JP2007070555A - ポリアニリン組成物の製造方法、ポリアニリン組成物及び成形体 - Google Patents

ポリアニリン組成物の製造方法、ポリアニリン組成物及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】工程や操作が容易で、有機溶剤を使用しないポリアニリン組成物の製造方法、ポリアニリンが良好に分散したポリアニリン組成物、並びに優れた導電性及び有機溶媒耐性を有する成形体を提供する。
【解決手段】製造方法は、分子内にラジカル反応性基を有する化合物と水とのエマルジョン中で、アニリン又はアニリン誘導体を酸化剤により重合させる。ポリアニリン組成物は、前記製造方法によって製造され、成形体は、前記ポリアニリン組成物から得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアニリン組成物の製造方法、ポリアニリン組成物及び成形体に関する。
帯電防止材料や導電材料は、一般的に、導電物質である炭素粉末や金属粉末を樹脂などに練り込んだり、あるいはそれらを配合することで製造されている。しかし、十分な帯電防止性や導電性を得ようとすると、導電物質を多量に添加しなければならないため、素材の透明性が損なわれたり、内容物が見えなくなったり、あるいは、平滑な膜が得られない点や、塗膜の強度が低いことなどの問題がある。
また、界面活性剤などを使用した帯電防止材料では、表面抵抗を10Ω/□以下にすることは困難である上に、周囲の湿気や水分の影響を受けやすく、低湿度条件下では帯電防止効果がほとんどなくなってしまうといった問題がある。
そこで、高導電性を与える素材として、ポリアニリン、ポリピロール、及びポリチオフェンなどのように、電解質イオンをドーパントとして含む導電性芳香族系高分子が注目されている。
中でも、プロトン酸ドーピング剤をドープしたポリアニリンは、原料が安価で、空気中での安定性が良好であることから様々な分野での応用が検討されている。代表的な応用例としては、二次電池の正極材料、固体電解質コンデンサー、帯電防止剤、防錆剤、透明導電膜、又は電磁波シールド材などが挙げられる。
一般的にポリアニリンの製造方法には、電解重合法及び化学的酸化重合法がある。電解重合を利用する場合は、ポリアニリンが電極上にフィルム状で形成されるので、大量に製造するためには、大表面積を有する電極が必要である。これに対して、化学的酸化重合を利用する場合には、そのような制約がなく、水溶液中でのアニリンと酸化剤とによる重合により、大量のポリアニリンを容易に得ることができる。しかし、得られたポリアニリンは、環構造に由来する強い分子間相互作用により、水性溶媒あるいは有機溶媒に不溶性であり、更に不融性でもあるため、成形加工が困難で、応用展開の大きな障害になっている。
そこで、化学的酸化重合によって得られたポリアニリンをアルカリなどで処理して、脱ドープ状態のポリアニリン(脱ドープポリアニリン)とすることにより、ピリジン、ジメチルホルムアミド、又はN−メチル−2−ピロリドンなどの一部の非プロトン性極性溶媒に可溶性になることを利用して成形する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法によれば、脱ドープポリアニリンから成形体を得る工程と、得られた成形体に再びプロトン酸をドープする工程の2つの工程が必要になり、煩雑であった。
また、ポリアニリンを水溶性とするために、アニリン骨格に直接スルホン酸基を結合させた自己ドーピング型のポリアニリンも提案されている。例えば、アニリンとアミノベンゼンスルホン酸とを化学的酸化重合により共重合する方法(特許文献2)、あるいはポリアニリン又はその誘導体を、スルホン化剤(クロロ硫酸など)を用いてスルホン化する方法(特許文献3)などが提案されている。しかし、これらスルホン酸基の自己ドーピング型のポリアニリンは、アルカリにしか溶けない点、またスルホン化時に使用するスルホン化剤の処理が煩雑である点、及びコスト面にも問題がある。
更に、トルエンやキシレンなどの有機溶剤と水溶液とのエマルジョン系で、ドデシルベンゼンスルホン酸などの疎水性部分を有するプロトン酸ドーピング剤を用いてポリアニリンを合成する方法が提案されており、この方法によれば、有機溶媒中で凝集することなく良好な分散状態が得られるとされている(特許文献4)。また、重合反応後にバインダー樹脂を加え、得られたバインダー含有ポリアニリン溶液をコーターなどで塗布後、有機溶剤を蒸発させることにより導電性フィルムする方法も提案されている(特許文献5)。しかし、これらの方法によれば、導電性フィルムの製造工程において有機溶剤を蒸発させる工程があることから、有機溶媒中に分散していたポリアニリンが凝集することによって、導電性が悪くなることがある。また、得られた導電性フィルムは、溶剤に可溶なバインダー樹脂を使用しているために、耐溶剤性に劣るという問題もある。更に、蒸発時に揮発性有機溶剤(VOC)等が発生し、地球温暖化や酸性雨など大気汚染の原因となることが問題となっている。
特開平5−247204号公報 特開平1−301714号公報 特開2000−191774号公報 特開2001−288264号公報 特開2005−60671号公報
従って、本発明の課題は、有機溶剤を使用することなく、工程や操作が容易で、かつ優れた導電性を有する成形体を提供することのできるポリアニリン組成物の製造方法を提供することにある。
前記の課題は、本発明により、分子内にラジカル反応性基を有する化合物〔以下、ラジカル反応性化合物と称することがある〕と水とのエマルジョン中で、アニリン又はアニリン誘導体を酸化剤により重合させることを特徴とするポリアニリン組成物の製造方法によって解決することができる。
本発明方法の好ましい態様においては、前記ラジカル反応性化合物中のラジカル反応性基が、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、及びスチリル基からなる群より選択される基、特には、アクリル基又はメタクリル基である。
本発明方法の別の好ましい態様においては、アニリン又はアニリン誘導体と、前記ラジカル反応性化合物との重量比が、1:500〜1:1、好ましくは1:100〜1:1の範囲である。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、プロトン酸ドーピング剤で処理したアニリン又はアニリン誘導体を重合させるか、プロトン酸ドーピング剤の存在下でアニリン又はアニリン誘導体を重合させるか、あるいはアニリン又はアニリン誘導体を重合させて得られたポリアニリンをプロトン酸ドーピング剤で処理する。
本発明方法の更に別の好ましい態様においては、プロトン酸ドーピング剤が、スルホン酸系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、及び硫酸エステル系界面活性剤からなる群より選択されるアニオン系界面活性剤である。
また、本発明方法の別の好ましい態様においては、アニリン又はアニリン誘導体とプロトン酸ドーピング剤との重量比が1:20〜20:1の範囲である。
更にまた、本発明方法の別の好ましい態様においては、前記酸化剤が、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過塩素酸カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、及び塩化鉄(II)からなる群から選択される化合物である。
更にまた、本発明方法の別の好ましい態様においては、アニリン又はアニリン誘導体の重合反応時のエマルジョンに、塩酸、硫酸、及び硝酸からなる群から選択される酸少なくとも1つを添加する。
更に、本発明は、前記ポリアニリン組成物に含まれる前記ラジカル反応性化合物をラジカル重合させることによって得られる成形体にも関する。
本発明の製造方法によれば、ポリアニリン組成物は、ラジカル反応性化合物中にポリアニリンを良好に分散させた状態で得ることができる。従って、導電性成形体(例えば、導電性フィルム)を製造する工程において、分散液状態のポリアニリン組成物に紫外線又は電子線を照射することによってラジカル反応性化合物をラジカル重合させ、ポリアニリンが均一に分散した状態で導電性成形体(例えば、導電性フィルム)を容易に製造することができる。また、導電性フィルムなどの成膜工程において、有機溶媒や水溶液などを蒸発する工程がないのでポリアニリンの凝集が起きず、良好な分散状態のままで硬化皮膜を得ることができ、従って導電性も良好である。更に、導電性フィルムの成膜が、溶剤を蒸発させることによるのではなく、紫外線又は電子線の照射などによるラジカル反応性基のラジカル重合によるので、得られる硬化皮膜は耐溶剤性に優れている。また、有機溶剤を蒸発する過程を含まないので、揮発性有機溶媒(VOC)等が発生することもないため、環境にも負荷がかからない。
本発明方法においては、分子内に1個以上のラジカル反応性基を有する化合物(すなわち、ラジカル反応性化合物)の1成分以上を含有するエマルジョン系において、アニリン又はアニリン誘導体を酸化剤により重合させることで、ラジカル反応性化合物中にポリアニリンが良好に分散した状態のポリアニリン組成物を得ることができる。
前記ラジカル反応性化合物としては、ラジカル重合が可能な化合物であれば特に限定されず、例えば、ラジカル反応性基として、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、及びスチリル基からなる群より選択される基少なくとも1つを有する化合物を用いることができる。アクリル基又はメタクリル基1つを有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル〔例えば、(メタ)アクリル酸メチル〕、(メタ)アクリルアミド、又はアクリロニトリルを挙げることができる。アクリル基又はメタクリル基2つ以上を有するジ−、トリ−、又はポリ−(メタ)アクリル化合物も用いることができる。
ビニル基を有する化合物としては、例えば、ハロゲン化ビニル(例えば、塩化ビニル)、酢酸ビニル、又はメチルビニルケトンなどを挙げることができる。アリル基を有する化合物としては、例えば、アリル酢酸、アリルアルコール、アリルアセトン、アリルアミン、アリルベンゼン、又はハロゲン化アリル(例えば、塩化アリル)などを挙げることができる。スチリル基を有する化合物としては、例えば、スチレンを挙げることができる。
ラジカル重合としては、光、熱、又は放射線などの作用によって、場合により重合開始剤又は増感剤の存在下で、重合する任意の反応が含まれる。
前記エマルジョンは、無機酸、例えば、塩酸、硫酸、又は硝酸を含むことができる。
ポリアニリンは、アニリン又はアニリン誘導体を重合させることによって生成する。ポリアニリン用モノマーとしてのアニリン誘導体は、アニリンのアミノ基又はベンゼン環上の水素原子1つ又はそれ以上を、例えば、アルキル基、アリール基、アルキルエーテル基、カルボキシルエステル基、シアノ基、及び/又はハロゲン基等で置換した化合物から選択される。ポリアニリン用モノマーとしては、アニリン又はアニリン誘導体を、それぞれ単独であるいはそれらの混合物を用いることができる。
アニリン又はアニリン誘導体とラジカル反応性化合物との重量比は、好ましくは1:500〜1:1であり、より好ましくは1:100〜1:10である。アニリン又はアニリン誘導体の量がラジカル反応性化合物に対して少なすぎると、ポリアニリン組成物のラジカル反応性化合物中に分散するポリアニリンの濃度が低くなりすぎるために、ラジカル重合後に形成される成形体の導電性が低下し、逆にアニリン又はアニリン誘導体の量が多くなりすぎると、ラジカル反応性化合物中にポリアニリンが分散することができず凝集してしまう。
本発明方法においては、プロトン酸ドーピング剤によるドーピング処理は、アニリン又はアニリン誘導体の重合反応の前、重合反応と同時、又は重合反応の後のいずれかに実施することができる。プロトン酸ドーピング剤としては、アニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。アニオン系界面活性剤としては、例えば、スルホン酸系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、又は硫酸エステル系界面活性剤を挙げることができる。
プロトン酸ドーピング剤の中でも、アニオン系界面活性剤を用いることにより、塩酸又は硫酸などの無機酸と比べて、イオン半径が大きく嵩高いために熱などによる拡散による脱ドープが起こりにくい。また疎水性部分があるために、ドープされたポリアニリン同士が凝集することなく有機溶剤に良分散することができる。
スルホン酸系界面活性剤は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、又はスルホコハク酸ジアルキルエステル(例えば、スルホコハク酸ジ2−エチルヘキシルナトリウム)である。カルボン酸系界面活性剤は、例えば、脂肪族モノカルボン酸塩(例えば、ラウリン酸ナトリウム)又はN−アシロイルグルタミン酸塩(例えば、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム)である。リン酸エステル系界面活性剤は、例えば、リン酸アルキル塩(例えば、モノラウリルレン酸ナトリウム)である。また、硫酸エステル系界面活性剤は、例えば、硫酸アルキル塩(例えば、硫酸ドデシルナトリウム)である。これらのアニオン系界面活性剤を1種単独で、あるいは2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
アニリン又はアニリン誘導体とプロトン酸ドーピング剤との重量比は、好ましくは1:20〜20:1、より好ましくは1:10〜10:1である。プロトン酸ドーピング剤の量がアニリン又はアニリン誘導体の量に対して少なくなりすぎると、ポリアニリン組成物が良好な分散状態を得ることができずに凝集してしまい、逆に量が多すぎるとラジカル反応性化合物の相と水層との界面が分かれにくくなり、水層を除去する操作が煩雑となってしまう。
アニリン又はアニリン誘導体の重合開始剤として作用する酸化剤としては、従来公知の重合開始用酸化剤を用いることができる。具体的には、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過塩素酸カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、又は塩化鉄(II)などを挙げることができ、特に過硫酸アンモニウムに代表される過硫酸類が好ましい。また、アニリン又はアニリン誘導体と酸化剤の重量比は、1:10〜10:1が好ましく、より好ましくは1:5〜5:1である。酸化剤の量がアニリン又はアニリン誘導体に対して少なすぎると、重合反応が十分に進行せず、また量が多すぎると重合反応時に副生成物が多量に生成してしまう。
アニリン又はアニリン誘導体の重合時の反応温度は−20℃〜80℃が好ましく、より好ましくは−10℃〜30℃である。また、反応時間は30分〜48時間の範囲であり、常圧下で、反応混合物を撹拌させて行うことができる。また、本発明における製造方法において、平均分子量を調整するために、連鎖移動剤を添加して行うこともできる。
こうして得られたポリアニリン組成物に、例えば、紫外線又は電子線を照射することにより、ラジカル反応性化合物のラジカル重合を実施することができる。ラジカル反応性化合物は、ポリアニリンを良好に分散した状態のままで重合されるので、得られる重合体においても、ポリアニリンが良好に分散された状態のままで取り込まれる。従って、例えば、良好な電気的性質を有する導電性フィルムを製造することができる。
前記のラジカル重合は、ポリアニリン組成物における分散媒としてのラジカル反応性化合物の他に、更に別途にラジカル反応性化合物を添加して実施することもできる。別途に追加するラジカル反応性化合物は、ポリアニリン組成物における分散媒としてのラジカル反応性化合物と同じ化合物であっても、異なる化合物であってもよい。また、前記のラジカル重合は、重合禁止剤又はレベリング剤などの添加剤等を、任意に混合して実施することもできる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《合成実施例1》
撹拌器、温度計及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコ(容量=500mL)に、ドデシルベンゼンスルホン酸0.02モル(6.53g)、1N−HClの100mL、1N−HCl(80mL)に溶解させたアニリン0.02モル(1.86g)、及びベンジルアクリレート90mLを加えて、室温下で2時間撹拌した。
その後0℃に冷却した。1N−HCl(30mL)に溶解させた重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.02モル(4.56g)の溶液を滴下ロートから1時間かけて滴下をした。滴下中、反応溶液を0℃に保ち、撹拌した。滴下終了後、そのまま撹拌を24時間行った。反応終了後、反応溶液を静置することにより水層とベンジルアクリレート層に分離した。水層を除去することにより、ベンジルアクリレート中にポリアニリンが良好に分散したポリアニリン組成物が得られた。
《合成実施例2》
ベンジルアクリレートに代えてノニルオクチルアクリレートを使用したこと以外は、前記合成実施例1と同様の方法により、ポリアニリン組成物を製造した。
《合成実施例3》
ベンジルアクリレートに代えてイソボニルアクリレートを使用したこと以外は、前記合成実施例1と同様の方法により、ポリアニリン組成物を製造した。
《合成実施例4》
ドデシルベンゼンスルホン酸に代えてスルホンこはく酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩(AOT)を使用したこと以外は、前記合成実施例1と同様の方法により、ポリアニリン組成物を製造した。
《合成比較例1》
ベンジルアクリレートに代えてトルエンを使用したこと以外は、前記合成実施例1と同様の方法により、ポリアニリン組成物を製造した。
《成形実施例1》
合成実施例1で得られたポリアニリン組成物10gにトリメチロールプロパン(PO変性)トリアクリレート10gを加えて混合した。この混合物をバーコーターNo.7を用いてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに塗布し、加速電圧150kV及び照射線量60kGyで電子線を照射し、導電性フィルムとした。膜圧は6μmであった。表面抵抗を測定したころ、1×10Ω/□であった。また、得られた導電性フィルムをメチルエチルケトンで湿らせた麺棒でラビング試験を行ったところ、硬化皮膜が剥離することはなかった。
《成形実施例2》
合成実施例2で得られたポリアニリン組成物10gにトリメチロールプロパン(PO変性)トリアクリレート10gを加えて混合した。これをバーコーターNo.7を用いてPETフィルムに塗布し、加速電圧150kV及び照射線量60kGyで電子線を照射し、導電性フィルムとした。膜圧は6μmであった。表面抵抗を測定したころ、1×10Ω/□であった。また、得られた導電性フィルムをメチルエチルケトンで湿らせた麺棒でラビング試験を行ったところ、硬化皮膜が剥離することはなかった。
《成形実施例3》
合成実施例3で得られたポリアニリン組成物10gにトリメチロールプロパン(PO変性)トリアクリレート10gを加えて混合した。これをバーコーターNo.7を用いてPETフィルムに塗布し、加速電圧150kV及び照射線量60kGyで電子線を照射し、導電性フィルムとした。膜圧は6μmであった。表面抵抗を測定したころ、1×10Ω/□であった。また、得られた導電性フィルムをメチルエチルケトンで湿らせた麺棒でラビング試験を行ったところ、硬化皮膜が剥離することはなかった。
《成形実施例4》
合成実施例4で得られたポリアニリン組成物10gにトリメチロールプロパン(PO変性)トリアクリレート10gを加えて混合した。これをバーコーターNo.7を用いてPETフィルムに塗布し、加速電圧150kV及び照射線量60kGyで電子線を照射し、導電性フィルムとした。膜圧は6μmであった。表面抵抗を測定したころ、1×10Ω/□であった。また、得られた導電性フィルムをメチルエチルケトンで湿らせた麺棒でラビング試験を行ったところ、硬化皮膜が剥離することはなかった。
《成形比較例1》
合成比較例1で得られたトルエンに良好に分散したポリアニリン組成物80gにポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂20gを加えて溶解させた。これをバーコーターNo.7を用いてPETフィルムに塗布し、10分間80℃にて乾燥機で蒸発乾燥することにより導電性フィルムとした。膜圧は6μmであった。表面抵抗を測定したところ、1×1011Ω/□であった。また、得られた導電性フィルムをメチルエチルケトンで湿らせた麺棒でラビング試験を行ったところ、すぐに剥離してしまった。
本発明方法によれば、ラジカル反応性化合物中にポリアニリンが良好に分散したポリアニリン組成物を製造することができ、更に、その生成物から簡単に導電性成形体(例えば、導電性フィルム)を得ることができる。また、得られる導電性成形体(例えば、導電性フィルム)は、高導電性であり、耐溶剤性にも優れている。更に、製造工程において有機溶剤を使用していないため、揮発性有機溶媒(VOC)等が発生することもなく、環境においても負荷がかからない。

Claims (11)

  1. 分子内にラジカル反応性基を有する化合物と水とのエマルジョン中で、アニリン又はアニリン誘導体を酸化剤により重合させることを特徴とするポリアニリン組成物の製造方法。
  2. ラジカル反応性基が、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、及びスチリル基からなる群より選択される基であることを特徴とする請求項1に記載のポリアニリン組成物の製造方法。
  3. ラジカル反応性基が、アクリル基又はメタクリル基であることを特徴とする請求項2に記載のポリアニリン組成物の製造方法。
  4. アニリン又はアニリン誘導体と、分子内にラジカル反応性基を有する化合物との重量比が、1:500〜1:1の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアニリン組成物の製造方法。
  5. プロトン酸ドーピング剤で処理したアニリン又はアニリン誘導体を重合させるか、プロトン酸ドーピング剤の存在下でアニリン又はアニリン誘導体を重合させるか、あるいはアニリン又はアニリン誘導体を重合させて得られたポリアニリンをプロトン酸ドーピング剤で処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアニリン組成物の製造方法。
  6. プロトン酸ドーピング剤が、スルホン酸系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、及び硫酸エステル系界面活性剤からなる群より選択されるアニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項5に記載のポリアニリン組成物の製造方法。
  7. アニリン又はアニリン誘導体とプロトン酸ドーピング剤との重量比が1:20〜20:1の範囲であることを特徴とする請求項5又は6に記載のポリアニリン組成物の製造方法。
  8. 前記酸化剤が、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過塩素酸カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、及び塩化鉄(II)からなる群から選択される化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリアニリン組成物の製造方法。
  9. 重合反応時のエマルジョンに、塩酸、硫酸、及び硝酸からなる群より選択される酸少なくとも1つを添加することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリアニリン組成物の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法によって得られる生成物から水を除去してなるポリアニリン組成物。
  11. 請求項10に記載のポリアニリン組成物に含まれる、分子内にラジカル反応性基を有する化合物をラジカル重合させることによって得られる成形体。
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