JP2004189417A - シューティング形態可変機構付き物品仕分け装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送ライン上から搬送されてくる物品形態に応じて搬出シュート毎にシューティング形態を設定変更して仕分けパターンの豊富化を実現でき、柔軟な偏平状物品と小箱状物品の何れでもあっても高度な仕分け作業を簡便に達成できるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置を提供すること。
【解決手段】搬出シュート１３０から放出された物品Ｗを貯留テーブル１４０の手前下に配置した回収ボックスＢ内に回収するシューティング延長位置と、貯留テーブル１４０上で一時貯留する宙づり貯留状態形成位置とに掛け換え可能な物品回収シート１６０が設けられているとともに、貯留テーブル１４０の裏面手前側から引き出されて、貯留テーブル１４０上の回収ボックスＢを機台手前側から防壁状態で受け止める回収ボックス落下防止位置と、放出された物品Ｗを貯留テーブル上に一時貯留する物品飛び出し防止位置とに掛け換え可能な落下防止シート１７０が設けられているシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置１００。
【選択図】 図１
【解決手段】搬出シュート１３０から放出された物品Ｗを貯留テーブル１４０の手前下に配置した回収ボックスＢ内に回収するシューティング延長位置と、貯留テーブル１４０上で一時貯留する宙づり貯留状態形成位置とに掛け換え可能な物品回収シート１６０が設けられているとともに、貯留テーブル１４０の裏面手前側から引き出されて、貯留テーブル１４０上の回収ボックスＢを機台手前側から防壁状態で受け止める回収ボックス落下防止位置と、放出された物品Ｗを貯留テーブル上に一時貯留する物品飛び出し防止位置とに掛け換え可能な落下防止シート１７０が設けられているシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置１００。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送ライン上から搬送されてくる物品を品種毎あるいは仕分け先毎に応じて配置した搬出シュートから順次滑降放出させて仕分ける物品仕分け装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の物品仕分け装置としては、搬送経路の搬出シュート３０から順次滑降放出される物品を搬出シュート３０の放出端３１から水平方向に張架した柔軟な非伸縮性シート１１によって緩衝停止させて一時貯留する搬出シュート用物品貯留装置１０がある（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−２２０００６号公報（第２−５頁、図１−図５）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような従来の搬出シュート用物品貯留装置１０は、日用品、雑貨品、玩具、菓子などを小箱に詰めた小箱状物品に適用することを前提としたものであって、これらの小箱状物品の場合には柔軟な非伸縮性シート１１により搬出シュート３０から滑降放出された小箱状物品の型崩れ、破損などを抑止して、物品重量の大小に係わらず常に安定した状態で貯留することができるが、衣料品などの柔軟な偏平状物品の場合には型崩れした状態で貯留され、折コンなどと称する回収ボックスへの移し替え作業に多大な労力と手間を要するため、これと仕分け方式の異なる別途の物品仕分け装置で取り扱わなければならず、種々の物品形態に対応できないという取り扱い上の厄介な問題があった。
【０００５】
また、従来の搬出シュート用物品貯留装置１０は、柔軟な非伸縮性シート１１により貯留する方式のみを採用していることによって、搬送ライン上で搬送されて仕分け先毎に応じて配置した搬出シュート３０から順次滑降放出させて仕分ける物品が上述したような小箱状物品に限定されるため、例えば、同一搬送ライン上で柔軟な偏平状物品と小箱状物品２の両方を取り扱うことができない、あるいは、品種毎あるいは仕分け先毎に応じて配置した搬出シュート毎に非伸縮性シート１１または回収ボックスに貯留することを選択できないなど、シューティング形態上の汎用性にも欠けているという問題があった。
【０００６】
そこで、本発明の目的は、このような従来技術における問題を解決し、搬送ライン上から搬送されてくる物品形態に応じて搬出シュート毎にシューティング形態を設定変更して仕分けパターンの多様化を実現でき、柔軟な偏平状物品と小箱状物品の何れでもあっても高度な仕分け作業を簡便に達成できるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、搬送ライン上から搬送されてくる物品を品種毎あるいは仕分け先毎に応じて配置した搬出シュートから貯留テーブルに向けて順次滑降放出させて仕分けるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置において、前記搬出シュートの放出端近傍から引き出されて、前記搬出シュートから放出された物品を連続的に延長滑降させて貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に放出回収するシューティング延長位置と、前記搬出シュートから放出された物品を制動して貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留する宙づり貯留状態形成位置とに掛け換え可能な物品回収シートが設けられているとともに、前記貯留テーブルの裏面手前側から引き出されて、前記搬出シュートから放出された物品を直接回収している貯留テーブル上の回収ボックスを機台手前側から防壁状態で受け止める回収ボックス落下防止位置と、前記搬出シュートから放出された物品を貯留テーブル上から飛び出すことなく貯留テーブル上に一時貯留する物品飛び出し防止位置とに掛け換え可能な落下防止シートが設けられていることによって、前記課題を解決したものである。
【０００８】
なお、本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置は、仕分けトレイを備えて無端状に多数連結されたキャリッジを走行経路に沿ってリニアモータ方式、搬送チェーン方式などの駆動手段で循環駆動し、物品が載った仕分けトレイが指定された仕分け位置に移動してきたときに、その仕分けトレイを仕分け先毎に付設されている搬出シュートに向けて傾動させて物品を搬出することができる物品搬送ラインを構成するものであるが、仕分けトレーの有無、キャリッジの駆動方式、走行経路の形態などの如何に係わらず、物品搬送ラインから搬出シュートを介して物品を滑降搬出することができる物品搬送ラインであれば、これ以外の物品搬送ラインであっても良い。
【０００９】
また、本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置に設けられている物品回収シートと落下防止シートには、機台手前側と反対の機台内側においてそのシート端部にシート張力調整用ウエイトを吊り下げて張架状態を奏するように構成したウエイト機構や、シート端部に引っ張り込むように付勢するシート張力調整用スプリングを取り付けて張架状態を奏するように構成したスプリング機構を採用しているが、張架状態を奏することが可能であればこれら以外の機構であっても構わない。
【００１０】
【作用】
本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置は、上述したような特有の構成を備えていることによって、以下のような本発明に特有の作用を奏する。
まず、搬送ライン上から搬送されてくる衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから貯留テーブル上の回収ボックス内に向けて滑降放出させて直接に回収するようなシューティング形態を必要とする場合には、落下防止シートが、貯留テーブルの裏面手前側から引き出されて、回収ボックスを機台手前側から防壁状態で受け止め可能な回収ボックス落下防止位置に掛け換えられることによって、搬出シュートから滑降放出される偏平状物品の放出衝撃力で貯留テーブルからズレ落ちる可能性のある回収ボックスが貯留テーブル上の所定位置に確実に保持され、偏平状物品を漏れ無く回収する。
【００１１】
そして、搬送ライン上から搬送されてくる衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから貯留テーブルに向けて滑降放出させて貯留テーブル上に一時貯留し、その後で回収ボックス内に人手で回収するようなシューティング形態を必要とする場合などには、落下防止シートが、貯留テーブルの裏面手前側から引き出されて、貯留テーブル上から飛び出すことなく貯留テーブル上に一時貯留できる物品飛び出し防止位置に掛け換えられることによって、貯留テーブル上に貯留中の偏平状物品が後続して滑降放出してくる偏平状物品の玉突き作用を受けても貯留テーブル上に重なり合った状態で漏れ無く確実に貯留される。
【００１２】
また、搬送ライン上から搬送されてくる衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから連続的に延長滑降させて貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に放出させて直接に回収するようなシューティング形態を必要とする場合には、搬出シュートの放出端近傍から引き出された物品回収シートが、貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に放出回収できるシューティング延長位置に掛け換えられることによって、搬出シュートから滑降放出されてくる偏平状物品が貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に人手を介することなく確実に誘導して回収される。
【００１３】
さらに、搬送ライン上から搬送されてくる物品が日用品、雑貨品、玩具、菓子などを小箱に詰めた小箱状物品である場合には、搬出シュートの放出端近傍から引き出された物品回収シートが、小箱状物品を貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留することができる宙づり貯留状態形成位置に掛け換えられることによって、搬出シュートから加速滑降してきた小箱状物品に発生する運動エネルギーの水平成分のみが既に貯留されている小箱状物品に作用して制動され、相互の小箱状物品に生じる衝撃力を大幅に緩和する。これと同時に、小箱状物品に発生する運動エネルギーの垂直成分のみが物品回収シート側に重力負荷されて、物品回収シートがこれらの小箱状物品の総貯留重量に伴って次第に下方に湾曲して徐々に沈下する。その結果、これらの小箱状物品を馴染ませて安定した貯留状態となるようなシューティング形態が創出される。
【００１４】
したがって、本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置は、搬送ライン上から搬送されてくる物品の仕分け先毎に応じて上述したようなシューティング形態を任意に設定することができ、搬出シュートから滑降して放出されてくる物品が柔軟な偏平状物品と小箱状物品の何れの物品形態であっても対応できる。
【００１５】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。まず、図１は、本発明の一実施例であるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置の概略図であり、図２は、図１の平面図である。そして、図３は、柔軟な偏平状物品を貯留テーブル上の回収ボックス内に直接回収するための使用態様図であり、図４は、柔軟な偏平状物品を貯留テーブル上に一時貯留するための使用態様図であり、図５は、柔軟な偏平状物品を貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に直接回収するための使用態様図であり、図６は、小箱状物品を貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留するための使用態様図である。
【００１６】
そこで、図１および図２に示すように、本発明の一実施例であるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置（以下、「物品仕分け装置」と言う。）１００は、仕分けトレイ１２１を備えた多数のキャリッジ１２２を無端状に連結し、この無端状に連結された多数のキャリッジ１２２を、搬出シュート１３０を物品の品種あるいは仕分け先に応じて機台長手方向の両サイドに多数配置してなる搬送経路に沿ってリニアモータで循環駆動させることにより、仕分けトレイ１２１を走行させて該当する仕分け位置に移動してきたときに、その仕分けトレイ１２１を搬出シュート１３０に向けて傾動させて物品を搬出し、この搬出シュート１３０から搬出された物品を貯留テーブル１４０に向けて滑降放出させて仕分けるように構成したものである。
【００１７】
以下に詳しく説明すると、本実施例の物品仕分け装置１００は、機台上方の長手方向に沿って走行搬送する仕分けトレイ１２１と、この仕分けトレイ１２１から搬出した物品を滑降放出するために機台長手方向の両サイドに傾斜配置した搬出シュート１３０と、この搬出シュート１３０から滑降放出した物品を貯留回収するために機台長手方向の両サイドに設けたＬ字状断面の貯留テーブル１４０と、この機台長手方向に延びる貯留テーブル１４０の上部に創出される仕分け空間を搬出シュート１３０毎に区画する仕切り壁板１５０を備えている。
なお、前記Ｌ字状断面の貯留テーブル１４０は、その上端部１４１が搬出シュート１３０の放出端１３１近傍に隣接配置され、底部突出端１４２が通常折りコンなどと称する回収ボックスＢを支持するに足りる程度に機台手前側に突出して配置され、これらの間の屈曲端部１４３には後述する物品回収シート１６０の引き出し先端部１６１が退避するための退避凹所が形成されている。
【００１８】
そして、前記物品回収シート１６０は、機台手前側と反対の機台内側においてそのシート端部にシート張力調整用ウエイト１６２を吊り下げて張架状態を奏するように構成するとともに、搬出シュート１３０の放出端１３１近傍から引き出して、搬出シュート１３０から放出した物品を連続的に延長滑降させて貯留テーブル１４０の手前下に配置した回収ボックスＢ内に放出回収するシューティング延長位置と、前記搬出シュート１３０から放出した物品を制動して貯留テーブル１４０上で宙づり状態のまま一時貯留する宙づり貯留状態形成位置とに掛け換えできるように設けられている。
すなわち、前記物品回収シート１６０は、前述したシューティング延長位置で仕切り壁板１５０に設けたシューティング延長用係止部１５１と、前述した宙づり貯留状態形成位置で仕切り壁板１５０に設けた宙づり貯留用係止部１５２とに、掛止バー１６３を介してそれぞれ掛け換えられ、また、そのシート素材としては、厚手のデニム製布帛等の非伸縮性布帛やこのような非伸縮性布帛に樹脂、ゴム等を含浸もしくは積層して耐摩耗性、耐久性などを付加したものを採用している。
なお、図１における符号１６４は、物品回収シート１６０を機台内で屈曲させてレイアウト配置するためのフリーロールである。
【００１９】
本実施例の物品仕分け装置１００は、上述したような物品回収シート１６０を設けたことによって、搬送ライン上の仕分けトレイ１２１から搬送してくる物品が衣料品などの柔軟な偏平状物品Ｗ１であって搬出シュート１３０から連続的に延長滑降させて貯留テーブル１４０の手前下に配置した回収ボックスＢ内に回収するようなシューティング形態を必要とする場合には、物品回収シート１６０を、仕切り壁板１５０のシューティング延長用係止部１５１に掛け換えて、偏平状物品Ｗ１を貯留テーブル１４０の手前下に配置した回収ボックスＢ内に人手を介することなく確実に誘導して回収することができる。
【００２０】
また、搬送ライン上の仕分けトレイ１２１から搬送してくる物品が日用品、雑貨品、玩具、菓子などを小箱に詰めた小箱状物品Ｗ２である場合には、物品回収シート１６０を、仕切り壁板１５０の宙づり貯留用係止部１５２に掛け換えて、小箱状物品Ｗ２を貯留テーブル１４０上で宙づり状態のまま一時貯留することができる。
このとき、物品回収シート１６０は、搬出シュート１３０から滑降放出された物品に発生する運動エネルギーＶを水平方向の速度成分Ｖａと垂直方向の速度成分Ｖｂとに分解し、既に貯留されている物品に対する衝撃力をその水平方向の速度成分Ｖａのみに低減することができるので、搬出シュート１３０から順次滑降放出される物品を緩衝状態で停止貯留させることができ、また、小箱状物品Ｗ２に発生する運動エネルギーの垂直方向の速度成分Ｖｂのみが重力負荷されて、物品回収シート１６０がこれらの小箱状物品Ｗ２の総貯留重量に伴って次第に下方に湾曲して徐々に沈下しながら、小箱状物品Ｗ２を馴染ませて安定した貯留状態となるようなシューティング形態を創出することができる。
【００２１】
さらに、本実施例の物品仕分け装置１００には、落下防止シート１７０が設けられており、この落下防止シート１７０は、機台手前側と反対の機台内側においてそのシート端部にシート張力調整用ウエイト１７１を吊り下げて張架状態を奏するように構成するとともに、貯留テーブル１４０の裏面手前側から引き出して、貯留テーブル１４０上の回収ボックスＢを機台手前側から防壁状態で受け止める回収ボックス落下防止位置と、前記搬出シュート１３０から放出された物品を貯留テーブル１４０上から飛び出すことなく貯留テーブル１４０上に一時貯留する物品飛び出し防止位置とに掛け換えできるように設けられている。
すなわち、前記落下防止シート１７０は、前述した回収ボックス落下防止位置で仕切り壁板１５０に設けた回収ボックス落下防止用係止部１５３と、前述した物品飛び出し防止位置で仕切り壁板１５０に設けた物品飛び出し防止用係止部１５４とに、掛止バー１７２を介してそれぞれ掛け換えられ、また、そのシート素材としては、例えば、塩化ビニールなどの非伸縮性シートを採用している。
なお、図１における符号１７３は、落下防止シート１７０を機台内で屈曲させてレイアウト配置するためのフリーロールである。
【００２２】
本実施例の物品仕分け装置１００は、上述したような落下防止シート１７０を設けたことによって、搬送ライン上の仕分けトレイ１２１から搬送してくる物品が衣料品などの柔軟な偏平状物品Ｗ１であって搬出シュート１３０から貯留テーブル１４０上の回収ボックスＢ内に回収するようなシューティング形態を必要とする場合には、落下防止シート１７０を、仕切り壁板１５０の回収ボックス落下防止用係止部１５３に掛け換えて、回収ボックスＢを貯留テーブル１４０上の所定位置に確実に保持し、偏平状物品Ｗ１を人手を介することなく確実に誘導して漏れ無く回収することができる。
【００２３】
また、搬送ライン上の仕分けトレイ１２１から搬送してくる物品が衣料品などの柔軟な偏平状物品Ｗ１であって搬出シュート１３０から貯留テーブル１４０に向けて滑降放出させて貯留テーブル１４０上に一時貯留し、その後で回収ボックスＢ内に人手で回収するようなシューティング形態を必要とする場合などには、落下防止シート１７０を、仕切り壁板１５０の物品飛び出し防止用係止部１５４に掛け換えて、貯留テーブル１４０上に貯留中の偏平状物品Ｗ１が、後続して滑降放出してくる偏平状物品Ｗ１の玉突き作用を受けても貯留テーブル１４０上に重なり合った状態で漏れ無く確実に貯留することができる。
【００２４】
このようにして得られた本実施例のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置１００は、搬出シュート１３０から滑降放出されてくる物品が柔軟な偏平状物品Ｗ１と小箱状物品Ｗ２の何れの物品形態であっても、搬送ライン上から搬送されてくる物品形態に応じて搬出シュート１３０毎にシューティング形態を設定変更することができるため、仕分けパターンの多様化を実現でき、高度な仕分け作業を簡便に達成することができるなど、その効果は甚大である。
【００２５】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置は、上述したような特有の構成を備えていることによって、以下のような効果を奏することができる。すなわち、
（１）貯留テーブル上の回収ボックスを機台手前側から防壁状態で受け止める回収ボックス落下防止位置と、搬出シュートから放出された物品を貯留テーブル上に一時貯留する物品飛び出し防止位置とに掛け換え可能な落下防止シートが設けられていることによって、衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから貯留テーブル上の回収ボックス内に人手を介することなく直接回収する場合には、貯留テーブル上の所定位置に回収ボックスを確実に保持した状態で偏平状物品を漏れ無く回収することができるので、偏平状物品の移し換え際の作業労力を軽減することができ、また、衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから貯留テーブルに向けて滑降放出させて貯留テーブル上に一時貯留した後に回収ボックス内に人手で回収する場合には、貯留テーブル上に貯留中の偏平状物品が後続して滑降放出してくる偏平状物品の玉突き作用を受けても、これらの偏平状物品を貯留テーブル上に重なり合った状態で漏れ無く確実に貯留することができる。
【００２６】
（２）搬出シュートから放出された物品を貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内まで延長滑降させるシューティング延長位置と、貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留する宙づり貯留状態形成位置とに掛け換え可能な物品回収シートが設けられていることによって、衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから連続的に延長滑降させて貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に直接回収する場合には、偏平状物品が貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に人手を介することなく確実に誘導して回収することができるので、物品の移し換えの際の作業労力を軽減することができ、また、搬送ライン上から搬送されてくる物品が日用品、雑貨品、玩具、菓子などを小箱に詰めた小箱状物品である場合には、貯留テーブル上で相互の小箱状物品に生じる衝撃力を大幅に緩和して常に安定した宙づり状態のまま一時的に貯留していくことができる。
【００２７】
（３）上述したような落下防止シートと物品回収シートが設けられていることによって、搬出シュートから滑降放出されてくる物品が柔軟な偏平状物品と小箱状物品の何れの物品形態であっても、搬送ライン上から搬送されてくる物品形態に応じて搬出シュート毎にシューティング形態を設定変更することができるため、仕分けパターンの多様化を実現でき、高度な仕分け作業を簡便に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例であるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置の概略図。
【図２】図１の平面図。
【図３】柔軟な偏平状物品を貯留テーブル上の回収ボックス内に直接回収するための使用態様図。
【図４】柔軟な偏平状物品を貯留テーブル上に一時貯留するための使用態様図。
【図５】柔軟な偏平状物品を貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に直接回収するための使用態様図。
【図６】小箱状物品を貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留するための使用態様図。
【符号の説明】
１００ ・・・ シューティング形態可変機構付き物品仕分け装置
１２１ ・・・ 仕分けトレイ
１２２ ・・・ キャリッジ
１３０ ・・・ 搬出シュート
１３１ ・・・ 放出端
１４０ ・・・ 貯留テーブル
１４１ ・・・ 上端部
１４２ ・・・ 底部突出端
１４３ ・・・ 屈曲端部
１５０ ・・・ 仕切り壁板
１５１ ・・・ シューティング延長用係止部
１５２ ・・・ 宙づり貯留用係止部
１５３ ・・・ 回収ボックス落下防止用係止部
１５４ ・・・ 物品飛び出し防止用係止部
１６０ ・・・ 物品回収シート
１６１ ・・・ 引き出し先端部
１６２ ・・・ シート張力調整用ウエイト
１６３ ・・・ 掛止バー
１６４ ・・・ フリーロール
１７０ ・・・ シート張力調整用ウエイト
１７１ ・・・ シート張力調整用ウエイト
１７２ ・・・ 掛止バー
１７３ ・・・ フリーロール
Ｗ ・・・ 物品
Ｗ１ ・・・ 偏平状物品
Ｗ２ ・・・ 小箱状物品
Ｂ ・・・ 回収ボックス
Ｖ ・・・ 滑降放出された物品に発生する運動エネルギー
Ｖａ ・・・ 水平方向の速度成分
Ｖｂ ・・・ 垂直方向の速度成分
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送ライン上から搬送されてくる物品を品種毎あるいは仕分け先毎に応じて配置した搬出シュートから順次滑降放出させて仕分ける物品仕分け装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の物品仕分け装置としては、搬送経路の搬出シュート３０から順次滑降放出される物品を搬出シュート３０の放出端３１から水平方向に張架した柔軟な非伸縮性シート１１によって緩衝停止させて一時貯留する搬出シュート用物品貯留装置１０がある（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−２２０００６号公報（第２−５頁、図１−図５）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような従来の搬出シュート用物品貯留装置１０は、日用品、雑貨品、玩具、菓子などを小箱に詰めた小箱状物品に適用することを前提としたものであって、これらの小箱状物品の場合には柔軟な非伸縮性シート１１により搬出シュート３０から滑降放出された小箱状物品の型崩れ、破損などを抑止して、物品重量の大小に係わらず常に安定した状態で貯留することができるが、衣料品などの柔軟な偏平状物品の場合には型崩れした状態で貯留され、折コンなどと称する回収ボックスへの移し替え作業に多大な労力と手間を要するため、これと仕分け方式の異なる別途の物品仕分け装置で取り扱わなければならず、種々の物品形態に対応できないという取り扱い上の厄介な問題があった。
【０００５】
また、従来の搬出シュート用物品貯留装置１０は、柔軟な非伸縮性シート１１により貯留する方式のみを採用していることによって、搬送ライン上で搬送されて仕分け先毎に応じて配置した搬出シュート３０から順次滑降放出させて仕分ける物品が上述したような小箱状物品に限定されるため、例えば、同一搬送ライン上で柔軟な偏平状物品と小箱状物品２の両方を取り扱うことができない、あるいは、品種毎あるいは仕分け先毎に応じて配置した搬出シュート毎に非伸縮性シート１１または回収ボックスに貯留することを選択できないなど、シューティング形態上の汎用性にも欠けているという問題があった。
【０００６】
そこで、本発明の目的は、このような従来技術における問題を解決し、搬送ライン上から搬送されてくる物品形態に応じて搬出シュート毎にシューティング形態を設定変更して仕分けパターンの多様化を実現でき、柔軟な偏平状物品と小箱状物品の何れでもあっても高度な仕分け作業を簡便に達成できるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、搬送ライン上から搬送されてくる物品を品種毎あるいは仕分け先毎に応じて配置した搬出シュートから貯留テーブルに向けて順次滑降放出させて仕分けるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置において、前記搬出シュートの放出端近傍から引き出されて、前記搬出シュートから放出された物品を連続的に延長滑降させて貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に放出回収するシューティング延長位置と、前記搬出シュートから放出された物品を制動して貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留する宙づり貯留状態形成位置とに掛け換え可能な物品回収シートが設けられているとともに、前記貯留テーブルの裏面手前側から引き出されて、前記搬出シュートから放出された物品を直接回収している貯留テーブル上の回収ボックスを機台手前側から防壁状態で受け止める回収ボックス落下防止位置と、前記搬出シュートから放出された物品を貯留テーブル上から飛び出すことなく貯留テーブル上に一時貯留する物品飛び出し防止位置とに掛け換え可能な落下防止シートが設けられていることによって、前記課題を解決したものである。
【０００８】
なお、本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置は、仕分けトレイを備えて無端状に多数連結されたキャリッジを走行経路に沿ってリニアモータ方式、搬送チェーン方式などの駆動手段で循環駆動し、物品が載った仕分けトレイが指定された仕分け位置に移動してきたときに、その仕分けトレイを仕分け先毎に付設されている搬出シュートに向けて傾動させて物品を搬出することができる物品搬送ラインを構成するものであるが、仕分けトレーの有無、キャリッジの駆動方式、走行経路の形態などの如何に係わらず、物品搬送ラインから搬出シュートを介して物品を滑降搬出することができる物品搬送ラインであれば、これ以外の物品搬送ラインであっても良い。
【０００９】
また、本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置に設けられている物品回収シートと落下防止シートには、機台手前側と反対の機台内側においてそのシート端部にシート張力調整用ウエイトを吊り下げて張架状態を奏するように構成したウエイト機構や、シート端部に引っ張り込むように付勢するシート張力調整用スプリングを取り付けて張架状態を奏するように構成したスプリング機構を採用しているが、張架状態を奏することが可能であればこれら以外の機構であっても構わない。
【００１０】
【作用】
本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置は、上述したような特有の構成を備えていることによって、以下のような本発明に特有の作用を奏する。
まず、搬送ライン上から搬送されてくる衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから貯留テーブル上の回収ボックス内に向けて滑降放出させて直接に回収するようなシューティング形態を必要とする場合には、落下防止シートが、貯留テーブルの裏面手前側から引き出されて、回収ボックスを機台手前側から防壁状態で受け止め可能な回収ボックス落下防止位置に掛け換えられることによって、搬出シュートから滑降放出される偏平状物品の放出衝撃力で貯留テーブルからズレ落ちる可能性のある回収ボックスが貯留テーブル上の所定位置に確実に保持され、偏平状物品を漏れ無く回収する。
【００１１】
そして、搬送ライン上から搬送されてくる衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから貯留テーブルに向けて滑降放出させて貯留テーブル上に一時貯留し、その後で回収ボックス内に人手で回収するようなシューティング形態を必要とする場合などには、落下防止シートが、貯留テーブルの裏面手前側から引き出されて、貯留テーブル上から飛び出すことなく貯留テーブル上に一時貯留できる物品飛び出し防止位置に掛け換えられることによって、貯留テーブル上に貯留中の偏平状物品が後続して滑降放出してくる偏平状物品の玉突き作用を受けても貯留テーブル上に重なり合った状態で漏れ無く確実に貯留される。
【００１２】
また、搬送ライン上から搬送されてくる衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから連続的に延長滑降させて貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に放出させて直接に回収するようなシューティング形態を必要とする場合には、搬出シュートの放出端近傍から引き出された物品回収シートが、貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に放出回収できるシューティング延長位置に掛け換えられることによって、搬出シュートから滑降放出されてくる偏平状物品が貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に人手を介することなく確実に誘導して回収される。
【００１３】
さらに、搬送ライン上から搬送されてくる物品が日用品、雑貨品、玩具、菓子などを小箱に詰めた小箱状物品である場合には、搬出シュートの放出端近傍から引き出された物品回収シートが、小箱状物品を貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留することができる宙づり貯留状態形成位置に掛け換えられることによって、搬出シュートから加速滑降してきた小箱状物品に発生する運動エネルギーの水平成分のみが既に貯留されている小箱状物品に作用して制動され、相互の小箱状物品に生じる衝撃力を大幅に緩和する。これと同時に、小箱状物品に発生する運動エネルギーの垂直成分のみが物品回収シート側に重力負荷されて、物品回収シートがこれらの小箱状物品の総貯留重量に伴って次第に下方に湾曲して徐々に沈下する。その結果、これらの小箱状物品を馴染ませて安定した貯留状態となるようなシューティング形態が創出される。
【００１４】
したがって、本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置は、搬送ライン上から搬送されてくる物品の仕分け先毎に応じて上述したようなシューティング形態を任意に設定することができ、搬出シュートから滑降して放出されてくる物品が柔軟な偏平状物品と小箱状物品の何れの物品形態であっても対応できる。
【００１５】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。まず、図１は、本発明の一実施例であるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置の概略図であり、図２は、図１の平面図である。そして、図３は、柔軟な偏平状物品を貯留テーブル上の回収ボックス内に直接回収するための使用態様図であり、図４は、柔軟な偏平状物品を貯留テーブル上に一時貯留するための使用態様図であり、図５は、柔軟な偏平状物品を貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に直接回収するための使用態様図であり、図６は、小箱状物品を貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留するための使用態様図である。
【００１６】
そこで、図１および図２に示すように、本発明の一実施例であるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置（以下、「物品仕分け装置」と言う。）１００は、仕分けトレイ１２１を備えた多数のキャリッジ１２２を無端状に連結し、この無端状に連結された多数のキャリッジ１２２を、搬出シュート１３０を物品の品種あるいは仕分け先に応じて機台長手方向の両サイドに多数配置してなる搬送経路に沿ってリニアモータで循環駆動させることにより、仕分けトレイ１２１を走行させて該当する仕分け位置に移動してきたときに、その仕分けトレイ１２１を搬出シュート１３０に向けて傾動させて物品を搬出し、この搬出シュート１３０から搬出された物品を貯留テーブル１４０に向けて滑降放出させて仕分けるように構成したものである。
【００１７】
以下に詳しく説明すると、本実施例の物品仕分け装置１００は、機台上方の長手方向に沿って走行搬送する仕分けトレイ１２１と、この仕分けトレイ１２１から搬出した物品を滑降放出するために機台長手方向の両サイドに傾斜配置した搬出シュート１３０と、この搬出シュート１３０から滑降放出した物品を貯留回収するために機台長手方向の両サイドに設けたＬ字状断面の貯留テーブル１４０と、この機台長手方向に延びる貯留テーブル１４０の上部に創出される仕分け空間を搬出シュート１３０毎に区画する仕切り壁板１５０を備えている。
なお、前記Ｌ字状断面の貯留テーブル１４０は、その上端部１４１が搬出シュート１３０の放出端１３１近傍に隣接配置され、底部突出端１４２が通常折りコンなどと称する回収ボックスＢを支持するに足りる程度に機台手前側に突出して配置され、これらの間の屈曲端部１４３には後述する物品回収シート１６０の引き出し先端部１６１が退避するための退避凹所が形成されている。
【００１８】
そして、前記物品回収シート１６０は、機台手前側と反対の機台内側においてそのシート端部にシート張力調整用ウエイト１６２を吊り下げて張架状態を奏するように構成するとともに、搬出シュート１３０の放出端１３１近傍から引き出して、搬出シュート１３０から放出した物品を連続的に延長滑降させて貯留テーブル１４０の手前下に配置した回収ボックスＢ内に放出回収するシューティング延長位置と、前記搬出シュート１３０から放出した物品を制動して貯留テーブル１４０上で宙づり状態のまま一時貯留する宙づり貯留状態形成位置とに掛け換えできるように設けられている。
すなわち、前記物品回収シート１６０は、前述したシューティング延長位置で仕切り壁板１５０に設けたシューティング延長用係止部１５１と、前述した宙づり貯留状態形成位置で仕切り壁板１５０に設けた宙づり貯留用係止部１５２とに、掛止バー１６３を介してそれぞれ掛け換えられ、また、そのシート素材としては、厚手のデニム製布帛等の非伸縮性布帛やこのような非伸縮性布帛に樹脂、ゴム等を含浸もしくは積層して耐摩耗性、耐久性などを付加したものを採用している。
なお、図１における符号１６４は、物品回収シート１６０を機台内で屈曲させてレイアウト配置するためのフリーロールである。
【００１９】
本実施例の物品仕分け装置１００は、上述したような物品回収シート１６０を設けたことによって、搬送ライン上の仕分けトレイ１２１から搬送してくる物品が衣料品などの柔軟な偏平状物品Ｗ１であって搬出シュート１３０から連続的に延長滑降させて貯留テーブル１４０の手前下に配置した回収ボックスＢ内に回収するようなシューティング形態を必要とする場合には、物品回収シート１６０を、仕切り壁板１５０のシューティング延長用係止部１５１に掛け換えて、偏平状物品Ｗ１を貯留テーブル１４０の手前下に配置した回収ボックスＢ内に人手を介することなく確実に誘導して回収することができる。
【００２０】
また、搬送ライン上の仕分けトレイ１２１から搬送してくる物品が日用品、雑貨品、玩具、菓子などを小箱に詰めた小箱状物品Ｗ２である場合には、物品回収シート１６０を、仕切り壁板１５０の宙づり貯留用係止部１５２に掛け換えて、小箱状物品Ｗ２を貯留テーブル１４０上で宙づり状態のまま一時貯留することができる。
このとき、物品回収シート１６０は、搬出シュート１３０から滑降放出された物品に発生する運動エネルギーＶを水平方向の速度成分Ｖａと垂直方向の速度成分Ｖｂとに分解し、既に貯留されている物品に対する衝撃力をその水平方向の速度成分Ｖａのみに低減することができるので、搬出シュート１３０から順次滑降放出される物品を緩衝状態で停止貯留させることができ、また、小箱状物品Ｗ２に発生する運動エネルギーの垂直方向の速度成分Ｖｂのみが重力負荷されて、物品回収シート１６０がこれらの小箱状物品Ｗ２の総貯留重量に伴って次第に下方に湾曲して徐々に沈下しながら、小箱状物品Ｗ２を馴染ませて安定した貯留状態となるようなシューティング形態を創出することができる。
【００２１】
さらに、本実施例の物品仕分け装置１００には、落下防止シート１７０が設けられており、この落下防止シート１７０は、機台手前側と反対の機台内側においてそのシート端部にシート張力調整用ウエイト１７１を吊り下げて張架状態を奏するように構成するとともに、貯留テーブル１４０の裏面手前側から引き出して、貯留テーブル１４０上の回収ボックスＢを機台手前側から防壁状態で受け止める回収ボックス落下防止位置と、前記搬出シュート１３０から放出された物品を貯留テーブル１４０上から飛び出すことなく貯留テーブル１４０上に一時貯留する物品飛び出し防止位置とに掛け換えできるように設けられている。
すなわち、前記落下防止シート１７０は、前述した回収ボックス落下防止位置で仕切り壁板１５０に設けた回収ボックス落下防止用係止部１５３と、前述した物品飛び出し防止位置で仕切り壁板１５０に設けた物品飛び出し防止用係止部１５４とに、掛止バー１７２を介してそれぞれ掛け換えられ、また、そのシート素材としては、例えば、塩化ビニールなどの非伸縮性シートを採用している。
なお、図１における符号１７３は、落下防止シート１７０を機台内で屈曲させてレイアウト配置するためのフリーロールである。
【００２２】
本実施例の物品仕分け装置１００は、上述したような落下防止シート１７０を設けたことによって、搬送ライン上の仕分けトレイ１２１から搬送してくる物品が衣料品などの柔軟な偏平状物品Ｗ１であって搬出シュート１３０から貯留テーブル１４０上の回収ボックスＢ内に回収するようなシューティング形態を必要とする場合には、落下防止シート１７０を、仕切り壁板１５０の回収ボックス落下防止用係止部１５３に掛け換えて、回収ボックスＢを貯留テーブル１４０上の所定位置に確実に保持し、偏平状物品Ｗ１を人手を介することなく確実に誘導して漏れ無く回収することができる。
【００２３】
また、搬送ライン上の仕分けトレイ１２１から搬送してくる物品が衣料品などの柔軟な偏平状物品Ｗ１であって搬出シュート１３０から貯留テーブル１４０に向けて滑降放出させて貯留テーブル１４０上に一時貯留し、その後で回収ボックスＢ内に人手で回収するようなシューティング形態を必要とする場合などには、落下防止シート１７０を、仕切り壁板１５０の物品飛び出し防止用係止部１５４に掛け換えて、貯留テーブル１４０上に貯留中の偏平状物品Ｗ１が、後続して滑降放出してくる偏平状物品Ｗ１の玉突き作用を受けても貯留テーブル１４０上に重なり合った状態で漏れ無く確実に貯留することができる。
【００２４】
このようにして得られた本実施例のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置１００は、搬出シュート１３０から滑降放出されてくる物品が柔軟な偏平状物品Ｗ１と小箱状物品Ｗ２の何れの物品形態であっても、搬送ライン上から搬送されてくる物品形態に応じて搬出シュート１３０毎にシューティング形態を設定変更することができるため、仕分けパターンの多様化を実現でき、高度な仕分け作業を簡便に達成することができるなど、その効果は甚大である。
【００２５】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置は、上述したような特有の構成を備えていることによって、以下のような効果を奏することができる。すなわち、
（１）貯留テーブル上の回収ボックスを機台手前側から防壁状態で受け止める回収ボックス落下防止位置と、搬出シュートから放出された物品を貯留テーブル上に一時貯留する物品飛び出し防止位置とに掛け換え可能な落下防止シートが設けられていることによって、衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから貯留テーブル上の回収ボックス内に人手を介することなく直接回収する場合には、貯留テーブル上の所定位置に回収ボックスを確実に保持した状態で偏平状物品を漏れ無く回収することができるので、偏平状物品の移し換え際の作業労力を軽減することができ、また、衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから貯留テーブルに向けて滑降放出させて貯留テーブル上に一時貯留した後に回収ボックス内に人手で回収する場合には、貯留テーブル上に貯留中の偏平状物品が後続して滑降放出してくる偏平状物品の玉突き作用を受けても、これらの偏平状物品を貯留テーブル上に重なり合った状態で漏れ無く確実に貯留することができる。
【００２６】
（２）搬出シュートから放出された物品を貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内まで延長滑降させるシューティング延長位置と、貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留する宙づり貯留状態形成位置とに掛け換え可能な物品回収シートが設けられていることによって、衣料品などの柔軟な偏平状物品を搬出シュートから連続的に延長滑降させて貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に直接回収する場合には、偏平状物品が貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に人手を介することなく確実に誘導して回収することができるので、物品の移し換えの際の作業労力を軽減することができ、また、搬送ライン上から搬送されてくる物品が日用品、雑貨品、玩具、菓子などを小箱に詰めた小箱状物品である場合には、貯留テーブル上で相互の小箱状物品に生じる衝撃力を大幅に緩和して常に安定した宙づり状態のまま一時的に貯留していくことができる。
【００２７】
（３）上述したような落下防止シートと物品回収シートが設けられていることによって、搬出シュートから滑降放出されてくる物品が柔軟な偏平状物品と小箱状物品の何れの物品形態であっても、搬送ライン上から搬送されてくる物品形態に応じて搬出シュート毎にシューティング形態を設定変更することができるため、仕分けパターンの多様化を実現でき、高度な仕分け作業を簡便に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例であるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置の概略図。
【図２】図１の平面図。
【図３】柔軟な偏平状物品を貯留テーブル上の回収ボックス内に直接回収するための使用態様図。
【図４】柔軟な偏平状物品を貯留テーブル上に一時貯留するための使用態様図。
【図５】柔軟な偏平状物品を貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に直接回収するための使用態様図。
【図６】小箱状物品を貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留するための使用態様図。
【符号の説明】
１００ ・・・ シューティング形態可変機構付き物品仕分け装置
１２１ ・・・ 仕分けトレイ
１２２ ・・・ キャリッジ
１３０ ・・・ 搬出シュート
１３１ ・・・ 放出端
１４０ ・・・ 貯留テーブル
１４１ ・・・ 上端部
１４２ ・・・ 底部突出端
１４３ ・・・ 屈曲端部
１５０ ・・・ 仕切り壁板
１５１ ・・・ シューティング延長用係止部
１５２ ・・・ 宙づり貯留用係止部
１５３ ・・・ 回収ボックス落下防止用係止部
１５４ ・・・ 物品飛び出し防止用係止部
１６０ ・・・ 物品回収シート
１６１ ・・・ 引き出し先端部
１６２ ・・・ シート張力調整用ウエイト
１６３ ・・・ 掛止バー
１６４ ・・・ フリーロール
１７０ ・・・ シート張力調整用ウエイト
１７１ ・・・ シート張力調整用ウエイト
１７２ ・・・ 掛止バー
１７３ ・・・ フリーロール
Ｗ ・・・ 物品
Ｗ１ ・・・ 偏平状物品
Ｗ２ ・・・ 小箱状物品
Ｂ ・・・ 回収ボックス
Ｖ ・・・ 滑降放出された物品に発生する運動エネルギー
Ｖａ ・・・ 水平方向の速度成分
Ｖｂ ・・・ 垂直方向の速度成分
Claims (1)
- 搬送ライン上から搬送されてくる物品を品種毎あるいは仕分け先毎に応じて配置した搬出シュートから貯留テーブルに向けて順次滑降放出させて仕分けるシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置において、
前記搬出シュートの放出端近傍から引き出されて、前記搬出シュートから放出された物品を連続的に延長滑降させて貯留テーブルの手前下に配置した回収ボックス内に放出回収するシューティング延長位置と、前記搬出シュートから放出された物品を制動して貯留テーブル上で宙づり状態のまま一時貯留する宙づり貯留状態形成位置とに掛け換え可能な物品回収シートが設けられているとともに、
前記貯留テーブルの裏面手前側から引き出されて、前記搬出シュートから放出された物品を直接回収している貯留テーブル上の回収ボックスを機台手前側から防壁状態で受け止める回収ボックス落下防止位置と、前記搬出シュートから放出された物品を貯留テーブル上から飛び出すことなく貯留テーブル上に一時貯留する物品飛び出し防止位置とに掛け換え可能な落下防止シートが設けられていることを特徴とするシューティング形態可変機構付き物品仕分け装置。
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