JP2004204968A - 半導電性ゴムロール用ゴム組成物及び半導電性ゴムロール - Google Patents
半導電性ゴムロール用ゴム組成物及び半導電性ゴムロール Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、硬度、圧縮永久ひずみ、電気特性及び表面性状などの半導電性ゴムロールの要求特性を高度にバランスさせた半導電性ゴムロール、及びその材料としての半導電性ゴムロール用ゴム組成物を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、ポリエーテルゴム(A)、アクリルゴム(B)及びポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させる架橋剤(C)を含有してなる半導電性ゴムロール用ゴム組成物により上記目的を達成するものである。
【選択図】 無し
【解決手段】本発明は、ポリエーテルゴム(A)、アクリルゴム(B)及びポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させる架橋剤(C)を含有してなる半導電性ゴムロール用ゴム組成物により上記目的を達成するものである。
【選択図】 無し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンターや複写機などのOA機器の導電性ゴム部品として有用な半導電性ゴムロール、及びその材料として好適な半導電性ゴムロール用ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンター、複写機及びファクシミリなどのOA機器には、導電性ロールを始めとした各種導電性ゴム部品が使用されている。通常、このようなOA機器用の導電性ロールは、静電対策として中抵抗領域の導電性が必要であるとともに、感光体との接触面積を確保して画像を鮮明にし、また感光体を傷つけないようにするため、ゴムは低硬度であることが要求される。このような低硬度ゴムは、一般的には、可塑剤や軟化剤、液状ポリマーのような添加剤を配合することで得られるが、感光体やトナーと接触して用いられる導電性ロールにおいては、感光体が汚染されたり、ロールに付着したトナーが膨潤して悪影響を及ぼしたりする等の問題がある。また、ゴムの架橋密度を低下させたり、未加硫ゴムを混入させることによっても低硬度ゴムを得ることができるが、架橋密度を低くしたり未加硫ゴムを混入させると、一般的に圧縮永久ひずみが大きくなったり、ブルーム現象が起こり他の部材に悪影響を及ぼす恐れがあるといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硬度、圧縮永久ひずみ、電気特性及び表面性状などの半導電性ゴムロールの要求特性を高度にバランスさせた半導電性ゴムロール、及びその材料としての半導電性ゴムロール用ゴム組成物を提供することにある。
【0004】
【課題が解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、ゴム成分としてポリエーテルゴムとアクリルゴムとをブレンドし、これらのうちポリエーテルゴムのみを選択的に架橋させる架橋剤を用いてこのブレンド物を架橋することにより、硬度、圧縮永久ひずみ、電気特性及び表面平滑性などの特性を高度にバランスさせたOA機器に適した半導電性ゴムロールが得られることを見出し、この知見に基づき本発明に到達した。
【0005】
かくして本発明によれば、以下の発明1〜5が提供される。
1.ポリエーテルゴム(A)、アクリルゴム(B)及びポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させる架橋剤(C)を含有してなる半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
2.架橋剤(C)が硫黄系架橋剤である上記1に記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
3.ポリエーテルゴム(A)が、炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体単位を含有するポリエーテルゴムである上記1または2に記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
4.さらにポリエーテルゴム(A)の架橋促進剤(D)を含有してなる上記1〜3のいずれかに記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
5.上記1〜4のいずれかに記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物を成形してなるゴム層を有する半導電性ゴムロール。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の半導電性ゴムロール用ゴム組成物は、ポリエーテルゴム(A)、アクリルゴム(B)及びポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させる架橋剤(C)を含有してなることを特徴とする。
【0007】
本発明に用いるポリエーテルゴム(A)は、オキシラン単量体を開環重合して得られるオキシアルキレン繰り返し単位を主構造単位とするゴムであれば特に限定されない。オキシラン単量体の種類も特に限定されないが、本発明に用いるポリエーテルゴム(A)は、エチレンオキシド単量体(a1)に基づく単量体単位(A1)を含有するものが好ましい。該単量体単位(A1)のポリエーテルゴム(A)中の含有量は、ポリエーテルゴム(A)の全繰り返し単位中、好ましくは15〜70モル%、より好ましくは20〜65モル%、特に好ましくは25〜60モル%である。ポリエーテルゴム中のエチレンオキシド単量体単位(A1)の含有量が少なすぎると半導電性ゴムロールのゴム層の体積固有抵抗値が大きくなる場合があり、逆に多すぎると該ゴム層の硬度が高くなったり、体積固有抵抗値の環境変動が大きくなったりする場合がある。
【0008】
さらに本発明に用いるポリエーテルゴム(A)は、エチレンオキシドと共重合可能なオキシラン単量体(a2)に基づく単量体単位(A2)を含有するものが好ましい。エチレンオキシドと共重合可能なオキシラン単量体(a2)としては、炭素数3〜20のアルキレンオキシド、炭素数4〜10のグリシジルエーテル、ビニル芳香族化合物のオキシド、これらのオキシラン単量体に架橋性基を導入した架橋性オキシラン単量体などが挙げられる。
【0009】
炭素数3〜20のアルキレンオキシドの具体例としては、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサンなどの鎖状アルキレンオキシド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどのシクロアルキレンオキシド;などが挙げられる。
【0010】
炭素数4〜10のグリシジルエーテルの具体例としては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテルなどのアルキルグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテルなどのアリールグリシジルエーテル;などが挙げられる。
ビニル芳香族化合物のオキシドとしては、スチレンオキシドなどが挙げられる。
架橋性オキシラン単量体としては、上記の、炭素数3〜20のアルキレンオキシド、炭素数4〜10のグリシジルエーテルなどのオキシラン単量体に、架橋性基を導入したオキシラン単量体が挙げられる。架橋性基としては、ビニル基、アクリロイル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基及びハロゲン原子などが挙げられる。
【0011】
本発明のポリエーテルゴム(A)は、上記単量体単位(A2)中に、架橋性オキシラン単量体に基づく単量体単位(架橋性オキシラン単量体単位)が含まれているものが好ましい。さらにその場合には、架橋性オキシラン単量体は、炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体であるのがより好ましい。このようにポリエーテルゴム(A)に炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体単位が含まれていることにより、後述する架橋剤(C)のポリエーテルゴムに対する選択架橋性を向上させることができる。
炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体としては、架橋性基に炭素−炭素二重結合を含むものであればその位置は特に限定されないが、選択架橋性が特に優れることから、上記の架橋性基の中でも、ビニル基を有するオキシラン単量体であるのが最も好ましい。
【0012】
ビニル基を有する架橋性オキシラン単量体の具体例としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどのエチレン性不飽和グリシジルエーテル;ブタジエンモノエポキシド、クロロプレンモノエポキシド、4,5−エポキシ−2−ペンテン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどのジエン又はポリエンのモノエポキシド;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセンなどのアルケニルエポキシド;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステルなどエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;などが挙げられる。これらの中でもエチレン性不飽和グリシジルエーテルが好ましく、アリルグリシジルエーテルが特に好ましい。
【0013】
上記ポリエーテルゴム(A)中の、上記炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体単位の含有量は、好ましくは1〜20モル%、より好ましくは2〜15モル%、特に好ましくは3〜10モル%である。該単量体単位の含有量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の硬度が不足する場合があり、逆に多すぎると硬度が高くなりすぎる場合がある。
【0014】
上記ポリエーテルゴム(A)中の、上記炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体単位以外の、エチレンオキシドと共重合可能なオキシラン単量体単位の含有量は、好ましくは10〜84モル%、より好ましくは20〜78モル%、特に好ましくは30〜72モル%である。該単量体単位の含有量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の硬度が高くなったり、体積固有抵抗値の環境変動が大きくなったりする場合があり、逆に多すぎると体積固有抵抗値が大きくなる場合がある。
【0015】
なお、本発明においては、上記単量体単位(A2)中に、上記炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体以外の架橋性オキシラン単量体単位が含まれていてもよい。例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンなどが挙げられ、中でも、エピクロルヒドリンが好ましい。
【0016】
上記ポリエーテルゴム(A)は、100℃で測定したムーニー粘度が、通常20〜200、好ましくは30〜170、より好ましくは40〜150である。ムーニー粘度が低すぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の機械的強度や耐摩耗性、圧縮永久ひずみが悪化する場合があり、逆に高すぎると成形加工が困難になり、寸法安定性が低下する場合がある。
また、ポリエーテルゴム(A)は、体積固有抵抗値が、通常105〜1010Ω・cmであり、好ましくは105.5〜109.5Ω・cm、特に好ましくは106〜109Ω・cmである。なお、ゴムの体積固有抵抗値は、架橋せずに成形した試験片を用いて測定した値である。
【0017】
本発明において、ポリエーテルゴム(A)の配合量は、ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、50〜90重量部が好ましく、より好ましくは55〜85重量部、特に好ましくは60〜80重量部である。該ゴム組成物中のポリエーテルゴム(A)の配合量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の体積固有抵抗値が大きくなりすぎる場合があり、逆に多すぎると該ゴム層の硬度が高くなりすぎる場合がある。
【0018】
本発明に用いるアクリルゴム(B)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体〔アクリル酸エステル単量体又は/及びメタクリル酸エステル単量体の意。以下、(メタ)アクリル酸メチルなど同様。〕(b1)に基づく単量体単位(B1)を主構造単位とし、必要に応じてこれらと共重合可能なその他の単量体(b2)に基づく単量体単位(B2)を含むゴムである。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(b1)としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体などが挙げられる。
【0019】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましい。
【0020】
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、炭素数2〜8のアルコキシアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが、特に、アクリル酸2−エトキシエチル及びアクリル酸2−メトキシエチルが好ましい。
【0021】
アクリルゴム(B)中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(B1)の含有量は、好ましくは80〜100重量%、より好ましくは90〜99.8重量%、特に好ましくは95〜99.5重量%である。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(B1)の含有量が少なすぎると、ゴム組成物の硬度が高くなりすぎたり、加工性が低下する場合がある。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(B1)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位30〜100重量%及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位70〜0重量%からなることが好ましい。
【0022】
上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(b1)と共重合可能な単量体(b2)としては、例えば、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、アクリロイルオキシ基を2個以上有する単量体(多官能アクリル単量体)、これら以外のオレフィン単量体及び、カルボキシル基、ハロゲン原子、エポキシ基若しくは水酸基などの架橋性基を有する単量体、などが挙げられる。
【0023】
本発明に用いるアクリルゴム(B)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜90、より好ましくは20〜80、特に好ましくは30〜70である。ムーニー粘度が小さすぎると加工性や成形物の機械的特性が劣る場合があり、逆に大きすぎると加工性が劣る場合がある。
【0024】
アクリルゴム(B)の配合量は、前記ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、10〜50重量部が好ましく、より好ましくは15〜45重量部、特に好ましくは20〜40重量部である。アクリルゴム(B)の配合量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の硬度が高くなったり、加工性が低下したりする場合があり、逆に多すぎると体積固有抵抗値が大きくなりすぎる場合がある。
【0025】
本発明の半導電性ポリエーテル用ゴム組成物は、ポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させる架橋剤(C)を含有する。このようにポリエーテルゴムのみを選択架橋することにより、架橋されたポリエーテルゴム中に未架橋のアクリルゴムを分散させることができ、圧縮永久ひずみを低く抑えつつ低硬度の半導電性ゴムロールを得ることができる。なお、このように成形物が未架橋ゴムを含有する場合には、通常ブルーム現象などの不具合が生じやすいが、本発明においてはゴム成分としてポリエーテルゴム(A)とアクリルゴム(B)とをブレンドして用いておりこれらの相溶性が適度であるため、硬度、圧縮永久ひずみ、電気特性及び表面性状を高度にバランスさせることができる。
【0026】
かかる架橋剤(C)としては、ポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させることができるものであれば特に限定されず、例えば、硫黄系架橋剤、トリアジンチオール架橋剤、チアジアゾール架橋剤及び有機過酸化物架橋剤などが挙げられる。
中でも、ポリエーテルゴム(A)に対する選択架橋性が特に優れることから硫黄系架橋剤を使用するのが好ましい。
【0027】
硫黄系架橋剤としては、硫黄又は硫黄供与体を使用することができる。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。また、硫黄供与体としては、モルフォリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド系化合物、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどの多硫化物、ポリ(エチレンテトラスルフィド)、ポリ(プロピレンテトラスルフィド)、ポリ(テトラエチレンスルフィド)などの高分子多硫化物、N,N´−ジチオジ(ポリメチレンイミン)、N,N´−ビス(2−ベンゾチアゾイルチオ)ピペラジンなどを挙げることができる。これらの中でも、硫黄系架橋剤としては、硫黄;モルフォリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド系化合物;ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどの多硫化物;からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0028】
これらの架橋剤(C)は1種単独で使用、又は2種以上を併用することもできる。架橋剤(C)の配合量は、ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜15重量部、特に好ましくは0.3〜10重量部である。架橋剤(C)の配合量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の圧縮永久ひずみが増大するなど物性が低下したり、研磨性が低下したりする場合があり、逆に多すぎるとゴム層の硬度が高くなりすぎる場合がある。
【0029】
さらに本発明の半導電性ゴムロール用ゴム組成物は、ポリエーテルゴム(A)の架橋促進剤(D)を含有してなるものが好ましい。該ゴム組成物がポリエーテルゴム(A)の架橋促進剤(D)を含有することにより、ポリエーテルゴム(A)を選択的に架橋する架橋剤(C)の架橋反応速度を速めるとともに架橋密度を高めて半導電性ゴムロールのゴム層の機械的強度をより良好なものとすることができる。かかる架橋促進剤としては、ゴム加工に際して架橋剤の反応を促進させるために通常配合される促進剤であれば特に限定されないが、グアニジン系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤及びジチオカルバミン酸塩系促進剤などが好ましく使用される。
【0030】
グアニジン系促進剤としては、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−ο−トリルグアニジン、1−ο−トリルビグアニドなどが挙げられる。
チアゾール系促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、(ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、(N,N−ジエチルジチオカルバモイル)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
スルフェンアミド系促進剤としては、N−エチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどが挙げられる。
チウラム系促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられる。
【0031】
これらの架橋促進剤(D)は1種単独で使用、又は2種以上を併用することもできる。架橋促進剤(D)の配合量は、前記ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.2〜15重量部、特に好ましくは0.3〜10重量部である。架橋促進剤(D)の配合量が少なすぎるとゴム組成物の架橋速度が遅くなる場合があり、逆に多すぎると半導電性ゴムロールのゴム層の硬度が高くなりすぎたり、ブルーム現象により表面性状が損なわれる場合がある。
【0032】
本発明の半導電性ゴムロール用ゴム組成物には、必要に応じて無機充填剤(E)を配合することができる。無機充填材(E)は、ゴムに一般的に配合される公知の無機充填剤であれば特に限定されない。かかる無機充填剤(E)としては、例えば、合成シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アンチモン、ハイドロサイト、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、サチンホワイト、リトポン、カオリン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、焼成クレー、ケイソウ土、合成ゼオライト、スメクタイト、層状無機高分子等の無機化合物が挙げられるが、これらの中でも、炭酸カルシウム又は合成シリカが好ましく使用される。炭酸カルシウムとしては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉化炭酸カルシウム、脂肪酸表面処理炭酸カルシウムなどが挙げられる。合成シリカとしては、湿式法で合成された含水ケイ酸と乾式法で合成された無水ケイ酸のいずれも使用することができる。含水ケイ酸は沈降法シリカでもシリカゲルでもよく、無水ケイ酸は燃焼法によるシリカでも加熱法によるシリカでもよい。また、合成シリカはシランカップリング剤などで表面を親油化処理したものを使用してもよい。
【0033】
これらの無機充填剤(E)は1種単独で使用、又は2種以上を併用することもできる。無機充填剤(E)の配合量は、前記ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、0〜35重量部が好ましく、より好ましくは5〜30重量部、特に好ましくは10〜25重量部である。
無機充填剤(E)の配合量が多すぎると高硬度のため感光体を傷つける場合がある。
【0034】
本発明においては、必要に応じて、上記各成分以外に本発明の目的を損なわない範囲で、補強材、老化防止剤、光安定剤、スコーチ防止剤、架橋遅延剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤、発泡剤などの添加剤をゴム組成物に配合してもよい。
【0035】
本発明のゴム組成物は、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法により調製することができる。
本発明のゴム組成物の成形方法及び架橋方法は、通常ゴムロールの製造に用いられる方法であれば特に限定されないが、例えば、一軸や多軸の押出機を使用して軸体の外側に上記ゴム組成物を押し出して、ゴム層を形成した後、加熱して架橋する方法;射出成形機、押出ブロー成形機、トランスファー成形機、プレス成形機などを使用して金型でゴム層を成形し、架橋して、軸体に積層する方法;などが挙げられる。中でも、押出機を用いて成形を行うことが最も適している。成形方法、架橋方法、ロール厚などに応じて、成形と架橋を同時に行うか、成形後に架橋するかを選択すればよい。
【0036】
上記ゴム組成物は加熱により架橋させるものであるが、加熱温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃〜250℃である。温度が低すぎると架橋時間が長時間必要となったり、架橋密度が低くなったりする場合がある。逆に温度が高すぎると架橋が短時間で進行し、成形不良を起こす場合がある。また、架橋時間は、架橋方法、架橋温度、ロール厚などにより異なるので特に限定されないが、架橋密度と生産効率の面から1分〜5時間の範囲で任意に選択すればよい。
加熱方法としては、電熱加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、UHF(超高周波)加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に通常用いられる方法を適宜選択すればよい。
【0037】
架橋後は、OA機器用ゴムロールとして使用するため、表面を研磨することが好ましい。研磨方法は、通常ゴムロールに用いられる方法であれば特に限定されない。例えば、砥石などの研磨材を架橋物表面のゴム層に直接接触させて機械的に研磨する乾式研磨の方法や、研磨材とゴム層との間に水系の液体を介在させてゴム層を機械的に研磨する湿式研磨等の方法が挙げられる。
【0038】
このように本発明のゴム組成物を成形することにより、電気抵抗が中抵抗領域であるゴム層を有する本発明の半導電性ゴムロールを得ることができる。
本発明の半導電性ゴムロールのゴム層の体積固有抵抗値は、好ましくは105〜1012Ω・cm、より好ましくは105.5〜1011Ω・cm、特に好ましくは106〜1010Ω・cmである。体積固有抵抗値が小さすぎるとロールが帯電しにくい場合があり、逆に大きすぎると帯電した電荷量が大きくなりすぎる場合があり、いずれの場合も、例えばプリンターなどにおいて該ロールを用いて印刷した画像が不鮮明になる場合がある。
【0039】
また、本発明における半導電性ゴムロールのゴム層の硬度(Duro type−A)は、通常20〜55、好ましくは25〜50、特に好ましくは30〜45である。硬度が低すぎると研磨性等において問題が生じる可能性があり、逆に高すぎると感光体表層である感光層の破壊や機械的トルクの上昇といった問題が生じる可能性がある。
また、本発明の半導電性ゴムロールのゴム層の圧縮永久ひずみは、通常、JIS K6262に準じた手法で、圧縮率25%、70℃、24時間にて測定した場合に、30%以下、好ましくは25%以下、特に好ましくは20%以下である。圧縮永久ひずみが高すぎると、半導電性ゴムロールが変形してしまい、印刷画像で問題が起こったり、異音・振動の原因となったりする。
【0040】
さらに、本発明の半導電性ゴムロールのゴム層の層厚は、好ましくは10μm〜15mm、より好ましくは50μm〜10mm、特に好ましくは100μm〜8mmである。層厚が小さすぎると摩耗に対する耐久性が低下する場合があり、大きすぎると画像形成時に必要な電荷量が大きくなるため、画像が不鮮明になったり、画像形成装置を大型にする必要が生じたりする場合がある。
【0041】
本発明の半導電性ゴムロールは、中抵抗領域のゴム層と軸体との間に導電性基層を有してもよい。この導電性基層の材料としては特に限定されないが、導電性弾性体が好ましい。例えば、ゴムに導電性付与剤を配合してなる組成物を架橋してなる架橋物や発泡させてなる発泡体、熱可塑性エラストマーに導電性付与剤を配合してなる組成物などが挙げられる。ゴムとしてはアクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリブタジエンゴムなどが単独で若しくは混合して用いられる。導電性付与剤としてはアセチレンブラックなどのカーボンブラック、導電性酸化スズ、導電性酸化亜鉛などの導電性金属化合物、界面活性剤などが挙げられる。導電性基層の体積固有抵抗値の上限は、好ましくは106Ω・cm、より好ましくは105Ω・cm、特に好ましくは104Ω・cmである。
【0042】
本発明の半導電性ゴムロールは、更に、中抵抗領域のゴム層の外側に該ゴム層の特性を損なわない限り、保護層を有してもよい。保護層の材料には、樹脂又はゴムが用いられ、中抵抗領域の樹脂を用いるのが好ましい。
保護層の材料となる樹脂としては、特に限定されず、一般の中抵抗領域のゴムロールにおいて保護層として用いられる樹脂、例えば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
【0043】
保護層の層厚は、好ましくは5〜200μm、より好ましくは7〜150μm、特に好ましくは10〜100μmである。層厚が薄すぎると保護層の摩耗に対する耐久性に劣る場合があり、厚すぎると被膜にクラックが入る場合がある。
【0044】
本発明の半導電性ゴムロールはプリンターや複写機、FAXのようなOA機器用、グラビア印刷用などのロールとして使用できる。特に、電子写真方式のOA機器部品として使用されるロールに好適である。OA機器部品として使用されるロールとしては、感光体の周辺に設置されるロールが挙げられ、具体的には、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、中間転写ロール、として特に好適である。これらのロールは、発泡体であってもよい。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。組成に関わる「部」及び「%」は特に断りのない限り重量基準である。また、各特性評価試験は、下記のようにして行った。
<ムーニースコーチタイム〔t5(min)〕>
ゴム組成物のムーニースコーチタイムはJIS K6300に準じて測定した。
<ゴム硬度>
ゴム組成物架橋後の硬度は、JIS K6253に準じて、タイプAデュロメータを用いて測定した。
<電気抵抗(体積固有抵抗値)>
SRIS(日本ゴム協会標準規格)2304に準じて測定した。測定条件は、温度23℃、湿度55%、直流500Vの電圧とした。
【0046】
<圧縮永久ひずみ>
ゴム架橋物の圧縮永久ひずみは、JIS K6262に準じて測定した。試験条件は、圧縮率25%、70℃、24時間とした。
<表面観察>
15cm×15cm×厚み2mmの架橋ゴムシートをプレス成形で作製し、23℃、湿度55%の条件で放置し、架橋ゴムシートの表面観察を行った。
○:放置後、2週間経過後も表面にブルーム現象が見られない
△:放置後、2週間経過後、表面にブルーム現象が見られる
【0047】
(実施例1〜3、比較例1)
ポリエーテルゴム、アクリルゴム及び無機充填剤を、表1に記載の組成で50℃に設定したバンバリーで5分間混練した。得られた混練物を金属製の混練用ロールに移し、表1に示す組成で更に架橋剤及び架橋促進剤を添加して混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いて、ムーニースコーチタイムを測定した。
次に、このゴム組成物を用いて、160℃、30分間プレス架橋を行うことによって得た架橋試験片で電気抵抗(体積固有抵抗値)、ゴム硬度及び圧縮永久ひずみを測定し、表面性状を観察した。各特性評価試験の結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
<表1の各成分>
アクリルゴム(ACM):カルボキシル基含有アクリルゴム(アクリル酸エチル単位含有量38%、アクリル酸n−ブチル単位含有量40%、アクリル酸2−メトキシエチル単位含有量20%、マレイン酸モノn−ブチル単位含有量2%、からなる共重合体、ムーニー粘度45(ML1+4、100℃))
ポリエーテルゴム(ECO):(エチレンオキシド単量体単位50モル%、エピクロルヒドリン単量体単位45モル%、アリルグリシジルエーテル単量体単位5モル%)からなる共重合体
硫黄(粉末硫黄):ECO用架橋剤
モルフォリンジスルフィド:ECO用架橋剤
TETD:テトラエチルチウラム・ジスルフィド(ECO用架橋促進剤)
MBTS:ジベンゾチアジルジスルフィド(ECO用架橋促進剤)
TRA:ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(ECO用架橋促進剤)
ヘキサメチレンジアミンカーバメート(ACM用架橋剤)
DOTG:ジオルトトリル・グアニジン(ACM用架橋促進剤)
表中〔phr〕は、ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計重量100部に対する部数
【0050】
表1に示すように、本発明で規定される組成からなるゴム組成物は、ゴム硬度、電気抵抗及び圧縮永久ひずみが高度にバランスされており、表面性状も良好である(実施例1〜3)。これに対し、アクリルゴムに作用しうる架橋剤を配合した場合には、ゴム硬度が高くなりすぎて好ましくなく、ブルーム現象も生じてしまう(比較例1)。
【0051】
【発明の効果】
本発明の半導電性ゴムロール用ゴム組成物は、ポリエーテルゴムとアクリルゴムとをブレンドしたゴム成分に、ポリエーテルゴムのみを選択的に架橋させる架橋剤を配合したものであるため、硬度、圧縮永久ひずみ、電気特性及び表面性状などの特性を高度にバランスさせた半導電性ゴムロールを製造することができるといった効果を奏する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンターや複写機などのOA機器の導電性ゴム部品として有用な半導電性ゴムロール、及びその材料として好適な半導電性ゴムロール用ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンター、複写機及びファクシミリなどのOA機器には、導電性ロールを始めとした各種導電性ゴム部品が使用されている。通常、このようなOA機器用の導電性ロールは、静電対策として中抵抗領域の導電性が必要であるとともに、感光体との接触面積を確保して画像を鮮明にし、また感光体を傷つけないようにするため、ゴムは低硬度であることが要求される。このような低硬度ゴムは、一般的には、可塑剤や軟化剤、液状ポリマーのような添加剤を配合することで得られるが、感光体やトナーと接触して用いられる導電性ロールにおいては、感光体が汚染されたり、ロールに付着したトナーが膨潤して悪影響を及ぼしたりする等の問題がある。また、ゴムの架橋密度を低下させたり、未加硫ゴムを混入させることによっても低硬度ゴムを得ることができるが、架橋密度を低くしたり未加硫ゴムを混入させると、一般的に圧縮永久ひずみが大きくなったり、ブルーム現象が起こり他の部材に悪影響を及ぼす恐れがあるといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硬度、圧縮永久ひずみ、電気特性及び表面性状などの半導電性ゴムロールの要求特性を高度にバランスさせた半導電性ゴムロール、及びその材料としての半導電性ゴムロール用ゴム組成物を提供することにある。
【0004】
【課題が解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、ゴム成分としてポリエーテルゴムとアクリルゴムとをブレンドし、これらのうちポリエーテルゴムのみを選択的に架橋させる架橋剤を用いてこのブレンド物を架橋することにより、硬度、圧縮永久ひずみ、電気特性及び表面平滑性などの特性を高度にバランスさせたOA機器に適した半導電性ゴムロールが得られることを見出し、この知見に基づき本発明に到達した。
【0005】
かくして本発明によれば、以下の発明1〜5が提供される。
1.ポリエーテルゴム(A)、アクリルゴム(B)及びポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させる架橋剤(C)を含有してなる半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
2.架橋剤(C)が硫黄系架橋剤である上記1に記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
3.ポリエーテルゴム(A)が、炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体単位を含有するポリエーテルゴムである上記1または2に記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
4.さらにポリエーテルゴム(A)の架橋促進剤(D)を含有してなる上記1〜3のいずれかに記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
5.上記1〜4のいずれかに記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物を成形してなるゴム層を有する半導電性ゴムロール。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の半導電性ゴムロール用ゴム組成物は、ポリエーテルゴム(A)、アクリルゴム(B)及びポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させる架橋剤(C)を含有してなることを特徴とする。
【0007】
本発明に用いるポリエーテルゴム(A)は、オキシラン単量体を開環重合して得られるオキシアルキレン繰り返し単位を主構造単位とするゴムであれば特に限定されない。オキシラン単量体の種類も特に限定されないが、本発明に用いるポリエーテルゴム(A)は、エチレンオキシド単量体(a1)に基づく単量体単位(A1)を含有するものが好ましい。該単量体単位(A1)のポリエーテルゴム(A)中の含有量は、ポリエーテルゴム(A)の全繰り返し単位中、好ましくは15〜70モル%、より好ましくは20〜65モル%、特に好ましくは25〜60モル%である。ポリエーテルゴム中のエチレンオキシド単量体単位(A1)の含有量が少なすぎると半導電性ゴムロールのゴム層の体積固有抵抗値が大きくなる場合があり、逆に多すぎると該ゴム層の硬度が高くなったり、体積固有抵抗値の環境変動が大きくなったりする場合がある。
【0008】
さらに本発明に用いるポリエーテルゴム(A)は、エチレンオキシドと共重合可能なオキシラン単量体(a2)に基づく単量体単位(A2)を含有するものが好ましい。エチレンオキシドと共重合可能なオキシラン単量体(a2)としては、炭素数3〜20のアルキレンオキシド、炭素数4〜10のグリシジルエーテル、ビニル芳香族化合物のオキシド、これらのオキシラン単量体に架橋性基を導入した架橋性オキシラン単量体などが挙げられる。
【0009】
炭素数3〜20のアルキレンオキシドの具体例としては、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサンなどの鎖状アルキレンオキシド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどのシクロアルキレンオキシド;などが挙げられる。
【0010】
炭素数4〜10のグリシジルエーテルの具体例としては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテルなどのアルキルグリシジルエーテル;フェニルグリシジルエーテルなどのアリールグリシジルエーテル;などが挙げられる。
ビニル芳香族化合物のオキシドとしては、スチレンオキシドなどが挙げられる。
架橋性オキシラン単量体としては、上記の、炭素数3〜20のアルキレンオキシド、炭素数4〜10のグリシジルエーテルなどのオキシラン単量体に、架橋性基を導入したオキシラン単量体が挙げられる。架橋性基としては、ビニル基、アクリロイル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基及びハロゲン原子などが挙げられる。
【0011】
本発明のポリエーテルゴム(A)は、上記単量体単位(A2)中に、架橋性オキシラン単量体に基づく単量体単位(架橋性オキシラン単量体単位)が含まれているものが好ましい。さらにその場合には、架橋性オキシラン単量体は、炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体であるのがより好ましい。このようにポリエーテルゴム(A)に炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体単位が含まれていることにより、後述する架橋剤(C)のポリエーテルゴムに対する選択架橋性を向上させることができる。
炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体としては、架橋性基に炭素−炭素二重結合を含むものであればその位置は特に限定されないが、選択架橋性が特に優れることから、上記の架橋性基の中でも、ビニル基を有するオキシラン単量体であるのが最も好ましい。
【0012】
ビニル基を有する架橋性オキシラン単量体の具体例としては、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどのエチレン性不飽和グリシジルエーテル;ブタジエンモノエポキシド、クロロプレンモノエポキシド、4,5−エポキシ−2−ペンテン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどのジエン又はポリエンのモノエポキシド;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセンなどのアルケニルエポキシド;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステルなどエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;などが挙げられる。これらの中でもエチレン性不飽和グリシジルエーテルが好ましく、アリルグリシジルエーテルが特に好ましい。
【0013】
上記ポリエーテルゴム(A)中の、上記炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体単位の含有量は、好ましくは1〜20モル%、より好ましくは2〜15モル%、特に好ましくは3〜10モル%である。該単量体単位の含有量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の硬度が不足する場合があり、逆に多すぎると硬度が高くなりすぎる場合がある。
【0014】
上記ポリエーテルゴム(A)中の、上記炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体単位以外の、エチレンオキシドと共重合可能なオキシラン単量体単位の含有量は、好ましくは10〜84モル%、より好ましくは20〜78モル%、特に好ましくは30〜72モル%である。該単量体単位の含有量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の硬度が高くなったり、体積固有抵抗値の環境変動が大きくなったりする場合があり、逆に多すぎると体積固有抵抗値が大きくなる場合がある。
【0015】
なお、本発明においては、上記単量体単位(A2)中に、上記炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体以外の架橋性オキシラン単量体単位が含まれていてもよい。例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリンなどが挙げられ、中でも、エピクロルヒドリンが好ましい。
【0016】
上記ポリエーテルゴム(A)は、100℃で測定したムーニー粘度が、通常20〜200、好ましくは30〜170、より好ましくは40〜150である。ムーニー粘度が低すぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の機械的強度や耐摩耗性、圧縮永久ひずみが悪化する場合があり、逆に高すぎると成形加工が困難になり、寸法安定性が低下する場合がある。
また、ポリエーテルゴム(A)は、体積固有抵抗値が、通常105〜1010Ω・cmであり、好ましくは105.5〜109.5Ω・cm、特に好ましくは106〜109Ω・cmである。なお、ゴムの体積固有抵抗値は、架橋せずに成形した試験片を用いて測定した値である。
【0017】
本発明において、ポリエーテルゴム(A)の配合量は、ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、50〜90重量部が好ましく、より好ましくは55〜85重量部、特に好ましくは60〜80重量部である。該ゴム組成物中のポリエーテルゴム(A)の配合量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の体積固有抵抗値が大きくなりすぎる場合があり、逆に多すぎると該ゴム層の硬度が高くなりすぎる場合がある。
【0018】
本発明に用いるアクリルゴム(B)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体〔アクリル酸エステル単量体又は/及びメタクリル酸エステル単量体の意。以下、(メタ)アクリル酸メチルなど同様。〕(b1)に基づく単量体単位(B1)を主構造単位とし、必要に応じてこれらと共重合可能なその他の単量体(b2)に基づく単量体単位(B2)を含むゴムである。
(メタ)アクリル酸エステル単量体(b1)としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体などが挙げられる。
【0019】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましい。
【0020】
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、炭素数2〜8のアルコキシアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが、特に、アクリル酸2−エトキシエチル及びアクリル酸2−メトキシエチルが好ましい。
【0021】
アクリルゴム(B)中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(B1)の含有量は、好ましくは80〜100重量%、より好ましくは90〜99.8重量%、特に好ましくは95〜99.5重量%である。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(B1)の含有量が少なすぎると、ゴム組成物の硬度が高くなりすぎたり、加工性が低下する場合がある。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位(B1)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位30〜100重量%及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位70〜0重量%からなることが好ましい。
【0022】
上記(メタ)アクリル酸エステル単量体(b1)と共重合可能な単量体(b2)としては、例えば、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、アクリロイルオキシ基を2個以上有する単量体(多官能アクリル単量体)、これら以外のオレフィン単量体及び、カルボキシル基、ハロゲン原子、エポキシ基若しくは水酸基などの架橋性基を有する単量体、などが挙げられる。
【0023】
本発明に用いるアクリルゴム(B)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜90、より好ましくは20〜80、特に好ましくは30〜70である。ムーニー粘度が小さすぎると加工性や成形物の機械的特性が劣る場合があり、逆に大きすぎると加工性が劣る場合がある。
【0024】
アクリルゴム(B)の配合量は、前記ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、10〜50重量部が好ましく、より好ましくは15〜45重量部、特に好ましくは20〜40重量部である。アクリルゴム(B)の配合量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の硬度が高くなったり、加工性が低下したりする場合があり、逆に多すぎると体積固有抵抗値が大きくなりすぎる場合がある。
【0025】
本発明の半導電性ポリエーテル用ゴム組成物は、ポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させる架橋剤(C)を含有する。このようにポリエーテルゴムのみを選択架橋することにより、架橋されたポリエーテルゴム中に未架橋のアクリルゴムを分散させることができ、圧縮永久ひずみを低く抑えつつ低硬度の半導電性ゴムロールを得ることができる。なお、このように成形物が未架橋ゴムを含有する場合には、通常ブルーム現象などの不具合が生じやすいが、本発明においてはゴム成分としてポリエーテルゴム(A)とアクリルゴム(B)とをブレンドして用いておりこれらの相溶性が適度であるため、硬度、圧縮永久ひずみ、電気特性及び表面性状を高度にバランスさせることができる。
【0026】
かかる架橋剤(C)としては、ポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させることができるものであれば特に限定されず、例えば、硫黄系架橋剤、トリアジンチオール架橋剤、チアジアゾール架橋剤及び有機過酸化物架橋剤などが挙げられる。
中でも、ポリエーテルゴム(A)に対する選択架橋性が特に優れることから硫黄系架橋剤を使用するのが好ましい。
【0027】
硫黄系架橋剤としては、硫黄又は硫黄供与体を使用することができる。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。また、硫黄供与体としては、モルフォリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド系化合物、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどの多硫化物、ポリ(エチレンテトラスルフィド)、ポリ(プロピレンテトラスルフィド)、ポリ(テトラエチレンスルフィド)などの高分子多硫化物、N,N´−ジチオジ(ポリメチレンイミン)、N,N´−ビス(2−ベンゾチアゾイルチオ)ピペラジンなどを挙げることができる。これらの中でも、硫黄系架橋剤としては、硫黄;モルフォリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのジスルフィド系化合物;ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどの多硫化物;からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0028】
これらの架橋剤(C)は1種単独で使用、又は2種以上を併用することもできる。架橋剤(C)の配合量は、ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜15重量部、特に好ましくは0.3〜10重量部である。架橋剤(C)の配合量が少なすぎると得られる半導電性ゴムロールのゴム層の圧縮永久ひずみが増大するなど物性が低下したり、研磨性が低下したりする場合があり、逆に多すぎるとゴム層の硬度が高くなりすぎる場合がある。
【0029】
さらに本発明の半導電性ゴムロール用ゴム組成物は、ポリエーテルゴム(A)の架橋促進剤(D)を含有してなるものが好ましい。該ゴム組成物がポリエーテルゴム(A)の架橋促進剤(D)を含有することにより、ポリエーテルゴム(A)を選択的に架橋する架橋剤(C)の架橋反応速度を速めるとともに架橋密度を高めて半導電性ゴムロールのゴム層の機械的強度をより良好なものとすることができる。かかる架橋促進剤としては、ゴム加工に際して架橋剤の反応を促進させるために通常配合される促進剤であれば特に限定されないが、グアニジン系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤及びジチオカルバミン酸塩系促進剤などが好ましく使用される。
【0030】
グアニジン系促進剤としては、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−ο−トリルグアニジン、1−ο−トリルビグアニドなどが挙げられる。
チアゾール系促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、(ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、(N,N−ジエチルジチオカルバモイル)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
スルフェンアミド系促進剤としては、N−エチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどが挙げられる。
チウラム系促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げられる。
【0031】
これらの架橋促進剤(D)は1種単独で使用、又は2種以上を併用することもできる。架橋促進剤(D)の配合量は、前記ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.2〜15重量部、特に好ましくは0.3〜10重量部である。架橋促進剤(D)の配合量が少なすぎるとゴム組成物の架橋速度が遅くなる場合があり、逆に多すぎると半導電性ゴムロールのゴム層の硬度が高くなりすぎたり、ブルーム現象により表面性状が損なわれる場合がある。
【0032】
本発明の半導電性ゴムロール用ゴム組成物には、必要に応じて無機充填剤(E)を配合することができる。無機充填材(E)は、ゴムに一般的に配合される公知の無機充填剤であれば特に限定されない。かかる無機充填剤(E)としては、例えば、合成シリカ、アルミナ、ジルコニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アンチモン、ハイドロサイト、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、サチンホワイト、リトポン、カオリン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、クレー、焼成クレー、ケイソウ土、合成ゼオライト、スメクタイト、層状無機高分子等の無機化合物が挙げられるが、これらの中でも、炭酸カルシウム又は合成シリカが好ましく使用される。炭酸カルシウムとしては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉化炭酸カルシウム、脂肪酸表面処理炭酸カルシウムなどが挙げられる。合成シリカとしては、湿式法で合成された含水ケイ酸と乾式法で合成された無水ケイ酸のいずれも使用することができる。含水ケイ酸は沈降法シリカでもシリカゲルでもよく、無水ケイ酸は燃焼法によるシリカでも加熱法によるシリカでもよい。また、合成シリカはシランカップリング剤などで表面を親油化処理したものを使用してもよい。
【0033】
これらの無機充填剤(E)は1種単独で使用、又は2種以上を併用することもできる。無機充填剤(E)の配合量は、前記ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計量100重量部に対して、0〜35重量部が好ましく、より好ましくは5〜30重量部、特に好ましくは10〜25重量部である。
無機充填剤(E)の配合量が多すぎると高硬度のため感光体を傷つける場合がある。
【0034】
本発明においては、必要に応じて、上記各成分以外に本発明の目的を損なわない範囲で、補強材、老化防止剤、光安定剤、スコーチ防止剤、架橋遅延剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤、発泡剤などの添加剤をゴム組成物に配合してもよい。
【0035】
本発明のゴム組成物は、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法により調製することができる。
本発明のゴム組成物の成形方法及び架橋方法は、通常ゴムロールの製造に用いられる方法であれば特に限定されないが、例えば、一軸や多軸の押出機を使用して軸体の外側に上記ゴム組成物を押し出して、ゴム層を形成した後、加熱して架橋する方法;射出成形機、押出ブロー成形機、トランスファー成形機、プレス成形機などを使用して金型でゴム層を成形し、架橋して、軸体に積層する方法;などが挙げられる。中でも、押出機を用いて成形を行うことが最も適している。成形方法、架橋方法、ロール厚などに応じて、成形と架橋を同時に行うか、成形後に架橋するかを選択すればよい。
【0036】
上記ゴム組成物は加熱により架橋させるものであるが、加熱温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃〜250℃である。温度が低すぎると架橋時間が長時間必要となったり、架橋密度が低くなったりする場合がある。逆に温度が高すぎると架橋が短時間で進行し、成形不良を起こす場合がある。また、架橋時間は、架橋方法、架橋温度、ロール厚などにより異なるので特に限定されないが、架橋密度と生産効率の面から1分〜5時間の範囲で任意に選択すればよい。
加熱方法としては、電熱加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、UHF(超高周波)加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に通常用いられる方法を適宜選択すればよい。
【0037】
架橋後は、OA機器用ゴムロールとして使用するため、表面を研磨することが好ましい。研磨方法は、通常ゴムロールに用いられる方法であれば特に限定されない。例えば、砥石などの研磨材を架橋物表面のゴム層に直接接触させて機械的に研磨する乾式研磨の方法や、研磨材とゴム層との間に水系の液体を介在させてゴム層を機械的に研磨する湿式研磨等の方法が挙げられる。
【0038】
このように本発明のゴム組成物を成形することにより、電気抵抗が中抵抗領域であるゴム層を有する本発明の半導電性ゴムロールを得ることができる。
本発明の半導電性ゴムロールのゴム層の体積固有抵抗値は、好ましくは105〜1012Ω・cm、より好ましくは105.5〜1011Ω・cm、特に好ましくは106〜1010Ω・cmである。体積固有抵抗値が小さすぎるとロールが帯電しにくい場合があり、逆に大きすぎると帯電した電荷量が大きくなりすぎる場合があり、いずれの場合も、例えばプリンターなどにおいて該ロールを用いて印刷した画像が不鮮明になる場合がある。
【0039】
また、本発明における半導電性ゴムロールのゴム層の硬度(Duro type−A)は、通常20〜55、好ましくは25〜50、特に好ましくは30〜45である。硬度が低すぎると研磨性等において問題が生じる可能性があり、逆に高すぎると感光体表層である感光層の破壊や機械的トルクの上昇といった問題が生じる可能性がある。
また、本発明の半導電性ゴムロールのゴム層の圧縮永久ひずみは、通常、JIS K6262に準じた手法で、圧縮率25%、70℃、24時間にて測定した場合に、30%以下、好ましくは25%以下、特に好ましくは20%以下である。圧縮永久ひずみが高すぎると、半導電性ゴムロールが変形してしまい、印刷画像で問題が起こったり、異音・振動の原因となったりする。
【0040】
さらに、本発明の半導電性ゴムロールのゴム層の層厚は、好ましくは10μm〜15mm、より好ましくは50μm〜10mm、特に好ましくは100μm〜8mmである。層厚が小さすぎると摩耗に対する耐久性が低下する場合があり、大きすぎると画像形成時に必要な電荷量が大きくなるため、画像が不鮮明になったり、画像形成装置を大型にする必要が生じたりする場合がある。
【0041】
本発明の半導電性ゴムロールは、中抵抗領域のゴム層と軸体との間に導電性基層を有してもよい。この導電性基層の材料としては特に限定されないが、導電性弾性体が好ましい。例えば、ゴムに導電性付与剤を配合してなる組成物を架橋してなる架橋物や発泡させてなる発泡体、熱可塑性エラストマーに導電性付与剤を配合してなる組成物などが挙げられる。ゴムとしてはアクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリブタジエンゴムなどが単独で若しくは混合して用いられる。導電性付与剤としてはアセチレンブラックなどのカーボンブラック、導電性酸化スズ、導電性酸化亜鉛などの導電性金属化合物、界面活性剤などが挙げられる。導電性基層の体積固有抵抗値の上限は、好ましくは106Ω・cm、より好ましくは105Ω・cm、特に好ましくは104Ω・cmである。
【0042】
本発明の半導電性ゴムロールは、更に、中抵抗領域のゴム層の外側に該ゴム層の特性を損なわない限り、保護層を有してもよい。保護層の材料には、樹脂又はゴムが用いられ、中抵抗領域の樹脂を用いるのが好ましい。
保護層の材料となる樹脂としては、特に限定されず、一般の中抵抗領域のゴムロールにおいて保護層として用いられる樹脂、例えば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
【0043】
保護層の層厚は、好ましくは5〜200μm、より好ましくは7〜150μm、特に好ましくは10〜100μmである。層厚が薄すぎると保護層の摩耗に対する耐久性に劣る場合があり、厚すぎると被膜にクラックが入る場合がある。
【0044】
本発明の半導電性ゴムロールはプリンターや複写機、FAXのようなOA機器用、グラビア印刷用などのロールとして使用できる。特に、電子写真方式のOA機器部品として使用されるロールに好適である。OA機器部品として使用されるロールとしては、感光体の周辺に設置されるロールが挙げられ、具体的には、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、中間転写ロール、として特に好適である。これらのロールは、発泡体であってもよい。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。組成に関わる「部」及び「%」は特に断りのない限り重量基準である。また、各特性評価試験は、下記のようにして行った。
<ムーニースコーチタイム〔t5(min)〕>
ゴム組成物のムーニースコーチタイムはJIS K6300に準じて測定した。
<ゴム硬度>
ゴム組成物架橋後の硬度は、JIS K6253に準じて、タイプAデュロメータを用いて測定した。
<電気抵抗(体積固有抵抗値)>
SRIS(日本ゴム協会標準規格)2304に準じて測定した。測定条件は、温度23℃、湿度55%、直流500Vの電圧とした。
【0046】
<圧縮永久ひずみ>
ゴム架橋物の圧縮永久ひずみは、JIS K6262に準じて測定した。試験条件は、圧縮率25%、70℃、24時間とした。
<表面観察>
15cm×15cm×厚み2mmの架橋ゴムシートをプレス成形で作製し、23℃、湿度55%の条件で放置し、架橋ゴムシートの表面観察を行った。
○:放置後、2週間経過後も表面にブルーム現象が見られない
△:放置後、2週間経過後、表面にブルーム現象が見られる
【0047】
(実施例1〜3、比較例1)
ポリエーテルゴム、アクリルゴム及び無機充填剤を、表1に記載の組成で50℃に設定したバンバリーで5分間混練した。得られた混練物を金属製の混練用ロールに移し、表1に示す組成で更に架橋剤及び架橋促進剤を添加して混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を用いて、ムーニースコーチタイムを測定した。
次に、このゴム組成物を用いて、160℃、30分間プレス架橋を行うことによって得た架橋試験片で電気抵抗(体積固有抵抗値)、ゴム硬度及び圧縮永久ひずみを測定し、表面性状を観察した。各特性評価試験の結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
<表1の各成分>
アクリルゴム(ACM):カルボキシル基含有アクリルゴム(アクリル酸エチル単位含有量38%、アクリル酸n−ブチル単位含有量40%、アクリル酸2−メトキシエチル単位含有量20%、マレイン酸モノn−ブチル単位含有量2%、からなる共重合体、ムーニー粘度45(ML1+4、100℃))
ポリエーテルゴム(ECO):(エチレンオキシド単量体単位50モル%、エピクロルヒドリン単量体単位45モル%、アリルグリシジルエーテル単量体単位5モル%)からなる共重合体
硫黄(粉末硫黄):ECO用架橋剤
モルフォリンジスルフィド:ECO用架橋剤
TETD:テトラエチルチウラム・ジスルフィド(ECO用架橋促進剤)
MBTS:ジベンゾチアジルジスルフィド(ECO用架橋促進剤)
TRA:ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(ECO用架橋促進剤)
ヘキサメチレンジアミンカーバメート(ACM用架橋剤)
DOTG:ジオルトトリル・グアニジン(ACM用架橋促進剤)
表中〔phr〕は、ポリエーテルゴム(A)及びアクリルゴム(B)の合計重量100部に対する部数
【0050】
表1に示すように、本発明で規定される組成からなるゴム組成物は、ゴム硬度、電気抵抗及び圧縮永久ひずみが高度にバランスされており、表面性状も良好である(実施例1〜3)。これに対し、アクリルゴムに作用しうる架橋剤を配合した場合には、ゴム硬度が高くなりすぎて好ましくなく、ブルーム現象も生じてしまう(比較例1)。
【0051】
【発明の効果】
本発明の半導電性ゴムロール用ゴム組成物は、ポリエーテルゴムとアクリルゴムとをブレンドしたゴム成分に、ポリエーテルゴムのみを選択的に架橋させる架橋剤を配合したものであるため、硬度、圧縮永久ひずみ、電気特性及び表面性状などの特性を高度にバランスさせた半導電性ゴムロールを製造することができるといった効果を奏する。
Claims (5)
- ポリエーテルゴム(A)、アクリルゴム(B)及びポリエーテルゴム(A)のみを選択的に架橋させる架橋剤(C)を含有してなる半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
- 架橋剤(C)が硫黄系架橋剤である請求項1に記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
- ポリエーテルゴム(A)が、炭素−炭素二重結合を含む架橋性基を有する架橋性オキシラン単量体単位を含有するポリエーテルゴムである請求項1または2に記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
- さらにポリエーテルゴム(A)の架橋促進剤(D)を含有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の半導電性ゴムロール用ゴム組成物を成形してなるゴム層を有する半導電性ゴムロール。
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