JP2004184132A - 水質分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間酸化剤の再調整、交換を要しない水質分析装置を得る。
【解決手段】マイクロシリンジ22内に試料水、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液3を吸引し、その混合液を酸化反応部5の反応槽51内に移送し、加熱下の紫外線照射で試料水中のリン化合物をオルトリン酸まで酸化分解する。マイクロシリンジ22内に酸化分解され試料水、NaOH 10、モリブデン酸アンモニウム溶液8、L−アスコルビン酸溶液9を吸引し、発色反応後の試料水を測定セル61に移送し、波長880nmのオルトリン酸の吸光度を測定し、TP濃度を求める。試料水等の吸引、計量、送液は、試料注入機構20で行なう。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場や事業所などから出る排水や、水質汚濁の深刻な河川や湖沼、海水などの環境水に含まれる微量のリン化合物(TP)、有機汚濁物(TOC)などの濃度を測定する水質分析方法およびその装置、特に、紫外線を照射して試料水中の化合物を酸化分解する光化学酸化法による水質分析方法およびその装置に関にする。
【0002】
【従来の技術】
我が国においては水中のリン化合物の分析方法は、JISのK0102や環境庁告示140号によって公的に規格化されている。
水中のリン化合物はリン酸イオン、加水分解性リン、又は有機態リンとして存在している。全リン(TP)測定では中性状態でペルオキソ二硫酸カリウム溶液を酸化剤として添加し、120℃で30分間加熱することによって全てのリン化合物をリン酸イオンに酸化分解する。リン酸イオンは特有の光吸収を持たないので、リン酸イオンを測定するには、冷却後に発色剤としてモリブデン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液を添加して発色させ、波長880nmでの吸光度を測定している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)の添加された水を加熱する酸化分解方法では、水の沸点以上の120℃というような高温に加熱するため、耐圧構造の反応釜を必要とし、酸化分解槽の構造や操作が複雑になり、高価格になるという問題があることから、酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)と硫酸の添加された試料水に加熱条件下で紫外線を照射して酸化分解させてリン化合物をオルトリン酸に変化させた後、発色剤を添加してモリブデン青を発生させ、吸光度を測定して全リンを測定するようにした高温加熱を必要としない紫外線酸化分解(光化学酸化分解)方法による全リン測定する水質測定方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3237400号公報(第3欄36〜47行)
【特許文献2】
特開平9−203732号公報(第2欄18〜48行)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高温加熱を必要としない紫外線の照射による紫外線酸化分解法による水質測定方法では、試料水の酸化分解(反応)に酸化剤の添加を必要とする。
酸化剤としては、一般に、過硫酸塩や過酸化水素溶液などの水溶性酸化試薬、通常、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液が用いられるが、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液は消耗品であり、次の問題がある。
すなわち、試料水の酸化反応の促進に使用する酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)は、他の溶液(試薬)と比べて、溶液状態では自己分解を起こし時間経過に伴い酸化能力が劣化し酸化剤としての機能を失うために長期保存ができないことから、容器に収容されて結晶状態の酸化剤を調製し、新しく調整した酸化剤溶液と約2〜3週間毎に交換する必要がある。
また、酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)の自己分解速度は、周囲温度等の使用環境によって異なるが、酸化剤の定期的な調製・交換は、通常、安全を見越して早め(約2週間毎)に行っていた。
【0006】
このように、安全を見越しての早めの酸化剤の定期的な交換は、調製、交換作業を頻繁に行う必要があり、その作業が面倒で時間を要することから、分析効率が低下すると共に、酸化剤としてのペルオキソ二硫酸カリウムは高価であり、また、酸化剤は消耗するため頻繁に補充しなければならず、分析装置のランニングコストが高くなり、また、長時間の連続分析に不向きであるという問題がある。また、酸化剤としてペルオキソ二硫酸カリウムを添加して酸化分解し、全有機炭素(TOC)濃度を測定する場合にあっても酸化剤の調製・交換を要し、同様の問題が生ずる。
さらに、酸化剤の早めの交換は、未だ酸化能力が劣化しておらず酸化剤として機能する高価な酸化剤を破棄することになり、有効な資源の無駄にし、また、環境汚染にも繋がることになる。
【0007】
本発明は、上記に鑑み、高価で貴重な酸化剤の定期的な調整、交換を必要としない、メンテナンス性に優れた水質分析方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明の水質分析装置では、加熱条件下で紫外線を照射して酸化剤の添加された試料水中の測定対象成分を酸化分解し、酸化分解で生成された酸化生成物を測定することで試料中の測定対象成分を測定する水質分析方法および装置であって、試料水に添加する酸化剤が酸性酸化剤(溶液)であることを特徴としている。
また、酸化剤の添加された試料水の酸化分解を、紫外線照射による光化学分解法であることが好ましく、また、酸性酸化剤が、硫酸とペルオキソ二硫酸カリウムの混合溶液である硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液であることが好ましい。
【0009】
なお、測定対象成分が全リン(TP)である水質分析装置(TP計)では、酸性酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)の添加された試料水に加熱下で紫外線を照射して酸化分解してリン化合物をオルトリン酸にまで変化させ、オルトリン酸に変化された試料水に発色剤が添加されて発色反応後のリン酸イオンによる880nmの吸光度を測定する。
また、測定対象成分が有機汚濁物(TOC)である水質分析方法および装置(TOC計)では、酸性酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)の添加された試料水に加熱下で紫外線を照射して酸化分解し、発生した二酸化炭素(CO)を非分散型赤外線ガス分析計(NDIR)で測定、ないし、酸化された試料水の導電率計で測定する。
【0010】
このような構成によれば、酸化分解の促進に用いる酸化剤が硫酸とペルオキソ二硫酸カリウムを混合した硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液であるので、自己分解がある期間で停止し、酸化剤としての機能を長期間維持するので、短期間の定期的な酸化剤の再調整、交換を要しないメンテナンス性に優れた水質分析方法および装置が得られる。
なお、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液が酸化機能を長期間維持するのは、次のように推察される。
すなわち、ペルオキソ二硫酸カリウムは自己分解して硫酸と硫酸カリウムとなるが、硫酸濃度が高いと、次の反応が起こって分解方向への平衡がとまり、ペルオキソ二硫酸カリウムの自己分解が平衡状態となる。
Figure 2004184132
【0011】
また、測定(分析)に支障がない酸化能力を有しているにも係わらず酸化剤を定期的に交換・廃棄していた従来のこの種の装置に比し、資源の有効使用が図れる共に、環境汚染を引き起こさない水質分析方法および装置が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に沿って説明する。
図1は、本発明が適用される一例としての全燐(TP)計としての水質分析装置の概略構成図である。
図の構成において、オーバーフロー形容器1内を連続して流れる環境水などの試料水の一部を採取して分析部に導くために、該容器1に設けられている採水管2が、試料注入機構20の8ポートバルブの1つのポートに接続されている。
試料注入機構20は,8ポートバルブ21とそれに接続されたマイクロシリンジ22で構成されており、マイクロシリンジ22はポートバルブ21のいずれのポートとも接続されるようになっている。
【0013】
8ポートバルブ21のそれぞれのポートには、試料用流路の採水管2の他、硫酸とペルオキソ二硫酸カリウムを混合した硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液の酸性酸化剤3につながる流路、希釈(ブランク)水4につながる流路、酸化分解部5につながる流路、測定部としての試料水の吸光度を測定する吸光度測定部6につながる流路、3方弁7を介して発色剤としてのモリブデン酸アンモニウム溶液8とL−アスコルビン酸溶液9につながる流路、ph値を調整するために添加する酸(水酸化ナトリウム:NaOH)10につながる流路、校正用の標準液(スパン液)11につながる流路などがそれぞれ接続されている。
【0014】
酸化分解部5は、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液の酸性酸化剤の添加された試料水に紫外線を照射して酸化分解させるもので、図2に示すように酸化分解(酸化反応)槽51と該反応槽51内に配置された紫外線を照射する紫外線源としての低圧水銀灯52と、それの同図で省略されて図1に示されている電源53と、反応槽51を温度制御するヒータ54と、ヒータ54を制御する不図示の温度制御手段と、反応槽51内に酸素ガス源としての空気を供給するポンプ55とで構成されていている。
【0015】
酸化分解槽51に供給された酸性酸化剤(硫酸+ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)の添加された試料水に低圧水銀灯52よりの紫外線照射により酸化分解し、試料水中のリン化合物をオルトリン酸まで変化させる。
吸光度測定部6の出力は、制御・データ処理部12に接続されており、制御・データ処理部12は、吸光度測定部6の出力を処理してTP濃度を求めたり、8ポートバルブ21及びマイクロシリンジ22の動作を制御する。
なお、制御・データ処理部12には、表示部13や不図示のキーボード、レコーダ等が接続されている。
【0016】
次に、試料水中の全リン(TP)濃度を測定する手順を説明する。
先ず、TPの測定では、制御・データ処理部12の制御のもとにマイクロシリンジ22が採水管2の流路に接続されて所定量の試料水が吸引される。所定量の希釈率が設定されている場合はマイクロシリンジ22がブランク水4の流路に接続され、マイクロシリンジ22内に吸引されている試料水に所定量のブランク水が加えられる。
ついで、マイクロシリンジ22が酸性酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二酸化カリウム)3の流路に接続されてマイクロシリンジ22内の試料水に硫酸1Nになるように所定量の酸性酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム)が添加されて後、マイクロシリンジ22が酸化分解部5の流路に接続されてマイクロシリンジ22内のブランク水、硫酸酸性ペルオキソ硫酸カリウムの添加された試料水は、ヒータ54により約95℃に加熱された酸化反応槽51内に吐出される。
【0017】
なお、上記の説明では、マイクロシリンジ22内に試料水、ブランク水(希釈水)、酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム)、硫酸ナトリウムをそれぞれ所定量吸引し、その混合液を酸化分解部5の酸化反応槽51に吐出するようにしたが、先ず、マイクロシリンジ22を採水管2の流路に接続して所定量の試料水を吸引して後に、マイクロシリンジ22を酸化分解部5の流路に接続してマイクロシリンジ22内の試料水を酸化反応槽51内に吐出する。
【0018】
次いで、マイクロシリンジ22をブランク水(希釈水)4の流路に接続して所定量のブランク水を吸引してマイクロシリンジ22を酸化分解部5の流路に接続してマイクロシリンジ22内の希釈水を酸化反応槽51内に吐出するというように、マイクロシリンジ22を採水管2の流路、ブランク(希釈)水4の流路、酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二酸化カリウム)3、水酸化ナトリウム10の流路に順次切換える間に、酸化分解部5の流路に接続し、マイクロシリンジ22による吸引、吐出を繰り返して、酸化分解部5の酸化反応槽51内に、所定量の試料水、ブランク(希釈)水、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウムの酸化剤、水酸化ナトリウムを順次供給するようにしてもよい。この場合、マイクロシリンジ22で試料水等を順次採取するに先立って、マイクロシリンジ22をブランク水7の流路に接続してマイクロシリンジ22とそれより酸化分解部5に至る流路内を洗浄する必要がある。
また、調整槽を設けて、試料水、ブランク水、酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム)を順次計量・吐出して調整槽内で混合し、混合液をマイクロシリンジ22で吸引し、その混合液を酸化分解部5の酸化反応51に吐出するようにしてもよい。
【0019】
酸化反応槽51内のブランク(希釈)水、酸性酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム)の添加された試料水は、低圧水銀灯52によりの紫外線が所定時間(約20分間)照射され、酸化分解されて試料水中のリン化合物をオルトリン酸にまで変化させる。酸化分解(反応)された酸化反応槽51内の試料水はマイクロシリンジ22で所定量吸引採取され、ついで、マイクロシリンジ22が水酸化ナトリウム10の流路に接続されてマイクロシリンジ22内の試料水に反応硫酸濃度が約0.4Nになるように所定量の水酸化ナトリウムが吸引添加される。
その後、マイクロシリンジ22をモリブデン酸アンモニウム・酒石酸アンチモニルカリウム溶液8とL−アスコルビン酸溶液9の流路に切り換えて、所定量のモリブデン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液が吸引されてマイクロシリンジ22内の試料水に添加され、マイクロシリンジ22内で発色反応が行われてモリブデン青を生成せせる。
【0020】
発色反応後にマイクロシリンジ22は吸光度測定部6の流路に切り換えられて発色反応した試料水は、吸光度測定部6の測定セル61に移送され、吸光度測定部6で波長880nmにおけるオルトリン酸の吸光度が測定され、測定されたオルトリン酸の吸光度が制御・データ処理部12で演算処理(ダーク補正とゼロ補正)されてTP濃度が求められ、表示部13に表示される。
なお、紫外線照射による酸化分解時の加熱温度、加熱時間、硫酸濃度は試料水の物質により変化してもよいが、実験の結果、加熱温度は50〜100℃、加熱時間は10〜45分、酸化中の硫酸濃度は0.4〜2Nが適していることが判明した。
図3は、上記の測定手順の測定フローを示すもので、これらの測定手順は、従来のこの種装置で行なわれている公定法に順ずるものである。
【0021】
表1に標準試料および有機干渉物質入り標準試料の回収率を示す。
試料はリン化合物試料1ppmP、有機干渉物質濃度はグルコース、フタル酸水素カリウム各50ppmで計100ppmとした。酸化条件は、試料量3ml、酸化剤溶液は1.5%ペルオキソ二硫酸カリウムの約3N硫酸溶液で、45℃、1ケ月放置後の液を使用、酸化反応温度95℃、酸化中の硫酸濃度1N、反応時間20分とした。
Figure 2004184132
【0022】
表1に示す結果から、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウムの酸性酸化剤を用いることにより、酸化剤試薬の再調整や交換をすることなく、加熱、紫外線照射酸化分解を行なうことで、有機物質を含むリン化合物をオルトリン酸まで酸化分解でき、干渉成分の影響を受けずに精度よく全リンを測定することができる。
一方、中性なペルオキソ二硫酸カリウム水溶液の酸化剤を45℃、1ケ月放置後のそれを使用した場合は、有機物質を含んだ試料では、沈殿物質と着色が生成し、回収率は110%と大きく誤差を生じた。
【0023】
なお、実施例では、TP計に適用したが、本発明は、試料水の酸化分解を促進するために酸化剤を使用するTOC計、ならびに、TP、TOCの2成分を分析する多成分水質分析装置にも適用できるものである。
例えば、TOCの測定にあっては、酸性酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム)を添加した試料水に加熱下で紫外線を照射して酸化し、酸化分解で発生したCOをNDIRで測定することでTOC濃度が求められる。
また、酸性酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム)を添加した試料水に加熱下で紫外線を照射して酸化し、試料中に増加した導電率(イオン伝導度)を測定することでもTOC濃度が求められる。
この場合、実施例の測定セルに一対の電極を設けて、この電極を導電率測定部に接続して導電率を測定することで、TP、TOCの2成分を測定できる。なお、TOCの測定時には、発色剤の添加される前の酸化分解された試料水のイオン伝導度を測定する。
【0024】
さらに、酸化剤の添加された試料水の酸化分解は、高温加圧によるものであってもよいが、実施例のように紫外線を照射して酸化分解(光化学分解)するようにすれば、高温加圧を必要とせず、酸化分解部の構成や操作が簡単となる。
また、実施例では、低圧水銀灯を試料水内に侵漬する構成であったが、酸化分解槽を内側と外側間に試料水が収容できる二重有底円筒構造とし、内側の円筒体内に低圧水銀灯を配置したものであってもよく、また、酸化反応槽の外側に低圧水銀灯を配置したものであってもよい。
また、実施例では、酸性酸化剤として硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウムを用いたが、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸ナトリウム、硫酸酸性ペルオキソ二硫酸アンモニウムなど硫酸酸性ペルオキソ二硫酸塩であればよい。
【0025】
また、実施例では、8ポートバルブとそれに接続されたマイクロシリンジで構成される試料注入機構で、所定量の試料水、酸性化酸化剤、希釈(ブランク)水、発色剤等を吸入(計量・採取)し、酸化分解部の酸化反応槽等に供給するようにしたが、計量器を用いて試料水、酸性酸化剤等を酸化分解部へ計量・供給、ならびに、酸化分解部からの試料水を吸光度測定部へ計量・供給するようにすることも可能である。
【0026】
さらに、実施例では、酸化分解された試料水と発色剤とをマイクロシリンジ内に吸引し、マイクロシリンジ内で発色反応を行わせ、発色反応後の試料水を吸光度測定部の測定セルに移送して吸光度を測定するようにしたが、酸化分解部の酸化反応槽内の酸化分解された試料水に発色剤を添加し、発色反応後の試料水をマイクロシリンジで吸引して吸光度測定部の測定セルに移送して吸光度を測定するようにしても、また、移送された試料セル内の酸化分解された試料水に発色剤を添加して測定セル内での発色反応を行わせ、発色反応後の試料水の吸光度を測定するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明の水質分析装置によれば、酸性酸化剤を用いることで、自己分解がある期間で停止し、酸化剤としての機能を長期間維持するので、短期間の定期的な酸化剤の再調整、交換を要しないメンテナンス性に優れた水質分析装置が得られる。
また、測定(分析)に支障がない酸化能力を有しているにも係わらず酸化剤を定期的に交換・廃棄していた従来のこの種の装置に比し、資源の有効使用が図れる共に、環境汚染を引き起こさない水質分析方法および装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の水質測定装置としてのTP計の概略構成図である。
【図2】図1の装置における酸化分解部の構成を示す模式図である。
【図3】図1の装置によるTPの測定フローを示す図である。
【符号の説明】
1:オーバーフロー形容器 2:採水管
3:酸性酸化剤(硫酸酸性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)
4:ブランク(希釈)水
5:酸化分解部
51…酸化分解(反応)槽 52…低圧水銀灯 53…電源
54…ヒータ 54…ポンプ
6:吸光度測定部
61…測定セル
7:3方弁
8:モリブデン酸アンモニウム溶液(発色剤)
9:L−アスコルビン酸溶液 10:水酸化ナトリウム(NaOH)
11:スパン(標準)液 12:制御・データ処理部
13:表示部
20:試料注入機構
21…8ポートバルブ 22…マイクロシリンジ

Claims (10)

  1. 試料水に酸性酸化剤を添加して測定対象成分を加熱条件下で酸化分解し、酸化生成物を(測定することで試料中の測定対象成分を)測定することを特徴とする水質分析方法。
  2. 試料水に酸性酸化剤が添加して試料水中のリン化合物を加熱条件下で酸化分解し、その後、発色剤を添加して試料水の吸光法で試料水中の全リンを測定することを特徴とする水質分析方法。
  3. 請求項1に記載の水質分析方法であって、酸化生成物を赤外線分析法、または、導電率法で測定することを特徴とする水質分析方法。
  4. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の水質分析方法であって、酸化剤の添加された試料水の酸化分解を紫外線照射で行なうことを特徴とする水質分析方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の水質分析方法であって、酸性酸化剤が、硫酸とペルオキソ二硫酸カリウムの混合溶液であることを特徴とする水質分析方法。
  6. 試料水に酸性酸化剤を添加する手段と、酸化剤の添加された試料水中の測定対象成分を加熱条件下で酸化分解する手段と、酸化分解された生成物を測定する手段とを備え、試料水中の測定対象成分を測定することを特徴とする水質分析装置。
  7. 請求項6に記載された水質分析装置であって、酸化分解された試料水に発色剤を添加する手段を備え、発色剤の添加された酸化生成物の測定手段が)吸光度を測定するものであることを特徴とする全リン測定装置。
  8. 請求項6に記載された水質分析装置であって、酸化生成物の測定手段が、赤外線ガス分析計、または、導電率計であることを特徴とする水質分析方法。
  9. 請求項6から請求項8のいずれかに記載の水質分析方法であって、酸化剤の添加された試料水の酸化分解を紫外線照射で行なうことを特徴とする水質分析装置。
  10. 請求項6から請求項9のいずれかに記載の水質分析装置であって、前記酸性酸化剤が、硫酸とペルオキソ二硫酸カリウムの混合溶液であることを特徴とする水質分析装置。
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