JP2004189796A - 導電性粒子 - Google Patents

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透 栗橋
Hozumi Tanaka
穂積 田中
Shiro Kobayashi
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Hiroshi Uyama
浩 宇山
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
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Abstract

【課題】通常の乳化または懸濁状態で重合した重合体で構成した微粒子をコアとし、さらにコアの表面に例えばポリアニリン、ポリピロールと言った共役系高分子を構成し得られるコア/シェル構造を有する粒子、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】1酸性官能基あたりの分子量が150〜3000であるモノもしくはポリ酸(a)の存在下で、重合可能なモノマー(b)を乳化もしくは懸濁状態で重合させてなる粒子と、酸化剤(d)との存在下で、芳香族アミン類(c)を酸化重合させる導電性粒子の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1酸性官能基あたりの分子量が150〜3000であるモノもしくはポリ酸又はその塩の存在下で、重合可能なモノマーを併せて乳化もしくは懸濁状態で重合させてなる粒子に、さらに芳香族アミン類と酸化剤とを加えて反応させてなる導電性粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの共役系高分子材料は、特異な電気的特性の観点から、導電性材料、半導体、電極材料等の広範な用途に用いられている。しかしながら、これら材料は、不溶、不融の特性を有しているために粒子化するのは困難であった。
【0003】
これらの有機導電性粒子を得る方法として、例えば、酸化剤を含浸させた粒子に共役系高分子を構成するモノマーを接触させる方法(特許文献1参考)。または、酸化剤溶液に共役系高分子を構成するモノマーを混合し、さらに熱可塑性樹脂からなる粒子を混合し、しかる後に溶媒を除去し粒子を得る方法が開示されている(特許文献2参考)。しかし、これらの方法では、強固に共役系高分子を粒子担体に保持しておくことが困難である。
【0004】
また、ポリマー水系ラテックスにポリアニリン溶液を混合し、さらに酸処理をすることで、ラテックスとポリアニリンの複合体を構成する試みもある(特許文献3参考)。この方法では、本発明のように制御されたコア/シェル構造になりにくい。
【0005】
またアニオン性表面を有する重合体粒子にピロールモノマー等を導入した後電解重合させる方法も報告されている(特許文献4)。この方法では、電解重合によりピロールモノマー等を重合させているために、モノマーは重合電極上において優先的に重合してしまうために、制御したコア/シェル構造を有する粒子とはならない。
【0006】
さらに近年可溶性ポリアニリンと称し、ドデシルベンゼンスルホン酸単体を用い、これとアニリンとの塩を構成せしめた後、酸化重合させる手法も報告されている。(特許文献5、非特許文献1参照)。
また上記従来技術と同様、ポリスチレンスルホン酸共重合体を用いアニリン類を重合させる報告もある(非特許文献2参照)。しかしながら、これらの方法では導電性被膜をもった粒子を構成することは出来ない。
【0007】
この他に、オパール粒子表面をドデシルベンゼンスルホン酸とアニリンから修飾しようとする試みもある (非特許文献3参照) 。しかしながら、粒子形状や性状は、オパール粒子に依存される。
【0008】
【特許文献1】特許第1845442号公報
【特許文献2】特許第1877373号公報
【特許文献3】特許第1525975号公報
【特許文献4】特開昭62−181328号公報
【特許文献5】特開平7−263378号公報
【非特許文献1】Y.Haba et al, Synth.Met. 2000年, 第110巻, 189ページ
【非特許文献2】L. A. Samuelson et al, Macromolecules, 1998年, 第31巻, 4376ページ
【非特許文献3】Hanaa S. A. Khalil et al, J. Appl. Polym.Sci., 2002年, 第86巻, 788ページ
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
通常の乳化または懸濁状態で重合した重合体で構成した微粒子をコアとし、さらにコアの表面に例えばポリアニリン、ポリピロールと言った共役系高分子を構成し得られるコア/シェル構造を有する粒子、及びその製造方法に関する。
これによって、既知の乳化または懸濁重合の手法を用いて任意のコアを構成することができ、さらには強固にコアに結びついた共役系高分子によるシェルを容易な方法で構成することが出来る。
このようなコア/シェル構造を有する粒子は、例えば導電性粉体、導電性塗料、発光表示材料、有機半導体、電極材料、電気粘性流体等に有効である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、通常の乳化または懸濁状態で重合した重合体をコアとし、コアの重合時に特定の酸、またはその塩を用いて重合を実施し、さらに例えばアニリン、ピロールといった芳香族アミン類を反応系中に添加し粒子表面に局在化している酸性官能基と塩を形成させた後、アミン類を重合させることにより制御されたコア/シェル構造を有した粒子が得られることを見いだし本発明に至った。
【0011】
すなわち本発明は、1酸性官能基あたりの分子量が150〜3000であるモノもしくはポリ酸(a)の存在下で、重合可能なモノマー(b)を乳化もしくは懸濁状態で重合させてなる粒子と、
酸化剤(d)との存在下で、芳香族アミン類(c)を酸化重合させる導電性粒子の製造方法に関する。
【0012】
また本発明は、1イオン性官能基あたりの分子量が150〜3000であるモノもしくはポリ酸塩(e) の存在下で、重合可能なモノマー(b)を乳化もしくは懸濁状態でを重合させて粒子を得た後、前記粒子の酸塩由来の塩を中和可能な無機酸で処理し、
さらに、酸化剤(d)との存在下で、芳香族アミン類(c)を酸化重合させる導電性粒子の製造方法に関する。
【0013】
また本発明は、乳化もしくは懸濁状態で重合の際に、さらに、ノニオン系界面活性剤を導電性粒子全体に対して0.1〜50重量%存在させることを特徴とする上記導電粒子の製造方法に関する。
【0014】
また本発明は、上記導電性粒子の製造方法で製造されてなる導電性粒子に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明における、1酸性官能基あたりの分子量が150〜3000であるモノもしくはポリ酸(a)は、担体となる粒子の重合時に界面活性剤的作用を示しつつ、かつ芳香族アミン類を粒子表面に固定する役割を有するものである。さらには重合した芳香族アミン類のドーパントとしても作用するものである。
【0016】
ここで示される酸性官能基は、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸、ホウ酸基等が挙げられる。
【0017】
具体的には、モノスルホン酸化合物として、スチレンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ステアリルベンゼンスルホン酸、リノレインベンゼンスルホン酸等の飽和及び不飽和アルキルベンゼンスルホン酸化合物、また、オクチルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンベンゼンスルホン酸等の飽和及び不飽和アルキルナフタレンスルホン酸化合物、ラウリルスルホン酸、ステアリルスルホン酸等の飽和及び不飽和アルキルスルホン酸類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸等のポリアルキレンアルキルエーテルスルホン酸類、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0018】
また、ポリスルホン酸化合物として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸等のジスルホン酸類、ポリスチレンスルホン酸化合物、及びその共重合体化合物、ポリベータスチレンスルホン酸化合物、及びその共重合体、ベータスチレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の芳香族スルホン酸アルデヒド縮合物類が挙げられる。
【0019】
また、モノカルボン酸化合物としてはラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の飽和及び不飽和脂肪酸類、ドデシル安息香酸等のアルキル安息香酸類等が挙げられる。
さらに、ジカルボン酸化合物としては、ステアリルコハク酸等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ビニル安息香酸等の共重合体、または、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートコハク酸ハーフエステル等、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート環状酸無水物ハーフエステル類の共重合体等が挙げられる。
【0020】
さらに、リン酸化合物としては、ジプロピレングリコール4−ノニルフェニルホスフェート等が挙げられる。
【0021】
本発明において表記される1酸性官能基あたりの分子量とは、酸性官能基も含んだ分子量を指し示す。またその分子量が150〜3000、更に好ましくは200〜2000が好ましい。分子量が小さすぎる場合には酸性官能基を粒子に固定しておくことが難しく、また大きすぎる場合には、粒子表面に酸性官能基を局在化させることが難しい。
【0022】
また、本発明において用いられる酸性官能基としては、スルホン酸基が最も好ましい。これは酸性が強いため、芳香族アミン類と強固な塩を形成することが出来るためである。
【0023】
さらに、酸(a)の組成比としては、(a)+(b)の総重量において1〜50重量%の範囲が好適である。特に好ましくは5〜40重量%の範囲である。酸(a)が少ない場合には、良好な導電性皮膜が形成できず、また多すぎる場合には良好な粒子担体が形成できない。
【0024】
また、重合可能なモノマー(b)と共重合性を併せ持つ酸(a)を用いると、シェルとコアがより強固に結びつくため、より好ましい。具体的には例えばラジカル重合にてコアを重合する場合には、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等を用いる等が挙げられる。
【0025】
本発明における重合可能なモノマー(b)は、導電性粒子のコア(核)を構成するために用いられる化合物であり、乳化または懸濁状態で重合が可能であり、担体粒子を構成することが出来れば特に限定されるものではない。重合形態は、不飽和結合の付加反応による重合はもちろんのこと、乳化もしくは懸濁状態での縮合反応であってもよい。
【0026】
不飽和結合の付加反応による重合の際のモノマー(b)としては、例えば、スチレン、アルキルビニルベンゼン等のスチレン類、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリレート類、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル等が挙げられる。
また、粒子の用途に応じて、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート等の多官能不飽和化合物を用いることが出来る。
【0027】
縮合反応による重合の際のモノマー(b)として、ポリカルボン酸(b−1)とポリオール(b−2)、もしくは一分子中に水酸基とカルボキシル基を併せ持つ化合物(b−3)、もしくは環状ラクトン化合物(b−4)が挙げられる。これらからポリエステル類が乳化重合されるが、特にスルホン酸類化合物のような酸(a)が存在すると、本発明においては、ポリエステルをも好適に用いることも出来る。
【0028】
ここで指し示すポリカルボン酸(b−1)とは、一分子中に2つ以上のカルボキシル基を有する化合物である。例えば、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、フタル酸水添物等の直鎖または環状のジカルボン酸類、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸類、ヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類、トリメリット酸水添物、ピロメリット酸水添物等の脂肪族ポリカルボン酸類、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸類が挙げられる。
【0029】
さらには、(コ)ポリ(メタ)アクリル酸や(コ)ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートコハク酸ハーフエステル等、(コ)ポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート環状酸無水物ハーフエステル類の重合系ポリカルボン酸類等も挙げられる。
【0030】
これらポリカルボン酸のなかで、カルボキシル基の炭素も含めた場合の炭素数6〜18の、飽和及び不飽和脂肪族カルボン酸類が好適に用いられる。これらのポリカルボン酸が良好な粒子担体を得ることが出来るためである。
【0031】
また、ここで指し示すポリオール(b−2)とは、一分子中に2つ以上の水酸基を有する化合物である。例えば、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、オクタデカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール等の直鎖または環状の脂肪族ジオール類、ヘキセンジオール等の不飽和脂肪族ジオール類、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールといったポリアルキレングリコール類、ハイドロキノンといった芳香族ジオール類、グリセリン、スピログリコール、ペンタエリスリトール等のポリオール類が挙げられる。
【0032】
さらには、(コ)ポリビニルアルコール、(コ)ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(コ)ポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、プルラン等の糖類、ポリカプロラクトンといった環状エステル開環重合物類等も挙げられる。
【0033】
これらポリオール類のなかで、炭素数6〜18の飽和及び不飽和脂肪族ポリオール類が好適に用いられる。これらポリオール類が良好な粒子担体を得ることが出来るためである。
【0034】
さらに、ここで指し示す分子中に水酸基とカルボキシル基を併せ持つ化合物(b−3)とは、1分子中に1つ以上の水酸基とカルボキシル基を併せ持つ化合物である。例えば、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、粘液酸、ヒドロキシカプロン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
【0035】
この他、ここで指し示す環状ラクトン化合物(b−4)とは分子内エステル環化した化合物を示す。環の大きさに限定は無いが、環内の炭素数が6〜18の範囲が好ましい。これらを具体的に例示すれば、イプシロンカプロラクトン等があげられる。
【0036】
本発明における芳香族アミン類(c)とは、粒子表面に局在化している酸(a)または酸塩(e)に由来する酸性官能基もしくはイオン性官能基と塩を構成し、さらに酸化重合作用を受けて、導電性粒子のシェル(表面)を構成する化合物である。これらの単独重合体における導電性はすでに広く公知である。
【0037】
例えば、アニリン、トルイジン等の環アルキル置換アニリン類、アニソール、ニトロアミン、ニトロソアミン等の置換アニリン類、フルオロアニリン、クロロアニリン、ブロモアニリン等のハロゲン化アニリン類、N−メチルアニリン、N−ジフェニルアミン等の窒素置換アニリン類、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン類、N−フェニル−フェニレンジアミンといったオリゴアニリン類等のアニリン誘導体、
【0038】
さらにピロール、インドール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジンといった複素環型芳香族アミン類、およびこれらそれぞれのアルキル置換体、ハロゲン置換体、ニトリル置換体といったこれら誘導体が挙げられる。
【0039】
これらのなかで、コスト的及び導電性の観点からアニリン、またはピロールが最も好適に用いられる。
【0040】
芳香族アミン類(c)の好適な使用量は、酸(a)または酸塩(e)に由来する酸性官能基と塩を構成することを考慮し、酸(a)または酸塩(e)の使用モル量に対して10〜500モル%であり。更に好ましくは50〜200モル%である。過小の場合には、有効なシェルを構成することが出来ず、また過大な場合には、シェルを構成するだけではなく、それ以外の場所で単独重合してしまうために、有効なコア/シェル構造を形成し難い。
【0041】
本発明における酸化剤(d)は、文字通り担体表面にて塩を形成している芳香族アミン類(c)を酸化重合するために用いられる。
酸化させることが可能であれば特に限定はない。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、塩化鉄、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、過塩素酸銅等が挙げられる。こられのなかで過硫酸アンモニウムが最も好適に用いられる。
【0042】
また、これら酸化剤(d)の触媒となる化合物の添加も、必要に応じてなされるものである。これら酸化触媒を例示すれば、鉄イオン(II)、鉄イオン(III)といった遷移金属イオン類、鉄サレン系化合物といった有機遷移金属錯体化合物類、西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼといった、ペルオキシダーゼ類が挙げられる。
【0043】
芳香族アミン類(c)を酸化重合せしめる酸化剤(d)の使用量は、芳香族アミン類(c)のモル数に対して50〜200モル%が好ましい。過小の場合には、充分に芳香族アミン類(c)を酸化重合させることが出来ず、また、過大な場合には粒子等を酸化分解してしまう。
【0044】
本発明における1イオン性官能基あたりの分子量が150〜3000であるモノもしくはポリ酸塩 (e)とは、担体となる粒子の重合時に界面活性剤として作用し、担体の重合が終了した後に無機酸にて処理し、酸とした後に、芳香族アミン類を粒子表面に固定する役割を有するものである。さらには重合した芳香族アミン類のドーパントとしても作用するものである。
【0045】
ここで示されるイオン性官能基は、スルホン酸塩基、カルボン酸塩基、リン酸塩基等が挙げられる。
【0046】
具体的には、モノスルホン酸塩化合物として、スチレンスルホン酸塩、オクチルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ステアリルベンゼンスルホン酸塩、リノレインベンゼンスルホン酸塩等の飽和及び不飽和アルキルベンゼンスルホン酸塩化合物、また、オクチルナフタレンスルホン酸塩、ドデシルナフタレンベンゼンスルホン酸塩等の飽和及び不飽和アルキルナフタレンスルホン酸塩化合物、ラウリルスルホン酸塩、ステアリルスルホン酸塩等の飽和及び不飽和アルキルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸塩等のポリアルキレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩等が挙げられる。
【0047】
また、ポリスルホン酸塩化合物として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等のジスルホン酸塩類、ポリスチレンスルホン酸塩化合物、及びその共重合体化合物、ポリベータスチレンスルホン酸塩化合物、及びその共重合体、ベータスチレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物等の芳香族スルホン酸塩アルデヒド縮合物類が挙げられる。
【0048】
また、モノカルボン酸塩化合物としてはラウリン酸塩、オレイン酸塩、ステアリン酸塩等の飽和及び不飽和脂肪酸塩類、ドデシル安息香酸塩等のアルキル安息香酸類塩等が挙げられる。
さらに、ジカルボン酸塩化合物としては、ステアリルコハク酸塩等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸塩、マレイン酸塩、ビニル安息香酸塩等の共重合体、または、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートコハク酸ハーフエステル塩等、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート環状酸無水物ハーフエステル塩類の共重合体等が挙げられる。
【0049】
さらに、リン酸塩化合物としては、ジプロピレングリコール4−ノニルフェニルホスフェート塩等が挙げられる。
【0050】
本発明において表記される酸塩(e)における1イオン性官能基あたりの分子量とは、1イオン性官能基も含んだ分子量を指し示す。但し、この場合イオン化したアニオンとしての分子量を示し、対となるカチオンの分子量は含まない。またその分子量が150〜3000、更に好ましくは200〜2000が好ましい。分子量が小さすぎる場合には無機酸処理後に生じる酸性官能基を粒子に固定しておくことが難しく、また大きすぎる場合には、粒子表面に酸性官能基を局在化させることが難しい。
【0051】
また、本発明において用いられる酸塩(e)のイオン性官能基としては、スルホン酸塩基が最も好ましい。これは無機酸処理後に生じるスルホン酸基の酸性が強いため、芳香族アミン類と強固な塩を形成することが出来るためである。
【0052】
また、本発明において用いられる酸塩(e)のイオン性官能基の対となるカチオンは特に限定はない。例えばナトリウム、カリウムといったアルカリ金属由来のカチオン類、マグネシウム、カルシウム、といったアルカリ土類金属由来のカチオン類、鉄、銅、クロム、モリブデン、亜鉛といった遷移金属由来のカチオン類といった無機カチオン類
【0053】
また、アンモニウムイオンや、トリエチルアミン、ベンジルアミン、トリエタノールアミン等の無機及び有機アミン類に由来するカチオン類も用いられる。
【0054】
これらイオン性官能基の対となるカチオン類の中で、乳化作用や、コア/シェル構造形成後の処理等を考慮するとナトリウム、カリウム、アンモニウムに由来するカチオンが好適である。
【0055】
さらに、酸塩(e)の組成比としては、(e)+(b)の総重量において1〜50重量%の範囲が好適である。特に好ましくは5〜40重量%の範囲である。酸塩(e)が少ない場合には、良好な導電性皮膜が形成できず、また多すぎる場合には良好な粒子担体が形成できない。
【0056】
また、重合可能なモノマー(b)と共重合性を併せ持つ酸塩(e)を用いると、シェルとコアがより強固に結びつくため、より好ましい。具体的には例えばラジカル重合にてコアを重合する場合には、(メタ)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウム等を用いる等が挙げられる。
【0057】
本発明における酸塩(e)の塩を中和可能な無機酸とは、酸塩(e)を酸とするために用いられる。この目的を達するためには、少なくとも酸塩(e)に由来する酸よりも強酸である必要があり、この目的を達するものであれば特に限定はない。
例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられ、好ましくは塩酸と硫酸である。
【0058】
この無機酸の使用量は、酸塩(e)をすべて中和する量よりも少なく用い、過剰に用いることは好ましくない。具体的には酸塩に対して0.3〜1.0当量である。すべてを中和せず、部分的にアニオン部を残しておくことは乳化状態の安定性向上に寄与するが、粒子表面の導電性シェルは充分に形成できない。また、過剰に用いると、過剰となった酸が芳香族アミン類(c)の粒子表面への固定化を妨げてしまうために好ましくない。この点は、粒子単体の構成や粒径、または用途に応じて適宜調整されるべき項目である。
【0059】
さらに、本発明におけるノニオン系界面活性剤とは、粒子の安定性を確保したり、また粒径制御や、導電性シェルの密度等を制御するために補助的に用いられるものである。もちろん添加しても添加しなくても構わないが、ノニオン系活性剤によってに粒子単体の構成や粒径、または用途に応じて比較的容易に適宜調整することができる。
【0060】
ここで用いられるノニオン系界面活性剤を列挙すれば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンアルキレート類、グリセロールモノステアレート等のグリセライド類、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシアルキレンアルキルエステル類等があげれれる。
【0061】
ノニオン系界面活性剤の添加量としては、導電性粒子の合計重量の0.1〜50重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。使用量が少ない場合にはその効果が得られにくく、また多すぎる場合には芳香族アミン類(c)の粒子表面への固定化を妨げてしまうために好ましくない。
【0062】
本発明における粒子の合成条件については特に限定はなく、担体となるコアの構成、シェルの構成、及びその双方の組み合わせによって好適な範囲は変わってくることは言うまでもないが、概ねの好適な条件についてここに列記する。
【0063】
本発明における粒子を合成する溶媒としては水であることが好ましい。それは、乳化または懸濁重合によって粒子を形成し、かつ極性基を粒子表面に局在化させるためである。
【0064】
次に反応温度に関しては、先ず粒子担体を合成するための温度としては、40〜100℃の範囲が好ましい。これは、粒子担体を構成する重合可能なモノマー(b)の特性に応じて変わってくるが、概ね上記の範囲である。これよりも低温の場合には、担体の合成が難しく、また高温の場合は水が沸騰してしまう。
【0065】
上記温度にて粒子担体を合成した後、芳香族アミン類(c)を添加しシェルを構成する段階では、担体合成終了後温度を下げ、30〜−15℃の範囲に冷却し芳香族アミン類(c)を添加した後、酸化剤(d)を加える。温度がこの範囲よりも高い場合には、良好な導電特性を有するシェルが得られず、また低い場合には、反応液そのものが凍結してしまう。また、反応液の濃度や構成によっては−15℃に至る前に凍結してしまう場合があるが、その場合は凝固点以上の温度で反応させることは言うまでもない。
【0066】
反応濃度に関しては、0.1〜80重量%の範囲で好適に用いられる。濃度が上記範囲を下回る場合にはミセルの密度が低くるため収率が悪化し、また濃度が上記範囲を超えると良好なミセルを形成することが出来ない。従って本発明におけるコア/シェル構造を有する粒子を得ることは困難である。
【0067】
以上の方法により得られた粒子は、以下の用途について好適に用いられる。例えば、導電性粒子、導電性塗料、帯電防止材料、接合素子材料、センサー材料、帯電防止材料、電気粘性流体材料、電池材料、電極材料、電子発光材料、表示材料、着色顔料等に用いられる。
【実施例】
以下に、本発明を具体的に示す。
【0068】
実施例1 アクリル型粒子の合成
(酸(a)の量及び種類、アミン(c)の量、及び種類、c/a比の検討)
撹拌装置、不活性ガス導入装置を具備した500ミリリットル反応装置に、下記原料を仕込んだ。
○純水270g
○下記表中記載のモノ、またはポリ酸(a)、を表1中記載量
○重合可能なモノマー(b)としてメチルメタクリレートを50g、
○ ノニオン系界面活性剤(花王製エマルゲン147)を表1中記載した重量
仕込み終了後注意深く撹拌を行い乳化させ、その後80℃に反応溶液を加熱した。さらに、30gの水に溶解させたラジカル重合開始剤(和光純薬製VA−060)2gを1時間かけて滴下し、滴下終了後5時間加熱撹拌を継続した。
その後、加熱をやめ撹拌を継続しつつ放冷した。
【0069】
放冷後、氷浴にて撹拌を継続しつつ0℃まで反応系を冷却し、表中記載の芳香族アミン類(c)を滴下し、滴下終了後30分間撹拌を継続した。
その後、酸化剤(d)として過硫酸アンモニウム(アニリン類の場合にはアニリンの1.25モル倍、ピロールの場合には1.00モル倍)を少量の水に溶解させ、ゆっくり添加した。
添加終了後24時間冷却・撹拌を継続し、本発明における導電性粒子を得た。
【0070】
下記表1にその結果を記載する。
表1中、c/a比とは、酸(a)とアミン(c)のモル比を示し、記載した値は下記式で得られる値である
アミン(c)のモル量÷(酸(a)の重量÷酸(a)の1酸性官能基あたりの分子量)
Figure 2004189796
DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸、DNS:ドデシルナフタレンスルホン酸、SAc:ステアリン酸、AcmPA:アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、PSS20:4−ラウリルスチレンーパラスチレンスルホン酸共重合体、共重合組成比4−ラウリルスチレン/パラスチレンスルホン酸=80/20(モノマー比)、PSS10:4−ラウリルスチレンーパラスチレンスルホン酸共重合体、共重合組成比4−ラウリルスチレン/パラスチレンスルホン酸=90/10(モノマー比)、TsOH:トルエンスルホン酸、PSS5:4−ラウリルスチレンーパラスチレンスルホン酸共重合体、共重合組成比4−ラウリルスチレン/パラスチレンスルホン酸=95/5(モノマー比)、An:アニリン、Py:ピロール。
【0071】
実施例2 アクリル型粒子の導電性評価及び安定性評価
実施例1、比較例1にて調製した導電性粒子の導電性評価を行った。結果を表2に示す。
導電性評価は、得られた導電性粒子分散液を、透析膜(MWCO=1000)にて透析、精製しその後凍結乾燥した。凍結乾燥後の粉末を真空中圧縮成型し直径20mm、厚さおよそ1.2mmの円盤試料とした。試料に金線/銀ペーストにて電極を取り付け、ケースレー社製ソースメータ(モデル6430)を用い、ファン・デル・ポー法にて導電性を測定した。
【0072】
また、安定性評価については、分散液を室温にて静置し3日後の安定性を5段階評価した。評価基準は、以下に示す通りである。
◎:分離、沈殿なし、○:分離は認められるが、撹拌によって復元する、△:沈殿は見れらるが撹拌によって復元する、×△:撹拌によって復元しない沈殿があるが、沈殿の量は全量の半分未満、×:半分以上が沈殿し、復元しない。
【0073】
Figure 2004189796
【0074】
実施例3 ポリエステル型粒子の合成1
撹拌装置、不活性ガス導入装置を具備した500ミリリットル反応装置に、下記原料を仕込んだ。
○純水270g
○モノ酸(a)としてドデシルベンゼンスルホン酸5g(比較例ではドデシルベンゼンスルホン酸のかわりにp−トルエンスルホン酸を同量用いた。)
○重合可能なポリカルボン酸(b−1)として表3中のカルボン酸
○重合可能なポリオール(b−2)として表3中のポリオール
○ ノニオン系界面活性剤(花王製エマルゲン407)を5g
仕込み終了後撹拌を開始し60℃に反応溶液を加熱した。さらに、24時間加熱撹拌を継続した。
その後、加熱をやめ撹拌を継続しつつ放冷した。
【0075】
放冷後、氷浴にて撹拌を継続しつつ0℃まで反応系を冷却し、表3中記載の芳香族アミン類(c)を滴下し、滴下終了後30分間撹拌を継続した。
その後、酸化剤(d)として過硫酸アンモニウムを(アニリン類の場合にはアニリンの1.25モル倍、ピロールの場合には1.00モル倍)少量の水に溶解させ、ゆっくり添加した。
添加終了後24時間冷却・撹拌を継続し、本発明における導電性粒子を得た。
【0076】
下記表3にその結果を記載する。
表3中、c/a比とは、酸(a)とアミン(c)のモル比を示し、記載した値は下記式で得られる値である
アミン(c)のモル量÷(酸(a)の重量÷酸(a)の1酸性官能基あたりの分子量)
また、表3中(b−1)及び(b−2)の重量のあとの括弧内は、それぞれのモル量を示している。
【0077】
Figure 2004189796
ADA:アジピン酸、SBA:セバシン酸、HDA:ヘキサデカンジカルボン酸、SAA:コハク酸、HDO:ヘキサンジオール、DDO:デカンジオール、ODDO:オクタデカンジオール、PG:プロピレングリコール、比較例3.1ではドデシルベンゼンスルホン酸の代替にp−トルエンスルホン酸を用いた。
【0078】
実施例4 ポリエステル型粒子の合成2
撹拌装置、不活性ガス導入装置を具備した500ミリリットル反応装置に、下記原料を仕込んだ。
○純水270g
○モノ酸(a)としてドデシルベンゼンスルホン酸5g(比較例ではドデシルベンゼンスルホン酸のかわりにp−トルエンスルホン酸を同量用いた。)
○重合可能な環状ラクトン(b)、またはカルボン酸と水酸基を合わせ持つ化合物(b−3)
○ ノニオン系界面活性剤(花王製エマルゲン407)を5g
仕込み終了後撹拌を開始し60℃に反応溶液を加熱した。さらに、24時間加熱撹拌を継続した。
その後、加熱をやめ撹拌を継続しつつ放冷した。
【0079】
放冷後、氷浴にて撹拌を継続しつつ0℃まで反応系を冷却し、表中記載の芳香族アミン類(c)としてアニリンを1.43g(ドデシルベンゼンスルホン酸と同モル)滴下し、滴下終了後30分間撹拌を継続した。
その後、表4記載の酸化剤(d)を記載量を少量の水に溶解させ、ゆっくり添加した。
添加終了後24時間冷却・撹拌を継続し、本発明における導電性粒子を得た。
【0080】
下記表4にその結果を記載する。
表4中、c/a比とは、酸(a)とアミン(c)のモル比を示し、記載した値は下記式で得られる値である
アミン(c)のモル量÷(酸(a)の重量÷酸(a)の1酸性官能基あたりの分子量)
また、表4中(b−3)または(b−4)の重量のあとの括弧内は、それぞれのアミン(c)に対する当量値を示している。 なお、当量値はアニリン類の場合にはアニリンの1.25モル倍、ピロールの場合には1.00モル倍となる。
さらに、ラクトン類の記載には、「Lac」と環中の炭素数で記載した。例えばLac6は環中の炭素数が6で構成されるイプシロンカプロラクトンであることを示している。
【0081】
Figure 2004189796
HCA:ヒドロキシカプロン酸、H2O2+HRP:過酸化水素水34%濃度水溶液+触媒として西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼを使用したもの。過酸化水素水添加前にHRPは系中に添加した。
【0082】
実施例5 ポリエステル型粒子の導電性評価及び安定性評価
実施例3及び4にて調製した導電性粒子の導電性評価及び安定性評価を行った。結果を表5に示す。方法は、実施例2に準じた。
【0083】
Figure 2004189796
【0084】
実施例6 酸塩(e)を用いたアクリル型粒子の合成
撹拌装置、不活性ガス導入装置を具備した500ミリリットル反応装置に、下記原料を仕込んだ。
○純水270g
○下記表中記載の酸塩(e)、を表6中記載量
○重合可能なモノマー(b)としてメチルメタクリレートを50g、
仕込み終了後注意深く撹拌を行い乳化させ、その後80℃に反応溶液を加熱した。さらに、30gの水に溶解させたラジカル重合開始剤(和光純薬製VA−060)2gを1時間かけて滴下し、滴下終了後5時間加熱撹拌を継続した。
その後、加熱をやめ撹拌を継続しつつ放冷した後、無機酸として1規定硫酸を表6中記載した容量添加した。
【0085】
放冷後、氷浴にて撹拌を継続しつつ0℃まで反応系を冷却し、表6中記載量のアニリン(c)を滴下し、滴下終了後30分間撹拌を継続した。
その後、酸化剤(d)として過硫酸アンモニウム(アニリン類の場合にはアニリンの1.25モル倍、ピロールの場合には1.00モル倍)を少量の水に溶解させ、ゆっくり添加した。
添加終了後24時間冷却・撹拌を継続し、本発明における導電性粒子を得た。
【0086】
下記表6にその結果を記載する。
表6中、無機酸量の単位はミリリットル、また括弧内は酸塩(e)の全量モル量を1とした場合の中和したアニオンのモル比を示す。またアミン量における括弧内の値は酸塩(e)の全量を1とした場合のモル比を示している。
Figure 2004189796
【0087】
実施例7 アニオン性界面活性剤を用いた粒子の導電性評価及び安定性評価
実施例6にて調製した導電性粒子の導電性評価及び安定性評価を行った。結果を表7に示す。方法は、実施例2に準じた。
【0088】
Figure 2004189796
【0089】
【発明の効果】
通常の乳化または懸濁状態で重合可能な重合体で構成した微粒子をコアとし、さらにコアの表面に例えばポリアニリン、ポリピロールと言った共役系高分子を構成し得られる粒子を得た。本法は既知の乳化または懸濁重合の手法を用いて任意のコアを構成することができ、さらには強固にコアに結びついた共役系高分子によるシェルを容易な方法で構成することが出来た。
【0090】
このようなコア/シェル構造を有する粒子は、例えば導電性粉体、導電性塗料、発光表示材料、有機半導体、電極材料、電気粘性流体等に有効である。

Claims (4)

  1. 1酸性官能基あたりの分子量が150〜3000であるモノもしくはポリ酸(a)の存在下で、重合可能なモノマー(b)を乳化もしくは懸濁状態で重合させてなる粒子と、
    酸化剤(d)との存在下で、芳香族アミン類(c)を酸化重合させる導電性粒子の製造方法。
  2. 1イオン性官能基あたりの分子量が150〜3000であるモノもしくはポリ酸塩(e) の存在下で、重合可能なモノマー(b)を乳化もしくは懸濁状態で重合させて粒子を得た後、前記粒子の酸塩由来の塩を中和可能な無機酸で処理し、
    さらに、酸化剤(d)との存在下で、芳香族アミン類(c)を酸化重合させる導電性粒子の製造方法。
  3. 乳化もしくは懸濁状態で重合の際に、さらに、ノニオン系界面活性剤を導電性粒子全体に対して0.1〜50重量%となるように存在させることを特徴とする請求項1または2記載の導電粒子の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の導電性粒子の製造方法で製造されてなる導電性粒子。
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