JP2004204403A - 複合粉体含有材料 - Google Patents

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Norinobu Yoshikawa
徳信 吉川
Kenichi Sakuma
健一 佐久間
Shigeyuki Ogawa
滋之 小川
Satoru Tomomasa
哲 友政
Eriko Kawai
江理子 河合
Hiroyuki Yokoyama
広幸 横山
Yukimitsu Sumida
如光 隅田
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Abstract

【課題】優れた肌荒れ抑制・改善効果及び/又は抗菌防カビ効果を有する素材を提供する。
【解決手段】特定酵素を吸引又は吸着する吸着部位と、前記酵素の阻害あるいは活性化特性を有する作用部位とがそれぞれ表出している複合粉体を含有する複合粉体含有材料。
前記材料は、繊維、紙、樹脂、接着剤、プラスチック、皮革、木材、セラミック、又は金属であることが好適である。
前記材料において、作用部位が酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛とアルカリ金属化合物とを複合化した部位であり、吸着部位がシリカ、タルク、マイカ、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上からなる部位であり、抗菌防カビ効果を有することが好適である。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複合粉体含有材料、特に抗菌防カビ作用、及び/又は肌荒れ防止・改善作用を有する複合粉体を含有し、生活関連材、医療衛生材等の原料として好適に使用できる複合粉体含有材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、日常生活で、皮膚表面に直接接触させて使用するタオル、肌着等の繊維用品においては、皮膚への影響を考慮し、繊維素材を柔軟化する、あるいは繊維素材の皮膚との接触面にセリシンを配すること等が提案されている(特開平10-001872号公報)。
【0003】
一方、健康的で快適な生活環境作りの必要性から、抗菌防カビ加工を施した製品が提案されている。例えば、人体に対する毒性がなく安全性の高い脱アセチル化キチンとセルロース微複合粉体とからなる複合体が固着された抗菌防カビ繊維が提案されている(特開平5−148758号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらは肌荒れ防止・改善性能、あるいは抗菌防カビ性能において、効果を十分に発揮するものではなかった
本発明は、前記従来の課題に鑑みなされたもので、優れた肌荒れ防止・改善性能及び/又は抗菌防カビ性能を有する素材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題に鑑み、本発明者が鋭意研究した結果、素材に特定の複合粉体を含有させることにより、優れた肌荒れ防止・改善性能及び/又は抗菌防カビ性能を発揮することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の第一の主題は即ち、特定酵素を吸引又は吸着する吸着部位と、前記酵素の阻害あるいは活性化特性を有する作用部位とがそれぞれ表出している複合粉体を含有することを特徴とする複合粉体含有材料である。
前記材料は、繊維、紙、樹脂、接着剤、プラスチック、皮革、木材、セラミック、又は金属及びその誘導体であることが好適である。
ここで、金属誘導体とは金属酸化物、金属塩、金属錯体、金属間化合物等を意味する。
【0007】
また、使用するpHにおける吸着部位のζ電位が負の値であり、ζ電位が正の値である特定酵素を吸引又は吸着し、阻害あるいは活性化することが好適である。
さらに、pH7.5における吸着部位のζ電位が−10mV以下であることが好適である。
また、特定酵素はプラスミノーゲンアクチベーターであり、作用部位はプラスミノーゲンアクチベーター阻害作用を有することが好適である。
前記材料において、作用部位が亜鉛イオンを放出可能な金属又は金属化合物からなる部位であり、吸着部位がシリカ、タルク、マイカ、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上からなる部位であることが好適である。
【0008】
前記材料において、作用部位が酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛とアルカリ金属化合物とを複合化した部位であり、吸着部位がシリカ、タルク、マイカ、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上からなる部位であり、抗菌防カビ効果を有することが好適である。
さらに、アルカリ金属化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩からなる群より選択される1種又は2種以上であることが好適である。
【0009】
本発明の第二の主題は、特定酵素を吸引又は吸着する吸着部位と、
前記酵素の阻害あるいは活性化特性を有する作用部位と、
がそれぞれ表出している複合粉体をエーロゾルにして、大気中に噴霧することのできる加湿器、あるいは美顔機である。
【0010】
【発明の実施の形態】
近年肌荒れや角化異常を伴う種々の皮膚疾患の病像形成には、プロテアーゼ、特にプラスミンやプラスミノーゲンアクチベーターといった線溶系酵素(プラスミノーゲン活性化系酵素)の活性変化が深く関与していることが明らかにされつつある。
【0011】
例えば実験的に肌荒れを起こした表皮細胞層ではプラスミンの分布に変化が認められ、肌荒れの改善・予防に抗プラスミン剤が有効であることが報告されている(Kenji kitamura:J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn;29(2),1995 )。また、アトピー性皮膚炎においても表皮中に高い線溶活性が認められている(T.Lotti:Departmentof Dermatology;28(7),1989)。さらに、炎症性異常角化性疾患の代表である乾癬では、その患部表皮の錯角化部位に強いプラスミノーゲンアクチベーター活性が存在すること(Haustein:Arch.Klin.Exp.Dermatol;234,1969)や、乾癬鱗屑から高濃度の塩溶液を用いてプラスミノーゲンアクチベーターを抽出したという報告(Fraki,Hopsu-Havu:Arch.Dermatol.Res;256,1976)がなされている。
【0012】
プラスミノーゲンアクチベーターはプラスミンの前駆体であるプラスミノーゲンに特異的に働いて、それを活性なプラスミンに変換するプロテアーゼである。
上述のような現況に鑑み、本発明者らはプラスミノーゲンを活性化するプラスミノーゲンアクチベーターが乾癬鱗屑等の肌荒れした角層中に存在することに注目した。すなわち、経皮吸収されずに皮膚表面でプラスミノーゲンアクチベーターを吸着しそれを不活化する物質は安全性が高く、プラスミノーゲン活性化系酵素の活性変化を伴う種々の皮膚疾患、肌荒れ等に対し改善・予防効果を示すのではないかと考え、広く種々の粉末物質について当該作用を調べた。その結果、特定の複合粉体が優れたプラスミノーゲンアクチベーター吸着・阻害作用を有し、さらにこれを含有した各種材料が、優れた肌あれ防止・改善効果を有していることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0013】
プラスミノーゲンアクチベーターにはウロキナーゼと組織型プラスミノーゲンアクチベーターと呼ばれる2種類があり、前者は健常な表皮で、後者は主に病的な表皮においてその存在が認められている。
本発明に関わる複合粉体は、この両方のプラスミノーゲンアクチベーターに対し吸着・阻害作用を有するものである。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0014】
複合粉体構造
本発明にかかる複合粉体は、特定酵素の吸着部位と作用部位とを含む。
本発明にかかる複合粉体は、典型的には吸着部位に作用部位を縞状あるいは斑点状に被覆させる。
また、作用部位に吸着部位を縞状、斑点状に被覆させる。あるいは作用部位に吸着部位を網目状に形成する。
【0015】
さらに本発明にかかる複合粉体としては、作用部位及び吸着部位を基粉体に形成した複合粉体、吸着部位の層間に作用部位を担持させた複合粉体(ないし作用部位の層間に吸着部位を担持させた複合粉体)、吸着部位中に作用部位を内包させた複合粉体(ないし作用部位中に吸着部位を内包させた複合粉体)等が挙げられるが、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限されない。
上記複合粉体は、作用部位における作用効果を十分に発揮でき、吸着部位における吸着効果を妨げないような構造となるよう、被覆量、被覆率等を調整することが好ましい。
【0016】
吸着部位
本発明にかかる複合粉体において、吸着部位は吸着対象となる酵素との関係で決定されるが、好適には対象酵素のζ電位との相関で評価される。
液中で複合粉体が電荷を持つ時、この電荷を打ち消すため反対の電荷のイオンが静電力で複合粉体にひきつけられ電気二重層ができる。二重層の最も外側の電位がζ電位である。よって、ζ電位は対象物の表面荷電状態の評価に好適に用いられ、酵素を電気的に吸着する能力の評価を行うことができる。
【0017】
ζ電位は、スモルコフスキーの公式 ζ電位=4πηU/ε(η:溶媒の粘度
U:電気泳動易動度 ε:溶媒の誘電率)より求められる。
ζ電位を求めるためには、電気泳動法によりコロイド粒子の速度(V)、及び電気泳動易動度(U)を求める。帯電しているコロイド粒子に電場(E)をかけると粒子が移動する。V=L/t(L:移動距離 t:時間)、U=V/Eで得られる。
【0018】
対象酵素が、ζ電位が正の値であるプラスミノーゲンアクチベーターの場合、吸着部位を構成する物質のζ電位は、使用するpHにおいて負の値を示すことが好適である。また、吸着部位を構成する物質のζ電位はpH7.5において、−10mV以下の値を示すことが好適であり、さらに好ましくは−20mV以下である。
【0019】
なお、ζ電位測定方法は以下の通りである。
pH7.5のTris−HCl buffer中に試料を分散・超音波処理した後、測定に用いた。ζ電位は大塚電子株式会社製の電気泳動光散乱光度計LEZA−600を用いて測定する。測定は3回行い、結果はその平均値で表す。
【0020】
複合粉体のプラスミノーゲンアクチベーター吸着率は60%以上であることが好適である。
UK吸着率の測定方法は以下の通りである。
試料懸濁水20μLにTris-HCl buffer(pH7.5)を加えて全量を180μLとし、ここに10μg/mLの前駆体型UK20μLを添加して室温で5分間放置した。その後試料粉末をろ過し、ろ液を回収する。さらに一定量のTris-HClbufferにて粉末を十分に洗浄し、ろ液と洗浄液を合わせ、これを未吸着UK溶液とした。TintEliza uPA(biopool)を用い、ELISA法にて未吸着UK溶液中のUK濃度を求め、その値から試料粉末に吸着されたUK量を算出し、UK吸着率を求める。
【0021】
各有機複合粉体又は各無機複合粉体の間では、必ずしも比例関係にはならないものの、ζ電位が低いほどUK吸着率が高い傾向があり、ζ電位とUK吸着率には関連性がある。
吸着部位に好適な物質としては、具体的には無機複合粉体としてはシリカ、マイカ、タルク等、有機複合粉体としてはポリアミド、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等が挙げられる。
なお、吸着部位は1種又は2種以上の物質よりなることができる。
【0022】
作用部位
本発明にかかる複合粉体において、作用部位も作用対象となる酵素との関係で決定される。
対象酵素がプラスミノーゲンアクチベーターの場合、4族、9族、10族、11族、12族の元素のイオンを溶出する金属、又は金属化合物が挙げられる。特に好ましい金属イオンとしては亜鉛イオンが挙げられる。
各イオンの酵素への作用には高い特異性があり、亜鉛イオンには最も優れたUK阻害作用が認められる。
【0023】
なお、金属イオンを溶出する金属化合物としては、酸化物、水酸化物、硝酸塩、塩化物、水和物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、過硫酸塩及びこれらを分子内に含有する無機化合物を含む形態(錯体)などの無機化合物、
グリセロリン酸塩、酢酸塩、水酸化物、ならびにα−ヒドロキシ酸(クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩)もしくはフルーツ酸塩、アミノ酸塩(アスパラギン酸塩、アルギン酸塩、グリコール酸塩、フマル酸塩)もしくは脂肪酸塩(パルミチン酸塩、オレイン酸塩、カゼイン酸塩、ベヘニル酸塩)などの有機酸塩が挙げられる。本発明の複合粉体を皮膚外用剤等に用いる際、特に好ましい金属化合物としては、酸化亜鉛が挙げられる。
【0024】
複合粉体のプラスミノーゲンアクチベーターの阻害率は40%以上、特に50%以上であることが好適である。
なお、UK活性阻害率の測定方法は以下の通りである。
試料懸濁水20μLにTris-HCl buffer(pH7.5)を加えて全量を180μLとし、ここに300U/mLの活性型UK20μLを添加して室温に放置する。30分後、UKの特異的な合成基質であるS2444(CHROMOGENIX)を20μL添加し、さらに37℃恒温器に30分放置する。その後12%のトリクロロ酢酸水溶液20μLを添加して反応を停止させた上で、試料粉末をろ過し、ろ液の405nm吸光度を測定して評価系中のUK活性を求め、さらに試料によるUK活性阻害率を算出する。
【0025】
基粉体
前述のように本発明の複合粉体は、基粉体に作用部位及び吸着部位を縞状あるいは斑点状に形成した構造であってもよい。基粉体としては、本発明の効果を損なわないものであれば、特に制限されず、無機質基粉体、有機質基粉体、無機顔料基粉体、有機顔料基粉体等を用いることができる。
【0026】
複合化効果
正常な皮膚においては、プラスミノーゲンアクチベーターは角層と真皮に局在している。ところが、肌荒れや角化異常を伴う種々の皮膚疾患により、プラスミノーゲンアクチベーターが活性化し皮膚のプラスミノーゲンアクチベーターの適切な局在が崩れ、プラスミノーゲンアクチベーターの拡散が生じることが知られている。
本発明にかかる複合粉体により、プラスミノーゲンアクチベーターの活性化及び拡散が抑制される理由は以下のように考えられる。
【0027】
ζ電位が負の値である物質は、プラスミノーゲンアクチベーターを電気的に吸着する能力が優れている。ζ電位が負の値である吸着部位を持つ複合粉体が皮膚に接触すると、皮膚細胞内に多量に発生したプラスミノーゲンアクチベーターが吸着部位に引き寄せられ、表皮の上層部に局在する。つまり、プラスミノーゲンアクチベーターが複合粉体の吸着部位に吸着され、拡散が抑制される。
そして、複合粉体の吸着部位に吸着されたプラスミノーゲンアクチベーターは、作用部位によるプラスミノーゲンアクチベーター阻害効果により、活性化が抑制される。
【0028】
なお、参考としてプラスミノーゲンアクチベーターと同じセリンプロテアーゼに分類されるトリプシンについても検討したところ、トリプシンの活性はほとんど失われなかった。すなわち本発明にかかる作用部位は非特異的に酵素活性を阻害するものではない。
【0029】
複合粉体の各部位を構成する複合粉体を単に粉末状態で混合した場合にも、条件によっては各複合粉体単独よりも高い効果を発揮することがある。しかし、これらの特定の酵素に対する阻害作用を有する部位、及び吸着する部位がそれぞれ表出している複合粉体は、粒子の移動が起きないので、吸着部位が安定して負のζ電位を持ち続けることができ、極めて高い酵素作用性、例えばプラスミノーゲンアクチベーター阻害効果が認められる。
【0030】
以下に、本発明にかかる複合粉体について詳細に説明する。
実施形態1
本実施形態では、プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する複合粉体において、作用部位が亜鉛イオンを放出可能な金属又は金属化合物からなる部位であり、吸着部位がシリカ、タルク、マイカ、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上からなる部位であることを特徴とする。
【0031】
吸着部位に作用部位を部分被覆させた場合、作用部位における作用効果を十分に発揮でき、吸着部位における吸着効果を妨げない範囲内で、作用部位を形成するよう被覆量、被覆率を調整することが好ましい。好ましい作用部位の被覆量は吸着部位に対して1〜70質量%、特に5〜40質量%であり、好ましい作用部位の被覆率は吸着部位の表面積の1〜90%、より好ましくは2〜70%、さらに好ましくは4〜50%である。
作用部位に吸着部位を部分被覆させた場合、吸着部位における吸着効果を十分に発揮でき、作用部位における作用効果を妨げない範囲内で、吸着部位を形成するよう被覆量を調整することが好ましい。好ましい吸着部位の被覆量は作用部位に対して0.1〜75質量%である。
【0032】
一般に、酸化亜鉛の製造法は亜鉛板を適当な炉中で強熱酸化するか、水酸化亜鉛、硝酸亜鉛などを強熱して酸化亜鉛を得る乾式法と、硫酸亜鉛あるいは塩化亜鉛に炭酸ナトリウム溶液を加えて塩基性炭酸亜鉛を沈殿させ、これを洗浄、乾燥後、強熱して酸化亜鉛を得る湿式法とに大別される。両製造方法により得られた酸化亜鉛を比較すると、乾式で製造されたものが優れている傾向にある。
【0033】
また、粒子径あるいは比表面積により、通常の酸化亜鉛から微粒子酸化亜鉛(比表面積が10m2/g<)、さらに超微粒子酸化亜鉛(粒子径が0.1μm>)に分けられる。なお、担体として用いる酸化亜鉛の製造法、粒径等は特に限定しないが、前述の蛍光をもたない平均粒子径が0.2μm以下、すなわち微粒子もしくは超微粒子に分類される酸化亜鉛を用いることが、プラスミノーゲンアクチベーター吸着・阻害作用ならびに肌改善作用がより優れていることから好ましい。
一方、酸化亜鉛をH,COの様な還元雰囲気で焼成すると蛍光を発する酸化亜鉛が得られることが知られているが(特開平5−117127)、これらの蛍光酸化亜鉛にはいずれの方法によって製造されたものであっても、プラスミノーゲンアクチベーター吸着・活性阻害作用、ならび肌改善作用はほとんど認められない。
【0034】
実施形態2
本実施形態では、プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する複合粉体において、作用部位が酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛にアルカリ金属化合物を複合化した部位であり、吸着部位がシリカ、タルク、マイカ、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上からなる部位であり、肌荒れ防止・改善効果に加えて、抗菌防カビ効果を有することを特徴とする。酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛とアルカリ金属塩が十分に混合され、酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛の微細な凝集体にアルカリ金属塩が内包されているため、粉末状態で2つを混合したものと異なり、抗菌防カビ性能を長期に渡って持続することができる。
【0035】
アルカリ金属化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩から選ばれる1種又は2種以上のアルカリ金属塩であることが好適である。特に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムであることが好適である。
【0036】
次に本実施形態にかかる複合粉体の製造方法の一例を示す。
まず、酢酸亜鉛水溶液等の亜鉛イオンを含む水溶液(A)と、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液(B)、及びタルク等の吸着部位に相当する物質(以下、吸着性物質という)の分散液(C)を調製しておく。
【0037】
亜鉛イオンを含む水溶液(A)とアルカリ水溶液(B)を、常温常圧下において、吸着性物質分散液(C)の入った反応槽に反応液のpHが7〜10になるように量を調整しながら供給し、混合攪拌させる。このようにして得られた生成物は、遠心分離機にかけてろ別し、水洗し、乾燥させ、得ることが可能である。また、乾燥後焼成を行ってもよい。また、複合粉体の粒径を調整するために、焼成させた後に粉砕処理などを行っても良い。
なお、複合粉体合成時のpHは7〜10で一定であることが好適である。合成時のpH7未満あるいは10を越えると、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用、抗菌防カビ性能が発揮されない可能性がある。
【0038】
亜鉛イオンを含む水溶液としては、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛、ハロゲン化亜鉛等の無機塩類、蟻酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、乳酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛などの有機酸塩類等の水溶液を用いることができる。
本発明では特に酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛を用いることが好適である。さらに硫酸亜鉛及び塩化亜鉛を用いる場合は、亜鉛のモル数に対して2倍のモル数の酢酸を添加することが好適である。これらの合成原料を用いると、抗菌防カビ効果が特に優れたものとなる。
【0039】
また、アルカリ水溶液の原料としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩等を用いることができる。このなかで特に炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムを用いることが好適である。
【0040】
上記製造方法は、水洗工程での水洗回数を減少させることにより、反応溶液中に分散している酸化亜鉛又は塩基性炭酸亜鉛の微粒子に吸着されているアルカリ金属塩を意図的に残存させる方法である。
なお本実施形態における複合粉体の製造方法は上記方法のみに限られるものではなく、このほかにも本発明の効果を損なわない方法であれば、適用することが可能である。
【0041】
例えば、炭酸イオンを含むアルカリ水溶液の代わりに水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような強アルカリ水溶液を用い、塩基性炭酸亜鉛を経ないで直接酸化亜鉛を合成し、これを水洗、濾過、乾燥して複合粉体を得ることもできる。
【0042】
また、水洗工程で水洗を十分に行い吸着性物質と酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛以外の不純物をほとんど含有しない予備複合粉体(酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛と吸着性物質の複合凝集体)を合成した後、その複合粉体を、アルカリ金属塩を含む水溶液に浸漬後乾燥させて、予備複合粉体の中に均一にアルカリ金属塩を混合させることもできる。
【0043】
本実施形態の複合粉体において、酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛の含有量は複合粉体全体の5〜75質量%であることが好適である。5質量%未満あるいは75質量%を超えると、所望のプラスミノーゲンアクチベーター阻害作用が得られない恐れがあるからである。
【0044】
本実施形態の複合粉体において、アルカリ金属塩の含有量は複合粉体全体の0.5〜50質量%であることが好適である。0.5質量%未満では所望の抗菌防カビ性能が得られず、また50質量%を超えると、プラスミノーゲンアクチベーター阻害作用が低下する、アルカリ金属塩の高い吸湿性や溶出性により組成物の性能が劣化する、あるいは抗菌剤自体が強アルカリ性になる可能性が懸念される。
【0045】
また、吸着部位に作用部位を部分被覆させた場合、好ましい作用部位の被覆率は吸着部位の表面積の1〜90%、より好ましくは2〜70%、さらに好ましくは4〜50%である。
作用部位に吸着部位を部分被覆させた場合、好ましい吸着部位の被覆量は作用部位に対して0.1〜75質量%である。
【0046】
本発明の複合粉体含有材料は、上記の複合粉体を材料に含有させたものである。上記複合粉体を1種又は2種以上配合することにより、肌荒れ防止・改善及び/又は抗菌防カビ性能性能に優れた安全性の極めて高い複合粉体含有材料を提供することができる。含有方法は、特に制限されず、固着・充填・塗布・配合等とすることができる。
複合粉体を含有させる材料としては、特に制限されないが繊維、紙、樹脂、接着剤、プラスチック、皮革、木材、セラミック、又は金属及びその誘導体等が挙げられる。
【0047】
繊維材料としては、特に制限はなく、綿、絹、絹、羊毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、ベンベルグ、レーヨン、アセテート等の再生繊維、アセテート、プロミックス等の半合成繊維、アクリル、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル繊維等の合成繊維、並びにこれら繊維の複合繊維などが用いられ、その形態としては、編物、織物、不織布などが挙げられる。
【0048】
本発明にかかる複合粉体を材料に含有させる方法としては、例えば複合粉体を水に溶解又は分散させた後、若しくは有機溶剤に溶解させた後、スプレー法、パッド法、浸漬法、コーティング法等で材料に付着させ、その後乾燥することにより固着させることができる。さらに、耐久性を得るために、必要に応じて架橋剤やバインダーを併用することもできる。
【0049】
その他、本発明にかかる複合粉体を材料に含有させる方法を以下に示すが、これに限定されず、従来公知の方法とすることができる。
紙への充填
紙は本来植物性繊維を主原料とした極めて粗い多孔質シートである。ここに本発明の複合粉体を充填すると、内部に保持され、肌荒れ抑制・改善効果及び/又は抗菌防カビ効果が発揮される。
工程の概要は以下のとおりである。
1.パルプを水に分散させ、叩解機にて繊維の切断、粘状化を施す。
2.フィラーとして、本発明の複合粉体を加える。
3.抄紙機へかける。
【0050】
糊、ニス、ラッカー、塗料、接着剤等への配合
本発明の複合粉体を糊、ニス、ラッカー、塗料、接着剤に配合することによって、材料そのものだけではなく、これを塗布・付着させた材料にも肌荒れ抑制・改善効果及び/又は抗菌防カビ効果が発揮される。
工程の概要は以下のとおりである。
1.本発明の複合粉体のスラリーを調製する。
2.糊、ニス、ラッカー、塗料、又は接着剤を添加する。
3.均一に塗布し、乾燥する。
【0051】
皮革や木材等への固着
本発明の複合粉体を合成樹脂からできたバインダーと共に印捺し、熱処理を行って、当該複合粉体を樹脂によって固着させることによって、肌荒れ抑制・改善効果及び/又は抗菌防カビ効果が発揮される。
【0052】
衣料用洗浄剤、柔軟仕上げ剤等への配合
本発明の複合粉体を衣料用洗浄剤、柔軟仕上げ剤等へ配合することにより、皮膚に触れる衣料品に本発明の複合粉体が付着、保持され、肌荒れ抑制・改善効果及び/又は抗菌防カビ効果が発揮される。
【0053】
パウダー製品への配合
ボディパウダー、ベビーパウダー、パウダースプレー等、従来水や油等の液状成分を配合することが困難であったパウダー製品に対し、本発明の複合粉体を配合することによって、従来期待できなかった肌荒れ抑制・改善効果及び/又は抗菌防カビ効果が発揮される。
【0054】
複合粉体の含有量は特に制限されないが、例えば繊維材料(目付150g/m)の場合、好ましくは0.005〜10g/mであり、より好ましくは10〜5g/mである。含有量が0.005g/m未満であると効果の発現に乏しくなる傾向にあり、10g/mを超えても使用量に見合う肌荒れ抑制・改善効果及び/又は抗菌防カビ効果が得られにくく、経済的に不利となる傾向にある。
【0055】
本発明の複合粉体含有材料の用途・形態は、固体、液体、気体を問わず、特に制限されないが、ヒトの皮膚に直接触れる、あるいは特に摩擦を生じる可能性のある用品を構成する材料として使用することが好ましく、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ファンデーション、頬紅、おしろい、アイシャドー、口紅、浴用剤、あぶら取り紙、紙おしろい、シャンプー、リンス、ヘアスプレー、制汗スプレー、ボディパウダー、ベビーパウダー等の化粧品;ティッシュペーパーやペーパータオル、ナプキン、紙幣、切符、チケット、本、ポスター、新聞、雑誌、ノート、メモ帳等の紙用品や事務用品類;下着、肌着、シャツ、帽子・靴等の裏地、靴下、サンダル等の衣類;乳幼児や高齢者向けの紙おむつ等の育児・介護用品類;生理用品、避妊具、台所用スポンジ、たわし、便座、便座カバー類、雑巾、歯ブラシ、歯磨き粉、マスク、医療用ガーゼ、絆創膏、医療用サポーター、柔軟仕上げ剤、衣料用洗浄剤、台所用洗浄剤等の日用雑貨類;いす、ベッド、布団、毛布、座布団、枕やそれらのカバー、箪笥、カーテン、カーペット、じゅうたん等の家具・寝具類;壁紙、壁材、床材、柱、手すり等の建築部材類;ベビーカー、キャリア、電気器具、食器、棚等のハンドルや取手類;スポーツ用テープ、スポーツ用サポーター、ゴルフ・テニス・卓球・スキー等の各種スポーツ用品のグリップ、グローブ、野球のバットやグローブ、ラグビーやフットボール等の各種防具等のスポーツ用品類;自動車、自転車、バス、電車、飛行機等の車両用シートや吊り革、取手、内装用品等の部材類;等が挙げられる。
【0056】
さらに、エーロゾルにすることにより、本発明の複合粉体に特徴の肌荒れ防止・改善作用及び/又は抗菌防カビ作用を有する空間を得ることもできる。ここで、エーロゾルとは気体に本発明の複合粉体の微細粒子が分散している分散系(コロイド状態)を意味し、噴射した時大気中に噴霧された状態を表したものである。例えば、噴射装置及び耐圧容器からなるスプレー式容器に噴射原液と噴射剤とを封入し、噴射剤の生ずる圧力により噴射原液を均一に噴射させるものである。噴射剤としては液化ガスが、噴射原液としては本発明の複合粉体そのもの、又は液体に本発明の複合粉体が分散したもの等が使用できる。
さらに、超音波等の噴霧式の加湿器、加湿器付空気清浄機、美顔機等に応用することによって、空気質の改善、あるいは本格的な肌の手入れをすることができる。
【0057】
本発明にかかる複合粉体を配合することにより、日常生活や、スポーツシーン、あるいは医療行為等において、優れた抗菌防カビ効果及び/又は肌荒れ抑制・改善効果を発揮する用品の機能材料としての用途が期待される。
【0058】
本発明にかかる複合粉体含有材料は、敏感肌等への適用にも優れた効果を示す。
敏感肌とは、刊行物等によれば以下のように言われている。「普段から医薬品外用剤、化粧品、植物、紫外線、金属など、多くの人には何でもない物質に特異的に反応し、皮膚トラブルを起こしやすい肌。バリア機能が低下していてアレルギー性物質(花粉、香料など)や刺激性物質(アルコールなど)に体質的に敏感な肌」及び「睡眠不足、過労、生理、季節の変わり目、精神的なストレスなどにより、肌本来の抵抗力あるいは皮膚の生理機能が弱まるようなときに、刺激物に対して一時的に皮膚トラブルを起こしやすくなる肌。普段使用している化粧品の使用に不安を感じることがある心配肌。」
【0059】
このように、肌状態が敏感になる要因としては、皮膚バリア機能の低下、皮膚刺激閾値の低下、皮膚の乾燥、接触皮膚炎の起炎物質、物理化学的刺激、ストレス、体調、季節変化、紫外線、生理などが挙げられる。さらに、誤ったスキンケアにより自ら肌を敏感にしてしまう場合、あるいは単に本人の思い込みで敏感肌に分類される場合も考えられる。
【0060】
本発明において敏感肌対象者とは、下記▲1▼〜▲5▼のいずれかの処理において異常感覚を覚える者と定義した。
▲1▼ 5%クエン酸水溶液100μLを頬に塗布し、10分間置く。
▲2▼ 5%乳酸水溶液100μLを頬に塗布し、10分間置く。
▲3▼ 50%エタノール溶液100μLを頬に塗布し、10分間置く。
▲4▼ 0.2%メチルパラベン水溶液100μLを2×2cm不織布に含浸し、頬に10分間静置する。
▲5▼ 5%SDS水溶液100μLを2×2cm不織布に含浸し、頬に30分間静置する。
なお異常感覚とは、皮膚領域において感知される、比較的苦痛を伴う感覚、例えばひりひりする痛み、むずむず感、痒み、熱感、不快感、刺すような痛み等を意味する。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳しく説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
試験例1
反応容器にイオン交換水を入れ、タルク(JA−68RTM:浅田製粉(株)製、ζ電位:−19.3mV)100gを分散させる。これに2台のマイクロチュ−ブポンプを接続し、pHコントローラー及び撹拌装置をセットした。2台のマイクロチューブポンプを160mLのイオン交換水に33.4gの塩化亜鉛と29.6gの酢酸を溶解した溶液と、270mLのイオン交換水に88.4gの無水炭酸ナトリウムを溶解した溶液とにそれぞれ接続し、反応容器に滴下できるように固定した。常圧常温で撹拌を行いながら、反応中はpH8で一定になるよう保ちながら2つの水溶液の滴下量を調節しながら反応させた。滴下時間は約30分であった。得られた沈殿物は水洗・ろ過を3回ずつ繰り返し、オーブンで105℃、12時間乾燥した後、パーソナルミルで粉砕し、300℃で1時間焼成した。この粉末を粉砕後60メッシュのふるいを通し目的物を得た。
【0062】
試験例2
試験例1でタルクの代わりにマイカ(セリパール300STM:(株)角八魚鱗箔製、ζ電位:−18.9mV)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
試験例3
試験例1でタルクの代わりにシリカ(ケミセレンTM:住友化学工業製、ζ電位:−39.4mV)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
試験例4
試験例1で焼成工程を省略し、塩基性炭酸亜鉛の複合粉体を得た。
【0063】
実施例1 複合粉体含有ウェットティッシュ
(1)不織布の作製
繊度2d/繊維長51mmのレーヨン繊維をカード機で解繊して、目付約40g/mのウェブを得た。該ウェブをウォーターカーテン処理してから、0.08mm径のノズルを二本使用してウォータージェット処理したのち、スルードライヤーで熱風乾燥を施してレーヨン不織布を作製した。ウォータージェット処理は二回行い、一段処理圧50kg/m、二段処理圧70kg/mとした。また、ライン速度は10m/分とした。
【0064】
(2)ウェットティシュの作製
試験例1〜4の複合粉体2質量%、精製水98質量%を配合した薬液各40gを、前述の不織布20gに含浸させてウェットティッシュを作製した。
【0065】
実施例2 セルロース繊維の製造
平均繊維長が2.35mm、繊維粗度が0.36mg/m、繊維断面の真円度が0.80であるマーセル化パルプ(POROSANIER−JTM:ITT RAYONIER INC.製)100gを水に分散させ、叩解機にて繊維を切断、粘状化する。フィラーとして、試験例1〜4の複合粉体5gを加え、抄紙機へかけた。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、特定酵素を吸引又は吸着する吸着部位と、前記酵素の阻害あるいは活性化特性を有する作用部位とがそれぞれ表出している複合粉体を含有させることにより、優れた肌荒れ抑制・改善効果を持つ複合粉体含有材料を得ることができ、さらに作用部位をが酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛とアルカリ金属化合物とを複合化した部位とすることで、抗菌防カビ効果を得ることができる。

Claims (10)

  1. 特定酵素を吸引又は吸着する吸着部位と、
    前記酵素の阻害あるいは活性化特性を有する作用部位と、
    がそれぞれ表出している複合粉体を含有することを特徴とする複合粉体含有材料。
  2. 請求項1に記載の材料において、繊維、紙、樹脂、接着剤、プラスチック、皮革、木材、セラミック、又は金属及びその誘導体であることを特徴とする複合粉体含有材料。
  3. 請求項1又は2に記載の材料において、使用するpHにおける吸着部位のζ電位が負の値であり、ζ電位が正の値である特定酵素を吸引又は吸着し、阻害あるいは活性化することを特徴とする複合粉体含有材料。
  4. 請求項1〜3に記載の材料において、pH7.5における吸着部位のζ電位が−10mV以下であることを特徴とする複合粉体含有材料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の材料において、特定酵素はプラスミノーゲンアクチベーターであり、作用部位はプラスミノーゲンアクチベーター阻害作用を有することを特徴とする複合粉体含有材料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の材料において、作用部位が亜鉛イオンを放出可能な金属又は金属化合物からなる部位であり、吸着部位がシリカ、タルク、マイカ、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上からなる部位であることを特徴とする複合粉体含有材料。
  7. 請求項1〜5に記載の材料において、作用部位が酸化亜鉛及び/又は塩基性炭酸亜鉛とアルカリ金属化合物とを複合化した部位であり、吸着部位がシリカ、タルク、マイカ、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、及びシリコーン樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上からなる部位であり、抗菌防カビ効果を有することを特徴とする複合粉体含有材料。
  8. 請求項7に記載の材料において、アルカリ金属化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウムの水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩からなる群より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする複合粉体含有材料。
  9. 特定酵素を吸引又は吸着する吸着部位と、
    前記酵素の阻害あるいは活性化特性を有する作用部位と、
    がそれぞれ表出している複合粉体をエーロゾルにして、大気中に噴霧することのできる加湿器。
  10. 特定酵素を吸引又は吸着する吸着部位と、
    前記酵素の阻害あるいは活性化特性を有する作用部位と、
    がそれぞれ表出している複合粉体をエーロゾルにして、大気中に噴霧することのできる美顔機。
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