JP2004200475A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】寄生バイポーラ現象によりドレイン近傍に発生する電子もしくはホールの引き抜きを素早く行うこと。
【解決手段】SOI基板上のMOSトランジスタのドレイン領域12の一部に、ドレイン領域とは逆の導電型領域を設けてボディ電位引出し領域とする。ボディ電位引出し領域は低濃度領域132と高濃度領域131に分かれ、高濃度ボディ電位引出し領域は低濃度ボディ電位引出し領域を介してドレイン領域と接している。
【選択図】 図2
【解決手段】SOI基板上のMOSトランジスタのドレイン領域12の一部に、ドレイン領域とは逆の導電型領域を設けてボディ電位引出し領域とする。ボディ電位引出し領域は低濃度領域132と高濃度領域131に分かれ、高濃度ボディ電位引出し領域は低濃度ボディ電位引出し領域を介してドレイン領域と接している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SOI(Silicon on Insulator)、ガラス基板上の多結晶シリコン、SOS(Silicon on Sapphire)で代表される絶縁性基板上の半導体薄膜に形成されたMOSトランジスタとその集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は図6に示すように、寄生バイポーラを抑制する方法としてソース下にボディ電位引出し領域を設ける構造(特許文献1参照)がある。シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して半導体層3が形成されている。半導体層3の上には、ゲート酸化膜5を介して多結晶シリコンゲート電極4が形成されている。
【0003】
多結晶シリコンゲート電極4直下の半導体層3には、(P型)ボディ領域21が形成され、その両側の半導体層3には、N型高濃度ドレイン領域12およびN型高濃度ソース領域11が形成されている。また、半導体層3のN型高濃度ソース領域11と埋め込み酸化膜の間には、P型高濃度ボディ電位引出領域131が形成されている。
【0004】
また、図7に示すように、ボディ領域の接続は、ソース領域11やドレイン領域12下に形成されていない場合がある。多結晶シリコンゲート電極4直下のチャネル幅方向のボディ領域に接続されたボディ電位引出し領域132を介してP型高濃度ボディ電位引出領域131に接続された構造(特許文献2参照)が知られていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−252354 図1(b)
【0006】
【特許文献2】
特開2002−231956 図1
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SOI MOSトランジスタにおいてドレインに高電界をかけたときに起こる寄生バイポーラ現象によって発生する電子もしくはホールをボディ領域より引き抜くには、ボディ電位引出し領域がソース領域やソースやドレインとは別に設けられたボディ電位引出し領域より引き抜くのでは電子もしくはホールの発生地点より距離があるために十分引き抜くことができないという問題点を有していた。
【0008】
本発明は、従来のSOI M0S型トランジスタでは不可能であった、ドレインに高電界をかけても寄生バイポーラ現象を抑制することができるという特徴を有するSOI MOSトランジスタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次の手段を用いた。
(1)支持基板と、支持基板上に埋め込み絶縁膜を介して設けられた第一導電型のボディ領域と、ボディ領域をはさんで前記埋め込み絶縁膜上に形成された単結晶半導体からなる第二導電型のソース領域およびドレイン領域と、前記ボディ領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ドレイン領域に接するように設けられた複数の第一導電型領域を有することを特徴とするMOSトランジスタ。
(2)前記ドレイン領域に接するように設けられた複数の第一導電型領域は、チャネル幅方向にドレイン端となる部分に設けていることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
(3)前記ドレイン領域内に設けられた複数の第一導電型領域は低濃度領域と高濃度領域に分かれており、高濃度の第一導電型領域と第二導電型であるドレイン領域は低濃度の第一導電型領域を介して接続していることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
(4)前記ドレイン領域内の低濃度の第一導電型領域の上にはゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極を有することを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
(5)前記ドレイン領域内の高濃度の第一導電型領域と前記第二導電型であるドレイン領域はLOCOSを介して接続していることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
(6)前記ドレイン領域内の高濃度の第一導電型領域と前記第二導電型であるドレイン領域の間の半導体膜は完全に取り除かれていることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置によれば、ドレインに高電界をかけても寄生バイポーラ現象を抑制することができるSOI基板上のMOSトランジスタを提供すること事ができる。
【0011】
以下、図面を参照して、本発明にかかる半導体装置の第一実施例を詳細に説明する。図1(a)は半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図1(b)、(c)は断面図である。
【0012】
NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域上21に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜3に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、P型高濃度ボディ電位引出し領域131から成っている。P型高濃度ボディ電位引出し領域131は、N型高濃度ドレイン領域12の両脇に形成され、P型低濃度ボディ領域上21と接続されている。
【0013】
ドレインに高電界をかけることにより起こる寄生バイポーラ現象は、特にSOI基板上のMOSトランジスタでは1.5V程度の比較的低電圧においても発生する。そして、寄生バイポーラ現象によりドレイン近傍で電子もしくはホールが大量に発生し、ドレイン電流を異常に増大させる原因になる。これを抑制するためにドレイン近傍で発生する電子もしくはホールを素早くP型低濃度ボディ領域から引き抜く必要があるが、ボディ電位引出し領域をドレイン領域の一部に設けることにより、素早く引き抜くことができる。特にチャネル幅の大きいSOIトランジスタではそれだけ大量の電子もしくはホールが発生するため、ボディ領域をドレイン領域に接するように多数設けることによりドレインに高電界をかけることができるようになる。上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果が得られる。
【0014】
本発明にかかる半導体装置の第二実施例を詳細に説明する。図2(a)は、半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図2(b)(c)は断面図である。
【0015】
NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域21上に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜3に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、P型高濃度ボディ電位引出し領域131およびP型低濃度ボディ電位引出し領域132から成っている。そしてN型高濃度ドレイン領域11とP型高濃度ボディ電位引出し領域131はP型低濃度ボディ電位引出し領域132を介して接続している。つまり、P型高濃度ボディ電位引出し領域131は、P型低濃度ボディ電位引出し領域132を介して、N型高濃度ドレイン領域12の両脇に形成され、P型低濃度ボディ領域上21と接続されている。
【0016】
高濃度N型ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域131の間にP型低濃度ボディ電位引出し領域132を設けることにより、N型高濃度ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域131を直接接続した時に発生するリーク電流を抑制することができる。
【0017】
上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果が得られる。
【0018】
本発明にかかる半導体装置の第三実施例を詳細に説明する。図3(a)は、半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図3(b)、(c)は断面図である。
【0019】
NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域21上に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜3に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、P型高濃度ボディ電位引出し領域131およびP型低濃度ボディ電位引出し領域132から成っている。P型高濃度ボディ電位引出し領域131およびP型低濃度ボディ電位引出し領域132は、P型低濃度ボディ領域21の脇にそれぞれ接続されている。そしてN型高濃度ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域131はP型低濃度ボディ電位引出し領域132を介して接続しており、P型低濃度ボディ電位引出し領域132の上にはゲート絶縁膜5を介して多結晶シリコンゲート電極4が形成される。
【0020】
以下はNチャネルMOSトランジスタについて説明する。P型高濃度ボディ電位引出し領域131とN型高濃度ドレイン領域12が直接接続しているとリーク電流が発生することは第二実施例ですでに述べたが、P型低濃度ボディ電位引出し領域132を形成する方法の1つとして、P型低濃度ボディ電位引出し領域132の上にゲート酸化膜5を介して多結晶シリコンゲート電極4を設け、多結晶シリコンゲート電極4をマスクとしてN型高濃度ドレイン領域12およびP型高濃度ボディ電位引出し領域131のインプラを行えば実現できる。
【0021】
上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果は得られる。
【0022】
本発明にかかる半導体装置の第四実施例を詳細に説明する。図4(a)は本発明の半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図4(b)(c)は断面図である。NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域21上に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、P型高濃度ボディ電位引出し領域131から成っている。N型高濃度ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域の間に2つの領域の分離を目的としてフィールド酸化膜が形成される。
【0023】
以下はNチャネルMOSトランジスタについて説明する。P型高濃度ボディ電位引出し領域131とN型高濃度ドレイン領域12が直接接続しているとリーク電流が発生することはすでに第二実施例で述べたが、2つの領域の間にフィールド酸化膜6を形成し完全分離することでドレイン−ボディ間のリーク電流を抑制することができる。
【0024】
上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果は得られる。
【0025】
本発明にかかる半導体装置の第五実施例を詳細に説明する。図5(a)は本発明の半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図5(a)(c)は、断面図である。
【0026】
NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域21上に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜3に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、型高濃度ボディ電位引出し領域131から成っている。N型高濃度ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域の間に2つの領域の分離を目的として素子分離領域7が形成される。以下はNチャネルMOSトランジスタについて説明する。
【0027】
P型高濃度ボディ電位引出し領域131とN型高濃度ドレイン領域12が直接接続しているとリーク電流が発生することはすでに第二実施例で述べたが、2つの領域の間に素子分離領域7を形成し完全分離することでドレイン−ボディ間のリーク電流を抑制することができる。素子分離領域7は例えばフィールド酸化膜を形成してそれを除去する、素子分離領域の半導体膜をドライエッチング等により除去する等の方法を用いればよい。
【0028】
上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果は得られる。
【0029】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、SOIのMOSトランジスタにおいてドレイン領域にボディ電位引出し領域を設ければ、寄生バイポーラ現象によりドレイン近傍に発生する電子やホールをボディ領域から素早く引き抜くことが可能となる。そしてドレイン領域とボディ電位引出し領域の間をフィールド酸化膜等で完全に分離することにより、ドレイン−ボディ間のリーク電流を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示すNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である。
【図2】本発明の第二実施例を示すNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である
【図3】本発明の第三実施例を示すNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である。
【図4】本発明の第四実施例を示すNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である
【図5】本発明の第5実施例を示すNチャンネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である。
【図6】従来例の模式的断面図である。
【図7】他の従来例の模式的平面図である。
【符号の説明】
1 シリコン半導体基板
2 埋め込み酸化膜
3 半導体膜
4 多結晶シリコンゲート電極
5 ゲート酸化膜
6 フィールド酸化膜
7 素子分離領域
11 N型高濃度ソース領域
12 N型高濃度ドレイン領域
21 P型低濃度ボディ領域
131 P型高濃度ボディ電位引出し領域
132 P型低濃度ボディ電位引出し領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、SOI(Silicon on Insulator)、ガラス基板上の多結晶シリコン、SOS(Silicon on Sapphire)で代表される絶縁性基板上の半導体薄膜に形成されたMOSトランジスタとその集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は図6に示すように、寄生バイポーラを抑制する方法としてソース下にボディ電位引出し領域を設ける構造(特許文献1参照)がある。シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して半導体層3が形成されている。半導体層3の上には、ゲート酸化膜5を介して多結晶シリコンゲート電極4が形成されている。
【0003】
多結晶シリコンゲート電極4直下の半導体層3には、(P型)ボディ領域21が形成され、その両側の半導体層3には、N型高濃度ドレイン領域12およびN型高濃度ソース領域11が形成されている。また、半導体層3のN型高濃度ソース領域11と埋め込み酸化膜の間には、P型高濃度ボディ電位引出領域131が形成されている。
【0004】
また、図7に示すように、ボディ領域の接続は、ソース領域11やドレイン領域12下に形成されていない場合がある。多結晶シリコンゲート電極4直下のチャネル幅方向のボディ領域に接続されたボディ電位引出し領域132を介してP型高濃度ボディ電位引出領域131に接続された構造(特許文献2参照)が知られていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−252354 図1(b)
【0006】
【特許文献2】
特開2002−231956 図1
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SOI MOSトランジスタにおいてドレインに高電界をかけたときに起こる寄生バイポーラ現象によって発生する電子もしくはホールをボディ領域より引き抜くには、ボディ電位引出し領域がソース領域やソースやドレインとは別に設けられたボディ電位引出し領域より引き抜くのでは電子もしくはホールの発生地点より距離があるために十分引き抜くことができないという問題点を有していた。
【0008】
本発明は、従来のSOI M0S型トランジスタでは不可能であった、ドレインに高電界をかけても寄生バイポーラ現象を抑制することができるという特徴を有するSOI MOSトランジスタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次の手段を用いた。
(1)支持基板と、支持基板上に埋め込み絶縁膜を介して設けられた第一導電型のボディ領域と、ボディ領域をはさんで前記埋め込み絶縁膜上に形成された単結晶半導体からなる第二導電型のソース領域およびドレイン領域と、前記ボディ領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ドレイン領域に接するように設けられた複数の第一導電型領域を有することを特徴とするMOSトランジスタ。
(2)前記ドレイン領域に接するように設けられた複数の第一導電型領域は、チャネル幅方向にドレイン端となる部分に設けていることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
(3)前記ドレイン領域内に設けられた複数の第一導電型領域は低濃度領域と高濃度領域に分かれており、高濃度の第一導電型領域と第二導電型であるドレイン領域は低濃度の第一導電型領域を介して接続していることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
(4)前記ドレイン領域内の低濃度の第一導電型領域の上にはゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極を有することを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
(5)前記ドレイン領域内の高濃度の第一導電型領域と前記第二導電型であるドレイン領域はLOCOSを介して接続していることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
(6)前記ドレイン領域内の高濃度の第一導電型領域と前記第二導電型であるドレイン領域の間の半導体膜は完全に取り除かれていることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置によれば、ドレインに高電界をかけても寄生バイポーラ現象を抑制することができるSOI基板上のMOSトランジスタを提供すること事ができる。
【0011】
以下、図面を参照して、本発明にかかる半導体装置の第一実施例を詳細に説明する。図1(a)は半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図1(b)、(c)は断面図である。
【0012】
NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域上21に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜3に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、P型高濃度ボディ電位引出し領域131から成っている。P型高濃度ボディ電位引出し領域131は、N型高濃度ドレイン領域12の両脇に形成され、P型低濃度ボディ領域上21と接続されている。
【0013】
ドレインに高電界をかけることにより起こる寄生バイポーラ現象は、特にSOI基板上のMOSトランジスタでは1.5V程度の比較的低電圧においても発生する。そして、寄生バイポーラ現象によりドレイン近傍で電子もしくはホールが大量に発生し、ドレイン電流を異常に増大させる原因になる。これを抑制するためにドレイン近傍で発生する電子もしくはホールを素早くP型低濃度ボディ領域から引き抜く必要があるが、ボディ電位引出し領域をドレイン領域の一部に設けることにより、素早く引き抜くことができる。特にチャネル幅の大きいSOIトランジスタではそれだけ大量の電子もしくはホールが発生するため、ボディ領域をドレイン領域に接するように多数設けることによりドレインに高電界をかけることができるようになる。上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果が得られる。
【0014】
本発明にかかる半導体装置の第二実施例を詳細に説明する。図2(a)は、半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図2(b)(c)は断面図である。
【0015】
NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域21上に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜3に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、P型高濃度ボディ電位引出し領域131およびP型低濃度ボディ電位引出し領域132から成っている。そしてN型高濃度ドレイン領域11とP型高濃度ボディ電位引出し領域131はP型低濃度ボディ電位引出し領域132を介して接続している。つまり、P型高濃度ボディ電位引出し領域131は、P型低濃度ボディ電位引出し領域132を介して、N型高濃度ドレイン領域12の両脇に形成され、P型低濃度ボディ領域上21と接続されている。
【0016】
高濃度N型ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域131の間にP型低濃度ボディ電位引出し領域132を設けることにより、N型高濃度ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域131を直接接続した時に発生するリーク電流を抑制することができる。
【0017】
上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果が得られる。
【0018】
本発明にかかる半導体装置の第三実施例を詳細に説明する。図3(a)は、半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図3(b)、(c)は断面図である。
【0019】
NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域21上に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜3に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、P型高濃度ボディ電位引出し領域131およびP型低濃度ボディ電位引出し領域132から成っている。P型高濃度ボディ電位引出し領域131およびP型低濃度ボディ電位引出し領域132は、P型低濃度ボディ領域21の脇にそれぞれ接続されている。そしてN型高濃度ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域131はP型低濃度ボディ電位引出し領域132を介して接続しており、P型低濃度ボディ電位引出し領域132の上にはゲート絶縁膜5を介して多結晶シリコンゲート電極4が形成される。
【0020】
以下はNチャネルMOSトランジスタについて説明する。P型高濃度ボディ電位引出し領域131とN型高濃度ドレイン領域12が直接接続しているとリーク電流が発生することは第二実施例ですでに述べたが、P型低濃度ボディ電位引出し領域132を形成する方法の1つとして、P型低濃度ボディ電位引出し領域132の上にゲート酸化膜5を介して多結晶シリコンゲート電極4を設け、多結晶シリコンゲート電極4をマスクとしてN型高濃度ドレイン領域12およびP型高濃度ボディ電位引出し領域131のインプラを行えば実現できる。
【0021】
上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果は得られる。
【0022】
本発明にかかる半導体装置の第四実施例を詳細に説明する。図4(a)は本発明の半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図4(b)(c)は断面図である。NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域21上に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、P型高濃度ボディ電位引出し領域131から成っている。N型高濃度ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域の間に2つの領域の分離を目的としてフィールド酸化膜が形成される。
【0023】
以下はNチャネルMOSトランジスタについて説明する。P型高濃度ボディ電位引出し領域131とN型高濃度ドレイン領域12が直接接続しているとリーク電流が発生することはすでに第二実施例で述べたが、2つの領域の間にフィールド酸化膜6を形成し完全分離することでドレイン−ボディ間のリーク電流を抑制することができる。
【0024】
上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果は得られる。
【0025】
本発明にかかる半導体装置の第五実施例を詳細に説明する。図5(a)は本発明の半導体装置のNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図で、図5(a)(c)は、断面図である。
【0026】
NチャネルMOSトランジスタは、シリコン半導体基板1上に埋め込み酸化膜2を介して形成されたP型低濃度ボディ領域21上に形成されたゲート酸化膜5及び多結晶シリコンゲート電極4と、ゲート電極両端の半導体膜3に形成するN型高濃度ソース領域11およびドレイン領域12、型高濃度ボディ電位引出し領域131から成っている。N型高濃度ドレイン領域12とP型高濃度ボディ電位引出し領域の間に2つの領域の分離を目的として素子分離領域7が形成される。以下はNチャネルMOSトランジスタについて説明する。
【0027】
P型高濃度ボディ電位引出し領域131とN型高濃度ドレイン領域12が直接接続しているとリーク電流が発生することはすでに第二実施例で述べたが、2つの領域の間に素子分離領域7を形成し完全分離することでドレイン−ボディ間のリーク電流を抑制することができる。素子分離領域7は例えばフィールド酸化膜を形成してそれを除去する、素子分離領域の半導体膜をドライエッチング等により除去する等の方法を用いればよい。
【0028】
上記はNチャネルMOSトランジスタの実施例を説明したが、逆導電型の不純物を用いてPチャネルMOS型トランジスタを形成して同様な効果は得られる。
【0029】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、SOIのMOSトランジスタにおいてドレイン領域にボディ電位引出し領域を設ければ、寄生バイポーラ現象によりドレイン近傍に発生する電子やホールをボディ領域から素早く引き抜くことが可能となる。そしてドレイン領域とボディ電位引出し領域の間をフィールド酸化膜等で完全に分離することにより、ドレイン−ボディ間のリーク電流を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示すNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である。
【図2】本発明の第二実施例を示すNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である
【図3】本発明の第三実施例を示すNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である。
【図4】本発明の第四実施例を示すNチャネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である
【図5】本発明の第5実施例を示すNチャンネルMOSトランジスタの模式的平面図および断面図である。
【図6】従来例の模式的断面図である。
【図7】他の従来例の模式的平面図である。
【符号の説明】
1 シリコン半導体基板
2 埋め込み酸化膜
3 半導体膜
4 多結晶シリコンゲート電極
5 ゲート酸化膜
6 フィールド酸化膜
7 素子分離領域
11 N型高濃度ソース領域
12 N型高濃度ドレイン領域
21 P型低濃度ボディ領域
131 P型高濃度ボディ電位引出し領域
132 P型低濃度ボディ電位引出し領域
Claims (6)
- 支持基板と、前記支持基板上に埋め込み絶縁膜を介して設けられた第一導電型のボディ領域と、前記ボディ領域をはさんで前記埋め込み絶縁膜上に形成された単結晶半導体からなる第二導電型のソース領域およびドレイン領域と、前記ボディ領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ドレイン領域またはソース領域の両脇に、前記ボディ領域に接するように設けられた複数の第一導電型領域を有することを特徴とするMOSトランジスタ。
- 前記ドレイン領域またはソース領域に接するように設けられた前記複数の第一導電型領域は、チャネル幅方向にドレインまたはソース端となる部分に設けていることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
- 前記ドレイン領域内に設けられた前記複数の第一導電型領域は低濃度領域と高濃度領域に分かれており、高濃度の第一導電型領域と第二導電型であるドレイン領域は低濃度の第一導電型領域を介して接続していることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
- 前記ドレイン領域内の低濃度の第一導電型領域の上にはゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極を有することを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
- 前記ドレイン領域内の高濃度の第一導電型領域と前記第二導電型であるドレイン領域はLOCOSを介して接続していることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
- 前記ドレイン領域内の高濃度の第一導電型領域と前記第二導電型であるドレイン領域の間の半導体膜は完全に取り除かれていることを特徴とする請求項1記載のMOSトランジスタ。
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-
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- 2002-12-19 JP JP2002368221A patent/JP2004200475A/ja not_active Withdrawn
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