JP4699081B2 - 保水性舗装およびその舗設方法 - Google Patents

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Description

本発明は給水手段を有する保水性舗装およびその舗設方法に関し、特に、不透水層の上に積層された透水層の間隙に粒状物および保水性グラウト材を充填し、さらに前記透水層に水を供給する給水手段を設けることにより路面温度の上昇を効率的に抑制する機能をもたせた舗装およびその舗設方法に関する。
従来、路面温度の上昇を抑制する機能を有する舗装としては、舗装体内に保水された水が蒸発して潜熱を奪うことにより路面温度の上昇を抑制する保水性舗装が知られており、本出願人は特許文献1で開粒度アスファルト混合物からなる舗装体の空隙に粒状物と保水性グラウト材を充填した保水性舗装を提案した。
特開2004−257002号公報
本発明の目的は、上記した保水性舗装をさらに改良することにあり、特にハイドロプレーニング現象の発生を抑制したうえ、路面温度の上昇をさらに効率的に抑制する機能を有する給水型の保水性舗装およびその舗設方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1に、不透水層の上に、粗骨材どうしの間に舗装表面から下端部に亘って連通する間隙が形成されるように該粗骨材をアスファルト系バインダで結合した透水層が積層された舗装において、該透水層が、その下部に形成された間隙に粒状物が充填された滞水層と、該滞水層の上方に形成された間隙に保水性グラウト材が充填された保水層とを含んで構成されていると共に、舗装表面部の粗骨材の少なくとも一部が充填された保水性グラウト材と連続した保水性グラウト材で被覆されたうえ表面が凹凸表面を維持しており、さらに該滞水層に水を供給する給水手段を有することを特徴とする保水性舗装である。
本発明は、第2に、滞水層と保水層との間の間隙に粒状物と保水性グラウト材とが混在している部分が存在することを特徴とする上記の保水性舗装である。
本発明は、第3に、不透水層が、アスファルト混合物層上に遮水性シートを敷設して構成されていることを特徴とする上記の保水性舗装である。
本発明は、第4に、粒状物が、連通する間隙が舗装表面凹部に開口する位置まで充填されていることを特徴とする上記の保水性舗装である。
本発明は、第5に、粗骨材の少なくとも一部が舗装表面に露出していることを特徴とする上記の保水性舗装である。
本発明は、第6に、給水手段が、滞水層に埋設された透水型給水管と、該透水型給水管に水を供給する給水制御装置付き貯水槽とを含んで構成されていることを特徴とする上記の保水性舗装である。
本発明は、第7に、不透水層の上に透水型給水管を設置する第1工程と、該不透水層の上に粗骨材をアスファルト系バインダで結合した混合物を舗設して該粗骨材どうしの間に間隙が形成された透水層を構築する第2工程と、粒状物を連通する間隙が舗装表面凹部に開口する位置まで充填する第3工程と、充填した粒状物の上方に保水性グラウト材を充填する第4工程と、該透水型給水管を給水制御装置付き貯水槽と接続する第5工程と、を含むことを特徴とする保水性舗装の舗設方法である。
本発明の保水性舗装によれば次の効果が得られる。
第1に、給水手段から滞水層へ供給された水が保水層に保水され、その水が蒸発して潜熱を奪うので、降雨が少ない時期であっても路面温度の上昇を抑制する機能を発揮することができると共に、舗装表面が凹凸面であるので、路面に降った雨水がそのくぼみを通って排水され舗装表面の排水機能が高くなるためにハイドロプレーニング現象の発生を抑制することができ、さらに保水層の表面積が大きいために水の蒸発面積が大きくなるので潜熱を奪う効果を効率的に発揮することができる。
第2に、施工性を考慮すれば、滞水層と保水層との間の間隙に粒状物と保水性グラウト材とを混在させることが効率的だが、その場合でも路面温度の上昇を抑制する機能を十分に発揮することができる。
第3に、アスファルト混合物層上に遮水性シートを敷設して不透水層を構成しているので、透水層に含まれる水が不透水層を構成するアスファルト混合物層に浸透する恐れが少なく、該混合物層の耐久性を高めることができる。
第4に、粒状物が、連通する間隙が舗装表面凹部に開口する位置まで充填されて滞水層が形成され、その上方に形成される保水性グラウト材が充填された保水層が薄層となるので、滞水層から保水層へ供給された水を速やかに蒸発させることができ、路面温度の上昇を抑制する機能をすぐに発現させることができる。
第5に、粗骨材の少なくとも一部が舗装表面に露出しているので、走行車両のタイヤと路面とのすべり抵抗性が高くなり車両の安全な走行を確保することができる。
第6に、給水手段が、滞水層に埋設された透水型給水管と、該透水型給水管に水を供給する給水制御装置付き貯水槽とを含んで構成されるので、水の蒸発量に応じて効率的に水を供給することができる。
また、本発明の保水性舗装の舗設方法によれば、上記した効果を有する保水性舗装をより効率的に舗設することができる。
図1および図2に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の保水性舗装は、不透水層の上に、粗骨材どうしの間に舗装表面から下端部に亘って連通する間隙が形成されるように該粗骨材をアスファルト系バインダで結合した透水層が積層された舗装において、該透水層が、その下部に形成された間隙に粒状物が充填された滞水層と、該滞水層の上方に形成された間隙に保水性グラウト材が充填された保水層とを含んで構成されていると共に、舗装表面部の粗骨材の少なくとも一部が充填された保水性グラウト材と連続した保水性グラウト材で被覆されたうえ舗装表面が凹凸表面を維持しており、さらに該滞水層に水を供給する給水手段を有している。
図1に記載される不透水層は、その上に形成された滞水層に供給された水が下層に浸透することを防ぎ、該滞水層に水を貯留させる機能を発揮させるためのものである。本発明で用いることができる不透水層としては、アスファルト混合物層、コンクリート舗装版または鋼床版などがあり、さらにこれらの上に遮水性シートまたはゴム入りアスファルト乳剤層などを設けてもよい。本発明の遮水性シートとしては、不織布に加熱溶融したゴムアスファルトを含浸被覆してその表面に砂などをまぶした防水シートなど、適宜のシートを用いることができる。
前記不透水層の上には、粗骨材どうしの間に間隙が形成されるように該粗骨材をアスファルト系バインダで結合した透水層が積層される。該透水層を構成する粗骨材としては、「舗装施工便覧」((社)日本道路協会、平成13年12月発行)に記載される砕石などを用いることができ、アスファルト系バインダとしては「舗装施工便覧」に記載される舗装用石油アスファルトなどを用いることができる。特に、舗装の耐流動性および耐摩耗性を向上させるために、改質アスファルトII型を用いた空隙率20〜30%程度の開粒度アスファルト混合物を透水層として用いることが好ましい。また、前記透水層の厚さは特に限定されないが、水の蒸発効率と経済性などを考慮すると2〜8cm程度が好ましい。
前記透水層は、該透水層を構成する粗骨材どうしの間に間隙を有している。滞水層は、前記透水層の下部に形成された間隙に粒状物が充填されて形成されており、降雨などにより舗装表面から保水層を通して浸透した水または給水手段により直接透水層へ供給された水を、前記間隙と前記粒状物との隙間または該粒状物どうしの隙間に貯留する機能を有している。このとき、該滞水層に貯留された水が前記透水層の端部から外へ流出することを防ぐために、該滞水層の側方に形成される間隙に不透水性の材料を充填するとよい。本発明で用いることができる粒状物は、前記透水層に形成された間隙の連続空隙部分を通過して前記滞水層へ充填可能な大きさであればよいが、注入後の粒状物の間隙中における分布状態などを考慮すると2.5mm以下であることが好ましい。
本発明の粒状物としては無機粒子を用いることができ、その典型例は砂である。本発明で用いることができる砂としては、川砂、山砂または海砂などの天然砂、岩石や玉石を破砕して製造した人工砂、スクリーニングス、珪砂、高炉水砕スラグおよびクリンカーアッシュなどがある。砂以外の無機粒子の例としては、ガラスビーズ、セラミック粒子および多孔質粒子などがある。本発明の粒状物として有機粒子を用いることもでき、硬化したプラスチック粉および硬質木材の木粉などがある。
保水層は、前記透水層の下部に形成された滞水層の上方に形成されている間隙に保水性グラウト材が充填されて形成されており、該保水層の表面または前記滞水層から供給された水を保水して、その水が該保水層の表面から蒸発するときに潜熱が奪われることにより舗装表面の温度上昇を抑制する機能を有する。前記保水性グラウト材は、前記粒状物が充填されていない間隙を埋めて滞水層と大気との間に保水層を形成するように充填されており、前記滞水層の水が急激に蒸発することを抑制している。
前記保水性グラウト材は、図2に示すように、前記透水層を構成する粗骨材の表面を薄層で被覆するようにかつ舗装表面の骨材間に形成されたくぼみを残すように充填される。前記保水性グラウト材を薄層で被覆することにより、前記滞水層と比較して透水性の低い保水層を水が速やかに通過して舗装表面から蒸発することができるので、路面温度の上昇抑制効果を十分に発揮することができる。また、舗装表面の骨材間にくぼみが残されているので、降雨時の舗装表面に溜まった水がこのくぼみを通って排水されるので、舗装表面に雨水が滞留することがなく走行車両の安全な走行を確保することができる。さらに、前記保水性グラウト材は、前記透水層を構成する粗骨材の表面の少なくとも一部が舗装表面に露出するように充填されることが好ましい。このような構成とすれば、走行車両のタイヤが保水性グラウト材と比較してすべり抵抗性の大きい粗骨材と接触するので、タイヤがしっかりとグリップされてスリップする恐れが少なくなり車両の安全な走行を確保することができる。
本発明の保水性グラウト材は自硬性を有するものであれば特に制限はなく、セメントグラウト、アスファルト乳剤グラウトまたは樹脂グラウトなどを用いることができるが、その硬化体が全体として吸水性、浸潤性および保水性を有するものが好ましく用いられる。特に、セメントを必須成分とする水性スラリーを注入して固化させた硬化体が好ましい。また、保水性グラウト材の構成成分として吸水性、浸潤性または保水性のうち1つ以上の性質を有する物質(以下、「機能性物質」という。)を加えることにより、前記保水性グラウト材の硬化体の吸水性、浸潤性または保水性を向上させることができる。このような機能性物質としては、各種の繊維、界面活性剤および高吸水性ポリマーなどがある。これらの機能性物質の添加量は特に制限はないが、通常保水性グラウト材に対する重量比で0.01〜20%程度存在させることが好ましい。
本発明の保水性舗装は、滞水層と保水層との間の間隙に粒状物と保水性グラウト材とが混在している部分が存在してもよい。前記間隙に粒状物と保水性グラウト材を充填する場合、粒状物を充填した滞水層と保水性グラウト材を充填した保水層とを完全に分けて施工することは困難であり、施工効率を考慮すれば、滞水層と保水層との間に粒状物と保水性グラウト材とが混在する部分(以下、「混在層」という。)が存在するように施工することが好ましい。このように施工した場合でも、水の浸潤性が高い滞水層と水の浸潤性が低い保水層との間にその中間的な浸潤性を有する混在層が存在する状態となるので、滞水層に供給された水は混在層を通って速やかに保水層へ供給されることができる。
本発明の給水手段は、前記滞水層に埋設された透水型給水管と、該給水管に水を供給する給水制御装置付き貯水槽とを含んで構成される。前記透水型給水管は、前記給水制御装置付き貯水槽から水を供給され、該給水管の表面に設けられた隙間から前記滞水層へ水を供給して貯留させる機能を有する。本発明で用いられる透水型給水管としては、布巻きスパイラルドレンまたは塩化ビニル製有孔管などがあり、施工性および耐久性を考慮すると布巻きスパイラルドレンを用いることが好ましい。
前記給水制御装置付き貯水槽は前記透水型給水管と接続され、該貯水層内に貯留された水を前記透水型給水管へ供給する機能を有している。そして、前記滞水層が満水状態になるとこれを検知して自動的に前記透水型給水管への水の供給を停止する構成となっている。
本発明の保水性舗装の舗設方法は、不透水層の上に透水型給水管を設置する第1工程と、該不透水層の上に粗骨材をアスファルト系バインダで結合した混合物を舗設して該粗骨材どうしの間に間隙が形成された透水層を構築する第2工程と、粒状物を連通する間隙が舗装表面凹部に開口する位置まで充填する第3工程と、充填した粒状物の上方に保水性グラウト材を充填する第4工程と、該透水型給水管を給水制御装置付き貯水槽と接続する第5工程と、を含んで構成される。
本発明の第1工程は、不透水層の上に透水型給水管を設置する工程である。不透水層は密粒度アスファルト混合物などの透水性の低いアスファルト混合物などを舗設して、その表面に遮水性シートを敷設してその端部を舗装用型枠などの部材に沿って上方へ立ち上げる。不透水層としてアスファルト混合物層を用いかつ遮水性シートとしてアスファルト系のシートを用いる場合は、敷設後にシート表面をバーナで加熱してアスファルト混合物層と溶着させると、滞水層からアスファルト混合物層への水の浸入を確実に遮蔽することができる。透水型給水管は舗装勾配の高い方に設置し、その端部は第5工程で給水制御装置付き貯水槽と接続しやすいように水平方向へ延ばしておくとよい。透水型給水管として布巻きスパイラルドレンを用いると、保水性グラウト材を充填したときに該グラウト材が該透水型給水管の内部へ浸入する恐れが少なくて好ましい。
本発明の第2工程は、前記不透水層の上に粗骨材をアスファルト系バインダで結合した混合物を舗設して該粗骨材どうしの間に間隙が形成された透水層を構築する工程である。前記混合物を舗設する場合は、該混合物を不透水層の上にアスファルトフィニッシャなどを用いて所定の厚さとなるように敷き均し、舗装用ローラなどを用いて所定の締固め密度が得られるように締め固める。締固め作業を行うに際しては、第3工程で透水層の間隙に粒状物を充填しやすくするために、できるだけ水を使用しないようにするとよい。また、締固め作業により透水型給水管が動かないように留意する。舗設が終了した後、舗装表面にはみ出している遮水性シートを切除する。
本発明の第3工程は、粒状物を連通する間隙が舗装表面凹部に開口する位置まで充填する工程である。透水層の間隙に水分があると粒状物の充填が困難となるので、水分がなくなるまで乾燥させる。舗装表面と遮水性シートとの隙間にはコーキング材を詰めて水がもれないようにする。このとき粒状物を充填する量は、透水層の厚さおよび空隙率などにより定まるが、たとえば骨材最大粒径13mm、空隙率24%、厚さ5cmの改質II型アスファルトを用いた開粒度アスファルト混合物により透水層を構成した場合、約6kg/m程度である。前記粒状物の充填は、たとえば母体となる透水層を一定間隔で区割りして区割りごとに行うとよい。透水層の上に所定量の粒状物を散布してスポンジレーキなどを用いて均一となるように間隙に充填し、さらにビブロプレートなどで振動を与えて粒状物の充填を促進する。この作業は複数回繰り返してもよい。次に、透水層の表面付近凹部に充填された粒状物を吸引機機などにより回収して、第4工程で保水性グラウト材を充填するための間隙を確保する。
本発明の第4工程は、充填した粒状物の上方に保水性グラウト材を充填する工程である。グラウト材は適宜のものを使用できるが、現場での作業性を考慮するとプレミックスタイプの材料を水と攪拌混合して用いるのが好ましい。グラウト材の充填は以下の工程で行う。透水層の上にベニヤ板を敷いてその上にグラウト材を散布してゴムレーキで舗装面に広げ、透水層の表面に層を形成するように均一に均す。その後、ゴムレーキで表面をしごいてグラウト層の表面を粗骨材の頂点の高さに合わせて平坦に仕上げる。次に、透水層表面付近の粗骨材が露出するように、透水層表面凹部のグラウト材をスポンジローラ刷毛で押さえる。
本発明の第5工程は、前記透水型給水管と給水制御装置付き貯水槽とを接続する工程である。
次に実施例に基づいて本発明を説明する。
実施例:
本発明の効果を確認するために、表1に示すA〜E工区の舗装体を舗設して各工区の路面温度などを測定した。A〜C工区は本発明の実施例、DおよびE工区は比較例である。
Figure 0004699081
〔試験施工〕
図3および図4に示すように、不透水層として密粒度アスファルト混合物(骨材最大粒径13mm)層を幅員6m×延長60m×厚さ5cmで舗設した。このときの混合物層の横断勾配は1.5%とした。各工区の舗設箇所の周囲に厚さ5cmの舗装用型枠を設置し、AおよびC〜E工区に関しては密粒度アスファルト混合物層の上に遮水性シートとして幅1mのNTシート(不織布に加熱溶融したゴムアスファルトを含浸被覆してその表面に砂などをまぶした防水シート)を図5および図6に示すように重なり幅が5cmとなるように敷設した。NTシートの端部は4辺とも舗装用型枠に沿って立ち上げ、該シートの表面をガスバーナで加熱して密粒度アスファルト混合物層に溶着させた。B工区に関しては遮水性シートを敷設しない。また、A〜D工区に関しては図7および図8に示すように透水型給水管として布巻きスパイラルドレン(φ18mm)を設置し、その一端部を貯水槽からのホースと接続できるように加工して側方へ延ばした。E工区に関しては透水型給水管(給水手段)を設置しない。
次に、A〜Eの5工区に分けて、不透水層の上に透水層として開粒度アスファルト混合物(骨材最大粒径13mm、改質II型アスファルト、空隙率24%)層を幅員3.5m×延長10m×厚さ5cmで舗設した。このときの各混合物層の横断勾配は1.5%とした。開粒度アスファルト混合物層の締固め作業時には該混合物層の間隙に水が溜まることを防ぐためにローラによる散水はできるだけ行わず、敷設した透水型給水管が動くことのないように留意して施工した。舗設作業が終了したのち、AおよびC〜E工区に関しては舗装上部にはみ出したNTシートを切断して除去した。なお、密粒度アスファルト混合物層および開粒度アスファルト混合物層の舗設作業には、敷均し機械として2.4〜2.5m級のアスファルトフィニッシャおよび締固め機械として4t級のコンバインドローラを使用した。開粒度アスファルト混合物層の間隙に水分が残っている場合はなくなるまで乾燥養生し、切断したNTシートと開粒度アスファルト混合物層との隙間にはコーキング材を充填して水がもれることのないように処理した。
次に、粒状物として8号珪砂を充填した。A〜E工区を延長2mずつの5区画に分け、区画ごとに1回目の8号珪砂を散布してスポンジレーキを用いて均一となるように間隙へ充填し、ビブロプレートで振動を与えながら1往復した。さらに、区画ごとに2回目の8号珪砂を散布してスポンジレーキを用いて均一となるように間隙へ充填し、ビブロプレートで振動を与えながら1往復した。このときの8号珪砂の充填量は、A〜CおよびE工区は1回の散布につき3kg/m、D工区は1回の散布につき3.5kg/mとした。8号珪砂の充填が完了したのち、A〜CおよびE工区に関しては舗装表面凹部の8号珪砂をコンプレッサ(吸引機械)により除去した。ここまでの作業が完了した時点で、A〜CおよびE工区は8号珪砂が間隙の連続空隙部分が舗装表面に開口する位置まで充填された状態であり、D工区は8号珪砂が粗骨材の天端の位置まで充填された状態であった。
次に、保水性グラウト材の施工を行った。A〜CおよびE工区に関しては保水性グラウト材が舗装表面にくぼみを形成しかつ粗骨材を被覆するように充填し(図9(a))、D工区に関しては舗装表面にくぼみを形成しないように保水性グラウト材を均一にかつ平坦に塗布した(図9(b))。保水性グラウト材の調合はプレミックス材:水が40:60の混合比となるように行い、各工区を延長2mずつの5区画に分けて区画ごとに施工を行った。このときの保水性グラウト材の施工量は1区画の充填または塗布につき62.5kgとした。また、保水性グラウト材のフロー値を測定したところ約17秒であった。
保水性グラウト材の製造は次のようにして行った。プレミックス材は25kg/袋を1バッチとし、ポリバケツに水37.5kgを計量して入れ、水を攪拌しながらポリバケツの中へプレミックス材を投入し、プレミックス材を投入してから3分間攪拌を行った。保水性グラウト材の充填または塗布は次のようにして行った。透水層の上にベニヤ板を敷いてその上にグラウト材を散布してゴムレーキで舗装面に広げ、透水層の表面に層を形成するように均一に均した。その後、A〜CおよびE工区に関しては、ゴムレーキで表面をしごいて保水性グラウト層の表面を粗骨材の頂点の高さに合わせて平坦に仕上げたのち、透水層表面付近の粗骨材が露出するように透水層表面凹部の保水性グラウト材をスポンジローラ刷毛で押さえた。D工区に関してはゴムレーキを用いて保水性グラウト材により表面の粗骨材が完全に隠れるように平坦に仕上げた。
〔散水試験〕
A〜E工区の路面に1mあたり1L/min程度の散水を約10分間行い、そのときの路面の状況を観察した結果を表2に示す。A〜C工区に関しては散水中も水が路面のくぼみを通って排水されるために路面が水で完全に被覆されることはなかったが、D工区に関しては散水した水が路面を流下して排水されるために路面が水に被覆されすべりやすい状態であった。したがって、本発明の保水性舗装によれば、舗装表面にくぼみを形成することにより路面に降った雨がそのくぼみを流れて排水されるので、路面が水で完全に被覆されることがなくハイドロプレーニング現象の発生が起こりにくいということがいえる。
〔すべり抵抗試験〕
A〜E工区の路面に関して、DFテスタを用いてすべり抵抗の測定を行った結果を表2に示す。この結果より、粗骨材の表面を露出させたAおよびB工区に関しては一般的な密粒度アスファルト混合物からなる舗装の動的摩擦係数とほぼ同等の値であったが、粗骨材の表面を露出させなかったD工区に関しては一般的な密粒度アスファルト混合物からなる舗装の動的摩擦係数よりも0.1以上低い値でありすべりやすい路面ということができる。したがって、本発明の保水性舗装において、粗骨材の少なくとも一部を舗装表面に露出させるようにすれば、走行車両のタイヤと路面とのすべり抵抗性が高くなり車両の安全な走行を確保することができるということがいえる。
Figure 0004699081
〔路面温度測定〕
A〜Eの各工区の路面に関して、夏期晴天時における7日間の最高路面温度を測定した結果を表3に示す。なお、測定にあたっては1日目の午前中に1mあたり1L/min程度の散水を約10分間行った。給水手段を設けたA工区と給水手段を設けなかったE工区とを比較すると、A工区の方が平均で約11℃最高路面温度が低かった。したがって、給水手段を設けることにより、降雨がない場合でも路面温度を低減する効果が得られることが確認できた。
舗装表面にくぼみを形成したA工区と舗装表面にくぼみを形成していないD工区とを比較すると、A工区の方が平均で1.6℃最高路面温度が低かった。したがって、舗装表面にくぼみを形成した方が保水層の表面積が大きくなり水の蒸発が活性化されるので、路面温度を低下する効果が大きくなったものと推定される。
Figure 0004699081
〔コア採取〕
密粒度アスファルト混合物層上に遮水性シートを敷設したA工区と遮水性シートを敷設しなかったB工区に関して、コアを採取して試験後の密粒度アスファルト混合物層に含まれる水分量を測定した。その結果、遮水性シートを敷設したA工区の方が遮水性シートを敷設しなかったB工区よりも水分量が少なかった。したがって、遮水性シートを敷設することにより、密粒度アスファルト混合物層へ水が浸透することを十分に防ぐことができることが確認できた。
本発明の保水性舗装の概略断面図。 本発明の保水性舗装の要部の概略断面図。 実施例における工区を示す説明図。 実施例における舗装の基本構成を示す説明図。 実施例における舗装の部分説明図。 実施例における舗装の部分説明図。 実施例における舗装の部分説明図。 実施例における舗装の部分説明図。 実施例における舗装の概略断面図。 本発明の舗設方法を示す工程図。

Claims (7)

  1. 不透水層の上に、粗骨材どうしの間に舗装表面から下端部に亘って連通する間隙が形成されるように該粗骨材をアスファルト系バインダで結合した透水層が積層された舗装において、該透水層が、その下部に形成された間隙に無機粒状物が固定されずに充填されている滞水層と、該滞水層の上方に形成された間隙に保水性グラウト材が充填された保水層とを含んで構成されていると共に、舗装表面部の粗骨材の少なくとも一部が充填された保水性グラウト材と連続した保水性グラウト材で被覆されたうえ表面が凹凸表面を維持しており、さらに該滞水層に水を供給する給水手段を有することを特徴とする保水性舗装。
  2. 滞水層と保水層との間の間隙に無機粒状物と保水性グラウト材とが混在している部分が存在することを特徴とする請求項1に記載の保水性舗装。
  3. 不透水層が、アスファルト混合物層上に遮水性シートを敷設して構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の保水性舗装。
  4. 無機粒状物が、連通する間隙が舗装表面凹部に開口する位置まで充填されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の保水性舗装。
  5. 粗骨材の少なくとも一部が舗装表面に露出していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の保水性舗装。
  6. 給水手段が、滞水層に埋設された透水型給水管と、該透水型給水管に水を供給する給水制御装置付き貯水槽とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の保水性舗装。
  7. 不透水層の上に透水型給水管を設置する第1工程と、該不透水層の上に粗骨材をアスファルト系バインダで結合した混合物を舗設して該粗骨材どうしの間に間隙が形成された透水層を構築する第2工程と、無機粒状物を連通する間隙が舗装表面凹部に開口する位置まで充填し固定されていない無機粒状物が存在する充填層を形成する第3工程と、充填した無機粒状物の上方に保水性グラウト材を充填する第4工程と、該透水型給水管を給水制御装置付き貯水槽と接続する第5工程と、を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の保水性舗装の舗設方法。
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