JP2004205777A - 光学フィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜厚により光学特性が変化する傾斜膜上に反射防止効果等を有する膜を形成する必要がある。
【解決手段】基板a上に、膜厚に応じて光学特性が変化する傾斜膜bを蒸着形成した後、該傾斜膜上に、膜厚が略均一な反射防止効果等を有する膜dを蒸着形成して、光学フィルタを製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】基板a上に、膜厚に応じて光学特性が変化する傾斜膜bを蒸着形成した後、該傾斜膜上に、膜厚が略均一な反射防止効果等を有する膜dを蒸着形成して、光学フィルタを製造する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラ等の撮像装置やレンズ装置といった光学機器に用いられるNDフィルタ等の光学フィルタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮像装置やレンズ装置には、銀塩フィルム又はCCD等の固体撮像素子への入射光量を制御するために光量調節装置が設けられており、被写体が明るい場合には絞り羽根によって形成される絞り開口を小さく絞り込み、撮像面への入射光量が過大となるのを抑える。
【0003】
また、このような光量調節装置では、図17に示すように、1つの絞り羽根4aに光量を減衰させることができるフィルム状のND(neutral density )フィルタ7bを取り付け、撮像面に到達する光量が同じでも、絞り開口7aの面積が大きくなるようにすることにより、いわゆる小絞り回折による解像力の低下を防止している。
【0004】
但し、透過率の低い(濃度の濃い)NDフィルタを使用すると、図17に示すように、NDフィルタ7bと絞り羽根4bとで小絞り状態と同様の状況が発生する。また、絞り開口7aのうちNDフィルタ7bにより覆われている部分が大きいと、いわゆる片絞りとなり、撮像面の周辺部で光量差が生じ、シェーディングの原因となる。
【0005】
その対策として、図18に示すように、NDフィルタ8において、透過率の高い(濃度の薄い)領域8aと、透過率の低い(濃度の濃い)領域8bとを設けることにより、小絞りになるにつれて透過率を低くする構成としている。これにより、絞り開口をNDフィルタが覆う直前での解像力の低下が少なくなり、片絞り現象も改善できる。
【0006】
このようにNDフィルタにおける透過率を変化させたものとしては、以下の特許文献1〜3にて提案されているものがある。
【0007】
特許文献1では、均一な透過率に設定された第1の濃度領域と、第1の濃度領域から連続的に透過率が変化する第2の濃度領域とを有するNDフィルタが提案されている。
【0008】
また、特許文献2では、段階的もしくは連続的に透過率が変化するNDフィルタを用いて、解像力低下を防止した光量調節装置が提案されている。
【0009】
このように、透過率が変化するNDフィルタの製造方法には様々なものがあるが、このうち薄膜の蒸着によるNDフィルタの製造方法に関しては、特許文献3にて提案されているものがある。
【0010】
特許文献3には、蒸着マスクを回転させて、真空蒸着法により、フィルタ基板上に略楕円形の金属薄膜をその中心部から外周部に向かって透過率が連続的に高くなるように形成したグラデーションNDフィルタの製造方法が提案されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平4−77349号公報
【特許文献2】
特開平8−43878号公報
【特許文献3】
特開平11−38206号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
誘電体膜の多層膜の膜厚に傾斜を持たせ、透過率が連続的に変化するグラデーションNDフィルタにおいて、光の吸収性を有する誘電体物質には、例えば、TiOx(x=1〜2)が使われている。TiOx(以下、誘電体物質Aとする)は不完全な酸化物のため、空気に触れると酸化し、透過率が変化してしまう。このため、上記製造方法によりグラデーションNDフィルタを製造する際には、透過率を制御するための領域の空気側に接する最外層に酸化防止効果を狙った保護膜および反射防止膜としての誘電体物質(例えば、SiO2 :以下、誘電体物質Bとする)を一度で蒸着する必要がある。
【0013】
しかしながら、上記製造方法により反射防止膜を蒸着すると、反射防止膜までも傾斜膜となってしまうため、グラデーションNDフィルタの透過率の高い部分(濃度の濃い部分)から透過率の低い部分(濃度の薄い部分)の全領域にわたり、十分な反射防止効果を得ることができない。
【0014】
本発明は、高い反射防止効果等を有する膜を最外層に有する光学フィルタの製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の光学フィルタの製造方法は、基板上に、膜厚に応じて光学特性が変化する傾斜膜を蒸着形成する工程と、該傾斜膜上に、膜厚が略均一な膜を蒸着形成する工程とを含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施形態を説明する前に、従来のグラデーションNDフィルタのうち、透過率制御を行うため傾斜膜部分を有する第1領域上に、反射防止効果を備えた傾斜膜部分を有する第2領域を形成し、該第2領域の膜厚補正(反射防止補正)が施されていないグラデーションNDフィルタを図14を用いて説明する。
【0017】
図14中のaは透明基板であり、ガラス、合成樹脂材などが選ばれる。bは透過率を制御するための第1領域であり、透明基板a上に誘電体物質を多層に蒸着して形成されている。
【0018】
この第1領域bには、光吸収性を有する不完全な酸化物である誘電体物質AとしてTiO,CeO2 、HfO2 などが使用されている。これらの物質は、酸化の度合いを変えることで透過率を操作することができる。
【0019】
また、誘電体物質Bとしては、Al2O3,SiO2 ,MgF2 があり、光吸収性を有する不完全な酸化物である誘電体物質Aと共に多層に蒸着することで、第1領域bにおいて反射防止効果を得ることができ、透過率も制御できる。
【0020】
金属膜と誘電体を用いた多層膜は従来あり、金属膜を含む多層膜とすることにより、膜厚勾配を形成するのは容易であるが、第1領域bにおける反射光を制御することは難しい。このため、反射光を制御することが容易である誘電体物質のみで多層膜を構成することが望ましい。
【0021】
cは反射防止補正を施していない保護膜である第2領域を示している。透過率を制御する第1領域bの空気側に接する最終層の上には、反射防止を制御する第2領域cとして誘電体物質Bを蒸着する。光吸収性を有する不完全な酸化物である誘電体物質Aは空気に触れると酸化してしまうため、最終層の上には誘電体物質Bを反射防止効果を有する保護膜として蒸着している。
【0022】
蒸着技術を用いてグラデーションNDフィルタを製造した場合には、反射防止効果を制御する誘電体膜も傾斜形状になってしまうため、第1領域bの透過率の低い(濃度の濃い)部分から透過率の高い(濃度の薄い)部分の全領域にわたって十分な反射防止特性を得ることができない。すなわち、反射防止補正を施していない図14のようなグラデーションNDフィルタでは、膜厚勾配の表面で反射される光量が大きく、撮影画像にゴースト、フレアが発生し、画像の品位が落ちることになる。
【0023】
図15および図16には、反射防止効果を制御する最終層の第2領域cに膜厚補正(反射防止補正)を施さないグラデーションNDフィルタの設計特性を示している。図15は、評価波長域400nm〜800nm間における透過特性を示し、図16は評価波長域400nm〜800nm間における反射特性を示している。設計特性は、グラデーションNDフィルタの膜厚に対して、4点を表示している。グラフの1,2,3,4はグラデーションNDフィルタの最大膜厚に対して、膜厚比率1,0.5,0.75,0.125 での透過特性、反射特性を示している。
【0024】
誘電体膜の多層膜である第1領域bにより透過率が制御されているため、透過特性に関しては評価波長全域に渡って均一な透過特性になっている。一方、反射特性に関しては、第2領域cに反射防止補正を施していないため、大きな反射が発生している。
【0025】
次に、透過率制御を行う第1傾斜膜領域上に形成された、反射防止効果を有する第2傾斜膜領域に対して膜厚補正(反射防止補正)が施された本発明に係るグラデーションNDフィルタおよびその製造方法について説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1には、上記反射防止補正が施されたグラデーションNDフィルタの完成状態を示している。図中のa〜cは、図14に示した反射防止補正が施されていないグラデーションNDフィルタにおけるa〜cと同じで、透明基板、透過率制御を行う第1傾斜膜領域、反射防止効果を有する第2傾斜膜領域である。
【0027】
本実施形態では、まず、上記反射防止補正が施されたグラデーションNDフィルタと同様に、透明基板a上に、傾斜膜部分を有する第1領域bを蒸着形成する。このとき、後述する蒸着マスクを用いることにより傾斜膜部分がを形成する。
【0028】
次に、上記蒸着マスクをそのまま用いて、図2に示すように、反射防止効果を有する酸化防止保護膜として、傾斜膜部分を有する第2領域(第2の傾斜膜)cを第1領域b上に蒸着形成する。この状態では、第2領域cの膜厚は、第1領域bと同様に、図中左方向に向かって漸次減少している。また、図2において、Mは蒸着マスクであり、マスクM中の矢印は、該マスクMを通して蒸着した傾斜膜の膜厚が減少する方向を示している。
【0029】
次に、図3に示すように、蒸着マスクはそのままとし(図3中の矢印は、蒸着マスクMを通して蒸着した傾斜膜の膜厚が減少する方向を示している)、透明基板aを、第1領域bおよび第2領域cの蒸着時とは反対向きに置き直して、再度、誘電体物質Bを蒸着し、反射防止効果を有する第3領域(第3の傾斜膜)dを形成する。
【0030】
第3領域dの膜厚は、第1および第2領域b,cの膜厚が減少する方向とは反対方向に減少する。このため、透過率を制御する第1領域b上に、合計の膜厚が略均一である第2および第3領域c,dを蒸着することができ、第2領域cの膜厚補正を行わない場合に比べて、高い反射防止効果を得ることができる。
【0031】
図4および図5には、本実施形態のグラデーションNDフィルタの設計特性を示している。図4は、評価波長域400nm〜800nm間における透過特性を示し、図5は評価波長域400nm〜800nm間における反射特性を示している。設計特性は、グラデーションNDフィルタの膜厚に対して、4点を表示している。グラフの1,2,3,4はグラデーションNDフィルタの最大膜厚に対して、膜厚比率1,0.5,0.75,0.125 での透過特性、反射特性を示している。
【0032】
誘電体膜の多層膜である第1領域bにより透過率が制御されているため、透過特性に関しては評価波長全域に渡って均一な透過特性になっている。さらに、反射特性に関しても、第2領域c上に第3領域dを形成して反射防止補正を施したため、該反射防止補正を施していない場合(図16参照)に比べて大幅に反射が抑制されている。
【0033】
図6および図7には、上記実施形態1にて説明したグラデーションNDフィルタの製造装置である真空蒸着装置を示している。
【0034】
これらの図において、20aは真空蒸着装置の本体としての蒸着釜である。20bは蒸着釜20aの真空引きや排気を行うための排気口、20cは電子銃の蒸着源、20dは基板加熱用のヒータである。また、20eは透過用光源、20fは反射用光源、20gは受光部である。
【0035】
さらに、20hは被蒸着透明基板(透明基板a)、20iは膜厚制御用のモニタ基板、20jは被蒸着基板用の支持傘、20kは蒸着マスク用の支持傘、20lは蒸着時に被蒸着透明基板20hに対向した位置に配置される蒸着マスク、20mは蒸着マスク20lの開口部である。図21は蒸着マスク20lおよび支持傘20kを上方から見た図である。
【0036】
図7に示すように、三角形状の開口部20mが形成された蒸着マスク20lは、マスク用の支持傘20k上に配置される。支持傘20kはこの状態で図中の矢印方向に、不図示のモータ等によって回転駆動可能である。
【0037】
蒸着釜20a内が所定の真空状態とされた後、蒸着源20cから発せられて被蒸着透明基板20h(透明基板a)に向かう蒸着物質は、蒸着マスク20lの開口部20mを通過して被蒸着透明基板20hに蒸着される。
【0038】
蒸着マスク20lの開口部20mは、図7に示す状態では、マスク用支持傘20kの中心から外側に向かうにつれて開口幅が小さくなる三角形状に形成されているため、被蒸着透明基板20hには、マスク用支持傘20kの内側から外側に向かって膜厚が小さくなる傾斜膜が形成される。この状態で、透明基板a上には第1領域bおよび第2領域cが蒸着形成されることになる。
【0039】
なお、図6および図7には1つの蒸着マスク20lしか示していないが、実際の装置では、蒸着マスク20lを支持傘20k上に同心円上に多数配置するとともに、被蒸着基板用の支持傘20j上にも同数の被蒸着透明基板20hを配置し、一度に多数のグラデーションNDフィルタを製造することが可能となっている。
【0040】
また、透過用光源20e,反射用光源20fおよび受光部20gにより光学制御装置が構成されており、モニタ基板20iからの透過光および反射光の単波長および可視域波長の分光強度に基づいて膜厚の制御を行っている。
【0041】
そして、第2領域cの蒸着が終了すると、蒸着釜20aの気圧を空気圧に戻し、蒸着釜20a開け、被蒸着透明基板20hを蒸着マスク20lに対して180°回転させる。このとき、蒸着マスク20lを被蒸着透明基板20hに対して180°回転させてもよい。これにより、蒸着マスク20lと被蒸着透明基板20hとの相対向きは、第1領域bおよび第2領域cの蒸着時とは反対になる。
【0042】
そして、再度、蒸着釜20a内を真空状態とし、第2領域c上に反射防止物質を蒸着して第3領域dを形成する。これにより、第2領域cの膜厚の減少方向と第3領域dの膜厚の減少方向とが反対となり、第2領域cと第3領域dにより構成される反射防止膜層の膜厚を略均一にすることができる。
【0043】
(実施形態2)
実施形態1では、蒸着釜20aを一度開けて(蒸着釜20a内を一旦大気圧に戻し)、再び真空状態として蒸着を行う場合について説明したが、このような工程を経ることなく、すなわち蒸着釜20a内を真空状態に保ったまま蒸着を完了すれば、蒸着工程に要する時間を短くすることができる。
【0044】
この場合、透過率を制御する第1領域bを蒸着した後に、不図示の機構によって支持傘20k上で蒸着マスク20lを又は支持傘20j上で被蒸着透明基板20hを180度回転させ、第1領域b上に反射防止物質を蒸着して第3領域dを形成すればよい。
【0045】
(実施形態3)
上記実施形態1,2では、透過率を制御する第1領域b上に、膜厚が減少する方向が互いに反対である第2および第3領域c,dを形成することで略均一な膜厚を有する反射防止膜を形成する場合について説明したが、第1領域bを蒸着した後に、例えば、図6および図7に示した蒸着マスク用の支持傘20kを回転させることによって、蒸着マスク20lを蒸着釜20a内で被蒸着透明基板20hに対向する位置から取り除き、第1領域b上に反射防止物質を蒸着する。
【0046】
これにより、図8に示すように、第1領域b上に、略均一な膜厚を有して反射防止効果の高い反射防止領域eを一度に形成することができる。なお、本実施形態により製造されるグラデーションNDフィルタの設計上の透過特性および反射特性は、図4および図5に示したのと同様である。
【0047】
次に、上記実施形態1〜3にて説明した方法により実際に製造したグラデーションNDフィルタの透過特性および反射特性について説明する。表1には、誘電体多層膜における各層の構成成分とその厚さを示している。
【0048】
【表1】
【0049】
表1に示すグラデーションNDフィルタは、誘電体物質による23層構成となっている。透明基板aとしてはPMMAプラスチック材を用いており、この透明基板a上に誘電体物質A(TiO,Ti2O3)と誘電体物質B(Al2O3,SiO2 )とを22層積層した多層膜を形成することで、透過率を制御する傾斜膜(第1領域b)が形成されている。また、23層目の最終層には、反射防止効果を有する誘電体物質Bとして、SiO2 が蒸着されている。
【0050】
図9には、実施形態1および実施形態2にて説明した方法により製造したグラデーションNDフィルタの評価波長域400nm〜800nm間における透過特性の実測値を、図10には、評価波長域400nm〜800nm間における反射特性の実測値を示している。これらの図のグラフに書かれている数値は、図11に示すように、第1領域bの膜厚の最も小さい点を始点(0mm)とし、この始点からの距離を示している。
【0051】
これら図9および図10から分かるように、実際に製造したグラデーションNDフィルタにおいても、図4に示した設計上の透過特性と同様に、評価波長全域に渡って均一な透過特性が得られる。また、反射特性に関しても、図5に示した設計上の反射特性と同様に、反射防止補正を施していない場合(図16参照)に比べて大幅に反射が抑制されている。
【0052】
図12には、上記各実施形態で説明したグラデーションNDフィルタを備えた撮像装置(光学機器)の構成を示している。
【0053】
この図において、18gは屈折系、反射系、回折系等によって構成されたレンズ装置、18aは開閉作動が可能な絞り羽根、18bはグラデーションNDフィルタ、18cは絞り羽根18aとグラデーションNDフィルタ18bとを備えた光量調節装置である。
【0054】
グラデーションNDフィルタ18bは、絞り羽根18aを絞り込むに従って光軸上を通る光線の透過率が低くなるように構成されている。
【0055】
例えば、図13(a)には、2枚の絞り羽根18aを有し、これら2枚の絞り羽根18aを相対的に移動させることにより絞り開口の面積が変化する光量調節装置を示している。
【0056】
この光量調節装置18cの一方の絞り羽根18aにグラデーションNDフィルタ18bが貼り付けられている。図13(a)において、2本の点線の交点Lは光軸を示し、光軸Lは図の紙面に垂直方向に延びている。
【0057】
図13(b),(c)は、図13(a)の状態から絞り開口を徐々に絞っていったときの様子を示す。光軸L上を通過する光量は、絞り開口を絞っていくにつれ小さくなっていく。
【0058】
このような配置にすることで、絞り開口のうちグラデーションNDフィルタ18bがない部分を通過する光量とグラデーションNDフィルタ18bがある部分を通過する光量との差が少なくなるため、撮影画面の光量むらの発生を防ぐことができる。
【0059】
図12において、18eはレンズ装置18gによって形成された被写体像を受光し電気信号に変換するCCDやCMOSセンサ等からなる撮像素子(光電変換素子)である。18fは撮像素子18eにより光電変換された被写体像の画像を記録する、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体である。以上により、グラデーションNDフィルタ18bを用いた撮像装置18hが構成される。
【0060】
なお、上記各実施形態では、透過率を制御する第1領域b上に、反射を防止する第2および第3領域c,dを蒸着形成したNDフィルタについて説明したが、本発明は、膜厚の変化により透過率以外の光学特性が変化する傾斜膜上に、膜厚が略均一である膜を形成するNDフィルタ以外の各種光学フィルタにも適用が可能である。
【0061】
また、上記各各実施形態は、以下に示す各発明を実施した場合の一例でもあり、下記の各発明は上記各実施形態に様々な変更や改良が加えられて実施されるものである。
【0062】
〔発明1〕 基板上に、膜厚に応じて光学特性が変化する第1の傾斜膜を蒸着形成する工程と、
前記第1の傾斜膜上に、膜厚が漸次減少する方向が互いに反対である第2および第3の傾斜膜を重ねて蒸着形成する工程とを含むことを特徴とする光学フィルタの製造方法。
【0063】
本発明によれば、第2および第3の傾斜膜の膜厚が減少する方向を互いに反対とすることにより、第1の傾斜膜を覆う保護膜や反射防止膜等としての第2および第3の傾斜膜の合計膜厚を略均一とすることができる。特に、第2および第3の傾斜膜を反射防止膜とする場合には、反射防止膜を傾斜膜とする場合に比べて高い反射防止効果が得られる。
【0064】
〔発明2〕 膜厚が漸次減少する傾斜膜を蒸着するためのマスクを用いた光学フィルタの製造方法であって、
基板上に、膜厚に応じて光学特性が変化する第1の傾斜膜を蒸着形成する工程と、
前記第1の傾斜膜上に、該第1の傾斜膜を覆う第2の傾斜膜を蒸着形成する工程と、
前記第2の傾斜膜上に、該第2の傾斜膜とは膜厚が減少する方向が反対である第3の傾斜膜を蒸着形成する工程とを含み、
前記第2の傾斜膜を蒸着する工程と前記第3の傾斜膜を蒸着する工程とで前記マスクと前記基板との相対向きを反対とすることを特徴とする光学フィルタの製造方法。
【0065】
〔発明3〕 前記第3の傾斜膜を形成する工程において、前記マスクと前記基板との相対向きを、前記第1および第2の傾斜膜を蒸着形成する工程とは反対とすることを特徴とする発明2に記載の光学フィルタの製造方法。
【0066】
これら発明2および発明3によれば、第2の傾斜膜を形成する工程と第3の傾斜膜とを形成する工程とでマスクと基板との相対向きを反対にするという簡易な作業を行うだけで、第1の傾斜膜を蒸着するためのマスクと同じマスクを用いて、第1の傾斜膜上に略均一の膜厚を有する保護膜や反射防止膜等を形成することができる。
【0067】
〔発明4〕 前記第1の傾斜膜が、膜厚に応じて光の透過率が変化する膜であり、
前記第2および第3の傾斜膜が反射防止膜であることを特徴とする発明1から3のいずれかに記載の光学フィルタの製造方法。
【0068】
〔発明5〕 前記マスクと前記基板との相対向きを反対とする作業を、前記基板および前記マスクが収容された蒸着容器内を真空に保った状態で行うことを特徴とする発明2又は3に記載の光学フィルタの製造方法。
【0069】
これにより、マスクと基板との相対向きを反対にするために蒸着容器内を大気圧にし、再び真空にして蒸着を行う場合に比べて、短時間で光学フィルタを製造することができる。
【0070】
〔発明6〕 前記第1から第3の傾斜膜を、誘電体物質の蒸着により形成することを特徴とする発明1から5のいずれかに記載の光学フィルタの製造方法。
【0071】
〔発明7〕 膜厚が漸次減少する傾斜膜を蒸着するためのマスクを用いた光学フィルタの製造方法であって、
基板に対向する位置に前記マスクを配置し、該基板上に、膜厚に応じて光学特性が変化する傾斜膜を蒸着形成する工程と、
前記基板に対向する位置から前記マスクを取り除き、前記傾斜膜を覆う略均一な膜厚を有する膜を蒸着形成する工程とを含み、
前記基板に対向する位置から前記マスクを取り除く作業を、前記基板および前記マスクが収容された蒸着容器内を真空に保った状態で行うことを特徴とする光学フィルタの製造方法。
【0072】
これにより、マスクを取り除くために蒸着容器内を大気圧にし、再び真空にして蒸着を行う場合に比べて、短時間で光学フィルタを製造することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板上に傾斜膜を蒸着形成した後、この傾斜膜を膜厚が略均一な膜で覆うことができる。特に、膜厚が略均一な膜を反射防止膜とする場合には、反射防止膜を傾斜膜とする場合に比べて高い反射防止効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である、膜厚補正を行ったグラデーションNDフィルタの概略図。
【図2】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタの製造方法の説明図。
【図3】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタの製造方法の説明図。
【図4】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタの設計上の透過特性を示すグラフ図。
【図5】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタの設計上の反射特性を示すグラフ図。
【図6】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタを製造する真空蒸着装置の概略断面図。
【図7】上記真空蒸着装置における蒸着マスクおよび支持傘の上面図。
【図8】本発明の実施形態3であるグラデーションNDフィルタの概略図。
【図9】上記実施形態1〜3に示す方法により製造された、表1に示す膜構成を有するグラデーションNDフィルタの透過特性を示すグラフ図。
【図10】上記実施形態1〜3に示す方法により製造された、表1に示す膜構成を有するグラデーションNDフィルタの反射特性を示すグラフ図。
【図11】図9および図10に示した各グラフ曲線に対応するグラデーションNDフィルタ上での位置を説明する図。
【図12】上記各実施形態にて説明したグラデーションNDフィルタを用いた撮像装置の構成を示す概略図。
【図13】上記撮像装置内の光量調節装置の構成および動作を説明する図。
【図14】膜厚補正を行っていないグラデーションNDフィルタの概略図。
【図15】図14に示すグラデーションNDフィルタの設計上の透過特性を示すグラフ図。
【図16】図14に示すグラデーションNDフィルタの設計上の反射特性を示すグラフ図。
【図17】従来の光量調節装置の説明図。
【図18】従来の光量調節装置の説明図。
【符号の説明】
a 透明基板
b 第1領域(透過率制御用の傾斜膜)
c 第2領域(反射防止用の傾斜膜)
d 第3領域(反射防止用の傾斜膜)
e 反射防止領域(膜厚均一領域)
18a 絞り羽根
18b グラデーションNDフィルタ
18c 光量調節装置
18e 固体撮像素子(CCD)
18f 記録媒体
18g レンズ装置
18h 撮像装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラ等の撮像装置やレンズ装置といった光学機器に用いられるNDフィルタ等の光学フィルタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
撮像装置やレンズ装置には、銀塩フィルム又はCCD等の固体撮像素子への入射光量を制御するために光量調節装置が設けられており、被写体が明るい場合には絞り羽根によって形成される絞り開口を小さく絞り込み、撮像面への入射光量が過大となるのを抑える。
【0003】
また、このような光量調節装置では、図17に示すように、1つの絞り羽根4aに光量を減衰させることができるフィルム状のND(neutral density )フィルタ7bを取り付け、撮像面に到達する光量が同じでも、絞り開口7aの面積が大きくなるようにすることにより、いわゆる小絞り回折による解像力の低下を防止している。
【0004】
但し、透過率の低い(濃度の濃い)NDフィルタを使用すると、図17に示すように、NDフィルタ7bと絞り羽根4bとで小絞り状態と同様の状況が発生する。また、絞り開口7aのうちNDフィルタ7bにより覆われている部分が大きいと、いわゆる片絞りとなり、撮像面の周辺部で光量差が生じ、シェーディングの原因となる。
【0005】
その対策として、図18に示すように、NDフィルタ8において、透過率の高い(濃度の薄い)領域8aと、透過率の低い(濃度の濃い)領域8bとを設けることにより、小絞りになるにつれて透過率を低くする構成としている。これにより、絞り開口をNDフィルタが覆う直前での解像力の低下が少なくなり、片絞り現象も改善できる。
【0006】
このようにNDフィルタにおける透過率を変化させたものとしては、以下の特許文献1〜3にて提案されているものがある。
【0007】
特許文献1では、均一な透過率に設定された第1の濃度領域と、第1の濃度領域から連続的に透過率が変化する第2の濃度領域とを有するNDフィルタが提案されている。
【0008】
また、特許文献2では、段階的もしくは連続的に透過率が変化するNDフィルタを用いて、解像力低下を防止した光量調節装置が提案されている。
【0009】
このように、透過率が変化するNDフィルタの製造方法には様々なものがあるが、このうち薄膜の蒸着によるNDフィルタの製造方法に関しては、特許文献3にて提案されているものがある。
【0010】
特許文献3には、蒸着マスクを回転させて、真空蒸着法により、フィルタ基板上に略楕円形の金属薄膜をその中心部から外周部に向かって透過率が連続的に高くなるように形成したグラデーションNDフィルタの製造方法が提案されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平4−77349号公報
【特許文献2】
特開平8−43878号公報
【特許文献3】
特開平11−38206号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
誘電体膜の多層膜の膜厚に傾斜を持たせ、透過率が連続的に変化するグラデーションNDフィルタにおいて、光の吸収性を有する誘電体物質には、例えば、TiOx(x=1〜2)が使われている。TiOx(以下、誘電体物質Aとする)は不完全な酸化物のため、空気に触れると酸化し、透過率が変化してしまう。このため、上記製造方法によりグラデーションNDフィルタを製造する際には、透過率を制御するための領域の空気側に接する最外層に酸化防止効果を狙った保護膜および反射防止膜としての誘電体物質(例えば、SiO2 :以下、誘電体物質Bとする)を一度で蒸着する必要がある。
【0013】
しかしながら、上記製造方法により反射防止膜を蒸着すると、反射防止膜までも傾斜膜となってしまうため、グラデーションNDフィルタの透過率の高い部分(濃度の濃い部分)から透過率の低い部分(濃度の薄い部分)の全領域にわたり、十分な反射防止効果を得ることができない。
【0014】
本発明は、高い反射防止効果等を有する膜を最外層に有する光学フィルタの製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の光学フィルタの製造方法は、基板上に、膜厚に応じて光学特性が変化する傾斜膜を蒸着形成する工程と、該傾斜膜上に、膜厚が略均一な膜を蒸着形成する工程とを含む。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施形態を説明する前に、従来のグラデーションNDフィルタのうち、透過率制御を行うため傾斜膜部分を有する第1領域上に、反射防止効果を備えた傾斜膜部分を有する第2領域を形成し、該第2領域の膜厚補正(反射防止補正)が施されていないグラデーションNDフィルタを図14を用いて説明する。
【0017】
図14中のaは透明基板であり、ガラス、合成樹脂材などが選ばれる。bは透過率を制御するための第1領域であり、透明基板a上に誘電体物質を多層に蒸着して形成されている。
【0018】
この第1領域bには、光吸収性を有する不完全な酸化物である誘電体物質AとしてTiO,CeO2 、HfO2 などが使用されている。これらの物質は、酸化の度合いを変えることで透過率を操作することができる。
【0019】
また、誘電体物質Bとしては、Al2O3,SiO2 ,MgF2 があり、光吸収性を有する不完全な酸化物である誘電体物質Aと共に多層に蒸着することで、第1領域bにおいて反射防止効果を得ることができ、透過率も制御できる。
【0020】
金属膜と誘電体を用いた多層膜は従来あり、金属膜を含む多層膜とすることにより、膜厚勾配を形成するのは容易であるが、第1領域bにおける反射光を制御することは難しい。このため、反射光を制御することが容易である誘電体物質のみで多層膜を構成することが望ましい。
【0021】
cは反射防止補正を施していない保護膜である第2領域を示している。透過率を制御する第1領域bの空気側に接する最終層の上には、反射防止を制御する第2領域cとして誘電体物質Bを蒸着する。光吸収性を有する不完全な酸化物である誘電体物質Aは空気に触れると酸化してしまうため、最終層の上には誘電体物質Bを反射防止効果を有する保護膜として蒸着している。
【0022】
蒸着技術を用いてグラデーションNDフィルタを製造した場合には、反射防止効果を制御する誘電体膜も傾斜形状になってしまうため、第1領域bの透過率の低い(濃度の濃い)部分から透過率の高い(濃度の薄い)部分の全領域にわたって十分な反射防止特性を得ることができない。すなわち、反射防止補正を施していない図14のようなグラデーションNDフィルタでは、膜厚勾配の表面で反射される光量が大きく、撮影画像にゴースト、フレアが発生し、画像の品位が落ちることになる。
【0023】
図15および図16には、反射防止効果を制御する最終層の第2領域cに膜厚補正(反射防止補正)を施さないグラデーションNDフィルタの設計特性を示している。図15は、評価波長域400nm〜800nm間における透過特性を示し、図16は評価波長域400nm〜800nm間における反射特性を示している。設計特性は、グラデーションNDフィルタの膜厚に対して、4点を表示している。グラフの1,2,3,4はグラデーションNDフィルタの最大膜厚に対して、膜厚比率1,0.5,0.75,0.125 での透過特性、反射特性を示している。
【0024】
誘電体膜の多層膜である第1領域bにより透過率が制御されているため、透過特性に関しては評価波長全域に渡って均一な透過特性になっている。一方、反射特性に関しては、第2領域cに反射防止補正を施していないため、大きな反射が発生している。
【0025】
次に、透過率制御を行う第1傾斜膜領域上に形成された、反射防止効果を有する第2傾斜膜領域に対して膜厚補正(反射防止補正)が施された本発明に係るグラデーションNDフィルタおよびその製造方法について説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1には、上記反射防止補正が施されたグラデーションNDフィルタの完成状態を示している。図中のa〜cは、図14に示した反射防止補正が施されていないグラデーションNDフィルタにおけるa〜cと同じで、透明基板、透過率制御を行う第1傾斜膜領域、反射防止効果を有する第2傾斜膜領域である。
【0027】
本実施形態では、まず、上記反射防止補正が施されたグラデーションNDフィルタと同様に、透明基板a上に、傾斜膜部分を有する第1領域bを蒸着形成する。このとき、後述する蒸着マスクを用いることにより傾斜膜部分がを形成する。
【0028】
次に、上記蒸着マスクをそのまま用いて、図2に示すように、反射防止効果を有する酸化防止保護膜として、傾斜膜部分を有する第2領域(第2の傾斜膜)cを第1領域b上に蒸着形成する。この状態では、第2領域cの膜厚は、第1領域bと同様に、図中左方向に向かって漸次減少している。また、図2において、Mは蒸着マスクであり、マスクM中の矢印は、該マスクMを通して蒸着した傾斜膜の膜厚が減少する方向を示している。
【0029】
次に、図3に示すように、蒸着マスクはそのままとし(図3中の矢印は、蒸着マスクMを通して蒸着した傾斜膜の膜厚が減少する方向を示している)、透明基板aを、第1領域bおよび第2領域cの蒸着時とは反対向きに置き直して、再度、誘電体物質Bを蒸着し、反射防止効果を有する第3領域(第3の傾斜膜)dを形成する。
【0030】
第3領域dの膜厚は、第1および第2領域b,cの膜厚が減少する方向とは反対方向に減少する。このため、透過率を制御する第1領域b上に、合計の膜厚が略均一である第2および第3領域c,dを蒸着することができ、第2領域cの膜厚補正を行わない場合に比べて、高い反射防止効果を得ることができる。
【0031】
図4および図5には、本実施形態のグラデーションNDフィルタの設計特性を示している。図4は、評価波長域400nm〜800nm間における透過特性を示し、図5は評価波長域400nm〜800nm間における反射特性を示している。設計特性は、グラデーションNDフィルタの膜厚に対して、4点を表示している。グラフの1,2,3,4はグラデーションNDフィルタの最大膜厚に対して、膜厚比率1,0.5,0.75,0.125 での透過特性、反射特性を示している。
【0032】
誘電体膜の多層膜である第1領域bにより透過率が制御されているため、透過特性に関しては評価波長全域に渡って均一な透過特性になっている。さらに、反射特性に関しても、第2領域c上に第3領域dを形成して反射防止補正を施したため、該反射防止補正を施していない場合(図16参照)に比べて大幅に反射が抑制されている。
【0033】
図6および図7には、上記実施形態1にて説明したグラデーションNDフィルタの製造装置である真空蒸着装置を示している。
【0034】
これらの図において、20aは真空蒸着装置の本体としての蒸着釜である。20bは蒸着釜20aの真空引きや排気を行うための排気口、20cは電子銃の蒸着源、20dは基板加熱用のヒータである。また、20eは透過用光源、20fは反射用光源、20gは受光部である。
【0035】
さらに、20hは被蒸着透明基板(透明基板a)、20iは膜厚制御用のモニタ基板、20jは被蒸着基板用の支持傘、20kは蒸着マスク用の支持傘、20lは蒸着時に被蒸着透明基板20hに対向した位置に配置される蒸着マスク、20mは蒸着マスク20lの開口部である。図21は蒸着マスク20lおよび支持傘20kを上方から見た図である。
【0036】
図7に示すように、三角形状の開口部20mが形成された蒸着マスク20lは、マスク用の支持傘20k上に配置される。支持傘20kはこの状態で図中の矢印方向に、不図示のモータ等によって回転駆動可能である。
【0037】
蒸着釜20a内が所定の真空状態とされた後、蒸着源20cから発せられて被蒸着透明基板20h(透明基板a)に向かう蒸着物質は、蒸着マスク20lの開口部20mを通過して被蒸着透明基板20hに蒸着される。
【0038】
蒸着マスク20lの開口部20mは、図7に示す状態では、マスク用支持傘20kの中心から外側に向かうにつれて開口幅が小さくなる三角形状に形成されているため、被蒸着透明基板20hには、マスク用支持傘20kの内側から外側に向かって膜厚が小さくなる傾斜膜が形成される。この状態で、透明基板a上には第1領域bおよび第2領域cが蒸着形成されることになる。
【0039】
なお、図6および図7には1つの蒸着マスク20lしか示していないが、実際の装置では、蒸着マスク20lを支持傘20k上に同心円上に多数配置するとともに、被蒸着基板用の支持傘20j上にも同数の被蒸着透明基板20hを配置し、一度に多数のグラデーションNDフィルタを製造することが可能となっている。
【0040】
また、透過用光源20e,反射用光源20fおよび受光部20gにより光学制御装置が構成されており、モニタ基板20iからの透過光および反射光の単波長および可視域波長の分光強度に基づいて膜厚の制御を行っている。
【0041】
そして、第2領域cの蒸着が終了すると、蒸着釜20aの気圧を空気圧に戻し、蒸着釜20a開け、被蒸着透明基板20hを蒸着マスク20lに対して180°回転させる。このとき、蒸着マスク20lを被蒸着透明基板20hに対して180°回転させてもよい。これにより、蒸着マスク20lと被蒸着透明基板20hとの相対向きは、第1領域bおよび第2領域cの蒸着時とは反対になる。
【0042】
そして、再度、蒸着釜20a内を真空状態とし、第2領域c上に反射防止物質を蒸着して第3領域dを形成する。これにより、第2領域cの膜厚の減少方向と第3領域dの膜厚の減少方向とが反対となり、第2領域cと第3領域dにより構成される反射防止膜層の膜厚を略均一にすることができる。
【0043】
(実施形態2)
実施形態1では、蒸着釜20aを一度開けて(蒸着釜20a内を一旦大気圧に戻し)、再び真空状態として蒸着を行う場合について説明したが、このような工程を経ることなく、すなわち蒸着釜20a内を真空状態に保ったまま蒸着を完了すれば、蒸着工程に要する時間を短くすることができる。
【0044】
この場合、透過率を制御する第1領域bを蒸着した後に、不図示の機構によって支持傘20k上で蒸着マスク20lを又は支持傘20j上で被蒸着透明基板20hを180度回転させ、第1領域b上に反射防止物質を蒸着して第3領域dを形成すればよい。
【0045】
(実施形態3)
上記実施形態1,2では、透過率を制御する第1領域b上に、膜厚が減少する方向が互いに反対である第2および第3領域c,dを形成することで略均一な膜厚を有する反射防止膜を形成する場合について説明したが、第1領域bを蒸着した後に、例えば、図6および図7に示した蒸着マスク用の支持傘20kを回転させることによって、蒸着マスク20lを蒸着釜20a内で被蒸着透明基板20hに対向する位置から取り除き、第1領域b上に反射防止物質を蒸着する。
【0046】
これにより、図8に示すように、第1領域b上に、略均一な膜厚を有して反射防止効果の高い反射防止領域eを一度に形成することができる。なお、本実施形態により製造されるグラデーションNDフィルタの設計上の透過特性および反射特性は、図4および図5に示したのと同様である。
【0047】
次に、上記実施形態1〜3にて説明した方法により実際に製造したグラデーションNDフィルタの透過特性および反射特性について説明する。表1には、誘電体多層膜における各層の構成成分とその厚さを示している。
【0048】
【表1】
【0049】
表1に示すグラデーションNDフィルタは、誘電体物質による23層構成となっている。透明基板aとしてはPMMAプラスチック材を用いており、この透明基板a上に誘電体物質A(TiO,Ti2O3)と誘電体物質B(Al2O3,SiO2 )とを22層積層した多層膜を形成することで、透過率を制御する傾斜膜(第1領域b)が形成されている。また、23層目の最終層には、反射防止効果を有する誘電体物質Bとして、SiO2 が蒸着されている。
【0050】
図9には、実施形態1および実施形態2にて説明した方法により製造したグラデーションNDフィルタの評価波長域400nm〜800nm間における透過特性の実測値を、図10には、評価波長域400nm〜800nm間における反射特性の実測値を示している。これらの図のグラフに書かれている数値は、図11に示すように、第1領域bの膜厚の最も小さい点を始点(0mm)とし、この始点からの距離を示している。
【0051】
これら図9および図10から分かるように、実際に製造したグラデーションNDフィルタにおいても、図4に示した設計上の透過特性と同様に、評価波長全域に渡って均一な透過特性が得られる。また、反射特性に関しても、図5に示した設計上の反射特性と同様に、反射防止補正を施していない場合(図16参照)に比べて大幅に反射が抑制されている。
【0052】
図12には、上記各実施形態で説明したグラデーションNDフィルタを備えた撮像装置(光学機器)の構成を示している。
【0053】
この図において、18gは屈折系、反射系、回折系等によって構成されたレンズ装置、18aは開閉作動が可能な絞り羽根、18bはグラデーションNDフィルタ、18cは絞り羽根18aとグラデーションNDフィルタ18bとを備えた光量調節装置である。
【0054】
グラデーションNDフィルタ18bは、絞り羽根18aを絞り込むに従って光軸上を通る光線の透過率が低くなるように構成されている。
【0055】
例えば、図13(a)には、2枚の絞り羽根18aを有し、これら2枚の絞り羽根18aを相対的に移動させることにより絞り開口の面積が変化する光量調節装置を示している。
【0056】
この光量調節装置18cの一方の絞り羽根18aにグラデーションNDフィルタ18bが貼り付けられている。図13(a)において、2本の点線の交点Lは光軸を示し、光軸Lは図の紙面に垂直方向に延びている。
【0057】
図13(b),(c)は、図13(a)の状態から絞り開口を徐々に絞っていったときの様子を示す。光軸L上を通過する光量は、絞り開口を絞っていくにつれ小さくなっていく。
【0058】
このような配置にすることで、絞り開口のうちグラデーションNDフィルタ18bがない部分を通過する光量とグラデーションNDフィルタ18bがある部分を通過する光量との差が少なくなるため、撮影画面の光量むらの発生を防ぐことができる。
【0059】
図12において、18eはレンズ装置18gによって形成された被写体像を受光し電気信号に変換するCCDやCMOSセンサ等からなる撮像素子(光電変換素子)である。18fは撮像素子18eにより光電変換された被写体像の画像を記録する、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記録媒体である。以上により、グラデーションNDフィルタ18bを用いた撮像装置18hが構成される。
【0060】
なお、上記各実施形態では、透過率を制御する第1領域b上に、反射を防止する第2および第3領域c,dを蒸着形成したNDフィルタについて説明したが、本発明は、膜厚の変化により透過率以外の光学特性が変化する傾斜膜上に、膜厚が略均一である膜を形成するNDフィルタ以外の各種光学フィルタにも適用が可能である。
【0061】
また、上記各各実施形態は、以下に示す各発明を実施した場合の一例でもあり、下記の各発明は上記各実施形態に様々な変更や改良が加えられて実施されるものである。
【0062】
〔発明1〕 基板上に、膜厚に応じて光学特性が変化する第1の傾斜膜を蒸着形成する工程と、
前記第1の傾斜膜上に、膜厚が漸次減少する方向が互いに反対である第2および第3の傾斜膜を重ねて蒸着形成する工程とを含むことを特徴とする光学フィルタの製造方法。
【0063】
本発明によれば、第2および第3の傾斜膜の膜厚が減少する方向を互いに反対とすることにより、第1の傾斜膜を覆う保護膜や反射防止膜等としての第2および第3の傾斜膜の合計膜厚を略均一とすることができる。特に、第2および第3の傾斜膜を反射防止膜とする場合には、反射防止膜を傾斜膜とする場合に比べて高い反射防止効果が得られる。
【0064】
〔発明2〕 膜厚が漸次減少する傾斜膜を蒸着するためのマスクを用いた光学フィルタの製造方法であって、
基板上に、膜厚に応じて光学特性が変化する第1の傾斜膜を蒸着形成する工程と、
前記第1の傾斜膜上に、該第1の傾斜膜を覆う第2の傾斜膜を蒸着形成する工程と、
前記第2の傾斜膜上に、該第2の傾斜膜とは膜厚が減少する方向が反対である第3の傾斜膜を蒸着形成する工程とを含み、
前記第2の傾斜膜を蒸着する工程と前記第3の傾斜膜を蒸着する工程とで前記マスクと前記基板との相対向きを反対とすることを特徴とする光学フィルタの製造方法。
【0065】
〔発明3〕 前記第3の傾斜膜を形成する工程において、前記マスクと前記基板との相対向きを、前記第1および第2の傾斜膜を蒸着形成する工程とは反対とすることを特徴とする発明2に記載の光学フィルタの製造方法。
【0066】
これら発明2および発明3によれば、第2の傾斜膜を形成する工程と第3の傾斜膜とを形成する工程とでマスクと基板との相対向きを反対にするという簡易な作業を行うだけで、第1の傾斜膜を蒸着するためのマスクと同じマスクを用いて、第1の傾斜膜上に略均一の膜厚を有する保護膜や反射防止膜等を形成することができる。
【0067】
〔発明4〕 前記第1の傾斜膜が、膜厚に応じて光の透過率が変化する膜であり、
前記第2および第3の傾斜膜が反射防止膜であることを特徴とする発明1から3のいずれかに記載の光学フィルタの製造方法。
【0068】
〔発明5〕 前記マスクと前記基板との相対向きを反対とする作業を、前記基板および前記マスクが収容された蒸着容器内を真空に保った状態で行うことを特徴とする発明2又は3に記載の光学フィルタの製造方法。
【0069】
これにより、マスクと基板との相対向きを反対にするために蒸着容器内を大気圧にし、再び真空にして蒸着を行う場合に比べて、短時間で光学フィルタを製造することができる。
【0070】
〔発明6〕 前記第1から第3の傾斜膜を、誘電体物質の蒸着により形成することを特徴とする発明1から5のいずれかに記載の光学フィルタの製造方法。
【0071】
〔発明7〕 膜厚が漸次減少する傾斜膜を蒸着するためのマスクを用いた光学フィルタの製造方法であって、
基板に対向する位置に前記マスクを配置し、該基板上に、膜厚に応じて光学特性が変化する傾斜膜を蒸着形成する工程と、
前記基板に対向する位置から前記マスクを取り除き、前記傾斜膜を覆う略均一な膜厚を有する膜を蒸着形成する工程とを含み、
前記基板に対向する位置から前記マスクを取り除く作業を、前記基板および前記マスクが収容された蒸着容器内を真空に保った状態で行うことを特徴とする光学フィルタの製造方法。
【0072】
これにより、マスクを取り除くために蒸着容器内を大気圧にし、再び真空にして蒸着を行う場合に比べて、短時間で光学フィルタを製造することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板上に傾斜膜を蒸着形成した後、この傾斜膜を膜厚が略均一な膜で覆うことができる。特に、膜厚が略均一な膜を反射防止膜とする場合には、反射防止膜を傾斜膜とする場合に比べて高い反射防止効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である、膜厚補正を行ったグラデーションNDフィルタの概略図。
【図2】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタの製造方法の説明図。
【図3】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタの製造方法の説明図。
【図4】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタの設計上の透過特性を示すグラフ図。
【図5】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタの設計上の反射特性を示すグラフ図。
【図6】上記実施形態1のグラデーションNDフィルタを製造する真空蒸着装置の概略断面図。
【図7】上記真空蒸着装置における蒸着マスクおよび支持傘の上面図。
【図8】本発明の実施形態3であるグラデーションNDフィルタの概略図。
【図9】上記実施形態1〜3に示す方法により製造された、表1に示す膜構成を有するグラデーションNDフィルタの透過特性を示すグラフ図。
【図10】上記実施形態1〜3に示す方法により製造された、表1に示す膜構成を有するグラデーションNDフィルタの反射特性を示すグラフ図。
【図11】図9および図10に示した各グラフ曲線に対応するグラデーションNDフィルタ上での位置を説明する図。
【図12】上記各実施形態にて説明したグラデーションNDフィルタを用いた撮像装置の構成を示す概略図。
【図13】上記撮像装置内の光量調節装置の構成および動作を説明する図。
【図14】膜厚補正を行っていないグラデーションNDフィルタの概略図。
【図15】図14に示すグラデーションNDフィルタの設計上の透過特性を示すグラフ図。
【図16】図14に示すグラデーションNDフィルタの設計上の反射特性を示すグラフ図。
【図17】従来の光量調節装置の説明図。
【図18】従来の光量調節装置の説明図。
【符号の説明】
a 透明基板
b 第1領域(透過率制御用の傾斜膜)
c 第2領域(反射防止用の傾斜膜)
d 第3領域(反射防止用の傾斜膜)
e 反射防止領域(膜厚均一領域)
18a 絞り羽根
18b グラデーションNDフィルタ
18c 光量調節装置
18e 固体撮像素子(CCD)
18f 記録媒体
18g レンズ装置
18h 撮像装置
Claims (1)
- 基板上に、膜厚に応じて光学特性が変化する傾斜膜を蒸着形成する工程と、
前記傾斜膜上に、膜厚が略均一な膜を蒸着形成する工程とを含むことを特徴とする光学フィルタの製造方法。
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