JP2004191748A - プラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ、光ファイバケーブルおよびプラグ付き光ファイバケーブル - Google Patents

プラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ、光ファイバケーブルおよびプラグ付き光ファイバケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】伝送損失が小さく、伝送帯域が広いとともに、曲げ損失の小さいプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ、それを用いた光ファイバケーブルおよびプラグ付き光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】直径5〜50μmの3本以上の芯部と、芯部よりも屈折率が低い鞘部を有するプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバであって、鞘部の透明度が2000dB/km以下であるプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センシング用や情報通信用として好適なプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ、それを用いた光ファイバケーブルおよびプラグ付き光ファイバケーブルに関し、特に伝送損失が小さく、伝送帯域が広いとともに、曲げに対する伝送損失も少ないプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ、それを用いた光ファイバケーブルおよびプラグ付き光ファイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック光ファイバは、その直径が500μm程度を超える比較的大口径な場合においても、柔軟性に優れているとともに、加工性や光源との接続等の取り扱い性に優れていることから、情報通信やセンシングなどの分野で広く使用されてきている。
【0003】
特に近年においては、IT化の流れを背景として、伝送帯域のより広いプラスチック光ファイバが求められており、例えば、特開平7−239420号公報(特許文献1)には、プラスチック光ファイバの開口数(NA)を小さく(低NA化)することにより、広帯域化した光ファイバが提案されている。
【0004】
しかし、このような比較的大口径で低NA化されたプラスチック光ファイバは、曲げによる伝送損失(曲げ損失)が大きいという問題があった。一般的に、D.Globe Applied Optics,vol11.2506(非特許文献1)に記載されているように、曲げ損失は光ファイバのNAが小さいほど大きいことが知られている。
【0005】
このような曲げ損失の問題を回避するには、プラスチック光ファイバの芯径を細径化することが最も有効な手段であるが、このようなプラスチック光ファイバでは芯部の受光面積が小さくなり伝送光量が少なくなるものであった。これに対して、特開平5−53035号公報(特許文献2)や国際公開第95/32442号公報(特許文献3)には、細径化した芯部を多数配列し、その外周を鞘部で覆った海島構造のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ(以下、マルチコアPOFという。)とすることにより、受光面積を小さくすることなく、曲げ損失を抑えることが提案されている。
【特許文献1】
特開平7−239420号公報
【非特許文献1】
D.Globe「Applied Optics ,vol11 .page2526」(1972)
【特許文献2】
国際公開第95/32442号
【特許文献3】
特開平5−53035号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなマルチコアPOFでは、曲げ損失は改善されるものの、その芯径が例えば50μm以下程度まで小さくなった場合に伝送損失が増大するという問題点を有している。
【0007】
そこで、本発明の目的は、伝送損失が小さく、伝送帯域が広いとともに、曲げ損失の小さいプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ、それを用いた光ファイバケーブルおよびプラグ付き光ファイバケーブルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバは、直径5〜50μmの3本以上の芯部と、芯部よりも屈折率が低い鞘部を有するプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバであって、鞘部の透明度が2000dB/km以下であることを特徴とするものである。
また、本発明のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバは、直径5〜50μmの3本以上の芯部と、芯部よりも屈折率が低い鞘部を有するプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバであって、鞘部を構成する重合体が、該重合体と化学結合しない状態で存在するS原子およびSi原子をそれぞれ5×10-5mol/kg以下含有することを特徴とするプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
【0009】
また、本発明のプラグ付き光ファイバケーブルは、上記のような光ファイバケーブルの少なくとも一端にプラグを取り付けたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図を用いて詳細に説明する。
本発明のマルチコアPOFは、図1〜4に示したように、3本以上の芯部と、芯部よりも屈折率の低い鞘部から構成される海島構造を有するものであり、図1や図3に示したように、多数の芯部が島部を構成し、鞘部が海部を構成するような構造であってもよいし、図2や図4に示したように、外周に鞘部を配置した多数の芯部が島部を構成し、芯部、鞘部を構成する樹脂とは異なる樹脂が海部を構成するような構造であってもよい。
【0011】
本発明のマルチコアPOFにおいては、島の数(芯部の数)は、芯径が小さくなることによる伝送光量の低下を抑制するため、3個以上とする必要があり、好ましくは10〜500個の範囲であり、さらに好ましくは50〜400個の範囲である。島部の断面形状は、略円形、略楕円形、略六角形であればよい。伝送部の断面積を増やすことで光源から取り込める光量を増加させるためには、島部の断面形状は略楕円形あるいは略六角形とすることが好ましいが、伝送損失の大幅な低下を招かないような範囲で行うことが好ましい。また、島部を構成する芯部の直径は5〜50μmの範囲が好ましい。芯部の直径が5μm未満になると伝送可能な光のモード数が少なくなり、光源に対する入射光量が低化してしまう傾向にあるためであり、50μmを超えると曲げ損失が大きくなる傾向にあるためである。
【0012】
芯部10は光伝送路であり、透明性の高い樹脂が使用される。また、鞘部11を構成する樹脂は、芯部を構成する樹脂よりも屈折率が低い樹脂が使用される。
【0013】
本発明のマルチコアPOFの芯部および鞘部を構成する樹脂としては、ポリメタクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、非晶質ポリオレフィン系樹脂などの透明性の高い樹脂が挙げられ、中でも特に透明性や加工性に優れたポリメチルメタクリレート(PMMA)等のメチルメタクリレート単位を主要構成単位とするポリメタクリレート系樹脂が好ましい。
【0014】
メチルメタクリレート単位を主要構成単位とするポリメタクリレート系樹脂とは、メチルメタクリレートの単独重合体(PMMA)およびメチルメタクリレートと他のモノマーの共重合体であり、共重合成分としてはベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、S−メチルチオメタクリレート、短鎖フッ素化アルキルメタクリレート等のメタクリレート系モノマー、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリレート系モノマー、スチレン、安息酸ビニル、α−メチルスチレン等のメチルメタクリレートと共重合可能なビニル系モノマー等が挙げられる。
【0015】
共重合体は、その屈折率、ガラス転移温度、賦形時の流動性等の観点から適宜選択することができるが、共重合成分および共重合比率によっては、透明性が低下し、伝送損失を増大させる場合があるため、伝送損失の大きな増加のない範囲で使用することが好ましい。広範囲な組成比にわたり伝送損失の小さな樹脂が得られることから、共重合成分としてはスチレン、α−メチルスチレン、ベンジルメタクリレート、S−メチルチオメタクリレート、短鎖フッ素化アルキルメタクリレート等を使用することが好ましい。
【0016】
短鎖フッ素化アルキルメタクリレートとしては、例えば、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
【0017】
また、芯部を構成する樹脂と鞘部を構成する樹脂のいずれも共重合体を用いると、重合工程が複雑化し生産性の低下を招く場合があり、芯部に透明性、機械的特性および生産性に優れるPMMA樹脂を用い、鞘部に屈折率がPMMA樹脂よりも低い上記のような共重合体を用いることが好ましい。このような組み合わせとした場合には、芯鞘間の接着性も良いため、界面での剥離が起こりにくく曲げに対する機械特性にも優れる。さらに、芯鞘界面での光学的な不整も小さいため、芯鞘界面で全反射する際のモード変換や散乱による損失が小さくなり、伝送損失をより低減することができる。
【0018】
また、本発明においては、マルチコアPOFの用途や使用環境に合わせて素線の耐熱性や柔軟性などを向上させる必要がある場合には、図2、4に示したように、島部を鞘部が外周に形成された芯部によって構成し、その外側を芯部や鞘部を構成する樹脂とは異なる樹脂からなる海部で覆うような海島構造とすることもできる。この場合、芯部の外周に形成される鞘部の厚さは,マルチコアPOFの光学特性の観点から2μm以上とすることが好ましい。
【0019】
本発明のように芯部の直径が5〜50μmであるマルチコアPOFにおいて、芯部の直径を細径化したことによる伝送損失の増加は、鞘部の透明度を2000dB/km以下とすることによって抑制することができ、励振NA0.1、測定波長650nmの光で測定した際の伝送損失が200dB/km以下であるような、通信用としても十分に実用レベルであるマルチコアPOFを得ることができる。鞘部の透明度は好ましくは1000dB/km以下、より好ましくは500db/km以下である。
【0020】
本発明における鞘部の透明度とは、鞘部を構成する樹脂を中心層とし、その周囲に鞘部を構成する樹脂より屈折率が0.003以上低い樹脂を厚さ10μmで被覆して直径1000μmのプラスチック光ファイバを作製し、このプラスチック光ファイバに励振NA0.1、波長500nm〜700nmの光を入射させて、カットバック法にて伝送損失を測定した時の該波長範囲内における伝送損失の最小値を言う。
【0021】
また、鞘部の透明度を上記範囲内とするためには、重合体と化学結合しない状態で鞘樹脂中に存在するSi原子およびS原子の含有量を、共に5×10−5mol/kg以下とすることが必要であり、好ましくはS原子は4.5×10−5mol/kg以下、Si原子は4×10−5mol/kg以下であり、より好ましくはS原子は4×10−5mol/kg以下、Si原子は3×10−5mol/kg以下である。
前記の範囲に抑えることによって芯部の直径が50μm以下と小さいマルチコアPOFにおいても伝送損失の増大を抑止することができ、更には過酷な環境下(例えば、温度85℃、湿度85%のような雰囲気下)で長期間使用した場合にも高い透明度を維持することができる。
これは、鞘部の原料樹脂やその製造工程中に混入する不純物等に含まれるSi原子や、主として分子量調整剤として使用するメルカプタン類等に由来する硫黄系化合物に起因するS原子が、鞘部の透明性の低下や芯鞘界面における伝送損失の増加の大きな要因となっているためであり、これらの含有量を抑止することにより鞘部の透明度を向上させることができる。
【0022】
本発明のマルチコアPOFにおいては、芯部を構成する樹脂の屈折率をn1、鞘部を構成する樹脂の屈折率をn2としたとき、芯鞘間の屈折率差(n1−n2)が0.001〜0.032の範囲にあることが好ましく、0.005〜0.032の範囲がより好ましい。この屈折率差が0.001より小さくなると、芯部を伝送する光の光量が小さくなるとともに、光源から光をマルチコアPOFに取り込む際の光軸の調整等が困難になる傾向にある。一方、屈折率差が0.032より大きくなると、伝送帯域が狭くなる傾向にある。
【0023】
本発明のマルチコアPOFにおいては、図3、4に示したように、外周に、製造工程やケーブル化工程での損傷を防ぎ、取扱い性を向上させる目的で、5μm以上の厚さの保護層33を形成させることが好ましい。保護層の厚さが5μm未満の場合には、損傷防止や取扱い性向上等の十分な効果が得られない傾向にあるためである。
【0024】
保護層を構成する樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン単位とテトラフルオロエチレン単位を含む共重合体や、エチレン単位とメチルメタクリレート単位を含む共重合体(例えば、住友化学社製アクリフト)などが挙げられる。
【0025】
本発明において、マルチコアPOFを情報通信等の広い伝送帯域が要求される用途に使用する場合には、保護層を構成する樹脂の屈折率(n4)を鞘部を構成する樹脂(n2)よりも高くしたり(n4>n2)保護層を構成する樹脂の全光線透過率を50%以下とすることが好ましい。全光線透過率とは、JIS K 7105の測定法Aに従って、サンプル厚2mmで測定する。
【0026】
保護層を構成する樹脂の屈折率が鞘部を構成する樹脂の屈折率よりも低い場合には、芯鞘界面を通過して漏れてくる高次モード光が海部と保護層との界面で全反射して伝送し、伝送帯域が低下する傾向にある。また、保護層を構成する樹脂の全光線透過率が50%以上である場合にも同様のことが言える。特に、本発明のように海部に透明性の高い樹脂を用いる場合には、高次モード光が海部を通過しながら伝送する可能性がある為、保護層を構成する樹脂の全光線透過率を50%以下として保護層と海部の界面での全反射を十分に低減し伝送帯域の低下を抑止することが好ましい。
【0027】
保護層を構成する樹脂としては、柔軟性および海部を構成する樹脂との密着性に優れた樹脂を用いることが好ましく、例えば、エチレン−メチルメタクリレート系共重合体、ウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等を用いることができる。また、保護層を構成する樹脂の全光線透過率を低下させる方法としては、上記樹脂の半透明ないし不透明なものを用いたり、透明な樹脂にカーボンブラック等を添加しても良い。
【0028】
海部22を構成する樹脂としては、マルチコアPOFに種々の物性を付与することを目的として、柔軟性や耐熱性などに優れた樹脂を用いることができる。例えば、フッ化ビニリデン単位とテトラフルオロエチレン単位を含む共重合体、エチレン−メチルメタクリレート系共重合体(例えば、住友化学社製アクリフト)などが挙げられる。
【0029】
このような構造のマルチコアPOFを、情報通信等の広い伝送帯域が必要される場合に用いるには、海部を構成する樹脂の屈折率(n3)が芯部材を構成する樹脂の屈折率(n1)と鞘部材を構成する樹脂の屈折率(n2)の中間の値としたり(n1<n3<n2)、海部を構成する樹脂の全光線透過率を50%以下とすることが好ましい。
海部を構成する樹脂の屈折率が鞘部を構成する樹脂よりも低い場合には、芯鞘界面を通過して漏れた高次モード光が鞘部と海部との界面で全反射して伝送し、伝送帯域が低下する傾向にある。一方、海部を構成する樹脂の屈折率が芯部を構成する樹脂よりも高い場合には、伝送する光は本来の光伝送路である芯部よりも海部により多く閉じ込められて伝送するため、光学特性が損なわれる傾向にある。また、海部を構成する樹脂の全光線透過率が50%以上である場合には、高次モード光が海鞘界面で全反射して伝送したり、海部を通過しながら伝送してしまうため、伝送帯域が低下してしまう。特に、本発明のように鞘部に透明性の高い樹脂を用いる場合には、高次モード光が鞘部を通過しながら伝送する可能性がある為、海部を構成する樹脂の全光線透過率を50%以下として海部と鞘部の界面での全反射を十分に低減し伝送帯域の低下を抑止することが好ましい。
【0030】
次に、本発明のマルチコアPOFの製造法について具体的に説明する。
【0031】
まず、本発明のマルチコアPOFに使用される各部材の原料樹脂を重合し、得られた原料樹脂を用いて一般的な複合紡糸方法によってマルチPOFを製造する。本発明においては、芯部の直径が小さいマルチPOFの伝送損失の増加を抑止する観点から、鞘部を構成する樹脂の製造が特に重要である。
本発明に用いられる鞘部を構成する樹脂の製造は、重合工程から紡糸工程までを連続して密閉系にて行うことにより、異物等の不純物の混入をできるだけ抑止することが必要である。具体的には、異物を極力除去した前述の単量体をアルキルメルカプタンの存在下で特定の重合率となるまで重合した後、揮発物除去工程にて未反応単量体やその他揮発分を除去する。
重合方法としては、前述した芯部を構成する樹脂を得るための単量体とともに、分子量調節剤、ラジカル重合開始剤や溶媒等を混合し、塊状重合法、溶液重合法、キャスト重合法等の公知の重合方法を使用することができる。この場合の重合率としては、塊状重合法、溶液重合法では30〜70%、袋重合等のキャスト重合法では90%以下とすることが好ましい。これは、重合率が低くなりすぎると、生産性の低下や揮発物除去の処理が大変となる傾向にあり、逆に重合率が高すぎると反応器内の重合体組成物の粘度が著しく上昇して重合速度が急激に上がるため重合温度の制御が困難となる傾向にあるためである。また、2種以上のモノマーを用いて共重合を行う場合には、モノマーの重合性の違いによる組成斑等が原因となって、得られる樹脂の透明度が劣る場合があるが、このような場合においても30〜70%重合率の範囲で重合を行うことにより、透明度の優れた重合体を得ることができる。
【0032】
鞘部を構成する樹脂についても、芯部を構成する樹脂と同様にして、重合工程から紡糸工程までを連続して密閉系にて行う方式を取ることが好ましい。
【0033】
本発明においては、鞘部の透明度を2000dB/km以下とするためには、前述したように、鞘部を構成する樹脂は、重合体と化学結合しない状態で重合体中に存在するSi原子およびS原子の含有量を、それぞれ5×10−5mol/kg以下とすることが必要である。
【0034】
なお、鞘部を構成する樹脂の原料混合物に使用される分子量調節剤としては、メルカプタン類を用いることができ、揮発物除去工程にて揮発成分として脱気除去の容易なものが好ましく、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等の炭素数3〜8のアルキルメルカプタンが好ましく、特にn−ブチルメルカプタンが好ましい。炭素数が9以上になると揮発性が低下し、揮発物除去工程で十分に残存するメルカプタン類を除去することが困難となる傾向にあり、逆に炭素数が2以下のアルキルメルカプタン類は常温でもほぼガス状態であるため取扱い性に劣る傾向にある
【0035】
また、重合開始剤としては、パーオキサイド系化合物やアゾ系化合物等のラジカル重合開始剤を用いることができる。好ましい重合開始剤は、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1−シクロヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物や、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられ、特にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)と2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)が好ましい。これら重合開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
まず、原料混合物は、目開き0.1μm以下のフィルターでろ過し異物などの不純物の除去を行い、原料混合物中に存在するSi成分を夾雑物とともに除去する。
【0037】
ろ過を行った原料混合物は、反応器へ供給し、特定の重合率となるまで重合する。
【0038】
反応器から取り出された重合体は揮発物除去工程に送られる。この操作は、Si成分の系外からの混入を防ぐため、反応器から重合体を連続的に抜き出すと同時にそのまま連続的に揮発物除去工程に移送することが好ましい。
【0039】
揮発物除去工程では、重合体を予熱温度150〜250℃に加熱し、この予熱温度における未反応単量体の蒸気圧以上に加圧して、細孔またはスリットを通して減圧下にあるベント押し出し機に供給して揮発成分の大部分を脱気除去した後、このベント押し出し機の下流に設けた1個以上のベント部で残留する揮発成分の除去を行う。この際、少なくとも最下流に設けたベント部は、温度200〜270℃、圧力50000Pa以下で揮発成分の除去を行うことが好ましい。なお、ベント押し出し機の供給部に重合体を供給するに際して、ベント押し出し機の供給部スクリューに重合体を直接吹き付けてもよい。
このような揮発物除去工程により、重合体と化学結合しない状態で重合体中に残存しているメルカプタン類などに起因するS原子の含有量を5×10-5mol/kg以下にまで低減することが可能となる。
【0040】
揮発物除去工程後、押し出し機から取り出された重合体は、Fed.Std.209Eのクラス分類でM5以下に維持された雰囲気のもとで、粒径0.5μm以上の異物数が1000個/g以下の純水等の液体または窒素等の不活性ガス等の気体を用いて冷却した後、粉砕あるいは顆粒化する。このような雰囲気下で重合体の捕集を行うことによって、重合体中のSi含有量を実質的に増加させることなく、重合体を捕集することができる。
【0041】
重合体捕集工程における雰囲気をFed.Std.209Eのクラス分類でM5以下に維持するためには、使用する液体や気体を、目開き0.2μm以下のフィルターを通過させればよく、例えば、IES−RP−CC−001米国規格で定められるHEPAフィルターを通過させることで、M5以下のガス雰囲気にすることが可能となる。
【0042】
また、重合体捕集工程における雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。空気雰囲気のように酸素の存在する雰囲気下では、ベント押し出し機から出た重合体はその表面に酸素を吸着したまま顆粒あるいは粉末へと賦形され、これが原因となって加熱溶融紡糸時の熱劣化を引き起こす場合があるからである。
【0043】
このような重合体捕集工程、原料モノマーのろ過や前記の密閉系での重合等により、重合体と化学結合しない状態で重合体中に残存している異物などの不純物に主として起因するSi原子の含有量を5×10-5mol/kg以下にまで低減することが可能となる。
このようにして得られた、S原子含有量およびSi原子含有量が共に5×10-5mol/kg以下である重合体を、鞘材として複合紡糸ノズルに供給し、通常の複合溶融紡糸を行うことによって、本発明のマルチコアPOFを得ることができる。
【0044】
このようにして得られた本発明のマルチコアPOFは、その外周に熱可塑性の樹脂を公知のケーブル化装置を用い、マルチコアPOFを被覆ダイスを通しながら、溶融した被覆材をその周囲に適切な厚みで被覆することによって光ファイバケーブルとすることができる。
【0045】
被覆層の厚みは使用するマルチコアPOFの直径と光ファイバケーブルの外形寸法によって変化するが、通常0.2〜1.5mmの範囲で選択される。
【0046】
被覆層は、細いマルチコアPOFの取り扱いを容易にするとともに、マルチコアPOFに損傷を与えないための保護の役割を果たし、一般的には柔軟性があり曲げの応力に対して抵抗が少ない樹脂が使用され、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、エチレン/酢酸ビニル系共重合体、ポリアミド樹脂等が用いられ、これらを単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、本発明の光ファイバケーブルを、上述の光ファイバケーブルの端部の一端、または両端に接続用プラグを設けらることによってプラグ付き光ファイバケーブルとすることができる。このようなプラグ付き光ファイバケーブルは、容易に着脱可能なものとなる上に、光ファイバの端面やコアの位置合わせが容易なものとなり、情報通信用ケーブル等に適用することができる。
【0047】
【実施例】
以下、具体的な実施例について説明する。
なお、実施例中の各種評価、測定については以下の方法により実施した。
【0048】
伝送損失 25−5mカットバック法により、波長650nm、励振NA0.1の光を用いて測定した。
【0049】
伝送帯域
インパルス応答法により、波長650nm、励振NA0.25の光を用いて長さ50mの光ファイバケーブルの−3dB帯域をサンプリングオシロスコープを用いて測定した。
【0050】
曲げ損失
長さ11mの光ファイバケーブルを使用し、25mmR、90度の曲げ治具を用いて1m間隔で10回の曲げを行い、曲げ前後の光ファイバケーブルの光量値の変化から求めた。
【0051】
S原子量含有量
島津製作所社製の長さ50m、内径0.32mm、膜厚0.5μmのカラム(CBP−20−S50−090)を用いたヒューレッド・パッカード社製ガスクロマトグラフ(6890シリーズ)を使用してガスクロマトグラフ法により求めた。検出器は、硫黄に対して高い感度を有する化学発光硫黄検出器(シーバース社製)を用いた。定量分析は、重合体のアセトン溶液をガスクロマトグラフの昇温されたカラム内に注入し、得られたクロマトグラムから予め作成しておいた検量線をもとに重合体と化学結合していないS原子含有量を求めた。
【0052】
Si原子量含有量
日本ジャーレルアッシュ社製IRIS−AP(水系同軸ネブライザー使用)を用いたICP発光分析法により求めた。塩酸で洗浄したPtるつぼへ試料約10gを入れ、これをホットプレート上のるつぼ内で灰化し、Na2Co3(0.1g)を加えてガスバーナーで加熱溶融させ、さらに超純水(10ml)を加えて溶解させ、これを分析した。
【0053】
鞘透明度
前記の通り、カットバック法により、波長500〜700nm、励振NA0.1の光を用いて測定した。
【0054】
(実施例1)
図3に示す構成をした、コア数が151のマルチコアPOFを製造した。
【0055】
芯部(島部)30を構成する樹脂として、連続塊状重合法により重合され溶融状態で連続的にベント押し出し機にて脱揮を行ったポリメチルメタクリレート樹脂(屈折率1.492)を用いた。
【0056】
鞘部(鞘海部)31を構成する樹脂として、テトラフルオロプロピルメタクリレート(以下、4FMという。)およびメチルメタクリレート(以下、MMAという。)を、重合体中での質量%が4FM:MMA=20:70(屈折率1.478)となるよう混合した後、目開き0.1μmのフィルター(HEPAフィルター)を通して濾過した原料混合液を、連続塊状重合法で重合し、連続的にベント押し出し機にて脱揮を行った後、Fed.Std.209Eのクラス分類でM5以下を満たすクリーンな環境下でペレット化したものを用いた。
【0057】
保護層32を構成する樹脂として、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンの共重合体(ダイキン工業社製VP−50)を用い、これにカーボンブラックを少量添加したものを用いた。この樹脂の屈折率は1.403であり、全光線透過率は42%であった。
【0058】
これらの樹脂を複合紡糸ノズルに供給し、紡糸ノズルから吐出させ、一定速度で引き取りながら冷却固化し、熱風加熱延伸処理を施して、図3に示すようなコア数(芯部の数)が155の断面構造を持つマルチコアPOFを得た。このマルチコアPOFの外径は550μmであり、芯部30の平均直径は37μmであり、平均コア間距離(芯部間距離)は2.5μmであり、保護層の厚さは15μmであった。なお、鞘部の透明度は220dB/kmであった。
【0059】
また、この鞘部を構成する樹脂の重合後の重合体に化学結合していないS原子およびSi原子の含有量は、それぞれ3.7×10−5mol/kg、4.8×10−6mol/kgであった。さらに、上記鞘部の透明度評価用に作成したマルチコアPOFの鞘部を取り出し、S原子およびSi原子の含有量を測定したところ、それぞれ3.8×10−5mol/kg、4.9×10−6mol/kgであった。
【0060】
得られたマルチコアPOFの伝送帯域、伝送損失、曲げ損失を測定し、その結果を表1に示した。
【0061】
さらに、得られたマルチコアPOFの外周に、柔軟性の高い共重合PVC樹脂(東洋インキ製造社製T314)をケーブル化装置を用いて被覆することによって、柔軟性に優れた光ファイバケーブルを得た。この光ファイバケーブルの伝送損失、伝送帯域の測定を行ったところ、使用したマルチコアPOFと同等の数値を示した。また、曲げ損失の測定を行った結果を表1に示した。
【0062】
(実施例2)
保護層を構成する樹脂にカーボンブラックを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法でマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを製造した。なお、保護層を構成する樹脂の屈折率は1.405であった。得られたマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを用いて、伝送帯域、伝送損失、曲げ損失を測定したところ、伝送帯域にやや低下が認められた以外は、実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0063】
(実施例3)
保護層を構成する樹脂として、エチレン−MMA共重合体(住友化学工業社製アクリフト、屈折率約1.52)を用いた以外は、実施例2と同様の方法でマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを製造した。得られたマルチPOFおよび光ファイバケーブルを用いて、伝送帯域、伝送損失、曲げ損失を測定したところ、実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0064】
(実施例4)
図2に示す海島構造とした以外は実施例1と同様の方法でコア数が151のマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを製造した。なお、海部22を構成する樹脂としては、実施例1の保護部32に用いたVP−50を用いた。
得られたマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを用いて、伝送帯域、伝送損失、曲げ損失を測定したところ実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0065】
(実施例5)
鞘部21を構成する樹脂として、重合体中に含まれる4FMおよびMMAの質量%が4FM:MMA=20:80(屈折率約1.478)となるよう、袋重合法によって95%の重合率まで重合し、実施例1と同様に、Fed.Std.209Eのクラス分類でM5以下のクリーンな雰囲気下で粉砕しベント押し出し機で脱揮を行った後、ペレット化した重合体を用いた以外は、実施例3と同様の方法でマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを製造した。なお、鞘部の透明度は750dB/kmであった。
【0066】
また、この鞘部を構成する樹脂の重合後の重合体に化学結合していないS原子およびSi原子の含有量は、それぞれ3.6×10−5mol/kg、2.5×10−5mol/kgであった。また、鞘部の透明度評価用のPOFから鞘部を取り出し、S原子およびSi原子の含有量を測定したところ、それぞれ3.7×10−5mol/kg、2.7×10−5mol/kgであった。
さらに、得られたマルチPOFおよび光ファイバケーブルを用いて、伝送帯域、伝送損失、曲げ損失を測定したところ、実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0067】
(実施例6)
鞘部21を構成する樹脂として、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(以下、17FMという。)、MMAおよびメタクリル酸(以下、MAAという。)を、重合体としての組成比(質量%)が17FM/MMA/MAA=14/85/1(屈折率1.476)となるものを用いた以外は、実施例5と同様の方法でマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを製造した。なお、鞘部の透明度は1920dB/kmであった。
また、この鞘部を構成する樹脂の重合後の重合体に化学結合していないS原子およびSi原子の含有量は、それぞれ3.5×10−5mol/kg、2.2×10―5mol/kgであった。また、鞘部の透明度評価用のPOFの鞘部を取り出し、S原子およびSi原子の含有量を測定したところ、それぞれ3.6×10−5mol/kg、2.2×10―5mol/kgであった。
得られたマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを用いて、伝送帯域、伝送損失、曲げ損失を測定したところ、伝送損失の上昇が若干みられたものの、他は実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0068】
(実施例7)
紡糸ノズルからの吐出速度および引き取り速度を調整して、マルチコアPOFの外径が740μmとなるようにした以外は、実施例6と同様の方法でマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを製造した。なお、コア部の平均直径は48μmであった。得られたマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを用いて、伝送帯域、伝送損失、曲げ損失を測定したところ、伝送損失は実施例6と比べ若干減少し、曲げ損失には若干増加していたが、伝送帯域はほぼ同等の結果が得られた。
【0069】
(比較例1)
紡糸ノズルからの吐出速度および引き取り速度を調整して、マルチPOFの外径が1000μmとなるようにした以外は、実施例6と同様の方法でマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを製造した。なお、コア部の平均直径は75μmであった。得られたマルチコアPOFおよび光ファイバケーブルを用いて、伝送帯域、伝送損失、曲げ損失を測定したところ、伝送損失は実施例6、7と比べ若干減少し、曲げ損失には若干増加していたが、伝送帯域はほぼ同等の結果が得られた。
【0070】
(比較例2)
鞘部を構成する樹脂の製造工程において、異物の混入に対する対策を施さなかった以外は、実施例1と同様の方法で図3に示される様なマルチコアPOFを製造した。なお、鞘部の透明度は5000dB/kmであった。
また、この鞘部を構成する樹脂の重合後の重合体に化学結合していないSi原子の含有量は5.7×10−4mol/kgであった。得られたマルチPOFの伝送損失値は255dB/kmであった。
【0071】
(比較例3)
鞘部を構成する樹脂の製造工程において、揮発物除去工程にて十分な脱揮を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法で図3に示される様なマルチPOFを製造した。なお、鞘部の透明度は2500dB/kmであった。
また、この鞘部を構成する樹脂の重合後の重合体に化学結合していないS原子含有量は7×10−4mol/kgであった。得られたマルチコアPOFの伝送損失値は210dB/kmであった。
【0072】
【表1】
Figure 2004191748
【0073】
【発明の効果】
本発明においては、芯部の直径を5〜50μmに細くした場合においても、伝送損失の低下を招くことなく、曲げ損失が小さくかつ伝送帯域の広いプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ、それを用いた光ファイバケーブルおよびプラグ付き光ファイバケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバーの断面構造を示す概略図である。
【図2】本発明のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバーの断面構造を示す概略図である。
【図3】本発明のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバーの断面構造を示す概略図である。
【図4】本発明のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバーの断面構造を示す概略図である。
【符号の説明】
10、20 、30、40 芯部
11、21、31、41 鞘部
32,43 保護層

Claims (13)

  1. 直径5〜50μmの3本以上の芯部と、芯部よりも屈折率が低い鞘部を有するプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバであって、鞘部の透明度が2000dB/km以下であることを特徴とするプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  2. 直径5〜50μmの3本以上の芯部と、芯部よりも屈折率が低い鞘部を有するプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバであって、鞘部を構成する重合体が、該重合体と化学結合しない状態で存在するS原子およびSi原子をそれぞれ5×10-5mol/kg以下含有することを特徴とするプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  3. 前記芯部を構成する樹脂の屈折率をn1、前記鞘部を構成する樹脂の屈折率をn2としたとき、n1およびn2が0.001<n1−n2<0.032の関係にあることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  4. プラスチック製マルチフィラメント型光ファイバが海島構造を有し、前記芯部が島部を構成し、前記鞘部が海部を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  5. プラスチック製マルチフィラメント型光ファイバが海島構造を有し、前記鞘部を外周に配置した前記芯部が島部を構成し、前記芯部及び前記鞘部を構成する樹脂とは異なる樹脂が海部を構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  6. 前記海部を構成する樹脂の屈折率をn3としたとき、n1、n2およびn3が n1>n3>n2の関係にあることを特徴とする請求項5に記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  7. 前記海部を構成する樹脂の全光線透過率が50%以下であることを特徴とする請求項5または6に記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  8. 外周に厚さ5μm以上の保護層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  9. 前記保護層を構成する樹脂の屈折率をn4としたとき、n4およびn2がn4>n2の関係にあることを特徴とする請求項8に記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  10. 前記保護層を構成する樹脂の全光線透過率が50%以下であることを特徴とする請求項8または9に記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  11. 前記芯部および前記鞘部の一方がメチルメタクリレート単位単独重合体であり、他方がスチレン、α−メチルスチレン、ベンジルメタクリレート、S−メチルチオメタクリレート、短鎖フッ素化アルキルメタクリレート類のうちの少なくとも一つから選択されるモノマー単位とメチルメタクリレート単位からなる共重合体であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバ。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のプラスチック製マルチフィラメント型光ファイバの外周に被覆層を有することを特徴とする光ファイバケーブル。
  13. 請求項12に記載の光ファイバケーブルの少なくとも一端にプラグを取り付けたことを特徴とするプラグ付き光ファイバケーブル。
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