JP2008168280A - 遮水工構築部材、遮水工構築部材の製作方法、遮水工構築方法および廃棄物埋設処分施設 - Google Patents
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Abstract
【課題】付着性の高い材料等を用いることなく急勾配な側面にも施工することができ、また、現場における施工を容易にすることができる遮水工構築部材、遮水工構築方法および廃棄物埋設処分施設を提供することを目的としている。
【解決手段】地山に形成された凹部2の側面2bに沿って積層されて廃棄物埋設処分施設の側面部の遮水工4を構築する遮水工構築部材8であって、網状の袋体12の中に膨潤性止水材料13が充填された構成とする。
【選択図】図4
【解決手段】地山に形成された凹部2の側面2bに沿って積層されて廃棄物埋設処分施設の側面部の遮水工4を構築する遮水工構築部材8であって、網状の袋体12の中に膨潤性止水材料13が充填された構成とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、遮水工を構築するための遮水工構築部材、その遮水工構築部材の製作方法、その遮水工構築部材を用いた遮水工構築方法、および遮水工構築部材により構築された遮水工を備える廃棄物埋設処分施設に関する。
廃棄物の最終処分施設として、地山に形成された凹部の中に廃棄物を埋設処分する廃棄物埋設処分施設がある。この廃棄物埋設処分施設では、埋設処分した廃棄物から周囲の地盤中の地下水に有害物質が漏出しないように、凹部の底面及び斜面(側面)に遮水工が構築される。遮水工としては、樹脂製シートからなるものや、セメントコンクリート製の壁からなるものや、ベントナイト等を含む透水性の小さい土質系遮水層からなるものがある。
近年、最終処分場からの汚染漏水問題を鑑みて、廃棄物埋設処分施設では二重構造の遮水工が義務付けられている。二重構造の遮水工としては、厚さ50cm以上で透水係数が毎秒10nm/s(=1×10−6cm/s)以下である粘土等の土質系遮水層に遮水シートを敷設させた構成からなるものがある。この二重構造の遮水工を備える廃棄物埋設処分施設を構築する場合、まず、廃棄物埋設処分施設の範囲の地山に凹部を形成する。その後、その凹部の底面と斜面にそれぞれ土質系遮水層を形成し、さらに、その上に遮水シートを敷設する。次に、遮水シートで囲まれた処分空間に廃棄物を定置し、その後、廃棄物の上から遮水シートを被せ、さらにその上に土質系遮水層を形成する。これにより、二重構造の遮水工を備える廃棄物埋設処分施設が構築される。
ところで、上記した凹部の側面及び斜面の土質系遮水層は、一般に、土砂及び砂礫を混合した土質材料を凹部の側面及び斜面に敷き均すとともに重機械で転圧することで形成される。
また、従来、土質材料を敷き均して転圧する一般的な施工方法による斜面部分の作業の困難性を鑑みて、特に凹部の斜面に土質系遮水層を形成する場合に、土質材料を斜面に吹き付けることで土質系遮水層を形成する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来、土質材料を敷き均して転圧する一般的な施工方法では、斜面における転圧が不十分になり易いという問題を鑑みて、斜面部分に沿って複数の層を積層させるようにして斜面部分の土質系遮水層を形成する施工方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−81761号公報
特開2000−271554号公報
また、従来、土質材料を敷き均して転圧する一般的な施工方法による斜面部分の作業の困難性を鑑みて、特に凹部の斜面に土質系遮水層を形成する場合に、土質材料を斜面に吹き付けることで土質系遮水層を形成する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来、土質材料を敷き均して転圧する一般的な施工方法では、斜面における転圧が不十分になり易いという問題を鑑みて、斜面部分に沿って複数の層を積層させるようにして斜面部分の土質系遮水層を形成する施工方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記した従来の一般的な施工方法では、大型の重機施工を前提としているため、斜面勾配を1:2以下の緩い勾配に計画する必要がある。このため、廃棄物を定置させる処分空間が小さくなり、処分量が少ないという問題が存在する。また、構造物の廻り等の取り合い部での転圧作業も難しいという問題もある。
また、上記した斜面に土質材料を吹き付ける従来の施工方法では、吹き付けられた土質材料が剥がれ落ちないように、斜面勾配を緩くしたり付着性の高い土質材料を使用したりする必要があるという問題もある。
また、上記した積層させるように形成する従来の施工方法では、パワーショベル等の重機械で各層ごとに盛土して形を造らなければならず、非常に手間がかかるという問題もある。
また、上記した斜面に土質材料を吹き付ける従来の施工方法では、吹き付けられた土質材料が剥がれ落ちないように、斜面勾配を緩くしたり付着性の高い土質材料を使用したりする必要があるという問題もある。
また、上記した積層させるように形成する従来の施工方法では、パワーショベル等の重機械で各層ごとに盛土して形を造らなければならず、非常に手間がかかるという問題もある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、吹き付け材料のように付着性の高い材料等を用いることなく急勾配な側面にも施工することができ、また、現場における施工を容易にすることができる遮水工構築部材、遮水工構築方法および廃棄物埋設処分施設を提供することを目的としている。
本発明に係る遮水工構築部材は、地山に形成された凹部の側面に沿って積層されて廃棄物埋設処分施設の側面部の遮水工を構築する遮水工構築部材であって、網状の袋体の中に膨潤性止水材料が充填された構成からなることを特徴としている。
なお、上記した「膨潤性止水材料」とは、吸水膨張することにより止水性を発揮する材料をいい、以下においても同様である。
なお、上記した「膨潤性止水材料」とは、吸水膨張することにより止水性を発揮する材料をいい、以下においても同様である。
これにより、遮水工構築部材が凹部の側面に沿って積層されると、袋体の中の膨潤性止水材料が地下水を吸水して膨潤し、袋体の網目からしみ出る。このしみ出た膨潤性止水材料によって、積層された遮水工構築部材間の隙間が塞がり、十分な遮水性能を有する遮水工が構築される。
また、本発明に係る遮水工構築部材は、前記袋体の一部に止水性を有する止水部が形成されていることが好ましい。
これにより、止水部が凹部の側面の反対位置にくるように遮水工構築部材を配置させることで、完成した遮水工の内側面が止水部で覆われた状態となる。
また、本発明に係る遮水工構築部材は、前記袋体が生分解性材料からなることが好ましい。
これにより、遮水工構築部材を積層させて遮水工が構築されると、やがて遮水工構築部材の袋体が微生物によって分解されて消滅し、その代わりに膨潤した膨潤性止水材料が占めることになる。
また、本発明に係る遮水工構築部材は、前記膨潤性止水材料として、ベントナイトを含有している材料又はベントナイトと砂礫との混合材料が用いられることが好ましい。
これにより、袋体の中の膨潤性止水材料が高い膨潤性と止水性を発揮する。
本発明に係る遮水工構築部材の製作方法は、上記した遮水工構築部材を製作する遮水工構築部材の製作方法において、角筒形状の型枠の内側に前記袋体を配置し、該袋体内に前記膨潤性止水材料を充填することを特徴としている。
これにより、遮水工構築部材の形状が型枠により成形され、断面視四角形状(角柱形状)の遮水工構築部材が製作される。
本発明に係る遮水工構築方法は、地山に形成された凹部の側面部に形成される遮水工を構築する遮水工構築方法であって、網状の袋体の中に膨潤性止水材料が充填された構成からなる遮水工構築部材を、前記凹部の側面に沿って積み重ねることを特徴としている。
本発明に係る廃棄物埋設処分施設は、地山に形成された凹部の中に廃棄物を埋設処分する廃棄物埋設処分施設であって、前記凹部の側面部には、遮水工が形成され、該遮水工は、網状の袋体の中に膨潤性止水材料が充填された構成からなる遮水工構築部材が、前記凹部の側面に沿って積み重ねられた構成からなることを特徴としている。
本発明に係る遮水工構築部材によれば、膨潤性止水材料を袋詰めにしてなる遮水工構築部材はそれ自体が自立性を有するので、急勾配な側面に沿って遮水工構築部材を積層させても安定性を確保することができる。このため、付着性に優れた膨潤性止水材料を用いることなく、急勾配な遮水工を構築することができる。
また、側面に盛土したり敷き均ししたりすることなく、側面に沿って遮水工構築部材を積層させることで、十分な遮水性能を有する遮水工が構築されるので、現場における施工を容易にすることができる。
また、側面に盛土したり敷き均ししたりすることなく、側面に沿って遮水工構築部材を積層させることで、十分な遮水性能を有する遮水工が構築されるので、現場における施工を容易にすることができる。
本発明に係る遮水工構築部材の製作方法によれば、断面視四角状の遮水工構築部材を製作することができる。これにより、複数の遮水工構築部材を並べて配置させたときに、遮水工構築部材間に形成される隙間(空洞)を小さくすることができ、複数の遮水工構築部材により構築される遮水工の遮水性能を向上させることができる。
本発明に係る遮水工構築方法によれば、上述した本発明に係る遮水工構築部材と同様に、付着性に優れた膨潤性止水材料を用いることなく、急勾配な遮水工を構築することができるとともに、現場における施工を容易にすることができる。
本発明に係る廃棄物埋設処分施設によれば、上述した本発明に係る遮水工構築部材と同様に、付着性に優れた膨潤性止水材料を用いることなく、急勾配な遮水工を構築することができるとともに、現場における施工を容易にすることができる。このため、急勾配な遮水工を構築することにより、廃棄物を定置させる処分空間を大きくとることができ、同じ敷地面積で大量の廃棄物を埋設処分することができる。
以下、本発明に係る遮水工構築部材、遮水工構築部材の製作方法、遮水工構築方法および廃棄物埋設処分施設の実施の形態について、図面に基いて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
[廃棄物埋設処分施設]
まず、本実施の形態における廃棄物埋設処分施設1の構成について説明する。
図1は本実施の形態における廃棄物埋設処分施設1の断面図である。
まず、本実施の形態における廃棄物埋設処分施設1の構成について説明する。
図1は本実施の形態における廃棄物埋設処分施設1の断面図である。
図1に示すように、廃棄物埋設処分施設1は、地中浅部に廃棄物Xを埋設処分するための施設である。廃棄物埋設処分施設1は、廃棄物埋設処分施設1の敷地内の地山Gに掘られた凹部2の底面2aに遮水工3が形成されているとともに凹部2の側面2bに遮水工4が形成されており、これらの遮水工3,4で囲まれた処分空間内に廃棄物Xが定置され、その廃棄物Xの上が遮水工5で閉塞された構成からなる。凹部2の側面2bは、所定の勾配で傾斜した斜面となっている。また、廃棄物X上の遮水工5の上には土砂G´が被せられている。
底面部の遮水工3は、凹部2の底面2a上に粘土層6が形成され、その粘土層6の上面全体に遮水シート7が敷設された構成からなる。また、側面部の遮水工4は、凹部2の側面2bに沿って複数の遮水工構築部材8が積層され、その内側の表面全体に遮水シート9が敷設された構成からなる。廃棄物X上の遮水工5は、廃棄物Xの上の全体に遮水シート10が被せられ、その遮水シート10の上の全体に粘土層11が形成された構成からなる。
[遮水工構築部材]
次に、遮水工構築部材8の構成について説明する。
図2は遮水工構築部材8の斜視図であり、図3は遮水工構築部材8の断面図である。
次に、遮水工構築部材8の構成について説明する。
図2は遮水工構築部材8の斜視図であり、図3は遮水工構築部材8の断面図である。
図2、図3に示すように、遮水工構築部材8は、袋体12の中に膨潤性止水材料13が充填された構成からなる。
袋体12は、縦横の寸法が繊維幅よりもそれぞれ大きい桝目状の開口が縦横にそれぞれ連続的に形成され、地下水の出入りを許容する網状の材料からなる袋であり、四辺が綴じられた略矩形状になっている。この矩形状の袋体12は、一方の辺の長さ寸法Lが、凹部2の側面2bに形成される遮水工4の厚さよりも大きい。
袋体12は、縦横の寸法が繊維幅よりもそれぞれ大きい桝目状の開口が縦横にそれぞれ連続的に形成され、地下水の出入りを許容する網状の材料からなる袋であり、四辺が綴じられた略矩形状になっている。この矩形状の袋体12は、一方の辺の長さ寸法Lが、凹部2の側面2bに形成される遮水工4の厚さよりも大きい。
また、生分解性材料からなる袋体12を用いることが好ましい。これにより、遮水工構築部材8を積層させて遮水工4が構築されると、やがて遮水工構築部材8の袋体12が微生物によって分解されて消滅し、その代わりに膨潤した膨潤性止水材料13が占めることになる。これにより、遮水工4全体の遮水性能をより確実に担保することができる。
また、織布からなる袋体12を用いることができるが、織布以外の材料(例えば、孔開きシート)から袋体12を形成することも可能である。また、袋体12は、その開口率が高く、且つ、繊維(糸)の巾が小さいことが好ましい。
具体的に説明すると、袋体12としては、ポリ乳酸繊維のマルチフィラメントを平織りした生地からなる袋体や、網目間隔が約2mmのポリエチレン製ネットからなる袋体を用いることが好ましい。
また、織布からなる袋体12を用いることができるが、織布以外の材料(例えば、孔開きシート)から袋体12を形成することも可能である。また、袋体12は、その開口率が高く、且つ、繊維(糸)の巾が小さいことが好ましい。
具体的に説明すると、袋体12としては、ポリ乳酸繊維のマルチフィラメントを平織りした生地からなる袋体や、網目間隔が約2mmのポリエチレン製ネットからなる袋体を用いることが好ましい。
膨潤性止水材料13は、吸水膨張することにより止水性を発揮する粘土系材料である。膨潤性止水材料13としては、粘土やその他の土質材料を用いることができるが、ベントナイトを含有している材料或いはベントナイトと砂礫との混合材料を使用することが好ましい。膨潤性止水材料13に用いられるベントナイトは、粉体のものでもよく、或いはベントナイト原鉱を破砕したものの分級品でもよい。また、ベントナイトを用いた膨潤性止水材料13は、ベントナイト等をペレット状に固めたものでもよく、或いはベントナイト等をペレット状に固めたものと砂礫材料を混合させたものでもよい。また、膨潤性止水材料13は、袋体12の網目よりも大きくて袋体12からこぼれ落ちない粒径のものが多数占める材料に調製されている。
[遮水工構築方法]
次に、廃棄物埋設処分施設1の側面部の遮水工4を構築する方法について説明する。
図4は、積層された複数の遮水工構築部材8を表す断面図である。
次に、廃棄物埋設処分施設1の側面部の遮水工4を構築する方法について説明する。
図4は、積層された複数の遮水工構築部材8を表す断面図である。
図4に示すように、凹部2の底面2aに粘土等の低透水性の土質材料を敷き均して転圧機等で締め固めて粘土層6を形成した後、凹部2の側面2bに沿って複数の遮水工構築部材8を水平方向に並べるとともに、凹部2の側面2bに沿って複数の遮水工構築部材8を積層させる。このとき、複数の遮水工構築部材8は、水平多段積み状に積み重ねる。また、遮水工構築部材8の定置作業は、1袋づつ手作業で行なうこともできるが、重機械等の機械類で行なってもよい。また、遮水工構築部材8を定置させたとき、図示せぬ小型の振動転圧機械等で締め固めることもできる。ただし、所定の密度と透水係数を確保できる場合には、締め固めを行なわなくてもよい。上記した遮水工構築部材8は、凹部2の側面2bの全体を覆うように積層させる。
次に、積層された遮水工構築部材8の内側の表面に遮水シート9を敷設する。これにより、廃棄物埋設処分施設1の側面部の遮水工4の構築は完了する。
なお、遮水工構築部材8を積層させた後、図1に示すように、凹部2の底面2aの粘土層6の上面にも遮水シート7を敷設し、廃棄物埋設処分施設1の底面部の遮水工3を完成させる。
なお、遮水工構築部材8を積層させた後、図1に示すように、凹部2の底面2aの粘土層6の上面にも遮水シート7を敷設し、廃棄物埋設処分施設1の底面部の遮水工3を完成させる。
そして、上記したように、底面部と側面部の遮水工3,4が完成した後、底面2aの遮水工3と側面2bの遮水工4とで囲まれた処分空間に廃棄物Xを搬入する。そして、廃棄物Xの搬入完了後、廃棄物Xの上に遮水シート10を敷設し、さらにその上に粘土等の低透水性の土質材料を敷き均して締め固めて粘土層11を形成し、最後に、粘土層11の上に土砂G´を被せて廃棄物埋設処分施設1を完成させる。
上記した構成からなる遮水工構築部材8、遮水工4の構築方法、及び廃棄物埋設処分施設1によれば、凹部2の側面2bに沿って遮水工構築部材8が積層されると、袋体12の中の膨潤性止水材料13が地下水を吸水して膨潤し、袋体12の網目からしみ出る。このしみ出た膨潤性止水材料13によって、積層された遮水工構築部材8間の隙間が塞がってシールされる。詳しく説明すると、図5(a)は遮水工構築部材8を凹部2の側面2bに積層させた直後の半乾燥状態を表した遮水工構築部材8間の概念図である。図5(a)に示すように、半乾燥状態では、隣り合う遮水工構築部材8の間には隙間があいており、遮水工4の遮水性能は低い。図5(b)は地下水が遮水工構築部材8間の隙間に浸入した初期の状態を表した概念図である。図5(b)に示すように、地下水浸入後の初期状態では、袋体12内の膨潤性止水材料13のうち、上記隙間近傍の膨潤性止水材料13が地下水により局部的に吸水膨潤し、膨潤性止水材料13が袋体12の網目からしみ出て上記隙間に徐々に充填される。図5(c)は地下水が遮水工構築部材8間の隙間に浸入した後の最終の状態を表した概念図である。図5(c)に示すように、袋体12内の膨潤性止水材料13が地下水により全体的に吸水膨潤すると、袋体12内の膨潤性止水材料13全体が均質化する。また、袋体12の網目からしみ出た膨潤性止水材料13が上記隙間に満遍なく充填され、上記隙間が完全にシールされた状態となる。このように、遮水工構築部材8間の隙間がシールされるので、十分な遮水性能を有する遮水工4を構築することができる。このように、側面に盛土したり敷き均ししたりすることなく、袋詰めにされた膨潤性止水材料13(遮水工構築部材8)を凹部2の側面2bに沿って積層させるだけで十分な遮水性能を有する側面部の遮水工4が構築されるので、現場における施工を容易にすることができる。
ここで、複数の遮水工構築部材8からなる遮水工4では、袋体12の存在によって隣り合う遮水工構築部材8間が水みちとなる懸念がある。そこで、膨潤性止水材料13のシール性能を確認する目的で、遮水工4の遮水性能(透水係数k)を確認する試験を行ったので、当該試験について説明する。なお、遮水シートと土質系遮水層とからなる遮水工の場合、土質系遮水層は厚さ50cm以上で透水係数kが毎秒10nm/s(=1E−8m/s)以下であることが求められている。
本試験は、(1)試験モールドに供試体を装填した後、強制乾燥して、空気領域の排除が容易に行えるようにしておく。(2)試験モールド内部を炭酸ガス雰囲気と真空雰囲気に繰り返すことにより、土質材料の間隙及び粒子内部の空気を排除する。(3)供試体と共に、上下のフィルターや配管系を真空状態にした後に、脱気水を注水し、直ちに透水量を測定できるようにするとともに、膨潤性の粘土鉱物が吸水膨潤するよりも早く供試体を水で飽和させる。(4)注水圧力を1.0〜0.01MPa、供試体厚さを10〜50mmにすることで動水勾配を20〜2000とする。(5)供試体からの排水を内径2mm程度のチューブ内に導いて、水面移動長さから透水量を0.004mlの分解能で測定する。なお、今回の試験では、試験モールド内に袋体を2つ入れるとともに、この2つの袋体内に略同量のベントナイトを充填した。このとき、2つの袋体の間や試験モールドの内壁と袋体との間に若干の隙間ができる程度の充填密度にした。また、本試験では、ポリ乳酸繊維(生分解性材料)のマルチフィラメントを平織りした生地からなる袋体を用いた供試体Aと、網目間隔が約2mmのポリエチレン製ネットからなる袋体を用いた供試体Bとで、それぞれ行った。また、ベントナイトとしては、山形産ベントナイトの原鉱を破砕して作った粒状ベントナイト材料を含水比20%程度でアイリッヒミキサーで混練して含水比を均質にしたものを使用した。また、試験条件としては、供試体寸法が直径100mm×高さ50mm、供試体乾燥密度が940kg/m3程度、注水圧力が0.02、0.05、0.1、0.2、0.4MPaの5段階である。
図6を上記した透水性能確認試験による各供試体の透水係数(k)を示した表である。
図6に示すように、2つの供試体A、Bは、それぞれ透水係数が1E−8(m/s)以下になっている。これにより、隣り合う遮水工構築部材8の界面に袋体12が存在していても、膨潤性止水材料13の膨潤シール効果により、遮水工4の遮水性能が十分に確保されることが確認できた。
図6に示すように、2つの供試体A、Bは、それぞれ透水係数が1E−8(m/s)以下になっている。これにより、隣り合う遮水工構築部材8の界面に袋体12が存在していても、膨潤性止水材料13の膨潤シール効果により、遮水工4の遮水性能が十分に確保されることが確認できた。
また、上記した構成からなる遮水工構築部材8、遮水工4の構築方法、及び廃棄物埋設処分施設1によれば、膨潤性止水材料13を袋詰めにしてなる遮水工構築部材8はそれ自体が自立性を有するので、急勾配な側面に沿って遮水工構築部材8を積層させても安定性を確保することができる。このため、付着性に優れた材料を用いることなく、急勾配な遮水工4を構築することができる。そして、急勾配な遮水工4を構築することにより、廃棄物を定置させる処分空間を大きくとることができ、同じ敷地面積で大量の廃棄物を埋設処分することができる。また、急勾配な遮水工4を構築することにより、側面部の遮水工4の膨潤性止水材料13及び遮水シート9の使用量を大幅に削減することができる。
また、上記した構成からなる遮水工構築部材8では、袋詰めされる膨潤性止水材料13として、ベントナイトを含有している材料又はベントナイトと砂礫との混合材料が用いられると、袋体12の中の膨潤性止水材料13が高い膨潤性と止水性を発揮される。これにより、遮水工構築部材8を積層させることで構築される遮水工4の遮水性能を高くすることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
[廃棄物埋設処分施設]
まず、本実施の形態における廃棄物埋設処分施設201の構成について説明する。なお、本実施の形態における廃棄物埋設処分施設201は、地山Gに掘られた凹部202の側面202bに形成される遮水工204の構成以外は第1の実施の形態の廃棄物埋設処分施設1と同様である。
図7は本実施の形態における廃棄物埋設処分施設201の断面図である。
まず、本実施の形態における廃棄物埋設処分施設201の構成について説明する。なお、本実施の形態における廃棄物埋設処分施設201は、地山Gに掘られた凹部202の側面202bに形成される遮水工204の構成以外は第1の実施の形態の廃棄物埋設処分施設1と同様である。
図7は本実施の形態における廃棄物埋設処分施設201の断面図である。
図7に示すように、本実施の形態における凹部202の側面202bは、所定の勾配で傾斜した斜面が段状に形成された構成になっており、図7では2段の法面(傾斜面)となっている。この側面202bに構築される遮水工204は、凹部202の側面202bに沿って複数の遮水工構築部材208が横並びに連設された構成となっている。詳しく説明すると、側面202bの上段部分202cに複数の遮水工構築部材208が隙間をあけずに横並びに配列されているとともに、側面202bの下段部分202dに複数の遮水工構築部材208が隙間をあけずに横並びに配列されており、上段部分202cの遮水工構築部材208の下端部と下段部分202dの遮水工構築部材208の上端部とが重ね合わせられている。また、この遮水工204の内側の表面全体には、上述した第1の実施の形態と同様に遮水シート9が敷設されている。
[遮水工構築部材]
次に、上記した遮水工構築部材208の構成について説明する。なお、本実施の形態における遮水工構築部材208は、その形状以外は第1の実施の形態の遮水工構築部材8と同様である。
図8は遮水工構築部材208の斜視図である。
次に、上記した遮水工構築部材208の構成について説明する。なお、本実施の形態における遮水工構築部材208は、その形状以外は第1の実施の形態の遮水工構築部材8と同様である。
図8は遮水工構築部材208の斜視図である。
図8に示すように、遮水工構築部材208は、断面視四角形状の角柱部材であり、縦長の袋体212の中に膨潤性止水材料13が充填された構成からなる。上記袋体212は、長軸方向の一方側の端部(下端部)が閉塞されて長軸方向の他方側の端部(上端部)が開放された可撓性を有する袋体であり、その上端部(口部)は、結んだり紐等で縛ったり折り畳んだりすることで閉じられている。なお、袋体212の材質としては、上述した第1の実施の形態における袋体12と同様のものを使用することができる。
[遮水工構築部材の製作方法]
次に、上記した遮水工構築部材208の製作方法について説明する。
図9は遮水工構築部材208の製作工程を表した図である。
次に、上記した遮水工構築部材208の製作方法について説明する。
図9は遮水工構築部材208の製作工程を表した図である。
まず、図9(a)に示すように、断面視四角形の角筒形状の型枠220を用意する。この型枠220は、木製、金属製、或いは合成樹脂製の筒体である。型枠220は、少なくとも一方の端部(上端)が開放されている。型枠220の他方の端部(下端)は閉塞されていても開放されていてもよい。
次に、図9(b)に示すように、上記した縦長の袋体212を上記した角筒形状の型枠220内に挿入し、型枠220の内側に袋体212を配置する。このとき、型枠220の開放端(上端)から袋体212の上端部が突出させ、その袋体212の上端部(口部)を開放させておく。
次に、上記した袋体212の上端部から当該袋体212の中に膨潤性止水材料13を充填する。このとき、膨潤性止水材料13は、その自重により型枠220内に密に充填され、型枠220の内周面によって断面四角形の角柱状に成形される。また、袋体212は可撓性を有するため、膨潤性止水材料13が充填されることにより、型枠220の内周面に沿った形状に変形する。
次に、図9(c)に示すように、上記した袋体212の上端部を結んだり紐等で縛ったり折り畳んだりして袋体212の口部を閉塞する。
以上により、型枠220内に断面四角形の角柱状の遮水工構築部材208が形成される。
以上により、型枠220内に断面四角形の角柱状の遮水工構築部材208が形成される。
上記した遮水工構築部材208の製作方法によれば、型枠220内で材料を投入することで製作されるので、品質管理を容易に行うことができる。また、断面視四角状の遮水工構築部材208を製作することができるので、複数の遮水工構築部材208を並べて配置させたときに、遮水工構築部材208間に形成される隙間(空洞)を小さくすることができ、複数の遮水工構築部材208により構築される遮水工204の遮水性能を向上させることができる。
[遮水工構築方法]
次に、上記した廃棄物埋設処分施設201の側面部の遮水工204を構築する方法について説明する。
図10は遮水工204の構築工程の第1実施例を表した図である。
次に、上記した廃棄物埋設処分施設201の側面部の遮水工204を構築する方法について説明する。
図10は遮水工204の構築工程の第1実施例を表した図である。
まず、図10(a)に示すように、遮水工構築部材208を型枠220の外に出す。具体的に説明すると、遮水工構築部材208の上端部に吊り具221を掛ける。そして、この吊り具221を介して図示せぬ揚重機により遮水工構築部材208を吊り上げ、型枠220の上端から遮水工構築部材208を引き出す。このとき、遮水工構築部材208とともに型枠220が上昇しないように型枠220を固定しておく。
次に、図10(b)に示すように、遮水工構築部材208を凹部202の側面202bに沿わせて横並びに順次定置させる。詳しく説明すると、図示せぬ揚重機により、遮水工構築部材208を吊り上げ、遮水工構築部材208を凹部202の側面202bの位置まで運ぶ。そして、遮水工構築部材208の下端部を凹部202の底面202aの遮水工3(或いは、凹部202の側面202bの段差面202e)の上に載せた後、遮水工構築部材208を側面202b側に倒すようにして凹部202の側面202bに定置させる。これにより、遮水工構築部材208は、縦置き状態で定置される。続いて、この遮水工構築部材208の隣りに、他の遮水工構築部材208を上記した方法により縦置き状態で定置させる。このとき、後に定置させる遮水工構築部材208は、先に定置された遮水工構築部材208との間に隙間があかないように、先の遮水工構築部材208に隣接させる。以上の作業を繰り返し行い、複数の遮水工構築部材208を間隔をあけずに横方向に連続的に並べて配置する。これにより、凹部202の側面202bに遮水工構築部材208が敷き詰められる。なお、下段部分202dの遮水工構築部材208は、その直上に位置する上段部分202cの遮水工構築部材208を定置させた後に定置作業を行い、下段部分202dの遮水工構築部材208の上端部と上段部分202cの遮水工構築部材208の下端部とを重ね合わせる。
次に、上述した第1の実施の形態と同様に、横並びに連設された遮水工構築部材208の表面に遮水シート9を敷設する。
以上により、図7に示す側面部の遮水工204の構築が完了する。
以上により、図7に示す側面部の遮水工204の構築が完了する。
上記した遮水工204の構築方法によれば、角柱状の遮水工構築部材208を並べて配置することで遮水工204が構築されるので、凹部202の側面202bに遮水工204を効率よく構築することができる。
また、断面視四角状の遮水工構築部材208を並べて配置することで遮水工204が構築されるので、遮水工構築部材208間に形成される隙間(空洞)を小さくすることができ、遮水工204の遮水性能を向上させることができる。
また、断面視四角状の遮水工構築部材208を並べて配置することで遮水工204が構築されるので、遮水工構築部材208間に形成される隙間(空洞)を小さくすることができ、遮水工204の遮水性能を向上させることができる。
なお、側面部の遮水工204を構築する方法としては、上述した方法に限定されず、下記の方法で側面部の遮水工204を構築することも可能である。
図11は遮水工204の構築工程の第2実施例を表した図である。
図11は遮水工204の構築工程の第2実施例を表した図である。
まず、図11(a)に示すように、遮水工構築部材208を型枠220内に収容させたまま凹部202の側面202bの位置まで運ぶ。詳しく説明すると、型枠220の上端部に吊り具221を掛ける。このとき、型枠220としては、開閉可能な底板220aを有するものを使用する。そして、この吊り具221を介して図示せぬ揚重機により型枠220を吊り上げ、凹部202の側面202bの位置まで運ぶ。このとき、型枠220内から遮水工構築部材208が抜け落ちないように、上記底板220aは閉じておく。これにより、型枠220内に遮水工構築部材208を収容させたまま吊り上げられる。
次に、図11(b)に示すように、型枠220内から遮水工構築部材208を抜き出すとともに、遮水工構築部材208を凹部202の側面202bに定置させる。詳しく説明すると、凹部202の側面202bの位置で、型枠220の底板220aを開ける。これにより、型枠220の下端から遮水工構築部材208が抜け落ち、遮水工構築部材208の下端部が凹部202の底面202aの遮水工3(或いは、凹部202の側面202bの段差面202e)の上に載せられる。次に、型枠220を徐々に吊り上げ、型枠220内から遮水工構築部材208を抜き出す。これにより、遮水工構築部材208は、側面202b側に倒れるようにして側面202bに縦置き状態で定置される。
上記した遮水工204の構築方法によれば、遮水工構築部材208を凹部202の側面202bの位置まで運ぶ際に、断面四角形の角柱状の遮水工構築部材208の形状が崩れることを防止することができる。これにより、遮水工構築部材208間に形成される隙間をさらに小さくすることができ、遮水工204の遮水性能を一層向上させることができる。
また、側面部の遮水工204を構築する他の方法としては、下記の方法がある。
図12は遮水工204の構築工程の第3実施例を表した図である。
図12は遮水工204の構築工程の第3実施例を表した図である。
まず、上述した第2実施例と同様に、遮水工構築部材208を型枠220内に収容させたまま揚重機等で吊り上げ、凹部202の側面202bの位置まで運ぶ。このとき、型枠220としては、型枠220の中心軸直交方向にスライドすることで開閉する底板220aを有するものを使用する。
次に、図12(a)に示すように、遮水工構築部材208を収容した型枠220を凹部202の側面202bの位置に定置させる。詳しく説明すると、吊り上げられた型枠220を吊り下ろし、型枠220の下端部を凹部202の底面202aの遮水工3(或いは、凹部202の側面202bの段差面202e)の上に載せる。その後、型枠220を側面202b側に倒すようにして凹部202の側面202bに定置させる。続いて、型枠220の底板220aを型枠220の中心軸直交方向にスライドさせて開けておく。これにより、型枠220の下端から遮水工構築部材208が抜け落ち、遮水工構築部材208の下端部が凹部202の底面202aの遮水工3(或いは、凹部202の側面202bの段差面202e)の上に載せられる。
次に、図12(b)に示すように、上記した型枠220(220A)の隣りに、遮水工構築部材208を収容した他の型枠220Bを、上記した方法により凹部202の側面202bに定置させる。このとき、後に定置させる型枠220Bは、先に定置させた型枠220Aとの間に隙間があかないように、先の型枠220Aに隣接させる。続いて、型枠220Bの底板220aを型枠220Bの中心軸直交方向にスライドさせて開けておく。これにより、型枠220Bの下端から遮水工構築部材208が抜け落ち、遮水工構築部材208の下端部が凹部202の底面202aの遮水工3(或いは、凹部202の側面202bの段差面202e)の上に載せられる。
次に、図12(c)に示すように、先の型枠220A内から遮水工構築部材208を抜き出し、その遮水工構築部材208を凹部202の側面202bに定置させる。詳しく説明すると、先の型枠220Aを徐々に吊り上げ、型枠220A内から遮水工構築部材208を抜き出す。これにより、遮水工構築部材208は、側面202b側に倒れるようにして、一方側に定置された他の遮水工構築部材208と他方側に定置された後の型枠220との間の凹部202の側面202bに縦置き状態で定置される。
次に、上記した後の型枠220Bの隣りに、図示せぬ他の型枠を凹部202の側面202bに定置させた後、上記した後の型枠220B内から遮水工構築部材208を抜き出し、その遮水工構築部材208を凹部202の側面202bに定置させる。以上の作業を繰り返し行い、複数の遮水工構築部材208を間隔をあけずに横方向に連続的に並べて配置する。
なお、上記した実施例では、型枠220を定置させた直後に底板220aを開けているが、本発明は、型枠220を定置させた直後に底板220aを開けず、後の型枠220Bを定置させた後、先の型枠220Aから遮水工構築部材208を抜き出す直前に、先の型枠220Aの底板220aを開けてもよい。
なお、上記した実施例では、型枠220を定置させた直後に底板220aを開けているが、本発明は、型枠220を定置させた直後に底板220aを開けず、後の型枠220Bを定置させた後、先の型枠220Aから遮水工構築部材208を抜き出す直前に、先の型枠220Aの底板220aを開けてもよい。
上記した遮水工204の構築方法によれば、型枠220内から遮水工構築部材208を抜き出す際、遮水工構築部材208が、他の遮水工構築部材208と他の型枠220との間に挟まれた状態になるため、断面四角形の角柱状の遮水工構築部材208の形状が崩れることを防止することができる。これにより、遮水工構築部材208間に形成される隙間をさらに小さくすることができ、遮水工204の遮水性能を一層向上させることができる。
なお、上記した第2の実施の形態における第1〜第3実施例では、遮水工構築部材208を定置させた後に締め固めを行っていないが、図示せぬ小型の振動転圧機械等で締め固めてもよい。
以上、本発明に係る遮水工構築部材、遮水工構築方法および廃棄物埋設処分施設の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、図13、図14に示すように、袋体112の半分以上が網状であって袋体112の一部に止水性を有する止水部114が形成されている構成にしてもよい。止水部114は、例えば塩化ビニル等からなる樹脂製シートからなる。この止水部114は、全部が網目状の袋の内表面又は外表面に止水性を有するシートを貼り付けられた構成であってもよく、或いは、袋体112の一部に止水性を有するシートを用いて他の部分を網目状のシートを用いる構成であってもよい。この遮水工構築部材108によれば、図15に示すように、止水部114が凹部2の側面2bの反対位置(凹部2の内方側)にくるように遮水工構築部材108を配置させることで、遮水工構築部材108を積層させて完成した遮水工4の内側面が止水部114で覆われた状態となる。このため、遮水工4の構築中又は構築後に雨が降っても、止水部114によって袋体112内への雨の浸透を低減或いは防止することができる。これにより、降雨による膨潤性止水材料13の吸水・膨潤を軽減或いは防止し、膨潤性止水材料13の性能低下(劣化)を軽減或いは防止することができる。このように、止水部114が降雨浸透対策となるため、遮水工4を形成した後に、雨養生用のシートを設置する手間を省くことができ、施工手間を軽減させることができる。なお、上述した第2の実施の形態における袋体212の一方の側面に上記した止水部114を形成しておくことも可能である。すなわち、一方の側面に止水部114が形成された袋体212を型枠220内に配置し、この袋体212内に膨潤性止水材料13を充填して、遮水工構築部材208を製作することも可能である。そして、上記止水部114が凹部202の側面202bの反対位置(凹部202の内方側)にくるように、遮水工構築部材208を凹部202の側面202bに定置させることで、遮水工204の内側面が止水部114で覆われた状態となる。また、上述した第2の実施の形態のように型枠220を用いて遮水工構築部材208を製作し、この遮水工構築部材208を型枠220から抜き出した後、遮水工構築部材208の一方の側面に上記した止水部114を貼り付けることも可能である。
例えば、図13、図14に示すように、袋体112の半分以上が網状であって袋体112の一部に止水性を有する止水部114が形成されている構成にしてもよい。止水部114は、例えば塩化ビニル等からなる樹脂製シートからなる。この止水部114は、全部が網目状の袋の内表面又は外表面に止水性を有するシートを貼り付けられた構成であってもよく、或いは、袋体112の一部に止水性を有するシートを用いて他の部分を網目状のシートを用いる構成であってもよい。この遮水工構築部材108によれば、図15に示すように、止水部114が凹部2の側面2bの反対位置(凹部2の内方側)にくるように遮水工構築部材108を配置させることで、遮水工構築部材108を積層させて完成した遮水工4の内側面が止水部114で覆われた状態となる。このため、遮水工4の構築中又は構築後に雨が降っても、止水部114によって袋体112内への雨の浸透を低減或いは防止することができる。これにより、降雨による膨潤性止水材料13の吸水・膨潤を軽減或いは防止し、膨潤性止水材料13の性能低下(劣化)を軽減或いは防止することができる。このように、止水部114が降雨浸透対策となるため、遮水工4を形成した後に、雨養生用のシートを設置する手間を省くことができ、施工手間を軽減させることができる。なお、上述した第2の実施の形態における袋体212の一方の側面に上記した止水部114を形成しておくことも可能である。すなわち、一方の側面に止水部114が形成された袋体212を型枠220内に配置し、この袋体212内に膨潤性止水材料13を充填して、遮水工構築部材208を製作することも可能である。そして、上記止水部114が凹部202の側面202bの反対位置(凹部202の内方側)にくるように、遮水工構築部材208を凹部202の側面202bに定置させることで、遮水工204の内側面が止水部114で覆われた状態となる。また、上述した第2の実施の形態のように型枠220を用いて遮水工構築部材208を製作し、この遮水工構築部材208を型枠220から抜き出した後、遮水工構築部材208の一方の側面に上記した止水部114を貼り付けることも可能である。
また、本発明は、図16に示すように、遮水工構築部材8,108を1袋づつ積み上げるのではなく、予め鉛直に積み上げられた複数の遮水工構築部材8,108をまとめて吊り上げて、そのまま凹部2の側面2bの所定位置に定置させて複数の遮水工構築部材8,108を配設させてもよい。例えば、工場等で搬送車に積み込む際に整列積み込みする。そして、現場で、鉛直に積まれた複数の遮水工構築部材8,108を玉掛けベルト15でまとめて玉掛けする。このとき、玉掛けベルト15と遮水工構築部材8,108との間に単管パイプ等の棒材16を間に挟ませておく。次に、クレーン等の揚重機によって、玉掛けされた複数の遮水工構築部材8,108を吊り上げ、凹部2の側面2bの所定位置に定置させる。その後、棒材16を抜き出してから玉掛けベルト15の一端15aを揚重機のフック17から外し、そのままフック17を上昇させることで玉掛けベルト15を抜き取る。このように、複数の遮水工構築部材8,108をまとめて吊り上げて定置させると各段で遮水工構築部材8,108の締め固めを行なうことができないが、既に述べたとおり、積層された遮水工構築部材8は、それよりも上段の遮水工構築部材8からの荷重により自然に締め固められるので、所定の密度と透水係数を確保することができる。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1,201 廃棄物埋設処分施設
2,202 凹部
2b,202b 凹部の側面
4,204 遮水工
8,108,208 遮水工構築部材
12,112,212 袋体
13 膨潤性止水材料
114 止水部
X 廃棄物
2,202 凹部
2b,202b 凹部の側面
4,204 遮水工
8,108,208 遮水工構築部材
12,112,212 袋体
13 膨潤性止水材料
114 止水部
X 廃棄物
Claims (7)
- 地山に形成された凹部の側面に沿って積層されて廃棄物埋設処分施設の側面部の遮水工を構築する遮水工構築部材であって、
網状の袋体の中に膨潤性止水材料が充填された構成からなることを特徴とする遮水工構築部材。 - 請求項1記載の遮水工構築部材において、
前記袋体の一部に止水性を有する止水部が形成されていることを特徴とする遮水工構築部材。 - 請求項1又は2記載の遮水工構築部材において、
前記袋体が生分解性材料からなることを特徴とする遮水工構築部材。 - 請求項1から3のいずれかに記載の遮水工構築部材において、
前記膨潤性止水材料として、ベントナイトを含有している材料又はベントナイトと砂礫との混合材料が用いられることを特徴とする遮水工構築部材。 - 請求項1から4のいずれかに記載の遮水工構築部材を製作する遮水工構築部材の製作方法において、
角筒形状の型枠の内側に前記袋体を配置し、該袋体内に前記膨潤性止水材料を充填することを特徴とする遮水工構築部材の製作方法。 - 地山に形成された凹部の側面部に形成される遮水工を構築する遮水工構築方法であって、
網状の袋体の中に膨潤性止水材料が充填された構成からなる遮水工構築部材を、前記凹部の側面に沿って積み重ねることを特徴とする遮水工構築方法。 - 地山に形成された凹部の中に廃棄物を埋設処分する廃棄物埋設処分施設であって、
前記凹部の側面部には、遮水工が形成され、
該遮水工は、網状の袋体の中に膨潤性止水材料が充填された構成からなる遮水工構築部材が、前記凹部の側面に沿って積み重ねられた構成からなることを特徴とする廃棄物埋設処分施設。
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