JP2022071724A - 誘導加熱器、及び、炊飯器 - Google Patents

誘導加熱器、及び、炊飯器 Download PDF

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Abstract

【課題】フリッカを低減できる誘導加熱器及び炊飯器を提供する。【解決手段】誘導加熱器は、誘導加熱用のコイルに供給電力を供給するインバータ回路を、供給電力を供給するオン期間Tonと供給電力を供給しないオフ期間Toffとを含む周期Tを繰り返すように制御して供給電力の実効値を調整する。誘導加熱器は、立ち下がり処理を実行する。立ち下がり処理は、供給電力の指示値をオン期間Tonの供給電力の目標値P2に設定してからオン期間Tonの終了までに、指示値又は指示値の傾きを段階的に変化又は指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値P2から減少させることを含む。【選択図】図2

Description

本開示は、一般に、誘導加熱器及び炊飯器に関する。本開示は、特に、誘導加熱用のコイルへの供給電力のデューティ制御を行う誘導加熱器及び当該誘導加熱器を備える炊飯器に関する。
特許文献1は、誘導加熱調理器の一種である電気炊飯器を開示する。特許文献1に記載の電気炊飯器は、ボディ内に着脱自在に収納される鍋の底面部を加熱する第1の加熱コイルと、鍋の底側面部を加熱する第2の加熱コイルとを備え、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルを、各々独立に通電する。
特開平10-113278号公報
特許文献1のような電気炊飯器では、第1の加熱コイルや第2の加熱コイルに供給する電力を大きくすることが望まれる場合がある。加熱コイルに供給する電力を大きくすると、電圧変動が大きくなる。電圧変動の増加は、フリッカを引き起こす一因になり得る。
本開示は、フリッカを低減できる、誘導加熱器及び炊飯器を提供する。
本開示の一態様の誘導加熱器は、誘導加熱用のコイルと、インバータ回路と、制御回路とを備える。インバータ回路は、電源回路からの電力に基づいてコイルに供給電力を供給する。制御回路は、供給電力を供給するオン期間と供給電力を供給しないオフ期間とを含む周期を繰り返すようにインバータ回路を制御することによって供給電力の実効値を調整する。制御回路は、立ち下がり処理を実行する。立ち下がり処理は、指示値を目標値に設定してからオン期間の終了までに、指示値又は指示値の傾きを段階的に変化又は指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値から減少させることを含む。
本開示の一態様の炊飯器は、上記の誘導加熱器と、誘導加熱器で加熱される釜とを備える。
本開示の態様によれば、フリッカを低減できる。
一実施の形態の炊飯器の説明図 上記炊飯器の誘導加熱器の制御回路によるデューティ制御の説明図 上記誘導加熱器の立ち上がり期間における第1インバータ回路にかかる電圧の時間変化の一例のグラフ 上記誘導加熱器の立ち下がり期間における第1インバータ回路にかかる電圧の時間変化の一例のグラフ 比較例の誘導加熱器の制御回路によるデューティ制御の説明図 比較例の誘導加熱器の立ち上がり期間における第1インバータ回路にかかる電圧の時間変化の一例のグラフ 比較例の誘導加熱器の立ち下がり期間における第1インバータ回路にかかる電圧の時間変化の一例のグラフ 上記誘導加熱器の第1コイルの供給電力(入力電力)の時間変化の一例のグラフ 一変形例の誘導加熱器の制御回路によるデューティ制御の説明図 一変形例の誘導加熱器の制御回路によるデューティ制御の説明図
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(1)実施の形態
(1-1)概要
図1は、一実施の形態の炊飯器1を示す。炊飯器1は、誘導加熱方式により調理を行う誘導加熱調理器の一種である。炊飯器1は、釜100と、誘導加熱器10とを備える。釜100は、加熱対象物である。誘導加熱器10は、誘導加熱方式により加熱対象物(釜100)を加熱するための装置である。以下の実施の形態では、誘導加熱器10は誘導加熱方式により釜100を加熱して炊飯を行う。しかしながら、誘導加熱器10を備える誘導加熱調理器は、炊飯器1に限定されず、IHクッキングヒータ、ホットプレート等であってもよい。
図1に示すように、誘導加熱器10は、誘導加熱用のコイル31と、インバータ回路51と、制御回路60とを備える。インバータ回路51は、電源回路20からの電力に基づいてコイル31に供給電力を供給する。制御回路60は、図2に示すように、供給電力を供給するオン期間Tonと供給電力を供給しないオフ期間Toffとを含む周期Tを繰り返すようにインバータ回路51を制御することによって供給電力の実効値を調整する。制御回路60は、立ち下がり処理を実行する。立ち下がり処理は、供給電力の指示値をオン期間Tonの供給電力の目標値P2に設定してからオン期間Tonの終了までに、指示値又は指示値の傾きを段階的に変化又は指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値P2から減少させることを含む。
このように、誘導加熱器10では、制御回路60が立ち下がり処理を実行する。立ち下がり処理は、指示値又は指示値の傾きを段階的に変化又は指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値P2から減少させる。そのため、立ち下がり処理を実行しない場合に比べて、単位時間当たりの電力の変化量を小さくでき、これによって、フリッカの一因である電圧変動の抑制が可能である。したがって、誘導加熱器10によれば、フリッカを低減できる。
(1-2)詳細
以下、本実施の形態の誘導加熱器10について詳細に説明する。図1に示すように、誘導加熱器10は、電源回路20と、コイル31,32,33と、共振コンデンサ(第1及び第2共振コンデンサ)41,42と、インバータ回路(第1及び第2インバータ回路)51,52と、制御回路60とを備える。
電源回路20は、外部電源200からの電力により誘導加熱器10で利用する電力を生成する。本実施の形態では、外部電源200は、商用交流電源である。本実施の形態では、商用交流電源は、100Vではなく比較的高電圧の220V~250Vの交流電圧を供給する。電源回路20は、外部電源200からの電力(交流電力)から直流電力を生成する。電源回路20には、従来周知の構成を採用できるから詳細な説明は省略する。
コイル31,32,33は、誘導加熱用のコイルである。コイル31,32,33は、加熱対象物(釜100)の加熱に用いられる。コイル31,32,33に高周波電流が流れることにより高周波磁界が発生し、この高周波磁界によって加熱対象物が加熱される。本実施の形態では、加熱対象物は、炊飯器1の釜100である。コイル31は、比較的大電力で加熱対象物を加熱するためのコイル(主コイル)である。コイル31は、炊飯器1の胴部の内底部に配置され、釜100の下部を加熱するために利用される。コイル32,33は、比較的小電力で加熱対象物を加熱するためのコイル(副コイル)である。コイル32は、炊飯器1の胴部の内壁部に配置され、釜100の側部(胴部)を加熱するために利用される。コイル33は、炊飯器1の蓋部に配置され、釜100の上部を加熱するために利用される。コイル31は、電源回路20の出力端間に電気的に接続される。コイル32,33の直列回路は、電源回路20の出力端間にコイル31と並列的に電気的に接続される。
第1共振コンデンサ41は、コイル31と共振回路を構成するためのコンデンサである。第1共振コンデンサ41は、コイル31に並列に接続される。第2共振コンデンサ42は、コイル32,33と共振回路を構成するためのコンデンサである。第2共振コンデンサ42は、コイル32,33の直列回路に並列に接続される。
第1インバータ回路51は、電源回路20からの電力に基づいてコイル31に供給電力(第1供給電力)を供給する。第1インバータ回路51は、コイル31に接続されるスイッチング素子510を有する。スイッチング素子510は、コイル31及び第1共振コンデンサ41の第1共振回路と直列回路を構成する。スイッチング素子510は、オンオフを繰り返すことで、第1共振回路に高周波の共振電流(高周波電流)を発生させる。より詳細には、スイッチング素子510がオンすることにより、コイル31に電源回路20から電流が流れ込み、コイル31に電流が流れているときにスイッチング素子510がオフすると、コイル31と第1共振コンデンサ41が共振することによってコイル31に高周波電流が発生する。このようにして、コイル31には、高周波電力である第1供給電力が供給される。第1共振回路とスイッチング素子510との直列回路は、電源回路20の出力端間に電気的に接続される。スイッチング素子510は、半導体スイッチング素子である。本実施の形態では、スイッチング素子510は、トランジスタであり、特に、Nチャネル型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。
第2インバータ回路52は、電源回路20からの電力に基づいてコイル32,33に供給電力(第2供給電力)を供給する。第2インバータ回路52は、コイル32,33に接続されるスイッチング素子520を有する。スイッチング素子520は、コイル32,33及び第2共振コンデンサ42の第2共振回路と直列回路を構成する。スイッチング素子520は、オンオフを繰り返すことで、第2共振回路に高周波の共振電流を発生させる。より詳細には、スイッチング素子520がオンすることにより、コイル32,33に電源回路20から電流が流れ込み、コイル32,33に電流が流れているときにスイッチング素子520がオフすると、コイル32,33と第2共振コンデンサ42が共振することによってコイル32,33に高周波電流が発生する。このようにして、コイル32,33には、高周波電力である第2供給電力が供給される。第2共振回路とスイッチング素子520との直列回路は、電源回路20の出力端間に電気的に接続される。スイッチング素子520は、半導体スイッチング素子である。本実施の形態では、スイッチング素子520は、トランジスタであり、特に、Nチャネル型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。
制御回路60は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。なお、制御回路60は、ASICや、プログラマブルロジックデバイス、FPGA等のその他の集積回路で実現されてもよい。
制御回路60は、第1共振回路及び第2共振回路それぞれを共振させるために、第1インバータ回路51及び第2インバータ回路52を排他的に動作させる。より詳細には、制御回路60は、第1インバータ回路51のスイッチング素子510をオンにしている間は第2インバータ回路52のスイッチング素子520をオフにする。第2インバータ回路52のスイッチング素子520をオンにしている間は第1インバータ回路51のスイッチング素子510をオフにする。
制御回路60は、第1インバータ回路51を制御して、コイル31に供給電力(第1供給電力)を供給する。制御回路60は、第1インバータ回路51を用いたデューティ制御によって、コイル31に供給される第1供給電力を調整する。以下、図2を参照して、第1インバータ回路51を用いたデューティ制御について説明する。制御回路60は、図2に示すように、第1供給電力を供給するオン期間Ton(t1~t2)と第1供給電力を供給しないオフ期間Toff(t2~t3)とを含む周期Tを繰り返すように第1インバータ回路51を制御することによって第1供給電力の実効値を調整する。t3は、次の周期Tのt1である。第1供給電力の実効値は、デューティ比に依存する。デューティ比は、オン期間Ton/周期Tで与えられる。第1供給電力の実効値は、周期Tにおける第1供給電力の平均値に対応する。
制御回路60は、第1共振回路のコイル31に第1供給電力を供給するために、第1インバータ回路51のスイッチング素子510を、第1共振回路の共振周波数以上の駆動周波数(オンオフの周期)で駆動する。制御回路60は、第1供給電力の値を、第1供給電力の指示値によって設定する。制御回路60は、第1供給電力の指示値に応じて、第1インバータ回路51のスイッチング素子510のデューティ比を設定することで、第1供給電力の値を調整する。制御回路60は、スイッチング素子510のゲート-エミッタ間電圧を制御することによって、スイッチング素子510をオンオフする。より詳細には、制御回路60は、スイッチング素子510の両端間にかかる電圧(コレクターエミッタ間の電圧)の波形の包絡線で定まる電圧が指示値に対応する値になるように、スイッチング素子510のデューティ比を設定する。
制御回路60は、オン期間Tonでは、第1供給電力の指示値を目標値P2に設定する。目標値P2は、本実施の形態では、第1インバータ回路51からコイル31に供給可能な第1供給電力の最大値である。これによって、第1供給電力の実効値を大きくできる。第1供給電力の最大値は、誘導加熱器10の回路構成や回路定数にもよるが、例えば、1600[W]である。
制御回路60は、図2に示すように、オン期間Tonにおいて、所定期間の間(t110~t120)、第1供給電力の指示値を目標値P2に設定するが、第1供給電力の指示値を目標値P2に設定する前後において、立ち上がり処理及び立ち下り処理をそれぞれ実行する。
立ち上がり処理は、オン期間Tonの開始から供給電力の指示値をオン期間Tonの供給電力の目標値P2に設定するまでに(図2のt1~t110)、指示値の傾きを段階的に変化させて指示値を目標値P2まで増加させることを含む。これに対して、指示値の傾きを段階的に変化させないとは、指示値の傾きが一定であることを意味する。つまり、指示値の傾きを段階的に変化させて指示値を目標値P2まで増加させるとは、指示値の目標値P2までの変化が、傾きの異なる複数の直線で表されることを意味する。本実施の形態では、立ち上がり処理は、指示値の傾きを段階的に減少させる。より詳細には、立ち上がり処理は、指示値を異なる傾きで増加させる複数(本実施の形態では、2つ)の増加処理を含む。複数の増加処理は、指示値を第1の傾きで増加させる第1増加処理(図2のt1~t101)と、第1増加処理の後に実行され、指示値を前記第1の傾きより小さい第2の傾きで増加させる第2増加処理(図2のt101~t110)とを含む。第1増加処理では、指示値が初期値P1からP31まで増加し、第2増加処理では、指示値がP31からP2まで増加している。第2増加処理の期間は、第1増加処理の期間より長い。例えば、P31は、1000[W]である。ここで、初期値P1は、立ち上がり処理における指示値の最小値である。初期値P1は、第1インバータ回路51からコイル31に供給可能な第1供給電力の最小値に等しい。第1インバータ回路51からコイル31に供給可能な第1供給電力の最小値は、第1インバータ回路51の安定した動作が保証されている第1供給電力の最小値である。第1供給電力の最小値を下回るように指示値を設定した場合には、第1インバータ回路51に大きな負荷がかかり、ノイズ等の発生のおそれがある。そのため、本実施の形態では、第1インバータ回路51にかかる負荷を低減できる。第1供給電力の最小値は、誘導加熱器10の回路構成や回路定数にもよるが、例えば、700[W]である。
立ち下がり処理は、指示値を目標値P2に設定してからオン期間Tonの終了までに(図2のt120~t2)、指示値を段階的に変化させて指示値を目標値P2から減少させることを含む。これに対して、指示値を段階的に変化させないとは、指示値が目標値P2とは別の値をとらない(目標値P2のままである)ことである。つまり、指示値を段階的に変化させて指示値を目標値P2から減少させるとは、指示値が少なくとも一回、目標値P2と異なる値に設定される。本実施の形態では、立ち下がり処理は、指示値を段階的に減少させる。より詳細には、立ち下がり処理は、指示値を目標値P2より小さい値に規定時間の間維持する1以上(本実施の形態では、2つ)の減少処理を含む。ここで、1以上の減少処理は、指示値を目標値P2より小さい第1値P41に設定する第1減少処理(図2のt120~t121)と、第1減少処理の後に実行され、指示値を第1値P41より小さい第2値P42に設定する第2減少処理(図2のt121~t2)とを含む。第1減少処理と第2減少処理との期間は等しい。立ち下がり処理において、1回当たりの指示値の減少量は、目標値P2の1/2以下であるように設定される。したがって、P2-P41≦P2/2であり、P41-P42≦P2/2である。一例として、P41は、1300[W]、P42は、1000[W]である。また、立ち下がり処理では、指示値の最小値は、第1インバータ回路51からコイル31に供給可能な供給電力の最小値(例えば、上述の700[W])以上である。これにより、第1インバータ回路51にかかる負荷を低減できる。
オン期間Tonにおいて、立ち上がり処理の期間(図2のt1~t110)の長さ、及び、立ち下がり処理の期間(図2のt120~t2)の長さは、オン期間Tonにコイル31に供給する電力量の設定値に応じて設定される。本実施の形態では、オン期間Tonの電力波形の積算値(供給電力の積算値)がオン期間Tonにコイル31に供給する電力量の設定値になるように、立ち上がり処理の期間の長さ、及び、立ち下がり処理の期間の長さの少なくとも一方が調整される。これによって、立ち上がり処理及び立ち下がり処理による電力量の低下を抑制できる。その結果、オン期間Tonに要求される電力量の要件を満たすことができる。
制御回路60は、第2インバータ回路52を制御して、コイル32,33に供給電力(第2供給電力)を供給する。制御回路60は、第2インバータ回路52を用いたデューティ制御によって、コイル32,33に供給される第2供給電力を調整する。制御回路60は、第2供給電力を供給するオン期間と第2供給電力を供給しないオフ期間とを含む周期を繰り返すように第2インバータ回路52を制御することによって第2供給電力の実効値を調整する。第2供給電力の実効値は、デューティ比に依存する。デューティ比は、オン期間/周期で与えられる。第2供給電力の実効値は、周期における第2供給電力の平均値に対応する。
制御回路60は、第2共振回路のコイル32,33に第2供給電力を供給するために、第2インバータ回路52のスイッチング素子520を、第2共振回路の共振周波数以上の駆動周波数(オンオフの周期)で駆動する。制御回路60は、第2供給電力の値を、第2供給電力の指示値によって設定する。制御回路60は、第2供給電力の指示値に応じて、第2インバータ回路52のスイッチング素子520のデューティ比を設定することで、第2供給電力の値を調整する。制御回路60は、スイッチング素子520のゲート-エミッタ間電圧を制御することによって、スイッチング素子520をオンオフする。
制御回路60は、オン期間では、制御回路60は、第2供給電力の指示値を目標値に設定する。コイル32,33は、コイル31よりも低い電力を供給し、第2供給電力の目標値は、第1供給電力の目標値P2よりも小さい。例えば、第2供給電力の目標値は、800[W]である。
制御回路60は、第2インバータ回路52については、立ち上がり処理及び立ち下り処理のいずれも実行しない。本実施の形態では、コイル32,33での単位時間当たりの電力の変化量が、コイル31に比べて小さく、フリッカの一因である電圧変動自体が小さいためである。
(1-3)誘導加熱器の動作の確認
本実施の形態の誘導加熱器10において、制御回路60が立ち上がり処理及び立下り処理を実行した場合の誘導加熱器10の動作を確認するために、第1インバータ回路51のスイッチング素子510のコレクターエミッタ間電圧、及び、コイル31の供給電力の時間変化を計測した。制御回路60による立ち上がり処理及び立ち下がり処理の指示値の変化のパターンは、図2に示すとおりである。ただし、立ち上がり処理の期間(図2のt1~t110)は0.1[s]である。立ち下がり処理の第1減少処理の期間(図2のt120~t121)及び第2減少処理の期間(図2のt121~t2)はいずれも0.3[s]である。
図3及び図4は、第1インバータ回路51のスイッチング素子510のコレクターエミッタ間電圧を計測した結果を示す。また、比較例として、制御回路60が立ち上がり処理及び立下り処理を実行しない場合の、第1インバータ回路51のスイッチング素子510のコレクターエミッタ間電圧、及び、コイル31の供給電力の時間変化を計測した。この場合の指示値の変化のパターンは、図5に示すとおりである。図5では、制御回路60は、オン期間Tonにおいて、指示値を初期値P1から目標値P2まで増加させ、所定期間の間(t110~t2)、指示値を目標値P2に設定した後に、オフ期間Toffに移行する。図6及び図7は、この比較例における、第1インバータ回路51のスイッチング素子510のコレクターエミッタ間電圧の時間変化の説明図である。
図3は、立ち上がり処理の期間(t1~t110)を含む所定期間のスイッチング素子510のコレクターエミッタ間電圧を示す。図3から明らかなように、立ち上がり処理の期間(t1~t110)において、コレクターエミッタ間電圧の包絡線E1は、第1増加処理の期間t1~t01と第2増加処理の期間t101~t110とで傾きが変化している。このように、立ち上がり処理の期間(t1~t110)において、コレクターエミッタ間電圧の包絡線によって、制御回路60による第1供給電力の指示値の変化が確認できる。一方で、図6から明らかなように、立ち上がり処理を実行していない場合には、オン期間Tonの指示値の増加時(t1~t110)において、コレクターエミッタ間電圧の包絡線E2は、傾きが変化せず、一定である。
図4は、立ち下がり処理の期間(t120~t2)を含む所定期間のスイッチング素子510のコレクターエミッタ間電圧を示す。図4から明らかなように、立ち下がり処理の期間(t120~t2)において、コレクターエミッタ間電圧は、段階的に変化していることが確認できる。つまり、第1減少処理の期間t120~t121と第2減少処理の期間t121~t2とでコレクターエミッタ間電圧が変化している。このように、立ち下がり処理の期間(t120~t2)において、制御回路60による第1供給電力の指示値の変化が確認できる。一方で、図7から明らかなように、立ち下がり処理を実行していない場合には、オン期間Tonの終了時(t2)まで、第1供給電力の指示値の変化が確認できない。
図8は、コイル31の供給電力(第1供給電力)を計測した結果を示す。図8において、G1は、コイル31の第1供給電力の計測値のグラフである。G2は、G1の近似線のグラフである。近似グラフG2から、立ち上がり処理の期間(t1~t110)において、第1供給電力が、第1増加処理の期間t1~t01と第2増加処理の期間t101~t110とで傾きが変化していることが確認できる。つまり、制御回路60による第1供給電力の指示値の変化が確認できる。また、立ち下がり処理の期間(t120~t2)において、第1供給電力が、第1減少処理の期間t120~t121と第2減少処理の期間t121~t2とで段階的に変化していることが確認できる。このように、立ち下がり処理の期間(t120~t2)において、制御回路60による第1供給電力の指示値の変化が確認できる。
(1-4)フリッカの評価の結果
フリッカの低減の効果を確かめるために、下記表1に示す、図2に示すオン期間Tonの立ち上がり処理及び立ち下がり処理の指示値のパターンA~Dについて、フリッカの程度を表す指標であるPst(短期フリッカ指数、短時間フリッカ値)を評価した。第1インバータ回路のデューティ制御の周期T[s]が短くなるほど、コイル31での単位時間当たりの電力の変化量が大きくなるから、フリッカの一因となる電圧変動が大きくなる傾向にあり、その結果、Pstが1超過となりやすい。フリッカの評価では、どの程度まで周期を低下させることができるかを、Pstにより評価した。表1において、「立ち上がり時間」は、立ち上がり処理の期間(図2のt1~t110)[s]である。「第1減少値」は、立ち下がり処理の第1減少処理の指示値P41[W]、「第1立ち下り時間」は、立ち下がり処理の第1減少処理の期間(図2のt120~t121)[s]である。「第2減少値」は、立ち下がり処理の第2減少処理の指示値P42[W]、「第2立ち下り時間」は、立ち下がり処理の第2減少処理の期間(図2のt121~t2)[s]である。なお、P1は700[W]、P2は1600[W]としている。国際電気標準会議のIEC 61000-3-3「定格16A/相以下で条件付き接続の対象とならない機器の、公共低圧電源系統の電圧変動、電圧動揺、及びフリッカの制限」では、Pstは1以下とされている。表1の「Pst」欄において、OKはPstが1以下であることを意味し、NGはPstが1超過であることを示している。
Figure 2022071724000002
オン期間Tonにおいて立ち上がり処理及び立ち下がり処理のいずれも実行しない場合に、どの程度まで周期を低下させることができるかをPstにより評価したところ、周期が12[s]以下になるとPstが1を超えることが確認された。これに対して、表1に示すように、パターンA~Dでは、いずれも周期を4[s]まで低下させても、Pstを1以下にすることが確認できた。パターンBでは、更に、周期を2[s]まで低下させても、Pstを1以下にすることが確認できた。したがって、立ち上がり処理及び立ち下がり処理を実行することで、Pstが改善されることが確認できた。
また、立ち上がり処理の立ち上り時間のフリッカの低減効果への影響を確かめるために、制御回路60がオン期間Tonに立ち上がり処理のみを実行する例についても、Pstを評価した。表2は、Pstの評価の結果を示す。
Figure 2022071724000003
表2の結果から、立ち上がり処理において、立ち上がり時間を長くすれば、Pstが改善されることが確認できた。
(2)変形例
本開示の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。上記実施の形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施の形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
一変形例では、制御回路60は、図9に示すように指示値が変化するように立ち上がり処理及び立ち下り処理をそれぞれ実行してもよい。
図9の例では、立ち上がり処理(図9のt1~t110)は、指示値を一定の傾きで増加させる。図9の例では、指示値が初期値P1から目標値P2まで一定の傾きで増加している。指示値の傾きが小さいほど、立ち上がり時間が長くなる。立ち上がり処理は、オン期間Tonの開始から所定の立ち上がり時間をかけて指示値を目標値P2に設定する。立ち上がり処理において、立ち上がり時間を長くすれば、Pstが改善されることは、上記の表2の結果から確認されている。ここで、オン期間Tonの開始時に指示値を目標値P2に設定すると、インバータ回路51に過剰な負荷がかかる。インバータ回路51に負荷がかからないように設定される最短時間よりも、立ち上がり時間は長く設定される。図5の比較例では、指示値を初期値P1から目標値P2まで増加させる時間が上記の最短時間となるように、指示値の傾きが設定されている。図9の例では、立ち上がり処理での指示値の傾きは、図5の比較例の指示値を初期値P1から目標値P2まで増加させる際の傾きよりも小さく設定されている。最短時間は、例えば、0.04[s]であり、図9の例では、立ち上がり時間は、例えば、0.2[s]である。立ち上がり時間は、最短時間より長く、最短時間の5倍以下であってよい。
また、立ち上がり時間は、温度上昇によりインバータ回路51が破損しないように設定される。インバータ回路51からの供給電力が比較的低い状態でインバータ回路51が長時間駆動されると、温度上昇によりインバータ回路51が破損する可能性がある。そのため、立ち上がり時間は、このような温度上昇によるインバータ回路51の破損が生じないように、設定される。立ち上がり時間は、周期Tにおいてインバータ回路51からコイル31への供給電力の実効値に基づいて設定される。供給電力の実効値は、周期Tでの電力の積算値である。図9の場合、例えば、供給電力の実効値をPs、t1=0とすると、Ps={P2×t2-(P2-P1)×t110/2-(P2-P41)×(t2-t120)-(P41-P42)×(t2-t121)-(P42-P43)×(t2-t122)}/Tである。t110が立ち上がり時間に対応する。t110により、実効値Psの調整が可能である。t110は、実効値Psが一周期Tにコイル31に与えたい供給電力の値となるように設定される。オン期間Tonにインバータ回路51からの供給電力が目標値P2になる期間を確保するために、立ち上がり時間は、オン期間Tonの長さの半分未満に設定される。
図9の例では、立ち下がり処理は、指示値を目標値P2より小さい値に規定時間の間維持する3つの減少処理を含む。3つの減少処理は、第1減少処理(図9のt120~t121)と、第2減少処理(図9のt121~t122)と、第3減少処理(図9のt122~t2)とを含む。第1減少処理は、指示値を目標値P2より小さい第1値P41に設定する。第2減少処理は、第1減少処理の後に実行され、指示値を第1値P41より小さい第2値P42に設定する。第3減少処理は、第2減少処理の後に実行され、指示値を第2値P42より小さい第3値P43に設定する。第1~第3減少処理の期間は等しい。立ち下がり処理において、1回当たりの指示値の減少量は、目標値P2の1/2以下であるように設定される。したがって、P2-P41≦P2/2であり、P41-P42≦P2/2であり、P42-P43≦P2/2である。一例として、P41は、1350[W]、P42は、1100[W]、P43は、850[W]である。ここで、指示値の減少値は均一であることが好ましい。また、立ち下がり処理では、指示値の最小値は、第1インバータ回路51からコイル31に供給可能な供給電力の最小値(例えば、上述の700[W])以上である。
立ち下がり処理は、3以上の減少処理を含んでいてもよい。立ち下がり処理では、後の減少処理の指示値は必ずしも、前の減少処理の指示値よりも小さくなくてよい。図9の例では、複数の減少処理の期間は等しいが、複数の増加処理の期間は特に限定されない。立ち下がり処理全体として、指示値が減少すればよい。
一変形例では、立ち上がり処理は、指示値を異なる傾きで増加させる3つの増加処理を含んでもよい。3つの増加処理は、第1増加処理と、第2増加処理と、第3増加処理とを含む。第1増加処理は、指示値を第1の傾きで増加させる。第2増加処理は、第1増加処理の後に実行され、指示値を第1の傾きより小さい第2の傾きで増加させる。第3増加処理は、第2増加処理の後に実行され、指示値を第2の傾きより小さい第3の傾きで増加させる。例えば、第1増加処理は、指示値を初期値P1から1100[W]まで増加させる。第2増加処理は、指示値を1100[W]から1400[W]まで増加させる。第3増加処理は、指示値を1400[W]から1600[W]まで増加させる。第1~第3増加処理では、後の増加処理ほど期間が長くなっている。初期値P1は、立ち上がり処理における指示値の最小値であり、例えば、700[W]である。立ち上がり処理は、3以上の増加処理を含んでいてもよい。立ち上がり処理では、後の増加処理の傾きは必ずしも、前の増加処理の傾きよりも小さくなくてよい。立ち上がり処理では、後の増加処理ほど期間が長くてもよいが、複数の増加処理の期間は特に限定されない。立ち上がり処理全体として、指示値が増加すればよい。
一変形例では、制御回路60は、図10に示すように指示値が変化するように立ち上がり処理及び立ち下り処理をそれぞれ実行してもよい。
図10の例では、立ち上がり処理(図10のt1~t110)は、指示値を直線的ではなく曲線的に変化(図10では増加)させる。これに対して、指示値を曲線的に変化させないとは、指示値の傾き(微分値)が一定である区間を含む。つまり、指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値P2まで増加させるとは、指示値の目標値P2までの変化が、曲線で表される。つまり、立ち上がり処理は、オン期間Tonの開始から供給電力の指示値をオン期間Tonの供給電力の目標値P2に設定するまでに、指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値P2まで増加させる。図10の例では、指示値が初期値P1から目標値P2まで対数関数的に増加している。一例として、P2は、1600[W]である。初期値P1は、立ち上がり処理における指示値の最小値であり、例えば、700[W]である。
図10の例では、立ち下がり処理は、指示値を目標値P2より小さい値に規定時間の間維持する1つの減少処理(図10のt120~t2)を含む。減少処理は、指示値を目標値P2より小さい値P41に設定する。立ち下がり処理において、1回当たりの指示値の減少量は、目標値P2の1/2以下であるように設定される。したがって、P2-P41≦P2/2である。一例として、P41は、900[W]である。また、立ち下がり処理では、指示値の最小値は、第1インバータ回路51からコイル31に供給可能な供給電力の最小値(例えば、上述の700[W])以上である。
一変形例では、立ち上がり処理は、指示値の傾きではなく指示値を段階的に変化させて指示値を目標値P2まで増加させてよい。つまり、立ち上がり処理においても、供給電力の指示値を間欠的(離散的)に変化させてよい。立ち上がり処理は、指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値P2まで増加させてよい。この場合、指示値の変化は単調増加であることが好ましい。要するに、立ち上がり処理は、オン期間Tonの開始から供給電力の指示値をオン期間Tonの供給電力の目標値P2に設定するまでに、指示値又は指示値の傾きを段階的に変化又は指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値P2まで増加させることを含んでいればよい。
一変形例では、立ち下がり処理は、指示値ではなく指示値の傾きを段階的に変化させて指示値を目標値P2から減少させてよい。つまり、立ち下がり処理においても、供給電力の指示値を異なる傾きで継続的に変化させてよい。立ち下がり処理は、指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値P2から減少させてよい。この場合、指示値の変化は単調減少であることが好ましい。要するに、立ち下がり処理は、指示値を目標値P2に設定してからオン期間Tonの終了までに、指示値又は指示値の傾きを段階的に変化又は指示値を曲線的に変化させて指示値を目標値P2から減少させることを含んでいればよい。
一変形例では、制御回路60は、立ち上がり処理と立ち下がり処理との両方ではなく、少なくとも一方を実行してもよい。
一変形例では、制御回路60は、第2インバータ回路52についても、立ち上がり処理と立ち下がり処理との少なくとも一方を実行してもよい。要するに、誘導加熱器10は、加熱対象物(例えば、炊飯器1の釜100)を加熱するための複数のコイルと、複数のコイルに供給電力を供給する複数のインバータ回路とを備えてもよい。制御回路60は、複数のインバータ回路の少なくとも一つに関して、立ち上がり処理と、立ち下がり処理との少なくとも一方を実行してよい。また、誘導加熱器10は、単一のコイルと、単一のインバータ回路とを備えてもよい。つまり、コイル32,33、共振コンデンサ42、及び第2インバータ回路52は必須ではなく、省略可能である。
(3)態様
上記実施の形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、上記実施の形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
第1の態様は、誘導加熱器(10)であって、誘導加熱用のコイル(31)と、インバータ回路(51)と、制御回路(60)とを備える。前記インバータ回路(51)は、電源回路(20)からの電力に基づいて前記コイル(31)に供給電力を供給する。前記制御回路(60)は、前記供給電力を供給するオン期間(Ton)と前記供給電力を供給しないオフ期間(Toff)とを含む周期(T)を繰り返すように前記インバータ回路(51)を制御することによって前記供給電力の実効値を調整する。前記制御回路(60)は、立ち下がり処理との少なくとも一方を実行する。前記立ち上がり処理は、前記オン期間(Toff)の開始から前記供給電力の指示値を前記オン期間(Ton)の前記供給電力の目標値(P2)に設定するまでに、前記指示値又は前記指示値の傾きを段階的に変化又は前記指示値を曲線的に変化させて前記指示値を前記目標値(P2)まで増加させることを含む。前記立ち下がり処理は、前記指示値を前記目標値(P2)に設定してから前記オン期間(Ton)の終了までに、前記指示値又は前記指示値の傾きを段階的に変化又は前記指示値を曲線的に変化させて前記指示値を前記目標値(P2)から減少させることを含む。この態様によれば、フリッカを低減できる。
第2の態様は、第1の態様に基づく誘導加熱器(10)である。第2の態様では、前記立ち下がり処理は、前記指示値を段階的に減少させる。この態様によれば、供給電力の立ち下がり時の単位時間当たりの電力の変化量を低減できて、フリッカを低減できる。
第3の態様は、第2の態様に基づく誘導加熱器(10)である。第3の態様では、前記立ち下がり処理は、前記指示値を前記目標値(P2)より小さい値(P41,P42,P43)に規定時間の間維持する1以上の減少処理を含む。この態様によれば、供給電力の立ち下がり時の単位時間当たりの電力の変化量を低減できて、フリッカを低減できる。
第4の態様は、第3の態様に基づく誘導加熱器(10)である。第4の態様では、前記1以上の減少処理は、前記指示値を前記目標値(P2)より小さい第1値(P41)に設定する第1減少処理と、前記第1減少処理の後に実行され、前記指示値を前記第1値(P41)より小さい第2値(P42)に設定する第2減少処理とを含む。この態様によれば、供給電力の立ち下がり時の単位時間当たりの電力の変化量を低減できて、フリッカを低減できる。
第5の態様は、第2~第4の態様のいずれか一つに基づく誘導加熱器(10)である。第5の態様では、前記立ち下がり処理において、1回当たりの前記指示値の減少量は、前記目標値(P2)の1/2以下である。この態様によれば、供給電力の立ち下がり時の単位時間当たりの電力の変化量を低減できて、フリッカを低減できる。
第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか一つに基づく誘導加熱器(10)である。第6の態様では、前記立ち下がり処理では、前記指示値の最小値は、前記インバータ回路(51)から前記コイル(31)に供給可能な前記供給電力の最小値以上である。この態様によれば、インバータ回路(51)にかかる負荷を低減できる。
第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか一つに基づく誘導加熱器(10)である。第7の態様では、前記制御回路(60)は、立ち上がり処理を実行する。前記立ち上がり処理は、前記オン期間(Ton)の開始から所定の立ち上がり時間をかけて前記指示値を前記目標値(P2)に設定する。前記所定の立ち上がり時間は、前記インバータ回路(51)に負荷がかからないように設定される最短時間より長い。この態様によれば、インバータ回路(51)にかかる負荷を低減できる。
第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか一つに基づく誘導加熱器(10)である。第8の態様では、前記制御回路(60)は、立ち上がり処理を実行する。前記立ち上がり処理は、前記オン期間(Ton)の開始から前記指示値を前記目標値(P2)に設定するまでに、前記指示値又は前記指示値の傾きを段階的に変化又は前記指示値を曲線的に変化させて前記指示値を前記目標値(P2)まで増加させることを含む。この態様によれば、フリッカを更に低減できる。
第9の態様は、第8の態様に基づく誘導加熱器(10)である。第9の態様では、前記立ち上がり処理は、前記指示値の傾きを段階的に減少させる。この態様によれば、供給電力の立ち上がり時の単位時間当たりの電力の変化量を低減できて、フリッカを低減できる。
第10の態様は、第9の態様に基づく誘導加熱器(10)である。第10の態様では、前記立ち上がり処理は、前記指示値を異なる傾きで増加させる複数の増加処理を含む。前記複数の増加処理は、前記指示値を第1の傾きで増加させる第1増加処理と、前記第1増加処理の後に実行され、前記指示値を前記第1の傾きより小さい第2の傾きで増加させる第2増加処理とを含む。この態様によれば、供給電力の立ち上がり時の単位時間当たりの電力の変化量を低減できて、フリッカを低減できる。
第11の態様は、第8~第10の態様のいずれか一つに基づく誘導加熱器(10)である。第11の態様では、前記立ち上がり処理において、前記指示値の最小値は、前記インバータ回路(51)から前記コイル(31)に供給可能な前記供給電力の最小値以上である。この態様によれば、インバータ回路(51)にかかる負荷を低減できる。
第12の態様は、第1~第11の態様のいずれか一つに基づく誘導加熱器(10)である。第12の態様では、前記目標値(P2)は、前記インバータ回路(51)から前記コイル(31)に供給可能な前記供給電力の最大値である。この態様によれば、供給電力の実効値を大きくできる。
第13の態様は、第1~第12の態様のいずれか一つに基づく誘導加熱器(10)である。第13の態様では、前記立ち下がり処理の期間の長さは、前記オン期間(Ton)に前記コイル(31)に供給する電力量の設定値に応じて決定される。この態様によれば、立ち上がり処理及び立ち下がり処理による電力量の低下を抑制できる。
第14の態様は、第1~第13の態様のいずれか一つに基づく誘導加熱器(10)である。第14の態様では、前記インバータ回路(51,52)は、前記コイル(31,32,33)に接続されるスイッチング素子(510,520)を含む。前記制御回路(60)は、前記スイッチング素子(510,520)の両端間にかかる電圧の波形の包絡線で定まる電圧が前記指示値に対応する値になるように、前記スイッチング素子(510,520)のデューティ比を設定する。この態様によれば、フリッカを低減できる。
第15の態様は、第1~第14の態様のいずれか一つに基づく誘導加熱器(10)である。第15の態様では、前記誘導加熱器(10)は、複数の前記コイル(31,32,33)と、前記複数のコイル(31,32,33)に前記供給電力を供給する複数の前記インバータ回路(51,52)とを備える。前記制御回路(60)は、前記複数のインバータ回路(51,52)の少なくとも一つに対して前記立ち下がり処理を実行する。この態様によれば、フリッカを低減できる。
第16の態様は、炊飯器(1)であって、第1~第15の態様のいずれか一つに記載の誘導加熱器(10)と、前記誘導加熱器(10)で加熱される釜(100)とを備える。この態様によれば、フリッカを低減できる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、誘導加熱器及び炊飯器、特に誘導加熱用のコイルへの供給電力のデューティ制御を行う誘導加熱器及び当該誘導加熱器を備える炊飯器に適用可能である。
1 炊飯器
10 誘導加熱器
20 電源回路
31,32,33 コイル
51,52 インバータ回路
511 スイッチング素子
60 制御回路
100 釜
Ton オン期間
Toff オフ期間
T 周期
P1 初期値
P2 目標値
P41 第1値(目標値より小さい値)
P42 第2値(目標値より小さい値)
P43 第3値(目標値より小さい値)

Claims (16)

  1. 誘導加熱用のコイルと、
    電源回路からの電力に基づいて前記コイルに供給電力を供給するインバータ回路と、
    前記供給電力を供給するオン期間と前記供給電力を供給しないオフ期間とを含む周期を繰り返すように前記インバータ回路を制御することによって前記供給電力の実効値を調整する制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、立ち下がり処理を実行し、
    前記立ち下がり処理は、前記供給電力の指示値を前記オン期間の前記供給電力の目標値に設定してから前記オン期間の終了までに、前記指示値又は前記指示値の傾きを段階的に変化又は前記指示値を曲線的に変化させて前記指示値を前記目標値から減少させることを含む、
    誘導加熱器。
  2. 前記立ち下がり処理は、前記指示値を段階的に減少させる、
    請求項1に記載の誘導加熱器。
  3. 前記立ち下がり処理は、前記指示値を前記目標値より小さい値に規定時間の間維持する1以上の減少処理を含む、
    請求項2に記載の誘導加熱器。
  4. 前記1以上の減少処理は、
    前記指示値を前記目標値より小さい第1値に設定する第1減少処理と、
    前記第1減少処理の後に実行され、前記指示値を前記第1値より小さい第2値に設定する第2減少処理と、
    を含む、
    請求項3に記載の誘導加熱器。
  5. 前記立ち下がり処理において、1回当たりの前記指示値の減少量は、前記目標値の1/2以下である、
    請求項2~4のいずれか一つに記載の誘導加熱器。
  6. 前記立ち下がり処理では、前記指示値の最小値は、前記インバータ回路から前記コイルに供給可能な前記供給電力の最小値以上である、
    請求項1~5のいずれか一つに記載の誘導加熱器。
  7. 前記制御回路は、立ち上がり処理を実行し、
    前記立ち上がり処理は、前記オン期間の開始から所定の立ち上がり時間をかけて前記指示値を前記目標値に設定し、
    前記所定の立ち上がり時間は、前記インバータ回路に負荷がかからないように設定される最短時間より長い、
    請求項1~6のいずれか一つに記載の誘導加熱器。
  8. 前記制御回路は、立ち上がり処理を実行し、
    前記立ち上がり処理は、前記オン期間の開始から前記指示値を前記目標値に設定するまでに、前記指示値又は前記指示値の傾きを段階的に変化又は前記指示値を曲線的に変化させて前記指示値を前記目標値まで増加させることを含み、
    請求項1~7のいずれか一つに記載の誘導加熱器。
  9. 前記立ち上がり処理は、前記指示値の傾きを段階的に減少させる、
    請求項8に記載の誘導加熱器。
  10. 前記立ち上がり処理は、前記指示値を異なる傾きで増加させる複数の増加処理を含み、
    前記複数の増加処理は、
    前記指示値を第1の傾きで増加させる第1増加処理と、
    前記第1増加処理の後に実行され、前記指示値を前記第1の傾きより小さい第2の傾きで増加させる第2増加処理と、
    を含む、
    請求項9に記載の誘導加熱器。
  11. 前記立ち上がり処理において、前記指示値の最小値は、前記インバータ回路から前記コイルに供給可能な前記供給電力の最小値以上である、
    請求項8~10のいずれか一つに記載の誘導加熱器。
  12. 前記目標値は、前記インバータ回路から前記コイルに供給可能な前記供給電力の最大値である、
    請求項1~11のいずれか一つに記載の誘導加熱器。
  13. 前記立ち下がり処理の期間の長さは、前記オン期間に前記コイルに供給する電力量の設定値に応じて決定される、
    請求項1~12のいずれか一つに記載の誘導加熱器。
  14. 前記インバータ回路は、前記コイルに接続されるスイッチング素子を含み、
    前記制御回路は、前記スイッチング素子の両端間にかかる電圧の波形の包絡線で定まる電圧が前記指示値に対応する値になるように、前記スイッチング素子のデューティ比を設定する、
    請求項1~13のいずれか一つに記載の誘導加熱器。
  15. 複数の前記コイルと、
    前記複数のコイルに前記供給電力を供給する複数の前記インバータ回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、前記複数のインバータ回路の少なくとも一つに対して前記立ち下がり処理を実行する、
    請求項1~14のいずれか一つに記載の誘導加熱器。
  16. 請求項1~15のいずれか一つに記載の誘導加熱器と、
    前記誘導加熱器で加熱される釜と、
    を備える、
    炊飯器。
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