JP2004197424A - ベントナイトを用いた遮水工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周囲が閉ざされ、かつ間隔調整手段24bにより間隔を制限された一対の透水性布地24aの袋体を遮水施工面に敷設し、該袋体内部に、ベントナイト粉粒体と土質材料とを適宜割合で混合した混合物26を充填して遮水マット12とし、遮水マット12が水に浸漬されることで、混合物26中のベントナイトを水和膨潤させて遮水層を形成するものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベントナイトを用いた遮水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物処分場や、貯水池、調整池、修景池などに遮水層を形成するにあたり、ベントナイト混合土を利用した遮水構造を構築することが提案されている。この工法は、ベントナイト混合土を遮水施工面に敷き均し、転圧締固めすることで、透水係数の小さい遮水性のある層を形成するものである。
【0003】
ところで、実際の施工にあたっては、ベントナイト混合土の撒き出し厚みや、転圧方法などにより遮水性にばらつきが生じ、特に傾斜面などでは、施工の安定性や、品質の信頼性に乏しいなどの懸念があった。
【0004】
これに対し、透水性布地からなる袋体を遮水施工面に施工し、該袋体内部にベントナイト粉粒体を充填して遮水マットとする方法が開発されている(特許文献1参照。)。
【0005】
この工法では、遮水マットの外皮を構成する布地間に設けた間隔調整手段により、水が浸透した状態でのベントナイトの膨潤厚みが拘束、規制されるものであって、施工厚みが均一かつ遮水性も均一となるなどの利点がある。
【0006】
【特許文献1】
特許第2735706号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この工法に使用される材料であるベントナイト粉粒体は、高価な材料であるうえ、ベントナイトのみを充填しているため、面積あたりの施工コストが高価となっていた。
【0008】
ところで、本出願人らは、ベントナイトに山砂などの土質材料を所定量混合した場合においても、ベントナイト単体と同様に、十分な水和・膨潤現象を生ずること、および膨潤するための空間を拘束することで透水係数が減少し、遮水層として十分機能することを見いだした。
【0009】
本発明は、かかる知見に基づきなされたものであり、その目的は、遮水マット内に充填されるベントナイトを最小量とすることが可能となって、施工単価の低減を図ったベントナイトを用いた遮水工法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の遮水工法では、周囲が閉ざされ、かつ間隔調整手段により膨張厚みを制限された透水性布地からなる袋状内部に、ベントナイト粉粒体と土質材料とを適宜割合で混合した混合物を充填して遮水マットとし、該遮水マットを遮水施工面に敷設し、該遮水マットが水に浸漬されることで、前記混合物中のベントナイトを水和膨潤させて遮水層を形成することを特徴とするものである。本発明によれば、遮水効果を発現しつつ、ベントナイト量を減ずることができ、これによって敷設面積あたりの単価を大幅に減ずることができる。
【0011】
また、本発明方法は、前記混合物中におけるベントナイト粉粒体の重量比率が10%以上100%未満であることを特徴とする。
【0012】
さらに本発明方法は、前記遮水マット上に、直接又は遮水シートを介して保護マットで被覆することを特徴する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明方法を適用した廃棄物処分場1を示す。この処分場1は、山間の谷間などの斜面を利用して造成されるものであり、その斜面部1aから底部1bにかけて遮水工10により被覆し、周縁地盤Eと処分場1とを液密に区画している。
【0014】
この遮水工10における斜面部1aには、遮水マット12が一面に敷設され、底部1bの縁部に連続させている。遮水マット12の上縁は、斜面部1aの近傍における地表部GLに埋設された固定工14に巻込んで固定され、下縁は、底部1bに所定厚みで敷設された同じく遮水目的のベントナイト混合土16内に埋設され、これにより固定されている。
【0015】
さらに、遮水マット12およびベントナイト混合土16の上面には遮水シート18および保護マット20が敷設され、これらは処分場底部1bまで延長され、その上面を保護土22で覆っている。
【0016】
以上の層構造において、遮水シート18は、例えばゴム−アスファルトなどからなるシートであり、保護土20は、山砂などの一般土砂、保護マット22は例えば不織布などの素材からなるものであり、このうち遮水シート18の上縁は前記遮水マット12とともに、固定工14に巻込んで固定されている。
【0017】
また、遮水マット12は、図1の一部に拡大して示すように、周囲を縫製などにより袋状に閉じられたポリエステル樹脂織布などからなる一対の透水性布地24aと、所定間隔で両布地24a間を連結した間隔調整糸24bと、両布地24a間の袋状内部に充填されたベントナイト混合物26とからなっている。
【0018】
この遮水マット12の最大厚みは前記間隔調整糸24bの長さに規制され、その長さは要求される遮水性に応じて設計される(通常5〜10cm)。また一枚あたりの幅は2〜4mであるが、長さ方向に対しては、現地縫合、または面ファスナーなどにより接合されて必要面積分を覆うことができる。
【0019】
ベントナイト混合物26は粉体ないしは粒状のベントナイトと、ベントナイトに混合される土質材料とからなっており、後述する所定の混合比で均一に乾式混合した上で袋状内部に充填される。
【0020】
ベントナイトは前述のごとく遮水材として機能するもので、このものの持つ性質としては自重の5〜10倍以上水を吸収して膨潤するものであるが、遮水マット12の表面にしみこんだ水により膨潤し、遮水層を形成する。
【0021】
前記土質材料は、充填材、増量材あるいは重量増加材として機能するもので、山砂、現地発生土砂、あるいはパーライト、溶融スラグなどのリサイクル材など安価な各種材料を使用することが可能である。また、形状的には細砂ないしは礫まで各種粒径のものを採用できる。
【0022】
以上のベントナイト混合物26中におけるベントナイトの重量比率は、ベントナイト量が多いと素材コストが高くなり、また少なすぎるとベントナイトの遮水材としての機能が損われるため、10%以上100%未満の範囲とすることが望ましい。
【0023】
以上の混合比率における透水係数kは、
k=1×10−7〜1×10−10cm/sec程度となり、永久的な遮水構造として利用が可能となる。
【0024】
【実施例】
現地発生山砂にベントナイトおよび礫を混合し、それらの混合率が土質遮水材としての透水係数におよぼす影響について検討を行った。
【0025】
1.試料
山砂は細粒分を10%程度含有する現地発生砂を、礫はコンクリート用砕石(JIS2005)を用いた。ベントナイトは、Na系ベントナイトである。表−1にこれらの基本物性を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
2.試験要領
1)試験方法
試験方法としては、変水位法、供試体寸法(直径10cm×高さ12.5cm)、JGS-T-311に準拠して行った。
2)試験ケース
下式で定義する礫率Pgが4ケース(0,20,40,60%)、ベントナイト率Pbが4ケース(0,5,10,15%)の計16ケースの混合材料を測定対象とした。
Pg=[礫質量]/[全質量(山砂+礫+ベントナイト)]
Pb=[ベントナイト質量]/[全質量(山砂+礫+ベントナイト)]
【0028】
3.試験結果
透水試験の結果について、砂に対するベントナイト率Pbs(=ベントナイト質量/山砂質量)と透水係数kの関係を図2に示す。
【0029】
この図より、礫を混合したベントナイト混合土の透水係数kは、礫率Pgに関わらず砂とベントナイトの配合条件Pbsに依存する、すなわち、礫率Pg=0〜60%では礫率Pgに関わらず、砂に対するベントナイト率Pbsに依存することが判明した。
【0030】
また、この特性図から、ベントナイト率10%程度から1.E−08以下の透水係数を示し、遮水材料として、実用上十分な遮水性能を発現することを確認した。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明によるベントナイトを用いた遮水工法にあっては、遮水マット内に充填されるベントナイトを最小量とすることにより、施工単価を安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を廃棄物処分場に適用した一部を拡大部分を含む断面図である。
【図2】砂に対するベントナイト率と透水係数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 廃棄物処分場
12 遮水マット
14 遮水シート
16 保護マット
24a 透水性布地
24b 間隔調整糸(間隔調整手段)
26 ベントナイト−土質材料の混合物
Claims (3)
- 周囲が閉ざされ、かつ間隔調整手段により膨張厚みを制限された透水性布地からなる袋体を遮水施工面に敷設し、該袋体内部に、ベントナイト粉粒体と土質材料とを適宜割合で混合した混合物を充填して遮水マットとし、該遮水マットが水に浸漬されることで、前記混合物中のベントナイトを水和膨潤させて遮水層を形成することを特徴とするベントナイトを用いた遮水工法。
- 前記混合物中におけるベントナイト粉粒体の重量比率が10%以上100%未満であることを特徴とする請求項1に記載のベントナイトを用いた遮水工法。
- 前記遮水マット上に、直接又は遮水シートを介して保護マットで被覆することを特徴とする請求項1または2に記載のベントナイトを用いた遮水工法。
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2002
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