JP2004192668A - 光ピックアップ及び平行光調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光プックアップ及び平行光調整方法を提供する。
【解決手段】この光ピックアップは、発光素子と受光素子と回折格子素子が一体となった集積デバイス1と、光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換するコリメータレンズ2と、アナモフィックレンズ3と、光束を偏向する反射ミラー4と、光束径を対物レンズのNAに適合させる為に所望の径に変換するビームコンプレッサ(エキスパンダ)5と、光束を分岐するためにビームスプリッタ6と、シリンドリカルレンズ7aで集光光束に非点収差をつけ4分割受光素子7bでその光束を受ける非点収差検出手段7と、レンズからの平行光を受ける対物レンズ8と、その対物レンズで集束されたスポットを受ける光ディスク9とを備えて構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】この光ピックアップは、発光素子と受光素子と回折格子素子が一体となった集積デバイス1と、光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換するコリメータレンズ2と、アナモフィックレンズ3と、光束を偏向する反射ミラー4と、光束径を対物レンズのNAに適合させる為に所望の径に変換するビームコンプレッサ(エキスパンダ)5と、光束を分岐するためにビームスプリッタ6と、シリンドリカルレンズ7aで集光光束に非点収差をつけ4分割受光素子7bでその光束を受ける非点収差検出手段7と、レンズからの平行光を受ける対物レンズ8と、その対物レンズで集束されたスポットを受ける光ディスク9とを備えて構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光プックアップに関し、さらに詳しくは、光ディスクシステムにおける光ピックアップや、レーザプリンタ、デジタル複写機、干渉計等のレーザコリメート光を用いる機器及びその生産技術分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体レーザの出射光は水平方向と垂直方向とで発光点がずれるという非点隔差を有している(図2参照)。垂直方向の発光点位置は、ほぼレーザ出射端面にあるが、水平方向の発光点位置は数μm〜数10μmの単位で出射端面よりも内側に移動していることが多い。このため、出射光を集光する場合に、集光点においても非点収差が生じて微小スポットを形成することが難しくなる。そこで、光ディスクドライブにおける光ピックアップを中心に、レーザプリンタ、デジタル複写機等のコリメート光の調整に関連して、光束の非点収差を補正する技術が開示されている。例えば、特開平8−55360号公報には、半導体レーザとコリメートレンズと整形プリズムと集光レンズ(対物レンズ)から構成される光ピックアップ光学系において、レーザの非点隔差量から半導体レーザの設置位置を算出し、その位置に設置することにより光束の非点収差を補正する技術について開示されている。
また、特開平9−21981号公報には、ビーム整形機能を持った光ピックアップ用光学系において、対物レンズ入射前の光束とそれを上下反転させた光束を重ねてできる干渉縞を観察することにより非点収差を認識し、それをもとに半導体レーザとコリメータレンズの間隔調整を行って、光束の非点収差を補正する技術について開示されている。
また、特開2001−273665公報には、半導体レーザとコリメートレンズとビーム整形素子と集光レンズ(対物レンズ)と光検出器から構成される光ピックアップ光学系において、コリメータレンズとビーム整形素子の相対位置を変化させることにより光束の非点収差を補正する技術について開示されている。
また、特開2002−15435公報には、光ピックアップ用光学系の対物レンズ入射前の光束を画像処理装置に取り込み、光ビーム断面形状により光束の非点収差を認識する。これに基づいて、光源をシフトさせて光学系に対する入射角を変化させ非点収差を補正するとしている。
【0003】
図14には特許文献1〜3を代表する光ピックアップの光学系を示す。光源(集積デバイス)11と光源11からの光束を受けるコリメータレンズ12とビーム整形プリズム13、その透過光を受ける対物レンズ16と、その対物レンズ16で集束されたスポットを受ける光ディスク17が基本となる。また、図12には非点収差検出手段として、集光レンズに2枚のナイフエッジを集光点前後に配置し、光束の縦横をナイフエッジで切った時の光量変化を受光素子で検出するダブルナイフエッジ法を示してある。この図14で光源の非点隔差による光束の非点収差を補正するには、光源(集積デバイス)11とビーム整形プリズム13は固定しておいて、その間のコリメートレンズ12を焦点方向(光軸方向)に移動し、三者(光源11、ビーム整形プリズム13、コリメートレンズ12)の相対位置関係を変化させればよい。光源非点隔差は前述した様に、発光点が縦横(水平、垂直)方向で光軸方向にずれる現象を言い、図2に示すように、これに起因してコリメータレンズ後の光束に非点収差をもつ。これは図3(a)記載の様に、コリメータレンズ1枚の光軸方向の調整ではどちらかを平行光にすることは可能でも縦横(水平、垂直)両方を平行光にするのは不可能で有り、かつ縦横(水平、垂直)両方を同じ平行性つまり非点収差の無い状態にすることもできない。しかし、ビーム整形プリズム13がはいったことで、図3(b)に示す様に、コリメートレンズ12移動に対する光束平行性変化の感度が縦横でわり、交点を持つようになる。この位置にコリメートレンズ12を移動することにより非点収差のない光束が得られる。しかし、非点隔差の量やビーム整形倍率によって程度は変わるものの、この光束は平行光束ではなく、光束波面はフラットではない。
【特許文献1】特開平8−55360号公報
【特許文献2】特開平9−21981号公報
【特許文献3】特開2001−273665公報
【特許文献4】特開2002−15435公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、特にレーザ光を用いた光ピックアップでは、高密度化に伴う微小スポットの必要性が高まり、前記光学系の収差が無視できない状況にあり、技術開発が盛んに行われており、特許文献1〜3の従来技術は光束非点収差の検出法の違いはあるものの、全て光源とコリメータレンズとビーム整形プリズムの構成で、その相対位置関係を調整して対物レンズに入射する光束の非点収差を補正する発明である。特許文献1の場合は、半導体レーザの非点隔差を既知の値とし、それを考慮してレーザ設置する位置を決め、その位置に実装することで、レーザとコリメータレンズとの距離を調整し、対物レンズへ入射する光束の非点収差を補正するものである。
また、特許文献2の場合は、対物レンズ入射前の光束とそれを上下反転させた光束を重ねてできる干渉縞を観察することにより非点収差を認識し、それをもとに半導体レーザとコリメータレンズの間隔調整を行って、光束の非点収差を補正するものである。
また特許文献3の場合は、非点収差の検出方式は定かではないが、コリメータレンズとビーム整形素子の相対位置を変化させることにより光束の非点収差を補正するものである。
しかしながら、前記特許文献1〜3の方法の場合、半導体レーザに非点隔差が有っても、確かに対物レンズに入射する光束の非点収差を補正することが可能であるが、コリメート波面はフラットにできないことになり、曲率をもった球面波として対物レンズに入射することになる。
更に、特許文献4の従来技術は前記特許文献1〜3と異なり、半導体レーザ(光源)を発光軸に垂直な面内で移動させて光学系に対する入射角を変化させ非点収差を補正しており、光束非点収差の検出は対物レンズ入射前の光束を画像処理装置に取り込み、光ビーム断面形状により認識するものである。
しかし、この方法の場合、光学系(対物レンズ)に対して光束が斜入射するため、波面収差が大きくなり、集光性能が劣化するという不具合が発生する。また、光利用効率の面でも損失が大きくなり、高速・高密度記録では特に問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光プックアップ及び平行光調整方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップであって、前記光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学要素として、コリメータレンズ及び1枚以上のアナモフィックレンズを備えることを特徴とする。
半導体レーザの出射光は水平方向と垂直方向とで発光点がずれるという非点隔差を有しているのが一般的である。このため、光ビームを集光する場合に、集光点において非点収差が生じて微少スポットを形成することが困難となる。それを補正する手段としてコリメータレンズとアナモフィックレンズを備える。
かかる発明によれば、光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換する光学要素として、コリメータレンズと1枚以上のアナモフィックレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
請求項2は、前記1枚以上のアナモフィックレンズは、1枚のシルンドリカルレンズにより構成されることを特徴とする。
アナモフィックレンズは設計が難しく、レンズのコストが高くなる。そこで、アナモフィックレンズに代わり、シルンドリカルレンズを備えても同じ効果を期待できる。
かかる発明によれば、1枚以上のアナモフィックレンズとして1枚のシルンドリカルレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現した光学系を提供することができる。
請求項3は、前記1枚以上のアナモフィックレンズは、異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズを光軸を中心として互いに直交させて配置することを特徴とする。
シルンドリカルレンズ1枚では補正しきれない可能性があるので、焦点距離の異なるもう1枚のシルンドリカルレンズを光軸を中心に直交させて配置する。
かかる発明によれば、1枚以上のアナモフィックレンズとして2枚の焦点距離の異なるシルンドリカルレンズを直交させた状態で配置することにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
【0006】
請求項4は、前記1枚以上のアナモフィックレンズは、1枚のトロイダルレンズにより構成されることを特徴とする。
アナモフィックレンズは設計が難しく、レンズのコストが高くなる。そこで、アナモフィックレンズに代わり、トロイダルレンズを備えても同じ効果を期待できる。
かかる発明によれば、アナモフィックレンズとしてトロイダルレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
請求項5は、前記コリメータレンズ及び1枚以上のアナモフィックレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動手段と、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出手段と、を備え、前記光束平行性検出手段から得られる光束の縦横の平行性に基づいて、前記各光学要素を前記レンズ移動手段により個別に移動することにより、直交2軸の光束平行性を調整して前記光学要素の非点収差を補正することを特徴とする。
請求項2〜4のレンズ構成で、それらのレンズを個別に移動するレンズ移動手段を持ち、これを光束平行性検出手段から得られる光束の縦横の平行性をもとに平行光調整手段であるコリメータレンズとアナモフィクレンズをレンズ移動手段により個別に移動させることにより、直交2軸の光束平行性を個別に調整でき、非点収差の無い平行光(コリメート波面がフラット)な光束に調整可能となる。
かかる発明によれば、コリメータレンズとアナモフィックレンズで構成される平行光調整手段と、その各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動手段と、平行光調整手段からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する手段を備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能な光ピックアップを提供することができる。
【0007】
請求項6は、前記光束平行性検出手段として非点収差法を用いることを特徴とする。
非点収差法は、4分割の受光素子を配置し、その受光素子に受光する光量が等しければ正しく補正されているとして検出する。
かかる発明によれば、光束平行性検出手段として非点収差法を用いることにより、簡易な構成で正確にコリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を行うことができる。
請求項7は、前記光束平行性検出手段としてダブルナイフエッジ法を用いることを特徴とする。
ダブルナイフエッジ法は、集光レンズに2枚のナイフエッジを集光点前後に配置し、光束の縦横をナイフエッジで切った時の光量変化を受光素子で検出するものである。
かかる発明によれば、光束平行性検出手段としてダブルナイフエッジ法を用いることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を行うことができる。
請求項8は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び1枚以上のアナモフィックレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる光束の縦横の平行性に基づいて、前記各光学要素を前記レンズ移動ステップにより個別に移動することにより、直交2軸の光束平行性を調整して前記光学要素の非点収差を補正することを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項5と同様の作用効果を奏する。
【0008】
請求項9は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び1枚のシルンドリカルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の一方の軸の情報に基づいて、前記コリメータレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させ、その後前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の他方の軸の情報に基づいて、前記シルンドリカルレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させることにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする。
請求項2の光学要素において請求項8の平行光調整方法を実施する手順として、最初に光束平行性検出手段から得られる直交2軸の一方の軸の情報をもとにコリメータレンズをレンズ移動手段により移動させて、その後光束平行性検出手段から得られる直交2軸のもう一方の軸の情報をもとにシリンドリカルレンズをレンズ移動手段により移動させて直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整する。
かかる発明によれば、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
【0009】
請求項10は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の一方の軸の情報に基づいて、前記コリメータレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させ、その後前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の他方の軸の情報に基づいて、前記2枚のシルンドリカルレンズの何れか一方を前記レンズ移動ステップにより移動させることにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする。
請求項3の光学要素において請求項8の平行光調整方法を実施する手順として、最初に光束平行性検出手段から得られる直交2軸の一方の軸の情報をもとにコリメータレンズをレンズ移動手段により移動させて、その後光束平行性検出手段から得られる直交2軸のもう一方の軸の情報をもとに2枚のシリンドリカルレンズのうちの1枚をレンズ移動手段により移動させて直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整する。
かかる発明によれば、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
請求項11は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズ若しくは1枚のトロイダルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の一方の軸の情報に基づいて、前記コリメータレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させ、その後前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の他方の軸の情報に基づいて、前記2枚を一対としたシルンドリカルレンズ若しくはトロイダルレンズの何れか一方を前記レンズ移動ステップにより移動させることにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする。
請求項3もしくは4の光学要素において請求項8の平行光調整方法を実施する手順として、最初に光束平行性検出手段から得られる直交2軸の一方の軸の情報をもとにコリメータレンズをレンズ移動手段により移動させて、その後光束平行性検出手段から得られる直交2軸のもう一方の軸の情報をもとに2枚を一対としたシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズをレンズ移動手段により移動させる。
かかる発明によれば、コリメータレンズとシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動を繰返して直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
【0010】
請求項12は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズ若しくは1枚のトロイダルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の情報に基づいて、最終収束位置を予測する予測演算手段により最終収束位置を演算し、前記各光学要素を前記レンズ移動ステップにより一度に移動することにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする。
請求項3もしくは4の光学構成において請求項8の平行光調整方法を実施する手順として、光束平行性検出手段から得られる直交2軸の情報をもとに予測演算手段で演算し、制御要素であるコリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズをレンズ移動手段により一度に移動させて直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整する。
かかる発明によれば、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を効率良く短時間に行うことが可能となる。
請求項13は、前記予測演算手段の中に前記コリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズ若しくはトロイダルレンズの移動量をパラメータとして、前記各レンズの相互作用により制御される光束の直交2軸に関する所望の平行性からの誤差量を表した2つの3次元モデルを一空間に表現し、該一空間の3次元モデルを用いて前記前記コリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズ若しくはトロイダルレンズの収束位置を前記予測演算手段により演算して求めることを特徴とする。
請求項12の平行光調整方法において、予測演算手段の中にコリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動量をパラメータに、その相互作用により制御される光束の直交2軸に関する所望の平行性からの誤差量を表した2つの3次元モデル(誤差曲面モデル)を一空間に表し、それを用いて両レンズの収束位置を予測演算で演算して求める。
かかる発明によれば、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を効率良く短時間に行うことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップへの応用例を示す図である。この光ピックアップは、発光素子と受光素子と回折格子素子が一体となった集積デバイス1と、光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換するコリメータレンズ2と、アナモフィックレンズ3と、光束を偏向する反射ミラー4と、光束径を対物レンズのNAに適合させる為に所望の径に変換するビームコンプレッサ(エキスパンダ)5と、光束を分岐するためにビームスプリッタ6と、シリンドリカルレンズ7aで集光光束に非点収差をつけ4分割受光素子7bでその光束を受ける非点収差検出手段7と、レンズからの平行光を受ける対物レンズ8と、その対物レンズで集束されたスポットを受ける光ディスク9とを備えて構成される。
光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換する光学要素として、コリメータレンズ2と1枚以上のアナモフィックレンズ3を有し、それらのレンズの焦点方向への移動により、非点収差のない平行光束をつくる光学系に関して、光ピックアップの光学系に適用した例を図1に基本光学系として示し、これに基づいて説明する。光源と光源からの光束を受けるコリメータレンズ2とアナモフィックレンズ3、そのレンズからの平行光を受ける対物レンズ8と、その対物レンズで集束されたスポットを受ける光ディスク9が基本となる。図1の場合、発光素子と受光素子と回折格子素子が一体となった集積デバイス1を受発光源として使用している。その他アナモフィックレンズ3から出射した光束を対物レンズ8まで導く経路には必要に応じて光学素子を配置する(必要なければ不要)。この場合、光束を偏向する反射ミラー4、光束径を対物レンズのNAに適合させるために所望の径に変換するビームコンプレッサ(エキスパンダ)5、光束を分岐するためにビームスプリッタ6を設けている。また、図1には光ピックアップそのものの光学系に付加して、光束の非点収差を検出する非点収差検出手段7を示している。この図の場合には集光レンズにシリンドリカルレンズ7aで集光光束に非点収差をつけ、4分割受光素子7bでその光束を受ける非点収差法と呼ばれる光学系を挙げた。その他にはダブルナイフエッジ法等で検出可能である。この検出法の詳細については後述する。
【0012】
図4は本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。この基本光学系は、図1の基本光学系をもとに図1のアナモフィックレンズ3として1枚のシリンドリカルレンズ20を設ける構成である。
図5本発明の第3の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。この基本光学系は、図1の基本光学系をもとに図1のアナモフィックレンズ3として2枚の焦点距離の異なるシリンドリカルレンズ21aと21bを直交させて設ける構成である。
図6本発明の第4の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。この基本光学系は、図1の基本光学系をもとに図1のアナモフィックレンズ3として1枚のトロイダルレンズ22を設ける構成である。
【0013】
また、本発明の第5の実施形態の基本光学系の調整方法は、前記図4〜6の光学系構成で、図4〜6の矢印の方向に個別にレンズ移動手段を持っているものであり、これを後述する光束平行性検出手段から得られる光束の縦横の平行性をもとに平行光調整手段であるコリメータレンズとアナモフィクレンズをレンズ移動手段により個別に移動させることにより、直交2軸の光束平行性を個別に調整でき、非点収差の無い平行光(コリメート波面がフラット)な光束に調整可能となる。つまり、図7に示す様に光源とコリメータレンズの関係から決まる感度(傾き)が▲1▼である場合、アナモフィクレンズのパワーに依存して感度が変化し、▲2▼の相関直線となる。また、そのアナモフィックレンズの設置位置により▲2▼の相関直線がシフトし、例えば相関直線▲3▼のようになる。アナモフィックレンズであるので、水平軸、垂直軸(縦横)で個別に変化が起こり、図8の様にアナモフィックレンズとコリメータレンズの調整により、波面がフラットで非点収差の無い光束に変換できるわけである。
また、本発明の第6の実施形態の基本光学系の調整方法は、図4の光学系の場合で、1枚のシリンドリカルレンズ20であるので、図7のような相関直線の変化が片側しか起こらない。図9の様に、コリメータレンズ(CL)のパワーのみが作用する方向とコリメータレンズに加えてシリンドリカルレンズ(CYL)のパワーが作用する方向の相関直線があり、まずコリメータレンズのパワーのみが作用する方向の光束平行性を検出して、コリメータレンズをP点の位置に移動し平行光束に合わせる。この時その直交する方向の光束は平行光でなくある広がり角をもつ。この後、シリンドリカルレンズのパワーが作用する方向の光束平行性を検出して、シリンドリカルレンズを焦点(光軸)方向に移動すると、図9の点線が平行移動し、両軸とも平行光の位置で交点Qを持ち、調整が完了する。
また、本発明の第7の実施形態の基本光学系の調整方法は、図5の様にコリメータレンズ2と2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bを持つ場合で、1枚のシリンドリカルレンズは固定もしくはコリメータレンズ2と一体で移動する光学系に適用する。これは基本的に上述の第6の実施形態の調整原理と同様で、まず固定もしくはコリメートレンズ2と一体で移動するシリンドリカルレンズのパワーが作用する方向の光束平行性を検出して、コリメータレンズ2を移動し平行光束に合わせる。この時その直交する方向の光束は平行光でなくある広がり角をもつ。この後、単独で移動可能なシリンドリカルレンズのパワーが作用する方向の光束平行性を検出して、単独で移動可能なシリンドリカルレンズを焦点(光軸)方向に移動すると、図9を用いて第6の実施形態を説明したのと同様、点線が平行移動し、両軸とも平行光の位置で交点Qを持ち、調整が完了する。
【0014】
また、本発明の第8の実施形態の基本光学系の調整方法は、図5の様にコリメータレンズ2と2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくは図6の様に1枚のトロイダルレンズ22を持つ場合で、2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bは一対で移動する光学系に適用する。この場合、図7のような相関直線の変化が両側に起こる。よって、まずどちらか一方(縦もしくは横)の光束平行性を検出して、コリメータレンズ2を移動し、その方向を平行光(広がり角0)に合わせる。例によってこの時、その直交する方向の光束は平行光でなくある広がり角をもつ。次ぎに両軸(縦と横)の光束平行性を同時に検出して、2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22を移動させ、両軸の光束平行性が同じとなるよう合わせる。この時、先に合わせた方向の光束平行性も2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22を移動させるために平行光ではなく、ある広がり角をもった状態になっており、広がり角は持っているが光束平行性は合致しているという図3(b)の状態になる。このコリメートレンズ2及び2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22のシリアルな調整動作を一対としてこれを繰返し行うことにより、両軸とも平行光の位置で交点を持ち、調整が完了する。
【0015】
ここで、上記各軸の非点収差検出方法について少し説明を加えると、非点収差法の場合、前述したように集光レンズにシリンドリカルレンズで集光光束に非点収差をつけ4分割受光素子でその光束を受ける構成とする。4分割受光素子はその分割線がシリンドリカルレンズ母線と45°をなし、平行光束が集光レンズに入射した時に受光面の集光光束が円形となる(図10(b)の状態)位置(集光レンズの焦点距離と集光レンズ+シリンドリカルレンズの焦点距離の中間位置)に配置するのが一般的である。この検出系を用いた場合の実際の検出信号と調整手順を図11に示す。検出信号は(A+C)と(B+D)である。これは規格化した(A+C)/(A+B+C+D)と(B+D)/(A+B+C+D)でもよい。図11(a)は理想的に収束した場合のグラフである。その交点の光量が基準光量となる。よって収束条件は光量が基準光量となり(A+C)=(B+D)である。調整手順としては、図11(b)で、まず初期位置▲1▼において(A+C)と(B+D)の演算結果を取得する。(A+C)≠(B+D)の場合どちらか一方この図11(b)の場合(A+C)が基準光量となる位置▲2▼までコリメートレンズ2を移動する。そこで再び(A+C)と(B+D)の演算結果を取得する。(A+C)≠(B+D)の場合2枚一対のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22を移動させ(A+C)=(B+D)に調整する。2枚一対のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22を動かすと、図の様に点線の相関曲線から実線の相関曲線へシフトする。非軸対象レンズであるためそのシフト量は異なる。その後(A+C)、(B+D)が基準光量でない場合、(A+C)が基準光量となる位置▲3▼までコリメートレンズを移動する。これを繰返して調整することにより、(A+C)=(B+D)=基準光量となる。
【0016】
ダブルナイフエッジ検出法の検出原理は、前述のように集光レンズ32に2枚のナイフエッジ30、31を集光点前後に配置し、光束の縦横をナイフエッジで切った時の光量変化を受光素子で検出するものであり、実際には図12に示す様に光量変化の微分値差信号から非点収差を検出する。これは、微分値の差信号を和信号で割った演算値を用い信号を正規化することで光源の光量の影響を少なくすることも考えられる。
Hol−DK=(V1−V3)/(V1+V3)×100%・・・・(1)
Ver−DK=(V2−V4)/(V2+V4)×100%・・・・(2)
V1=集光点前の光束を水平方向にカットした際の光量変化微分値
V2=集光点前の光束を垂直方向にカットした際の光量変化微分値
V3=集光点後の光束を水平方向にカットした際の光量変化微分値
V4=集光点後の光束を垂直方向にカットした際の光量変化微分値
上記の計算式(1)、(2)で求めたHol−DK、Ver−DKがそれぞれの方向の非点収差検出信号であり、これを共に0にするよう調整する。手順としてはHol−DK、Ver−DKを検出し、コリメートレンズを移動させてHol−DKを0とし、2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズを移動させてVer−DKを0に調整する。この時、先に調整したHol−DKは2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動により0でなくなっているので、また0に調整する。このコリメートレンズ及び2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズのシリアルな調整動作を一対としてこれを繰返し行うことにより、調整が完了する。
【0017】
また、本発明の第9の実施形態の基本光学系の調整方法は、繰返し行うコリメートレンズ及び2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの調整を、最終収束位置を予測手段により予測して、コリメータレンズの移動と2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動を同時に行うものである。その実施には3次元モデルである誤差曲面モデルを用いれば良い。
図13は3次元モデルの説明図である。誤差曲面モデルは、予め測定された各制御要素の制御量と制御対象の特性データから相互作用のある制御要素の制御量をX、Y軸に、相互作用のある制御対象の目標値からの誤差量をZ軸にプロットし多項式で近似した3次元モデルである。誤差曲面モデルを用いることで制御要素の制御対象への相互作用をモデルに表すことができる。本発明の場合には、コリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動量をパラメータに、その相互作用により制御される光束の直交2軸に関する所望の平行性からの誤差量を表した2つの3次元モデル(誤差曲面モデル)を一空間に表し、それを用いて両レンズの収束位置を予測演算で演算して求めることとなる。
【0018】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換する光学要素として、コリメータレンズと1枚以上のアナモフィックレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
また請求項2では、1枚以上のアナモフィックレンズとして1枚のシルンドリカルレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現した光学系を提供することができる。
また請求項3では、1枚以上のアナモフィックレンズとして2枚の焦点距離の異なるシルンドリカルレンズを直交させた状態で配置することにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
また請求項4では、アナモフィックレンズとしてトロイダルレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
また請求項5では、コリメータレンズとアナモフィックレンズで構成される平行光調整手段と、その各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動手段と、平行光調整手段からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する手段を備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能な光ピックアップを提供することができる。
また請求項6では、光束平行性検出手段として非点収差法を用いることにより、簡易な構成で正確にコリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を行うことができる。
また請求項7では、光束平行性検出手段としてダブルナイフエッジ法を用いることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を行うことができる。
また請求項8では、請求項5と同様の作用効果を奏する。
また請求項9では、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
また請求項10では、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
また請求項11では、コリメータレンズとシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動を繰返して直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
また請求項12では、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を効率良く短時間に行うことが可能となる。
また請求項13では、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を効率良く短時間に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップへの応用例を示す図である。
【図2】光源非点隔差の影響を説明する図である。
【図3】非点収差補正と光束広がり角を説明する図である(その1)。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。
【図7】本発明のアナモフィックレンズによる感度変化を説明する図である。
【図8】本発明の非点収差補正と光束広がり角を説明する図である(その2)。
【図9】本発明の平行光調整方法を説明する図である。
【図10】本発明の4分割受光素子とビームスポットの関係を表す図である。
【図11】本発明の非点収差法を説明する図である。
【図12】本発明のダブルナイフエッジ法を説明する図である。
【図13】本発明の3次元モデルの説明図である。
【図14】従来のビーム整形を用いた光学系の構成図である。
【符号の説明】
1 集積デバイス、2 コリメータレンズ、3 アナモフィックレンズ、4 反射ミラー、5 ビームコンプレッサ、6 ビームスプリッタ、7 非点収差検出手段、8 対物レンズ、9 光ディスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、光プックアップに関し、さらに詳しくは、光ディスクシステムにおける光ピックアップや、レーザプリンタ、デジタル複写機、干渉計等のレーザコリメート光を用いる機器及びその生産技術分野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体レーザの出射光は水平方向と垂直方向とで発光点がずれるという非点隔差を有している(図2参照)。垂直方向の発光点位置は、ほぼレーザ出射端面にあるが、水平方向の発光点位置は数μm〜数10μmの単位で出射端面よりも内側に移動していることが多い。このため、出射光を集光する場合に、集光点においても非点収差が生じて微小スポットを形成することが難しくなる。そこで、光ディスクドライブにおける光ピックアップを中心に、レーザプリンタ、デジタル複写機等のコリメート光の調整に関連して、光束の非点収差を補正する技術が開示されている。例えば、特開平8−55360号公報には、半導体レーザとコリメートレンズと整形プリズムと集光レンズ(対物レンズ)から構成される光ピックアップ光学系において、レーザの非点隔差量から半導体レーザの設置位置を算出し、その位置に設置することにより光束の非点収差を補正する技術について開示されている。
また、特開平9−21981号公報には、ビーム整形機能を持った光ピックアップ用光学系において、対物レンズ入射前の光束とそれを上下反転させた光束を重ねてできる干渉縞を観察することにより非点収差を認識し、それをもとに半導体レーザとコリメータレンズの間隔調整を行って、光束の非点収差を補正する技術について開示されている。
また、特開2001−273665公報には、半導体レーザとコリメートレンズとビーム整形素子と集光レンズ(対物レンズ)と光検出器から構成される光ピックアップ光学系において、コリメータレンズとビーム整形素子の相対位置を変化させることにより光束の非点収差を補正する技術について開示されている。
また、特開2002−15435公報には、光ピックアップ用光学系の対物レンズ入射前の光束を画像処理装置に取り込み、光ビーム断面形状により光束の非点収差を認識する。これに基づいて、光源をシフトさせて光学系に対する入射角を変化させ非点収差を補正するとしている。
【0003】
図14には特許文献1〜3を代表する光ピックアップの光学系を示す。光源(集積デバイス)11と光源11からの光束を受けるコリメータレンズ12とビーム整形プリズム13、その透過光を受ける対物レンズ16と、その対物レンズ16で集束されたスポットを受ける光ディスク17が基本となる。また、図12には非点収差検出手段として、集光レンズに2枚のナイフエッジを集光点前後に配置し、光束の縦横をナイフエッジで切った時の光量変化を受光素子で検出するダブルナイフエッジ法を示してある。この図14で光源の非点隔差による光束の非点収差を補正するには、光源(集積デバイス)11とビーム整形プリズム13は固定しておいて、その間のコリメートレンズ12を焦点方向(光軸方向)に移動し、三者(光源11、ビーム整形プリズム13、コリメートレンズ12)の相対位置関係を変化させればよい。光源非点隔差は前述した様に、発光点が縦横(水平、垂直)方向で光軸方向にずれる現象を言い、図2に示すように、これに起因してコリメータレンズ後の光束に非点収差をもつ。これは図3(a)記載の様に、コリメータレンズ1枚の光軸方向の調整ではどちらかを平行光にすることは可能でも縦横(水平、垂直)両方を平行光にするのは不可能で有り、かつ縦横(水平、垂直)両方を同じ平行性つまり非点収差の無い状態にすることもできない。しかし、ビーム整形プリズム13がはいったことで、図3(b)に示す様に、コリメートレンズ12移動に対する光束平行性変化の感度が縦横でわり、交点を持つようになる。この位置にコリメートレンズ12を移動することにより非点収差のない光束が得られる。しかし、非点隔差の量やビーム整形倍率によって程度は変わるものの、この光束は平行光束ではなく、光束波面はフラットではない。
【特許文献1】特開平8−55360号公報
【特許文献2】特開平9−21981号公報
【特許文献3】特開2001−273665公報
【特許文献4】特開2002−15435公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、特にレーザ光を用いた光ピックアップでは、高密度化に伴う微小スポットの必要性が高まり、前記光学系の収差が無視できない状況にあり、技術開発が盛んに行われており、特許文献1〜3の従来技術は光束非点収差の検出法の違いはあるものの、全て光源とコリメータレンズとビーム整形プリズムの構成で、その相対位置関係を調整して対物レンズに入射する光束の非点収差を補正する発明である。特許文献1の場合は、半導体レーザの非点隔差を既知の値とし、それを考慮してレーザ設置する位置を決め、その位置に実装することで、レーザとコリメータレンズとの距離を調整し、対物レンズへ入射する光束の非点収差を補正するものである。
また、特許文献2の場合は、対物レンズ入射前の光束とそれを上下反転させた光束を重ねてできる干渉縞を観察することにより非点収差を認識し、それをもとに半導体レーザとコリメータレンズの間隔調整を行って、光束の非点収差を補正するものである。
また特許文献3の場合は、非点収差の検出方式は定かではないが、コリメータレンズとビーム整形素子の相対位置を変化させることにより光束の非点収差を補正するものである。
しかしながら、前記特許文献1〜3の方法の場合、半導体レーザに非点隔差が有っても、確かに対物レンズに入射する光束の非点収差を補正することが可能であるが、コリメート波面はフラットにできないことになり、曲率をもった球面波として対物レンズに入射することになる。
更に、特許文献4の従来技術は前記特許文献1〜3と異なり、半導体レーザ(光源)を発光軸に垂直な面内で移動させて光学系に対する入射角を変化させ非点収差を補正しており、光束非点収差の検出は対物レンズ入射前の光束を画像処理装置に取り込み、光ビーム断面形状により認識するものである。
しかし、この方法の場合、光学系(対物レンズ)に対して光束が斜入射するため、波面収差が大きくなり、集光性能が劣化するという不具合が発生する。また、光利用効率の面でも損失が大きくなり、高速・高密度記録では特に問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光プックアップ及び平行光調整方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップであって、前記光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学要素として、コリメータレンズ及び1枚以上のアナモフィックレンズを備えることを特徴とする。
半導体レーザの出射光は水平方向と垂直方向とで発光点がずれるという非点隔差を有しているのが一般的である。このため、光ビームを集光する場合に、集光点において非点収差が生じて微少スポットを形成することが困難となる。それを補正する手段としてコリメータレンズとアナモフィックレンズを備える。
かかる発明によれば、光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換する光学要素として、コリメータレンズと1枚以上のアナモフィックレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
請求項2は、前記1枚以上のアナモフィックレンズは、1枚のシルンドリカルレンズにより構成されることを特徴とする。
アナモフィックレンズは設計が難しく、レンズのコストが高くなる。そこで、アナモフィックレンズに代わり、シルンドリカルレンズを備えても同じ効果を期待できる。
かかる発明によれば、1枚以上のアナモフィックレンズとして1枚のシルンドリカルレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現した光学系を提供することができる。
請求項3は、前記1枚以上のアナモフィックレンズは、異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズを光軸を中心として互いに直交させて配置することを特徴とする。
シルンドリカルレンズ1枚では補正しきれない可能性があるので、焦点距離の異なるもう1枚のシルンドリカルレンズを光軸を中心に直交させて配置する。
かかる発明によれば、1枚以上のアナモフィックレンズとして2枚の焦点距離の異なるシルンドリカルレンズを直交させた状態で配置することにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
【0006】
請求項4は、前記1枚以上のアナモフィックレンズは、1枚のトロイダルレンズにより構成されることを特徴とする。
アナモフィックレンズは設計が難しく、レンズのコストが高くなる。そこで、アナモフィックレンズに代わり、トロイダルレンズを備えても同じ効果を期待できる。
かかる発明によれば、アナモフィックレンズとしてトロイダルレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
請求項5は、前記コリメータレンズ及び1枚以上のアナモフィックレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動手段と、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出手段と、を備え、前記光束平行性検出手段から得られる光束の縦横の平行性に基づいて、前記各光学要素を前記レンズ移動手段により個別に移動することにより、直交2軸の光束平行性を調整して前記光学要素の非点収差を補正することを特徴とする。
請求項2〜4のレンズ構成で、それらのレンズを個別に移動するレンズ移動手段を持ち、これを光束平行性検出手段から得られる光束の縦横の平行性をもとに平行光調整手段であるコリメータレンズとアナモフィクレンズをレンズ移動手段により個別に移動させることにより、直交2軸の光束平行性を個別に調整でき、非点収差の無い平行光(コリメート波面がフラット)な光束に調整可能となる。
かかる発明によれば、コリメータレンズとアナモフィックレンズで構成される平行光調整手段と、その各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動手段と、平行光調整手段からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する手段を備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能な光ピックアップを提供することができる。
【0007】
請求項6は、前記光束平行性検出手段として非点収差法を用いることを特徴とする。
非点収差法は、4分割の受光素子を配置し、その受光素子に受光する光量が等しければ正しく補正されているとして検出する。
かかる発明によれば、光束平行性検出手段として非点収差法を用いることにより、簡易な構成で正確にコリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を行うことができる。
請求項7は、前記光束平行性検出手段としてダブルナイフエッジ法を用いることを特徴とする。
ダブルナイフエッジ法は、集光レンズに2枚のナイフエッジを集光点前後に配置し、光束の縦横をナイフエッジで切った時の光量変化を受光素子で検出するものである。
かかる発明によれば、光束平行性検出手段としてダブルナイフエッジ法を用いることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を行うことができる。
請求項8は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び1枚以上のアナモフィックレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる光束の縦横の平行性に基づいて、前記各光学要素を前記レンズ移動ステップにより個別に移動することにより、直交2軸の光束平行性を調整して前記光学要素の非点収差を補正することを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項5と同様の作用効果を奏する。
【0008】
請求項9は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び1枚のシルンドリカルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の一方の軸の情報に基づいて、前記コリメータレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させ、その後前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の他方の軸の情報に基づいて、前記シルンドリカルレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させることにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする。
請求項2の光学要素において請求項8の平行光調整方法を実施する手順として、最初に光束平行性検出手段から得られる直交2軸の一方の軸の情報をもとにコリメータレンズをレンズ移動手段により移動させて、その後光束平行性検出手段から得られる直交2軸のもう一方の軸の情報をもとにシリンドリカルレンズをレンズ移動手段により移動させて直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整する。
かかる発明によれば、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
【0009】
請求項10は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の一方の軸の情報に基づいて、前記コリメータレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させ、その後前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の他方の軸の情報に基づいて、前記2枚のシルンドリカルレンズの何れか一方を前記レンズ移動ステップにより移動させることにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする。
請求項3の光学要素において請求項8の平行光調整方法を実施する手順として、最初に光束平行性検出手段から得られる直交2軸の一方の軸の情報をもとにコリメータレンズをレンズ移動手段により移動させて、その後光束平行性検出手段から得られる直交2軸のもう一方の軸の情報をもとに2枚のシリンドリカルレンズのうちの1枚をレンズ移動手段により移動させて直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整する。
かかる発明によれば、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
請求項11は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズ若しくは1枚のトロイダルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の一方の軸の情報に基づいて、前記コリメータレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させ、その後前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の他方の軸の情報に基づいて、前記2枚を一対としたシルンドリカルレンズ若しくはトロイダルレンズの何れか一方を前記レンズ移動ステップにより移動させることにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする。
請求項3もしくは4の光学要素において請求項8の平行光調整方法を実施する手順として、最初に光束平行性検出手段から得られる直交2軸の一方の軸の情報をもとにコリメータレンズをレンズ移動手段により移動させて、その後光束平行性検出手段から得られる直交2軸のもう一方の軸の情報をもとに2枚を一対としたシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズをレンズ移動手段により移動させる。
かかる発明によれば、コリメータレンズとシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動を繰返して直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
【0010】
請求項12は、光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、コリメータレンズ及び異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズ若しくは1枚のトロイダルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の情報に基づいて、最終収束位置を予測する予測演算手段により最終収束位置を演算し、前記各光学要素を前記レンズ移動ステップにより一度に移動することにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする。
請求項3もしくは4の光学構成において請求項8の平行光調整方法を実施する手順として、光束平行性検出手段から得られる直交2軸の情報をもとに予測演算手段で演算し、制御要素であるコリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズをレンズ移動手段により一度に移動させて直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整する。
かかる発明によれば、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を効率良く短時間に行うことが可能となる。
請求項13は、前記予測演算手段の中に前記コリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズ若しくはトロイダルレンズの移動量をパラメータとして、前記各レンズの相互作用により制御される光束の直交2軸に関する所望の平行性からの誤差量を表した2つの3次元モデルを一空間に表現し、該一空間の3次元モデルを用いて前記前記コリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズ若しくはトロイダルレンズの収束位置を前記予測演算手段により演算して求めることを特徴とする。
請求項12の平行光調整方法において、予測演算手段の中にコリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動量をパラメータに、その相互作用により制御される光束の直交2軸に関する所望の平行性からの誤差量を表した2つの3次元モデル(誤差曲面モデル)を一空間に表し、それを用いて両レンズの収束位置を予測演算で演算して求める。
かかる発明によれば、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を効率良く短時間に行うことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップへの応用例を示す図である。この光ピックアップは、発光素子と受光素子と回折格子素子が一体となった集積デバイス1と、光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換するコリメータレンズ2と、アナモフィックレンズ3と、光束を偏向する反射ミラー4と、光束径を対物レンズのNAに適合させる為に所望の径に変換するビームコンプレッサ(エキスパンダ)5と、光束を分岐するためにビームスプリッタ6と、シリンドリカルレンズ7aで集光光束に非点収差をつけ4分割受光素子7bでその光束を受ける非点収差検出手段7と、レンズからの平行光を受ける対物レンズ8と、その対物レンズで集束されたスポットを受ける光ディスク9とを備えて構成される。
光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換する光学要素として、コリメータレンズ2と1枚以上のアナモフィックレンズ3を有し、それらのレンズの焦点方向への移動により、非点収差のない平行光束をつくる光学系に関して、光ピックアップの光学系に適用した例を図1に基本光学系として示し、これに基づいて説明する。光源と光源からの光束を受けるコリメータレンズ2とアナモフィックレンズ3、そのレンズからの平行光を受ける対物レンズ8と、その対物レンズで集束されたスポットを受ける光ディスク9が基本となる。図1の場合、発光素子と受光素子と回折格子素子が一体となった集積デバイス1を受発光源として使用している。その他アナモフィックレンズ3から出射した光束を対物レンズ8まで導く経路には必要に応じて光学素子を配置する(必要なければ不要)。この場合、光束を偏向する反射ミラー4、光束径を対物レンズのNAに適合させるために所望の径に変換するビームコンプレッサ(エキスパンダ)5、光束を分岐するためにビームスプリッタ6を設けている。また、図1には光ピックアップそのものの光学系に付加して、光束の非点収差を検出する非点収差検出手段7を示している。この図の場合には集光レンズにシリンドリカルレンズ7aで集光光束に非点収差をつけ、4分割受光素子7bでその光束を受ける非点収差法と呼ばれる光学系を挙げた。その他にはダブルナイフエッジ法等で検出可能である。この検出法の詳細については後述する。
【0012】
図4は本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。この基本光学系は、図1の基本光学系をもとに図1のアナモフィックレンズ3として1枚のシリンドリカルレンズ20を設ける構成である。
図5本発明の第3の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。この基本光学系は、図1の基本光学系をもとに図1のアナモフィックレンズ3として2枚の焦点距離の異なるシリンドリカルレンズ21aと21bを直交させて設ける構成である。
図6本発明の第4の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。この基本光学系は、図1の基本光学系をもとに図1のアナモフィックレンズ3として1枚のトロイダルレンズ22を設ける構成である。
【0013】
また、本発明の第5の実施形態の基本光学系の調整方法は、前記図4〜6の光学系構成で、図4〜6の矢印の方向に個別にレンズ移動手段を持っているものであり、これを後述する光束平行性検出手段から得られる光束の縦横の平行性をもとに平行光調整手段であるコリメータレンズとアナモフィクレンズをレンズ移動手段により個別に移動させることにより、直交2軸の光束平行性を個別に調整でき、非点収差の無い平行光(コリメート波面がフラット)な光束に調整可能となる。つまり、図7に示す様に光源とコリメータレンズの関係から決まる感度(傾き)が▲1▼である場合、アナモフィクレンズのパワーに依存して感度が変化し、▲2▼の相関直線となる。また、そのアナモフィックレンズの設置位置により▲2▼の相関直線がシフトし、例えば相関直線▲3▼のようになる。アナモフィックレンズであるので、水平軸、垂直軸(縦横)で個別に変化が起こり、図8の様にアナモフィックレンズとコリメータレンズの調整により、波面がフラットで非点収差の無い光束に変換できるわけである。
また、本発明の第6の実施形態の基本光学系の調整方法は、図4の光学系の場合で、1枚のシリンドリカルレンズ20であるので、図7のような相関直線の変化が片側しか起こらない。図9の様に、コリメータレンズ(CL)のパワーのみが作用する方向とコリメータレンズに加えてシリンドリカルレンズ(CYL)のパワーが作用する方向の相関直線があり、まずコリメータレンズのパワーのみが作用する方向の光束平行性を検出して、コリメータレンズをP点の位置に移動し平行光束に合わせる。この時その直交する方向の光束は平行光でなくある広がり角をもつ。この後、シリンドリカルレンズのパワーが作用する方向の光束平行性を検出して、シリンドリカルレンズを焦点(光軸)方向に移動すると、図9の点線が平行移動し、両軸とも平行光の位置で交点Qを持ち、調整が完了する。
また、本発明の第7の実施形態の基本光学系の調整方法は、図5の様にコリメータレンズ2と2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bを持つ場合で、1枚のシリンドリカルレンズは固定もしくはコリメータレンズ2と一体で移動する光学系に適用する。これは基本的に上述の第6の実施形態の調整原理と同様で、まず固定もしくはコリメートレンズ2と一体で移動するシリンドリカルレンズのパワーが作用する方向の光束平行性を検出して、コリメータレンズ2を移動し平行光束に合わせる。この時その直交する方向の光束は平行光でなくある広がり角をもつ。この後、単独で移動可能なシリンドリカルレンズのパワーが作用する方向の光束平行性を検出して、単独で移動可能なシリンドリカルレンズを焦点(光軸)方向に移動すると、図9を用いて第6の実施形態を説明したのと同様、点線が平行移動し、両軸とも平行光の位置で交点Qを持ち、調整が完了する。
【0014】
また、本発明の第8の実施形態の基本光学系の調整方法は、図5の様にコリメータレンズ2と2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくは図6の様に1枚のトロイダルレンズ22を持つ場合で、2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bは一対で移動する光学系に適用する。この場合、図7のような相関直線の変化が両側に起こる。よって、まずどちらか一方(縦もしくは横)の光束平行性を検出して、コリメータレンズ2を移動し、その方向を平行光(広がり角0)に合わせる。例によってこの時、その直交する方向の光束は平行光でなくある広がり角をもつ。次ぎに両軸(縦と横)の光束平行性を同時に検出して、2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22を移動させ、両軸の光束平行性が同じとなるよう合わせる。この時、先に合わせた方向の光束平行性も2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22を移動させるために平行光ではなく、ある広がり角をもった状態になっており、広がり角は持っているが光束平行性は合致しているという図3(b)の状態になる。このコリメートレンズ2及び2枚のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22のシリアルな調整動作を一対としてこれを繰返し行うことにより、両軸とも平行光の位置で交点を持ち、調整が完了する。
【0015】
ここで、上記各軸の非点収差検出方法について少し説明を加えると、非点収差法の場合、前述したように集光レンズにシリンドリカルレンズで集光光束に非点収差をつけ4分割受光素子でその光束を受ける構成とする。4分割受光素子はその分割線がシリンドリカルレンズ母線と45°をなし、平行光束が集光レンズに入射した時に受光面の集光光束が円形となる(図10(b)の状態)位置(集光レンズの焦点距離と集光レンズ+シリンドリカルレンズの焦点距離の中間位置)に配置するのが一般的である。この検出系を用いた場合の実際の検出信号と調整手順を図11に示す。検出信号は(A+C)と(B+D)である。これは規格化した(A+C)/(A+B+C+D)と(B+D)/(A+B+C+D)でもよい。図11(a)は理想的に収束した場合のグラフである。その交点の光量が基準光量となる。よって収束条件は光量が基準光量となり(A+C)=(B+D)である。調整手順としては、図11(b)で、まず初期位置▲1▼において(A+C)と(B+D)の演算結果を取得する。(A+C)≠(B+D)の場合どちらか一方この図11(b)の場合(A+C)が基準光量となる位置▲2▼までコリメートレンズ2を移動する。そこで再び(A+C)と(B+D)の演算結果を取得する。(A+C)≠(B+D)の場合2枚一対のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22を移動させ(A+C)=(B+D)に調整する。2枚一対のシリンドリカルレンズ21a、21bもしくはトロイダルレンズ22を動かすと、図の様に点線の相関曲線から実線の相関曲線へシフトする。非軸対象レンズであるためそのシフト量は異なる。その後(A+C)、(B+D)が基準光量でない場合、(A+C)が基準光量となる位置▲3▼までコリメートレンズを移動する。これを繰返して調整することにより、(A+C)=(B+D)=基準光量となる。
【0016】
ダブルナイフエッジ検出法の検出原理は、前述のように集光レンズ32に2枚のナイフエッジ30、31を集光点前後に配置し、光束の縦横をナイフエッジで切った時の光量変化を受光素子で検出するものであり、実際には図12に示す様に光量変化の微分値差信号から非点収差を検出する。これは、微分値の差信号を和信号で割った演算値を用い信号を正規化することで光源の光量の影響を少なくすることも考えられる。
Hol−DK=(V1−V3)/(V1+V3)×100%・・・・(1)
Ver−DK=(V2−V4)/(V2+V4)×100%・・・・(2)
V1=集光点前の光束を水平方向にカットした際の光量変化微分値
V2=集光点前の光束を垂直方向にカットした際の光量変化微分値
V3=集光点後の光束を水平方向にカットした際の光量変化微分値
V4=集光点後の光束を垂直方向にカットした際の光量変化微分値
上記の計算式(1)、(2)で求めたHol−DK、Ver−DKがそれぞれの方向の非点収差検出信号であり、これを共に0にするよう調整する。手順としてはHol−DK、Ver−DKを検出し、コリメートレンズを移動させてHol−DKを0とし、2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズを移動させてVer−DKを0に調整する。この時、先に調整したHol−DKは2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動により0でなくなっているので、また0に調整する。このコリメートレンズ及び2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズのシリアルな調整動作を一対としてこれを繰返し行うことにより、調整が完了する。
【0017】
また、本発明の第9の実施形態の基本光学系の調整方法は、繰返し行うコリメートレンズ及び2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの調整を、最終収束位置を予測手段により予測して、コリメータレンズの移動と2枚のシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動を同時に行うものである。その実施には3次元モデルである誤差曲面モデルを用いれば良い。
図13は3次元モデルの説明図である。誤差曲面モデルは、予め測定された各制御要素の制御量と制御対象の特性データから相互作用のある制御要素の制御量をX、Y軸に、相互作用のある制御対象の目標値からの誤差量をZ軸にプロットし多項式で近似した3次元モデルである。誤差曲面モデルを用いることで制御要素の制御対象への相互作用をモデルに表すことができる。本発明の場合には、コリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動量をパラメータに、その相互作用により制御される光束の直交2軸に関する所望の平行性からの誤差量を表した2つの3次元モデル(誤差曲面モデル)を一空間に表し、それを用いて両レンズの収束位置を予測演算で演算して求めることとなる。
【0018】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、光源もしくは他光学要素からの光束を受けて平行光に変換する光学要素として、コリメータレンズと1枚以上のアナモフィックレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
また請求項2では、1枚以上のアナモフィックレンズとして1枚のシルンドリカルレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現した光学系を提供することができる。
また請求項3では、1枚以上のアナモフィックレンズとして2枚の焦点距離の異なるシルンドリカルレンズを直交させた状態で配置することにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
また請求項4では、アナモフィックレンズとしてトロイダルレンズを備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を実現する光学系を提供することができる。
また請求項5では、コリメータレンズとアナモフィックレンズで構成される平行光調整手段と、その各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動手段と、平行光調整手段からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する手段を備えることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能な光ピックアップを提供することができる。
また請求項6では、光束平行性検出手段として非点収差法を用いることにより、簡易な構成で正確にコリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を行うことができる。
また請求項7では、光束平行性検出手段としてダブルナイフエッジ法を用いることにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を行うことができる。
また請求項8では、請求項5と同様の作用効果を奏する。
また請求項9では、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
また請求項10では、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
また請求項11では、コリメータレンズとシリンドリカルレンズもしくはトロイダルレンズの移動を繰返して直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することにより、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正が可能となる。
また請求項12では、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を効率良く短時間に行うことが可能となる。
また請求項13では、コリメート波面がフラットで集光性能が劣化しない非点収差の補正を効率良く短時間に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップへの応用例を示す図である。
【図2】光源非点隔差の影響を説明する図である。
【図3】非点収差補正と光束広がり角を説明する図である(その1)。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る光ピックアップの基本光学系を示す図である。
【図7】本発明のアナモフィックレンズによる感度変化を説明する図である。
【図8】本発明の非点収差補正と光束広がり角を説明する図である(その2)。
【図9】本発明の平行光調整方法を説明する図である。
【図10】本発明の4分割受光素子とビームスポットの関係を表す図である。
【図11】本発明の非点収差法を説明する図である。
【図12】本発明のダブルナイフエッジ法を説明する図である。
【図13】本発明の3次元モデルの説明図である。
【図14】従来のビーム整形を用いた光学系の構成図である。
【符号の説明】
1 集積デバイス、2 コリメータレンズ、3 アナモフィックレンズ、4 反射ミラー、5 ビームコンプレッサ、6 ビームスプリッタ、7 非点収差検出手段、8 対物レンズ、9 光ディスク
Claims (13)
- 光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップであって、
前記光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学要素として、コリメータレンズ及び1枚以上のアナモフィックレンズを備えることを特徴とする光ピックアップ。 - 前記1枚以上のアナモフィックレンズは、1枚のシルンドリカルレンズにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
- 前記1枚以上のアナモフィックレンズは、異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズを光軸を中心として互いに直交させて配置することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
- 前記1枚以上のアナモフィックレンズは、1枚のトロイダルレンズにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。
- 前記コリメータレンズ及び1枚以上のアナモフィックレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動手段と、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出手段と、を備え、
前記光束平行性検出手段から得られる光束の縦横の平行性に基づいて、前記各光学要素を前記レンズ移動手段により個別に移動することにより、直交2軸の光束平行性を調整して前記光学要素の非点収差を補正することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 前記光束平行性検出手段として非点収差法を用いることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ。
- 前記光束平行性検出手段としてダブルナイフエッジ法を用いることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ。
- 光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、
コリメータレンズ及び1枚以上のアナモフィックレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、
前記光束平行性検出ステップから得られる光束の縦横の平行性に基づいて、前記各光学要素を前記レンズ移動ステップにより個別に移動することにより、直交2軸の光束平行性を調整して前記光学要素の非点収差を補正することを特徴とする光ピックアップの平行光調整方法。 - 光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、
コリメータレンズ及び1枚のシルンドリカルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、
前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の一方の軸の情報に基づいて、前記コリメータレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させ、その後、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の他方の軸の情報に基づいて、前記シルンドリカルレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させることにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする光ピックアップの平行光調整方法。 - 光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、
コリメータレンズ及び異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、
前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の一方の軸の情報に基づいて、前記コリメータレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させ、その後、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の他方の軸の情報に基づいて、前記2枚のシルンドリカルレンズの何れか一方を前記レンズ移動ステップにより移動させることにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする光ピックアップの平行光調整方法。 - 光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、
コリメータレンズ及び異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズ若しくは1枚のトロイダルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、
前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の一方の軸の情報に基づいて、前記コリメータレンズを前記レンズ移動ステップにより移動させ、その後、前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の他方の軸の情報に基づいて、前記2枚を一対としたシルンドリカルレンズ若しくはトロイダルレンズの何れか一方を前記レンズ移動ステップにより移動させることにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする光ピックアップの平行光調整方法。 - 光ディスクへ照射するレーザ光を発光する光源若しくは前記光ディスクからの反射光を平行光に変換する光学系を有する光ピックアップの平行光調整方法であって、
コリメータレンズ及び異なる焦点距離を有する2枚のシルンドリカルレンズ若しくは1枚のトロイダルレンズを備える光学要素と、前記各光学要素を焦点方向に個別に移動可能なレンズ移動ステップと、前記光学要素からの光束を受け直交する2軸の光束平行性を検出する光束平行性検出ステップと、を備え、
前記光束平行性検出ステップから得られる直交2軸の情報に基づいて、最終収束位置を予測する予測演算手段により最終収束位置を演算し、前記各光学要素を前記レンズ移動ステップにより一度に移動することにより、前記直交2軸の光束平行性をそれぞれ任意に調整することを特徴とする光ピックアップの平行光調整方法。 - 前記予測演算手段の中に前記コリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズ若しくはトロイダルレンズの移動量をパラメータとして、前記各レンズの相互作用により制御される光束の直交2軸に関する所望の平行性からの誤差量を表した2つの3次元モデルを一空間に表現し、該一空間の3次元モデルを用いて前記前記コリメートレンズと2枚を一対としたシリンドリカルレンズ若しくはトロイダルレンズの収束位置を前記予測演算手段により演算して求めることを特徴とする請求項12に記載の光ピックアップの平行光調整方法。
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