JP2006120214A - 光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明基板の厚み誤差による球面収差を補正し、かつ、対物レンズとカップリングレンズを分離配置して、小型化・薄型化した光ディスク装置を提供する。
【解決手段】 非点収差法によるフォーカスサーボ方式の光ディスク記録再生装置において、透明基板の設計値からの厚さばらつきを測定し、厚み誤差信号を出力する厚み誤差測定部10,11と、レーザ光源1とビームスプリッタ4の間に配置され、前記厚み誤差信号に基づいて、ディスクの情報面で生じる球面収差を補正するカップリングレンズ3を駆動するカップリングレンズ駆動部14と、レーザ光が光ディスクの情報面で球面収差を生じることなく照射された際、フォーカスエラー信号に、球面収差補正により生じるフォーカスエラーのオフセットを補正する厚み誤差補正信号を、フォーカスエラー生成部13に出力する補正回路部15を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスクを記録および再生する光ディスク装置に関し、特に光ディスクの基板厚のばらつきによって生じる球面収差を補正する技術に関するものである。
光ディスクの記録密度を上げるには、光ディスク上に集光する光スポット径を小さくする必要がある。このため、半導体レーザの短波長化および対物レンズの高NA(開口数)化が進められている。レーザ光の短波長化、対物レンズの高NA化が進むと、光ディスクの透明基板厚のばらつき(以下、厚み誤差ともいう。)により生じる球面収差が無視することができなくなり、光スポット径を小さくするには、球面収差の補正が必要となる。
これまでのCDやDVDでは、製造技術上、透明基板の許容厚み誤差に余裕を持たせて、球面収差の補正を不要としていた。近年、記録波長405nm、NA0.85の高密度光ディスクも開発されており、球面収差の補正レンズ(以下カップリングレンズという。)も使われている。
従来の光ディスク装置の球面収差の補正法の1例について説明する。(例えば、特許文献1参照。)図9は、基板厚のばらつきによって生じる球面収差を、カップリングレンズを使用して補正を行う光ディスク装置の光学系および制御系の構成を示す図である。
レーザダイオード1により発光されたレーザ光は、コリメータレンズ2、ビームスプリッタ4を介して、カップリングレンズ3で球面収差が補正され、対物レンズ5によりディスク6上に集光され、微小スポットとなる。そしてディスクより反射された微小スポットの反射光は、対物レンズ、カップリングレンズ、ビームスプリッタ、集光レンズ7、シリンドリカルレンズ8を介して、受光素子上に微小スポットを結ぶ。
カップリングレンズは、対物レンズの前に配置され、往路ではディスクへの入射光の透明基板の厚み誤差による球面収差を補正し、復路ではディスクからの反射光の厚み誤差による球面収差を補正している。
ここで、対物レンズは、可動機構を備え、アクチュエータ駆動回路により駆動されて、トラッキングサーボ、フォーカスサーボを行う。また、カップリングレンズは、可動機構を備え、カップリングレンズ駆動回路により、例えば少し動かしてみて出力の大きい方を選択するいわゆる「山登り法」により、RF出力が最大になるようにレンズを移動させることで、球面収差を補正する。
以上により、透明基板の厚み誤差によって生じる球面収差を補正し、高密度光ディスクの安定な記録再生が可能となる。
特開平10−106012号公報(第3頁、第7頁、第1図)
しかしながら、カップリングレンズを対物レンズの前に配置すると、それぞれ可動機構をもつ対物レンズとカップリングレンズが近接配置されることになり、光ディスク装置を小型化する上で、光学レイアウトに大きな制約を受ける。また、対物レンズと受光素子の距離が短縮できず、超小型対物レンズを使用した場合、回折角度を持つ±1次のサブビ−ムにケラレが発生し、受光素子上でのサブビ−ムスポットの品質が低下し、サ−ボ信号の検出、制御に影響を及ぼしてしまうという欠点がある。
そこで、本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、光ディスク基板厚のばらつきによる厚み誤差によって生じる球面収差を補正して、ディスクのスポット径を小さくするとともに、対物レンズとカップリングレンズ2つの可動機構を分離配置することにより、光学レイアウトの制約をなくして、小型化・薄型化された光ディスク装置を提供することを目的とする。
本願発明における第1の発明は、レーザ光を出射するレーザ光源(レーザダイオード1)と、前記レーザ光を透過し、光ディスク(ディスク6)の情報面からの戻り光を反射するビームスプリッタ(ビームスプリッタ4)と、前記ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を前記光ディスクに集光させる対物レンズ(対物レンズ5)と、前記ビームスプリッタで反射された前記戻り光を検知する水平方向と垂直方向に分割された複数分割領域を有する光検出部(受光素子9)と、前記光検出部の複数分割領域で光電変換された信号を演算してフォーカスエラー信号を出力するフォーカスエラー生成部(フォーカスエラー生成回路13)と、前記フォーカスエラー信号により、前記対物レンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動させて前記光ディスクの情報面に前記レーザ光をフォーカスさせる対物レンズ駆動部(アクチュエータ駆動回路12)とからなり、前記光ディスクの透明基板厚み誤差によって生じる球面収差補正と同時にフォーカスサーボを安定して行わせる光ディスク記録再生装置において、前記光ディスク透明基板の設計値からの厚さばらつきを測定して、厚み誤差信号を出力する厚み誤差測定部(厚みセンサー10、厚み誤差演算部11)と、前記レーザ光源と前記ビームスプリッタとの間に配置され、前記厚み誤差信号に基づいて、前記光ディスク透明基板の厚さばらつきにより前記レーザ光源から出射するレーザ光が前記光ディスクの情報面で生じる球面収差を補正するカップリングレンズ(カップリングレンズ3)を駆動させるカップリングレンズ駆動部(カップリングレンズ駆動回路14)と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記光ディスクの情報面で球面収差を生じることなく照射された際、前記フォーカスエラー信号に、球面収差補正により生じるフォーカスエラーのオフセットを補正する前記厚み誤差補正信号を、前記フォーカスエラー生成部に出力する補正回路部(厚み誤差補正値生成回路15)とを備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置を提供する。
また、本願発明における第2の発明は、レーザ光を出射するレーザ光源(レーザダイオード1)と、前記レーザ光を透過し、光ディスク(ディスク6)の情報面からの戻り光を反射するビームスプリッタ(ビームスプリッタ4)と、前記ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を前記光ディスクに集光させる対物レンズ(対物レンズ5)と、前記ビームスプリッタで反射された前記戻り光を検知する水平方向と垂直方向に分割された複数分割領域を有する光検出部(受光素子9)と、前記光検出部の複数分割領域で光電変換された信号を演算してフォーカスエラー信号を出力するフォーカスエラー生成部(フォーカスエラー生成回路13)と、前記フォーカスエラー信号により、前記対物レンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動させて前記光ディスクの情報面に前記レーザ光をフォーカスさせる対物レンズ駆動部(アクチュエータ駆動回路12)とからなり、前記光ディスク透明基板の厚み誤差によって生じる球面収差補正と同時にフォーカスサーボを安定して行わせる光ディスク記録再生装置において、前記レーザ光源と前記ビームスプリッタとの間に配置され、前記光検出部の複数分割領域から得られる総和信号に基づいて、前記光ディスク透明基板の厚さばらつきにより前記レーザ光源から出射するレーザ光が前記光ディスクの情報面で生じる球面収差を補正するカップリングレンズ(カップリングレンズ3)を駆動させるカップリングレンズ駆動部(カップリングレンズ駆動回路14)と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記光ディスクの情報面で球面収差を生じることなく照射された際、前記フォーカスエラー信号に、球面収差補正により生じるフォーカスエラーのオフセットを補正する前記厚み誤差補正信号を、前記フォーカスエラー生成部に出力する補正回路部(レンズ位置誤差補正値生成回路16)とを備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置を提供する。
本願発明における第1の発明は、前記光ディスク透明基板の設計値からの厚さばらつきを測定して、厚み誤差信号を出力する厚み誤差測定部と、前記レーザ光源と前記ビームスプリッタとの間に配置され、前記厚み誤差信号に基づいて、前記光ディスク透明基板の厚さばらつきにより前記レーザ光源から出射するレーザ光が前記光ディスクの情報面で生じる球面収差を補正するカップリングレンズを駆動させるカップリングレンズ駆動部と、 前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記光ディスクの情報面で球面収差を生じることなく照射された際、前記フォーカスエラー信号に、球面収差補正により生じるフォーカスエラーのオフセットを補正する前記厚み誤差補正信号を、前記フォーカスエラー生成部に出力する補正回路部とを備えるという特徴があり、また第2の発明は、前記レーザ光源と前記ビームスプリッタとの間に配置され、前記光検出部の複数分割領域から得られる総和信号に基づいて、前記光ディスク透明基板の厚さばらつきにより前記レーザ光源から出射するレーザ光が前記光ディスクの情報面で生じる球面収差を補正するカップリングレンズを駆動させるカップリングレンズ駆動部と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記光ディスクの情報面で球面収差を生じることなく照射された際、前記フォーカスエラー信号に、球面収差補正により生じるフォーカスエラーのオフセットを補正する前記厚み誤差補正信号を、前記フォーカスエラー生成部に出力する補正回路部とを備えるという特徴があるので、対物レンズ、受光素子間の距離が短縮できて、光学レイアウトの自由度が上がり、性能劣化なしに光ディスク装置の小型化、薄型化を実現できる。
以下に本発明の各実施形態に係る光ディスク装置について図1〜図8を用いて説明する。
図1は、本願発明の第1実施形態の光ディスク装置における、球面収差補正にかかわる光学系および制御系の構成を示す図である。
図2(A)、(B)、(C)は、本願発明の実施形態の光ディスク装置における受光素子のセルの構成および受光素子上の光スポットの形状を示す。
図3は、本願発明の実施形態の光ディスク装置で得られるフォーカスエラー信号の説明図である。
図4は、本願発明の実施形態の光ディスク装置で得られるフォーカスエラー信号の説明図である。
図5は、本願発明の第2実施形態の光ディスク装置における、球面収差補正にかかわる光学系および制御系の構成を示す図である。
図6は、本願発明の実施形態の光ディスク装置における、カップリングレンズサーボ系のフローチャートである。
図7は、本願発明の第3実施形態の光ディスク装置における、球面収差補正にかかわる光学系および制御系の構成を示す図である。
図8は、本願発明の第2実施形態の光ディスク装置におけるフロントモニタ受光素子のセルの構成および受光素子上の光スポットの形状を示す。
本発明の第1実施形態における光ディスク装置の光学系は、図1に示すように、レーザダイオード1、コリメータレンズ2、カップリングレンズ3、ビームスプリッタ4、対物レンズ5、集光レンズ7、シリンドリカルレンズ8、受光素子9、および厚みセンサー10から構成されている。レーザダイオード1により発光されたレーザ光は、コリメータレンズ2、球面収差補正用のカップリングレンズ3、ビームスプリッタ4、対物レンズ5を介し、厚み誤差による球面収差が補正されて、微小スポットとなってディスク6に集光される。前記ディスクにより反射された反射光は、対物レンズ5、ビームスプリッタ4を介してビームが直角に曲げられ、受光素子用の集光レンズ7、シリンドリカルレンズ8を介して、受光素子9上にビームスポットを結ぶ。
ここで、受光素子9は、後述するように、非点収差法によるフォーカスエラー信号の生成、および厚み誤差補正に利用するため、図2に示すように、8分割された受光セルa〜gより構成されている。
また、厚みセンサー10は、レーザダイオードより発光されたレーザビームのディスク表面での反射光、ディスク記録層での反射光から、透明基板の厚さを検出して出力する。
対物レンズは、可動機構を備え、アクチュエータ駆動回路により駆動されて、フォーカスサーボ、トラッキングサーボを行う。
カップリングレンズ3は、2つのレンズにより構成され、カップリングレンズ駆動回路14により、カップリングレンズのうち少なくとも一方のレンズを光軸方向に駆動して、球面収差を補正するものである。この時、カップリングレンズの駆動回路への入力をカップリングレンズエラー、駆動された結果をカップリングレンズのレンズ位置といい、実施形態1および実施形態2では、両者は一致するものとする。
本発明の特徴は、カップリングレンズがビームスプリッタの前に配置されていることである。このため、往路の入射光については、基板の厚み誤差による球面収差を補正するが、復路の反射光については球面収差の補正はしていない。受光素子上では球面収差そのものは大きな問題とならないが、カップリングレンズを通っていないため、厚み誤差があるとその分だけフォーカスエラー信号がオフセットするという問題が生じる。そこで、フォーカスエラー信号を補正することにより、復路においてカップリングレンズを通過しないことを可能としたものである。以下、本発明に直接関係する、カップリングレンズ制御系、フォーカスサーボ系について述べる。
ここで、カップリングレンズ制御系、フォーカスサーボ系両方に使われる、厚み誤差に関する信号の流れについて説明する。厚み誤差演算部11は、厚みセンサー10から入力した基板厚から、透明基板厚の規定値からのずれ、すなわち厚み誤差を算出して出力する。厚み誤差補正値生成回路15は、前記厚み誤差より、カップリングレンズ制御系に必要なカップリングレンズエラーを生成して出力するとともに、フォーカスエラー生成に必要なオフセット、およびK1,K2の値をフォーカスサーボ系に出力する。
カップリングレンズ制御系は、厚みセンサー10、厚み誤差演算部11、厚み誤差補正値生成回路15、カップリングレンズ駆動回路14、可動機構をもつカップリングレンズ3より構成される。
厚みセンサー10、厚み誤差演算部11は、透明基板の規定値からの厚み誤差を測定して出力する。厚み誤差補正値生成回路15は、入力した厚み誤差から、カップリングレンズエラー信号を生成して出力する。ここで、カップリングレンズエラーは、厚み誤差による球面収差をちょうど補正するレンズ位置と対応し、厚み誤差とカップリングレンズエラーの関係は、あらかじめ測定した結果を、前記厚み誤差補正値生成回路に記憶させておくものとする。カップリングレンズ駆動回路14は、入力した前記カップリングレンズエラー信号により、レンズを駆動することにより球面収差を補正する。この結果、ディスクへの入射光の球面収差は補正されて、フォーカスサーボにより、ディスク上に微小スポットを結ぶことができる。
次にフォーカスサーボ系の信号の流れについて説明する。フォーカスサーボ系は、図1に示すように、集光レンズ7、シリンドリカルレンズ8、受光素子9、フォーカスエラー生成回路13、アクチュエータ駆動回路12、可動機構をもつ対物レンズ5、および厚みセンサー10、厚み誤差演算部11、厚み誤差補正値生成回路15を備えている。
そして、ディスク上スポットの反射光は、対物レンズ5を介して、集光レンズ7、シリンドリカルレンズ8により集光され、図2(A)、(B)、(C)に示されるような、受光素子9上の非点収差法によるスポットとなる。フォーカスエラー生成回路13は、前記スポットによる受光セルa〜gの各セル出力、および厚み誤差補正値生成回路15から入力した基板の厚み誤差に基づいて生成されたオフセット、およびK1,K2の値から、後述するように、フォーカスエラー信号を生成して出力する。アクチュエータ駆動回路は、前記フォーカスエラー信号により、対物レンズを駆動する。以上により、非点収差法によるフォーカスサーボ系が形成される。
次にフォーカスエラー生成回路13で生成するフォーカスエラー信号について説明する。
フォーカスエラー信号FEは、オフセット値Eoと8分割受光素子9からのフォーカスエラー信号Edの和として、FE=Eo+Edで表される。
Eoは、カップリングレンズ3による球面収差補正の有無によるオフセットに相当し、後述するように、対物レンズの合焦点位置でフォーカスエラー信号を0とするための補正項を表し、測定した厚み誤差をオフセット値に変換したもので、厚み誤差補正値生成回路15から入力する。ただしこのときの厚み誤差とオフセット値の関係は、あらかじめ測定した結果を、前記厚み誤差補正値生成回路に記憶させておくものとする。
Edは、非点収差法によるフォーカスエラー信号に相当するもので、下記の式となる。
Ed=((Sb+Sh)+K1x(Sa+Sg))−((Sc+Se)+K2×(Sf+Sd))
ただし、Sa、Sb、Sc、Sd、Se、Sf、Sg、Shは、図2に示す受光素子のセルa、b、c、d、e、f、g、hからの出力信号を表す。
また、K1、K2は、ゲイン係数で、測定した透明基板の厚み誤差の±の符号、すなわちカップリングレンズの駆動方向により決まるもので、厚み誤差補正値生成回路15から入力する。例えば、厚み誤差0では、K1、K2=1、厚み誤差が−の時は、K1=8、K2=1、+の時は、K1=1、K2=8のようにする。
次に図3、図4を用いて、前記フォーカスエラー信号の意味を説明する。図3、図4のグラフは、いずれも、縦軸はフォーカスエラー信号のレベル、横軸は制御対象の対物レンズの光軸上の位置を表す。
基板厚が規定値通りの場合のフォーカスエラー信号を、図3(a)実線で示す。このとき座標原点では、カップリングレンズのレンズ位置は0で、対物レンズは合焦点位置にあり、フォーカスエラーも0である。
ここで、基板厚み誤差が−5μmになったとすると、カップリングレンズは、カップリングレンズ制御系により、入射光の球面収差を補正して最良点になるよう駆動される。この時のフォーカスエラー信号を図3(b)破線で示す。前記フォーカスエラー信号は、カップリングレンズにより球面収差の補正を行うと、球面収差は最良点にありかつ入射光側のディスクに対する対物レンズの位置は合焦点であるにもかかわらず、反射光はカップリングレンズを通らないため、受光素子上では、カップリングレンズによる球面収差の補正分だけフォーカスがずれて、フォーカスエラー信号はオフセットすることを示している。
そこで、対物レンズの合焦点位置とフォーカスエラー信号の0点を一致させるため、フォーカスサーボ基準電圧をEoだけオフセットさせる。フォーカスサーボ基準電圧をオフセットさせたフォーカスエラー信号を図4(a)破線に示す。
さらに、対物レンズ合焦点位置を、フォーカスエラー信号のダイナミックレンジのセンター付近に合わせて波形の対称性を改善するため、前記8分割された受光素子出力を使った演算で、K1により、セルa、gの出力ゲインを大きくして、図4(a)のフォーカスエラー信号の第2象限のピーク部分を持ち上げる。こうして得られた、補正されたフォーカスエラー信号を、図4(b)に示す。
基板厚み誤差が+5μmであった場合は、フォーカスエラー信号が−5μmずれた時と反対方向にずれる。よって、フォーカスサーボ基準電圧のオフセットも+/−が反対となり、受光素子出力を使った演算では、K2によりセルf、dの出力ゲインを大きくして、ダイナミックレンジのセンター付近で対物レンズの合焦点位置とフォーカスエラー信号の0点とを一致させる。
以上のように、本発明の第1実施形態によれば、上記した構成があるので、非点収差法によるフォーカスエラー信号検出方法を利用して、復路においてカップリングレンズを通過しないことを可能にした。
本発明の第2実施形態について図5を用いて説明する。
本発明における光ディスク装置の光学系は、図5に示すように、レーザダイオード1、コリメータレンズ2、カップリングレンズ3、ビームスプリッタ4、対物レンズ5、集光レンズ7、シリンドリカルレンズ8、受光素子9から構成されている。
前記光学系を第1実施形態と比較すると、厚みセンサー10が削除されている。そして後述するように、厚みセンサーにより厚み誤差を測定する代わりに、受光素子9で検出したRF出力(Radio Frequency出力:受光セル出力の総和を表す。)を最大とするようにカップリングレンズを駆動することにより、球面収差を補正する。このため、サーボ系の信号処理系統は変わるが、厚みセンサーを削除した以外、光学素子は第1実施形態と同一であり、基本的な方式は変わらない。以下、本実施形態に直接関係する、カップリングレンズサーボ系、フォーカスサーボ系について述べる。
カップリングレンズのサーボ系は、受光素子9、レンズ位置誤差補正値生成回路16、カップリングレンズ駆動回路14、可動機構をもつカップリングレンズ3、およびシステムコントローラ17より構成される。一般に、球面収差があると、フォーカスずれと同様、ディスク上のスポット径が大きくなり、反射光が広がって、受光素子上の反射光出力が小さくなる。そこで、カップリングレンズのサーボ系は、RF出力を最大とするように、カップリングレンズを駆動するものである。ところが、反射光はカップリングレンズを通っていないため、フォーカスとカップリングレンズを独立には制御できない。そこで、本実施形態では、以下述べるように、システムコントローラに従ってレンズ位置誤差補正値生成回路により、ディスク挿入時に初期設定を行い、フォーカスサーボをかけた後、定常状態に入って制御することとする。以下図6のフローチャートに従って説明する。
ディスク挿入時の初期設定ステップでは、カップリングレンズのレンズ位置を仮定して振ってみて、RF出力が最大となるレンズ位置を検出し、これを初期設定値とするものである。具体的には、まず、レンズ位置をP1(例えば、0)にセットして(ステップ3、i=1)、フォーカスサーボをかけ、この時のレンズ位置とRF出力の関係を記憶する(ステップ4)。次に、レンズ位置をPi(例えば、±1、±2、±3、…)と順次変化させて(ステップ2、3)、フォーカスサーボをかけ、この時のレンズ位置とRF出力の関係を記憶し(ステップ4)する。全てのテストが終わったら(ステップ5)、これら測定したRF出力のうち、出力が最も大きくなるRF出力Lmを求め(ステップ6)、この時のレンズ位置Pmを初期設定値としてセットする(ステップ7)。このレンズ位置Pmは、透明基板の厚み誤差を補正したカップリングレンズのレンズ位置である。
なお、レンズ位置のセットとは、第1実施形態とまったく同様、レンズ位置に相当するカップリングレンズエラー、オフセット、K1、K2をカップリングレンズサーボ系、フォーカスサーボ系に送って、カップリングレンズを駆動して球面収差を補正し、フォーカスサーボをかけるものである。このため、前もって測定した値を、レンズ位置誤差補正回路に記憶させておくものとする。
次に定常状態におけるサーボ系について説明する。定常状態のカップリングレンズサーボ系は、前記初期設定からスタートして、レンズ位置を振りながら、RF出力が最大となるように、カップリングレンズを制御して、透明基板の厚み誤差による球面収差を補正するものである。本実施形態では、一定周期で、山登り法によりカップリングレンズ位置を微小量Δpずつ動かして、RF出力が大きくなるように変化させていくものとし、以下フローチャートにより説明する。
まず、直前のレンズ位置Pb、直前のRF出力Lb、現在のレンズ位置Pp、現在のRF出力Lp、および次のレンズ位置Pnの記憶領域を確保する。び少量Δpを決める。そして準備として、初期設定値Pm,Lmを現在のPp,Lpとして、次のレンズ位置をPpと微小量の和とする(ステップ8)。そして次のレンズ位置Pnをセットする(ステップ9)。サーボがかかるのを待って、直前のPb,LbをPp、Lpに更新して、新しいPp、Lpを記憶する(ステップ10)。次のカップリングレンズのレンズ位置は、現在のRF出力を直前のRF出力と比較して(ステップ11)、現在のRF出力の方が大きい場合は、ステップ12にとび、現在の位置に前回からの変化と同じ方向に微小量Δ変化させたものとし(ステップ12)、現在のRF出力の方が小さい場合は、ステップ13にとび、現在の位置に前回からの変化と逆の方向に微小量Δ変化させたものとして(ステップ13)、ステップ9に戻る。以上により、一定周期で、レンズ位置を少しずつ動かして、RF出力最大値を得て、球面収差を補正することができる。フォーカスサーボ系は、第1実施形態と全く同様に動作する。
以上のように、本発明の第2実施形態によれば、上記した構成があるので、厚みセンサーを使用しないで、復路においてカップリングレンズを通過しないことが可能となる。
本発明の第3実施形態について図7、図8を用いて説明する。
これまで、カップリングレンズを駆動すると、カップリングレンズエラーどおりにレンズ位置が決まるものとしてきた。本実施形態では、駆動側ではレンズ位置が決められない場合のため、第2実施形態の構成にレンズ位置の検出系を付加することにより、カップリングレンズ駆動回路21でレンズ位置が決まるようにしたものである。
本発明における光ディスク装置の光学系は、図7に示すように、レーザダイオード1、コリメータレンズ2、カップリングレンズ3、ビームスプリッタ4、対物レンズ5、集光レンズ7、シリンドリカルレンズ8、受光素子9、および集光レンズ18、シリンドリカルレンズ19、フロントモニタ20から構成されている。
前記光学系を第2実施形態と比較すると、違いは、ビームスプリッタ4から集光レンズ18、シリンドリカルレンズ19を介して、フロントモニタ20に集光される光ビームの系統が追加されたことである。本実施形態の球面収差補正方式は、基本的には、第2実施形態と同じであるため、メインの系統の光ビームは図5と全く変わらない。以下、本実施形態に直接関係する、カップリングレンズのレンズ位置検出系について述べる。
レーザダイオード1により発光されたレーザ光は、コリメータレンズ2、球面収差補正用のカップリングレンズ3を通って、ビームスプリッタ4によりビームが直角に曲げられ、集光レンズ18、シリンドリカルレンズ19により非点収差を持つ光スポットとして、フロントモニタの受光素子20に集光される。集光された光スポットは、カップリングレンズによる球面収差補正を受けているため、その補正量により、レンズ位置に応じて、非点収差法によるフォーカスエラー同様、図8(A)、(B)、(C)に示すようなスポット形状となる。また、フロントモニタの受光素子は、図8に示すように4分割されたセルから構成されている。カップリングレンズ駆動回路21は、前記フロントモニタの各セルの出力を入力し、(A+D)−(B+C)により非点収差量を演算する。カップリングレンズのレンズ位置は、前もって測定して、カップリングレンズ駆動回路に記憶しておいた非点収差量とレンズ位置の換算表を使って検出することができる。さらに、カップリングレンズ駆動回路21は、入力したカップリングレンズエラーと、検出したレンズ位置が一致するようカップリングレンズを駆動することにより、カップリングレンズエラーとレンズ位置が一致するカップリングレンズ駆動回系を構成することができる。以上を除いたカップリングレンズサーボ系、フォーカスサーボ系は、第2実施形態と全く同一である。
以上のように、本発明の第3実施形態によれば、上記した構成があるので、カップリングレンズエラーによって直接レンズ位置が決まらないようなカップリングレンズの場合でも、厚みセンサーを使用しないで、復路においてカップリングレンズを通過しないことが可能となる。
以上のように、上記構成の本発明による光ディスク装置においては、光ディスクの透明基板のばらつきによって生じる厚み誤差による球面収差を補正するとともに、その光学レイアウト上、復路においてカップリングレンズを通過しないことが可能となり、対物レンズ、受光素子間の距離が短縮できて、光学レイアウトの自由度が上がり、性能劣化なしに光ディスク装置の小型化、薄型化を実現できる。
本願発明の実施形態の光ディスク装置における、球面収差補正にかかわる光学系および制御系の構成を示す図である。(実施例1) 本願発明の実施形態の光ディスク装置における受光素子のセルの構成および受光素子上の光スポットの形状を示し、(A)は、光ディスクの基板厚が正規の場合、(B)は、正規の基板厚より薄い場合、(C)は、正規の基板厚より厚い場合を表す。 本願発明の実施形態の光ディスク装置で得られるフォーカスエラー信号の説明図である。 本願発明の実施形態の光ディスク装置で得られるフォーカスエラー信号の説明図である。 本願発明の実施形態の光ディスク装置における、球面収差補正にかかわる光学系および制御系の構成を示す図である。(実施例2) 本願発明の実施形態の光ディスク装置における、カップリングレンズサーボ系のフローチャートである。 本願発明の実施形態の光ディスク装置における、球面収差補正にかかわる光学系および制御系の構成を示す図である。(実施例3) 本願発明の実施形態の光ディスク装置におけるフロントモニタ受光素子のセルの構成および受光素子上の光スポットの形状を示す。 従来の光ディスク装置における、球面収差補正にかかわる光学系および制御系の構成を示す図である。
符号の説明
1 レーザダイオード、3 カップリングレンズ、4 ビームスプリッタ、5 対物レンズ、6 ディスク、7 集光レンズ、8 シリンドリカルレンズ、9 受光素子、10 厚みセンサー、11 厚み誤差演算部、12 アクチュエータ駆動回路、13 フォーカスエラー生成回路、14 カップリングレンズ駆動回路、15 厚み誤差補正値生成回路、16 レンズ位置誤差補正値生成回路、17 システムコントローラ、 18 集光レンズ、19 シリンドリカルレンズ、20 フロントモニタ、21 カップリングレンズ駆動回路、22 フォーカスエラー生成回路、23 カップリングレンズエラー生成回路


Claims (2)

  1. レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を透過し、光ディスクの情報面からの戻り光を反射するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を前記光ディスクに集光させる対物レンズと、前記ビームスプリッタで反射された前記戻り光を検知する水平方向と垂直方向に分割された複数分割領域を有する光検出部と、前記光検出部の複数分割領域で光電変換された信号を演算してフォーカスエラー信号を出力するフォーカスエラー生成部と、前記フォーカスエラー信号により、前記対物レンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動させて前記光ディスクの情報面に前記レーザ光をフォーカスさせる対物レンズ駆動部とからなり、前記光ディスクの透明基板厚み誤差によって生じる球面収差補正と同時にフォーカスサーボを安定して行わせる光ディスク記録再生装置において、
    前記光ディスク透明基板の設計値からの厚さばらつきを測定して、厚み誤差信号を出力する厚み誤差測定部と、
    前記レーザ光源と前記ビームスプリッタとの間に配置され、前記厚み誤差信号に基づいて、前記光ディスク透明基板の厚さばらつきにより前記レーザ光源から出射するレーザ光が前記光ディスクの情報面で生じる球面収差を補正するカップリングレンズを駆動させるカップリングレンズ駆動部と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記光ディスクの情報面で球面収差を生じることなく照射された際、前記フォーカスエラー信号に、球面収差補正により生じるフォーカスエラーのオフセットを補正する前記厚み誤差補正信号を、前記フォーカスエラー生成部に出力する補正回路部と、
    を備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  2. レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を透過し、光ディスクの情報面からの戻り光を反射するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタを透過した前記レーザ光を前記光ディスクに集光させる対物レンズと、前記ビームスプリッタで反射された前記戻り光を検知する水平方向と垂直方向に分割された複数分割領域を有する光検出部と、前記光検出部の複数分割領域で光電変換された信号を演算してフォーカスエラー信号を出力するフォーカスエラー生成部と、前記フォーカスエラー信号により、前記対物レンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動させて前記光ディスクの情報面に前記レーザ光をフォーカスさせる対物レンズ駆動部とからなり、前記光ディスク透明基板の厚み誤差によって生じる球面収差補正と同時にフォーカスサーボを安定して行わせる光ディスク記録再生装置において、
    前記レーザ光源と前記ビームスプリッタとの間に配置され、前記光検出部の複数分割領域から得られる総和信号に基づいて、前記光ディスク透明基板の厚さばらつきにより前記レーザ光源から出射するレーザ光が前記光ディスクの情報面で生じる球面収差を補正するカップリングレンズを駆動させるカップリングレンズ駆動部と、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記光ディスクの情報面で球面収差を生じることなく照射された際、前記フォーカスエラー信号に、球面収差補正により生じるフォーカスエラーのオフセットを補正する前記厚み誤差補正信号を、前記フォーカスエラー生成部に出力する補正回路部と、
    を備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010073255A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Taiyo Yuden Co Ltd 光ディスクの記録方法、光ディスク記録再生装置および光ディスク

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