JP2004197418A - 土嚢 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トウモロコシの澱粉を主成分とする生分解性澱粉樹脂から製造し透水性を有する土嚢用袋に、古紙の細片,澱粉粉末,マンナン粉末及び珪藻土を混合した膨潤材を収納し、基本的には膨潤材は重量比率で、古紙の細片が50〜70%、澱粉粉末が15〜30%、マンナン粉末が10〜20%、珪藻土が10〜20%とし、膨潤材はシート状又はマット状に成形する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は土を使用しない土嚢に関するものであり、漏水,冠水などで残留する不要な水を吸水して除いたり、あるいは河川の氾濫などの場合に積み上げて遮水に用いることを目的とするものである。
【0002】
そして本発明は特に、吸水して膨張するスピードが早くしかも吸水量と保水量が高く、また古紙を大量に使用することにより廃棄物の有効利用が図れると共に、生分解性の天然材料を原料とすることにより使用後の処理が容易なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来土を使用しない土嚢としては、例えば特開2001−34852号公報に示されるように、水分の吸収材の主材として吸水性ポリマーを使用したものがある。
【0004】
また同様に土を使用しない他の土嚢としては、例えば特開2002−97614号公報に示されるように、水分の吸収材の主材として製紙した紙の破砕紙片と澱粉などの植物性高分子重合体を使用したものがある。
【0005】
一方、従来土嚢用の袋は麻,絹,棉などの植物繊維の編成袋や、ポリアミド,ポリイミド,ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレンなどの合成樹脂製の袋などが使用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
土を使用する土嚢は、洪水の防止に使用する際にいちいち土嚢袋に土砂を入れる作業を必要とし、火急の場合に間に合わない場合がある。一方、予め土砂を入れておいたのでは持ち運びに不便であり、また広大な保管場所を必要とする。さらに、旧来のこのような土嚢は漏水や冠水の際の吸水に使用するには適していない。
【0007】
そこで、本発明者らは上記各公報に示されるような土を使用しない土嚢を開発し、一応土嚢を必要とするときに速やかに使用可能な状態で簡単に保管でき、また吸水力を高めて漏水や冠水の際の吸水にも使用できるものとした。
【0008】
しかし、吸水ポリマーを使用するものは軽くて取扱には便利であったが、一方水を吸水して膨張するのに時間を要するため土嚢としての効果を発揮するまでに時間を要し、その上流れのあるところで使用すると比重が水より軽いことが災いして、水を吸水して土嚢が重くなる前に水の流れによって土嚢が流されてしまい、なかなか思った場所に土嚢を積み上げることができないという問題点があった。さらに、化学物質を使用しているので、使用後に簡単に焼却処分などができず、産業廃棄物として適切に処理する必要があり使用後の処分が面倒であった。
【0009】
また、製紙した紙の破砕紙片と澱粉などの植物性高分子重合体を使用したものは、水の保水力が弱くて膨潤材と使用した場合に土嚢として効果を発揮するほど十分吸水せず、したがって膨張しても圧力をかけたり持ちあげたりすると保水されない水が抜け落ちてしまい、その上時間の経過と共に澱粉から腐敗臭が発生するという問題点があった。
【0010】
さらに、上記のものは土嚢用袋の素材に従来と同様のものを使用していたために、土嚢としての使用後にそれを撤去する必要がある場合には、袋と中身を分けて処分するか、あるいは産業廃棄物として処理しなければならない場合もあり、いずれにしても使用済み土嚢の処分に不便な点があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明に係る土嚢は上記課題を解決するために、トウモロコシの澱粉を主成分とする生分解性澱粉樹脂から製造し透水性を有する土嚢用袋に、古紙の細片,澱粉粉末,マンナン粉末及び珪藻土を混合した膨潤材を収納したものである。
【0012】
また、上記土嚢において膨潤材は重量比率で、古紙の細片が50〜70%、澱粉粉末が15〜30%、マンナン粉末が10〜20%、珪藻土が10〜20%としたものである。
【0013】
さらに上記に加え、古紙の細片は0.5mm〜3mm角位のものを使用し、また澱粉粉末は穀物の澱粉を使用し、あるいは膨潤材はシート状又はマット状に成形したものである。
【0014】
【作用】
古紙の細片や澱粉は水分を吸収してふやけてその質量を増し、さらにマンナンは吸水して体積が膨張すると共に保水力が非常に高いので膨張した体積をある程度の圧力に抗して保持する。また、珪藻土も高い吸水性を有すると共に、膨潤材としてシート状やマット状に成形する際の接着剤の役割を果たし、更に土嚢の重量をある程度重くする役割もある。そして、これらの材料を混合したものを膨潤材として土嚢用袋内に収納しておくと、水を速やかに吸水してその体積と重量を増し土嚢としての機能を発揮することになる。
【0015】
さらに、古紙の細片は脱臭作用を有するので、澱粉から発生する腐敗臭を古紙が吸収することにより、土嚢から悪臭が発生することを防止できる。そして、土嚢用袋として生分解性澱粉樹脂を使用し、膨潤材も生分解性の材料のみを使用することにより、使用した土嚢は時間の経過と共に自然に還り使用後の後処理が不要となる。また、ダイオキシンを発生する材料を使用していないので、場合によっては焼却処分も簡単に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかる土嚢の製造方法に基づいて説明する。
先ず、古紙を粉砕機により0.5mm〜3mm角位の細片とする。より望ましくは1.0mm〜2.0mm角の細片とする。なお、この大きさは使用する古紙細片が全部この範囲になければならないということではなく、全体の7〜8割がこのような範囲に入っていればよい。
【0017】
次に、ミキサーに古紙細片,澱粉粉末,マンナン粉末,珪藻土及び適量の水を加え均一に混ぜ合わせる。そして、これを板状にプレスして固めた後所定の大きさにカットした後乾燥して膨潤材を製造する。なお、乾燥した後にカット処理を行ってもよい。また、接着剤として必要に応じてふのりを適量加えてもよい。
【0018】
なお、膨潤材は重量比率で、古紙の細片が50〜70%、澱粉粉末が15〜30%、マンナン粉末が10〜20%、珪藻土が10〜20%の範囲とする。より望ましくは、古紙の細片を60%、澱粉粉末を20%、マンナン粉末を10%、珪藻土を10%とする。マンナンを多くするとより高い保水力が得られるが、一般的にマンナンは高価な材料であるので、この程度の分量でマンナンを加えたことによる必要な効果は確保できる。
【0019】
澱粉粉末はとうもろこしなどの穀物の澱粉を使用するのが望ましいが、芋類などの澱粉を使用することも可能である。また、膨潤材は取扱の便宜のためにシート状やマット状に成形しておくが、場合によっては成形作業を省略し、膨潤材として必要材料を混合したものをそのまま成形しないで土嚢用袋に詰めて使用することも可能である。
【0020】
そして、この膨潤材をとうもろこしの澱粉を主成分とした生分解性澱粉樹脂で製造し透水性を有する土嚢用袋に詰めて土嚢とする。透水性の確保の方法はどのような方法でもよく、例えば袋に適当な大きさの透孔を多数穿設してもよく、あるいは適当な間隔が空くようにして袋状に編んだものでもよい。とうもろこしの澱粉を主成分とした生分解性澱粉樹脂は既に各種のものが市販されており、これらのものが使用可能である。主成分となるとうもろこしの澱粉の他に使用するものとしては、ポリ乳酸やキトサンや酢酸セルロースなどがある。なお、とうもろこしの澱粉(コーンスターチ)の添加量は一般的には50〜70%位である。
【0021】
[実施例]
次に、本発明にかかる土嚢の一実施例を図面に基づいて説明する。
1は本発明の土嚢であり、2はとうもろこしの澱粉を主成分とした生分解性澱粉樹脂で製造し透水性を有する土嚢用袋である。3は上記方法により、古紙の細片を60%、澱粉粉末を20%、マンナン粉末を10%、珪藻土を10%の割合で混合して製造してマット状に成形した膨潤材であり、土嚢用袋2内に収納してある。
【0022】
なお、本発明の土嚢について40cm×60cm×5cmの大きさで重量約3kgのものを使用して吸水試験を行ったところ、1分経過で19kg,1分30秒経過で22kgとなり2分経過で24kgとなってほぼ飽和状態となり容積も約20リットルとなった。なお、30秒経過時点でも約16kgとなり、吸水初期の吸水量が多いことが確認された。
【0023】
また、比重も約1.2〜1.3位あるので、水圧や土圧対しても耐えられる重量となることが確認された。したがって土留めなどに使用することが可能となり、またマンナンの保水効果により保水力が高まり5段以上の高さに積み上げて使用することができることも確認できた。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の土嚢によれば、トウモロコシの澱粉を主成分とする生分解性澱粉樹脂から製造し透水性を有する土嚢用袋に、古紙の細片,澱粉粉末,マンナン粉末及び珪藻土を混合した膨潤材を収納したので、吸水速度と膨張速度が速く、しかも保水力の高い土嚢となり、さらに使用後の処分が容易となる効果を有する。
【0025】
また、上記土嚢において膨潤材は重量比率で、古紙の細片が50〜70%、澱粉粉末が15〜30%、マンナン粉末が10〜20%、珪藻土が10〜20%としたので、古紙など本来廃棄処分してしまうものの再利用が可能となり、さらに生分解性の自然素材のみを使っており環境に対しても優しい土嚢となる。
【0026】
さらに上記に加え、古紙の細片は0.5mm〜3mm角位のものを使用すると吸水速度と膨張率のバランスが程よく調和し、また澱粉粉末は穀物の澱粉を使用すると大きな吸水量を確保でき、膨潤材はシート状又はマット状に成形しておくと袋詰め作業が簡単に行えると共に土嚢保管時に場所を取らずしかも使用時の取扱が便利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る土嚢の断面図である。
【符号の説明】
1 土嚢
2 土嚢用袋
3 膨潤材
Claims (6)
- トウモロコシの澱粉を主成分とする生分解性澱粉樹脂から製造し透水性を有する土嚢用袋に、古紙の細片,澱粉粉末,マンナン粉末及び珪藻土を混合した膨潤材を収納したことを特徴とする土嚢。
- 膨潤材は重量比率で、古紙の細片が50〜70%、澱粉粉末が15〜30%、マンナン粉末が10〜20%、珪藻土が10〜20%である請求項1記載の土嚢。
- 古紙の細片は0.5mm〜3mm角である請求項1又は請求項2記載の土嚢。
- 澱粉粉末は穀物の澱粉である請求項1又は請求項2記載の土嚢。
- 膨潤材はシート状又はマット状に成形してある請求項1,請求項2、請求項3又は請求項4記載の土嚢。
- 膨潤材にふのりが入っている請求項5記載の土嚢。
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2002
- 2002-12-19 JP JP2002367475A patent/JP2004197418A/ja not_active Ceased
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