JP2004197073A - 電着材料、およびモータ、並びにレンズ駆動装置 - Google Patents

電着材料、およびモータ、並びにレンズ駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄くて絶縁耐圧の高い絶縁皮膜を高いエッジカバー率をもって形成可能な電着材料、およびこの電着材料を用いて絶縁皮膜を形成したコアを備えたモータを提供すること。
【解決手段】 モータのモータ用コア40の製造方法において、磁性材料をプレスにより打ち抜いたものを複数枚積層した後、カシメを行って磁性材料を積層してなるモータ用コア40を形成する。次に、モータ用コア40に対して、カチオン系の電着材料を配合した水系電着液内での電着塗装により絶縁皮膜を形成する。カチオン系の電着材料としては、電着樹脂としての水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料と、この電着樹脂との相溶性が高いカチオン系マイクロゲルとを含むものを用いる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電着材料、この電着材料中での電着によりコア表面に絶縁皮膜が形成されたモータ、およびこのモータによりレンズ光軸に沿ってレンズを直線駆動するレンズ駆動装置に関するものである。さらに詳しくは、電着材料の材料技術に関するものである。
従来、各種直流モータにおいては、モータ用コアとして、軟鋼や珪素鋼板などの軟磁性材料をプレスなどで多極放射板形状に打ち抜いたものを1枚、あるいは複数枚積層したものが用いられている。ここで、放射状の各極にコイルが巻回される。このため、コイルとの絶縁を図ることを目的にコアの表面に対して、射出成形により形成した樹脂板、粉体塗装膜、スプレー塗膜、電着塗装膜、あるいはそれらを重ねたものを絶縁層して形成している。
また、PM型ステッピングモータは、図9に示すように、永久磁石12を備えたロータ11と、このロータ11に対向するステータ13aと、円環状のコイルボビン17と、このコイルボビン17の胴部に回巻されたコイル巻線16とから概ね、構成されている。コイルボビン17は、例えば、ステータ13aを構成する内ステータコア14aを合成樹脂でインサート成形したもので、そこに外ステータコア15aが被さった構成になっている。また、コイルボビン17には、複数本の端子ピン181を保持する端子部18が一体に形成されている。
これらのモータに対しては、小型化・高性能化が求められているため、直流モータのコアに形成する絶縁皮膜、およびステッピングモータ1cのコイルボビン17に対する薄型化が求められている。
しかしながら、直流モータのコアを覆う絶縁層のうち、樹脂板、粉体塗装膜、およびスプレー塗膜はいずれも、数十μm〜数百μmといった分厚い絶縁皮膜を構成するのには適しているが、薄膜化が困難であるという問題点がある。
これに対して、電着塗膜は薄型化可能であるが、通常の電着材料で形成したものでは、エッジ部分のエッジカバー率(エッジ部分での膜厚/平坦部での膜厚)が低いので、十分な絶縁耐圧が得られないという問題点がある。従って、電着塗膜を用いる場合には、他の絶縁層と組み合わせて使用する必要があるため、生産性が低いという問題点がある。
また、ステッピングモータ1cでは、インサート成形時に形成された樹脂部分をコイルボビン17とし、その胴部にコイル巻線16を巻回するため、ショートの発生を確実に抑えるという観点からすると、インサート成形で形成する樹脂部分を150μm以下にするのは困難である。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、薄くて絶縁耐圧の高い絶縁皮膜を高いエッジカバー率をもって形成可能な電着材料、この電着材料を用いて絶縁皮膜を形成したコアを備えたモータ、およびこのモータをレンズ駆動用に用いたレンズ駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電着材料は、電着樹脂としての水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料と、該電着樹脂との相溶性が高いカチオン系マイクロゲルとを含むことを特徴とする。
本発明において、前記電着樹脂と前記カチオン系マイクロゲルとの重量比が3:0.1〜2であることが好ましい。
本発明において、前記カチオン系マイクロゲルは、ウレタン樹脂系、ポリイミド樹脂系、およびエポキシ樹脂系のうちのいずれかのゲルである。
本発明を適用した電着材料は、例えば、モータを構成する部品の絶縁用に用いることができる。例えば、本発明を適用した電着材料を配合した電着液内での電着塗装により、少なくともコイル巻回部分に絶縁皮膜が形成されたコアを用いてモータを構成する。ここで、コアは、例えば、直流モータにおいて、放射状に延びる複数の突極の各々にコイルが巻回されたコアであり、少なくとも突極の表面に対して、本発明に係る絶縁皮膜を形成する。このように構成すると、突極の表面を分厚い樹脂板、粉体塗装膜、およびスプレー塗膜などで覆う必要がない。また、ステッピングモータでは、ステータコアの内周縁からモータ軸線方向に延びて周方向に並ぶ複数の極歯の外周側にコイルが巻回されるので、少なくとも極歯の外側の面に対して、本発明に係る絶縁皮膜を形成すれば、コイルボビンを省略できる。
ここで、前記絶縁皮膜が前記コアの表面の略全体に形成されている構成を採用してもよい。このように構成すると、例えば、ステッピングモータのステータコアに対して複数の端子を一体に形成した場合、これらの端子の表面に対して、本発明に係る絶縁皮膜が形成される。従って、端子にコイルの端末を絡げてもコイルとコアとの絶縁を確保することができるので、コイルボビンを省略しても、コイルの端末処理に支障がない。
本発明に係るモータは、レンズ駆動装置において、ロータの回転により、レンズを保持するレンズホルダを当該レンズの光軸に沿って直動させるのに用いることもできる。
本発明に係る電着材料を用いて形成したポリイミド樹脂からなる電着塗膜は、エポキシ樹脂からなる電着塗膜と比較して絶縁耐圧が高い。但し、ポリイミド樹脂からなる電着塗膜は、エッジ部分での膜厚が平坦部での膜厚に比較して薄くエッジカバー率が低い。しかるに本発明では、電着液に対して、電着樹脂としての水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とともに、この電着樹脂との相溶性が高いカチオン系マイクロゲルを添加してあるため、エッジカバー率が著しく高い。従って、薄い絶縁皮膜で十分な絶縁耐圧を備えた直流用モータのコア、およびステッピングモータ用のステータコアなどを製造できる。また、本発明を適用したコアを用いれば、モータの小型化・高性能化を実現でき、さらに、レンズ駆動装置の小型化・高性能化を図ることができる。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
(直流モータの構成例)
図1(A)、(B)はそれぞれ、本発明が適用されるモータの縦半断面図、およびこのモータに用いたモータ用コアの平面図である。
図1(A)、(B)に示すように、モータ1は、3極の小型直流モータであり、そのモータハウジング2は、カップ状のケース3と、このケース3の開口を閉鎖している端板4とによって構成されている。ケース3の底面部301の中心にはラジアル軸受20が固定されている。ラジアル軸受20は、その軸受穴の軸線方向の略中央部分に大径部200を備え、その両側に位置する小径部201、202によってモータシャフト30を回転自在に支持している。
モータハウジング2内において、ケース3の内周側面にはリング状の駆動マグネット52が取り付けられている。モータシャフト30には、端板4の側の軸端部付近に整流子54が取り付けられ、この整流子54に対してはブラシホルダーに保持されたブラシ56が接触している。また、端板4にはモータシャフト30の軸端部を受けるスラスト軸受62が取り付けられ、モータシャフト30は片持ち状態で支持されている。
モータシャフト30にはモータ用コア40が固着され、このモータ用コア40は、軟鋼や珪素鋼板などの軟磁性材料をプレスなどで多極放射板形状に打ち抜いたものを複数枚積層し、カシメしたものである。
ここで、モータ用コア40の各突極42には絶縁皮膜49が形成され、この絶縁皮膜49を介して巻線50が巻回されている。これらの突極42の外周端面は駆動マグネット52に対して所定のエアーギャップを介して対峙している。
(モータ用コア40への絶縁皮膜の形成方法)
図2は、ポリイミド樹脂(株式会社シミズ製)からなる電着塗膜と、エポキシ樹脂からなる電着塗膜の絶縁耐圧を比較した結果を示すグラフである。図3(A)、(B)はそれぞれ、ポリイミド樹脂材料にマイクロゲルを添加しなかった場合の電着塗膜の形成状態を示す説明図、およびポリイミド樹脂材料にマイクロゲルを添加した場合の電着塗膜の形成状態を示す説明図である。図4は、水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とカチオン系マイクロゲルとの重量比(配合比)を変えた場合における電着時の印加電圧と、電着塗膜の膜厚との関係を評価した結果を示すグラフである。図5は、水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とカチオン系マイクロゲルとの重量比(配合比)を変えた場合における膜厚と、絶縁耐圧との関係を評価した結果を示すグラフである。
本形態のモータ1において、モータ用コア40を製造するには、磁性材料をプレスにより打ち抜いたものを複数枚積層した後、カシメを行って磁性材料を積層してなるモータ用コア40を形成し、このモータ用コア40に対して絶縁皮膜49を形成する。それには、モータ用コア40に対して、カチオン系の電着材料を配合した水系電着液内での電着塗装により絶縁皮膜を形成するが、モータ用コア40については、バレル、ブラスト、ジェットウォーターなどによりエッジのバリやカエリを除去しておくことが好ましい。また、積層コアの場合には、隙間があるため、脱脂、水洗、酸処理、洗浄などを行って異常析出を防止することが好ましい。この際、洗浄には、超音波洗浄、脱気水による洗浄、溶剤洗浄を組み合わせて行うことが好ましい。
また、電着塗装を行う際、本形態では、カチオン系の電着材料として、電着樹脂としての水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料と、この電着樹脂との相溶性が高いカチオン系マイクロゲルとを含むものを用いる。この場合、水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とカチオン系マイクロゲルとの重量比が3:0.1〜2、好ましくは、3:0.5〜1であることが好ましい。また、正の電荷をもつカチオン系マイクロゲルとしては、ウレタン樹脂系、ポリイミド樹脂系、およびエポキシ樹脂系のいずれを用いてもよいが、本形態では、粒径が0.5μm〜2μmのウレタン系ポリマービーズを用いた。
このような用途に用いられる電着塗装のうち、ポリイミド樹脂から電着塗膜は、まず、図2に実線LP示すように、実線LEで示すエポキシ樹脂からなる電着塗膜と比較して絶縁耐圧が高く、5μm〜15μmの膜厚で、モータ用コア40に求められる絶縁耐圧500VDCをクリアすることができる。
但し、電着塗膜は、図3(A)に示すように、エッジ部分での膜厚t11が平坦部での膜厚t12に比較して10%程度とエッジカバー率が低い。
しかるに本形態では、電着液に対して、電着樹脂としての水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とともに、この電着樹脂との相溶性が高いカチオン系マイクロゲルを添加してある。このため、電着塗膜のエッジカバー率が著しく高い。例えば、水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とカチオン系マイクロゲルとの重量比(配合比)を3:0.75とした電着液を用いて得た電着塗膜(ポリイミド樹脂)は、図3(B)に示すように、エッジ部分での膜厚t1が平坦部での膜厚t2と同等であり、エッジカバー率が著しく高い。
従って、本形態によれば、薄い絶縁皮膜49で十分な絶縁耐圧を備えたモータ用コア40を製造でき、このモータ用コア40を用いれば、モータ1の小型化・高性能化を実現できる。すなわち、同一体格のモータ1であれば、コイルの巻数を増やすことができるので、高トルク化を図ることができる。また、巻数を同一に設定すれば、絶縁皮膜49を薄くした分、モータ1の小型化を図ることができる。
(電着塗膜の評価結果)
本発明に係る電着材料を用いて形成した電着塗膜を評価するにあたって、まず、水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とカチオン系マイクロゲルとの重量比(配合比)を3:0(比較例)、3:0.5、3:0.75、3:1、3:2とした場合における電着時の印加電圧と、電着塗膜の膜厚との関係を評価した結果を、図4に実線L0、L0.5、L0.75、L1、L2で示す。
また、このようにして電着樹脂とカチオン系マイクロゲルとの重量比を種々変えて、電着塗膜のエッジカバー率を評価したところ、電着樹脂とカチオン系マイクロゲルとの重量比を3:0.5〜1とすれば、70%〜110%という高いエッジカバー率(エッジ部分での膜厚/平坦部での膜厚)が得られた。従って、このような条件であれば、膜厚を10μmとしても、エッジ部分には少なくとも7μmの電着塗膜を形成できることになる。
次に、水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とカチオン系マイクロゲルとの重量比(配合比)を3:0(比較例)、3:0.5、3:0.75、3:1、3:2とした場合における膜厚と、絶縁耐圧との関係を評価した結果を、図5に実線L0、L0.5、L0.75、L1、L2で示す。
図5から分かるように、水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料に対するカチオン系マイクロゲルの配合比を高めていくと、絶縁耐圧が低下する傾向にある。従って、絶縁耐圧500VDCを安定してクリアするという観点からすれば、電着樹脂とカチオン系マイクロゲルとの重量比を3:0.5〜0.75とすることが好ましい。
なお、電着樹脂とカチオン系マイクロゲルとの重量比を変えて評価したところ、膜厚が例えば20μmと厚ければ、エッジカバー率が20〜30%でもエッジ部分に4μm〜6μmの膜厚を確保できるので、電着樹脂とカチオン系マイクロゲルとの重量比が3:0.1の電着液でも、300V以上の耐電圧をクリアできる。また、電着液組成を種々変えて評価したところ、電着樹脂とカチオン系マイクロゲルとの重量比が3:2の電着液でも可能である。従って、本発明では、電着樹脂とカチオン系マイクロゲルとの重量比が3:0.1〜2、好ましくは、3:0.5〜1であればよい。
(その他の組成)
上記形態では、モータ用コア40の各突極42に対して巻線50を巻回する。従って、巻線50を巻回するときに発生する巻締め圧等によって、突極42のエッジ部分において電着塗膜が薄膜化するのを防止することを目的に、カチオン系マイクロゲル(有機フィラー)とともに、非導電性無機系フィラーを添加してもよい。
[実施の形態2]
図6(A)、(B)は、本発明が適用されるステッピングモータを示す縦断面図、および内ステータコアと外ステータコアとの重なり部分の拡大断面図である。図7は、本発明が適用されるステッピングモータの分解斜視図である。
図6(A)および図7に示すように、モータ1aは、PM型のステッピングモータであり、永久磁石12を備えるロータ11と、このロータ11の周りに隣接して配置された一対のステータ13と、表面に薄い自己融着層が形成されたコイル巻線16とを有しており、ステータ13の上端面および下端面は、端板303、305で覆われている。端板303、305のうち、一方の端板303には、ロータ11の回転軸111を支持する軸受19が取り付けられ、他方の端板305には、回転軸111をピボット21を介して出力端に向けて付勢している板バネ306が構成されている。
一対のステータ13は各々、複数本の極歯141が内周縁で起立する円環状の内ステータコア14と、この内ステータコア14に対して軸線方向で重ねられた円環状の外ステータコア15とを備えている。外ステータコア15の内周縁からは、内ステータコア14の極歯141の間に向けて極歯151が起立しており、内ステータコア14の極歯141、および外ステータコア15の極歯151は各々、ロータ11のマグネット12に対向している。
本形態において、内ステータコア14の外周縁には、この内ステータコア14と一体に2本の端子ピン181が周方向で離間した位置に形成され、各端子ピン181にコイル巻線16の端末161が巻き付けられている。
また、本形態では、内ステータコア14および外ステータ15において、極歯141、151の周りにはコイル巻線16が直接、巻回されており、コイルボビンが使用されていない。
但し、本形態では、内ステータコア14、および外ステータコア15の表面の略全体が絶縁皮膜(図示せず)で被覆されている。この絶縁皮膜は、実施の形態1において、モータ用コア40に対して形成された絶縁皮膜49と同様、カチオン系の電着材料を配合した水系電着液内での電着塗装により形成される。
このため、本形態では、極歯141、151の周りにコイル巻線16を直接、巻回してあるが、極歯141、151の表面全体に絶縁皮膜が形成されているので、コイル巻線16は、極歯141、151を介して短絡することがない。また、端子ピン181においても表面全体が絶縁皮膜で被覆された状態であるので、コイル巻線16の端末161は、端子ピン181を介して短絡することはない。
ここで、外ステータ15は、モータケースとして機能する円筒部150を有しており、この円筒部150は、内ステータ14の外周縁と重なって磁路を形成する。従って、本形態では、図6(B)に拡大して示すように、内ステータコア14と外ステータコア15との重なり部分135では、磁路形成のために絶縁皮膜49を除去してある。このため、ステッピングモータ1aの特性が低下してしまうことはない。
以上説明したように、本形態によれば、薄い絶縁皮膜で十分な絶縁耐圧を備えたステッピングモータ用ステータ13を製造でき、このステータ13を用いれば、モータ1aの小型・高性能化を実現することができる。すなわち、同一体格のモータ1aであれば、コイルの巻数を増やすことができるので、高トルク化を図ることができ、本形態によれば、30%〜40%のプルイン/プルアウトトルクを向上させることができる。また、巻数を同一に設定すれば、コイルボビンを使用しない分、モータ1aの小型化を図ることができる。
また、本形態では、端子ピン181を内ステータコア14と一体に形成し、かつ、内ステータコア14の表面の略全体に絶縁皮膜が形成されているので、端子ピン181を保持するためのコイルボビンが不要である。従って、モータ1aの小型化を図ることができる。また、端子ピン181の表面は、絶縁皮膜で被覆されているので、コイル巻線16の端末161は、端子ピン181を介しての短絡することがない。しかも、端子ピン181は、内ステータコア14と一体に形成されているので、端子ピン181は強固に保持された状態にある。
なお、上記形態において、コイル巻線16は、内ステータコア14の極歯141の周りに直接、巻回されていたが、あらかじめ円筒状に巻回した空芯コイルを内ステータコア14の極歯141の外側に挿入することも可能である。このような方法を採用した場合、内ステータコア14のエッジに大きな負荷が加わらないため、1μm〜数μmの膜厚で500V以上の耐電圧をクリアできる。
[レンズ駆動装置の構成例]
このように構成したステッピングモータ1aは、レンズを保持するレンズホルダを当該レンズの光軸に沿って直動させる駆動手段として用いることができる。
図8は、本発明が適用されるレンズ駆動装置を示す断面図である。なお、以下に説明するレンズ駆動装置は、基本的な構成が上記のステッピングモータ1aと同様であるため、共通する部分には、同一の符号を付して図示することにして、それらの説明を省略する。
図8に示すように、レンズ駆動装置10は、カメラ付き携帯電話などに搭載されている薄型カメラにおいてレンズ70を駆動するためのものであり、レンズ70を備えた円筒状のレンズホルダ71と、レンズホルダ71をレンズ70の光軸Fに沿って被写体に近づくA方向、および被写体から遠ざかるB方向の双方向に移動させる駆動機構75と、レンズホルダ71および駆動機構75が収納されたケース73とを有している。
駆動機構75は、レンズホルダ71を外周側で囲むように配置されて、光軸F周りの回転駆動力を発生させるモータ機構1bと、このモータ機構1bが発生させた回転駆動力を光軸Fに沿う直線方向への駆動力に変換してレンズホルダ71を直動させる変換機構76とを有している。
モータ機構1bは、上述のステッピングモータ1aと同一の構造を有しており、外周面が周方向に着磁されたリング状の永久磁石12aからなるロータ11aと、このロータ11aの周りに隣接して配置された一対のステータ13と、表面に薄い自己融着層が形成されたコイル巻線16とを備えている。
一対のステータ13は各々、複数本の極歯が内周縁で起立する円環状の内ステータコア14と、この内ステータコア14に対して軸線方向で重ねられた円環状の外ステータコア15とを備え、内ステータコア14、および外ステータコア15は、実施の形態2で説明したように、表面の略全体が電着塗装により形成した絶縁皮膜(図示せず)で被覆されている。この絶縁皮膜は、実施の形態1において、モータ用コア40に対して形成された絶縁皮膜49と同様、カチオン系の電着材料を配合した水系電着液内での電着塗装により形成される。
このため、本形態のレンズ駆動装置10では、内ステータコア14および外ステータコア15において、極歯の周りにはコイル巻線16が直接、巻回されており、コイルボビンが使用されていない。
ここで、ロータ11aは、ベアリングボール77によって光軸F周りに回転可能に支持されている一方、レンズホルダ71は、コイルばね78によって矢印Bで示す方向に付勢されている。さらに、レンズホルダ71と永久磁石12aは、レンズホルダ71の外周面に形成された螺旋溝711と、ロータ11a(永久磁石12a)の内周面で保持された係合突起111とからなる変換機構76を介して機構的に結合されている。
このように構成したレンズ駆動装置10では、ロータ11a(マグネット12a)を回転させると、ロータ11aの係合突起111が螺旋溝711内を案内されるので、レンズホルダ71を回転させることなく、光軸Fに沿ってA方向、あるいはB方向に直動させることができる。
以上説明したように、本形態のレンズ駆動装置10では、薄い絶縁皮膜で十分な絶縁耐圧を備えたステータ13を用いたモータ機構1bを、レンズホルダ71を駆動させる駆動機構75として使用しているので、レンズ駆動装置10の小型化・高性能化を図ることができる。
以上説明したように、本発明に係る電着材料を用いて形成したポリイミド樹脂からなる電着塗膜は、エポキシ樹脂からなる電着塗膜と比較して絶縁耐圧が高い。但し、ポリイミド樹脂からなる電着塗膜は、エッジ部分での膜厚が平坦部での膜厚に比較して薄くエッジカバー率が低い。しかるに本発明では、電着液に対して、電着樹脂としての水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とともに、この電着樹脂との相溶性が高いカチオン系マイクロゲルを添加してあるため、エッジカバー率が著しく高い。従って、薄い絶縁皮膜で十分な絶縁耐圧を備えたコアを製造できる。それ故、本発明を適用したコアを用いれば、モータの小型化・高性能化を実現できる。また、例えば、本発明を適用したステッピングモータをレンズホルダを駆動させる駆動手段して用いた場合、レンズ駆動装置の小型化・高性能化を図ることができる。
(A)、(B)はそれぞれ、本発明が適用されるモータの縦半断面図、およびこのモータに用いたモータ用コアの平面図である。 ポリイミド樹脂(株式会社シミズ製)からなる電着塗膜と、エポキシ樹脂からなる電着塗膜の絶縁耐圧を比較した結果を示すグラフである。 (A)、(B)はそれぞれ、ポリイミド樹脂材料にマイクロゲルを添加しなかった場合の電着塗膜の形成状態を示す説明図、およびポリイミド樹脂材料にマイクロゲルを添加した場合の電着塗膜の形成状態を示す説明図である。 水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とカチオン系マイクロゲルとの重量比(配合比)を変えた場合における電着時の印加電圧と、電着塗膜の膜厚との関係を評価した結果を示すグラフである。 水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料とカチオン系マイクロゲルとの重量比(配合比)を変えた場合における膜厚と、絶縁耐圧との関係を評価した結果を示すグラフである。 (A)、(B)は、本発明が適用されるステッピングモータを示す縦断面図、および内ステータコアと外ステータコアとの重なり部分の拡大断面図である。 図6(A)に示すステッピングモータの分解斜視図である。 本発明が適用されるレンズ駆動装置を示す断面図である。 従来のステッピングモータの縦断面図である。
符号の説明
1 モータ(直流モータ)
1a モータ(ステッピングモータ)
1b モータ機構
10 レンズ駆動装置
11、11a ロータ
12、12a 永久磁石
13 ステータ
14 内ステータコア
15 外ステータコア
16 コイル巻線
40 モータ用コア
49 電着塗膜からなる絶縁皮膜
70 レンズ
71 レンズホルダ
75 駆動機構
76 変換機構
141、151 極歯
161 コイル巻線の端末
181 端子ピン

Claims (6)

  1. 電着樹脂としての水溶性カチオン系ポリイミド樹脂材料と、該電着樹脂との相溶性が高いカチオン系マイクロゲルとを含むことを特徴とする電着材料。
  2. 請求項1において、前記電着樹脂と前記カチオン系マイクロゲルとの重量比が3:0.1〜2であることを特徴とする電着材料。
  3. 請求項1または2において、前記カチオン系マイクロゲルは、ウレタン樹脂系、ポリイミド樹脂系、およびエポキシ樹脂系のうちのいずれかからなるゲルであることを特徴とする電着材料。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに規定する電着材料を配合した電着液内での電着塗装により、少なくともコイル巻回部分に絶縁皮膜が形成されたコアを用いたことを特徴とするモータ。
  5. 請求項4において、前記コア表面の略全体に前記絶縁皮膜が形成されていることを特徴とするモータ。
  6. 請求項4または5に規定するモータを備えたレンズ駆動装置であって、前記モータのロータの回転により、レンズを保持するレンズホルダが当該レンズの光軸に沿って直動すること特徴とするレンズ駆動装置。
JP2003347734A 2002-12-02 2003-10-07 電着材料、およびモータ、並びにレンズ駆動装置 Pending JP2004197073A (ja)

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