JP3218678U - 土のう袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸水性ポリマーを使用した土のう袋を屋外で長期間放置しても、離水することなく土のうとしての機能を果たすことが可能な吸水性の土のう袋を提供する。
【解決手段】粉末状の高吸水性樹脂で構成される吸水体130に水を吸水させ、不透水性の内袋120で吸水体を収容して紫外線から吸水体を防護する。さらに、織布製の外袋110が内袋120を収容する。
【選択図】図1
【解決手段】粉末状の高吸水性樹脂で構成される吸水体130に水を吸水させ、不透水性の内袋120で吸水体を収容して紫外線から吸水体を防護する。さらに、織布製の外袋110が内袋120を収容する。
【選択図】図1
Description
本考案は、土のう袋に関し、特に水を吸水した吸水体を内容物とする吸水性の土のう袋に関する。
従来から、布袋の中に土砂を詰めて用いる土木資材である土のうが知られている。土のうは、麻袋などの布袋に土砂を詰めて縛り、それらを並べて積み上げることで、大雨時の河川氾濫を防いだり、建物内への浸水を防止したりすることができる。
土砂を詰める土のうは、大量の土砂を必要とするため、災害時用に大量の土砂を保管しておく必要がある。近年では、土砂を布袋内に詰める作業を軽減したり、布袋内に詰める土砂の保管領域を少なくしたりするため、土砂を布袋内に詰めない吸水性ポリマーを使用した土のう袋が開発されている(たとえば、特許文献1参照)。
この土砂を布袋内に詰めない吸水性ポリマーを使用した土のう袋は、あらかじめ布袋の中に吸水性ポリマーを入れて保管しておき、災害時などに水を布袋内に入れることで、吸水性ポリマーが大量の水を吸収して布袋内でゼリー状になるため、土のうとしての機能を果たすことが出来るようになっている。
しかし、吸水性ポリマーを使用した土のうを長期間屋外に放置しておくと、水を吸水した吸水性ポリマーが離水してしまう問題があった。
吸水性ポリマーを使用した土のう袋に大量の水を吸水させ、布袋内で吸水性ポリマーがゼリー状になった土のう袋を縛り上げ、その土のう袋を積み上げることで、土のうを形成させることができる。
吸水性ポリマーを使用した土のう袋に大量の水を吸水させ、布袋内で吸水性ポリマーがゼリー状になった土のう袋を縛り上げ、その土のう袋を積み上げることで、土のうを形成させることができる。
これにより、大雨時の河川氾濫を防いだり、建物内への浸水を防止したりすることができる。また、水害などの災害時は長期的に降雨が続くことが多く、通常は長期間にわたってこの土のう袋を積み上げた状態にしておくことが多い。
一方で、吸水性ポリマーは紫外線に弱く、長時間紫外線にさらされると、吸水した吸水性ポリマーが分解されてしまい、吸水した水が分離してしまう。このような紫外線に弱い吸水性ポリマーを利用した土のうを屋外で長期間放置しておくと、紫外線により離水した水が布から漏出してしまう問題が生じる。
このように、屋外で長期間にわたって積み上げられた土のうの内部で離水してしまった吸水性ポリマーは、布袋内でゼリー状態を維持することができないため、土のうとしての機能を果たすことが出来なくなる問題がある。
さらに、吸水性ポリマーは高温になると吸水した水を離水してしまう問題もある。長期間にわたってこの土のう袋を屋外に積み上げておくことで、日中の日差しを浴びた土のうは、内部が高温になってしまい、やがて吸水性ポリマーは離水してしまう。
この吸水性ポリマーを紫外線や熱から防護するためには、布袋を紫外線や熱から防護するコーティング加工することで、内容物の吸水性ポリマーを紫外線や熱から防護することも考えられるが、比較的安価で製造可能な土のう袋が、コーティング加工することで高額になってしまうため現実的ではなかった。
本考案はこのような点に鑑みてなされたものであり、吸水性ポリマーを使用した土のう袋を屋外で長期間放置しても、離水することなく土のうとしての機能を果たすことが可能な吸水性の土のう袋を提供することを目的とする。
本考案では上記問題を解決するために、水を吸水した吸水体を内容物とする吸水性の土のう袋において、前記吸水体を収容して紫外線から防護する不透水性の内袋と、前記内袋を収容する織布製の外袋とを備えることを特徴とする吸水性の土のう袋が提供される。
これにより、吸水体が水を吸水し、不透水性の内袋が、吸水体を収容して紫外線から防護し、織布製の外袋が内袋を収容する。
これにより、吸水体が水を吸水し、不透水性の内袋が、吸水体を収容して紫外線から防護し、織布製の外袋が内袋を収容する。
本考案の吸水性の土のう袋によれば、不透水性の内袋が、吸水体を収容して紫外線から防護し、織布製の外袋が内袋を収容するので、吸水性ポリマーを使用した土のう袋を屋外で長期間放置しても、離水することなく土のうとしての機能を果たすことが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る土のう袋の構成を示す断面図である。
図1に示すように、土のう袋100は、外袋110、内袋120、および吸水体130を備えている。
図1は、本実施の形態に係る土のう袋の構成を示す断面図である。
図1に示すように、土のう袋100は、外袋110、内袋120、および吸水体130を備えている。
土のう袋100による土のうの形成は、土のう袋100に注水し、注水した水を吸水体130が吸水して膨張することで、従来の土のう袋の内部に詰めていた土砂の代わりに、水を吸水した吸水体130が担うことで、土のうとしての機能を果たすことが出来るものである。
外袋110は、例えば麻やポリエチレン材などで織り込まれた織布による袋であって、外袋110の上部に設けられた開口部の下には、開口部を閉じるための綴じ紐111が備えられている。
また外袋110の外周面には、土のう袋100に注水した際に、水を入れる適切な量を示すための注水線112が備えられている。作業者は、この注水線112を確認しながら注水を行う。
内袋120は、外袋110の内側に設けられ、内部に吸水体130を収容するための袋体である。また内袋120は内部に収容される吸水体130を、紫外線から防護するためのものでもあり、例えば有色不透明のポリエチレンなどによる不透水性のビニール袋で形成される。
具体的には、黒色に着色されたポリエチレンなどによる不透水性のビニール袋を外袋110の内側に設けることで、外部から照射される紫外線から内部に収容される吸水体130を防護することができる。
さらに、外袋110の内側に黒色に着色されたポリエチレンなどによる不透水性のビニール袋からなる内袋120を設けることで、日中の日差しを浴びて外袋110および内袋120の内部に収容された吸水体130が高温になることを防止することができる。
なお、本実施の形態では、外袋110に内袋120を収容する例で示すが、外袋110の内側に内袋120を圧着させ、一体化することもできる。
なお、本実施の形態では、外袋110に内袋120を収容する例で示すが、外袋110の内側に内袋120を圧着させ、一体化することもできる。
吸水体130は、注水された水を吸水するためのものであり、例えば粉末状の吸水性ポリマーである。この吸水体130が、注水された水の中で攪拌されながら吸水し、やがて固化する。また吸水体130は、細断された吸水性ポリマーシートであってもよい。
図2は、外袋の詳細を示す図である。
図2に示すように、外袋110は、綴じ紐111および注水線112を備えている。
外袋110は、縦幅600mm×横幅480mmで形成される麻やポリエチレン材などで織り込まれた織布による袋である。
図2に示すように、外袋110は、綴じ紐111および注水線112を備えている。
外袋110は、縦幅600mm×横幅480mmで形成される麻やポリエチレン材などで織り込まれた織布による袋である。
織布による袋を外袋110とすることで、内容物を詰めた土のう袋100を積み上げた際に、織布の摩擦力によって土のう袋100の位置ズレや崩壊などを防止することができる。
外袋110の上部には開口部が設けられ、開口部の下には開口部を閉じるための綴じ紐111が巾着袋のように設けられている。綴じ紐111は、外袋110に設けられた筒状の紐通し部に綴じ紐111が通され、綴じ紐111を一方向に引っ張ることで開口部を閉じることができる。
外袋110の外周面には、土のう袋100に注水した際に、水を入れる適切な量を示すための注水線112が備えられている。外袋110の外周面だけでなく、内周面にも注水線112を備えることで、土のう袋100の内側からも注水量を確認しながら注水することができる。
図3は、内袋の詳細を示す図である。
図3に示すように、内袋120は、縦幅600mm×横幅500mmで形成される有色不透明のポリエチレンなどによる不透水性のビニール袋である。
図3に示すように、内袋120は、縦幅600mm×横幅500mmで形成される有色不透明のポリエチレンなどによる不透水性のビニール袋である。
内袋120は、外袋110の内部に収容され、注水した水が外部に漏出することを防ぐことができる。
また内袋120は、内部に収容される吸水体130を紫外線から防護するためのものでもあり、紫外線から防護するために、例えば有色不透明のポリエチレンのような素材のビニール袋で形成される。
また内袋120は、内部に収容される吸水体130を紫外線から防護するためのものでもあり、紫外線から防護するために、例えば有色不透明のポリエチレンのような素材のビニール袋で形成される。
なお紫外線は色によって紫外線を遮断する遮断率が異なる。また透明度が高いほど紫外線の透過率は高くなるため、内袋120の色は紫外線を遮断する遮断率が高い黒色に着色されることが好ましく、さらに紫外線の透過率を低くするため透明度を低くした有色不透明にすることが望ましい。
また内袋120は、紫外線から吸水体130を色による紫外線遮断効果で防護するだけでなく、内袋120を紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を含有した素材で形成することで、内部に収容される吸水体130を紫外線から防護することもできる。
紫外線吸収剤を内袋120に含有させることで、内袋120に紫外線が照射されても、内袋120に含有された紫外線吸収剤が、照射された紫外線を熱エネルギーなどに変換させて外部に放出させることができる。これにより、内部に収容された吸水体130を紫外線から防護することができる。
また紫外線散乱剤を内袋120に含有させることで、内袋120に紫外線が照射されても、内袋120に含有された紫外線散乱剤が、照射された紫外線を散乱させて反射させることができる。これにより、内部に収容された吸水体130を紫外線から防護することができる。
なお、紫外線吸収剤として使用される成分としては、メトキシケイヒ酸オクチル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、紫外線散乱剤として使用される成分としては、酸化チタンや酸化亜鉛などが挙げられる。
なお、本発明の実施の形態では、注水線112を外袋110の外周面に設けたが、注水線112を内袋120に設けることもできる。
なお、本発明の実施の形態では、注水線112を外袋110の外周面に設けたが、注水線112を内袋120に設けることもできる。
図4は、吸水体の詳細を示す図である。
図4に示すように、吸水体130は、粉末状に形成されたSAP(Superabsorbent polymer)と呼ばれる高吸水性高分子から構成される粉末状の高吸水性樹脂131の集合体であって、高吸水性樹脂131から構成される吸水体130は内袋120内に収容される。
図4に示すように、吸水体130は、粉末状に形成されたSAP(Superabsorbent polymer)と呼ばれる高吸水性高分子から構成される粉末状の高吸水性樹脂131の集合体であって、高吸水性樹脂131から構成される吸水体130は内袋120内に収容される。
吸水体130を内袋120内への主要する収容量は、吸水体130が吸水する吸水量によって適宜調節される。本実施の形態では、高吸水性樹脂131で構成される吸水体130を内袋120内へ320g収容する。
高吸水性樹脂131は、特に高い水分保持性能を備えており、自重の約350倍から600倍の水を吸収しゲル状態を形成するものである。高吸水性樹脂131から構成される吸水体130が吸収した水は、多少の圧力をかけても水を放出することなくゲル状態を保持することができる。
高吸水性樹脂131は、アクリル塩酸系で3次元に架橋された分子構造により、高吸水性樹脂131が水に触れると、カルボキシル基がイオン化し親水性が高まった分子鎖が水に溶けようと広がる。
これと同時にイオン濃度差によって生じる浸透圧で分子鎖間に水が入り込むとともに、マイナスイオン同士であるイオンの反発力によって3次元架橋で制限された領域まで分子鎖が広がり、分子鎖の内部に水が取り込まれた状態になる。
これにより、水に溶けようとして広がる分子鎖の作用と、架橋構造によって分子鎖の広がりを制限する作用とによって、高吸水性樹脂131は、速い吸水スピードと、高い吸水力とを得ることができる。
図5は、吸水体による吸水の前後を示す図である。
図5に示すように、吸水体130を構成する高吸水性樹脂131は、注水された水を分子鎖の内部に取り込むことで吸水し膨張する。
図5に示すように、吸水体130を構成する高吸水性樹脂131は、注水された水を分子鎖の内部に取り込むことで吸水し膨張する。
高吸水性樹脂131が吸水して膨張することで、吸水体130の容積は増加する。これにより水を溜め込んだ吸水体130が、土のう袋100の内部を満たすことができる。
また、高吸水性樹脂131が吸水してゲル化することで、吸水体130が土のう袋100内で安定し、土のう袋100が一定の形状を保持することができる。
また、高吸水性樹脂131が吸水してゲル化することで、吸水体130が土のう袋100内で安定し、土のう袋100が一定の形状を保持することができる。
図6は、土のうの形成工程の一部である注水工程を示す図である。
図6に示すように、土のう袋100の内部に水200を注水線112まで注水するために、外袋110と内袋120との開口部を一緒に外側に折り込むことで、外袋110と内袋120とに折曲部113と折曲部121とを形成する。
図6に示すように、土のう袋100の内部に水200を注水線112まで注水するために、外袋110と内袋120との開口部を一緒に外側に折り込むことで、外袋110と内袋120とに折曲部113と折曲部121とを形成する。
水200の水は、注水線112まで注水することで、約15リットルの水200を土のう袋100の内部に注水することができる。また本実施の形態では、水200を注水する例として挙げたが、水200の代わりに泥水をくみ上げて用いてもよい。また尿などの水分を利用することもできる。
このように折曲部113および121を形成することで、外袋110と内袋120とが開口部で一体化し、注水しても外袋110と内袋120とが位置ズレが生じることがない。
また折曲部113および121を形成することで、ここでは図示しない綴じ紐111が外側に折り込まれるので、土のう袋100の内部で吸水体130を攪拌しても、綴じ紐111が汚れることがない。
このため、綴じ紐111が吸水したゲル状の吸水体130によって汚れてしまうと土のう袋100の開口部を縛り上げる際に、縛りづらくなるという問題を解消することができる。
また、土のう袋100の内部に水200を注水線112まで注水することで、粉末状の吸水体130は内袋120の内部で水200と攪拌される。
また、土のう袋100の内部に水200を注水線112まで注水することで、粉末状の吸水体130は内袋120の内部で水200と攪拌される。
高吸水性樹脂131は粉末状に形成されているため、水200を内袋120の内部に注することで水200と高吸水性樹脂131とが自然と攪拌される。このため、高吸水性樹脂131の給水時間を短縮することができる。また攪拌されながら高吸水性樹脂131が吸水することで、土のう袋100の吸水体130が均一した状態で水200を吸水することができる。
図7は、土のうの形成工程の一部である注水工程の後の状態を示す図である。
図7に示すように、注水工程を行うと、すぐに吸水体130は水200を吸水して膨張してゲル化する。
図7に示すように、注水工程を行うと、すぐに吸水体130は水200を吸水して膨張してゲル化する。
注水することで水200を均等に吸水した高吸水性樹脂131による吸水体130の体積は増加し、土のう袋100の内部に吸水した吸水体130が安定するため、膨張した吸水体130は、高吸水性樹脂131を含んだ状態でゲル状になって土のう袋100の内部で留まる。
図8は、吸水した吸水体を含んだ土のう袋を縛る状態を示す図である。
図8に示すように、水200を吸水した吸水体130を内部に含んだ土のう袋100の綴じ紐111を一方向に引っ張りながら開口部を閉じる。
図8に示すように、水200を吸水した吸水体130を内部に含んだ土のう袋100の綴じ紐111を一方向に引っ張りながら開口部を閉じる。
引っ張った綴じ紐111は、絞って閉じられた土のう袋100の口の下を2〜3回廻し、廻した綴じ紐111の端を絞った元の綴じ紐111に巻き込むように通して強く引っ張り上げることで、土のう袋100の開口部を閉じることができる。
100 土のう袋
110 外袋
111 綴じ紐
112 注水線
113、121 折曲部
120 内袋
130 吸水体
131 高吸水性樹脂
200 水
110 外袋
111 綴じ紐
112 注水線
113、121 折曲部
120 内袋
130 吸水体
131 高吸水性樹脂
200 水
Claims (7)
- 水を吸水した吸水体を内容物とする吸水性の土のう袋において、
前記吸水体を収容して紫外線から前記吸水体を防護する不透水性の内袋と、
前記内袋を収容する織布製の外袋と、
を備えることを特徴とする吸水性の土のう袋。 - 前記内袋は、
有色不透明のビニール袋であること、
を特徴とする請求項1記載の吸水性の土のう袋。 - 前記ビニール袋は、
黒色であること、
を特徴とする請求項2記載の吸水性の土のう袋。 - 前記内袋は、
紫外線吸収材を含有した素材で形成されること、
を特徴とする請求項1記載の吸水性の土のう袋。 - 前記内袋は、
紫外線散乱剤を含有した素材で形成されること、
を特徴とする請求項1記載の吸水性の土のう袋。 - 前記吸水体は、
粉末状の高吸水性樹脂であること、
を特徴とする請求項1記載の吸水性の土のう袋。 - 前記吸水体に注水する際に適切な注水量を示す注水線、
を備えることを特徴とする請求項1記載の吸水性の土のう袋。
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