JP2004190385A - 階段 - Google Patents
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Abstract
【課題】施工に手間が掛からず、効率よく迅速に施工できるようにする。
【解決手段】階段用下地材B上に段状の支持部2を設け、支持部2の段に沿って化粧板3を設けてある階段であって、
支持部2は、発泡樹脂で形成してあり、下地材Bに対してズレを阻止した状態に取り付けてある。
【選択図】 図1
【解決手段】階段用下地材B上に段状の支持部2を設け、支持部2の段に沿って化粧板3を設けてある階段であって、
支持部2は、発泡樹脂で形成してあり、下地材Bに対してズレを阻止した状態に取り付けてある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、段状の支持部の上に、段に沿って化粧板(例えば、石材・人造石材や、セメント成形品や、タイル等)を設け、階段表面(踏み面や蹴上げ)に化粧板が露出する状態に構成してある階段に関し、更に詳しくは、階段用下地材上に段状の支持部を設け、前記支持部の段に沿って化粧板を設けてある階段、又は、段状の支持部上に、固着層を介して化粧板を固着してある階段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の階段としては、図11に示すように、予め型枠30を組んで鉄筋31の配筋を行った後にコンクリート32を打設して、一体の下地材33Aと支持部33Bからなる階段本体33を形成し、支持部33Bの踏み面4や蹴上げ5に沿わせて固定用モルタル12を塗って、その上から前記化粧板3を配置して固着してあるものがあった(以後、第一の従来技術と言う)。
【0003】
また、建物の階段部分で上述のような階段の施工を行うのに替えて、多層建物のように同じ規格寸法の階段本体を多数必要とされるような場合には、プレキャスト部材として、例えば、上述の階段本体33を製造しておき、現場の該当箇所に運搬して設置した後、固定用モルタルや化粧板の施工を行って形成してある階段もある。
【0004】
以上のような階段は、建物内の階段室等に設置されているものが多いが、屋外に設置される階段としては、図12に示すように、下地材Bが、コンクリート製のスロープや、締め固めた地盤8で構成されており、その上に、型枠30及び鉄筋31を組んでコンクリート32を打設して段状の支持部33Bを形成した後、固定用モルタル12と化粧板3とを施工して構成してあるものがあった(以後、第二の従来技術という)。
【0005】
尚、この様な従来技術に関しては、先行技術調査を行うまでもなく、当業者の間で広く知られているものであることから、先行技術文献は示していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第一の従来技術で挙げた階段によれば、各対象となる階段を設置する度に、その場に合わせた型枠を設置しなければならず、更には、その型枠空間内への鉄筋の配筋や、コンクリート打設、養生、更には、型枠の解体をそれぞれ実施しなければならず、施工に手間が掛かる問題点がある。また、それに伴って、階段の施工工期が長くなり、施工費用の増大を招きやすい問題点もある。
また、階段本体のプレキャスト化は、多量に同規格の階段を効率よく形成できて工期短縮とコストダウンを叶えることができる反面、異なる寸法や規格の階段が必要となる場合や、対象とする数量が少ない場合には、逆に設備費が高くついて割高になり易い。
一般的に、階段の寸法設定(踏み面寸法や、蹴上げ寸法)は、建物側の寸法(階高寸法や、設置平面長さ寸法や、段数)を基に決定されるが、その建物側の寸法が、各階段設置箇所毎に微妙に異なっていることが多いから、階段の寸法設定を一律にすることは困難であるのが現状である。
【0007】
また、第二の従来技術で挙げた階段によれば、やはり、型枠の設置撤去や、鉄筋の配筋、コンクリート打設、養生等の各工程を実施する必要があり、施工手間が掛かると共に、施工工期が長くなり、施工費用の増大を招きやすい問題点がある。そして、支持部上に設ける各化粧板の表面が凸凹しないように揃える為には、固定用モルタルの塗り方や、その厚み寸法等を、細かく調整する必要があり、階段の形成作業としては、その工程短縮が大きな課題となっている。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、施工に手間が掛からず、効率よく迅速に施工できる階段を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、階段用下地材上に段状の支持部を設け、前記支持部の段に沿って化粧板を設けてある階段において、前記支持部は、発泡樹脂で形成してあり、前記下地材に対してズレを阻止した状態に取り付けてあるところにある。
【0010】
請求項1の発明の特徴構成によれば、支持部を発泡樹脂によって形成してあるから、その成形にあたっては、例えば、カッターや、鋸や、穴明け具や、加熱切断具等を用いて、迅速に且つ簡単に切断加工や穴明け加工を行うことが可能となる。従って、従来のように、段状の支持部を形成するのに型枠工や鉄筋工やコンクリート打設工等を実施する必要が無く、手間を掛けずに簡単に、極めてスピーディーに支持部を成形加工することができる。
また、支持部そのものの重量も、従来に比べて軽量化することが可能となり、取扱性の向上により支持部設置作業の迅速化を図ることができる。
従って、以上の各作用から、階段形成作業の効率を向上させることが可能となる。そして、下地材と支持部とはズレを阻止した状態に取り付けてあるから、両者間の荷重伝達は確実に叶えられ、安定した荷重負担状態を維持することができる。
また、支持部の軽量化によって、階段重量そのものも軽くなり、下地材や構造部材への階段荷重の負担を少なくすることができる。従って、下地材や構造部材の断面縮小化によって、階段のみならず、その周辺を含めた構造全体の経済性を向上させることが可能となる。
【0011】
請求項2の発明の特徴構成は、前記下地材は、階段荷重を支持自在な構造部材で構成してあり、前記下地材と前記支持部とは、互いの接当部に形成した嵌合連結部によって連結されているところにある。
【0012】
請求項2の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、化粧板、支持部からの荷重を、構造部材で構成された下地材で確実に受け止めることができる。そして、下地材と支持部との接当部においては、嵌合連結部によって物理的な嵌合作用を発揮した状態に相互が連結されており、より確実な応力負担を実現することが可能となっている。
また、下地材上に支持部を連結する際にも、前記嵌合連結部によって簡単に相互の位置決め、並びに、連結を実施することができ、階段形成作業の効率を向上させることが可能となる。
【0013】
請求項3の発明の特徴構成は、前記下地材は、地盤で構成してあり、前記下地材と前記支持部とは、前記支持部と前記下地材とにわたるアンカー穴に納められたアンカー材と、硬化性の充填材とで連結されているところにある。
【0014】
請求項3の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、アンカー材と硬化性の充填材との一体物によって、地盤上に支持部は確実に固定され、相互の横ズレ防止効果のみならず、縦方向の拘束を果たすことができ、例えば、地震が発生しても、地盤と支持部との一体性を維持しやすい。
【0015】
請求項4の発明の特徴構成は、段状の支持部上に、固着層を介して化粧板を固着してある階段において、前記固着層を構成するに、前記支持部と化粧板とにわたって相互の隙間を詰めた状態に固着自在なモルタルと、前記モルタルの流動状態において化粧板からの荷重を弾性的に受け止め自在な弾性材とを一体的に固めて形成してあるところにある。
【0016】
請求項4の発明の特徴構成によれば、固着層のモルタルが流動状態を保っている間においては、化粧板は弾性材によって主に支持されており、その状態で化粧板上から支持部側へ押圧すれば、前記弾性材の弾性復元力によって対抗でき、押圧力を調整するだけで固着層の厚みを任意の値に操作することができる。
従って、複数の化粧板を並べて設置するにあたり、各化粧板どうしの表面出入り調整を行うのに、従来のように、モルタルの厚みを細かく調整すると言ったことを実施しなくても簡単に行うことが可能となる。即ち、モルタルが流動状態各化粧板の表面側に出入り合わせ用の押さえ部材をあてがって支持部側へ押圧するだけで、各化粧板の表面は押さえ部材の押さえ面に沿う状態になり、そのまま前記モルタルが固まるように養生するだけで簡単に且つスピーディーに各化粧板の位置決めを行うことができる。
【0017】
請求項5の発明の特徴構成は、前記弾性材は、スプリングであるところにある。
【0018】
請求項5の発明の特徴構成によれば、請求項4の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、用いる化粧板の重量に合わせてスプリングの弾性復元力の度合いの調整を、例えば、用いるスプリングの数の増減によって調整したり、もともと備えた弾性力の大小で使用するスプリングを選択して調整したり、簡単な手法で対応することが可能となる。従って、前記押さえ部材を大きな力で押さえなくても、各化粧板の表面出入り調整を簡単に実施できるようになり、化粧板設置作業の効率向上を図ることが可能となる。また、スプリングそのものは、既製品をそのまま使用することができ、安価に材料供給することが可能となる。
【0019】
請求項6の発明の特徴構成は、前記弾性材は、連続気泡を備えたスポンジであるところにある。
【0020】
請求項6の発明の特徴構成によれば、請求項4の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記スポンジの連続気泡中にモルタルを含浸させた状態に固着層を形成することができ、モルタルを満遍なく固着層に保持してモルタルの垂れ落ち等によって化粧板を汚すことを防止し易くなる。
また、スポンジそのものが補強繊維の役目を担い、モルタルとの協同作用によって強度の高い固着層を形成することが可能となる。その結果、化粧板の保持力の向上を図ることができる。
【0021】
請求項7の発明の特徴構成は、蹴上げ部に位置する化粧板の下端部を受け入れ自在な凹溝部が、前記支持部の該当部に形成してあるところにある。
【0022】
請求項7の発明の特徴構成によれば、請求項1〜6の何れかの発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、次のような作用効果を叶えることができる。即ち、蹴上げ部に位置する化粧板の上下方向の寸法(以後、単に縦幅寸法と言う)が、階段の蹴上げ寸法に必ずしも一致していなくても、例えば、階段の蹴上げ寸法以上あっても、化粧板の下端部を前記凹溝部内に飲み込ませることで、納まり上は蹴上げ寸法通りに設置することが可能となる。即ち、前記縦幅寸法と蹴上げ寸法との差を、前記凹溝部の深さで吸収することが可能となり、寸法精度の緩和を図ることが可能となる。
また、従来であれば、化粧板の縦幅寸法を、階段の蹴上げ寸法に一致するように化粧板を加工して用いるのであるが、本発明によれば、各階段毎に個別に縦幅寸法を合わせることなく、所定の縦幅寸法で大量生産した化粧板をそのまま使用して、前記凹溝部で寸法差を吸収した状態に設置することが可能となる。従って、化粧板の外観上の納まりは通常の場合と同じように仕上げることができながら、使用する化粧板の寸法汎用性を向上させることが可能となる。その結果、化粧板の材料コストの低減を図ることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
【0024】
〔第一実施形態〕
図1、図2は、本発明の階段の第一の実施形態を示すもので、この階段Kは、階段勾配に沿って設置されたコンクリートパネル(下地材Bに相当)1上に、下面は前記コンクリートパネル1に沿い、且つ、上面は段状に形成された発泡スチロール製の支持部2を設け、前記支持部2の段に沿って化粧板3を設けて構成してある。
【0025】
前記コンクリートパネル1は、図には示さないが上下縁部を建物本体に取り付けてあり、階段に作用する外力や階段の自重等からなる階段荷重を支持できるように構成してある。そして、上面の複数箇所には、図に示すように、前記支持部2と嵌合してズレ止め状態に連結自在な嵌合凸部1Aを一体的に設けてある。
この嵌合凸部1Aは、支持部2を嵌合させ易くするために、先細り形状の段部として形成してある。
【0026】
前記支持部2は、上述のように、発泡スチロールによって構成してあり、成形作業は、例えば、鋸やカッターナイフや錐等の大工道具や、焼き鏝や、電熱線を用いた切断具等を使用して、任意の形状に簡単に成形することができる。特に、熱を用いる道具によれば、加工しやすい。
そして、裏面には、前記コンクリートパネル1の嵌合凸部1Aに嵌合自在な嵌合凹部2Aを形成してある。因みに、前記嵌合凸部1Aとこの嵌合凹部2Aとによって嵌合連結部Jが構成されており、この嵌合連結部J、及び、後述するモルタル7によって、コンクリートパネル1に対してズレを阻止した状態に支持部2が取り付けられている。
また、支持部2の上面は、階段Kの踏み面4や蹴上げ5に対応した段状に形成してある。
図中のwは、踏み面寸法であり、hは、蹴上げ寸法に相当する。
そして、各段の入り隅部分には、蹴上げに位置する化粧板3Bの下端部を受け入れ自在な凹溝部6が形成してある。
尚、本実施形態においては、コンクリートパネル1と支持部2とは、互いの接当部にモルタル7を介在させて相互の一体化を図ってある。
【0027】
前記化粧板3は、当該実施形態では、天然石からなる板状体で構成してある。そして、踏み面4に配置する化粧板3Aと、蹴上げ5に配置する化粧板3Bとを備えて構成してある。これら両化粧板3A,3Bの設置手順は、図に見られるように、支持部2の蹴上げ5にモルタル12を塗って蹴上げ用化粧板3Bを設置し、続いて、踏み面4にもモルタル12を塗って、踏み面用化粧板3Aを設置する手順で実施される。従って、踏み面用化粧板3Aは、縁部が前記蹴上げ用化粧板3B上に重なる状態に配置されている。この様に、化粧板3は、支持部2上に固着層Sとなるモルタル12によって固定されている。
また、蹴上げ用化粧板3Bは、上述の通り、上縁部には、踏み面用化粧板3Aが配置されている一方、下縁部は、前記凹溝部6内に、入り込む状態に設置されている。このような構造によって、所定の寸法基準に基づいて形成された化粧板3を、踏み面寸法wや蹴上げ寸法hがそれぞれ異なっている各階段に対して、寸法直しを実施せずにそのまま納まりよく使用することが叶えられるようになっている。
即ち、図3に示すように、蹴上げ用化粧板3Bの上下方向の寸法(以後、単に縦幅寸法h1と言う)に対して、蹴上げ寸法hが小さいような階段においては、図3(イ)に示すように、化粧板3Bの下縁部を、前記凹溝部6内に飲み込むように化粧板3Bを配置することで、納まりよく設置できる。また、前記縦幅寸法h1と蹴上げ寸法hとが等しいような階段においては、図3(ロ)に示すように化粧板3Bの下縁部は、凹溝部6内に入らない状態で、配置することができる。また、前記縦幅寸法h1に対して蹴上げ寸法hが大きいような階段においては、図3(ハ)に示すように、踏み面用化粧板3Aの上面高さに合わせて、蹴上げ用化粧板3Bの下縁部が位置する状態にすることで、納まりよく設置することが可能となる。
【0028】
本実施形態の階段によれば、支持部2を発泡樹脂によって形成してあるから、加工性・取扱性がともに良く、手間を掛けずに簡単に、極めてスピーディーに支持部2を成形加工することができると共に、支持部設置作業の迅速化を図れ、その結果として、階段形成作業の効率を向上させることが可能となる。
また、階段Kの軽量化によって、コンクリートパネル1やそれを支持する建物構造部の断面縮小化を図ることもでき、階段Kのみならず、その周辺を含めた構造全体の経済性を向上させることが可能となる。
更には、コンクリートパネル1と支持部2とが前記嵌合連結部Jを介して一体的に設けられているから、より確実な応力負担を実現することができると共に、階段形成作業中は、簡単に相互の位置決め、並びに、連結を実施することができ、より、階段形成作業の効率を向上させることが可能となる。
そして、上述のように、前記凹溝部6を形成してあることによって、化粧板の外観上の納まりは通常の場合と同じように仕上げることができながら、使用する化粧板の寸法汎用性を向上させることが可能となり、化粧板の材料コストの低減を図ることも可能となる。
【0029】
〔第二実施形態〕
図4は、本発明の階段の第二の実施形態を示すもので、この階段Kは、例えば、玄関のアプローチ等に設置されるもので、締め固められた地盤(下地材Bに相当)8上に、下面は前記地盤8に沿い、且つ、上面は段状に形成された発泡スチロール製の支持部2を設け、前記支持部2の段に沿って化粧板3を設けて構成してある。
【0030】
前記地盤8は、表面は平坦に締め固められている。そして、平面上の複数箇所に階段固定用のアンカー(アンカー材に相当)9を設置してある。本実施形態においては、前記アンカー9は、図に示すような螺旋形状の金属棒で構成してあり、先端は鋭利に形成してある。そして、地盤8に対して打ち込むことで、螺旋に沿って回転しながら進入し定着させることができる。アンカー9の螺旋形が地盤との抵抗となり、大きな抵抗力(引抜抵抗力・押込抵抗力)を発揮することが可能となる。尚、アンカー9を一度打ち込んだ後、引き抜いて、形成されたアンカー穴10にモルタル(充填材に相当)11を充填した後、再度、アンカー9を打ち込めば、より強力に定着力を確保することが可能となる。勿論、予め、アンカー9より大径のアンカー穴10を地盤に形成した状態で、そのアンカー穴10にモルタル11を充填すると共にアンカー9を挿入して硬化させる方法でアンカーを定着させてもよい。
【0031】
前記支持部2は、第一実施形態と同様に、発泡スチロールによって構成してあり、その下面は、前記地盤8に沿う平坦に形成してある。また、上面は、第一実施形態と同様に、階段Kの踏み面4や蹴上げ5に対応した段状に形成してある。そして、前記地盤8に設けられたアンカー9の位置に対応する箇所には、縦穴形状のアンカー穴10が形成してあり、その中には、前記アンカー9の上部、及び、モルタル11が位置している。
即ち、前記地盤8と前記支持部2とは、前記支持部2と前記地盤8とにわたるアンカー9と、モルタル11とで一体的に連結されており、これらによって嵌合連結部Jが構成されている。
【0032】
前記化粧板3は、前記第一実施形態の場合と同様に構成してある。また、支持部2上への化粧板3の取り付け形態に関しても、第一実施形態の場合と同様である。
【0033】
本実施形態の階段によれば、先の実施形態で説明した作用を叶えることができる他、アンカー9とモルタル11との一体物によって、地盤8上に支持部2は確実に固定され、相互の横ズレ防止効果のみならず、縦方向の拘束を果たすことができ、例えば、地震が発生しても、地盤8と支持部2との一体性を維持しやすい。
【0034】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0035】
〈1〉 前記支持部2は、先の実施形態で説明した発泡スチロール製に限るものではなく、例えば、発泡ポリエチレンや、発泡ポリウレタン、フェノール樹脂発泡体等であってもよく、それらを総称して、発泡樹脂と言う。
〈2〉 前記下地材Bは、先の実施形態で説明したコンクリートパネル1や、地盤8に限るものではなく、例えば、現場打ちコンクリート構造で形成したものや、鉄骨構造のものや、木造構造のもの、又は、プレキャストコンクリートパネル(PC板)や、繊維強化コンクリートパネル(GRC板)等であってもよく、それらを含めて下地材と総称する。
〈3〉 前記化粧板3は、先の実施形態で説明した天然石材に限るものではなく、例えば、人造石材や、合成樹脂材や、タイル、木材、セラミックス、ガラス、金属、又は、それらの組み合わせによって構成された物等であってもよく、それらを含めて化粧板という。また、踏み面に位置する化粧板3Aと、蹴上げに位置する化粧板3Bとが一体に形成してあってもよい。
〈4〉 前記アンカー材9は、先の実施形態で説明した螺旋形状のアンカーに限るものではなく、例えば、直線形状のものであってもよい。
〈5〉 前記嵌合連結部Jは、先の実施形態で説明した嵌合凸部1Aと嵌合凹部2Aとによって構成してあるものに限るものではない。即ち、階段幅全長にわたって設けられた段に替えて、図5に示すように、下地材Bと支持部2との接当部の何れか一方に、点在状態に設けられた嵌合凸部1Aと、接当部の何れか他方の対応部分に設けられた嵌合凹部2Aで構成してあってもよい。
また、嵌合凸部1Aは、図6に示すように、例えば、アンカー20で構成することも可能で、前記支持部2に、アンカーの突出部分が入る大きめの縦穴21を形成しておき、その縦穴21に、モルタル22を充填して一体的に固めることで嵌合連結部Jを構成することも可能である。そして、アンカー20に関しては、下地材Bの形成時に一体的に埋設しておくものであったり、下地材Bに穴を開けて基端部を埋め込む所謂「ホールインアンカー」であったり、予め下地材Bに雌ネジを埋め込んでおき、その雌ネジにボルトを螺合させて突出部とするものであったり、各種の方式を採用することが出来る。
また、アンカー20の上端に、手摺りを一体延設してあってもよい。
〈6〉 階段その物は、先の実施形態で説明した踏み面4と蹴上げ5とからなる段部のみで構成される物に限らず、例えば、図7に示すように、段部に隣接させてスロープ23を形成してあるものであっても良く、このスロープ23を使用することで、自転車や車椅子等の車輪を備えた物の昇降が簡単になる。
〈7〉 前記固着層Sは、先の実施形態で説明したモルタル12単独によって構成してあるものに限らず、例えば、そのモルタル12と、前記モルタル12の流動状態において化粧板3からの荷重を弾性的に受け止め自在な弾性材Dとを一体的に固めて形成してあってもよい。
具体例としては、図8に示すように、前記弾性材DとしてスプリングD1を用い、モルタル12とスプリングD1とを一体的に固めてあってもよい。
また、異なる実施形態として、図9に示すように、前記弾性材Dとして連続気泡を備えたスポンジD2を用い、そのスポンジD2の連続気泡内にモルタル12が含浸した状態で一体的に固めてあってもよい。また、これら以外の弾性材Dを採用することも可能である。
これらの各例における固着層Sによれば、固着層Sのモルタル12が流動状態を保っている間においては、化粧板3は弾性材Dによって主に支持されており、その状態で化粧板3上から支持部2側へ押圧すれば、前記弾性材Dの弾性復元力によって対抗でき、押圧力を調整するだけで固着層Sの厚みを任意の値に操作することができる。従って、図10に示すように、複数枚の化粧板3を並べて設置するような場合、各化粧板3どうしの表面出入り調整を行うのに、各化粧板の表面側に出入り合わせ用の押さえ部材14をあてがって支持部2側へ押圧するだけで、各化粧板3の表面は押さえ部材14の押さえ面に沿う状態になり、そのまま前記モルタル12が固まるように養生するだけで簡単に且つスピーディーに各化粧板3の出入り調整を行うことができる。
尚、前記モルタル7,12に替えて、有機接着剤や無機接着剤による固着を行ってもよい。
【0036】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の階段を示す側面視断面図
【図2】第一実施形態の階段を示す分解斜視図
【図3】凹溝部の作用を示す説明図
【図4】第二実施形態の階段を示す断面図
【図5】別実施形態の嵌合連結部を示す分解斜視図
【図6】別実施形態の嵌合連結部を示す断面図
【図7】別実施形態の階段を示す説明図
【図8】別実施形態の固着層を示す説明図
【図9】別実施形態の固着層を示す説明図
【図10】化粧板の表面どうしを合わせる作業を説明する要部断面図
【図11】従来の階段の要部を示す側面視説明図
【図12】従来の階段の要部を示す側面視説明図
【符号の説明】
2 支持部
3 化粧板
6 凹溝部
8 地盤(下地材Bに相当)
9 アンカー(アンカー材に相当)
10 アンカー穴
11 モルタル(充填材に相当)
12 モルタル
B 下地材
D 弾性材
D1 スプリング
D2 スポンジ
J 嵌合連結部
S 固着層
【発明の属する技術分野】
本発明は、段状の支持部の上に、段に沿って化粧板(例えば、石材・人造石材や、セメント成形品や、タイル等)を設け、階段表面(踏み面や蹴上げ)に化粧板が露出する状態に構成してある階段に関し、更に詳しくは、階段用下地材上に段状の支持部を設け、前記支持部の段に沿って化粧板を設けてある階段、又は、段状の支持部上に、固着層を介して化粧板を固着してある階段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の階段としては、図11に示すように、予め型枠30を組んで鉄筋31の配筋を行った後にコンクリート32を打設して、一体の下地材33Aと支持部33Bからなる階段本体33を形成し、支持部33Bの踏み面4や蹴上げ5に沿わせて固定用モルタル12を塗って、その上から前記化粧板3を配置して固着してあるものがあった(以後、第一の従来技術と言う)。
【0003】
また、建物の階段部分で上述のような階段の施工を行うのに替えて、多層建物のように同じ規格寸法の階段本体を多数必要とされるような場合には、プレキャスト部材として、例えば、上述の階段本体33を製造しておき、現場の該当箇所に運搬して設置した後、固定用モルタルや化粧板の施工を行って形成してある階段もある。
【0004】
以上のような階段は、建物内の階段室等に設置されているものが多いが、屋外に設置される階段としては、図12に示すように、下地材Bが、コンクリート製のスロープや、締め固めた地盤8で構成されており、その上に、型枠30及び鉄筋31を組んでコンクリート32を打設して段状の支持部33Bを形成した後、固定用モルタル12と化粧板3とを施工して構成してあるものがあった(以後、第二の従来技術という)。
【0005】
尚、この様な従来技術に関しては、先行技術調査を行うまでもなく、当業者の間で広く知られているものであることから、先行技術文献は示していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第一の従来技術で挙げた階段によれば、各対象となる階段を設置する度に、その場に合わせた型枠を設置しなければならず、更には、その型枠空間内への鉄筋の配筋や、コンクリート打設、養生、更には、型枠の解体をそれぞれ実施しなければならず、施工に手間が掛かる問題点がある。また、それに伴って、階段の施工工期が長くなり、施工費用の増大を招きやすい問題点もある。
また、階段本体のプレキャスト化は、多量に同規格の階段を効率よく形成できて工期短縮とコストダウンを叶えることができる反面、異なる寸法や規格の階段が必要となる場合や、対象とする数量が少ない場合には、逆に設備費が高くついて割高になり易い。
一般的に、階段の寸法設定(踏み面寸法や、蹴上げ寸法)は、建物側の寸法(階高寸法や、設置平面長さ寸法や、段数)を基に決定されるが、その建物側の寸法が、各階段設置箇所毎に微妙に異なっていることが多いから、階段の寸法設定を一律にすることは困難であるのが現状である。
【0007】
また、第二の従来技術で挙げた階段によれば、やはり、型枠の設置撤去や、鉄筋の配筋、コンクリート打設、養生等の各工程を実施する必要があり、施工手間が掛かると共に、施工工期が長くなり、施工費用の増大を招きやすい問題点がある。そして、支持部上に設ける各化粧板の表面が凸凹しないように揃える為には、固定用モルタルの塗り方や、その厚み寸法等を、細かく調整する必要があり、階段の形成作業としては、その工程短縮が大きな課題となっている。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、施工に手間が掛からず、効率よく迅速に施工できる階段を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、階段用下地材上に段状の支持部を設け、前記支持部の段に沿って化粧板を設けてある階段において、前記支持部は、発泡樹脂で形成してあり、前記下地材に対してズレを阻止した状態に取り付けてあるところにある。
【0010】
請求項1の発明の特徴構成によれば、支持部を発泡樹脂によって形成してあるから、その成形にあたっては、例えば、カッターや、鋸や、穴明け具や、加熱切断具等を用いて、迅速に且つ簡単に切断加工や穴明け加工を行うことが可能となる。従って、従来のように、段状の支持部を形成するのに型枠工や鉄筋工やコンクリート打設工等を実施する必要が無く、手間を掛けずに簡単に、極めてスピーディーに支持部を成形加工することができる。
また、支持部そのものの重量も、従来に比べて軽量化することが可能となり、取扱性の向上により支持部設置作業の迅速化を図ることができる。
従って、以上の各作用から、階段形成作業の効率を向上させることが可能となる。そして、下地材と支持部とはズレを阻止した状態に取り付けてあるから、両者間の荷重伝達は確実に叶えられ、安定した荷重負担状態を維持することができる。
また、支持部の軽量化によって、階段重量そのものも軽くなり、下地材や構造部材への階段荷重の負担を少なくすることができる。従って、下地材や構造部材の断面縮小化によって、階段のみならず、その周辺を含めた構造全体の経済性を向上させることが可能となる。
【0011】
請求項2の発明の特徴構成は、前記下地材は、階段荷重を支持自在な構造部材で構成してあり、前記下地材と前記支持部とは、互いの接当部に形成した嵌合連結部によって連結されているところにある。
【0012】
請求項2の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、化粧板、支持部からの荷重を、構造部材で構成された下地材で確実に受け止めることができる。そして、下地材と支持部との接当部においては、嵌合連結部によって物理的な嵌合作用を発揮した状態に相互が連結されており、より確実な応力負担を実現することが可能となっている。
また、下地材上に支持部を連結する際にも、前記嵌合連結部によって簡単に相互の位置決め、並びに、連結を実施することができ、階段形成作業の効率を向上させることが可能となる。
【0013】
請求項3の発明の特徴構成は、前記下地材は、地盤で構成してあり、前記下地材と前記支持部とは、前記支持部と前記下地材とにわたるアンカー穴に納められたアンカー材と、硬化性の充填材とで連結されているところにある。
【0014】
請求項3の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、アンカー材と硬化性の充填材との一体物によって、地盤上に支持部は確実に固定され、相互の横ズレ防止効果のみならず、縦方向の拘束を果たすことができ、例えば、地震が発生しても、地盤と支持部との一体性を維持しやすい。
【0015】
請求項4の発明の特徴構成は、段状の支持部上に、固着層を介して化粧板を固着してある階段において、前記固着層を構成するに、前記支持部と化粧板とにわたって相互の隙間を詰めた状態に固着自在なモルタルと、前記モルタルの流動状態において化粧板からの荷重を弾性的に受け止め自在な弾性材とを一体的に固めて形成してあるところにある。
【0016】
請求項4の発明の特徴構成によれば、固着層のモルタルが流動状態を保っている間においては、化粧板は弾性材によって主に支持されており、その状態で化粧板上から支持部側へ押圧すれば、前記弾性材の弾性復元力によって対抗でき、押圧力を調整するだけで固着層の厚みを任意の値に操作することができる。
従って、複数の化粧板を並べて設置するにあたり、各化粧板どうしの表面出入り調整を行うのに、従来のように、モルタルの厚みを細かく調整すると言ったことを実施しなくても簡単に行うことが可能となる。即ち、モルタルが流動状態各化粧板の表面側に出入り合わせ用の押さえ部材をあてがって支持部側へ押圧するだけで、各化粧板の表面は押さえ部材の押さえ面に沿う状態になり、そのまま前記モルタルが固まるように養生するだけで簡単に且つスピーディーに各化粧板の位置決めを行うことができる。
【0017】
請求項5の発明の特徴構成は、前記弾性材は、スプリングであるところにある。
【0018】
請求項5の発明の特徴構成によれば、請求項4の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、用いる化粧板の重量に合わせてスプリングの弾性復元力の度合いの調整を、例えば、用いるスプリングの数の増減によって調整したり、もともと備えた弾性力の大小で使用するスプリングを選択して調整したり、簡単な手法で対応することが可能となる。従って、前記押さえ部材を大きな力で押さえなくても、各化粧板の表面出入り調整を簡単に実施できるようになり、化粧板設置作業の効率向上を図ることが可能となる。また、スプリングそのものは、既製品をそのまま使用することができ、安価に材料供給することが可能となる。
【0019】
請求項6の発明の特徴構成は、前記弾性材は、連続気泡を備えたスポンジであるところにある。
【0020】
請求項6の発明の特徴構成によれば、請求項4の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記スポンジの連続気泡中にモルタルを含浸させた状態に固着層を形成することができ、モルタルを満遍なく固着層に保持してモルタルの垂れ落ち等によって化粧板を汚すことを防止し易くなる。
また、スポンジそのものが補強繊維の役目を担い、モルタルとの協同作用によって強度の高い固着層を形成することが可能となる。その結果、化粧板の保持力の向上を図ることができる。
【0021】
請求項7の発明の特徴構成は、蹴上げ部に位置する化粧板の下端部を受け入れ自在な凹溝部が、前記支持部の該当部に形成してあるところにある。
【0022】
請求項7の発明の特徴構成によれば、請求項1〜6の何れかの発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、次のような作用効果を叶えることができる。即ち、蹴上げ部に位置する化粧板の上下方向の寸法(以後、単に縦幅寸法と言う)が、階段の蹴上げ寸法に必ずしも一致していなくても、例えば、階段の蹴上げ寸法以上あっても、化粧板の下端部を前記凹溝部内に飲み込ませることで、納まり上は蹴上げ寸法通りに設置することが可能となる。即ち、前記縦幅寸法と蹴上げ寸法との差を、前記凹溝部の深さで吸収することが可能となり、寸法精度の緩和を図ることが可能となる。
また、従来であれば、化粧板の縦幅寸法を、階段の蹴上げ寸法に一致するように化粧板を加工して用いるのであるが、本発明によれば、各階段毎に個別に縦幅寸法を合わせることなく、所定の縦幅寸法で大量生産した化粧板をそのまま使用して、前記凹溝部で寸法差を吸収した状態に設置することが可能となる。従って、化粧板の外観上の納まりは通常の場合と同じように仕上げることができながら、使用する化粧板の寸法汎用性を向上させることが可能となる。その結果、化粧板の材料コストの低減を図ることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
【0024】
〔第一実施形態〕
図1、図2は、本発明の階段の第一の実施形態を示すもので、この階段Kは、階段勾配に沿って設置されたコンクリートパネル(下地材Bに相当)1上に、下面は前記コンクリートパネル1に沿い、且つ、上面は段状に形成された発泡スチロール製の支持部2を設け、前記支持部2の段に沿って化粧板3を設けて構成してある。
【0025】
前記コンクリートパネル1は、図には示さないが上下縁部を建物本体に取り付けてあり、階段に作用する外力や階段の自重等からなる階段荷重を支持できるように構成してある。そして、上面の複数箇所には、図に示すように、前記支持部2と嵌合してズレ止め状態に連結自在な嵌合凸部1Aを一体的に設けてある。
この嵌合凸部1Aは、支持部2を嵌合させ易くするために、先細り形状の段部として形成してある。
【0026】
前記支持部2は、上述のように、発泡スチロールによって構成してあり、成形作業は、例えば、鋸やカッターナイフや錐等の大工道具や、焼き鏝や、電熱線を用いた切断具等を使用して、任意の形状に簡単に成形することができる。特に、熱を用いる道具によれば、加工しやすい。
そして、裏面には、前記コンクリートパネル1の嵌合凸部1Aに嵌合自在な嵌合凹部2Aを形成してある。因みに、前記嵌合凸部1Aとこの嵌合凹部2Aとによって嵌合連結部Jが構成されており、この嵌合連結部J、及び、後述するモルタル7によって、コンクリートパネル1に対してズレを阻止した状態に支持部2が取り付けられている。
また、支持部2の上面は、階段Kの踏み面4や蹴上げ5に対応した段状に形成してある。
図中のwは、踏み面寸法であり、hは、蹴上げ寸法に相当する。
そして、各段の入り隅部分には、蹴上げに位置する化粧板3Bの下端部を受け入れ自在な凹溝部6が形成してある。
尚、本実施形態においては、コンクリートパネル1と支持部2とは、互いの接当部にモルタル7を介在させて相互の一体化を図ってある。
【0027】
前記化粧板3は、当該実施形態では、天然石からなる板状体で構成してある。そして、踏み面4に配置する化粧板3Aと、蹴上げ5に配置する化粧板3Bとを備えて構成してある。これら両化粧板3A,3Bの設置手順は、図に見られるように、支持部2の蹴上げ5にモルタル12を塗って蹴上げ用化粧板3Bを設置し、続いて、踏み面4にもモルタル12を塗って、踏み面用化粧板3Aを設置する手順で実施される。従って、踏み面用化粧板3Aは、縁部が前記蹴上げ用化粧板3B上に重なる状態に配置されている。この様に、化粧板3は、支持部2上に固着層Sとなるモルタル12によって固定されている。
また、蹴上げ用化粧板3Bは、上述の通り、上縁部には、踏み面用化粧板3Aが配置されている一方、下縁部は、前記凹溝部6内に、入り込む状態に設置されている。このような構造によって、所定の寸法基準に基づいて形成された化粧板3を、踏み面寸法wや蹴上げ寸法hがそれぞれ異なっている各階段に対して、寸法直しを実施せずにそのまま納まりよく使用することが叶えられるようになっている。
即ち、図3に示すように、蹴上げ用化粧板3Bの上下方向の寸法(以後、単に縦幅寸法h1と言う)に対して、蹴上げ寸法hが小さいような階段においては、図3(イ)に示すように、化粧板3Bの下縁部を、前記凹溝部6内に飲み込むように化粧板3Bを配置することで、納まりよく設置できる。また、前記縦幅寸法h1と蹴上げ寸法hとが等しいような階段においては、図3(ロ)に示すように化粧板3Bの下縁部は、凹溝部6内に入らない状態で、配置することができる。また、前記縦幅寸法h1に対して蹴上げ寸法hが大きいような階段においては、図3(ハ)に示すように、踏み面用化粧板3Aの上面高さに合わせて、蹴上げ用化粧板3Bの下縁部が位置する状態にすることで、納まりよく設置することが可能となる。
【0028】
本実施形態の階段によれば、支持部2を発泡樹脂によって形成してあるから、加工性・取扱性がともに良く、手間を掛けずに簡単に、極めてスピーディーに支持部2を成形加工することができると共に、支持部設置作業の迅速化を図れ、その結果として、階段形成作業の効率を向上させることが可能となる。
また、階段Kの軽量化によって、コンクリートパネル1やそれを支持する建物構造部の断面縮小化を図ることもでき、階段Kのみならず、その周辺を含めた構造全体の経済性を向上させることが可能となる。
更には、コンクリートパネル1と支持部2とが前記嵌合連結部Jを介して一体的に設けられているから、より確実な応力負担を実現することができると共に、階段形成作業中は、簡単に相互の位置決め、並びに、連結を実施することができ、より、階段形成作業の効率を向上させることが可能となる。
そして、上述のように、前記凹溝部6を形成してあることによって、化粧板の外観上の納まりは通常の場合と同じように仕上げることができながら、使用する化粧板の寸法汎用性を向上させることが可能となり、化粧板の材料コストの低減を図ることも可能となる。
【0029】
〔第二実施形態〕
図4は、本発明の階段の第二の実施形態を示すもので、この階段Kは、例えば、玄関のアプローチ等に設置されるもので、締め固められた地盤(下地材Bに相当)8上に、下面は前記地盤8に沿い、且つ、上面は段状に形成された発泡スチロール製の支持部2を設け、前記支持部2の段に沿って化粧板3を設けて構成してある。
【0030】
前記地盤8は、表面は平坦に締め固められている。そして、平面上の複数箇所に階段固定用のアンカー(アンカー材に相当)9を設置してある。本実施形態においては、前記アンカー9は、図に示すような螺旋形状の金属棒で構成してあり、先端は鋭利に形成してある。そして、地盤8に対して打ち込むことで、螺旋に沿って回転しながら進入し定着させることができる。アンカー9の螺旋形が地盤との抵抗となり、大きな抵抗力(引抜抵抗力・押込抵抗力)を発揮することが可能となる。尚、アンカー9を一度打ち込んだ後、引き抜いて、形成されたアンカー穴10にモルタル(充填材に相当)11を充填した後、再度、アンカー9を打ち込めば、より強力に定着力を確保することが可能となる。勿論、予め、アンカー9より大径のアンカー穴10を地盤に形成した状態で、そのアンカー穴10にモルタル11を充填すると共にアンカー9を挿入して硬化させる方法でアンカーを定着させてもよい。
【0031】
前記支持部2は、第一実施形態と同様に、発泡スチロールによって構成してあり、その下面は、前記地盤8に沿う平坦に形成してある。また、上面は、第一実施形態と同様に、階段Kの踏み面4や蹴上げ5に対応した段状に形成してある。そして、前記地盤8に設けられたアンカー9の位置に対応する箇所には、縦穴形状のアンカー穴10が形成してあり、その中には、前記アンカー9の上部、及び、モルタル11が位置している。
即ち、前記地盤8と前記支持部2とは、前記支持部2と前記地盤8とにわたるアンカー9と、モルタル11とで一体的に連結されており、これらによって嵌合連結部Jが構成されている。
【0032】
前記化粧板3は、前記第一実施形態の場合と同様に構成してある。また、支持部2上への化粧板3の取り付け形態に関しても、第一実施形態の場合と同様である。
【0033】
本実施形態の階段によれば、先の実施形態で説明した作用を叶えることができる他、アンカー9とモルタル11との一体物によって、地盤8上に支持部2は確実に固定され、相互の横ズレ防止効果のみならず、縦方向の拘束を果たすことができ、例えば、地震が発生しても、地盤8と支持部2との一体性を維持しやすい。
【0034】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0035】
〈1〉 前記支持部2は、先の実施形態で説明した発泡スチロール製に限るものではなく、例えば、発泡ポリエチレンや、発泡ポリウレタン、フェノール樹脂発泡体等であってもよく、それらを総称して、発泡樹脂と言う。
〈2〉 前記下地材Bは、先の実施形態で説明したコンクリートパネル1や、地盤8に限るものではなく、例えば、現場打ちコンクリート構造で形成したものや、鉄骨構造のものや、木造構造のもの、又は、プレキャストコンクリートパネル(PC板)や、繊維強化コンクリートパネル(GRC板)等であってもよく、それらを含めて下地材と総称する。
〈3〉 前記化粧板3は、先の実施形態で説明した天然石材に限るものではなく、例えば、人造石材や、合成樹脂材や、タイル、木材、セラミックス、ガラス、金属、又は、それらの組み合わせによって構成された物等であってもよく、それらを含めて化粧板という。また、踏み面に位置する化粧板3Aと、蹴上げに位置する化粧板3Bとが一体に形成してあってもよい。
〈4〉 前記アンカー材9は、先の実施形態で説明した螺旋形状のアンカーに限るものではなく、例えば、直線形状のものであってもよい。
〈5〉 前記嵌合連結部Jは、先の実施形態で説明した嵌合凸部1Aと嵌合凹部2Aとによって構成してあるものに限るものではない。即ち、階段幅全長にわたって設けられた段に替えて、図5に示すように、下地材Bと支持部2との接当部の何れか一方に、点在状態に設けられた嵌合凸部1Aと、接当部の何れか他方の対応部分に設けられた嵌合凹部2Aで構成してあってもよい。
また、嵌合凸部1Aは、図6に示すように、例えば、アンカー20で構成することも可能で、前記支持部2に、アンカーの突出部分が入る大きめの縦穴21を形成しておき、その縦穴21に、モルタル22を充填して一体的に固めることで嵌合連結部Jを構成することも可能である。そして、アンカー20に関しては、下地材Bの形成時に一体的に埋設しておくものであったり、下地材Bに穴を開けて基端部を埋め込む所謂「ホールインアンカー」であったり、予め下地材Bに雌ネジを埋め込んでおき、その雌ネジにボルトを螺合させて突出部とするものであったり、各種の方式を採用することが出来る。
また、アンカー20の上端に、手摺りを一体延設してあってもよい。
〈6〉 階段その物は、先の実施形態で説明した踏み面4と蹴上げ5とからなる段部のみで構成される物に限らず、例えば、図7に示すように、段部に隣接させてスロープ23を形成してあるものであっても良く、このスロープ23を使用することで、自転車や車椅子等の車輪を備えた物の昇降が簡単になる。
〈7〉 前記固着層Sは、先の実施形態で説明したモルタル12単独によって構成してあるものに限らず、例えば、そのモルタル12と、前記モルタル12の流動状態において化粧板3からの荷重を弾性的に受け止め自在な弾性材Dとを一体的に固めて形成してあってもよい。
具体例としては、図8に示すように、前記弾性材DとしてスプリングD1を用い、モルタル12とスプリングD1とを一体的に固めてあってもよい。
また、異なる実施形態として、図9に示すように、前記弾性材Dとして連続気泡を備えたスポンジD2を用い、そのスポンジD2の連続気泡内にモルタル12が含浸した状態で一体的に固めてあってもよい。また、これら以外の弾性材Dを採用することも可能である。
これらの各例における固着層Sによれば、固着層Sのモルタル12が流動状態を保っている間においては、化粧板3は弾性材Dによって主に支持されており、その状態で化粧板3上から支持部2側へ押圧すれば、前記弾性材Dの弾性復元力によって対抗でき、押圧力を調整するだけで固着層Sの厚みを任意の値に操作することができる。従って、図10に示すように、複数枚の化粧板3を並べて設置するような場合、各化粧板3どうしの表面出入り調整を行うのに、各化粧板の表面側に出入り合わせ用の押さえ部材14をあてがって支持部2側へ押圧するだけで、各化粧板3の表面は押さえ部材14の押さえ面に沿う状態になり、そのまま前記モルタル12が固まるように養生するだけで簡単に且つスピーディーに各化粧板3の出入り調整を行うことができる。
尚、前記モルタル7,12に替えて、有機接着剤や無機接着剤による固着を行ってもよい。
【0036】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の階段を示す側面視断面図
【図2】第一実施形態の階段を示す分解斜視図
【図3】凹溝部の作用を示す説明図
【図4】第二実施形態の階段を示す断面図
【図5】別実施形態の嵌合連結部を示す分解斜視図
【図6】別実施形態の嵌合連結部を示す断面図
【図7】別実施形態の階段を示す説明図
【図8】別実施形態の固着層を示す説明図
【図9】別実施形態の固着層を示す説明図
【図10】化粧板の表面どうしを合わせる作業を説明する要部断面図
【図11】従来の階段の要部を示す側面視説明図
【図12】従来の階段の要部を示す側面視説明図
【符号の説明】
2 支持部
3 化粧板
6 凹溝部
8 地盤(下地材Bに相当)
9 アンカー(アンカー材に相当)
10 アンカー穴
11 モルタル(充填材に相当)
12 モルタル
B 下地材
D 弾性材
D1 スプリング
D2 スポンジ
J 嵌合連結部
S 固着層
Claims (7)
- 階段用下地材上に段状の支持部を設け、前記支持部の段に沿って化粧板を設けてある階段であって、
前記支持部は、発泡樹脂で形成してあり、前記下地材に対してズレを阻止した状態に取り付けてある階段。 - 前記下地材は、階段荷重を支持自在な構造部材で構成してあり、前記下地材と前記支持部とは、互いの接当部に形成した嵌合連結部によって連結されている請求項1に記載の階段。
- 前記下地材は、地盤で構成してあり、前記下地材と前記支持部とは、前記支持部と前記下地材とにわたるアンカー穴に納められたアンカー材と、硬化性の充填材とで連結されている請求項1に記載の階段。
- 段状の支持部上に、固着層を介して化粧板を固着してある階段であって、
前記固着層を構成するに、前記支持部と化粧板とにわたって相互の隙間を詰めた状態に固着自在なモルタルと、前記モルタルの流動状態において化粧板からの荷重を弾性的に受け止め自在な弾性材とを一体的に固めて形成してある階段。 - 前記弾性材は、スプリングである請求項4に記載の階段。
- 前記弾性材は、連続気泡を備えたスポンジである請求項4に記載の階段。
- 蹴上げ部に位置する化粧板の下端部を受け入れ自在な凹溝部が、前記支持部の該当部に形成してある請求項1〜6の何れか一項に記載の階段。
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