JP2004196575A - 焼結用グラファイトトレー - Google Patents

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Masami Murai
正美 村井
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Shinwa Kogyo Inc
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Abstract

【課題】酸化物の溶射皮膜を表面に有する、超硬合金またはサーメット類製品の焼結に用いるグラファイトトレーであって、被膜が酸素欠損型になるのを防止した場合においても、被膜とグラファイトとの境界面において酸化現象が起こりにくく、その結果、被膜の耐久性を向上させることができる、焼結用グラファイトトレーを提供する。
【解決手段】超硬合金またはサーメット類の製品を搭載、保持する面に、80wt%以上のYb2 3 を含む酸化物の溶射被膜、または50wt%以上のYb2 3 を含むYb2 3 −Y2 3 複合物の溶射被膜を形成した。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超硬合金またはサーメット類の製品を焼結して製造する際に使用するグラファイトトレーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超硬合金またはサーメット類の製品の焼結は、グラファイト製トレーの上に製品を搭載、保持し、還元雰囲気および低真空状態の炉内で1300〜1600℃程度に昇温して実施していた。この焼結の際、超硬合金またはサーメット類の製品の主成分である炭化物の炭素とグラファイトトレーとの間で炭素の移動現象(浸炭あるいは脱炭)が生じたり、超硬合金またはサーメット類の製品に含まれている結合相金属成分(Co、Ni等)とグラファイトトレーの炭素とが反応して溶着等の現象が起こり、製品品質に悪影響を及ぼしていた。
【0003】
そこで、それらの現象を防止するために、グラファイトトレーの表面に耐熱性の酸化物あるいは窒化物等の微粉をスラリー状にして塗布、乾燥し、それらの被膜を形成する方法が行われていた。しかし、形成された被膜はグラファイトトレーの表面との付着強度が弱く、繰り返しの使用や、傾斜面等の異形状面への被膜の保持が困難となり、完全な防止策とはならなかった。
【0004】
また、グラファイトトレーの表面にプラズマ溶射によりZrO2 80wt%−Y2 3 20wt%複合物の被膜を形成する方法も提案されている。プラズマ溶射により形成された被膜は、塗布等により形成された被膜と比べて、グラファイトトレー表面との結合力ははるかに強く安定した被膜となる。しかしながら、被膜形成の際に、プラズマという高熱源(炎中心温度:約1万〜1万5千℃)で複合物が瞬時に溶融されるため、本来安定な酸化物状態である複合物が酸素欠損型の物質になる。このため、かようなグラファイトトレーを焼結に用いた場合、グラファイトトレーの炭素が被膜中に侵入して、新たな炭化物を形成し、これが製品との間で反応し、製品品質の低下を起こすことが知られている。
【0005】
このような現象を防止するため、本発明者等は、先に、Y2 3 −ZrO2 複合物であっても、還元雰囲気および真空中での蒸気圧が低く非常に安定であるY2 3 の組成比率を高くした20wt%超50wt%以下のZrO2 を含むY23 −ZrO2 複合物を溶射してグラファイトトレー表面に溶射被膜を形成することにより、被膜が酸素欠損型になるのを防止した焼結用グラファイトトレーを開発するとともに、これを特許文献1において開示している。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−179485号公報(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1に記載の焼結用グラファイトトレーにおいては、溶射被膜が多孔質になることが知られている。これは、被膜の主成分であるY2 3 の密度が4.84g/cm3 と小さいため、溶射の際に半溶融状態でトレー表面に吹き付けられる個々の粒子の持つ運動エネルギーが小さくなり、被膜を形成する際に上記粒子が粗く積み重ねられた状態となって粒子間に多くの隙間が形成されることに起因するものである。このため、低真空状態の焼結炉内で約1300〜1600℃に保たれた雰囲気中では、多孔質の被膜を介して、被膜とグラファイトとの境界面において僅かではあるが酸化現象が起こり、その結果、グラファイト界面が劣化消耗して被膜の密着強度が損なわれ、使用回数が増えると被膜の剥離が発生するという問題点があった。この状態になると、グラファイトトレーは使用不可能となり、被膜の再生処理を行う必要がある。
【0008】
そこで本発明は、被膜が酸素欠損型になるのを防止した場合においても、被膜とグラファイトとの境界面において酸化現象が起こりにくく、その結果、被膜の耐久性を向上させることができる、新規かつ改良された焼結用グラファイトトレーを提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、還元雰囲気および真空中での蒸気圧が低く非常に安定であり、しかも密度が大きいYb2 3 の組成比率を高くした酸化物または複合物を溶射してグラファイトトレー表面に溶射被膜を形成した場合には、酸素欠損がなく、しかも気孔の極めて少ない緻密な被膜を形成できること、かような被膜によれば、焼結時における被膜中へのグラファイトトレーからの炭素侵入を防止しつつも、被膜とグラファイトとの境界面における酸化現象の発生を抑制して被膜の耐久性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0010】
すなわち本発明による超硬合金またはサーメット類の製品を焼結する際に使用する焼結用グラファイトトレーは、超硬合金またはサーメット類の製品を搭載、保持する面に、80wt%以上のYb2 3 を含む酸化物の溶射被膜を形成したことを特徴とするものである。
また、本発明による超硬合金またはサーメット類の製品を焼結する際に使用する焼結用グラファイトトレーは、超硬合金またはサーメット類の製品を搭載、保持する面に、50wt%以上のYb2 3 を含むYb2 3 −Y2 3 複合物の溶射被膜を形成したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
前述したように、本発明で用いるYb2 3 含有酸化物またはYb2 3 −Y2 3 複合物によれば、Yb2 3 の組成比率を大きくすることによって、酸素欠損がなく、気孔の極めて少ない緻密な被膜を形成でき、その結果、焼結時に起こる被膜へのグラファイトトレーからの炭素侵入を防止できるとともに、被膜とグラファイトとの境界面における酸化現象の発生を抑制して被膜の耐久性を向上させることができる。
【0012】
これは、溶射被膜の主成分であるYb2 3 がY2 3 と同等の非常に安定な酸化物であるのと同時に、その密度が9.4g/cm3 と大きいため、溶射の際に半溶融状態でトレー表面に吹き付けられる個々の粒子の持つ運動エネルギーが、Y2 3 を主成分とした粒子の場合の2倍程度となり、被膜を形成する際に上記粒子がより緻密に積み重ねられた状態となって被膜中の気孔が極めて少なくなることに起因するものである。
【0013】
上記の現象を焦点に、Yb2 3 含有酸化物中のYb2 3 の組成比率と、Yb2 3 −Y2 3 複合物中のYb2 3 の組成比率とを検討した結果、前者の場合には、Yb2 3 を80wt%以上として含ませた酸化物が、後者の場合には、Yb2 3 を50wt%以上として含ませたYb2 3 −Y2 3 複合物が、それぞれ気孔の極めて少ない緻密な溶射被膜をグラファイトトレー表面に形成できること、かような溶射被膜によれば、被膜とグラファイトとの境界面における酸化現象の発生を抑制して被膜の寿命を延ばせることを確認した。さらに、上記組成比率を有するYb2 3 含有酸化物およびYb2 3 −Y2 3 複合物にあっては、それぞれ酸素欠損のない溶射被膜をグラファイトトレー表面に形成できること、その結果として、製品の焼結時に起こる被膜へのグラファイトトレーからの炭素侵入を防止でき、トレー上に搭載する超硬合金またはサーメット類の製品とトレーとの反応を効果的に防止できることも併せて確認した。
【0014】
また、グラファイトトレーに対する溶射被膜の密着強度を測定した結果、Y2 3 −ZrO2 複合物を用いた従来の溶射被膜が1〜1.5kg/cm2 程度であるのに対して、80wt%以上のYb2 3 を含む酸化物または50wt%以上のYb2 3 を含むYb2 3 −Y2 3 複合物を用いた本発明に係る溶射被膜の場合、2〜2.5kg/cm2 程度と、かなり密着強度が向上していることも判明した。
【0015】
80wt%以上のYb2 3 を含む酸化物の溶射被膜、或いは50wt%以上のYb2 3 を含むYb2 3 −Y2 3 複合物の溶射被膜をグラファイトトレー表面に形成するに際しては、プラズマ溶射またはアセチレン、プロパン、ケロシン等を燃料ガスとするガス溶射および高速ガス溶射を用いて、プラズマ炎またはガス炎中に上記複合物粉末または酸化物粉末を供給し、半溶融状態としてグラファイトトレー表面に吹き付ける。上記複合物粉末または酸化物粉末の平均粒径は一般的には20〜80μm程度のものが好ましく使用でき、この粉末をプラズマ炎またはガス炎の比較的低温の領域、好ましくは複合物の融点より500〜1000℃程度高い温度領域中に供給する。グラファイトトレー表面に形成する溶射被膜の厚さは一般的には50μm以上とすることが望ましい。
【0016】
【実施例】
表1に記載のNo.1〜No.3の組成比率を有する溶射材料(平均粒径40μm)を、プラズマ炎の約3000〜3500℃の温度領域中に供給してプラズマ溶射を行い、グラファイトトレー表面に膜厚約100μmの溶射被膜を形成した。なお、No.3の酸化物には、例えば、Y2 3 、Dy2 3 、Er2 3 などの希土類元素の酸化物が不可避不純物として含まれている。
【0017】
そして、各グラファイトトレーの溶射被膜上に炭化タングステン/コバルト(WC−15wt%Co)の超硬合金製ドリルを搭載、保持して、窒素ガス雰囲気および1.3×102 Paの低真空状態の焼結炉内で1450℃で焼結させた。
【0018】
焼結後の製品のトレーへの溶着の有無、焼結製品の抗折強度の評価結果、およびトレーの寿命(使用回数)を表1に併せて示す。ここでは、JIS−Z2203の「金属材料抗折試験片」に基づく試験片を使用して、曲げ試験により破壊するまでの単位面積当たりの荷重を測定することによって、製品の抗折強度を評価するようにした。
【0019】
【表1】
Figure 2004196575
【0020】
表1からわかるように、No.1〜No.3の溶射被膜の何れにおいても、製品のトレーへの溶着は認められず、また製品の抗折強度もすべて基準値を満足することが確認された。しかしながら、組成比率がY2 3 70wt%−ZrO2 30wt%であるNo.1の複合物による溶射被膜では、20回の使用で被膜の剥離が認められ、これ以上トレーを使用することができない状態となった。これに対して、Yb2 3 の組成比率が50wt%であるNo.2のYb2 3 −Y2 3 複合物による溶射被膜では、使用回数が35回に達するまで被膜の剥離が認められず、またYb2 3 の組成比率が99wt%であるNo.3の酸化物による溶射被膜にあっては、使用回数が40回に達するまで被膜の剥離が認められなかった。すなわち、本発明の焼結用グラファイトトレー(No.2およびNo.3)によれば、20wt%超50wt%以下のZrO2 を含むY2 3 −ZrO2 複合物により溶射被膜を形成した従来の焼結用グラファイトトレー(No.1)と比較して、寿命が1.5倍〜2倍程度延びることが確認された。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように本発明の焼結用グラファイトトレーにおいては、80wt%以上のYb2 3 を含む酸化物、または50wt%以上のYb2 3 を含むYb2 3 −Y2 3 複合物の溶射被膜をグラファイトトレーの表面に形成することにより、グラファイトトレー表面との結合力が強く、酸素欠損がなく、しかも気孔の極めて少ない緻密な被膜を形成することができる。
【0022】
したがって、焼結時における被膜中へのグラファイトトレーからの炭素侵入や、製品とグラファイトトレーとの間での炭素の移動現象を阻止して、製品品質の低下や製品とトレーとの溶着を効果的に防止しつつも、被膜とグラファイトとの境界面における酸化現象の発生を抑制して被膜の耐久性を向上させることができる。その結果、グラファイトトレーの寿命を大幅に延ばすことができ、製品品質の安定化および製造コストの低減化を図ることができる。

Claims (2)

  1. 超硬合金またはサーメット類の製品を焼結する際に使用する焼結用グラファイトトレーにおいて、超硬合金またはサーメット類の製品を搭載、保持する面に、80wt%以上のYb2 3 を含む酸化物の溶射被膜を形成したことを特徴とする焼結用グラファイトトレー。
  2. 超硬合金またはサーメット類の製品を焼結する際に使用する焼結用グラファイトトレーにおいて、超硬合金またはサーメット類の製品を搭載、保持する面に、50wt%以上のYb2 3 を含むYb2 3 −Y2 3 複合物の溶射被膜を形成したことを特徴とする焼結用グラファイトトレー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004332013A (ja) * 2003-05-01 2004-11-25 Hitachi Tool Engineering Ltd 被覆グラファイトトレー

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