JP2004195800A - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】バックアップ用の電池を備えていないインクジェットプリンタで、常に正確な時刻を取得し、その時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なう。
【解決手段】起動時に、予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信し、指定された電子メール受信者からの印刷ジョブを受信した時点で、その印刷ジョブに付加されている現在時刻(予め正確に設定されている)をインクジェットプリンタの時刻としてセットするため、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】起動時に、予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信し、指定された電子メール受信者からの印刷ジョブを受信した時点で、その印刷ジョブに付加されている現在時刻(予め正確に設定されている)をインクジェットプリンタの時刻としてセットするため、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に接続されるプリンタに関し、特に、プリンタの回復動作を定期的に行うためのプリンタ制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタがある。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されている。
【0004】
インクジェットプリンタにおいて、インク中の水分が蒸発していくことによりインクの粘度が増加し、記録ヘッドのノズルが目詰まりを起こすことがある。そこで、この記録ヘッドのノズルの目詰まりを防ぐため、あるいは、目詰まりを起こした記録ヘッドのノズルを回復させるため、各種の回復動作を定期的に行なう必要がある。
【0005】
この回復動作には、例えば、粘度の増加したインクをノズルから排出する吸引動作、インク乾燥防止のためノズルにキャップをするキャッピング動作、あるいは記録ヘッドのフェイス面を清掃するワイピング動作などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のインクジェットプリンタにおいて、定期的に回復動作を安定して行なうためには、回復動作を実行する日時に到達した場合にインクジェットプリンタは起動していなければならず、電源がオフになっていると上述の回復動作ができない。
【0007】
そこで、電源がオフになっていても定期的にこの回復動作を安定して行うためには、タイマーで起動するためのバックアップ用電池を備えている必要がある。しかしながら、このような電池を備えることはインクジェットプリンタのコストアップの原因となる。
【0008】
一方、インクジェットプリンタにバックアップ用の電池を備えることを省略した場合には、インクジェットプリンタの電源がオフにされた場合に定期的な回復動作を行なえない場合があったり、あるいは、上記の不具合を避けるために回復動作を必要としない場合にも回復動作を行うことによりインクを無駄に消費してしまう場合があった。
【0009】
また、バックアップ用の電池を備えないプリンタにおいて、プリンタの起動後(電源オン後)にホストPCから印刷ジョブとともに時刻を取得することも可能であるが、ネットワーク上に接続されたプリンタの場合、不特定多数のユーザ(ホストPC)から印刷ジョブを受け取ることになるため、ユーザから取得した時刻が必ずしも正確な時刻でない場合もある。このように、正確でない時刻を送信してくるユーザから受け取った時刻を使用して回復動作の日時を決定すると、定期的な回復動作が正確に実行できなくなる。
【0010】
本発明は上記説明した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、バックアップ用の電池を備えていないインクジェットプリンタにおいて、常に正確な時刻を取得することができ、取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことができるインクジェットプリンタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態のインクジェットプリンタは、以下の構成を有する。すなわち、ネットワークを介して複数の情報処理装置と接続されており、記録ヘッドからインクを吐出して記録するインクジェットプリンタであって、前記記録ヘッドからインクを安定して吐出させるための回復動作を行なう回復手段と、前記回復動作を行なった日時を記憶する回復日時記憶手段と、前記インクジェットプリンタの起動時に、前記複数の情報処理装置に印刷ジョブの送信を要求する電子メールを送信する送信手段と、前記電子メールを受信した情報処理装置から印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブの付随情報に基づいて前記インクジェットプリンタの日時を設定する日時設定手段と、前記回復動作を行なった日時と、前記インクジェットプリンタの日時とに基づいて、前記回復手段の動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、ネットワークを介して複数の情報処理装置と接続されており、記録ヘッドからインクを吐出して記録するインクジェットプリンタであって、記録ヘッドからインクを安定して吐出させるための回復動作を行なう回復部と、回復動作を行なった日時を記憶する回復日時記憶部と、インクジェットプリンタの起動時に、複数の情報処理装置に印刷ジョブの送信を要求する電子メールを送信する送信部と、電子メールを受信した情報処理装置から印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブの付随情報に基づいて前記インクジェットプリンタの日時を設定する日時設定部と、回復動作を行なった日時と、インクジェットプリンタの日時とに基づいて、回復部の動作を制御する制御部と、を備えることを特徴とするインクジェットプリンタとして実施可能である。
【0013】
このような発明は、具体的に図1〜図10に示す構成において、以下の第1〜第3の実施形態と対応して実現できる。
【0014】
<第1の実施形態>
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
本明細書において、「記録」(「印字」、「印刷」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0016】
また、「記録媒体」とは、長尺状の台紙と台紙の上に所定間隔で貼付されたラベルとからなるラベル紙、あるいは、長尺状で、所定間隔で印刷位置を規定するマークのついたタグ紙などであり、その材質は一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム等、インクを受容可能なものであってもよい。
【0017】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(印刷)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0018】
[インクジェットプリンタの構成:図10]
図10は、本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図10において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
【0019】
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。
【0020】
5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。
【0021】
又、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0022】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0023】
[インクジェットプリンタの制御構成:図1]
図1は実施形態におけるインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。図中、1はインクジェットプリンタの本体、2はシステムバス、3はパラレルインターフェース、4はネットワークインターフェースであり、イーサネット(登録商標)を介して図2の情報処理装置に接続される。
【0024】
5はCPU、6はメモリ、7はフラッシュROMであり、プリンタ制御や電子メールを送信するための制御プログラムを格納する。8はEEPROMであり、回復動作を行なった時刻(日時)や、図4Bに一例を示す指定されるオーナー名(インクジェットプリンタを使用するパーソナルコンピュータ等のユーザ名)を含む電子メールの送信先アドレス等を記憶する。
【0025】
9はRTCで時刻をカウントするが、本実施形態のインクジェットプリンタでは、バッテリのバックアップはされていないためインクジェットプリンタの電源オフによりカウント中の時刻は無効になる。
【0026】
10は操作パネルであり、インクジェットプリンタの設定等を行ういくつかのキーとプリンタのステータス等を表示する表示部とで構成される。
【0027】
11はプリンタエンジンであり、ホストからのデータを印字する記録ヘッドや記録ヘッドを駆動するモータなどで構成される。12はプリンタエンジンの中のヘッド回復部で、記録ヘッド回復モータ等で吸引、ワイピング、キャッピング等の回復動作を行なう。
【0028】
[情報処理装置の制御構成:図2]
図2はインクジェットプリンタに印刷の指示を出す情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0029】
図中、13は情報処理装置の本体、14はシステムバス、15は情報処理装置全体を制御するCPU、16はメモリ、17は外部記憶部で、プログラムやデータが保存されている。18は表示部である。
【0030】
19はパラレルインターフェースでケーブルを介してプリンタに接続される。20はネットワークインターフェースであり、イーサネット(登録商標)を介してプリンタに接続される。
【0031】
[インクジェットプリンタと情報処理装置の接続:図3]
図3はインクジェットプリンタ1と情報処理装置13−1,13−2とが4、20のネットワークインタフェースを介して接続されている構成を示す図である。情報処理装置13−1は、インクジェットプリンタ1によって指定されたオーナー名のパーソナルコンピュータであり、その時刻は正確に管理されている。
【0032】
図中21はイーサーネットである。22は電子メールサーバであり、インクジェットプリンタ1から送信された電子メール(指定されたオーナー名を含む)を保存し、各情報処理装置は、それぞれ電子メールサーバ22から電子メールを取得する。
【0033】
[電子メールと送信先:図4A,4B]
図4Aはプリンタが電源オンされた時にインクジェットプリンタ1が印刷ジョブのオーナに送信する電子メールの一例である。図4Bに、メモリーに記憶されている図4Aの電子メールの送信先リストの一例であり、401は予め指定されたオーナ名(情報装置13−1)とそのメールアドレスであり、この情報装置13−1には予め正確な現在時刻が設定され管理されているものとする。
【0034】
以下、図6、図7に示すフローチャートに従って、上記説明した構成を備えるインクジェットプリンタ1が電源オフにより時刻の計測が不可能になった場合でも、次の電源オンで指定されるオーナーからの印刷ジョブに付随して得られる正確な時刻を取得し、この取得した時刻を基準として次に予定される定期的な回復動作の時刻を管理することにより、その時刻に回復動作の処理を可能とする手順について詳細に説明する。
【0035】
これらの処理は、ROM7に格納されている制御プログラムに基づいてCPUがRAMを用い各部を制御しながら行う。
【0036】
[プリンタ起動時の時刻取得処理:図6]
図6はプリンタが電源をオンされた場合の時刻取得動作に関わるフローチャートである。
【0037】
まず、ステップS1において、時刻未設定フラグをセット(ON)する。時刻未設定フラグがセットされると、これ以降、時刻が設定されるまで印刷ジョブを受け取るたびに印刷ジョブのオーナ名を解析する。
【0038】
次に、ステップS2において、あらかじめ記憶しておいたメールアドレス(図4B)に対して、図4Aに一例を示すような電子メールを送信する。
【0039】
図4Aの電子メールには、電子メールの受信者に対して、例えば、「インクジェットプリンタに対して印刷ジョブを送信するか、インクジェットプリンタの操作パネルから時刻を設定して下さい」とインクジェットプリンタの時刻を設定するように要求する内容が記述されている。この送信された電子メールは電子メールサーバ22に蓄積される。
【0040】
次に、ステップS3において、全ての電子メール送信者にメールを送信したか否かを判断し、未送信の場合はステップS2に戻って作業を継続し、全ての電子メールが送信済みであることを確認すると一連の作業を終了する。
【0041】
[印刷ジョブ受信時の時刻取得処理及び回復処理:図7]
図7はインクジェットプリンタ1が印刷ジョブを受け取った時の時刻取得及び回復処理動作に関わるフローチャートである。
【0042】
まず、ステップS4において、時刻未設定フラグがセット(ON)されているか否かをチェックし、時刻未設定フラグがセットされていない(OFF)場合、すなわち、インクジェットプリンタに時刻が設定済みの場合はステップS7に進み、時刻未設定フラグがセット(ON)されている場合、すなわちインクジェットプリンタに時刻が未設定の場合はステップS5に進む。
【0043】
次に、ステップS5では、受信した印刷ジョブの付随情報として得られる印刷ジョブのオーナー名を解析する。この付随情報は、オーナ名や時刻を含んでいる。そして印刷ジョブのオーナ名が図4Bの401に示す指定されたオーナーからの印刷ジョブであるか否かを識別し、受信した印刷ジョブが指定されたオーナーからの場合にはステップS6の処理を行い、受信した印刷ジョブが指定されたオーナー以外の場合には何もしないでステップS10に進む。
【0044】
ステップS6では、印刷ジョブの付随情報に含まれる時刻を解析し、この時刻をインクジェットプリンタの時刻として設定する。次に、時刻未設定フラグのセットをクリア(OFF)する。なお本実施形態では、指定されたオーナーからの印刷ジョブに付随して取得される時刻が正確な時刻となるよう予め指定されたオーナー(情報処理装置)の時刻は設定されているものとする。
【0045】
次に、ステップS7では、EEPROMに記憶してあった前回の回復動作を行なった時間t1と現在の時刻t2を比較する。そして現在の時刻t2が予め決められた一定時間t3を経過していた場合(t2−t1>t3)にはステップS8に進み、現在の時刻t2が予め決められた一定時間t3を経過していない場合(t2−t1<t3)にはステップS10に進む。
【0046】
次にステップS8では、吸引などの各種回復動作を行なうように指示し、インクジェットプリンタの記録ヘッドの状態が目づまりのない正常な状態に保つように制御する。
【0047】
次に、ステップS9では、現在の時刻である今回回復動作を行った時刻をEEPROMに保存し、前回回復動作を行なった時刻を更新する。
【0048】
次に、ステップS10では、印刷ジョブに基づいて印字処理を指示し、印字が行われる。
【0049】
このように本発明の第1の実施形態のインクジェットプリンタでは、電子メールは、受信者に記録用の印刷ジョブの送信要求、あるいは、インクジェットプリンタの操作パネルからのプリンタ日時の入力要求、を含むことが好ましい。
【0050】
また例えば、送信部は、情報処理装置の中で予め指定された、現在時刻が設定されている情報処理装置に、電子メールを送信することが好ましい。
【0051】
また例えば、日時設定部は、印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブの付随情報より該印刷ジョブのオーナー名と日時とを識別し、該オーナ名が予め指定されたオーナ名の場合に該識別された日時をインクジェットプリンタの日時として設定することが好ましい。
【0052】
また例えば、操作パネルから受信者によって日時が入力された場合には、日時設定部は、該入力された日時をインクジェットプリンタの日時として設定することが好ましい。
【0053】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタを停止した(電源オフ)場合に、インクジェットプリンタを次に起動する(電源オン)タイミングで予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信し、電子メールの受信者に対して印刷ジョブの送信を促し、指定された電子メール受信者からの印刷ジョブを受信した時点で、その印刷ジョブに付随して得られる正確な時刻をインクジェットプリンタの時刻としてセットすることができる。
【0054】
このため、本実施形態のようにバックアップ用の電池を備えていないインクジェットプリンタにおいても、常に正確な時刻を取得することができ、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【0055】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を詳細に説明する。
【0056】
なお以下で説明する第2の実施形態の構成は、図1、図2、図3、図4を用いて説明した第1の実施形態と同じである。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明するものとする。
【0057】
[印刷ジョブ受信時の時刻取得処理及び回復処理:図8]
以下、図8に示すフローチャートに従って、上記説明した構成を備えるインクジェットプリンタが電源オフにより時刻の計測が不可能になった場合でも、次の電源オンで指定されるオーナーからの印刷ジョブに付随して得られる正確な時刻を取得し、この取得した時刻を基準として次に予定される定期的な回復動作の時刻を管理することにより、その時刻に回復動作の処理を可能とする手順について詳細に説明する。
【0058】
これらの処理は、ROM7に格納されている制御プログラムに基づいてCPUがRAMを用い各部を制御しながら行う。
【0059】
なお、第2の実施形態における電源オン時のプリンタ起動時の時刻取得処理は図6と同じであり、その説明は重複するので省略する。
【0060】
図8はインクジェットプリンタが印刷ジョブを受け取った時の時刻取得及び回復処理動作に関わるフローチャートである。
【0061】
まず、ステップS11において、時刻未設定フラグがセット(ON)されているか否かをチェックし、時刻未設定フラグがセットされていない(OFF)場合、すなわち、インクジェットプリンタに時刻が設定済みの場合はステップS16に進み、時刻未設定フラグがセット(ON)されている場合、すなわちインクジェットプリンタに時刻が未設定の場合はステップS12に進む。
【0062】
次に、ステップS12では、受信した印刷ジョブの付随情報として得られる印刷ジョブのオーナー名を解析する。この付随情報は、オーナ名や時刻を含んでいる。そして印刷ジョブのオーナ名が図4Bの401に示す指定されたオーナーからの印刷ジョブであるか否かを識別し、受信した印刷ジョブが指定されたオーナーからの場合にはステップS13の処理を行い、受信した印刷ジョブが指定されたオーナー以外の場合にはステップS14に進む。
【0063】
ステップS13では、印刷ジョブの付随情報に含まれる時刻を解析し、この時刻をインクジェットプリンタの時刻として設定する。次に、時刻未設定フラグのセットをクリア(OFF)してからステップS16に進む。なお本実施形態では、指定されたオーナーからの印刷ジョブに付随して取得される時刻が正確な時刻となるよう予め指定されたオーナー(情報処理装置)の時刻は設定されているものとする。
【0064】
一方、ステップS14では、インクジェットプリンタへ正確な時刻の設定が可能な指定されたオーナ(例えば、図4Bの401)からの印刷ジョブを受け取っていないので、再度指定されたオーナなどに電子メールを送信して印刷ジョブの投入を促すかどうかを判断するために、前回の電子メール送信から一定時間が経過したか否かを調べ、前回の電子メール送信から一定時間が経過している場合にはステップS15へ、そうでない場合にはステップS19へ進む。
【0065】
なお本実施形態のステップS14では、一例として前回送信した電子メールの送信時間から一定時間が経過したか否かを再度指定されたオーナ等に電子メールを送信する判断基準としているが、例えば、投入された印刷ジョブ数などをメール再送信の判断基準にしても構わない。
【0066】
次に、ステップS15において、あらかじめ記憶しておいたメールアドレス(図4B)に対して、図4Aに一例を示すような電子メールを送信する。
【0067】
図4Aの電子メールには、電子メールの受信者に対して、例えば、「インクジェットプリンタに対して印刷ジョブを送信するか、インクジェットプリンタの操作パネルから時刻を設定して下さい」とインクジェットプリンタの時刻を設定するように要求する内容が記述されている。この送信された電子メールは電子メールサーバ22に蓄積される。
【0068】
次に、ステップS16では、EEPROMに記憶してあった前回の回復動作を行なった時間t1と現在の時刻t2を比較する。そして現在の時刻t2が予め決められた一定時間t3を経過していた場合(t2−t1>t3)にはステップS17に進み、現在の時刻t2が予め決められた一定時間t3を経過していない場合(t2−t1<t3)にはステップS19に進む。
【0069】
次にステップS17では、吸引などの各種回復動作を行なうように指示し、インクジェットプリンタの記録ヘッドの状態が目づまりのない正常な状態に保つように制御する。
【0070】
次に、ステップS18では、現在の時刻である今回回復動作を行った時刻をEEPROMに保存し、前回回復動作を行なった時刻を更新する。
【0071】
次に、ステップS19では、印刷ジョブに基づいて印字処理を指示し、印字が行われる。
【0072】
このように本発明の第2の実施形態のインクジェットプリンタでは、電子メールを送信してから所定の時間を経過しても印刷ジョブを受信しない場合には、送信部は電子メールを再度送信することが好ましい。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタを停止した場合、インクジェットプリンタを次に起動するタイミングで予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信して電子メールの受信者に印刷ジョブの送信を促すとともに、所定時間を経過しても指定された受信者からの印刷ジョブを受信しない場合には、送信部は電子メールを再度することができる。
【0074】
このため、本実施形態のインクジェットプリンタは、第1実施形態のインクジェットプリンタに比べ、より確実に正確な時刻を取得することができ、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【0075】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を詳細に説明する。
【0076】
なお以下で説明する第3の実施形態の構成は、図1、図2、図3、図4を用いて説明した第1の実施形態と同じである。そこで、第3の実施形態では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明するものとする。
【0077】
[プリンタ起動時の時刻取得処理:図9]
以下、図9に示すフローチャートに従って、上記説明した構成を備えるインクジェットプリンタが電源オフにより時刻の計測が不可能になった場合でも、次の電源オンで指定されるオーナーからの印刷ジョブに付随して得られる正確な時刻を取得し、この取得した時刻を基準として次に予定される定期的な回復動作の時刻を管理することにより、その時刻に回復動作の処理を可能とする手順について詳細に説明する。
【0078】
これらの処理は、ROM7に格納されている制御プログラムに基づいてCPUがRAMを用い各部を制御しながら行う。
【0079】
なお、第3の実施形態における印刷ジョブ受信時の時刻取得処理及び回復処理は図8と同じであり、その説明は重複するので省略する。
【0080】
図9はインクジェットプリンタが電源をオンされた場合の時刻取得動作に関わるフローチャートである。
【0081】
まず、ステップS20において、時刻未設定フラグをセット(ON)する。時刻未設定フラグがセットされると、これ以降、時刻が設定されるまで印刷ジョブを受け取るたびに印刷ジョブのオーナ名を解析する。
【0082】
次に、ステップS21では、インクジェットプリンタに時刻が設定されていないため、インクジェットプリンタのステータスを時刻未設定の警告エラーの状態にする。ホストPC(情報処理装置13−1,13−2など)はインクジェットプリンタのステータスを取得した場合には、時刻未設定の警告エラーが認識され、その場合には、図5に一例を示すようなダイアログをホストPCの表示部に表示する。このように、ホストPCに時刻の設定を促すことにより、より速やかにインクジェットプリンタの時刻設定が行なわれる。この時刻未設定の警告エラーの状態はインクジェットプリンタに時刻が設定された時にクリアされる。
【0083】
次に、ステップS22において、あらかじめ記憶しておいたメールアドレス(図4B)に対して、図4Aに一例を示すような電子メールを送信する。
【0084】
図4Aの電子メールには、電子メールの受信者に対して、例えば、「インクジェットプリンタに対して印刷ジョブを送信するか、インクジェットプリンタの操作パネルから時刻を設定して下さい」とインクジェットプリンタの時刻を設定するように要求する内容が記述されている。この送信された電子メールは電子メールサーバ22に蓄積される。
【0085】
次に、ステップS23において、全ての電子メール送信者にメールを送信したか否かを判断し、未送信の場合はステップS22に戻って作業を継続し、全ての電子メールが送信済みであることを確認すると一連の作業を終了する。
【0086】
このように本発明の第3の実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタの起動時に、インクジェットプリンタの日時が設定されていないことを示す警告を設定する警告設定部を更に有することが好ましい。
【0087】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタを停止した場合、インクジェットプリンタを次に起動するタイミングで予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信して電子メールの受信者に印刷ジョブの送信を促すとともに、インクジェットプリンタの日時が記憶されないことを示す警告状態を設定することができる。
【0088】
このため、本実施形態のインクジェットプリンタは、第1実施形態のインクジェットプリンタに比べ、より確実に正確な時刻を取得することができ、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【0089】
[その他の実施形態]
なお、本発明は、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体などとしての実施態様を取ることも可能であり、具体的には、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0090】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0091】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体およびプログラム自体が本発明を構成することになる。
【0092】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0093】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0094】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0095】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図6〜9に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0096】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタを停止した場合に、インクジェットプリンタを次に起動するタイミングで予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信し、電子メールの受信者に対して印刷ジョブの送信を促す。そして、指定された電子メール受信者からの印刷ジョブを受信した時点で、その印刷ジョブに付加されている正確な時刻をインクジェットプリンタの時刻としてセットすることにより、本実施形態のようなバックアップ用の電池を備えていない場合でも常に正確な時刻を取得することができるので、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バックアップ用の電池を備えていないインクジェットプリンタであっても、常に正確な時刻を取得することができ、取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことができるインクジェットプリンタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における情報処理装置とインクジェットプリンタのネットワーク接続の一例を説明する図である。
【図4A】本実施形態においてインクジェットプリンタから情報処理装置に送信される電子メールの一例を説明する図である。
【図4B】本実施形態においてインクジェットプリンタに記憶されているオーナ(情報処理装置)名とその送信先の電子メールアドレスの一例を説明する図である。
【図5】第3実施形態において情報処理装置側で表示される警告エラーの一例を説明する図である。
【図6】第1実施形態のインクジェットプリンタが電源オンされた場合の時刻取得処理の動作を説明するフローチャートである。
【図7】第1実施形態のインクジェットプリンタが印刷ジョブを受け取った時の時刻取得処理及び回復処理処理の動作を説明するフローチャートである。
【図8】第2実施形態のインクジェットプリンタが印刷ジョブを受け取った時の時刻取得処理及び回復処理の動作を説明するフローチャートである。
【図9】第3実施形態のインクジェットプリンタが電源オンされた場合の時刻取得処理の動作を説明するフローチャートである。
【図10】インクジェットプリンタの概略構成を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1. プリンタ本体
2. プリンタのシステムバス
3. プリンタのパラレルI/F
4.プリンタのネットワークI/F
5. プリンタのCPU
6.プリンタのmemory
7. プリンタのFlash ROM
8. プリンタのEEPROM
9. プリンタのRTC
10. プリンタの操作パネル
11. プリンタのエンジン
12. プリンタのヘッド回復部
13. 情報処理装置本体
14. 情報処理装置のシステムバス
15. 情報処理装置のCPU
16. 情報処理装置のmemory
17. 情報処理装置の外部記憶部
18. 情報処理装置の表示部
19. 情報処理装置のパラレルI/F
20. 情報処理装置のネットワークI/F
21. イーサーネット
22. 電子メールサーバ
【発明の属する技術分野】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に接続されるプリンタに関し、特に、プリンタの回復動作を定期的に行うためのプリンタ制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタがある。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されている。
【0004】
インクジェットプリンタにおいて、インク中の水分が蒸発していくことによりインクの粘度が増加し、記録ヘッドのノズルが目詰まりを起こすことがある。そこで、この記録ヘッドのノズルの目詰まりを防ぐため、あるいは、目詰まりを起こした記録ヘッドのノズルを回復させるため、各種の回復動作を定期的に行なう必要がある。
【0005】
この回復動作には、例えば、粘度の増加したインクをノズルから排出する吸引動作、インク乾燥防止のためノズルにキャップをするキャッピング動作、あるいは記録ヘッドのフェイス面を清掃するワイピング動作などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のインクジェットプリンタにおいて、定期的に回復動作を安定して行なうためには、回復動作を実行する日時に到達した場合にインクジェットプリンタは起動していなければならず、電源がオフになっていると上述の回復動作ができない。
【0007】
そこで、電源がオフになっていても定期的にこの回復動作を安定して行うためには、タイマーで起動するためのバックアップ用電池を備えている必要がある。しかしながら、このような電池を備えることはインクジェットプリンタのコストアップの原因となる。
【0008】
一方、インクジェットプリンタにバックアップ用の電池を備えることを省略した場合には、インクジェットプリンタの電源がオフにされた場合に定期的な回復動作を行なえない場合があったり、あるいは、上記の不具合を避けるために回復動作を必要としない場合にも回復動作を行うことによりインクを無駄に消費してしまう場合があった。
【0009】
また、バックアップ用の電池を備えないプリンタにおいて、プリンタの起動後(電源オン後)にホストPCから印刷ジョブとともに時刻を取得することも可能であるが、ネットワーク上に接続されたプリンタの場合、不特定多数のユーザ(ホストPC)から印刷ジョブを受け取ることになるため、ユーザから取得した時刻が必ずしも正確な時刻でない場合もある。このように、正確でない時刻を送信してくるユーザから受け取った時刻を使用して回復動作の日時を決定すると、定期的な回復動作が正確に実行できなくなる。
【0010】
本発明は上記説明した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、バックアップ用の電池を備えていないインクジェットプリンタにおいて、常に正確な時刻を取得することができ、取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことができるインクジェットプリンタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態のインクジェットプリンタは、以下の構成を有する。すなわち、ネットワークを介して複数の情報処理装置と接続されており、記録ヘッドからインクを吐出して記録するインクジェットプリンタであって、前記記録ヘッドからインクを安定して吐出させるための回復動作を行なう回復手段と、前記回復動作を行なった日時を記憶する回復日時記憶手段と、前記インクジェットプリンタの起動時に、前記複数の情報処理装置に印刷ジョブの送信を要求する電子メールを送信する送信手段と、前記電子メールを受信した情報処理装置から印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブの付随情報に基づいて前記インクジェットプリンタの日時を設定する日時設定手段と、前記回復動作を行なった日時と、前記インクジェットプリンタの日時とに基づいて、前記回復手段の動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、ネットワークを介して複数の情報処理装置と接続されており、記録ヘッドからインクを吐出して記録するインクジェットプリンタであって、記録ヘッドからインクを安定して吐出させるための回復動作を行なう回復部と、回復動作を行なった日時を記憶する回復日時記憶部と、インクジェットプリンタの起動時に、複数の情報処理装置に印刷ジョブの送信を要求する電子メールを送信する送信部と、電子メールを受信した情報処理装置から印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブの付随情報に基づいて前記インクジェットプリンタの日時を設定する日時設定部と、回復動作を行なった日時と、インクジェットプリンタの日時とに基づいて、回復部の動作を制御する制御部と、を備えることを特徴とするインクジェットプリンタとして実施可能である。
【0013】
このような発明は、具体的に図1〜図10に示す構成において、以下の第1〜第3の実施形態と対応して実現できる。
【0014】
<第1の実施形態>
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
本明細書において、「記録」(「印字」、「印刷」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0016】
また、「記録媒体」とは、長尺状の台紙と台紙の上に所定間隔で貼付されたラベルとからなるラベル紙、あるいは、長尺状で、所定間隔で印刷位置を規定するマークのついたタグ紙などであり、その材質は一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム等、インクを受容可能なものであってもよい。
【0017】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(印刷)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0018】
[インクジェットプリンタの構成:図10]
図10は、本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図10において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
【0019】
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。
【0020】
5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。
【0021】
又、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0022】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0023】
[インクジェットプリンタの制御構成:図1]
図1は実施形態におけるインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。図中、1はインクジェットプリンタの本体、2はシステムバス、3はパラレルインターフェース、4はネットワークインターフェースであり、イーサネット(登録商標)を介して図2の情報処理装置に接続される。
【0024】
5はCPU、6はメモリ、7はフラッシュROMであり、プリンタ制御や電子メールを送信するための制御プログラムを格納する。8はEEPROMであり、回復動作を行なった時刻(日時)や、図4Bに一例を示す指定されるオーナー名(インクジェットプリンタを使用するパーソナルコンピュータ等のユーザ名)を含む電子メールの送信先アドレス等を記憶する。
【0025】
9はRTCで時刻をカウントするが、本実施形態のインクジェットプリンタでは、バッテリのバックアップはされていないためインクジェットプリンタの電源オフによりカウント中の時刻は無効になる。
【0026】
10は操作パネルであり、インクジェットプリンタの設定等を行ういくつかのキーとプリンタのステータス等を表示する表示部とで構成される。
【0027】
11はプリンタエンジンであり、ホストからのデータを印字する記録ヘッドや記録ヘッドを駆動するモータなどで構成される。12はプリンタエンジンの中のヘッド回復部で、記録ヘッド回復モータ等で吸引、ワイピング、キャッピング等の回復動作を行なう。
【0028】
[情報処理装置の制御構成:図2]
図2はインクジェットプリンタに印刷の指示を出す情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0029】
図中、13は情報処理装置の本体、14はシステムバス、15は情報処理装置全体を制御するCPU、16はメモリ、17は外部記憶部で、プログラムやデータが保存されている。18は表示部である。
【0030】
19はパラレルインターフェースでケーブルを介してプリンタに接続される。20はネットワークインターフェースであり、イーサネット(登録商標)を介してプリンタに接続される。
【0031】
[インクジェットプリンタと情報処理装置の接続:図3]
図3はインクジェットプリンタ1と情報処理装置13−1,13−2とが4、20のネットワークインタフェースを介して接続されている構成を示す図である。情報処理装置13−1は、インクジェットプリンタ1によって指定されたオーナー名のパーソナルコンピュータであり、その時刻は正確に管理されている。
【0032】
図中21はイーサーネットである。22は電子メールサーバであり、インクジェットプリンタ1から送信された電子メール(指定されたオーナー名を含む)を保存し、各情報処理装置は、それぞれ電子メールサーバ22から電子メールを取得する。
【0033】
[電子メールと送信先:図4A,4B]
図4Aはプリンタが電源オンされた時にインクジェットプリンタ1が印刷ジョブのオーナに送信する電子メールの一例である。図4Bに、メモリーに記憶されている図4Aの電子メールの送信先リストの一例であり、401は予め指定されたオーナ名(情報装置13−1)とそのメールアドレスであり、この情報装置13−1には予め正確な現在時刻が設定され管理されているものとする。
【0034】
以下、図6、図7に示すフローチャートに従って、上記説明した構成を備えるインクジェットプリンタ1が電源オフにより時刻の計測が不可能になった場合でも、次の電源オンで指定されるオーナーからの印刷ジョブに付随して得られる正確な時刻を取得し、この取得した時刻を基準として次に予定される定期的な回復動作の時刻を管理することにより、その時刻に回復動作の処理を可能とする手順について詳細に説明する。
【0035】
これらの処理は、ROM7に格納されている制御プログラムに基づいてCPUがRAMを用い各部を制御しながら行う。
【0036】
[プリンタ起動時の時刻取得処理:図6]
図6はプリンタが電源をオンされた場合の時刻取得動作に関わるフローチャートである。
【0037】
まず、ステップS1において、時刻未設定フラグをセット(ON)する。時刻未設定フラグがセットされると、これ以降、時刻が設定されるまで印刷ジョブを受け取るたびに印刷ジョブのオーナ名を解析する。
【0038】
次に、ステップS2において、あらかじめ記憶しておいたメールアドレス(図4B)に対して、図4Aに一例を示すような電子メールを送信する。
【0039】
図4Aの電子メールには、電子メールの受信者に対して、例えば、「インクジェットプリンタに対して印刷ジョブを送信するか、インクジェットプリンタの操作パネルから時刻を設定して下さい」とインクジェットプリンタの時刻を設定するように要求する内容が記述されている。この送信された電子メールは電子メールサーバ22に蓄積される。
【0040】
次に、ステップS3において、全ての電子メール送信者にメールを送信したか否かを判断し、未送信の場合はステップS2に戻って作業を継続し、全ての電子メールが送信済みであることを確認すると一連の作業を終了する。
【0041】
[印刷ジョブ受信時の時刻取得処理及び回復処理:図7]
図7はインクジェットプリンタ1が印刷ジョブを受け取った時の時刻取得及び回復処理動作に関わるフローチャートである。
【0042】
まず、ステップS4において、時刻未設定フラグがセット(ON)されているか否かをチェックし、時刻未設定フラグがセットされていない(OFF)場合、すなわち、インクジェットプリンタに時刻が設定済みの場合はステップS7に進み、時刻未設定フラグがセット(ON)されている場合、すなわちインクジェットプリンタに時刻が未設定の場合はステップS5に進む。
【0043】
次に、ステップS5では、受信した印刷ジョブの付随情報として得られる印刷ジョブのオーナー名を解析する。この付随情報は、オーナ名や時刻を含んでいる。そして印刷ジョブのオーナ名が図4Bの401に示す指定されたオーナーからの印刷ジョブであるか否かを識別し、受信した印刷ジョブが指定されたオーナーからの場合にはステップS6の処理を行い、受信した印刷ジョブが指定されたオーナー以外の場合には何もしないでステップS10に進む。
【0044】
ステップS6では、印刷ジョブの付随情報に含まれる時刻を解析し、この時刻をインクジェットプリンタの時刻として設定する。次に、時刻未設定フラグのセットをクリア(OFF)する。なお本実施形態では、指定されたオーナーからの印刷ジョブに付随して取得される時刻が正確な時刻となるよう予め指定されたオーナー(情報処理装置)の時刻は設定されているものとする。
【0045】
次に、ステップS7では、EEPROMに記憶してあった前回の回復動作を行なった時間t1と現在の時刻t2を比較する。そして現在の時刻t2が予め決められた一定時間t3を経過していた場合(t2−t1>t3)にはステップS8に進み、現在の時刻t2が予め決められた一定時間t3を経過していない場合(t2−t1<t3)にはステップS10に進む。
【0046】
次にステップS8では、吸引などの各種回復動作を行なうように指示し、インクジェットプリンタの記録ヘッドの状態が目づまりのない正常な状態に保つように制御する。
【0047】
次に、ステップS9では、現在の時刻である今回回復動作を行った時刻をEEPROMに保存し、前回回復動作を行なった時刻を更新する。
【0048】
次に、ステップS10では、印刷ジョブに基づいて印字処理を指示し、印字が行われる。
【0049】
このように本発明の第1の実施形態のインクジェットプリンタでは、電子メールは、受信者に記録用の印刷ジョブの送信要求、あるいは、インクジェットプリンタの操作パネルからのプリンタ日時の入力要求、を含むことが好ましい。
【0050】
また例えば、送信部は、情報処理装置の中で予め指定された、現在時刻が設定されている情報処理装置に、電子メールを送信することが好ましい。
【0051】
また例えば、日時設定部は、印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブの付随情報より該印刷ジョブのオーナー名と日時とを識別し、該オーナ名が予め指定されたオーナ名の場合に該識別された日時をインクジェットプリンタの日時として設定することが好ましい。
【0052】
また例えば、操作パネルから受信者によって日時が入力された場合には、日時設定部は、該入力された日時をインクジェットプリンタの日時として設定することが好ましい。
【0053】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタを停止した(電源オフ)場合に、インクジェットプリンタを次に起動する(電源オン)タイミングで予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信し、電子メールの受信者に対して印刷ジョブの送信を促し、指定された電子メール受信者からの印刷ジョブを受信した時点で、その印刷ジョブに付随して得られる正確な時刻をインクジェットプリンタの時刻としてセットすることができる。
【0054】
このため、本実施形態のようにバックアップ用の電池を備えていないインクジェットプリンタにおいても、常に正確な時刻を取得することができ、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【0055】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を詳細に説明する。
【0056】
なお以下で説明する第2の実施形態の構成は、図1、図2、図3、図4を用いて説明した第1の実施形態と同じである。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明するものとする。
【0057】
[印刷ジョブ受信時の時刻取得処理及び回復処理:図8]
以下、図8に示すフローチャートに従って、上記説明した構成を備えるインクジェットプリンタが電源オフにより時刻の計測が不可能になった場合でも、次の電源オンで指定されるオーナーからの印刷ジョブに付随して得られる正確な時刻を取得し、この取得した時刻を基準として次に予定される定期的な回復動作の時刻を管理することにより、その時刻に回復動作の処理を可能とする手順について詳細に説明する。
【0058】
これらの処理は、ROM7に格納されている制御プログラムに基づいてCPUがRAMを用い各部を制御しながら行う。
【0059】
なお、第2の実施形態における電源オン時のプリンタ起動時の時刻取得処理は図6と同じであり、その説明は重複するので省略する。
【0060】
図8はインクジェットプリンタが印刷ジョブを受け取った時の時刻取得及び回復処理動作に関わるフローチャートである。
【0061】
まず、ステップS11において、時刻未設定フラグがセット(ON)されているか否かをチェックし、時刻未設定フラグがセットされていない(OFF)場合、すなわち、インクジェットプリンタに時刻が設定済みの場合はステップS16に進み、時刻未設定フラグがセット(ON)されている場合、すなわちインクジェットプリンタに時刻が未設定の場合はステップS12に進む。
【0062】
次に、ステップS12では、受信した印刷ジョブの付随情報として得られる印刷ジョブのオーナー名を解析する。この付随情報は、オーナ名や時刻を含んでいる。そして印刷ジョブのオーナ名が図4Bの401に示す指定されたオーナーからの印刷ジョブであるか否かを識別し、受信した印刷ジョブが指定されたオーナーからの場合にはステップS13の処理を行い、受信した印刷ジョブが指定されたオーナー以外の場合にはステップS14に進む。
【0063】
ステップS13では、印刷ジョブの付随情報に含まれる時刻を解析し、この時刻をインクジェットプリンタの時刻として設定する。次に、時刻未設定フラグのセットをクリア(OFF)してからステップS16に進む。なお本実施形態では、指定されたオーナーからの印刷ジョブに付随して取得される時刻が正確な時刻となるよう予め指定されたオーナー(情報処理装置)の時刻は設定されているものとする。
【0064】
一方、ステップS14では、インクジェットプリンタへ正確な時刻の設定が可能な指定されたオーナ(例えば、図4Bの401)からの印刷ジョブを受け取っていないので、再度指定されたオーナなどに電子メールを送信して印刷ジョブの投入を促すかどうかを判断するために、前回の電子メール送信から一定時間が経過したか否かを調べ、前回の電子メール送信から一定時間が経過している場合にはステップS15へ、そうでない場合にはステップS19へ進む。
【0065】
なお本実施形態のステップS14では、一例として前回送信した電子メールの送信時間から一定時間が経過したか否かを再度指定されたオーナ等に電子メールを送信する判断基準としているが、例えば、投入された印刷ジョブ数などをメール再送信の判断基準にしても構わない。
【0066】
次に、ステップS15において、あらかじめ記憶しておいたメールアドレス(図4B)に対して、図4Aに一例を示すような電子メールを送信する。
【0067】
図4Aの電子メールには、電子メールの受信者に対して、例えば、「インクジェットプリンタに対して印刷ジョブを送信するか、インクジェットプリンタの操作パネルから時刻を設定して下さい」とインクジェットプリンタの時刻を設定するように要求する内容が記述されている。この送信された電子メールは電子メールサーバ22に蓄積される。
【0068】
次に、ステップS16では、EEPROMに記憶してあった前回の回復動作を行なった時間t1と現在の時刻t2を比較する。そして現在の時刻t2が予め決められた一定時間t3を経過していた場合(t2−t1>t3)にはステップS17に進み、現在の時刻t2が予め決められた一定時間t3を経過していない場合(t2−t1<t3)にはステップS19に進む。
【0069】
次にステップS17では、吸引などの各種回復動作を行なうように指示し、インクジェットプリンタの記録ヘッドの状態が目づまりのない正常な状態に保つように制御する。
【0070】
次に、ステップS18では、現在の時刻である今回回復動作を行った時刻をEEPROMに保存し、前回回復動作を行なった時刻を更新する。
【0071】
次に、ステップS19では、印刷ジョブに基づいて印字処理を指示し、印字が行われる。
【0072】
このように本発明の第2の実施形態のインクジェットプリンタでは、電子メールを送信してから所定の時間を経過しても印刷ジョブを受信しない場合には、送信部は電子メールを再度送信することが好ましい。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタを停止した場合、インクジェットプリンタを次に起動するタイミングで予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信して電子メールの受信者に印刷ジョブの送信を促すとともに、所定時間を経過しても指定された受信者からの印刷ジョブを受信しない場合には、送信部は電子メールを再度することができる。
【0074】
このため、本実施形態のインクジェットプリンタは、第1実施形態のインクジェットプリンタに比べ、より確実に正確な時刻を取得することができ、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【0075】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を詳細に説明する。
【0076】
なお以下で説明する第3の実施形態の構成は、図1、図2、図3、図4を用いて説明した第1の実施形態と同じである。そこで、第3の実施形態では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明するものとする。
【0077】
[プリンタ起動時の時刻取得処理:図9]
以下、図9に示すフローチャートに従って、上記説明した構成を備えるインクジェットプリンタが電源オフにより時刻の計測が不可能になった場合でも、次の電源オンで指定されるオーナーからの印刷ジョブに付随して得られる正確な時刻を取得し、この取得した時刻を基準として次に予定される定期的な回復動作の時刻を管理することにより、その時刻に回復動作の処理を可能とする手順について詳細に説明する。
【0078】
これらの処理は、ROM7に格納されている制御プログラムに基づいてCPUがRAMを用い各部を制御しながら行う。
【0079】
なお、第3の実施形態における印刷ジョブ受信時の時刻取得処理及び回復処理は図8と同じであり、その説明は重複するので省略する。
【0080】
図9はインクジェットプリンタが電源をオンされた場合の時刻取得動作に関わるフローチャートである。
【0081】
まず、ステップS20において、時刻未設定フラグをセット(ON)する。時刻未設定フラグがセットされると、これ以降、時刻が設定されるまで印刷ジョブを受け取るたびに印刷ジョブのオーナ名を解析する。
【0082】
次に、ステップS21では、インクジェットプリンタに時刻が設定されていないため、インクジェットプリンタのステータスを時刻未設定の警告エラーの状態にする。ホストPC(情報処理装置13−1,13−2など)はインクジェットプリンタのステータスを取得した場合には、時刻未設定の警告エラーが認識され、その場合には、図5に一例を示すようなダイアログをホストPCの表示部に表示する。このように、ホストPCに時刻の設定を促すことにより、より速やかにインクジェットプリンタの時刻設定が行なわれる。この時刻未設定の警告エラーの状態はインクジェットプリンタに時刻が設定された時にクリアされる。
【0083】
次に、ステップS22において、あらかじめ記憶しておいたメールアドレス(図4B)に対して、図4Aに一例を示すような電子メールを送信する。
【0084】
図4Aの電子メールには、電子メールの受信者に対して、例えば、「インクジェットプリンタに対して印刷ジョブを送信するか、インクジェットプリンタの操作パネルから時刻を設定して下さい」とインクジェットプリンタの時刻を設定するように要求する内容が記述されている。この送信された電子メールは電子メールサーバ22に蓄積される。
【0085】
次に、ステップS23において、全ての電子メール送信者にメールを送信したか否かを判断し、未送信の場合はステップS22に戻って作業を継続し、全ての電子メールが送信済みであることを確認すると一連の作業を終了する。
【0086】
このように本発明の第3の実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタの起動時に、インクジェットプリンタの日時が設定されていないことを示す警告を設定する警告設定部を更に有することが好ましい。
【0087】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタを停止した場合、インクジェットプリンタを次に起動するタイミングで予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信して電子メールの受信者に印刷ジョブの送信を促すとともに、インクジェットプリンタの日時が記憶されないことを示す警告状態を設定することができる。
【0088】
このため、本実施形態のインクジェットプリンタは、第1実施形態のインクジェットプリンタに比べ、より確実に正確な時刻を取得することができ、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【0089】
[その他の実施形態]
なお、本発明は、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体などとしての実施態様を取ることも可能であり、具体的には、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0090】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0091】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体およびプログラム自体が本発明を構成することになる。
【0092】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0093】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0094】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0095】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図6〜9に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0096】
以上説明したように、本実施形態のインクジェットプリンタでは、インクジェットプリンタを停止した場合に、インクジェットプリンタを次に起動するタイミングで予め記憶していた電子メールアドレスに電子メールを送信し、電子メールの受信者に対して印刷ジョブの送信を促す。そして、指定された電子メール受信者からの印刷ジョブを受信した時点で、その印刷ジョブに付加されている正確な時刻をインクジェットプリンタの時刻としてセットすることにより、本実施形態のようなバックアップ用の電池を備えていない場合でも常に正確な時刻を取得することができるので、この取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことが可能である。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バックアップ用の電池を備えていないインクジェットプリンタであっても、常に正確な時刻を取得することができ、取得した時刻に基づいて定期的な回復動作を正確に行なうことができるインクジェットプリンタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における情報処理装置とインクジェットプリンタのネットワーク接続の一例を説明する図である。
【図4A】本実施形態においてインクジェットプリンタから情報処理装置に送信される電子メールの一例を説明する図である。
【図4B】本実施形態においてインクジェットプリンタに記憶されているオーナ(情報処理装置)名とその送信先の電子メールアドレスの一例を説明する図である。
【図5】第3実施形態において情報処理装置側で表示される警告エラーの一例を説明する図である。
【図6】第1実施形態のインクジェットプリンタが電源オンされた場合の時刻取得処理の動作を説明するフローチャートである。
【図7】第1実施形態のインクジェットプリンタが印刷ジョブを受け取った時の時刻取得処理及び回復処理処理の動作を説明するフローチャートである。
【図8】第2実施形態のインクジェットプリンタが印刷ジョブを受け取った時の時刻取得処理及び回復処理の動作を説明するフローチャートである。
【図9】第3実施形態のインクジェットプリンタが電源オンされた場合の時刻取得処理の動作を説明するフローチャートである。
【図10】インクジェットプリンタの概略構成を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1. プリンタ本体
2. プリンタのシステムバス
3. プリンタのパラレルI/F
4.プリンタのネットワークI/F
5. プリンタのCPU
6.プリンタのmemory
7. プリンタのFlash ROM
8. プリンタのEEPROM
9. プリンタのRTC
10. プリンタの操作パネル
11. プリンタのエンジン
12. プリンタのヘッド回復部
13. 情報処理装置本体
14. 情報処理装置のシステムバス
15. 情報処理装置のCPU
16. 情報処理装置のmemory
17. 情報処理装置の外部記憶部
18. 情報処理装置の表示部
19. 情報処理装置のパラレルI/F
20. 情報処理装置のネットワークI/F
21. イーサーネット
22. 電子メールサーバ
Claims (1)
- ネットワークを介して複数の情報処理装置と接続されており、記録ヘッドからインクを吐出して記録するインクジェットプリンタであって、
前記記録ヘッドからインクを安定して吐出させるための回復動作を行なう回復手段と、
前記回復動作を行なった日時を記憶する回復日時記憶手段と、
前記インクジェットプリンタの起動時に、前記複数の情報処理装置に印刷ジョブの送信を要求する電子メールを送信する送信手段と、
前記電子メールを受信した情報処理装置から印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブの付随情報に基づいて前記インクジェットプリンタの日時を設定する日時設定手段と、
前記回復動作を行なった日時と、前記インクジェットプリンタの日時とに基づいて、前記回復手段の動作を制御する制御手段と、
を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002366847A JP2004195800A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | インクジェットプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002366847A JP2004195800A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | インクジェットプリンタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004195800A true JP2004195800A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32763925
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002366847A Withdrawn JP2004195800A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | インクジェットプリンタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004195800A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007047662A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置およびその制御方法 |
JP2008023731A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Seiko Epson Corp | 液体噴射装置 |
JP2014151466A (ja) * | 2013-02-05 | 2014-08-25 | Toshiba Tec Corp | ラベルプリンタシステム及びラベルプリンタ並びにその制御プログラム |
-
2002
- 2002-12-18 JP JP2002366847A patent/JP2004195800A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007047662A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置およびその制御方法 |
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Legal Events
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