JP2004200119A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Hiroshi Terasaki
寛 寺崎
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Abstract

【課題】高周波加熱装置において、三相電源を入力電源とした場合に、電源の相間に流れる不平衡電流を無くす為にはマグネトロンの数は3の正数倍でなければならず、仕上がりが不充分な場合がある。
【解決手段】三相ブリッジ整流装置9の出力電力で複数個のインバータ回路11a、bを駆動し、インバータ回路11a、bの高周波高電圧にてマグネトロン6a、bを駆動、電波の発振制御行う事により、如何なる発振制御状態でも三相電源の相間の不平衡電流の発生を防止する回路とする事により、マグネトロン6a、bの配置や数を被加熱物20に応じ適宜設定出来るようになるので、被加熱物の加熱ムラを抑えた良好な仕上がり品質を得る事が出来るようになる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネトロンの駆動に係る電源装置を制御しながら、発生する高周波加熱エネルギーによって食品を加熱する高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品等を電波で加熱する高周波加熱装置において、大量の食材を短時間に加熱する方法として、複数の電波の発生手段を用い、大電力の電波を発生させ用に供する方法があり、この場合の電源としては三相交流電源が用いられている。
【0003】
従来の三相交流を電源とするこの種の高出力の高周波加熱装置は、不平衡電流の発生を防止する為に、加熱室に電波を照射する手段を3の正数倍にして電源の各相に均等に電流が流れる構成を取っている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
図10はこの従来例を示すもので、図において1の漏電ブレーカーはその入力側を三相交流電源に接続され、出力側は主電磁接触器2の接点3及びキャビティー電磁接触器4を介し、四角の破線で囲まれたA、B、C三つのマグネトロンセットを互いに異なる二線間に接続してなるキャビティー用電波ユニット5に接続している。
【0005】
キャビティー用電波ユニット5内のマグネトロンセットA、B、Cは夫々、電波を発生するマグネトロン6a、6bとこれを駆動するための高電圧を供給する高圧トランス7a、7b等で構成され、操作者が、装置の電波出力の設定を行い、主電磁接触器2及び、キャビティー電磁接触器4をONさせると、A、B、C三つのマグネトロンセットの夫々に電圧が印加され、高圧トランス7a、7bにより昇圧され、整流された電圧がマグネトロン6a、6bに印加され、被加熱物を加熱する電波が発生する。そして、この実施例に示されているように、マグネトロンセットA、B、Cには合計6個のマグネトロンを使用し、使用する部品を夫々、同一仕様の物とする事で、各マグネトロンセットの夫々の入力電流をほぼ同一とし、三相の電源には不平衡電流が流れることの無い様な構成にしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−345684号公報(第4−5頁、第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、電波を発生するマグネトロンセットA、B、Cは、三相の電源に対し、不平衡電流を生じないようにするため、常に、3の正数倍の数とし、各線間に均等に配置する必要があった。このことは、電波ユニット5内の加熱出力や均一加熱性能の確保に対し少なからず影響を与えた。必要とされる電波の出力に対し、マグネトロンの数が制限されると、定格に対し、ギリギリの設定で、信頼性を低下させたり、逆に余裕を取らざるを得なくなり、不経済的となる。被加熱物を均一に加熱するためには、特許文献1に記載のキャビティーすなわち加熱室に対し、マグネトロンユニットA、B、Cの配置を配慮する事が有効な手段となるが、マグネトロンユニットA、B、Cを例えば加熱室対し上下に各2個合計、4個を配列する事は出来ない。被加熱物に対し、上下から均等に電波を照射し、加熱するには上3個、下3個とするしかなかった。そして、この場合は、加熱室の周囲に配する2個のマグネトロンから照射される電波と、中心のマグネトロンから照射される電波のバランスが問題となり、結果的に、均一加熱性能が不充分な状態を生じることがあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するもので、電波を発生するマグネトロンの駆動を、交流電源から得た電力を一旦整流し、商用電源周波数と異なる周波数で断続して得られる高周波電力を生成するいわゆるインバータ電源で行うようにした物である。三相電源を一旦、三相整流回路を設け、その出力に必要な数のマグネトロンとインバータ電源を設けるようにすることで、整流出力に接続している為、インバータ電源がどのよう変化しても、三相電源側の各相間に流れる電流は常に等しく、不平衡電流は発生しない。このことで三相交流電源を使用した高周波加熱装置を実現出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、加熱室と、三相交流を受電し整流する三相整流装置と前記三相整流装置の出力電力を高周波に変換する複数個のインバータ回路と、前記夫々のインバータ回路出力により駆動され、前記加熱室に対し電波を照射する複数個のマグネトロン及び、前記夫々のインバータ回路に備えられた半導体スイッチング素子を制御する制御手段とを設け、操作者が制御手段を通し、複数のマグネトロンの発振する電波の加熱室へ照射を任意に制御する構成としたものである。
【0010】
そして複数のインバータ回路は全て整流出力に接続している為、マグネトロン、インバータ電源が何個であっても、又、操作者がどの様に制御を行っても、三相電源側の各相間に流れる電流は常に等しく、不平衡電流の発生を無くす事が出来る。
【0011】
請求項2に記載の発明は、特に、請求項2に記載の制御手段が、夫々のインバータ回路ごとに設けられた半導体スイッチング素子の断続を、個々に単独で制御する構成としたものである。
【0012】
そして、三相電源側の各相間に流れる電流は常に等しく、不平衡電流の発生を無くす事が出来ると同時に、操作者は各々のマグネトロンに対し、個別に任意の加熱制御を行うことで均一加熱を行う事が出来る。
【0013】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項1に記載の制御手段が、隣接したマグネトロンに接続するインバータ回路に設けられた半導体スイッチング素子に対し、逆位相で断続制御する構成としたものである。
【0014】
そして、操作者が各々のマグネトロンに対し、何時どの様に制御を行っても、三相電源側の各相間に流れる電流は常に等しく、不平衡電流の発生を無くす事が出来ると同時に、隣接したマグネトロンが相互に、一方が発振している場合に他方が発振を停止する構成となり、発振中のマグネトロンへの隣接したマグネトロンからの干渉による影響を無くす事が出来る。
【0015】
請求項4に記載の発明は、加熱室と、三相交流を受電し整流する三相整流装置と前記三相整流装置の出力電力を高周波に変換する複数個のインバータ回路と、前記夫々のインバータ回路出力により駆動され、前記加熱室に対し電波を発振する複数個のマグネトロン及び、前記夫々のインバータ回路に備えられた半導体スイッチング素子に対し電源電圧の変化の周期に同期を取りながら制御する構成を設けたものである。
【0016】
そして、インバータ回路は整流出力に接続している為、マグネトロン、インバータ電源が何個であっても、又、操作者が各々のマグネトロンに対し、何時どの様に制御を行っても、三相電源側の各相間に流れる電流は常に等しく、不平衡電流の発生を無くす事が出来ると同時に、不要な輻射ノイズを押さえ、電波の発振効率を高め、装置使用時の経済効果を得ることが出来る。
【0017】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項4に記載の同期制御回路は、夫々のインバータ回路ごとに設けられた半導体スイッチング素子の断続のON、OFFの期間を変化させる構成としたものである。
【0018】
そして半導体スイッチング素子の断続の停止期間を、加熱動作開始直後より徐々に長くして行く事でマグネトロンの安定発振を図ることが出来る。
【0019】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、従来例と同一符号のものは同一構造を有し、説明を省略する。
【0020】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における高周波加熱装置の回路を示す図、図2は、本発明の実施例1における装置本体の側方断面を示す図、図3は、本発明の実施例1における三相ブリッジ整流回路出力電圧を示す図である。図1において三相交流電源への接続端子8は主電磁接触器2を介し、三相ブリッジ整流回路9に接続させる。三相ブリッジ整流回路9の整流出力は、チョークコイルや平滑コンデンサよりなる平滑回路10を通し、必要に応じ、キャビティー電磁接触器4を介し、四角の1点鎖線で囲まれたインバータ回路11a、bに接続される。インバータ回路11a、bは夫々、同一仕様の半導体スイッチング素子12a、b、第1の共振コンデンサ13a、b、昇圧トランス14a、b、高圧整流回路15a、bを基本に構成されており、電波を発生するマグネトロン6a、bに高周波高電圧を印加、駆動する。又、インバータ回路11a、b内の半導体スイッチング素子12a、b、の入力端は、マイクロコンピュータ16により発振出力が制御されるスイッチング素子制御回路17に接続される。スイッチング素子制御回路17には、20kHz以上の高周波の発振回路18の出力が接続される構成を設けている。マイクロコンピュータ16は、スイッチング素子制御回路17を介し、あらかじめ記憶装置に保存されたプログラムデータに従い、それぞれの条件に応じ半導体スイッチング素子12a、bやキャビティー電磁接触器4の駆動や制御を行う構成をなす。
【0021】
更に、本実施例においては、図2に示すごとく、加熱室19の内部に載置された被加熱物20に対し、マグネトロン6aは、導波管21aを介し、アンテナ22aにて加熱室19の上方より電波を照射する様にしている。又、マグネトロン6bは、導波管21bを介し、アンテナ22bにて加熱室19の下方より電波を照射する様にする様に配置し、被加熱物19に対し電波を両面から照射する事で被加熱物20の表面と裏面の間の加熱ムラを少なくするようにしている。そのほか、加熱室19前面には被加熱物20の出入に掛かる扉23や操作に掛かる主電磁接触器2の操作を行う電源スイッチ24を配した操作パネル25が設けられており、操作者が装置の運転制御を操作パネル25面より行えるように構成している。
【0022】
上記の構成で、次のような動作が行われるようにしている。本体の動作にかかる電源スイッチ25をONすると主電磁接触器2の接点が閉じ、装置各部に通電され、マイクロコンピュータ16にも電力が供給され、マイクロコンピュータ16が動作を開始する。
【0023】
主電磁接触器2の出力側に接続された三相ブリッジ整流回路9の各線間に電圧が印加され、三相ブリッジ整流回路9の出力側には、図3に示すような脈流電圧が発生する。電圧の変化の周期は、各相間に印加される電圧周期の1/6倍の周期となっている。そして、単相の両波整流回路と異なり、出力電圧が0になることはない。
【0024】
この脈流電圧は平滑回路10にて平滑され、より直流に近い波形となる。この電圧がインバータ回路11a、bの昇圧トランス14a、bと半導体スイッチング素子12a、b直列に接続されている回路の両端に印加される。半導体スイッチング素子12a、bの入力部には発振回路18で発振した周波数20kHz以上の高周波を波形成形した出力が、スイッチング素子制御回路17でマイクロコンピュータ16の出力による制御を受けながら印加される。半導体スイッチング素子12a、bの入力部にマイクロコンピュータが発振器の高周波出力を許容している間、半導体スイッチング素子12a、bはON、OFFを繰り返し、昇圧トランス14a、bに流れる電流を断続する。この断続により、昇圧トランス14a、bの2次側には高周波高電圧が発生し、高圧整流回路15a、bで再度整流してマグネトロン6a、bに印加される。結果マグネトロン6a、bには、マイクロコンピュータ16が発振を許容している間、20kHz以上の高周波高電圧の脈流が印加され、電圧が印加されている間、2.45GHzのマイクロ波電波を発振する。
【0025】
そして、本体が動作中、三相交流電源の各線間に流れる電流は主電磁接触器1やマイクロコンピュータ16を含む制御手段に供給される極わずかな電流のズレはあるにしても、ほぼ同一電流が流れ、相間に実用上問題となる不平衡電流を生じることは無い。勿論、マイクロコンピュータ16等の制御手段や主電磁接触器1に流れる電流によって生じる不平衡電流が課題となるような場合は、単相用の主電磁接触器を3台設け各相間に接続し、又、制御手段に対する電源回路用に単相用の電源トランスを3台設け、整流出力を合成する事でこれらの回路に流れる電流も含め、全てにおいて相間に流れる電流を同一にして不平衡電流を完全に0にする事も出来る。
【0026】
マイクロコンピュータ16がスイッチング素子制御回路17を介し、20kHz以上の高周波信号を半導体スイッチング素子12a、bに入力しない様にした場合は、マイクロコンピュータ16等の制御手段や主電磁接触器1に流れる電流を除き0で不平衡電流はこの場合も、ほぼ0となる。
【0027】
以上の構成と動作によれば、マイクロコンピュータ16がスイッチング素子制御回路17を介し、20kHz以上の高周波信号を半導体スイッチング素子12a、bにどのような状態に制御しようとも、三相電源の各相間に流れる電流は常に等しく、結果、いかなる場合も不平衡電流の発生はない。そしてさらに、従来のマグネトロンを駆動する電源は3の正数倍でなければ無し得なかった不平衡電流0を1台も含め、いかなる数に設定しても達成できる。このことで、マグネトロン6a、bの数を加熱室19の形状、被加熱物20の状態に合わせ、最適な数と配置に設計する事が出来る。本実施例においては、マグネトロン6a、bを駆動するインバータ回路11a、bを2つに設定し、被加熱物20の上下両面から電波を照射する事で、良好な加熱の仕上がり状態を得る事が出来る。
【0028】
更に、本発明を実施する事で、従来の単相交流を電源とした高周波加熱装置に比較し、発振効率を大幅に向上できる。即ち、一般的にマグネトロン6a、bに印加する電圧は、高いほうが発振効率が良いことが知られている。印加電圧が低くアノードに流れる電流が定格値に比較し少ない状態では、発振周波数が共振周波数からズレを生じ、効率を低下させる。この為、アノード電流の瞬時値は変動が少ないほど一定の共振周波数で発振出来、効率が高く出来る。従来の単相電源を使用した装置にあってはブリッジ整流を行っても、必ず、整流出力電圧が0になる時間が発生し、その都度発振効率が低下し、更に、不要な輻射波を生じていたが、本発明に因れば、三相ブリッジ整流回路9の出力電圧の瞬時値が動作中0になる事が無い為、その分、発振効率は向上し、尚且つ、不要な周波数での輻射も低減し、高効率、高品質の装置とする事が出来る。
【0029】
(実施例2)
図4は、本発明の実施例2における高周波加熱装置の回路構成の要部を示す図、図5は、本発明の実施例2における高周波加熱装置の回路に生じる電流、電圧を示す図である。なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0030】
実施例1の構成と異なるところは、スイッチング素子制御回路17が、夫々のインバータ回路11a、bごとに設けられた半導体スイッチング素子12a、bの断続を、個々に単独の制御を行う構成を有する点である。即ち、スイッチング素子制御回路17の内部に夫々の半導体スイッチング素子12a、bの入力に繋がるダイオード26a、b、27a、bによるANDゲート回路が構成されている。マイクロコンピュータ16の内部には操作者の意図に応じ、夫々の半導体スイッチング素子12a、bが繰り返し断続する2つの繰り返しタイマー28a、bの機能が設けられている。実施例においては、繰り返しタイマー28a、bの繰り返し周期は夫々10秒で、繰り返しタイマー28aはそのうち6秒ON、4秒OFFを出力する。繰り返しタイマー28bはそのうち3秒ON、7秒OFFを出力する。尚、本実施例においては上記繰り返し周期、及びON、OFFの出力信号を出力するようにしているが、他の実施例では、断続の周期や、ON、OFFの出力信号を任意の時間に設定したり、スイッチング素子12aと12bが全く個別に設定する事もあり得る。
【0031】
この繰り返しタイマー28a、bの出力は、28aがダイオード26aの入力に、28bがダイオード26bの入力に接続される。一方、ダイオード27a、bの入力は共に高周波の発振器18の出力に接続される。そしてダイオード26aと27aの出力は、共に半導体スイッチング素子12aの入力に接続され、ダイオード26bと27bの出力は、共に半導体スイッチング素子12bの入力に接続される。半導体スイッチング素子12a、bの入力には抵抗29a、bを通し各スイッチング素子をON出来る電流が流せる直流電源に接続されている。
【0032】
以上の構成で次の動作が行われる。スイッチング素子12aの入力には抵抗29aを通し直流電圧と、発振回路18から20kHz以上の高周波断続信号と、マイクロコンピュータ16内の繰り返しタイマー28aよりの繰り返し断続信号の3つの電圧が印加されるが、発振回路18から20kHz以上の高周波断続信号及び、マイクロコンピュータ16内の繰り返しタイマー28aよりの繰り返し断続信号のいずれかの信号がOFFの間は、ダイオード26a又はダイオード27aがスイッチング素子12aの入力をショートし、スイッチング素子12aをOFF状態にする。発振回路18から20kHz以上の高周波断続信号及び、マイクロコンピュータ16内の繰り返しタイマー28aよりの繰り返し断続信号のいずれもの信号がONの間は、ダイオード26a、ダイオード27aともスイッチング素子12aの入力をショートする事が無い為、抵抗29aを通し、スイッチング素子12aに直流電流が入力され、ON状態となる。即ち、上記動作により、半導体スイッチング素子12aはマイクロコンピュータ16内の繰り返し断続タイマー28aがON状態にある間、20kHz以上の高周波で断続し、OFFの状態では、全く断続しない。これにより、マグネトロン6aには断続タイマー28aの断続周期で発振回路18の周波数の高周波高電圧が印加され、その間加熱室19内の被加熱物20に対し、上方より電波を照射する。即ち、本実施例においては、10秒の繰り返しで、そのうち6秒間、高周波がアンテナ22aを通し、加熱室上部から電波が加熱室内に照射される。
【0033】
同様、スイッチング素子12bの入力には抵抗29bを通し直流電圧と、発振回路18から20kHz以上の高周波断続信号と、マイクロコンピュータ16内の繰り返しタイマー28bよりの繰り返し断続信号の3つの電圧が印加される。発振回路18から20kHz以上の高周波断続信号及び、マイクロコンピュータ16内の繰り返しタイマー28bよりの繰り返し断続信号のいずれかの信号がOFFの間は、ダイオード26b又はダイオード27bがスイッチング素子12bの入力をショートし、スイッチング素子12aをOFF状態にする。発振回路18から20kHz以上の高周波断続信号及び、マイクロコンピュータ16内の繰り返しタイマー28bよりの繰り返し断続信号のいずれもの信号がONの間は、ダイオード26b、ダイオード27bともスイッチング素子12bの入力をショートする事が無い為、抵抗29bを通し、スイッチング素子12bに直流電流が入力され、ON状態となる。即ち、上記動作により、半導体スイッチング素子12bはマイクロコンピュータ16内の繰り返し断続タイマー28bがON状態にある間、20kHz以上の高周波で断続し、OFFの状態では、全く断続しない。これにより、マグネトロン6bには断続タイマー28bの断続周期で発振回路18の周波数の高周波高電圧が印加され、その間加熱室19内の被加熱物20に対し、下方より電波を照射する。即ち、本実施例においては、10秒の繰り返しで、そのうち3秒間、高周波がアンテナ22bを通し、加熱室19下部から電波が加熱室19内に照射される。
【0034】
以上の構成と動作により三相交流電源における入力電流間の不平衡電流の発生を無くす事が出来る。図5は、繰り返し断続タイマー28a、bが断続した場合の半導体スイッチング素子12a、bの断続の状態と、その時に生じる三相電源の各線間に流れる電流の状態を模式的に示す物で、いかなる場合も線間電流は等しく、不平衡電流は発生しない。そして従来では不可能であった、即ち従来装置であれば、3の正数倍の数のマグネトロンを全て同時にON、OFF制御する事しか出来なかった制御を、繰り返し断続タイマーを夫々単独に、且つ、自由に設定しても不平衡電流を発生する事が無くなり、このことで、被加熱物20に対し電波の照射の度合いを適宜加熱に最適な条件に設定する事が出来るようになり、より最適の仕上がり状態を得ることが出来るようになる。
【0035】
(実施例3)
図6は、本発明の実施例3における高周波加熱装置の回路構成を示す図である。実施例1、2の構成と異なるところは、マグネトロン6a、bに高周波高電圧を印加する半導体スイッチング素子12aと12bに対し、高周波断続信号を逆位相で印加制御する構成としたことである。具体的にはスイッチング素子12a、bの入力に接続されるダイオード27bに直列に極性反転回路30が接続される。極性反転回路30は、単純には逆相増幅器即ち、原理的にはトランジスタ増幅器の内、エミッタ接地型の増幅器のごとき物であればよい。
【0036】
この極性反転回路30を接続する事で、半導体スイッチング素子12aと12bは20kHz以上の高周波度断続信号が逆位相で印加されることになる。この為、夫々の半導体スイッチング素子12a、bは逆位相で断続、即ち20kHzの断続の1サイクル毎に、半導体スイッチング素子12aがONの間は12bはOFF、半導体スイッチング素子12aがOFFの間は12bはONとなる。この結果、昇圧トランス14a、bにて昇圧され、半波倍電圧整流型の高圧整流回路15a、bを通して整流される高周波高電圧の位相は、互いに逆位相となり、マグネトロン6a、bは高周波の断続を半サイクルずれて発振する事になる。即ち、マグネトロン6aが発振している半サイクルの間はマグネトロン6bは発振停止、逆にマグネトロン6aが発振停止している半サイクルの間はマグネトロン6bが発振する。
【0037】
上記構成によれば、前述の実施例1、2同様、いかなる動作状態であっても三相交流電源の各線間には不平衡電流が生じることは無く、更に、逆位相で発振するマグネトロン6aと6bは、互いの発振を行っている作用空間に対する影響が無い為、電波発振効率の低下や、発振周波数の変動、不用輻射の増大といった障害を未然に防ぐことが出来る。
【0038】
尚、動作させるマグネトロンセットが本実施例のごとく2台の場合は、互いに逆位相で発振させる構成とする。動作させるマグネトロンセットが更に多い場合、隣接したマグネトロンを互いに逆位相で発振するように配置する。このように、電波の電界の影響が大きい、最も近いマグネトロンを互いに逆位相で発しさせることで、複数のマグネトロンを動作させる高周波加熱装置の電波発振効率の低下や、発振周波数の変動、不用輻射の増大といった障害を大幅に低減させることが出来る。
【0039】
(実施例4)
図7は、本発明の実施例4における高周波加熱装置の回路構成を示す図、図8は本発明の実施例4における高周波加熱装置の回路に生じる電流、電圧を示す図である。なお、実施例1、2、3と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0040】
本実施例は実施例2を基本にしたもので、実施例2の構成と異なるところは、前記夫々の半導体スイッチング素子12a、bに対し、電源電圧の変化の周期に同期を取りながら制御する同期制御回路31を附加したことである。
【0041】
図7において同期制御回路31は、一方の入力が抵抗32を介して三相ブリッジ整流出力に、又、一方はツェナーダイオード33で作られる直流電圧端に接続してなる比較器34を中心に回路が構成されている。比較器34の出力は同時にダイオード35a、bを介し、夫々半導体スイッチング素子12a、bの入力部に接続している。更に本実施例においては、平滑回路10のコンデンサ容量は、回路に生ずる瞬間的なサージノイズを抑える程度の少容量の物とし、ブリッジ整流出力を平滑できるような大きな容量とはしていない。
【0042】
上記構成により次ぎのような動作を行う。実施例2同様、マイクロコンピュータ16の出す繰り返し断続の制御信号に応じ、半導体スイッチング素子12a、bは20kHz以上の高周波で断続している。図8は本実施例に於ける比較器各部の電圧波形を示す物で、比較器34には抵抗32を通し、図8の(a)に示すごとき三相交流を三相ブリッジ整流回路9で整流した出力を分圧した電圧が印加される。比較器34のもう一方の入力にはツェナーダイオード33の電圧が印加されており、比較器34の出力には図8の(b)に示すように抵抗32が接続される側の電圧がツェナーダイオード33側よりも高い間電圧が発生し、抵抗32が接続される側の電圧がツェナーダイオード33側よりも低い間は電圧が0となる。この為、半導体スイッチング素子12a、bは図8の(c)に示すように抵抗32が接続される側の電圧がツェナーダイオード33側よりも低い間はいかなる状態でもOFFとなり、断続動作をしない。即ち、三相ブリッジ整流出力電圧が低くなった時点で比較器34の出力に応じ、高周波断続を停止し、逆に設定より高くなった時点で断続を再開する。即ち、三相電源の電源電圧の変化に同期しながら、発振、非発振の動作を繰り返す事になる。
【0043】
以上の構成と動作により、半導体スイッチング素子12a、bが如何なる断続状態であっても三相電源に不平衡電流を生じないだけでなく、装置全体の発振効率を高くし、不要な周波数の電波の輻射を無くす事が出来る。即ち、マグネトロン6a、bに印加される電圧が次ぎに入力される相による電流との継ぐ目で電圧が低下する位相においては、半導体スイッチング素子12a、bをOFF状態にして発振させず、発振効率の高い十分な電圧が印加されている時間のみ発振を行うことでマグネトロンに入力される平均電流に対する電波出力の比を高くする事が出来る。同時に、共振周波数を外れた周波数での動作が無くなり、占有周波数帯域幅が狭い高品位の電波にて加熱する事が出来る。特に本発明の実施例3と合わせて実施する事で更に顕著なものにする事が出来る。
【0044】
(実施例5)
図9は、本発明の第5の実施例の高周波加熱装置の回路構成を示す図である。なお、実施例1、2、3、4と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0045】
本実施例は実施例4を基本にしたもので、実施例4の構成と異なるところは、実施例4における抵抗32を抵抗値が変化する可変抵抗手段としたものである。実施例においては、操作パネル25上に可変抵抗器36を設け、抵抗32の変わりに接続している。そして本体が動作中に操作者がこの可変抵抗器36の抵抗値を自由に操作できるようにしている。
【0046】
上記構成で抵抗値を大きくすると、比較器34の入力電圧が低くなり、ツェナーダイオード33側の電圧を超える時間が少なくなり、結果的に半導体スイッチング素子12a、bの断続を行う時間が少なくなる。逆に抵抗値を小さくすると、比較器34の入力電圧が高くなり、ツェナーダイオード33側の電圧を超える時間が多くなり、結果的に半導体スイッチング素子12a、bの断続を行う時間が長くなる。
【0047】
以上の構成と動作により、本実施例では三相交流電源に不平衡電流を生じる事なく、マグネトロン6a、bの電波発振時間を発振効率の良い部分で発振させたり、徐々に変化させることで、発振の安定化を図ったりする事が出来る。特に、本実施例において装置の動作を開始した直後、マグネトロン6a、bの発振動作に掛かるフィラメントの温度が低く発振に必要な熱電子の放出が不充分な状態では、可変抵抗器36の抵抗値を上昇させ、マグネトロン6a、bの断続発振時間の割合を少なくし、フィラメントが充分に加熱された後に、可変抵抗器36の抵抗値を低下させ、発振時間の割合を増やし、マグネトロン6a、bの電波の安定発振を図ることが出来る。
【0048】
尚、本実施例においては比較器34の比較出力を可変する手段として、可変抵抗器36を用いているが、他の実施例として、例えばツェナーダイオード33の変わりにマイクロコンピュータ16より比較する電圧を入力し電圧の比較を行い、又、マイクロコンピュータ16より入力する電圧を変化させ、比較出力のON、OFFの比率をかえることもありうる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜5記載の発明によれば、3の正数倍であれ、3の正数倍以外であれ、複数のマグネトロンを設けた加熱装置にあって、如何なる状態でも、三相電源の各相間に流れる電流を等しくし、不平衡電流の発生を無くした上で、短時間に被加熱物に最適の電波加熱を行い、高品位の仕上がりを得る事が出来る。又、マグネトロンの発振効率が向上し、使用時のランニングコストも低減でき、更に装置からの不要輻射の低減や、安定発振による長寿命化や信頼性の向上も図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における高周波加熱装置の回路を示す図
【図2】本発明の実施例1における高周波加熱装置本体の側方断面図
【図3】本発明の実施例1における高周波加熱装置の三相ブリッジ整流回路出力電圧を示す図
【図4】本発明の実施例2における高周波加熱装置の回路構成の要部を示す図
【図5】本発明の実施例2における高周波加熱装置の回路に生じる電流、電圧を示す図
【図6】本発明の実施例3における高周波加熱装置の回路構成の要部を示す図
【図7】本発明の実施例4における高周波加熱装置の回路構成の要部を示す図
【図8】本発明の実施例4における高周波加熱装置の回路に生じる電流、電圧を示す図
【図9】本発明の実施例5における高周波加熱装置の回路構成の要部を示す図
【図10】従来の高周波加熱装置の回路構成を示す図
【符号の説明】
6a、6b マグネトロン
11a、11b インバータ回路
12a、12b 半導体スイッチング素子
16 マイクロコンピュータ
17 スイッチング素子制御回路
19 加熱室
20 被加熱物
28a、28b 繰り返しタイマー
30 極性反転回路
31 同期制御回路
36 可変抵抗器

Claims (5)

  1. 加熱室と、三相交流を受電し整流する三相整流装置と、前記三相整流装置の出力電力を高周波に変換する複数個のインバータ回路と、前記夫々のインバータ回路出力により駆動され、前記加熱室に対し電波を照射する複数個のマグネトロン及び、前記夫々のインバータ回路に備えられた半導体スイッチング素子を制御する手段とを有してなる高周波加熱装置。
  2. スイッチング素子を制御する手段は、夫々のインバータ回路ごとに設けられた半導体スイッチング素子の断続を、個々に単独の制御を行う構成を有してなる請求項1記載の高周波加熱装置。
  3. スイッチング素子を制御する手段は、隣接したマグネトロンに接続するインバータ回路に設けられた半導体スイッチング素子に対し、逆位相で断続制御する構成を有してなる請求項1又は2記載の高周波加熱装置。
  4. 加熱室と、三相交流を受電し整流する三相整流装置と前記三相整流装置の出力電力を高周波に変換する複数個のインバータ回路と、前記夫々のインバータ回路出力により駆動され、前記加熱室に対し電波を発振する複数個のマグネトロン及び、前記夫々のインバータ回路に備えられた半導体スイッチング素子に対し電源電圧の変化の周期に同期を取りながら制御する構成を有してなる高周波加熱装置。
  5. 同期を取りながら制御する構成は、夫々のインバータ回路ごとに設けられた半導体スイッチング素子の断続のON、OFFの期間を変化させる構成を有してなる請求項4記載の高周波加熱装置。
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JP2012519090A (ja) * 2009-02-27 2012-08-23 ピコドリル エスアー 基板中にホール又は凹部又はくぼみを発生させる方法、該方法を実行するためのデバイス及び該デバイスで用いる高周波高電圧源
DE102015105925A1 (de) * 2015-04-17 2016-10-20 Krones Ag Vorrichtung zum Erwärmen von Kunststoffvorformlingen mittels Mikrowellen

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