JP2020133107A - 吸水性袋土のう袋、および吸水性袋土のう袋の形成方法 - Google Patents

吸水性袋土のう袋、および吸水性袋土のう袋の形成方法 Download PDF

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【課題】土のう袋内に収容された吸水体が偏ることなく容易に攪拌される吸水性袋土のう袋、および吸水性袋土のう袋の形成方法を提供する。【解決手段】側部と底部とを有する有色不透明のポリエチレンなどによる不透水性の内袋120では、隔壁部122が、内袋120における縦方向の側部から内袋120の底部にかけて、内袋120を起立させた時に吸水体130を袋体の中央部へ誘導し、織布製の外袋110が、内袋120を収容する。【選択図】図1

Description

本発明は、吸水性袋土のう袋、および吸水性袋土のう袋の形成方法に関し、特に水を吸水した吸水体を内容物とする吸水性の土のう袋に関する。
従来から、布袋の中に土砂を詰めて用いる土木資材である土のうが知られている。土のうは、麻袋などの布袋に土砂を詰めて縛り、それらを並べて積み上げることで、大雨時の河川氾濫を防いだり、建物内への浸水を防止したりすることができる。
土砂を詰める土のうは、大量の土砂を必要とするため、災害時用に大量の土砂を保管しておく必要がある。近年では、土砂を布袋内に詰める作業を軽減したり、布袋内に詰める土砂の保管領域を少なくしたりするため、土砂を布袋内に詰めない吸水性ポリマーを使用した土のう袋が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−59211号公報
しかし、水を吸水するために布袋内に収められた吸水性ポリマーは、粉末状の粒子であるため、布袋内に注水しても吸水性ポリマーが均一に攪拌されないため吸水性ポリマーに偏りがしょうじてしまい、土のう全体での保水能力が低下してしまう問題があった。
図11は、吸水性ポリマーを使用した従来の土のう袋を示す図である。 図11に示すように、土のう袋10は、外袋11、および吸水体12を備えている。 外袋11は、例えば綿、麻、ジュート、合繊繊維などで吸水性ポリマー粒子を通過させない程度に織り込まれ、上部が開口された袋体である。外袋11の上部開口部には、開口部を閉じるための綴じ紐11Aが備えられている。
吸水体12は外袋11の内部に収容され、外袋11の内部に注水された水を吸水するためのものであり、例えば粉末状の吸水性ポリマーである。この吸水体12が、注水された水の中で攪拌されながら吸水し、やがてゼリー状に固化する。
図12は、吸水性ポリマーを使用した従来の土のう袋に注水する様子を示す図である。 図12に示すように、土のう袋10は、例えば折返部11Bのように外袋11の上部を外側に折り返して上部開口部を広げた状態で地面20の上で安定させ、外袋11に収容された吸水体12の上から水30を注水する。
このとき、土のう袋10と地面20とが接する部分では、外袋11の内部に収容された吸水体12の重量により吸水体12が土のう袋10の外側に広がるため、外袋11の下側隅部11Cでは内部に吸水体12を含んだ状態で外袋11の下側閉口部と外袋11の側面とがやや折り重なった状態で外側に広がる。
このため下側隅部11C付近に収容された吸水体12は、外袋11の中央部付近に収容された吸水体12と比較して攪拌されにくく、うまく吸水できない状態の吸水体12が下側隅部11Cに残ってしまっていた。
このため土のう袋10の内部に必要な水30を注水しても、吸水できない状態の吸水体12が下側隅部11Cに残ってしまうため、吸水体12が必要な水30を吸水することができないため土のう全体での保水能力が低下し完全に固化することができない。このため土のうが固化せずに不安定になる、必要な容積の土のうが形成できない、などの問題につながる恐れがあった。
この下側隅部11Cに残ってしまう吸水体12を水30と攪拌させるためには、注水後に長い棒などの撹拌棒を外袋11の内部に入れて、下側隅部11C付近をかき混ぜて攪拌させることが考えられる。
しかし土のう袋に水を注水した後に、ひとつひとつ土のう袋の中に撹拌棒をいれて下側隅部11C付近をかき混ぜるのは非常に手間であり、煩わしさを伴う作業であって。また外袋11の下側隅部11C付近で撹拌棒をかき混ぜるため、撹拌棒の先端が外袋11の内側と接触し、外袋11を損傷させてしまう恐れがある。
万が一、外袋11に穴があいてしまった場合、外袋11から吸水体12や水30、または水30を吸水したゼリー状に固化した吸水性ポリマーが外袋11に生じた穴から漏出してしまうことが考えられる。
このように外袋11から漏出したゼリー状の吸水性ポリマーは、作業員が踏んでしまうと、滑って転倒することが考えられ非常に危険である。また、時間と共に外袋11に生じた穴から漏出したゼリー状の吸水性ポリマーは、土のうの積み上げ時に、土のうと土のうとの摩擦を軽減させる潤滑剤となってしまい、積み上げた土のうが崩壊してしまう危険性が考えられる。 このため外袋11を傷つけることなく外袋11の下側隅部11C付近に残りやすい吸水体12を土のう袋10内全体で攪拌させることは非常に重要なことである。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、土のう袋内に収容された吸水体が偏ることなく容易に攪拌される吸水性袋土のう袋、および吸水性袋土のう袋の形成方法を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、水分を吸水した吸水体を内容物とする吸水性土のう袋において、側部と底部とを有する袋体であって、前記側部から前記底部にかけて、前記袋体の起立時に前記吸水体を前記袋体の中央部へ誘導する傾斜部を備える不透水性の内袋と、前記内袋を収容する織布製の外袋とを備えることを特徴とする吸水性土のう袋が提供される。
これにより、不透水性の内袋では、傾斜部が、側部と底部とを有する袋体であって、側部から底部にかけて、袋体の起立時に吸水体を袋体の中央部へ誘導し、織布製の外袋が、内袋を収容する。
また、本発明では、水分を吸水した吸水体を内容物とする吸水性土のう袋の製造方法において、 側部と底部とを有する前記吸水体を収容するための不透水性の内袋の前記側部から前記底部にかけて、前記袋体の起立時に前記吸水体を前記袋体の中央部へ誘導する傾斜部を形成する工程と、前記内袋を織布製の外袋に収容する工程と、前記内袋に前記吸水体を収容する工程とを備えることを特徴とする吸水性土のう袋の製造方法が提供される。
これにより、不透水性の内袋では、傾斜部が、側部と底部とを有する袋体であって、側部から底部にかけて、袋体の起立時に吸水体を袋体の中央部へ誘導し、織布製の外袋が、内袋を収容する。
本発明の吸水性袋土のう袋、および吸水性袋土のう袋の形成方法によれば、不透水性の内袋は、分離領域が、吸水体を収容する袋体の閉口した底部に形成された隅部で、隅部と内容物を収容する内部領域とを分離し、織布製の外袋が、内袋を収容するので、土のう袋内に収容された吸水体が偏ることなく容易に攪拌することができる。
本実施の形態に係る土のう袋の構成を示す断面図である。 外袋の詳細を示す図である。 内袋の詳細を示す図である。 分離領域の形状例を示す図である。 吸水体の詳細を示す図である。 吸水体による吸水の前後を示す図である。 土のうの形成工程の一部である注入開始準備状態を示す図である。 土のうの形成工程の一部である注水工程を示す図である。 土のうの形成工程の一部である注水工程の後の状態を示す図である。 吸水した吸水体を含んだ土のう袋を縛る状態を示す図である。 吸水性ポリマーを使用した従来の土のう袋を示す図である。 吸水性ポリマーを使用した従来の土のう袋に注水する様子を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。 図1は、本実施の形態に係る土のう袋の構成を示す断面図である。 図1に示すように、土のう袋100は、外袋110、内袋120、および吸水体130を備えている。
土のう袋100による土のうの形成は、土のう袋100の内部に水を注水し、注水した水を吸水体130が吸水して膨張することで、従来の土のう袋の内部に詰めていた土砂の代わりに、水を吸水した吸水体130が担うことで、土のうとしての機能を果たすことができるものである。
外袋110は、例えば麻やポリエチレン材などで織り込まれた織布による平らな袋体であって、外袋110の上部に設けられた開口部の下には、開口部を閉じるための綴じ紐111が備えられている。
また外袋110の外周面には、土のう袋100に注水した際に、水を入れる適切な量を示すための注水線112が備えられている。作業者は、この注水線112を確認しながら注水を行う。
内袋120は、外袋110の内側に設けられ、内部に吸水体130を収容するための上部が開口された平らな袋体である。平らな袋体を利用することで、マチ付きの袋体よりも形成される角部が少なくなり、角部に溜まる吸水体130を低減させることができる。
また内袋120は内部に収容される吸水体130を、紫外線から保護するためのものでもあり、例えば有色不透明のポリエチレンなどによる不透水性のビニール袋で形成される。
具体的には、黒色に着色されたポリエチレンなどによる不透水性のビニール袋を外袋110の内側に設けることで、外部から照射される紫外線から内部に収容される吸水体130を保護することができる。
さらに、外袋110の内側に黒色に着色されたポリエチレンなどによる不透水性のビニール袋からなる内袋120を設けることで、日中の日差しを浴びて外袋110および内袋120の内部に収容された吸水体130が高温になることを防止することができる。
また内袋120の閉口された底部の両端には隅部121が形成されており、この隅部121付近に内部に収容される吸水体130が進入してしまうことを防止するための隔壁部122が形成されている。
隔壁部122は、内袋120の閉口された底部から、内袋120の縦方向の側面の端部にわたって内袋120の表面と裏面との内側が例えば熱溶着などで溶着された溶着壁である。
この隔壁部122を隅部121より内側の内袋120内部に形成することで、内袋120の内部に吸水体130が収容される内部領域と、内袋120の閉口された底部の両端に形成された隅部121とを分離することができ、吸水体130が隅部121に入り込んでしまうことを防止することができる。
これにより、注水時に隅部121付近に溜まって攪拌されにくい吸水体130が生じてしまうことを防止することができるので、土のう袋100の内部に収容された吸水体130が偏ることなく容易に攪拌することができる。
吸水体130は、注水された水を吸水するためのものであり、例えば粉末状の吸水性ポリマーである。この吸水体130が、注水された水の中で攪拌されながら吸水し、やがて固化する。また吸水体130は、細断された吸水性ポリマーシートであってもよい。
なお、本実施の形態では
、外袋110に内袋120を収容する例で示すが、外袋110の内側に内袋120を圧着させ、一体化することもできる。この場合、内袋120が一体化した外袋110の閉口された底部の両端に形成される隅部に吸水体130が進入してしまうことを防止するための隔壁部を形成することもできる。
図2は、外袋の詳細を示す図である。 図2に示すように、外袋110は、綴じ紐111および注水線112を備えている。 外袋110は、縦幅600mm×横幅480mmで形成される麻やポリエチレン材などで織り込まれた織布による平らな袋体である。
織布による袋を外袋110とすることで、内容物を詰めた土のう袋100を積み上げた際に、織布の摩擦力によって土のう袋100の位置ズレや崩壊などを防止することができる。
外袋110の上部には開口部が設けられ、開口部の下には開口部を閉じるための綴じ紐111が巾着袋のように設けられている。綴じ紐111は、外袋110に設けられた筒状の紐通し部に綴じ紐111が通され、綴じ紐111を一方向に引っ張ることで開口部を閉じることができる。
外袋110の外周面には、土のう袋100に注水した際に、水を入れる適切な量を示すための注水線112が備えられている。外袋110の外周面だけでなく、内周面にも注水線112を備えることで、土のう袋100の内側からも注水量を確認しながら注水することができる。
図3は、内袋の詳細を示す図である。 図3に示すように、内袋120は、縦幅580mm×横幅500mmで形成される有色不透明のポリエチレンなどによる不透水性のビニール袋である。
内袋120は、外袋110の内部に収容され、注水した水や水を含んだ吸水体130が外袋110の外部に漏出することを防ぐことができる。 また内袋120は、内部に収容される吸水体130を紫外線から保護するためのものでもあり、紫外線から保護するために、例えば有色不透明のポリエチレンのような素材のビニール袋で形成される。
なお紫外線は色によって紫外線を遮断する遮断率が異なる。また透明度が高いほど紫外線の透過率は高くなるため、内袋120の色は紫外線を遮断する遮断率が高い黒色に着色されることが好ましく、さらに紫外線の透過率を低くするため透明度を低くした有色不透明にすることが望ましい。
また内袋120は、紫外線から吸水体130を色による紫外線遮断効果で保護するだけでなく、内袋120を紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を含有した素材で形成することで、内部に収容される吸水体130を紫外線から保護することもできる。
紫外線吸収剤を内袋120に含有させることで、内袋120に紫外線が照射されても、内袋120に含有された紫外線吸収剤が、照射された紫外線を熱エネルギーなどに変換させて外部に放出させることができる。これにより、内部に収容された吸水体130を紫外線から保護することができる。
また紫外線散乱剤を内袋120に含有させることで、内袋120に紫外線が照射されても、内袋120に含有された紫外線散乱剤が、照射された紫外線を散乱させて反射させることができる。これにより、内部に収容された吸水体130を紫外線から保護することができる。
なお、紫外線吸収剤として使用される成分としては、メトキシケイヒ酸オクチル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ、紫外線散乱剤として使用される成分としては、酸化チタンや酸化亜鉛などが挙げられる。
また内袋120の閉口された底部の両端には隅部121が形成されており、この隅部121付近に内部に収容される吸水体130が進入してしまうことを防止するための隔壁部122が形成されている。
隔壁部122は、内袋120の閉口された底部から、内袋120の縦方向の側面端部にわたって内袋120の表面と裏面との内側が例えば熱溶着などで溶着された溶着壁である。
具体的な例としては、内袋120の閉口された底部における隅部121から110mmの地点から内袋120の縦方向の側面端部にわたって150mmの隔壁部122が形成される。
この場合、内袋120の閉口された底部の両端部には、隔壁部122によって分離された底辺110mm、斜辺150mm、高さ102mmの直角三角形状の分離領域123が形成される。
この分離領域123は、隔壁部122によって分離されていればよいが、分離領域123全体を例えば熱溶着などで内袋120の表面と裏面との内側を溶着することで、隅部121付近に内部に収容される吸水体130が進入してしまうことを防止するようにしてもよい。
また、分離領域123のうち隔壁部122の部分のみを残し、隔壁部122を除いた分離領域123の部分を除去しても、隔壁部122により内袋120の内側に吸水体130が留まるので、本実施の形態と同様に内袋120の内部で吸水体130は攪拌される。
また分離領域123の高さは102mmであり、内袋120の高さ580mmに対して約1/5の高さである。これは、土のう袋100の内部に収容された水を含んだ吸水体130が外部に漏出しないようには、開口された土のう袋100の上部を縛って閉口する必要があるが、この開口部を縛って閉口するために十分な高さを得るために、分離領域123の高さを必要以上に高くしないことが必要である。 なお、本発明の実施の形態では、注水線112を外袋110の外周面に設けたが、注水線112を内袋120に設けることもできる。
図4は、分離領域の形状例を示す図である。 図4(A)に示すように、内袋120の閉口された底部の両端部には、隔壁部122によって分離された分離領域123が設けられており、内袋120の閉口された底部から内袋120の側面の端部にかけて、直線状に隔壁部122が形成されている。
一方で、図4(B)では、内袋120の閉口された底部の両端部には、隔壁部122によって分離された分離領域123が設けられており、内袋120の閉口された底部から内袋120の側面の端部にかけて、隅部121側に屈曲した曲線状に隔壁部122が形成されている。
図4(B)のように曲線状に隔壁部122を形成することで、図4(A)と比較しても角部が形成することなく分離領域123を設けることができる。これにより、角部に吸水体130が溜まってしまうことを抑制することができる。
図5は、吸水体の詳細を示す図である。 図5に示すように、吸水体130は、粉末状に形成されたSAP(Superabsorbent polymer)と呼ばれる高吸水性高分子から構成される粉末状の高吸水性樹脂131の集合体であって、高吸水性樹脂131から構成される吸水体130は内袋120内に収容される。
吸水体130を内袋120内への主要する収容量は、吸水体130が吸水する吸水量によって適宜調節される。本実施の形態では、高吸水性樹脂131で構成される吸水体130を内袋120内へ320g収容する。
高吸水性樹脂131は、特に高い水分保持性能を備えており、自重の約350倍から600倍の水を吸収しゲル状態を形成するものである。高吸水性樹脂131から構成される吸水体130が吸収した水は、多少の圧力をかけても水を放出することなくゲル状態を保持することができる。
高吸水性樹脂131は、アクリル塩酸系で3次元に架橋された分子構造により、高吸水性樹脂131が水に触れると、カルボキシル基がイオン化し親水性が高まった分子鎖が水に溶けようと広がる。
これと同時にイオン濃度差によって生じる浸透圧で分子鎖間に水が入り込むとともに、マイナスイオン同士であるイオンの反発力によって3次元架橋で制限された領域まで分子鎖が広がり、分子鎖の内部に水が取り込まれた状態になる。
これにより、水に溶けようとして広がる分子鎖の作用と、架橋構造によって分子鎖の広がりを制限する作用とによって、高吸水性樹脂131は、速い吸水スピードと、高い吸水力とを得ることができる。
図6は、吸水体による吸水の前後を示す図である。 図6に示すように、吸水体130を構成する高吸水性樹脂131は、注水された水を分子鎖の内部に取り込むことで吸水し膨張する。
高吸水性樹脂131が吸水して膨張することで、吸水体130の容積は増加する。これにより水を溜め込んだ吸水体130が、土のう袋100の内部を満たすことができる。 また、高吸水性樹脂131が吸水してゲル化することで、吸水体130が土のう袋100内で安定し、土のう袋100が一定の形状を保持することができる。
図7は、土のうの形成工程の一部である注入開始準備状態を示す図である。 図7に示すように、土のう袋100は、例えば外袋110の上端部113および内袋120の上端部121を外側に折り返して上部開口部を広げた状態で地面20の上に開口状態で安定させる。
このとき、土のう袋100と地面20とが接する部分では、外袋110および内袋120の内部に収容された吸水体130の重量により吸水体130が土のう袋100の外側に広がる。
ところが、内袋120の閉口された底部の両端には、隔壁部122によって分離された分離領域123が形成されているため、吸水体130を内部に含まない分離領域123だけが外側に広がることになる。これにより吸水体130が隅部121付近に溜まることがなくなる。
図8は、土のうの形成工程の一部である注水工程を示す図である。 図8に示すように、外袋110の上端部113および内袋120の上端部121を外側に折り返して上部開口部を広げた状態で地面20の上に開口状態で安定させ、土のう袋100の中に水200を注水する。
水200の水は、注水線112まで注水することで、約15リットルの水200を土のう袋100の内部に注水することができる。また本実施の形態では、水200を注水する例として挙げたが、水200の代わりに泥水をくみ上げて用いてもよい。また尿などの水分を利用することもできる。
このように上端部113および上端部121を一緒に外側に折り曲げることで、外袋110と内袋120とが開口部で一体化し、注水しても外袋110と内袋120とが位置ズレが生じることがない。
また上端部113および121を形成することで、ここでは図示しない綴じ紐111が外側に折り込まれるので、土のう袋100の内部で吸水体130を攪拌しても、綴じ紐111が汚れることがない。
このため、綴じ紐111が吸水したゲル状の吸水体130によって汚れてしまうと土のう袋100の開口部を縛り上げる際に、縛りづらくなるという問題を解消することができる。
また、土のう袋100の内部に水200を注水線112まで注水することで、粉末状の吸水体130は内袋120の内部で水200と自然に攪拌される。 例えば、土のう袋100の内部に水200を注水すると、図8の矢印のように、土のう袋100の底部に接した水200は外側方向に広がり、やがて内袋120に形成された隔壁部122に到達する。
隔壁部122は、内袋120の底部から側面に沿って形成されているため、水200も隔壁部122に沿って移動する。やがて水200は重力によって内側になだれ込み、注水された水200と共に内袋120の内部を渦状に流れる。これにより吸水体130は、分離領域123を除く内袋120の内部で攪拌される。
また高吸水性樹脂131は粉末状に形成されているため、水200を注水して水200が内袋120の内部で渦状に流れることで、高吸水性樹脂1
31と水200とが自然に攪拌される。このため、高吸水性樹脂131の給水時間を短縮することができる。また攪拌されながら高吸水性樹脂131が吸水することで、土のう袋100の吸水体130が均一した状態で水200を吸水することができる。
また従来の土のう袋10では、土のう袋10の底部両端部で折り重なった部分に、吸水体12が残ってしまうことがあったが、本実施の形態の土のう袋100のように、土のう袋100の底部両端部で折り重なる部分に、吸水体130が入り込んでしまうことを防止する分離領域123を設けることで、土のう袋100の底部両端部で折り重なる部分に吸水体130が残ってしまうことを防止することができる。
図9は、土のうの形成工程の一部である注水工程の後の状態を示す図である。 図9に示すように、注水工程を行うと、すぐに吸水体130は水200を吸水して膨張してゲル化する。
注水することで水200を均等に吸水した高吸水性樹脂131による吸水体130の体積は増加し、土のう袋100の内部に吸水した吸水体130が安定するため、膨張した吸水体130は、高吸水性樹脂131を含んだ状態でゲル状になって土のう袋100の内部で留まる。
図10は、吸水した吸水体を含んだ土のう袋を縛る状態を示す図である。 図10に示すように、水200を吸水した吸水体130を内部に含んだ土のう袋100の綴じ紐111を一方向に引っ張りながら開口部を閉じる。
引っ張った綴じ紐111は、絞って閉じられた土のう袋100の口の下を2〜3回廻し、廻した綴じ紐111の端を絞った元の綴じ紐111に巻き込むように通して強く引っ張り上げることで、土のう袋100の開口部を閉じることができる。
10、100 土のう袋 11、110 外袋 11A、111 綴じ紐 11B 折返部 11C 下側隅部 12、130 吸水体 20 地面 30、200 水 112 注水線 113、121 上端部 120 内袋 121 隅部 122 隔壁部 123 分離領域 131 高吸水性樹脂

Claims (11)

  1. 水分を吸水した吸水体を内容物とする吸水性土のう袋において、 側部と底部とを有する袋体であって、前記側部から前記底部にかけて、前記袋体の起立時に前記吸水体を前記袋体の中央部へ誘導する傾斜部を備える不透水性の内袋と、 前記内袋を収容する織布製の外袋と、 を備えることを特徴とする吸水性土のう袋。
  2. 前記内袋は矩形の平袋であって、 前記傾斜部は、 前記側部から前記底部にかけて形成された傾斜壁であること、 を特徴とする請求項1記載の吸水性土のう袋。
  3. 前記傾斜壁は、 前記側部の前側面と後側面とを溶着した溶着壁であること、 を特徴とする請求項2記載の吸水性土のう袋。
  4. 前記傾斜壁は、 前記側部から前記底部にかけて外側に屈曲した曲線であること、 を特徴とする請求項3記載の吸水性土のう袋。
  5. 前記内袋は、 前記傾斜壁を越えて外側に形成された前記平袋の側端部が除去されたこと、 を特徴とする請求項2記載の吸水性土のう袋。
  6. 前記内袋は、 前記傾斜壁から外側に形成された前記平袋の側端部が圧着されたこと、 を特徴とする請求項2記載の吸水性土のう袋。
  7. 前記外袋は、 前記内袋の代わりに、前記外袋の内側面に不透水化させる不透水手段、 を備え、 前記不透水手段を備えた外袋は、 前記外袋を構成する外袋側部から外袋底部にかけて、前記不透水手段を備えた外袋の起立時に前記吸水体を前記不透水手段を備えた外袋の中央部へ誘導する外袋傾斜部、 を備えることを特徴とする請求項1記載の吸水性土のう袋。
  8. 前記傾斜部は、 注水後に前記内袋を縛って閉口するために十分な高さを前記側部に残して形成されること、 を特徴とする請求項1記載の吸水性土のう袋。
  9. 前記吸水体は、 粉末状の高吸水性樹脂であること、 を特徴とする請求項1記載の吸水性土のう袋。
  10. 前記内袋は、 紫外線から前記吸水体を保護する紫外線保護手段、 を備えていることを特徴とする請求項1記載の吸水性土のう袋。
  11. 水分を吸水した吸水体を内容物とする吸水性土のう袋の製造方法において、 側部と底部とを有する前記吸水体を収容するための不透水性の内袋の前記側部から前記底部にかけて、前記袋体の起立時に前記吸水体を前記袋体の中央部へ誘導する傾斜部を形成する工程と、 前記内袋を織布製の外袋に収容する工程と、 前記内袋に前記吸水体を収容する工程と、 を備えることを特徴とする吸水性土のう袋の製造方法。
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