R7(R*)…電圧安定化用抵抗、25…通電経路追加用抵抗、12,13,14,23,24,30,43,44…抵抗、31…コンデンサ、F…フィルタ回路、17,26…マルチプレクサ、27…バッファ回路、ZK0〜ZK7(ZK*)…通電量増減回路、CT0〜CT7(CT*)…通電量増減用スイッチ、16,CP0〜CP7(CP*),32,42…比較器、D0a〜D7a(D*a)…電流逆流防止用ダイオード、15,D0b〜D7b(D*b)…ダイオード

Claims (8)

  1. 基準電圧と該基準電圧よりも高い電源電圧との何れかであるアクティブレベルの電圧にスイッチ手段を介して接続される複数の各信号ラインの電圧を、前記基準電圧と前記電源電圧との間の所定電圧をハイレベルとし前記基準電圧をローレベルとした二値の電圧信号に変換して、情報処理用ICへ出力するデジタル入力信号処理装置であって、
    出力端子と前記複数の各信号ラインが夫々接続される複数の入力端子とを有し、前記複数の入力端子のうち、前記情報処理用ICからの選択信号により指示される1つの入力端子を選択して前記出力端子に接続させる選択手段と、
    前記基準電圧と前記電源電圧とのうち、前記アクティブレベルの電圧ではない方の電圧(以下、パッシブレベルの電圧という)と、前記選択手段の出力端子との間に接続された電圧安定化用抵抗と、
    該電圧安定化用抵抗の前記パッシブレベルの電圧側とは反対側の端部の電圧を、前記基準電圧と前記電源電圧との間のしきい値電圧と大小比較することにより前記二値の電圧信号に変換して、前記情報処理用ICへ出力する二値化手段と、
    を備えていることを特徴とするデジタル入力信号処理装置。
  2. 請求項1に記載のデジタル入力信号処理装置において、
    前記選択手段の複数の入力端子のうちの少なくとも1つは、前記パッシブレベルの電圧に常時接続されているか、或いはオープン状態であること、
    を特徴とするデジタル入力信号処理装置。
  3. 基準電圧と該基準電圧よりも高い電源電圧との何れかであるアクティブレベルの電圧にスイッチ手段を介して接続される複数の各信号ラインの電圧状態を、情報処理用ICへ出力するデジタル入力信号処理装置であって、
    前記基準電圧と前記電源電圧とのうち、前記アクティブレベルの電圧ではない方の電圧(以下、パッシブレベルの電圧という)に一端が接続された通電経路追加用抵抗を備えると共に、
    前記複数の各信号ライン毎に、
    当該信号ラインと前記通電経路追加用抵抗の前記パッシブレベルの電圧側とは反対側の端部との間に直列に接続された通電量増減用スイッチング手段と、
    当該信号ラインと前記パッシブレベルの電圧との間に接続されると共に、前記通電経路追加用抵抗よりも抵抗値が大きい電圧安定化用抵抗と、
    当該信号ラインの電圧を監視して、その監視対象電圧が前記基準電圧と前記電源電圧との間の判定電圧よりも前記アクティブレベルの電圧寄りの電圧でなければ前記通電量増減用スイッチング手段をオンさせ、前記監視対象電圧が前記判定電圧よりも前記アクティブレベルの電圧寄りの電圧であることを検知すると前記通電量増減用スイッチング手段をオフさせる切替制御手段と、
    当該信号ラインと前記通電量増減用スイッチング手段との間、或いは、前記通電量増減用スイッチング手段と前記通電経路追加用抵抗との間に直列に接続され、当該信号ライン以外の他の信号ラインのスイッチ手段がオンされた時にそのスイッチ手段を介して当該信号ラインの前記電圧安定化用抵抗に電流が流れてしまうのを防止する電流逆流防止用整流素子と、を夫々備えていること、
    を特徴とするデジタル入力信号処理装置。
  4. 請求項3に記載のデジタル入力信号処理装置において、
    当該装置は、
    前記複数の各信号ラインの電圧を、前記基準電圧と前記電源電圧との間のしきい値電圧と大小比較することにより、前記基準電圧と前記電源電圧との間の所定電圧をハイレベルとし前記基準電圧をローレベルとした二値の電圧信号に変換し、その二値の電圧信号を前記各信号ラインの電圧状態として前記情報処理用ICへ出力するように構成されていること、
    を特徴とするデジタル入力信号処理装置。
  5. 請求項4に記載のデジタル入力信号処理装置において、
    前記判定電圧と前記しきい値電圧とが同じであると共に、
    前記切替制御手段は、前記監視対象電圧が前記判定電圧よりも前記アクティブレベルの電圧寄りの電圧であることを検知している場合とそうでない場合とで電圧が互いに異なる信号を出力するようになっており、
    更に、当該装置は、前記切替制御手段から出力される信号を前記二値の電圧信号として前記情報処理用ICへ出力するか、或いは、前記切替制御手段から出力される信号を前記二値の電圧信号にレベル変換して前記情報処理用ICへ出力するように構成されていること、
    を特徴とするデジタル入力信号処理装置。
  6. 請求項4に記載のデジタル入力信号処理装置において、
    前記判定電圧は、前記しきい値電圧よりも、前記アクティブレベルの電圧寄りの電圧に設定されていること、
    を特徴とするデジタル入力信号処理装置。
  7. 請求項3ないし請求項6の何れか1項に記載のデジタル入力信号処理装置において、
    前記切替制御手段は、前記監視対象電圧が前記判定電圧よりも前記アクティブレベルの電圧寄りの電圧であることを検知してから所定の遅延時間の経過後に、前記通電量増減用スイッチング手段をオフさせるように構成されていること、
    を特徴とするデジタル入力信号処理装置。
  8. 請求項7に記載のデジタル入力信号処理装置において、
    前記通電量増減用スイッチング手段は、トランジスタであり、
    前記切替制御手段は、
    前記監視対象電圧が前記判定電圧よりも前記アクティブレベルの電圧寄りの電圧であるか否かを検知する手段として、前記監視対象電圧と前記判定電圧とを大小比較する比較器を備え、
    前記遅延時間を設ける遅延手段として、前記比較器の出力信号を積分する抵抗及びコンデンサからなるフィルタ回路と、該フィルタ回路の出力を矩形波に整形して、その波形整形した信号により前記通電量増減用スイッチング手段としてのトランジスタをオン/オフさせる波形整形回路と、を備えていること、
    を特徴とするデジタル入力信号処理装置。
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