JP5099981B2 - 半導体装置の製造方法およびmos電界効果トランジスタ - Google Patents

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Description

この発明は、絶縁体上の半導体層に形成された半導体装置の製造方法、および絶縁体上の半導体層に形成されたMOS電界効果トランジスタに関する。
従来より、絶縁体上にシリコン半導体層を積層したSOI(silicon on insulator)基板を用い、このシリコン半導体層にトランジスタ等の素子を形成した、いわゆるSOI集積回路が知られている。
SOI集積回路は、単体のシリコン基板に作成される集積回路(以下、シリコン集積回路と称する)に比べて、(1)寄生容量が少なく高速性に優れている、(2)ソフトエラーに強い、(3)ラッチアップがない、および(4)ウエル工程を省略できるなどの点で優れている。
SOI集積回路、特に、SOI基板に形成されたMOS電界効果トランジスタ(以下、SOI−MOSFETと称する)においては、SOI−MOSFETが素子分離用のフィールド酸化膜、およびSOI基板を構成する絶縁体により電気的に分離された状態となっている。そのため、ドレイン領域近傍の電界で加速された電子と格子原子との衝突(インパクトイオン化)で発生するホールが、チャネル領域に蓄積する。より詳細には、上述のホールは、ソース領域とチャネル領域との間のエネルギー障壁のために、ソース領域へと逃げることができず、結果として、チャネル領域に蓄積する。ホールがチャネル領域に蓄積することで生じる種々の現象は、基板浮遊効果と言われている。
基板浮遊効果の一つとして、シングルラッチアップが挙げられる。シングルラッチアップとは、ホールの蓄積によりチャネル領域の電位が上昇し、これにより、ソース領域、チャネル領域およびドレイン領域が、見かけ上バイポーラトランジスタとして動作することである。シングルラッチアップは、チャネル領域を流れる電流の増加を招き、結果としてSOI−MOSFETのドレイン耐圧の低下を引き起こす。シングルラッチアップや、それに伴うドレイン耐圧の低下等の問題点は、特に、ドレイン領域に印加する電圧が高い場合に顕著となる。
基板浮遊効果に伴うこれらの問題点を解決するために、ソース領域およびドレイン領域に、Arイオン等を注入することで、人為的にシリコン半導体層に結晶欠陥を形成し、この結晶欠陥をホールの再結合中心とする従来技術が知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開平11−74538号公報(図4) 特開2001−326361号公報(図2)
これら特許文献1および2に開示されているシリコン半導体層に結晶欠陥を導入する方法は、基板浮遊効果を効果的に抑制することができる。しかし、近年の半導体装置の微細化にともない、この結晶欠陥に由来して、新たな問題も生じている。
その新たな問題とは、SOI−MOSFETのオフリーク電流の増加である。ここで、オフリーク電流とは、ゲートに印加する電圧を0Vとし、ソース領域を接地し、およびドレイン領域に所定の電圧を印加したときに、ソース領域とドレイン領域との間に流れる電流のことを示す。
オフリーク電流増加の原因は、SOI−MOSFETの微細化に伴いドーパントを活性化するための熱処理温度が従来よりも低温化されていることにある。
以下、SOI−MOSFETのオフリーク電流の増加につき説明する。
SOI−MOSFETのゲート長が縮小されると、短チャネル効果が発生する。短チャネル効果とは、ドレイン領域の電界の影響がソース領域にまで及んで、電界効果トランジスタの閾値電圧が低下する現象である。
短チャネル効果を抑制するためには、ソース領域とドレイン領域との間の間隔であるチャネル長を長く保つことが有効である。この目的のために、ソース形成予定領域およびドレイン形成予定領域に導入されたドーパントを活性化するためのアニール温度は低温化される傾向にある。つまり、低温でアニールを行うことで、ドーパントのゲート長方向に沿った拡散が抑えられるので、その結果、短チャネル効果抑制に必要なだけのチャネル長が確保できる。
しかし、アニール温度を低温化すると、Arのイオン注入に由来する結晶欠陥が充分に回復されず、シリコン半導体層中に、多数の結晶欠陥が残留してしまう。その結果、SOI−MOSFETにおいて、この結晶欠陥を介して、ソース領域とドレイン領域との間で電流がリークする。つまり、オフリーク電流が増加する。
この問題の解決を図るため、発明者は、鋭意研究と実験とを行い、この問題を解決すべき糸口を掴んだ。
以下、発明者が実施した実験の結果(図6および図7)を示して、上述したSOI−MOSFETの問題点につきさらに詳細に説明する。ここで、図6は、この実験に用いたSOI−MOSFETの製造工程の主要工程段階のフローチャートを示す図である。図7は、この実験に用いたSOI−MOSFETの特性を示す図である。
この実験に当たり、製造工程を変化させて以下に示す3種類のSOI−MOSFETを製造した。
図6(A)に示したSOI−MOSFET(以下、FET1と言う)は、ソース形成予定領域およびドレイン形成予定領域にイオン注入されたドーパントを活性化するためのアニールを、従来(約1050℃、10秒)よりも低温(975℃、10秒)で行った以外は、公知の方法で製造されている。なお、FET1においては、基板浮遊効果を抑制するためのArのイオン注入を行っていない。
図6(B)に示したSOI−MOSFET(以下、FET2と言う)は、Arのイオン注入およびドーパントのイオン注入の後に、1度のアニール(975℃、10秒)を行った以外は、FET1と同様の方法で製造されている。つまり、FET2では、Arイオン注入に由来する結晶欠陥の回復とドーパントの活性化とを前述の1度のアニールで同時に行っている。ここで、FET2のArのイオン注入条件は、注入量:2×1014cm−2、および注入エネルギー:30keVである。
図6(C)に示したSOI−MOSFET(以下、FET3と言う)は、Arのイオン注入量が、FET2よりも少ない点が、FET2とは異なっている。ここで、FET3のArのイオン注入条件は、注入量:5×1013cm−2、および注入エネルギー:30keVである。
また、FET1〜FET3は、いずれもゲート長が0.35μmである。
図7は、いずれも縦軸が、ゲート幅1μmあたりのドレイン電流Id(A)を示しており、および横軸が、ゲート電圧Vg(V)を示している。また、図7(A)〜図7(C)のそれぞれに描かれた9本のグラフは、それぞれ異なったドレイン電圧Vd(V)に対応している。図にも示したが、ドレイン電圧Vdは、0.1V〜3.3Vまで0.4V間隔で変化させている。
図7(A)に示すように、FET1では、それぞれのグラフの間隔が離間しており、グラフ全体としてみた場合、横幅が広くなっている。これは、基板浮遊効果によるものである。ここで、グラフ全体の横幅を表す指標、つまり、基板浮遊効果の大きさを表す指標として、Id=0.1μAにおけるゲート電圧Vgの最大値Vgmaxと最小値Vgminとの差△Vg(=Vgmax−Vgmin)を考える。Vd=0.1Vのグラフから、Vgmaxは、約0.7Vと読み取れる。同様に、Vd=3.3Vのグラフから、Vgminは、約0.1Vと読み取れる。よって、△Vgは、約0.6V(=0.7−0.1)である。
それに対し、図7(B)に示すように、Arのイオン注入を行ったFET2では、グラフ全体の横幅が、FET1に比べて狭くなっている。FET2における△Vgは、約0.3Vであり、FET1に比べて約0.3V幅が狭くなっている。これは、Arのイオン注入に由来する結晶欠陥がホールの再結合中心として機能し、基板浮遊効果が抑えられていることを意味する。
しかし、FET2のオフリーク電流Idoff(Vg=0VにおけるId)は、FET1に比べて、全体的に大きいことがわかる。特に、Vd=3.3Vにおいて、数pA程度のオフリーク電流Idoffが発生している。これは、上述のアニール(975℃、10秒)では、Arイオン注入に由来する結晶欠陥が充分に回復せず、この結晶欠陥を介してソース領域とドレイン領域との間で電流がリークしていることを意味する。
ここまでの結果をまとめると、アニール温度が975℃の場合、Arのイオン注入を行い、人為的に結晶欠陥を導入したFET2では、基板浮遊効果が抑制されるが、反面、オフリーク電流Idoffが増加することがわかる。
この結果を受けて、発明者らは、Arのイオン注入量を減少させることで、シリコン半導体層に導入する結晶欠陥量を少なくすれば、基板浮遊効果の抑制およびオフリーク電流の低減化を同時に達成できると考え、Arイオンの注入量を減らしたFET3を作成し、図7(C)に示す結果を得た。
図7(C)に示すように、Arのイオン注入量をFET2の1/4としたFET3は、オフリーク電流Idoffの最大値は、2〜3pA(Vd=3.3Vのグラフより)であり、および、基板浮遊効果の指標である△Vgは、約0.5Vであった。
FET3をFET2と比較した場合、オフリーク電流Idoffは、Arのイオン注入量の減少に見合っただけ減少しているが、反面、基板浮遊効果が、FET1に近い程度まで大きく増加している。
このことより、単純にArのイオン注入量を減少させただけでは、基板浮遊効果の抑制およびオフリーク電流Idoffの低減化を同時に達成することが難しいことが明らかとなった。
この発明は、上述した背景に基づきなされたものである。したがって、この発明の目的は、互いにトレードオフの関係にある(1)基板浮遊効果の抑制、および(2)オフリーク電流の低減化を、実用上充分なレベルで同時に達成することができる半導体装置の製造方法、および、MOS電界効果トランジスタを提供することにある。
まず、この発明が適用できるMOS電界効果トランジスタとしての半導体装置は、絶縁体上の半導体層に設けられた一方の導電型の素子形成領域にイオン注入された、他方の導電型の第1ドーパントを、アニールにより活性化することで形成されたソース領域およびドレイン領域と、ソース領域とドレイン領域との間の素子形成領域であるボディ領域とを備えた構造の半導体装置である。
そして、上述の問題点を解決するにあたり、この発明の半導体装置の第1の製造方法によれば、他方の導電型の第1ドーパントのイオン注入に先立ち、以下の2つの処理を行うことが特徴である。第1の処理は、上述のボディ領域の形成予定領域内の領域であって、形成されるべきソース領域およびドレイン領域との境界領域へのArのイオン注入を行うこと、第2の処理は、第1ドーパントの活性化のためのアニールよりも高温で、Arのイオン注入により生じた結晶欠陥を回復させるための高温アニールを行うことである。高温アニールにおいて、60〜80℃/秒の昇温速度で高温アニール保持温度まで昇温を行う。以下、後者のアニールを欠陥回復アニールとも称する。
この発明の、半導体装置の第2の製造方法は、上述した第1の製造方法をより具体的にした方法である。すなわち、この発明の半導体装置の第2の製造方法は、以下の(1)〜(3)の工程を含んでいる。
(1a)一方の導電型の素子形成領域へ、他方の導電型である第1ドーパントの導入を行う前工程として、素子形成領域の表面に形成されたゲート電極部をマスクとしてArのイオン注入を行い素子形成領域に結晶欠陥を導入するArイオン注入工程。
(1b)この結晶欠陥の一部を回復する高温アニール工程。
(2)他方の導電型の第1ドーパントを、上述のゲート電極部をマスクとして素子形成領域にイオン注入する第1イオン注入工程。
(3)高温アニールよりも低温で第1ドーパントの活性化のためのアニールを行うことによって、素子形成領域にソース領域およびドレイン領域を形成する活性化工程。
そして、ソース領域とドレイン領域との間の素子形成領域であるボディ領域のソース領域側端部、およびボディ領域のドレイン領域側端部に、結晶欠陥を有するMOS電界効果トランジスタを形成し、高温アニール工程において、60〜80℃/秒の昇温速度で高温アニール保持温度まで昇温を行う。
そして、この発明の第2の製造方法に係るMOS電界効果トランジスタは、ゲート長が0.32〜0.35μmであり、ゲート電極に印加する電圧Vgを0Vとし、ドレイン領域に印加する電圧Vdを3.3Vとし、および、ソース領域を接地した場合におけるソース領域とドレイン領域との間を流れるオフリーク電流Idoffの大きさが、1pA以下であり、ならびに、Vdを0.1Vとし、かつ、Idを0.1μAとした際のVgをVg(0.1)とし、Vdを3.3Vとし、かつ、Idを0.1μAとした際のVgをVg(3.3)とした場合におけるVg(0.1)−Vg(3.3)が0.4V以下であることを特徴とする。
この発明の第2の製造方法に係るMOS電界効果トランジスタは、オフリーク電流Idoffが1pA以下であり、かつ、基板浮遊効果の指標となるVg(0.1)−Vg(3.3)が0.4V以下である特性を有している。
上述したこの発明の半導体装置の第1および第2の製造方法によれば、Arのイオン注入により素子形成領域に導入された結晶欠陥の一部を、高温アニールにより回復した後に、第1ドーパントのイオン注入、および第1ドーパントの活性化のためのアニールを行う。これにより、ボディ領域のソース領域側端部およびドレイン領域側端部に再結合中心としての結晶欠陥が導入された半導体装置が得られる。
つまり、この発明では、従来、一度のアニールで同時に行われていた結晶欠陥の一部回復、および第1ドーパントの活性化を、それぞれ別工程(高温アニールおよびアニール)で行っている。これにより、結晶欠陥の一部回復のための高温アニールを行う段階では、未だ素子形成領域に第1ドーパントが導入されていないので、第1ドーパントのゲート長方向に沿った過剰拡散の懸念がなく、結晶欠陥を一部回復するために最適な温度(後述の第1ドーパントの活性化のためのアニール温度よりも高温)で高温アニールを行うことができる。
また、第1ドーパントの活性化のためのアニールを行う段階においては、高温アニールにより結晶欠陥は既に回復されているので、結晶欠陥の回復に配慮することなく、第1ドーパントのゲート長方向に沿った過剰拡散を抑えつつ第1ドーパントの活性化を行うことができる最適な温度(上述の高温アニール温度よりも低温)でアニールを行うことができる。よって、この発明の半導体装置の製造方法によれば、(1)基板浮遊効果の抑制、および(2)オフリーク電流の低減化を、実用上充分なレベルで同時に達成する半導体装置を提供できる。
また、この発明のMOS電界効果トランジスタは、ボディ領域に人為的に導入された再結合中心としての結晶欠陥を備えているにも拘わらず、短チャネル効果を抑えつつ、(1)基板浮遊効果の抑制、および(2)オフリーク電流の低減化を、実用上充分なレベルで同時に達成している。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。尚、各図は、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例に過ぎない。従って、この発明は、以下の実施の形態に何ら限定されない。
図1は、この実施の形態の半導体装置の概略構成を示す断面の切り口を示す図である。図2(A),(B)および(C)は、この実施の形態の半導体装置の製造方法の主要工程段階で得られた構造体の断面の切り口を示す図である。図3(A),(B)および(C)は、図2(C)に続く主要工程段階で得られた構造体の断面の切り口を示す図である。図4(A),(B)および(C)は、図3(C)に続く主要工程段階で得られた構造体の断面の切り口を示す図である。図5は、この実施の形態の半導体装置および半導体装置の製造方法の作用効果の説明に供する図である。
尚、図1〜図4において、共通する構成要素には、同符号を付し、その説明を適宜省略する。
図1は、この発明が適用できる半導体装置の一構成例を示す図である。図1に示す基板12に形成された半導体装置としてのMOSFET10は、いわゆるnチャネル型MOSFETであり、フィールド酸化膜16L,16Rで区画された素子形成領域18に、ソース領域20、ドレイン領域22、ボディ領域24、ゲート電極部26、およびArイオン注入領域28等を備えている。
基板12は、いわゆるSOI基板であり、下地基板12aと、下地基板12a上に積層された絶縁体であるSiO層12bと、SiO層12b上に積層された半導体層12cとを備えている。ここで、SiO層と半導体層12cとの境界面を界面11と称する。また、半導体層12cの表面、つまり、界面11に対向する面を主面13と称する。なお、下地基板12aおよび半導体層12cは、好ましくは、たとえばSiとする。また、SiO層12bの厚みは、好ましくは、たとえば200nmとする。
フィールド酸化膜は、図1中では、2つの領域16L,16Rとして示してあるが、実際には、1つの連続した酸化膜として形成されていて、この酸化膜によって囲まれた素子形成領域18にMOSFET10が形成される。したがって、フィールド酸化膜16L,16Rは、MOSFET10を隣接する他の素子と電気的に分離している。フィールド酸化膜16L,16Rは、好ましくは、たとえば、SiOからなる。フィールド酸化膜16L,16Rは、所定領域で半導体層12cを全厚みに渡って酸化することで形成されている。つまり、フィールド酸化膜16L,16Rは、半導体層12cの主面13から、半導体層12cとSiO層12bとの界面11に至る厚みを有している。
上述したとおり、素子形成領域18は、フィールド酸化膜16L,16Rで囲まれた半導体層12cの領域であり、この領域18にMOSFET10が形成されている。素子形成領域18の厚みは、好ましくは、たとえば、40nmとするが、30〜70nmの範囲の中で、設計に応じた任意好適な厚みとすることができる。この実施の形態では、素子形成領域18の導電型を、一方の導電型、たとえば、p型とする。なお、素子形成領域18の導電型は、半導体装置の設計に応じた選択事項である。つまり、素子形成領域18の導電型は、MOSFET10がpチャネル型(p−MOS)の場合には、n型とし、また、MOSFET10がnチャネル型(n−MOS)の場合には、p型とすることが好ましい。
ゲート電極部26は、素子形成領域18の主面13の所定箇所に設けられている。ゲート電極部26は、ゲート酸化膜26a、ゲート電極26bおよびサイドウォール26cを備えている。
ゲート酸化膜26aは、厚みが約7nmのSiO膜からなり、素子形成領域18の主面13に接触して設けられている。ゲート酸化膜26a上には、厚みが約150nmのポリシリコンからなるゲート電極26bが設けられている。
ゲート酸化膜26aは、ゲート長方向(図1左右方向)の長さが、ゲート電極26bよりも大きい(長い)。また、ゲート電極26bは、ゲート酸化膜26aの中央部付近に設けられている。したがって、ゲート酸化膜26aのゲート長方向の両端には、ゲート電極26bで覆われていない領域が存在する。このゲート電極26bで覆われていない領域には、ゲート電極26bの側壁を覆うようにサイドウォール26cが設けられている。サイドウォール26cは、好ましくは、たとえばSiOからなる。なお、ここで、ゲート長方向とは、後述のチャネル領域24aにおけるキャリアの移動方向に沿った方向を示す。
ソース領域20は、素子形成領域18の、ゲート電極26bとフィールド酸化膜16Lとの間の領域である。ソース領域20は、他方の導電型の層すなわちn層20aとn層20bとを備える。n層20aは、フィールド酸化膜16Lの端部から、ゲート電極部26の、フィールド酸化膜16Lに対面する側の下端部付近まで、半導体層12cの全厚みに渡って延在している。n層20aは、n層20bよりも高濃度のドーパントが拡散された領域である。
層20bは、いわゆるLDD(lightly doped drain)構造であり、n層20aのゲート電極部26の側端部から、半導体層12cの主面13側の領域を、ドレイン領域22方向に、張り出すように延在している。つまり、n層20bは、n層20aのゲート電極部26の側端部に連続し、該ゲート電極部26の側端部からゲート電極26bの、この側端部に対面する側の下端部付近まで延在している。このn層20bは、n層20aよりも浅い領域に延在しており、n層20bの下側の半導体層12cの領域は、ボディ領域24の一部を構成している。
詳しくは後述するが、ソース領域20は、おおむね以下の工程で作成される(図4(A)〜(C)参照)。すなわち、(1)n型の第1不純物(たとえば、As)を、ゲート電極26bをマスクとして利用して、素子形成領域18にイオン注入(1回目)することで第1イオン注入領域20b’(後述:図4(A))を形成する。(2)n型の第2不純物(たとえば、P)を、ゲート電極部26をマスクとして利用して、素子形成領域18にイオン注入(2回目)することで第2イオン注入領域20a’(後述:図4(C))を形成する。この場合、第1および第2不純物として異なる不純物(AsおよびP)を用いたが、第1および第2不純物は同一であってもよい。(3)素子形成領域18のアニールを行うことで、第1ドーパントとしての第1および第2不純物をそれぞれ活性化し、第1および第2イオン注入領域20b’,20a’をそれぞれ、それぞれn層20bおよびn層20aへと変化させる。これらの工程より明らかなように、n層20bおよびn層20aは、素子形成領域18の導電型(p型)とは逆の導電型を有している。
なお、ここで、第1不純物および第2不純物とは、第1ドーパントの下位概念であり、第1ドーパントが複数種の場合に、これらの種類を区別するために用いた用語である。
ドレイン領域22は、素子形成領域18のゲート電極26bとフィールド酸化膜16Rとの間の領域である。ドレイン領域22は、n層22aとn層22bとを備える。ドレイン領域22は、上述したソース領域20と同様な構造であって、ゲート電極26bを挟んで、ソース領域20と対称的な形状を有している。周知の通り、通常は、ソースおよびドレイン領域20,22は同時に形成される。よって、ドレイン領域22については、n層22aおよびn層22bの詳細な説明を省略する。
ボディ領域24は、ソース領域20とドレイン領域22との間の素子形成領域18の領域である。ボディ領域24は、チャネル領域24aを備えている。チャネル領域24aは、ボディ領域24の主面13近傍のゲート電極26bの直下にあたる領域である。チャネル領域24aには、MOSFET10の閾値電圧を調整するために、素子形成領域18(p型)と同じ導電型のドーパント(たとえば、B)が導入され活性化されている。
Arイオン注入領域28は、素子形成領域18のソース領域20の全面およびドレイン領域22の全面に形成されている。つまり、平面視で、Arイオン注入領域28は、ソース領域20およびドレイン領域22とほぼ同形状である。
Arイオン注入領域28は、素子形成領域18においてArのイオン注入に由来した結晶欠陥が存在する領域である。詳しくは後述するが、Arは、ソースおよびドレイン領域20,22とボディ領域24の一部とに跨ってイオン注入されている。その結果、Arイオン注入領域28は、ソース領域20とボディ領域24との境界を跨いだ両側、およびドレイン領域22とボディ領域24との境界を跨いだ両側に、それぞれ延在している。つまり、結晶欠陥領域28bは、ボディ領域24中の領域であって、かつ、ボディ領域24と、形成されるべきソースおよびドレイン領域20,22との境界領域にArがイオン注入されることで、人為的に結晶欠陥が導入された領域と言うことができる。
ここで、Arイオン注入領域28の、ソースおよびドレイン領域20,22と重なりあった領域を重複領域28aと称する。また、Arイオン注入領域28の、ボディ領域24と重なりあった領域を結晶欠陥領域28bと称する。
以下、Arイオン注入領域28の構成につき、ソース領域20側の領域を例にとり説明する。
重複領域28aは、素子形成領域18の界面11近傍に、n層20aと重複して、延在している。
結晶欠陥領域28bは、ボディ領域24において、重複領域28aのゲート電極部26の下端部から、ドレイン領域22方向に、張り出すように延在している。つまり、結晶欠陥領域28bは、重複領域28aに連続して延在しており、ソース領域20のn層20aとボディ領域24との間の境界を跨いで、ボディ領域24の一部に張り出している。結晶欠陥領域28bのドレイン領域22方向への張り出し長さは、上述したソース領域20のn層20bと同程度である。
なお、ドレイン領域22側に延在するArイオン注入領域28は、ゲート電極26bを挟んで、ソース領域20側に延在するArイオン注入領域28と対称的な構造を有している。よって、ドレイン領域22側については、Arイオン注入領域28の詳細な説明を省略する。
詳しくは後述するが、このArイオン注入領域28は、ソースおよびドレイン領域20,22に、ゲート電極26bをマスクとして、SiO層12bと半導体層12cとの界面11近傍の半導体層12cでAr濃度が最大となるような注入エネルギーでArをイオン注入し、しかる後、前述のソースおよびドレイン領域20,22での第1ドーパント活性化のためのアニール温度よりも高温の高温アニール、すなわち、欠陥回復アニールを行うことで形成される。なお、この高温アニールは、ソースおよびドレイン領域20,22への第1および第2不純物(AsおよびP)の導入を行うよりも以前に行われる。
このArのイオン注入により、Arイオン注入領域28には、多数の結晶欠陥が導入される。この結晶欠陥は、その後の高温アニールにより一部が回復される。回復されないで半導体層12cに残留した結晶欠陥のうち、結晶欠陥領域28bに存在するものは、MOSFET10の動作時に、インパクトイオン化で発生するホールの再結合中心として機能し、MOSFET10の基板浮遊効果を低減化させる。
次に、図2〜図4を参照して、半導体装置としてのMOSFET10の製造方法につき説明する。
まず、図2(A)に示すように、基板12を用意する。より詳細には、公知の基板貼り合わせ法やSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法により、下地基板12aとp型の半導体層12cとの間にSiO層12bがサンドイッチ状に挟まれた基板12を準備する。
(第1工程)
次に、図2(B)に示す構造体、すなわち、半導体層12cに素子形成領域18が形成された構造体を作成する。より詳細には、素子形成領域18が形成される予定領域上に、SiO膜とSi膜をこの順序で積層する(図示せず)。次に、このSiO/Si積層体をマスクとして、水蒸気を加えてのスチーム酸化(約1000℃)を行い、半導体層12cの当該マスクで被覆されていない領域、すなわちマスクから露出している領域に、半導体層12cの全厚みに渡るフィールド酸化膜16L,16Rを形成する。これにより、フィールド酸化膜16L,16Rで囲まれた素子形成領域18が画成される。その後、マスクとして用いたSiO/Si積層体を公知の方法により除去することで、図2(B)に示した構造体を得る。
(第2工程)
次に、素子形成領域18が形成されている基板12を熱酸化炉に配置して、希釈した加湿酸素を加えながら約850℃の温度に加熱することにより、素子形成領域18の主面13を酸化して、約2.5nm厚のSiO膜30を形成し、図2(C)に示すような構造体を得る。その後、MOSFET10の閾値電圧を調整するために、半導体層12cと同じ導電型の第2ドーパント(B)を素子形成領域18の全面の主面13近傍の深さにイオン注入する。より詳細には、BF イオンを、注入量:約1×1012cm−2、および注入エネルギー:19keVでイオン注入する。
(第3工程)
次に、図3(A)に示す構造体、すなわち、SiO膜30上に、ゲート電極26bが形成された構造体を作成する。より詳細には、半導体層12cの全面に、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、約150nm厚のポリシリコン膜(図示せず)を成膜する。その後、ポリシリコン膜のゲート電極26bの形成予定領域をフォトレジスト等のエッチング保護膜(図示せず)で被覆する。しかる後、公知のエッチングを行うことで、ゲート電極26bが形成される。ここで、SiO膜30のうち、ゲート電極部26の形成予定領域に存在するものを、ゲート酸化膜前駆体26a’と称する。最後に、エッチング保護膜を除去して図3(A)に示した構造体を得る。
なお、以下の説明において、ソース領域20が形成される予定領域をソース形成予定領域20’と称する。同様に、ドレイン領域22が形成される予定領域をドレイン形成予定領域22’と称する。また、ボディ領域24が形成される予定領域をボディ形成予定領域24’と称する。
(第4工程)
次に、図3(B)に示す工程を行う。すなわち、ゲート電極26bをマスクとしてSiO膜30越しに、Arイオンを、注入量:約2×1014cm−2、および注入エネルギー:30keVで、基板12に対して垂直に、素子形成領域18にイオン注入する。つまり、このArのイオン注入は、ボディ形成予定領域24’のソース領域20側端部およびドレイン領域22側端部を含んだ、ソース形成予定領域20’およびドレイン形成予定領域22’に行われる。
この条件でイオン注入されたArの投影飛程Rpは、約30nmであり、注入されたArは、SiO層12bと半導体層12cとの界面11近傍の半導体層12cで濃度が最大となるような深さ方向濃度分布を持つ。
一般に、イオン注入では、イオンの投影飛程Rp付近において、多量の結晶欠陥が発生するので、Arのイオン注入を行うことにより、SiO層12bと半導体層12cとの界面11近傍の素子形成領域18に多量の結晶欠陥が導入される。
(第5工程)
次に、図3(C)に示す構造体、すなわち、素子形成領域18に、Arイオン注入領域28が形成された構造体を作成する。つまり、RTA(Rapid Thermal annealing)法により、高温アニールを行うことで、Arのイオン注入に由来する結晶欠陥の一部回復を行い、Arイオン注入領域28を形成する。より詳細には、素子形成領域18を、現状の温度、たとえば、室温から、約80℃/秒で昇温し、最低温度でも約1050℃の高温アニール保持温度に到達させた後、この温度で約10秒間保持する。これにより、結晶欠陥が存在する領域において、Arイオンとの衝突で格子点から変位したシリコン原子の再配列が起こり、結晶欠陥が一部回復される。このようにして、素子形成領域18の界面11近傍、より正確にはソースおよびドレイン形成予定領域20’,22’の界面11近傍に、人為的に結晶欠陥が導入されたArイオン注入領域28が形成される。
ここで、Arのイオン注入(第4工程)と高温アニール(第5工程)との間には、素子形成領域18へ第1ドーパントを導入する工程(たとえば、後述の第6および第9工程)は存在しない。つまり、高温アニール(第5工程)は、Arのイオン注入(第4工程)後、素子形成領域18へ第1ドーパントの導入(第6および第8工程)を行うことなく実施される。また、高温アニール保持温度(1050℃)は、後述の第1ドーパントの活性化のためのアニール温度、すなわち、アニール保持温度(第9工程:975℃)よりも高温とされている。
上述の高温アニールは、結晶欠陥を一部回復する工程とともに、第2工程で素子形成領域18に導入された第2ドーパント(B)を活性化する工程を兼ねている。この高温アニールにより、第2工程で導入された第2ドーパント(B)が分布する領域のうち、ゲート電極26b直下の領域は、チャネル領域24aへと変化する。
(第6工程)
次に、図4(A)に示す構造体、すなわち、素子形成領域18に、第1イオン注入領域20b’,22b’が形成された構造体を作成する。なお、第1イオン注入領域20b’,22b’は、後述するアニール(第9工程)により、それぞれn層20b,22bへと変化する。より詳細には、ゲート電極26bをマスクとして、素子形成領域18(p型)とは逆の導電型(n型)の第1不純物であるAsイオンを、注入量:約2×1014cm−2、および注入エネルギー:約5keVで、基板12に対して垂直に、素子形成領域18にイオン注入する。これにより、ソースおよびドレイン形成予定領域20’,22’の主面13近傍に第1イオン注入領域20b’,22b’が形成された構造体を得る。
(第7工程)
次に、図4(B)に示す構造体、すなわち、素子形成領域18の主面13にゲート電極部26を有する構造体を得る。より詳細には、半導体層12cの全面に、プラズマCVD法により、約80nm厚のSiO膜(図示せず)を成膜する。その後、RIE(Reactive ion Ething)法により、ソースおよびドレイン形成予定領域20’,22’の表面に至るまで、SiO膜を異方性エッチングする。これにより、エッチングを受けなかったSiO膜が、ゲート電極26bの側壁を覆うように残留し、サイドウォール26cとなる。
また、この異方性エッチングにより、ゲート酸化膜前駆体26a’以外の領域を覆っていたSiO膜30も除去される。つまり、ソースおよびドレイン形成予定領域20’,22’の主面13に存在するSiO膜30も除去される。結果として、素子形成領域18の主面13に、ゲート酸化膜26a、ゲート電極26bおよびサイドウォール26cを備えたゲート電極部26が形成される。
(第8工程)
次に、図4(C)に示す構造体、すなわち、素子形成領域18に、第2イオン注入領域20a’,22a’が形成された構造体を作成する。なお、第2イオン注入領域20a’,22a’は、後述するアニール(第9工程)により、それぞれn層20a,22aへと変化する。より詳細には、ゲート電極部26をマスクとして、素子形成領域18(p型)とは逆の導電型(n型)の第2不純物であるPイオンを、注入量:約5×1015cm−2、および注入エネルギー:約6keVで、基板12に対して垂直に、素子形成領域18にイオン注入する。これにより、ソースおよびドレイン形成予定領域20’,22’において、第1イオン注入領域20b’,22b’よりも深い深さに第2イオン注入領域20a’,22a’が形成された構造体を得る。なお、この工程では、第2不純物(P)を、第6工程で説明した第1不純物(As)よりも高い注入量でイオン注入している。
(第9工程)
最後に、第6工程および第9工程で素子形成領域18に導入された第1および第2不純物(AsおよびP)をアニールにより活性化する。より詳細には、RTA法により、素子形成領域18を、約60℃/秒で昇温し、最高温度でも約975℃のアニール保持温度に到達させた後、この温度で約10秒間保持する。これにより、第1および第2不純物が活性化され、第1イオン注入領域20b’,22b’は、n層20b,22bへと変化し、第2イオン注入領域20a’,22a’は、n層20a,22aへと変化する。ここで、この工程におけるアニールの保持温度(約975℃)は、第5工程の高温アニールの保持温度(約1050℃)よりも低温とされている。
これにより、ボディ領域24のソース領域20側端部およびドレイン領域22側端部に、Arのイオン注入により人為的に導入された結晶欠陥を有するMOSFET10(図1)が得られる。
次に、このようにして製造されたMOSFET10のオフリーク電流および基板浮遊効果につき、図5を参照して説明する。
図5は、MOSFET10のドレイン電流Id(縦軸)とゲート電圧Vg(横軸)との関係を示している。図5は、MOSFET10に対して、FET1〜FET3(「発明が解決しようとする課題」参照)と同様の測定を行うことで得られている。したがって、図5の縦軸および横軸は、図7と同様である。また、図5中に描かれた9本のグラフも、図7と同様のドレイン電圧Vd(V)の変化に対応している。
図5によれば、Vd=3.3VにおけるMOSFET10のオフリーク電流Idoff(Vg=0VにおけるId)は、約0.4pAであり、1pA以下である。
また、Id=0.1μAにおけるゲート電圧Vgの最大値Vgmaxは、Vd=0.1Vのグラフから、約0.7Vと読み取れる。また、Id=0.1μAにおけるゲート電圧Vgの最小値Vgminは、Vd=3.3Vのグラフから、約0.3Vと読み取れる。よって、最大値Vgmaxと最小値Vgminとの差△Vg(=Vgmax−Vgmin)は、約0.4Vである。
ここで、MOSFET10およびFET1〜FET3のオフリーク電流Idoffおよび△Vgを比較した結果を、それぞれの製造工程の特徴点とともに、以下の表1に示す。
Figure 0005099981
Arのイオン注入(表1:工程1)後に、第1ドーパントのイオン注入(表1:工程3)を行うことなく高温アニール(表1:工程2)を行ったMOSFET10は、FET1〜FET3に比べて、オフリーク電流Idoffと△Vgとが、バランスよく良好な値を示していることがわかる。
つまり、MOSFET10のオフリーク電流Idoffは、Arのイオン注入が行われていないために、結晶欠陥が最も少ないと推測されるFET1よりも若干良好な値を示す。さらに、MOSFET10の△Vgは、Arのイオン注入量が多いために、基板浮遊効果が最も抑制されていると推測されるFET2に近い値を示す。
このように、この実施の形態の半導体装置の製造方法では、FET2およびFET3では、一度のアニールで同時に行われていたArのイオン注入由来の結晶欠陥の一部回復、および第1ドーパントの活性化を、それぞれ別工程(第5工程および第9工程)で行っている。これにより、結晶欠陥の一部回復のための第5工程の段階では、未だ素子形成領域18に第1および第2不純物(AsおよびP)が導入されていないので、第1および第2不純物のゲート長方向に沿った過剰拡散の懸念なく、結晶欠陥を一部回復するために最適な温度で高温アニール(約1050℃)を行うことができる。
また、第1および第2不純物の活性化のための第9工程では、高温アニール(第5工程)により、結晶欠陥の一部は回復されている。よって、素子形成領域18には、基板浮遊効果を抑制し、かつ、オフリーク電流を低減化するために必要充分なだけの量の結晶欠陥が既に存在している。これにより、第9工程では、結晶欠陥を回復させることに配慮することなく、第1および第2不純物のゲート長方向に沿った拡散距離を短縮しつつ第1ドーパントの活性化を達成できる最適な温度(約975℃)でアニールを行うことができる。
これにより、この実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、短チャネル効果を抑制しつつ、基板浮遊効果およびオフリーク電流を、実用上充分なレベルで同時にバランスよく抑制することが可能な半導体装置(MOSFET10)を得ることができる。よって、集積回路において比較的高い電圧(≒3.3V)が印加される周辺回路用のI/Oトランジスタや、アナログ回路用のトランジスタとして、MOSFET10を用いることで、消費電力を低減化することができるとともに、ソース−ドレイン耐圧を高めることができる。
さらに、この実施の形態の半導体装置の製造方法により製造されたMOSFET10は、オフリーク電流Idoffが、約1pA以下であり、かつ、基板浮遊効果の大きさを表す指標△Vgが約0.4V以下である。つまり、基板12(SOI基板)に形成されたMOSFET10は、ボディ領域24に人為的に導入された再結合中心としての結晶欠陥領域28bを備えているにも拘わらず、基板浮遊効果の抑制およびオフリーク電流の低減化を実用上充分なレベルで同時にバランスよく達成している。
また、高温アニール(第5工程)を1050℃以上の温度で行うことで、第1ドーパント(AsおよびP)のゲート長方向に沿った過剰拡散の懸念なく、オフリーク電流(Idoff)の低減化と基板浮遊効果(△Vg)の抑制とを同時に達成することができる程度まで、Arのイオン注入に由来する結晶欠陥を回復することができる。さらに、アニール(第9工程)を975℃以下の温度で行うことで、第1ドーパント(AsおよびP)のゲート長方向に沿った拡散を抑えることができるので、短チャネル効果を抑制できる。
つまり、結晶欠陥の回復(高温アニール)と第1ドーパントの活性化(アニール)とを別工程とすることにより、高温アニールが、ソースおよびドレイン領域20,22の形成に悪影響(たとえば、短チャネル効果等)を及ぼすことがない。
また、60〜80℃/秒という急激な昇温速度で昇温する高温アニール(第5工程)、いわゆるRTAを行うことで、Arのイオン注入(第4工程)で形成された結晶欠陥を含む領域において、シリコン原子の遠距離までの拡散が抑えられる。つまり、格子点から変位したシリコン原子は、遠方まで拡散することなく、その原子の近傍で結晶欠陥の回復に寄与する。これは、結晶欠陥の回復が、このシリコン原子の拡散距離程度の大きさの領域(以下、回復単位領域と称する)を単位として進行していくことを意味する。そして、互いに接した回復単位領域同士の境界部には、転位等の2次欠陥が発生する。一般に、結晶中の不純物は、結晶欠陥に局在する性質があるので、拡散するAr原子は、主として、この2次欠陥に取り込まれる。
一方、昇温速度がRTAよりも緩やかな従来のアニールでは、シリコン原子の拡散距離がRTAよりも大きいので、個々の回復単位領域の大きさがRTAの場合よりも大きくなる。つまり、従来のアニールの場合は、回復単位領域の数がRTAの場合よりも少数となり、したがって、回復単位領域同士の境界で発生する2次欠陥の量が、RTAの場合よりも少なくなる。さらに、従来のアニールでは、RTAの場合よりもAr原子の拡散距離が長くなる。これらの相乗効果により、従来のアニールにおいては、個々の2次欠陥に取り込まれるAr原子の数(濃度)が非常に高くなる。結果として、Ar原子は、2次欠陥に集中的に偏析し、MOSFET10の特性を劣化させる。
よって、昇温速度60〜80℃/秒で高温アニール(第5工程)を行うことにより、2次欠陥への過剰なArの偏析を抑えて、良好な特性のMOSFET10を得ることができる。
なお、好適な昇温速度(60〜80℃/秒)の上限値80℃/秒は、RTA装置のスペックにより限定されたものである。また、上述した理由により、昇温速度が大きくなるにつれて、結晶欠陥領域28bにおける2次欠陥密度も大きくなることが予想される。したがって、昇温速度が大きければ大きいほど、Ar原子の2次欠陥への偏析を避けることが可能と推測される。よって、昇温速度の真の上限値は、恐らく80℃/秒以上(たとえば、100℃/秒)であると推測される。また、昇温速度が、60℃/秒未満であると、2次欠陥へのArの偏析が顕著となり、MOSFET10の特性を悪化させるため、好ましくない。
また、高温アニール(第5工程)における昇温速度を60〜80℃/秒とすることで、高温アニール保持温度(1050℃)に到達するまでの時間を十数秒程度にまで短縮できる。さらに、高温アニール保持温度における保持時間は10〜30秒程度であるので、高温アニールに要する時間を1分以内に抑えることができる。これにより、高温アニール(第5工程)におけるスループットを大きくすることができる。
また、SiO層12bと半導体層12cとの界面11近傍の半導体層12cでAr濃度が最大となるように、Arをイオン注入(第4工程)することにより、結晶欠陥領域28bにおいて、結晶欠陥は、界面11近傍に密集するように発生する。ところで、インパクトイオン化により発生するホールは、界面11近傍を移動する性質を有している。よって、結晶欠陥領域28bにおいて、界面11近傍に密集するように結晶欠陥を設けることにより、このホールを効果的に結晶欠陥に捉えて再結合させることができる。
また、注入量が2×1014〜5×1014cm−2でArのイオン注入を行い(第4工程)、その後、第1ドーパント(AsおよびP)の導入を行うことなく、1050℃以上での高温アニールを行う(第5工程)ことで、MOSFET10のオフリーク電流(Idoff)の低減化と基板浮遊効果(△Vg)の抑制とを同時に達成することができる。
なお、この実施の形態においては、第4工程におけるArのイオン注入量を2×1014cm−2としたが、Arのイオン注入量は、2×1014〜5×1014cm−2の範囲で、設計に応じた任意好適な量を選択できる。その後の高温アニール(第5工程)の条件にもよるが、イオン注入量が2×1014cm−2未満の場合には、半導体層12cに導入される結晶欠陥の絶対量が少ないため、高温アニールの条件を緩和(保持温度を低下させ、かつ、保持時間を短くする)しても、基板浮遊効果(△Vg)を抑制することができなくなるため好ましくない。また、イオン注入量が5×1014cm−2よりも大きい場合には、高温アニールの条件を強化(保持温度を上昇させ、かつ、保持時間を長くする)しても、結晶欠陥が充分に回復されず、オフリーク電流Idoffが大きくなるため好ましくない。
また、高温アニール保持温度は、1050℃以上、かつ、1100℃以下であることが好ましい。高温アニール保持温度が1050℃未満では、Arのイオン注入により導入された結晶欠陥が充分に回復しないため、オフリーク電流Idoffが増加するため好ましくない。また、高温アニール保持温度が1100℃を超えると、基板浮遊効果を抑制することができなくなるため好ましくない。
また、高温アニール(第5工程)における昇温速度が60〜80℃/秒であれば、高温アニール保持温度および保持時間は、上述のArのイオン注入量を勘案して、MOSFET10が良好な特性(Idoff:小、および△Vg:小)を示すような条件とすることが好ましい。また、一般的には、Arのイオン注入量を増加させた場合には、(1)高温アニール保持温度の高温化、および(2)保持時間の長時間化、の一方または両方を実施することが好ましい。
また、この実施の形態では、高温アニール保持温度を1050℃、かつ、保持時間を10秒で高温アニール(第5工程)を実施した。しかし、高温アニール保持温度と保持時間とは、これらの値に固定されたものではない。たとえば、この実施の形態の高温アニール条件では、高温アニール保持時間は、10秒〜30秒の範囲内であれば、MOSFET10は、実用上充分な良好な特性(Idoff:小、および△Vg:小)を示す。また、高温アニール保持温度を1050℃よりも高い温度(たとえば、約1100℃)とした場合には、その分保持時間を短時間(たとえば、約5秒)としても良好な特性のMOSFET10を得ることができる。
また、低温アニール温度は、975℃以下であることが好ましい。低温アニール温度が、975℃よりも高い場合、第1および第2不純物(AsおよびP)が、ゲート長方向に過剰に拡散し、MOSFET10において短チャネル効果が顕著になるために好ましくない。
また、この実施の形態においては、Arのイオン注入エネルギーを30keVとしたが、これは、40nm厚の半導体層12cに最適化された注入エネルギーである。よって、半導体層12cの厚みを変えた場合には、これに合わせて注入エネルギーを変更し、SiO層12bと半導体層12cとの界面11近傍の半導体層12cにおいて、Ar濃度が最大となるような深さ方向濃度分布とすることが好ましい。
また、この実施の形態では、Arは、基板12に対して垂直な方向からイオン注入されているが、基板12に対して傾いた方向からイオン注入を行ってもよい。
また、この実施の形態においては、nチャネル型のMOSFET10につき例示したが、pチャネル型のMOSFETにおいても、nチャネル型のMOSFET10と同様の作用効果を奏する。すなわち、オフリーク電流を低減化し、同時に基板浮遊効果を抑制することができる。
また、この実施の形態では、基板12としてSOI基板を用いた場合を例示したが、基板12としては、たとえばSOS(silicon on sapphire)基板や、SOQ(silicon on quartz)基板を用いることができる。
また、この実施の形態のMOSFET10、および、その製造方法ではLDD構造として、n層20b,22bを形成する場合を例示したが、ドレイン領域22の近傍でのホットキャリアの発生を抑制することができれば、n層20b,22bを設ける必要はない。
また、Arに代えて、Ar以外の0族元素、SiおよびGeからなる群から選択された1種以上の元素をイオン注入することによっても、得られるMOSFET10のオフリーク電流Idoffの低減化と基板浮遊効果△Vgの抑制とを同時に達成することができる。
また、この実施の形態では、半導体装置としてMOSFET10のみを例示したが、本発明で言う半導体装置とは、MOSFET10を一素子として備えた集積回路をも含む概念である。
この実施の形態の半導体装置の概略構成を示す断面図である。 この実施の形態の半導体装置の製造方法の主要工程段階を抜き出した工程断面図である。 この実施の形態の半導体装置の製造方法の主要工程段階を抜き出した工程断面図である。 この実施の形態の半導体装置の製造方法の主要工程段階を抜き出した工程断面図である。 この実施の形態の半導体装置および半導体装置の製造方法の作用効果の説明に供する図である。 従来のSOI−MOSFETの製造工程の主要工程段階のフローチャートを示す図である。 従来のSOI−MOSFETの特性を示す図である。
符号の説明
10 MOSFET
11 界面
12 基板
12a 下地基板
12b SiO
12c 半導体層
13 主面
16L,16R フィールド酸化膜
18 素子形成領域
20 ソース領域
20’ ソース形成予定領域
22 ドレイン領域
22’ ドレイン形成予定領域
20a,22a n
20a’,22a’ 第2イオン注入領域
20b,22b n
20b’,22b’ 第1イオン注入領域
24 ボディ領域
24’ ボディ形成予定領域
24a チャネル領域
26 ゲート電極部
26a ゲート酸化膜
26a’ ゲート酸化膜前駆体
26b ゲート電極
26c サイドウォール
28 Arイオン注入領域
28a 重複領域
28b 結晶欠陥領域
30,30a SiO

Claims (10)

  1. 絶縁体上の半導体層に設けられた一方の導電型の素子形成領域にイオン注入された、他方の導電型の第1ドーパントを、アニールにより活性化することで形成されたソース領域およびドレイン領域と、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記素子形成領域であるボディ領域とを備えるMOS電界効果トランジスタとしての半導体装置を製造するにあたり、
    前記第1ドーパントのイオン注入に先立ち、
    (a)前記ボディ領域の形成予定領域内の領域であって、形成されるべき前記ソース領域および前記ドレイン領域との境界領域へのArのイオン注入と、
    (b)前記第1ドーパントの活性化のためのアニールよりも高温で、前記Arのイオン注入により生じた結晶の欠陥を部分的に回復させるための高温アニールと
    を行い、
    前記高温アニールにおいて、60〜80℃/秒の昇温速度で高温アニール保持温度まで昇温を行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 絶縁体上の半導体層に設けられた一方の導電型の素子形成領域に、MOS電界効果トランジスタとしての半導体装置を製造するにあたり、
    一方の導電型の前記素子形成領域へ、他方の導電型である第1ドーパントの導入を行う前工程として、前記素子形成領域の表面に形成されたゲート電極部をマスクとしてArのイオン注入を行い前記素子形成領域に結晶欠陥を導入するArイオン注入工程と、
    前記結晶欠陥の一部を回復する高温アニール工程と、
    他方の導電型の第1ドーパントを、前記ゲート電極部をマスクとしてイオン注入する第1イオン注入工程と、
    前記高温アニールよりも低温で前記第1ドーパントの活性化のためのアニールを行うことによって、前記素子形成領域にソース領域およびドレイン領域を形成する活性化工程と
    を含み、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域との間の前記素子形成領域であるボディ領域のソース領域側端部、および前記ボディ領域のドレイン領域側端部に、前記結晶欠陥を有するMOS電界効果トランジスタを形成し、
    前記高温アニール工程において、60〜80℃/秒の昇温速度で高温アニール保持温度まで昇温を行う
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記Arイオン注入工程に先立ち、
    前記半導体層に、形成されるべき個々の前記MOS電界効果トランジスタを電気的に分離するためのフィールド酸化膜を形成する工程と、
    前記MOS電界効果トランジスタの閾値電圧を調整するために、前記素子形成領域に前記一方の導電型の第2ドーパントをイオン注入する第2イオン注入工程と、
    前記フィールド酸化膜で区画された前記素子形成領域の表面に、ゲート酸化膜およびゲート電極をこの順序で積層して前記ゲート電極部を形成する工程と、
    を実施し、および
    前記第1イオン注入工程は、
    前記ゲート電極をマスクとして用いて、前記第1ドーパントとして第1不純物を前記素子形成領域の表面近傍の深さにイオン注入する1回目のイオン注入工程と、
    前記ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程と、
    前記ゲート電極および前記サイドウォールをマスクとして用いて、前記第1ドーパントとして、前記第1不純物と同一または異なる第2不純物を、前記第1不純物よりも深い深さにイオン注入する2回目のイオン注入工程と
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記高温アニール保持温度は、1050〜1100℃であり、および、前記第1ドーパントの活性化のためのアニールは、最大でも975℃のアニール保持温度で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記高温アニール保持温度での保持時間を10〜30秒とすることを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記Arを、前記絶縁体と前記半導体層との界面近傍の前記半導体層でAr濃度が最大となるような注入エネルギーでイオン注入することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記Arを、2×1014〜5×1014cm−2の注入量でイオン注入することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記Arに代えて、Ar以外の0族元素、SiおよびGeからなる群から選択された1種以上の元素のイオンをイオン注入することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記絶縁体として、SiO、サファイアおよび水晶からなる群から選択される1種類の物質を用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 請求項3に記載の製造方法で製造された半導体装置であって、
    前記ゲート電極のゲート長が0.32〜0.35μmであり、
    前記ゲート電極に印加する電圧Vgを0Vとし、前記ドレイン領域に印加する電圧Vdを3.3Vとし、および、前記ソース領域を接地した場合におけるソース領域とドレイン領域との間を流れるオフリーク電流Idoffの大きさが、1pA以下であり、ならびに、
    前記Vdを0.1Vとし、かつ、前記Idを0.1μAとした際の前記VgをVg(0.1)とし、前記Vdを3.3Vとし、かつ、前記Idを0.1μAとした際の前記VgをVg(3.3)とした場合におけるVg(0.1)−Vg(3.3)が0.4V以下であることを特徴とするMOS電界効果トランジスタ。
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