JP2004200051A - マグネトロン駆動電源装置 - Google Patents
マグネトロン駆動電源装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004200051A JP2004200051A JP2002368238A JP2002368238A JP2004200051A JP 2004200051 A JP2004200051 A JP 2004200051A JP 2002368238 A JP2002368238 A JP 2002368238A JP 2002368238 A JP2002368238 A JP 2002368238A JP 2004200051 A JP2004200051 A JP 2004200051A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetron
- stop signal
- generating means
- power supply
- high voltage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)
- Microwave Tubes (AREA)
Abstract
【課題】異常検出回路を設けることなく簡単な回路構成でマグネトロンを安定に動作させることができるマグネトロン駆動電源装置を提供する。
【解決手段】マグネトロン駆動電源装置は、マグネトロンを駆動する高圧を発生する高圧発生手段12と、前記高圧発生手段12の動作を所定周期毎に前記マグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ停止させる停止信号を発生する停止信号発生手段13とを具備し、前記高圧発生手段12は、前記停止信号発生手段13からの停止信号に応じて高圧の発生を停止する。
【選択図】 図1
【解決手段】マグネトロン駆動電源装置は、マグネトロンを駆動する高圧を発生する高圧発生手段12と、前記高圧発生手段12の動作を所定周期毎に前記マグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ停止させる停止信号を発生する停止信号発生手段13とを具備し、前記高圧発生手段12は、前記停止信号発生手段13からの停止信号に応じて高圧の発生を停止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジ等のマグネトロンを備えた機器に用いて好適なマグネトロン駆動電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子レンジ等のマグネトロンを備えた機器に搭載されているマグネトロン駆動電源装置には、全波整流して得られた脈流を出力するものや全波整流出力を平滑化して得られた直流を出力するものがある。図5は、全波整流して得られた脈流を出力するマグネトロン駆動電源装置を使用したときのマグネトロンの動作波形図である。また、図6は、直流を出力するマグネトロン駆動電源装置を使用したときのマグネトロンの動作波形図である。なお、これらの図において、ebはアノード電圧を示しており、ibはアノード電流を示している。
【0003】
全波整流して得られた脈流を出力するマグネトロン駆動電源装置では、図5に示すように、アノード電流ibのゼロとなる期間Tbでマグネトロンの発振動作が停止することから、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じてもリセットがかかり、リセット後には正常な発振が再開される。これに対して、直流を出力するマグネトロン駆動電源装置では、図6に示すように、マグネトロンの発振動作時にアノード電流ibがゼロになることがないので、マグネトロンの突発的な異常動作が生じた場合そのままでは正常動作に戻ることはない。このため、直流を出力するマグネトロン駆動電源装置には、例えばアノード電圧ebを検出してマグネトロンの異常動作を検出する異常検出回路を設け、異常動作が検出されたときマグネトロンの発振動作を停止させるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−257069号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、直流出力のマグネトロン駆動電源装置においては、異常検出回路を必要とする分、回路構成が複雑になり高価格になるという問題がある。因みに、直流出力のマグネトロン駆動電源装置は、プラズマ放電管や無電極放電管などの安定動作が求められる負荷には無くてはならないものであり、これらの負荷にも使用できる直流出力のマグネトロン駆動電源装置が望まれている。
【0006】
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、異常検出回路を設けることなく簡単な回路構成でマグネトロンを安定に動作させることができるマグネトロン駆動電源装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のマグネトロン駆動電源装置は、マグネトロンを駆動する高圧を発生する高圧発生手段と、前記高圧発生手段の動作を所定周期毎に前記マグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ停止させる停止信号を発生する停止信号発生手段とを具備し、前記高圧発生手段は、前記停止信号発生手段からの停止信号に応じて高圧の発生を停止することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、所定周期毎にマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ高圧の発生を停止するので、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じても、発振動作の停止により自動的にリセットがかかり、その後マグネトロンを正常に発振させることが可能となり、異常検出回路を設けることなく簡単な回路構成でマグネトロンを安定に動作させることができる。
【0009】
請求項2に係る発明のマグネトロン駆動電源装置は、請求項1に係る発明のマグネトロン駆動電源装置において、前記高圧発生手段が直流の高圧を発生することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、請求項1に係る発明のマグネトロン駆動電源装置による効果と同様の効果が得られる。特に、高圧発生手段が直流の高圧を発生するので、その効果は著しい。従って、プラズマ放電管や無電極放電管などの安定動作が求められる負荷に用いて好適である。
【0011】
請求項3に係る発明のマグネトロン駆動電源装置は、請求項1又は請求項2のいずれかに係る発明のマグネトロン駆動電源装置において、前記高圧発生手段を複数個並列に設けるとともに、前記複数個の高圧電源手段に対して前記停止信号発生手段を共通に設けることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、複数個の高圧発生手段に対して停止信号発生手段を共通に設けるため、停止信号発生手段を複数個設ける場合と比べ回路構成が簡単になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
まず、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。この図において、本実施の形態のマグネトロン駆動電源装置は、三相200Vの商用電源を全波整流するブリッジダイオード1と、チョークコイル2及び電解コンデンサ3からなりブリッジダイオード1の出力を平滑する平滑回路4と、高周波電流供給コンデンサ5、昇圧トランス6、共振コンデンサ7、ダイオード8、NPN型トランジスタ9、制御回路10及び高圧整流回路11からなり図示しないマグネトロンを駆動する直流の高圧(−4000V)を発生する高圧スイッチング電源部12と、高圧スイッチング電源部12の制御回路10に停止信号を入力して高圧スイッチング電源部12の動作を停止させる停止信号発生器13とを備えている。なお、高周波電流供給コンデンサ5、昇圧トランス6、共振コンデンサ7、ダイオード8及びNPN型トランジスタ9は、電圧共振回路を構成している。
【0015】
ブリッジダイオード1からは、図中の波形図に示すように約280Vの脈流電圧が出力される。また、平滑回路4からは、図中の波形図に示すように約260Vの直流電圧が出力される。制御回路10は、トランジスタ9をスイッチング動作させる矩形波状の駆動信号(30kHz〜40kHz程度)を発生し、トランジスタ9のベースに供給する。トランジスタ9がスイッチング動作することで、昇圧トランス6の二次側に高圧が発生する。制御回路10は、駆動信号を出力している最中に停止信号発生器13より停止信号が入力されると、トランジスタ9への駆動信号の出力を停止して高圧出力を停止する。
【0016】
停止信号発生器13は、所定周期毎にマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ高圧出力が約0Vになるような周期とパルス幅を有する停止信号を発生する。この場合、停止信号の周期とパルス幅は、プラズマ放電管や無電極放電管などの安定動作が求められる負荷に対して使用可能なように、それらの負荷の動作に影響を与えない値とすることが望ましい。高圧整流回路11は、昇圧トランス6の二次側より得られる高圧出力を整流して出力する。この高圧整流回路11からの高圧出力が図示しないマグネトロンに印加される。
【0017】
ここで、図2は、停止信号発生器13から出力される停止信号を示す波形図である。また、図3は、高圧整流回路11から出力される高圧出力を示す波形図である。これらの図より、停止信号のタイミングで高圧出力が−4000Vから0Vになっていることが分かる。
【0018】
このような構成において、平滑回路4から出力される約260Vの直流電圧が高圧スイッチング電源部12に印加されると、高圧スイッチング電源部12から昇圧された直流の高圧(−4000V)が出力されてマグネトロンに印加される。このとき、マグネトロンのアノード電流は300mAとなるように定電流制御される。一方、停止信号発生器13からは停止信号が出力されて、高圧出力がマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ停止する。これが所定周期毎に行われるが、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じると、その直後の停止信号のタイミングで発振動作の停止によりマグネトロンにリセットがかかり、リセット後には正常な発振が再開される。
【0019】
このように、本実施の形態のマグネトロン駆動電源装置によれば、所定周期毎にマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ高圧出力を停止させるので、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じても、その直後の停止信号のタイミングでマグネトロンに自動的にリセットがかかり、リセット後には正常な発振を再開させることができる。従って、異常検出回路を設けることなく簡単な回路構成でマグネトロンを安定に動作させることができる。
【0020】
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。この図において、本実施の形態のマグネトロン駆動電源装置は、実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置の高圧スイッチング電源部12を複数個並列に備えているとともに、複数個の高圧スイッチング電源部12に対して共通に停止信号を供給する1個の停止信号発生器13を備えている。
【0021】
このような構成において、平滑回路4から出力される約260Vの直流電圧が高圧スイッチング電源部12に印加されると、高圧スイッチング電源部12から昇圧された直流の高圧(−4000V)がそれぞれ出力されて図示しないマグネトロンに印加される。このとき、マグネトロンのアノード電流は900mA(高圧スイッチング電源部12が3個設けられている場合)となるように定電流制御される。一方、停止信号発生器13からは停止信号が出力されて、高圧出力がマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ停止する。これが所定周期毎に行われるが、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じると、その直後の停止信号のタイミングで発振動作の停止によりマグネトロンにリセットがかかり、リセット後には正常な発振が再開される。
【0022】
このように、本実施の形態のマグネトロン駆動電源装置によれば、実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置による効果と同様の効果が得られる。また、特に、複数個の高圧スイッチング電源部12に対して停止信号発生器13を共通に設けているため、停止信号発生器13を複数個設ける場合と比べ回路構成が簡単になる。
【0023】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなように、本発明のマグネトロン駆動電源装置によれば、所定周期毎にマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ高圧の発生を停止するので、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じても、発振動作の停止により自動的にリセットがかかり、その後マグネトロンを正常に発振させることが可能となり、異常検出回路を設けることなく簡単な回路構成でマグネトロンを安定に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置における停止信号を示す波形図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置における高圧出力を示す波形図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。
【図5】従来の全波整流して得られた脈流を出力するマグネトロン駆動電源装置を使用したときのマグネトロンの動作波形図である。
【図6】従来の直流を出力するマグネトロン駆動電源装置を使用したときのマグネトロンの動作波形図である。
【符号の説明】
1 ブリッジダイオード
2 チョークコイル
3 電解コンデンサ
4 平滑回路
5 高周波電流供給コンデンサ
6 昇圧トランス
7 共振コンデンサ
8 ダイオード
9 NPN型トランジスタ
10 制御回路
11 高圧整流回路
12 高圧スイッチング電源部
13 停止信号発生器
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジ等のマグネトロンを備えた機器に用いて好適なマグネトロン駆動電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子レンジ等のマグネトロンを備えた機器に搭載されているマグネトロン駆動電源装置には、全波整流して得られた脈流を出力するものや全波整流出力を平滑化して得られた直流を出力するものがある。図5は、全波整流して得られた脈流を出力するマグネトロン駆動電源装置を使用したときのマグネトロンの動作波形図である。また、図6は、直流を出力するマグネトロン駆動電源装置を使用したときのマグネトロンの動作波形図である。なお、これらの図において、ebはアノード電圧を示しており、ibはアノード電流を示している。
【0003】
全波整流して得られた脈流を出力するマグネトロン駆動電源装置では、図5に示すように、アノード電流ibのゼロとなる期間Tbでマグネトロンの発振動作が停止することから、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じてもリセットがかかり、リセット後には正常な発振が再開される。これに対して、直流を出力するマグネトロン駆動電源装置では、図6に示すように、マグネトロンの発振動作時にアノード電流ibがゼロになることがないので、マグネトロンの突発的な異常動作が生じた場合そのままでは正常動作に戻ることはない。このため、直流を出力するマグネトロン駆動電源装置には、例えばアノード電圧ebを検出してマグネトロンの異常動作を検出する異常検出回路を設け、異常動作が検出されたときマグネトロンの発振動作を停止させるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−257069号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、直流出力のマグネトロン駆動電源装置においては、異常検出回路を必要とする分、回路構成が複雑になり高価格になるという問題がある。因みに、直流出力のマグネトロン駆動電源装置は、プラズマ放電管や無電極放電管などの安定動作が求められる負荷には無くてはならないものであり、これらの負荷にも使用できる直流出力のマグネトロン駆動電源装置が望まれている。
【0006】
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、異常検出回路を設けることなく簡単な回路構成でマグネトロンを安定に動作させることができるマグネトロン駆動電源装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のマグネトロン駆動電源装置は、マグネトロンを駆動する高圧を発生する高圧発生手段と、前記高圧発生手段の動作を所定周期毎に前記マグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ停止させる停止信号を発生する停止信号発生手段とを具備し、前記高圧発生手段は、前記停止信号発生手段からの停止信号に応じて高圧の発生を停止することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、所定周期毎にマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ高圧の発生を停止するので、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じても、発振動作の停止により自動的にリセットがかかり、その後マグネトロンを正常に発振させることが可能となり、異常検出回路を設けることなく簡単な回路構成でマグネトロンを安定に動作させることができる。
【0009】
請求項2に係る発明のマグネトロン駆動電源装置は、請求項1に係る発明のマグネトロン駆動電源装置において、前記高圧発生手段が直流の高圧を発生することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、請求項1に係る発明のマグネトロン駆動電源装置による効果と同様の効果が得られる。特に、高圧発生手段が直流の高圧を発生するので、その効果は著しい。従って、プラズマ放電管や無電極放電管などの安定動作が求められる負荷に用いて好適である。
【0011】
請求項3に係る発明のマグネトロン駆動電源装置は、請求項1又は請求項2のいずれかに係る発明のマグネトロン駆動電源装置において、前記高圧発生手段を複数個並列に設けるとともに、前記複数個の高圧電源手段に対して前記停止信号発生手段を共通に設けることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、複数個の高圧発生手段に対して停止信号発生手段を共通に設けるため、停止信号発生手段を複数個設ける場合と比べ回路構成が簡単になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
まず、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。この図において、本実施の形態のマグネトロン駆動電源装置は、三相200Vの商用電源を全波整流するブリッジダイオード1と、チョークコイル2及び電解コンデンサ3からなりブリッジダイオード1の出力を平滑する平滑回路4と、高周波電流供給コンデンサ5、昇圧トランス6、共振コンデンサ7、ダイオード8、NPN型トランジスタ9、制御回路10及び高圧整流回路11からなり図示しないマグネトロンを駆動する直流の高圧(−4000V)を発生する高圧スイッチング電源部12と、高圧スイッチング電源部12の制御回路10に停止信号を入力して高圧スイッチング電源部12の動作を停止させる停止信号発生器13とを備えている。なお、高周波電流供給コンデンサ5、昇圧トランス6、共振コンデンサ7、ダイオード8及びNPN型トランジスタ9は、電圧共振回路を構成している。
【0015】
ブリッジダイオード1からは、図中の波形図に示すように約280Vの脈流電圧が出力される。また、平滑回路4からは、図中の波形図に示すように約260Vの直流電圧が出力される。制御回路10は、トランジスタ9をスイッチング動作させる矩形波状の駆動信号(30kHz〜40kHz程度)を発生し、トランジスタ9のベースに供給する。トランジスタ9がスイッチング動作することで、昇圧トランス6の二次側に高圧が発生する。制御回路10は、駆動信号を出力している最中に停止信号発生器13より停止信号が入力されると、トランジスタ9への駆動信号の出力を停止して高圧出力を停止する。
【0016】
停止信号発生器13は、所定周期毎にマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ高圧出力が約0Vになるような周期とパルス幅を有する停止信号を発生する。この場合、停止信号の周期とパルス幅は、プラズマ放電管や無電極放電管などの安定動作が求められる負荷に対して使用可能なように、それらの負荷の動作に影響を与えない値とすることが望ましい。高圧整流回路11は、昇圧トランス6の二次側より得られる高圧出力を整流して出力する。この高圧整流回路11からの高圧出力が図示しないマグネトロンに印加される。
【0017】
ここで、図2は、停止信号発生器13から出力される停止信号を示す波形図である。また、図3は、高圧整流回路11から出力される高圧出力を示す波形図である。これらの図より、停止信号のタイミングで高圧出力が−4000Vから0Vになっていることが分かる。
【0018】
このような構成において、平滑回路4から出力される約260Vの直流電圧が高圧スイッチング電源部12に印加されると、高圧スイッチング電源部12から昇圧された直流の高圧(−4000V)が出力されてマグネトロンに印加される。このとき、マグネトロンのアノード電流は300mAとなるように定電流制御される。一方、停止信号発生器13からは停止信号が出力されて、高圧出力がマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ停止する。これが所定周期毎に行われるが、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じると、その直後の停止信号のタイミングで発振動作の停止によりマグネトロンにリセットがかかり、リセット後には正常な発振が再開される。
【0019】
このように、本実施の形態のマグネトロン駆動電源装置によれば、所定周期毎にマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ高圧出力を停止させるので、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じても、その直後の停止信号のタイミングでマグネトロンに自動的にリセットがかかり、リセット後には正常な発振を再開させることができる。従って、異常検出回路を設けることなく簡単な回路構成でマグネトロンを安定に動作させることができる。
【0020】
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。この図において、本実施の形態のマグネトロン駆動電源装置は、実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置の高圧スイッチング電源部12を複数個並列に備えているとともに、複数個の高圧スイッチング電源部12に対して共通に停止信号を供給する1個の停止信号発生器13を備えている。
【0021】
このような構成において、平滑回路4から出力される約260Vの直流電圧が高圧スイッチング電源部12に印加されると、高圧スイッチング電源部12から昇圧された直流の高圧(−4000V)がそれぞれ出力されて図示しないマグネトロンに印加される。このとき、マグネトロンのアノード電流は900mA(高圧スイッチング電源部12が3個設けられている場合)となるように定電流制御される。一方、停止信号発生器13からは停止信号が出力されて、高圧出力がマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ停止する。これが所定周期毎に行われるが、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じると、その直後の停止信号のタイミングで発振動作の停止によりマグネトロンにリセットがかかり、リセット後には正常な発振が再開される。
【0022】
このように、本実施の形態のマグネトロン駆動電源装置によれば、実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置による効果と同様の効果が得られる。また、特に、複数個の高圧スイッチング電源部12に対して停止信号発生器13を共通に設けているため、停止信号発生器13を複数個設ける場合と比べ回路構成が簡単になる。
【0023】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなように、本発明のマグネトロン駆動電源装置によれば、所定周期毎にマグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ高圧の発生を停止するので、モーディングやランナウェイなどのマグネトロンの突発的な異常動作が生じても、発振動作の停止により自動的にリセットがかかり、その後マグネトロンを正常に発振させることが可能となり、異常検出回路を設けることなく簡単な回路構成でマグネトロンを安定に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置における停止信号を示す波形図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るマグネトロン駆動電源装置における高圧出力を示す波形図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るマグネトロン駆動電源装置の構成を示す回路図である。
【図5】従来の全波整流して得られた脈流を出力するマグネトロン駆動電源装置を使用したときのマグネトロンの動作波形図である。
【図6】従来の直流を出力するマグネトロン駆動電源装置を使用したときのマグネトロンの動作波形図である。
【符号の説明】
1 ブリッジダイオード
2 チョークコイル
3 電解コンデンサ
4 平滑回路
5 高周波電流供給コンデンサ
6 昇圧トランス
7 共振コンデンサ
8 ダイオード
9 NPN型トランジスタ
10 制御回路
11 高圧整流回路
12 高圧スイッチング電源部
13 停止信号発生器
Claims (3)
- マグネトロンを駆動する高圧を発生する高圧発生手段と、前記高圧発生手段の動作を所定周期毎に前記マグネトロンのカットオフ可能な僅かな期間だけ停止させる停止信号を発生する停止信号発生手段とを具備し、前記高圧発生手段は、前記停止信号発生手段からの停止信号に応じて高圧の発生を停止することを特徴とするマグネトロン駆動電源装置。
- 前記高圧発生手段が直流の高圧を発生することを特徴とする請求項1に記載のマグネトロン駆動電源装置。
- 前記高圧発生手段を複数個並列に設けるとともに、前記複数個の高圧発生手段に対して前記停止信号発生手段を共通に設けることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のマグネトロン駆動電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002368238A JP2004200051A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | マグネトロン駆動電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002368238A JP2004200051A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | マグネトロン駆動電源装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004200051A true JP2004200051A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32764868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002368238A Pending JP2004200051A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | マグネトロン駆動電源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004200051A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101122439B (zh) * | 2006-08-08 | 2010-05-26 | 河南科技大学 | 功率可调的微波加热干燥机 |
US8164265B2 (en) | 2008-01-31 | 2012-04-24 | Orc Manufacturing Co., Ltd. | Lighting method of microwave excitation discharge lamp |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002368238A patent/JP2004200051A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101122439B (zh) * | 2006-08-08 | 2010-05-26 | 河南科技大学 | 功率可调的微波加热干燥机 |
US8164265B2 (en) | 2008-01-31 | 2012-04-24 | Orc Manufacturing Co., Ltd. | Lighting method of microwave excitation discharge lamp |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4546498B2 (ja) | 混合モードのdc/acインバータ | |
WO2005112245A1 (ja) | 電源装置およびディスプレイ装置 | |
US6009005A (en) | Power supply device with reference signal generating circuit for power saving mode | |
JP2007328918A (ja) | 誘導加熱装置 | |
JP3846573B2 (ja) | レーザ加工装置及び該加工装置の制御方法 | |
JP2011041465A (ja) | 電源装置 | |
JP2004200051A (ja) | マグネトロン駆動電源装置 | |
JP3206521B2 (ja) | 高周波加熱装置 | |
JP2005174916A (ja) | インバータ電子レンジ及びその制御方法 | |
JP2004235133A (ja) | 全波センスアンプ及びそれを搭載した放電ランプインバータ | |
JP2003332085A (ja) | 無機エレクトロルミネセンス用電源装置 | |
JP2004180385A (ja) | スイッチング電源 | |
JP2009176515A (ja) | 放電管点灯装置及び半導体集積回路 | |
JP4214733B2 (ja) | プラズマディスプレイ用電源回路 | |
JP2009060003A (ja) | 着磁電源 | |
JP3216568B2 (ja) | 高周波加熱装置 | |
JP3512017B2 (ja) | 高周波加熱装置 | |
JP3253566B2 (ja) | マイクロ波励起ガスレーザ発振装置 | |
JP2004241605A (ja) | レーザ発振装置とレーザ加工機 | |
JP4014577B2 (ja) | 無電極放電ランプ電源装置 | |
JP3206512B2 (ja) | 高周波加熱装置 | |
JP2002208747A (ja) | レーザ発振器用電源装置 | |
JP2615653B2 (ja) | インバーター回路 | |
JP3584678B2 (ja) | インバータ装置 | |
JP3916235B2 (ja) | 給電装置 |