JP2004192093A - 透明タッチパネル及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】大型の透明タッチパネルの製造が容易になり透明性の確保も簡単になり、安価に製造できる。透明タッチパネルを提供する。
【解決手段】可動電極板１１と固定電極板１２のそれぞれの表面に形成される金属膜１４，１８同士を一定間隔で対向させて固定し、可動電極板１１側の表面に加わる押圧力による金属膜１４，１８同士の接触によりスイッチ動作を行う透明タッチパネルにおいて、可動電極板１１と固定電極板１２の金属膜１４，１８は、全面にわたって均一で連続した格子網目状に形成されている。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置等の画面上に装着され、画面の内容にしたがって、指やペンで入力する押圧位置を検知する透明タッチパネル及びその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、タッチパネルは、液晶表示装置あるいはプラズマディスプレイ表示装置等の画面上に装着される入力装置として使用されており、その入力される位置の検出方法により、静電容量式、光学式、超音波式、薄膜抵抗式等が実用化されている。このうち特に薄膜抵抗式の透明タッチパネルは、構造や検出方法が単純であり、安価に製造できる点から広く普及している。この薄膜抵抗式のタッチパネルは、例えば、薄い樹脂フィルムやガラス板等の表面にＩＴＯ等に代表される透明導電膜を形成した可動電極板と、ガラス板等の表面に同様のＩＴＯからなる透明導電膜を形成した固定電極板とを、それぞれの透明導電膜を一定の間隔で対向させた構造になっている。この種のタッチパネルとして、例えば、可動電極板と固定電極板との少なく一方の電極板の側面に配線回路を設けた抵抗膜式透明タッチパネルが開示されている（例えば、特許文献１を参照）。また、ディスプレイ側基板に使用する透明導電膜を有する透明プラスチック製シートに、特定の層を密着介在させた抵抗膜式透明タッチパネルが開示され、そのＩＴＯにより形成される導電透明膜の膜厚が１００〜３００Åの薄い層に形成されることが開示されている（例えば、特許文献２参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２０００−２８７９０５号公報（第２ページ、第１図）
【特許文献２】
特開平９−１１５３８５号公報（第４ページ）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来の薄膜抵抗式のタッチパネルは、ＩＴＯ等の透明導電膜を電極板に膜厚が１００〜３００Å等の薄い層に形成し、かつ入力位置の検出を精度よく行うために透明導電膜の膜面抵抗値が場所により異なることなく安定して均一な厚さに形成する必要があった。そのため、表示装置等の画面が大型化したときには、膜面全体にわたり均一な抵抗値を有する透明導電膜の形成が困難になり大型タッチパネルの製造が難しくなる問題点があった。
【０００５】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、大型の透明タッチパネルの製造が容易になり透明性の確保も簡単になり、安価に製造できる透明タッチパネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項１に記載の発明にあっては、可動電極板と固定電極板のそれぞれの表面に形成される金属膜同士を一定間隔で対向させて固定し、前記可動電極板側の表面に加わる押圧力による金属膜同士の接触によりスイッチ動作を行う透明タッチパネルにおいて、前記可動電極板と固定電極板の金属膜は、全面にわたって均一で連続した格子網目状に形成されていることを特徴とするものである。可動電極板と固定電極板の金属膜を均一で連続した格子網目状に形成することで、薄い透明導電膜を全面にわたって形成する困難を回避でき、大型の透明タッチパネルの製造が容易になり透明性の確保も簡単になり、安価に製造できる。
【０００７】
請求項２に記載の発明にあっては、前記格子網目状に形成される金属膜の線幅、ピッチ間隔及び膜厚は、開口率と表面抵抗値に応じて決められることを特徴とするものである。均一な膜厚の透明導電膜でないため、開口率と表面抵抗値を金属膜の線幅、ピッチ間隔及び膜厚で変えることができる。
【０００８】
請求項３に記載の発明にあっては、前記可動電極板の金属膜と、前記固定電極板の金属膜とは、対向させたとき互いに格子網目状の形状同士が一定の傾斜角度を有するよう形成されていることを特徴とするものである。金属膜を対向させたとき、格子網目状の形状同士が互いに重ならないように傾斜角度を持たせることで、光による干渉縞の発生を避けて見易くすることができる。
【０００９】
請求項４記載の発明にあっては、前記請求項１〜３に記載の透明タッチパネルの製造方法において、前記可動電極板及び固定電極板の金属膜の形成は、フォトプロセスにより格子網目状のパターンを形成する工程と、無電解メッキ法により導電性金属をメッキする工程を含むことを特徴とするものである。金属膜の工程をフォトプロセスと無電解メッキ法により簡単に成形でき安価に製造できる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の一実施形態により具体的に説明する。図１〜図４は本発明実施形態の透明タッチパネルを説明する図であり、図１は透明タッチパネルの可動電極板及び固定電極板の構成を説明する平面図、図２は電極板の形成工程を説明する図、図３は電極板に形成する格子網目状の金属膜部分の斜視図、図４は透明タッチパネル部分の断面図である。
【００１１】
本実施形態の透明タッチパネル１０は、図１及び図４に示すように、例えば、薄いガラス板１３の表面に格子網目状の導電性を有する金属膜１４を形成した可動電極板１１と、比較的厚いガラス板１７の表面に同様の形状からなる格子網目状の導電性を有する金属膜１８を形成するとともに絶縁スペーサ１９を形成した固定電極板１２とを、それぞれの金属膜１４，１８を互いに対向させて一定の間隔で固定したもので、大型表示装置の画面上に入力装置として装着されるものである。
【００１２】
可動電極板１１あるいは固定電極板１２に形成される格子網目状の導電性を有する金属膜１４，１８の形成方法は、例えば、図２（ａ）に示すように、それぞれの電極板のガラス板１３，１７に対応するガラス板３１の表面に、レジスト膜３２を形成し、次に同図（ｂ）に示すように、このレジスト膜３２を格子網目状のパターンを形成するためのマスク３３を用いて露光し、続いて同図（ｃ）に示すように、現像して格子網目状のレジスト膜パターン３４を形成し、同図（ｄ）に示すように、格子網目状のパターンが形成されたガラス基板３１の表面に、例えば、無電解メッキにより、ニッケル（Ｎｉ）あるいは銅（Ｃｕ）等の導電性の金属膜３５を、膜厚が５００〜１０００Å程度になるよう形成する。次に、同図（ｅ）に示すように、レジスト膜パターン３４を剥離する。
【００１３】
このようにガラス基板３１上の金属膜３５は、図３に示すように、例えば、線幅（Ａ）が５〜１００μｍ、好ましくは２０μｍ程度、ピッチ間隔（Ｂ）が５０〜５００μｍ、好ましくは２５０μｍ程度の４角形の連続した格子網目状に形成される。このような格子網目状の形状の線幅や膜厚を管理することで、表面抵抗値が、例えば、５００〜６００Ω／□に管理することが好ましい。
【００１４】
上記の製造方法により、例えば、０．４ｍｍ程度の厚さのガラス基板１３表面に格子網目状の金属膜１４を形成し、また、ガラス基板１３表面の左右において金属膜１４に接続され、位置検出のための駆動回路２２に接続されるＸ方向の電極１５，１６を形成して可動電極板１１とする。また、同じ製造方法により、例えば、３ｍｍ程度の厚さのガラス基板１７表面に同様の寸法からなる格子網目状の金属膜１８を形成し、また、ガラス基板１７表面の上下において金属膜１８に接続され、駆動回路２２に接続されるＹ方向の電極２０，２１を形成し、さらに金属膜１８が形成されていないガラス基板１７表面に、図４に示すように、例えば、アクリル樹脂等の材料からなり、高さが４μｍ程度、大きさが３０〜５０μｍ程度、ピッチ間隔が３ｍｍ程度のドット状の絶縁スペーサ１９を、例えば、シルク印刷法あるいは写真印刷法により成形して固定電極板１２とする。ここで可動電極板１１の金属膜１４と、固定電極板１２の金属膜１８とは、それぞれ対向させたとき、互いに格子網目状の形状同士が互いに重なり合って光による干渉縞が生じることで見にくくならないよう、一方の金属膜１４の格子網目と他方の金属膜１８の格子網目とが、一定の傾斜角度（Θ）として、例えば、４５度程度の角度になるように形成されている。この４５度の角度が干渉縞が生じないことが実験的に確認された。
【００１５】
透明タッチパネル１０は、図４に示すように、上記の可動電極板１１と固定電極板１２とを、それぞれの金属膜１４及び１８を対向させ、その間隔（Ｈ）を、例えば、一定の５０μｍ程度の貼り合わせ材等を介して固定する。この透明タッチパネル１０は、固定電極板１２側を表示装置等の表示画面側に向けて装着し、可動電極板１１の表面を指あるいはペンで押圧力（Ｐ）を与えると、薄いガラス板１３が撓み、押圧位置における金属膜１４，１８同士が接触して生じるスイッチ機能により駆動回路２２でＸＹ方向の位置が検知される。
【００１６】
上記構成の透明タッチパネル１０では、可動電極板１１及び固定電極板１２の表面に格子網目状の金属膜１４，１８を形成しているため、格子網目状の線幅及びピッチ間隔を管理することにより開口率を変えタッチパネル全体としての透明性を制御することができ、また、格子網目状の金属膜１４，１８の線幅と膜厚を管理することで適切な表面抵抗値を決めることが可能になる。したがって、従来のようなＩＴＯ等の透明導電膜のように、薄い層で均一な厚さに形成することによる問題点がなくなり、大型透明タッチパネルの製造が容易になり、かつ安価に製造することができる。また、格子網目状の金属膜１４，１８をフォトプロセスとニッケル（Ｎｉ）あるいは銅（Ｃｕ）等の材料による無電解メッキとでパターン形成することで、透明でない金属材料の使用も可能になり、膜形成が簡単になり製造が容易になる。さらに、本実施形態では、金属膜１４，１８を対向させたとき、格子網目状の形状同士が互いに重ならないように一方の金属膜１４の格子網目と他方の金属膜１８の格子網目が４５度程度の角度になるように形成しているため、光による干渉縞の発生を避けて見易くすることができる。
【００１７】
なお、上記実施形態において、可動電極板１１及び固定電極板１２にガラス板１３及び１７を使用した例を説明したが、例えば、可動電極板側に透明ＰＥＴフィルム等のプラスチックフィルムを使用し、固定電極板側にプラスチック板を使用したり、あるいはガラス板と組み合わせて使用することもできる。また、金属膜１４及び１８の形状を４角形の連続した格子網目状とした例を説明したが、少なくとも全面にわたって均一で連続した形状で、線幅、膜厚、ピッチ間隔を任意に変えることで、開口率や表面抵抗値を管理することが可能な他の連続した格子網目状であってもよい。さらに、金属膜１３及び１７は、ニッケル（Ｎｉ）あるいは銅（Ｃｕ）等の導電性の金属材料で、無電解メッキにより形成することで製造が容易になり好ましいが、他の金属材料として銀（Ａｇ）あるいは金（Ａｕ）等の導電性の金属膜を他の真空蒸着法、ＣＶＤ法、スパッタリング法等とフォトプロセスを利用して製造することもできる。
【００１８】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の透明タッチパネルでは、可動電極板と固定電極板のそれぞれの表面に形成される金属膜同士を一定間隔で対向させて固定し、可動電極板側の表面に加わる押圧力による金属膜同士の接触によりスイッチ動作を行う透明タッチパネルにおいて、可動電極板と固定電極板の金属膜は、全面にわたって均一で連続した格子網目状に形成されていることで、薄い透明導電膜を全面にわたって形成する困難を回避でき、大型の透明タッチパネルの製造が容易になり透明性の確保も簡単になり、安価に製造できる。
【００１９】
本発明の透明タッチパネルの製造方法では、可動電極板及び固定電極板の金属膜の形成は、フォトプロセスにより格子網目状のパターンを形成する工程と、無電解メッキ法により導電性金属をメッキする工程を含むことで、簡単に成形でき安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明実施形態の可動電極板及び固定電極板の構成を説明する平面図である。
【図２】本発明実施形態の電極板の形成工程を説明する図である。
【図３】本発明実施形態の電極板に形成する格子網目状の金属膜部分の斜視図である。
【図４】本発明実施形態の透明タッチパネル部分の断面図である。
【符号の説明】
１０ 透明タッチパネル
１１ 可動電極板
１２ 固定電極板
１３，１７ ガラス板
１４，１８ 金属膜
１５，１６ Ｘ方向の電極
１９ 絶縁スペーサ
２０，２１ Ｙ方向の電極
２２ 駆動回路

Claims (4)

1. 可動電極板と固定電極板のそれぞれの表面に形成される金属膜同士を一定間隔で対向させて固定し、前記可動電極板側の表面に加わる押圧力による金属膜同士の接触によりスイッチ動作を行う透明タッチパネルにおいて、前記可動電極板と固定電極板の金属膜は、全面にわたって均一で連続した格子網目状に形成されていることを特徴とする透明タッチパネル。
2. 前記格子網目状に形成される金属膜の線幅、ピッチ間隔及び膜厚は、開口率と表面抵抗値に応じて決められることを特徴とする請求項１記載の透明タッチパネル。
3. 前記可動電極板の金属膜と、前記固定電極板の金属膜とは、対向させたとき互いに格子網目状の形状同士が一定の傾斜角度を有するよう形成されていることを特徴とする請求項１記載の透明タッチパネル。
4. 前記請求項１〜３に記載の透明タッチパネルの製造方法において、
   前記可動電極板及び固定電極板の金属膜の形成は、フォトプロセスにより格子網目状のパターンを形成する工程と、無電解メッキ法により導電性金属をメッキする工程を含むことを特徴とする透明タッチパネルの製造方法。

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