JP3772692B2 - 分析用水溶液の計量・送液機構及びそれを用いた水質分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場や事業所などから出る排水や、水質汚濁の深刻な河川や湖沼、海水などの環境水に含まれる汚濁物質、例えば、全有機体炭素、微量の窒素化合物やリン化合物などの濃度を測定する水質分析装置に最適な分析用水溶液の計量・送液機構、ならびに、それを用いた水質分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水質分析装置として例えば、河川や湖沼などの水質の汚染度を調べる水質分析装置として、その水中に含まれている全有機体炭素(TOC)を測定するにはTOC計が、また、水中の窒素化合物、リン化合物を分析するのには全窒素(TN)/全リン(TP)計が存在する。
【0003】
TOC計は、水溶液試料中の全炭素を二酸化炭素(CO2)に変換する全炭素酸化反応部を少なくとも含む反応部と、水溶液試料の一定量を採取して反応部に注入する試料自動注入器と、反応部にキャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、反応部からキャリアガスとともに送られてきたCO2を検出するCO2検出部を備えている。そして、その試料自動注入器は水溶液試料の計量と送液を行うための、プランジャーを備えたシリンジ型計量ポンプと、プランジャーを上下方向に駆動する駆動手段と、シリンジ型計量ポンプを反応部と水溶液試料供給流路を含むいくつかの流路に切り換えて接続するマルチポートバルブを備えている。マルチポートバルブは一つの共通ポートと複数の分配ポートを有し、共通ポートにはシリンジ型計量ポンプが接続され、分配ポートには水溶液試料、反応部、標準試料、希釈液等につながる流路が接続される。そして、計測の各段階で、各分配ポートを適宜切り換えて共通ポートと接続する。
【0004】
また、我が国においては水中の窒素化合物、リン化合物の分析方法は、JISのK0102や環境庁告示140号によって公的に規格化されている。
水中の窒素化合物は硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイオン又は有機態窒素として存在している。これらの水中窒素を全て測定する全窒素分析方法では、全ての窒素化合物を硝酸イオンに変えて測定するが、アンモニウムイオンや有機態窒素は硝酸イオンに酸化分解されにくい。
そこで、全窒素測定では、試料水にアルカリ性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液を酸化剤として加えて120℃で30分間加熱し、全ての窒素化合物を硝酸イオンに酸化分解する。それを冷却した後、pHを2〜3に調整し、硝酸イオンによる波長220nmでの紫外線吸光度を測定している。
【0005】
一方、水中のリン化合物はリン酸イオン、加水分解性リン、又は有機態リンとして存在している。全リン測定では中性状態でペルオキソ二硫酸カリウム溶液を酸化剤として添加し、120℃で30分間加熱することによって全てのリン化合物をリン酸イオンに酸化分解する。リン酸イオンは特有の光吸収を持たないので、リン酸イオンを測定するには、冷却後に発色剤としてモリブデン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液を添加して発色させ、波長880nmでの吸光度を測定している。
【0006】
このように、水中の全窒素(TN)、全リン(TP)を吸光光度法により測定するTN/TP計では、その前処理として酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)を添加し、酸化剤の添加された試料水を酸化分解して窒素化合物を硝酸イオンに、リン化合物をリン酸イオンに生成する必要があり、このために▲1▼水溶液試料や酸化剤、pH調整のための酸、発色剤などの各試薬の計量、▲2▼計量された水溶液試料や各試薬などの酸化反応部への計量・送液、ならびに、酸化分解された水溶液試料の吸光度測定部などへの送液、▲3▼水溶液試料と各試薬などとの混合、攪拌が不可欠である。
そのために、水溶液試料や酸化剤、発色剤、酸などの試薬の計量に計量管を使用し、また、計量された水溶液試料等の送液や流路の切換のためにポンプとバルブが用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
水溶液試料(以下、適宜、試料水または試料と称する)などの計量と送液、ならびに、流路の切換に、マルチポートバルブとその共通ポートにシリンジ型計量ポンプが接続された試料注入器を備えたTOC系では、マルチポートバルブが有する分配ポートの数には上限があり、通常、最大で8個程度が限度である。
【0008】
したがって、マルチポートバルブの分配ポートを介して試料水を採取し分析を行う場合、接続できる試料の数が限られるため、複数の試料水を自動で連続して分析を行うには限度がある。また、分析手法によっては、試料水に標準試料を添加して分析を行う標準添加法を採用するが、この場合には標準試料を自動的に添加するためには、標準試料に接続する流路を分配ポートに接続しなければならず、その分接続する試料の数を減らすか、あるいは、標準試料の自動添加を断念するかを選択しなければならない。
【0009】
同様に、分析手法によっては試料水のpHの調節や通気を行うなどの前処理を必要とするが、酸溶液、アルカリ溶液および通気のためのガスに接続する流路をすべて分配ポートに接続することは実質上不可能であり、前処理を要する場合には試料水を別途前処理した後、前処理された試料水につながる流路をマルチポートバルブの分配ポートに接続している。
【0010】
また、TN/TPの測定では、上記のように、試料水や各種試薬の計量、試料水と各試薬の混合、試薬混合後の試料水の攪拌、試料水・試薬などの酸化反応部や測定部などへの送液が不可欠であり、従来のTN/TP計では、試料水や酸化剤、発色剤、酸等の各試薬の計量を計量管で行い、計量された試料水や試薬の送液と流路の切換をポンプとバルブでもって行なっているが、TN/TPの分析手法から、多数の試薬を用いる関係上、試料水や各試薬の計量、ならびに、計量された試料水や試薬などの酸化反応部やTN/TPの各測定部などの流路への送液と流路の切換のために、計量管やポンプとバルブを多数必要とする(従来のTN/TP計では、計量管:12個、ポンプ:9個、バルブ:電磁弁23個、ピンチ弁16個、計39個)。さらに、試料水の希釈・洗浄や標準水による校正等の流路を設けると計量管やポンプ、バルブの数がさらに多くなり流路構成が複雑化する。また、流路が長くなるために装置の価格が高くなると共に故障箇所、故障頻度も増大し、修理、保守作業も複雑となるという問題がある。
【0011】
さらに、流路が長くなると、試料の移送等に時間がかかり、その結果、測定時間が長くなったり応答が遅くなったりする一方、移送途中で試料による汚染や試料の詰まりが生じやすくなるために故障が多発しやすくなるという問題があった。 また、計量管での試薬の計量は、所定容量の容器から試薬を溢れさせて計量するオーバーフロー方式、もしくは、所定量の吸い取り等によって行なっているが、このような溢れでた試薬や吸い取った試薬は一般に再利用できず、試薬の消費量も必然的に多くなってランニングコストが破格となり、また、希釈器の希釈率が固定であるために希釈率を変更する場合には希釈器自体を交換する必要があり、さらに、高濃度の試料水を測定する場合に必要な試料水の希釈は、専用の希釈器を必要とするという問題がある。
【0012】
本願発明は、上記の課題を解決するために、多くの水溶液試料を接続でき、試料水の前処理の自動化を可能とし、試料水や試薬を正確に無駄なく採取・計量できると共に、流路構成も簡素化できる分析用水溶液の計量・送液機構、ならびに、該分析用水溶液の計量・送液機構を試料注入器とすることで、流路構成の簡素化を実現し、これによって故障が少なく応答性に優れた低コストのTOC計やTN/TP計等の水質分析装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明に係る分析用水溶液の計量・送液機構は、次のように構成したことを特徴としている。
すなわち、1個の共通ポートと複数の分配ポートとを有する少なくとも2個のマルチポートバルブを具備している。
一方のマルチポートバルブの共通ポートに水溶液の計量・採取と送液を行なうシリンジ型計量ポンプが接続され、該ポンプの接続されたマルチポートバルブの分配ポートの1つのポートが他方のマルチポートバルブの共通ポートに接続されている。
そして、両者の他の分配ポートには、各ポートに対応させて、試料水や酸化剤、発色剤、酸等の試薬、さらには、標準液、希釈液等の流路を含む分析目的に応じた必要な各流路を接続して、これら各流路がその対応する分配ポートを介してシリンジ型計量ポンプが接続された一方のマルチポートバルブの共通ポートに接続可能な構成とされている。
【0014】
なお、共通ポートにシリンジ型計量ポンプが接続するマルチポートバルブの分配ポートに2個以上の他のマルチポートバルブの共通ポートを接続するというように、共通ポートにシリンジ型計量ポンプが接続するマルチポートバルブに他の複数のマルチポートバルブの並列接続、ないし、他方のマルチポートバルブの分配ポートの1つをさらに他のマルチポートバルブの共通ポートに接続するというように、共通ポートにシリンジ型計量ポンプが接続するマルチポートバルブに他の複数のマルチポートバルブを直列に接続することも可能であり、このようにすると、分析目的に応じて必要な数の試料水や試薬等のより多数の流路を接続することが可能となる。
【0015】
上記の構成よりなる分析用水溶液の計量・送液機構をTOC計における試料自動注入器とすれば、共通ポートにシリンジ型計量ポンプが接続された一方のマルチポートバルブの他方のマルチポートバルブの共通ポートに接続する以外の複数の分配ポートに標準液、および前処理に必要な酸溶液、アルカリ溶液等につながる流路を接続し、共通ポートが一方のマルチポートバルブの1つの分配ポートに接続する他方のマルチポートバルブの複数の分配ポートに分析すべき複数の試料水に接続する流路を接続することができ、さらに、共通ポートにシリンジ型計量ポンプが接続された一方のマルチポートバルブに対して2個以上のマルチポートバルブを並列および/または直列に接続することで、試料自動注入器に接続できる試料水、標準液、および前処理に必要な酸溶液、アルカリ溶液、その他の試薬等の数には実質上制限はなくなり、必要な数の試料に対して前処理を自動化でき、前処理済みの試料水を測定部に供給することが可能となる。
【0016】
また、一方のマルチポートバルブの共通ポートに接続するシリンジ型計量ポンプにガスの導入流路を形成し、該導入流路をガス供給源に接続しておけば、分析手法によって必要な試料水の通気や試料水と試薬との攪拌を行うなどの前処理を自動的に行うことが可能となる。
【0017】
さらに、上記の構成よりなる分析用水溶液の計量・送液機構をTN/TP計における試料注入器に用いれば、一方と他方のマルチポートバルブの各複数の分配ポートに、例えば、共通ポートにシリンジ型計量ポンプが接続された一方のマルチポートバルブの他方のマルチポートバルブの共通ポートに接続する以外の複数の各分配ポートにそれぞれ酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)、pH調整のための酸、発色剤としてモリブデン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液等の試薬に接続する各流路を接続し、また、共通ポートが一方のマルチポートバルブの1つの分配ポートに接続する他方のマルチポートバルブの複数の分配ポートに分析すべき試料水、希釈水、校正液(標準水やスパン液)、吸光度測定部に接続する各流路を接続することができ、さらに、共通ポートにシリンジ型計量ポンプが接続された一方のマルチポートバルブに対して2個以上のマルチポートバルブを並列および/または直列に接続することで、多数の試料に対して自動的に必要な前処理を行い、前処置された試料水を吸光度測定部に供給することが可能となる。
【0018】
その際、各流路を対応するマルチポートバルブの各分配ポートに接続することのみで、流路の切換や試料水、試薬等の計量・送液をマルチポートバルブとそれに接続されたシリンジ型計量ポンプで行うことができるので、従来のTN/TP計と比べて流路構成や動作を極めて簡素化できる。
その結果、コストを大幅に低減できると共に、トラブルの発生もない。また、流路が短くできるので、それだけ応答性が速くなる。これにより、故障が少なく応答性に優れた低コストのTP/TN計が得られる。
また、試薬はシリンジ型計量ポンプで必要な所定容量が計量されて送液されるので無駄な消費がなく、ランニングコストの低減がはかれる。さらに、シリンジ型計量ポンプの調整でもって任意の希釈率で試料水を希釈することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に沿って説明する。
図1は、本発明に係る水溶液の計量・送液機構を試料自動注入器に適用される一例の全有機体炭素(TOC)計としての水質分析装置の全体の概略構成図である。
同図に示すようにTOC計は、水溶液試料中のTC(全炭素)をCO2(二酸化炭素)に変換するTC酸化反応部2と、水溶液試料中のIC(無機体炭素)をCO2に変換するIC反応部6と、水溶液試料の一定量を採取してTC酸化反応部2又はIC反応部6へ導くために、試料注入器15が設けられている。
【0020】
試料注入器15は、共通ポートと複数の分配ポートを備えた第1、第2のマルチポートバルブ(実施例では第1のマルチポートバルブは8ポートバルブ、第2のマルチポートバルブは4ポートバルブ)A、Bとシリンジ型計量ポンプ(以下、シリンジポンプいう)16とで構成されており、第1のマルチポートバルブAの共通ポートA1にはシリンジポンプ16が接続され、第2のマルチポートバルブBの共通ポートB1は連通管19を介して第1のマルチポートバルブAの分配ポートA2の1つに接続されている。
【0021】
シリンジポンプ16は、所定の内容量を持ったシリンジ本体17と、この本体17内に摺動可能に係合する付図示のパルスモータで駆動されるプランジャー18からなり、前記シリンジ本体17に攪拌ポンプにつながるガス流路20が接続されており、その流路20を介してシリンジ本体17内に攪拌、ないし、通気処理用の空気や不活性ガスが所定のタイミングで供給されるようになっている。
なお、シリンジポンプポンプ16につながるガス流路20はシリンジ本体17に設ける代わりにプランジャー18に設けてもよい。
【0022】
一方、第2のマルチポートバルブBの4個の分配ポートB2には異なる4つの試料容器につながる試料流路がそれぞれ接続されており、また、第1のマルチポートバルブAの連通管19が接続する以外の残りの7つの分配ポートA2には、標準試料につながる流路と、洗浄水を兼ねた希釈水につながる流路と、酸(通常は1〜2規定の塩酸)が入れられている酸容器につながる流路と、後述のTC酸化反応部2の試料注入口(試料導入部)につながる流路と、IC反応部6につながる流路と、アルカリ容器につながる流路がそれぞれ接続され、残りの1つの分配ポートは気体導入・排出路として大気に開放されている。
【0023】
そして、第1、第2のマルチポートバルブA、Bに別途備えられたパルスモータ(図示せず)によって駆動されることにより、第1、第2のマルチポートバルブA、Bの分配ポートA2、B2のいずれかのポートが第1のマルチポートバルブAの共通ポートA1に選択的に接続され、これに伴って上記各流路がその対応する分配ポートを介して第1のマルチポートバルブAの共通ポートA1に、すなわち、シリンジポンプ16に接続され、試料流路よりの試料水、塩酸や希釈水などがマイクロシリンジ16で計量採取され、TC酸化反応部2又はIC反応部6へ送液される。なお、上記の各パルスモータや攪拌ポンプはCPUで制御される。
【0024】
TC酸化反応部2には酸化触媒が充填されたTC燃焼管4が設けられ、TC燃焼管4を加熱するためにTC燃焼管4の外側に加熱炉5が設けられている。
3はTC燃焼管4のTC試料注入口であり、試料水は第2のマルチバルブの対応する分配ポートに接続するTC試料注入口3を経てTC燃焼管4に注入され、また、キャリアガスとして純酸素ガス又は酸素を含むガス(例えば炭素分を除いた高純度空気)がTC試料注入口3からTC燃焼管4へ供給される。
TC酸化反応部2の出口はIC反応部6を経て除湿除塵部11へ接続され、除湿除塵部11からNDIR(非分散型赤外分光光度計)のCO2検出部12へ接続されている。
【0025】
IC反応部6には、IC反応液が充填されたIC反応器8が備えられており、第1のマルチバルブAにおける対応する分配ポートに接続するIC試料注入口7を経て試料注入器15から試料水が注入されるようになっている。IC反応器8では注入された水溶液試料中のICがCO2として発生し、TC酸化反応部2を経て供給されるキャリアガスによって除湿除塵部11からCO2検出部12へ導かれる。なお、図中、10はIC反応器8へIC反応液を供給するIC反応液供給器、9はIC反応器8のIC反応液を排出するドレインバルブである。
【0026】
以上の構成からなるTOC計によるTOC測定は、次のようにして行われる。
(イ)TC測定
第2のマルチポートバルブBにおいて試料流路につながる分配ポートB2の1つを共通ポートB1に接続し、また、第1のマルチポートバルブAにおいて連通管19に接続する分配ポートA2を共通ポートA1に接続して測定対象となる試料水をシリンジポンプ16のシリンジ本体17に必要な量だけ吸引採取した後、第1のマルチポートバルブAにおいて共通ポートA1をTC酸化反応部2の試料注入口(試料導入部)2につながる流路に接続してプランジャー18を上昇させ、シリンジ本体17内の試料水を燃焼管4に所定量だけ注入する。燃焼管4で燃焼され試料水は、その炭素成分がCO2に変換された燃焼ガスとなり、IC反応部6を経て除湿除塵部11で含有水分等が除去されへCO2検出部12に導入されて透過光量が検出され、データ処理部13でTC濃度が算出される。
なお、燃焼管4でCO2に変換された燃焼ガスは、TC試料注入口3から供給されるキャリアガスにより除湿除塵部11を介してCO2検出部12に導入される。
【0027】
(ロ)IC測定及びTOC測定
TC測定の場合と同様に測定対象となる試料水をシリンジ本体17内に計量採取した後、第1のマルチポートバルブAにおいて共通ポートA1をIC反応部6の試料注入口(試料導入部)7につながる分配ポートA2に接続してプランジャー18を上昇させ、シリンジ本体17内の試料水をIC反応管8に所定量だけ注入する。IC反応管8で試料水中のIC成分はCO2に変換され、TC反応部2を介して導入されるキャリアガスにより除湿除塵部11を介してCO2検出部12に導入されて透過光量が検出され、データ処理部13でIC濃度が算出され、先に求めたTC濃度との差によってTOC濃度が求められる。
第2マルチポートバルブBにおいて各試料流路につながる分配ポートB2を共通ポートB1に順次切換えて上記の動作を繰り返すことにより、第2マルチポートバルブBの分配ポートB2に接続する複数(実施例では4個)の試料水中のTOC濃度を連続的に測定できる。
【0028】
次に、試料水の前処理を必要とする場合の各種の処理について説明する。
〈1.酸性化〉
(1)第1のマルチポートバルブAにおいて酸の流路につながる分配ポートA2が共通ポートA1に接続されて後、プランジャポンプ16のプランジャー18が引き下げられてシリンダ本体17内に所定量の酸溶液が吸引される。
(2)第1のマルチポートバルブAにおいて連通管19に接続する分配ポートA1がシリンジポンプ16が接続する共通ポートA1に接続され、また、第2のマルチポートバルブBにおいて共通ポートB1が第1の試料流路に接続する分配ポートB2に接続される。この状態でプランジャー18が上方に押し上げられ、シリンジ本体17内の酸溶液が第1の試料に一定量添加される。続いて、第2のマルチポートバルブBにおいて第2、第3、第4の試料流路に接続する分配ポートB2が共通ポートB1に順次切換えられ、同様の動作を繰り返し行うことにより、それぞれの試料水に酸溶液が一定量添加される。
【0029】
〈2.アルカリ化〉
(1)第1のマルチポートバルブAにおいてアルカリ溶液の流路につながる分配ポートA2が共通ポートA1に接続されて後、プランジャポンプ16のプランジャー18が引き下げられてシリンダ本体17内に所定量のアルカリ溶液が吸引され、その後は酸溶液添加と同様の動作で、それぞれの試料水にアルカリ溶液が一定量添加される。
【0030】
(3.標準試料の添加)
(1)第1のマルチポートバルブAにおいて標準試料の流路につながり分配ポートA2が共通ポートA1に接続されて後、プランジャポンプ16のプランジャー18が引き下げられてシリンダ本体17内に所定量の標準試料が吸引され、その後は酸溶液添加と同様の動作で、それぞれの試料水に標準試料が一定量添加される。
【0031】
(4.希釈)
(1)第1のマルチポートバルブAにおいて希釈液の流路につながる分配ポートA2が共通ポートA1に接続されて後、プランジャポンプ16のプランジャー18引き下げられてシリンダ本体17内に希釈液が吸引され、その後は酸溶液添加と同様の動作で、それぞれの試料水に希釈率で定まる所定量の希釈液が添加され、一定の割合で希釈される。
【0032】
(5.通気)
(1)第1のマルチポートバルブAにおいて大気につながる分配ポートA2が共通ポートA1に接続され、プランジャー18がシリンジ本体17に形成された攪拌ポンプにつながるガス流路20に接続する位置に引き下げられる。
【0033】
(2)第1のマルチポートバルブAにおいて連通管19に接続する分配ポートA2がシリンジポンプ16が接続する共通ポートA1に接続され、また、第2のマルチポートバルブBにおいて共通ポートB1が第1の試料流路に接続する分配ポートB2に接続される。
この状態で、攪拌ポンプが駆動され、ガス流路20を通じてガスが試料水に導入され一定時間ガス通気が行われる。続いて、第2のマルチポートバルブBにおいての共通ポートB1がそれぞれの試料流路につうじる分配ポートB2と接続するように順次切換えられ、同様の動作を繰り返し行うことにより、それぞれの試料水に一定時間の通気が行われる。
なお、試料水に酸溶液、アルカリ溶液等を添加した後、試料溶液を均一に攪拌する必要がある場合は、上記したガスを通気する工程と同様の操作により、それぞれの試料水に順次ガスを導入してバブリングすることで攪拌することができる。
【0034】
また、必要な前処理が行なわれた後、上記の(イ)TC測定と(ロ)IC測定及びTOC測定と同様の操作を繰り返すことで、それぞれの試料水中のTOC濃度を連続的に測定することができる。
なお、実施例では、キャリアガスと通気ガスを別々の供給源より供給したが共通のガス源より供給するようにしてもよい。
【0035】
次に、図2の他の実施例について説明する。図2は、本発明に係る水溶液の計量・送液機構を試料注入器とした他の例の全窒素(TN)/全燐(TP)計としての水質分析装置の概略構成図である。
同図に示すように、TN/TP計は酸化反応器21と、測定部としての試料水の吸光度を測定する吸光度測定部23が設けられている。試料水や試薬の一定量を計量採取して酸化反応器21や吸光度測定部23の測定セル23aへ導くために試料注入器15が設けられている。
【0036】
試料注入器15は、図1と同様に、共通ポートと複数の分配ポートを備えた第1、第2のマルチポートバルブ(実施例では第1、第2のマルチポートバルブは共に8ポートバルブ)A、Bとシリンジポンプ16とで構成されており、第1のマルチポートバルブAの共通ポートA1にはシリンジポンプ16が接続され、第2のマルチポートバルブBの共通ポートB1は連通管19を介して第1のマルチポートバルブAの分配ポートA2の1つに接続されている。
また、シリンジポンプ16も同様に、所定の内容量を持ったシリンジ本体17と、この本体17内に摺動可能に係合する付図示のパルスモータで駆動されるプランジャー18からなり、前記シリンジ本体17に攪拌ポンプにつながるガス流路20が接続されており、その流路20を介してシリンジ本体17内に攪拌、ないし、通気処理用の空気や不活性ガスが所定のタイミングで供給されるようになっている。
【0037】
第1のマルチポートバルブAのそれぞれの分配ポートA2には、水酸化ナトリウム(NaOH)につながる流路、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液(酸化剤)につながる流路、ph値を調整するために添加する塩酸(HCl)につながる流路、硫酸につながる流路、モリブデン酸アンモニウム溶液につながる流路、L−アスコルビン酸溶液につながる流路がそれぞれ接続され、残りの1つの分配ポートは気体導入・排出路として大気に開放されている。
一方、第2のマルチポートバルブBのそれぞれの分配ポートB2には、試料1につながる流路、試料2につながる流路、校正液につながる流路、酸化反応器21につながる流路、希釈水につながる流路、吸光度測定部23の測定セル23aにつながる流路、標準試料につながる流路がそれぞれ接続され、残りの1つのポートはドレン用ポートとされている。
【0038】
そして、第1、第2のマルチポートバルブA、Bは付図示のパルスモータによって駆動されることにより、第1、第2のマルチポートバルブA、Bの分配ポートA2、B2のいずれかのポートが第1のマルチポートバルブAの共通ポートA1に選択的に接続され、これに伴って上記各流路がその対応する分配ポートを介して第1のマルチポートバルブAの共通ポートA1に、すなわち、シリンジポンプ16に接続され、試料流路よりの試料水や、塩酸、酸化剤、発色剤などの試薬がマイクロシリンジ16で計量採取され、酸化反応器21、または、測定セル23aへ送液される。なお、上記の各パルスモータや攪拌ポンプは、後述のCPUを主体とする制御・データ処理部で制御される。
【0039】
酸化反応器21は、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液(酸化剤)の添加された水溶液試料に紫外線を照射、または、加熱して酸化反応(分解)させるもので、この酸化反応器で試料水中の窒素化合物とリン化合物が、それぞれ硝酸イオンとリン酸イオンに酸化分解される。
吸光度測定部23の出力は、制御・データ処理部24に接続されており、制御・データ処理部24は、吸光度測定部23の出力を処理してTN濃度やTP濃度を求めたり、試料注入器を構成するマルチポートバルブA、B及びシリンジポンプ16や攪拌ポンプの動作を制御する。なお、制御・データ処理部24には、表示部25や不図示しのキーボード、レコーダ等が接続されている。
【0040】
次に、試料水中のTN濃度、および、TP濃度を測定する手順を説明する。
(イ)TN測定
a)制御・データ処理部24の制御のもとに、第2マルチポートバルブBにおいて試料1もしくは試料2の流路につながる分配ポートB2の1つが共通ポートB1に接続され、また、第1のマルチポートバルブAにおいて連通管19が接続する分配ポートA2がシリンジポンプ16が接続する共通ポートA1に接続され、測定対象となる試料水がシリンジポンプ16内に必要な量だけ吸引採取されて後、所定量の希釈率が設定されている場合は、第2のマルチポートバルブBにおいて希釈水流路につながる分配ポートB2が共通ポートB1に接続され、シリンジポンプ16内に吸引されている試料水に所定量の希釈水が加えられる。
【0041】
b)第1のマルチポートバルブAにおいてペルオキソ二硫酸カリウム溶液(酸化剤)とNaOHの流路につながる分配ポートA2が共通ポートA1に順次接続されてシリンジポンプ16内の希釈された試料水に、所定量のペルオキソ二硫酸カリウムとNaOHが添加される。
【0042】
c)第1のマルチポートバルブAにおいて大気につながる分配ポートA2を共通ポートA1に接続して後、攪拌ポンプを駆動してガス流路20を通じてシリンジポンプ16にガスを導入して該ポンプ16内の酸化剤等の添加された試料水を攪拌して後、第1のマルチポートバルブAにおいて連通管19が接続する分配ポートA2をシリンジポンプ16が接続する共通ポートA1に接続し、また、第2マルチポートバルブBにおいて酸化反応器21に接続する分配ポートB2を共通ポートB1に接続して、攪拌で均一化したシリンジポンプ16内のペルオキソ硫酸カリウム、NaOHの添加された試料水を酸化反応器21に送り込み、紫外線の所定時間の照射、または、加熱されて試料水中の窒素化合物が硝酸イオンに分解される。
【0043】
なお、上記の説明では、シリンジポンプ16内に試料水、希釈水、ペルオキソ二硫酸カリウム、NaOHをそれぞれ所定量吸引し、その混合液を酸化反応器21に吐出するようにしたが、先ず、シリンジポンプ16を試料の流路に接続して所定量の試料水を吸引して後に、シリンジポンプ16を酸化反応器21の流路に接続してシリンジポンプ16内の試料水を酸化反応器21内に吐出し、次いでシリンジポンプ16を希釈水の流路に接続して所定量の希釈水を吸引して後、シリンジポンプ16を酸化反応器21の流路に接続してシリンジポンプ16内の希釈水を酸化反応器21内に吐出するというように、シリンジポンプ16を試料流路、希釈水の流路、ペルオキソ二酸化カリウムの流路、NaOH水の流路に順次切換える間に、酸化反応器21の流路に接続し、シリンジポンプ16による吸引、吐出を繰り返して、酸化反応器21内に、所定量の試料水、希釈水、ペルオキソ二硫酸カリウム、NaOHを順次供給するようにしてもよい。この場合、シリンジポンプ16で試料水等を順次採取するに先立って、シリンジポンプ16を希釈水の流路に接続してシリンジポンプ16とそれより酸化反応器21に至る流路内を洗浄する必要がある。
【0044】
d)酸化反応が終わった試料水はシリンジポンプ16で所定量吸引採取され、その後、第1のマルチポートバルブAにおいて塩酸につながる分配ポートA2が共通ポートA1に接続されて、シリンジポンプ16内の酸化反応が終わった試料水に所定量の塩酸が添加されて所定のph値に調整され、上記c)と同様の手法でシリンジポンプ16内にガスを供給してバブリングにより攪拌し、均一化される。
【0045】
e)第1のマルチポートバルブAにおいて連通管19につながる分配ポートA2を共通ポートA1に接続すると共に、第2のマルチポートバルブBにおいて測定セル23aにつながる分配ポートB2を連通管19につながる共通ポートA1に接続し、シリンジポンプ16内のph調整された試料水が吸光度測定部23の測定セル23aに送り込まれ、吸光度測定部23で波長220nmの硝酸イオンの吸光度が測定され、測定された硝酸イオンの吸光度が制御・データ処理部24で演算処理されてTN濃度が求められ、表示部25に表示される。なお、測定セル23aのオーバーフローした水溶液試料は捨てられる。
【0046】
f)測定の終わっての試料水は、シリンジポンプ16で吸引され、その後、第2のマルチポートバルブBにおいてドレインポートにつながる分配ポートB2が共通ポートB1に接続され、シリンジポンプ16内の測定の終わった試料水は、ドレインポートより装置外に廃液される。
【0047】
(ロ)TP測定
a)制御・データ処理部14の制御のもとに、第2マルチポートバルブBにおいて試料1もしくは試料2の流路につながる分配ポートB2の1つが共通ポートB1に接続され、また、第1のマルチポートバルブAにおいて連通管10が接続する分配ポートA2がシリンジポンプ16が接続する共通ポートA1に接続され、測定対象となる試料水をシリンジポンプ本体16内に必要な量だけ吸引採取した後、所定量の希釈率が設定されている場合は、第2のマルチポートバルブBにおいて希釈水の流路につながる分配ポートB2共通ポートB1に接続され、シリンジポンプ16内に吸引されている試料水に所定量の希釈水が加えられる。
【0048】
b)第1のマルチポートバルブAにおいてペルオキソ二硫酸カリウム溶液と硝酸の流路につながる分配ポートA2が共通ポートA1に順次接続されてシリンジポンプ16内の希釈された試料水に、所定量のペルオキソ二硫酸カリウムと硝酸が添加される。
【0049】
c)第1のマルチポートバルブAにおいて大気につながる分配ポートA2を共通ポートA1に接続して後、攪拌ポンプを駆動してガスをシリンジポンプ16内に供給し該ポンプ内の溶液をバブリングして攪拌して後、第1のマルチポートバルブAにおいて連通管19に接続する分配ポートA2を共通ポートA1に接続し、また、第2マルチポートバルブBにおいて酸化反応器21に接続する分配ポートB2を共通ポートB1に接続して、攪拌で均一化したシリンジポンプ16内のペルオキソ硫酸カリウム、硝酸の添加された試料水を酸化反応部部21に送り込み、紫外線の所定時間の照射、または、加熱されて試料水中のリン化合物がリン酸イオンに分解される。
【0050】
d)酸化反応が終わった試料水はシリンジポンプ16で所定量吸引採取されて後、第1のマルチポートバルブAにおいてNaOH、モリブデン酸アンモニウム溶液、L−アスコルビン酸溶液の流路につながる分配ポートA2が共通ポートA1に順次接続されてシリンジポンプ16内の試料水に、所定量のNaOH、モリブデン酸アンモニウム溶液、L−アスコルビン酸溶液が添加され、上記c)と同様に手法でシリンジポンプ16内にガスを供給してバブリングにより攪拌し、均一化を行ない、シリンジポンプ16内で発色反応を起こさせる。
【0051】
e)第1のマルチポートバルブAにおいて連通管19につながる分配ポートA2を共通ポートA1に接続すると共に、第2のマルチポートバルブBにおいて測定セル23aにつながる分配ポートB2を連通管19につながる共通ポートB1に接続し、発色反応の終わった試料水がシリンジポンプ16で吸光度測定部23の測定セル23aに送り込まれ、吸光度測定部23で波長880nmのリン酸イオンの吸光度が測定され、測定されたリン酸イオンの吸光度が制御・データ処理部24で演算処理されてTP濃度が求められ、表示部25に表示される。
【0052】
f)測定の終わった試料水は、シリンジポンプ16で吸引され、その後、第2のマルチポートバルブBにおいてドレインポートにつながる分配ポートB2が共通ポートB1に接続され、シリンジポンプ18内の試料水は、ドレインポートより装置外に排出される。
【0053】
なお、実施例では、本発明に係る水溶液の計量・送液機構をTN/TP計における試料注入器に適用したが、TNやTPのみを分析するTN計、TP計にも適用できるものである。
また、酸化剤の添加された試料水の酸化分解は、高温加熱によるものであってもよいが、紫外線を照射して酸化分解するようにすれば、高温加熱を必要とせず、酸化反応(分解)部の構成や操作が簡単となる。
さらに、実施例では、シリンジポンプが共通ポートにつながるマルチポートバルブの分配ポートに各試薬につながる流路を接続したが、他方の分配ポートに試薬につながる流路を接続してもよい。しかしながら、実施例のようにシリンジポンプが接続するマルチポートバルブの分配ポートに試薬流路を接続するようにすれば、試薬容器からシリンジポンプに至る流路を短くできて試薬の消費量の低減化が図れる。
【0054】
また、実施例のTN/TP計では、酸化分解された試料水と発色剤とをシリンジ型計量ポンプ(シリンジポンプ)内に吸引し、シリンジポンプ内で発色反応を行わせ、発色反応後の試料水を吸光度測定部の測定セルに移送して吸光度を測定するようにしたが、酸化反応器内の酸化分解された試料水に発色剤を添加し、発色反応後の試料水をシリンジポンプで吸引して吸光度測定部の測定セルに移送して吸光度を測定するようにしても、また、移送された試料セル内の酸化反応された試料水に発色剤を添加して測定セル内で発色反応を行わせ、発色反応後の試料水の吸光度を測定するようにしてもよい。
なお、酸化反応器内の試料水に発色剤を添加し、酸化反応部で発色反応を行うようにすれば、TP測定中に発色反応させることが可能となり、TP、TNの分析効率を高めることができる利点がある。
【0055】
【発明の効果】
本発明の水溶液の計量・送液機構によれば、多くの水溶液試料を接続でき、それらの試料の前処理や測定の自動化、ならびに、試料水や試薬を正確に計量し、送液することが可能となる。
また、本願発明の水溶液試料の計量・送液機構を水質分析装置の試料注入器に用いれば、計量・送液機構や流路構成が簡素化し、流路が短く故障の少ないメンテナンスの容易な水質分析装置が得られる。
【0056】
特に、TN/TP計の試料注入器に用いれば、多数の計量管、送液ポンプやバルブで流路を構築する従来のこの種の装置に比し、劇的に少ない部品点数で流路を構築でき、その結果、故障のないTN/TP計が得られる。
また、TN/TP計では多数の試薬を用いるが、正確に計量出来るので試薬の消費量を必要最低限に抑えることが可能となり、また、流路を短くできることと相俟って、応答性に優れた低コストのTN/TP計が得ることができる。
さらに、専用の希釈器を設けることなく、低倍率から高倍率の希釈が可能なTOC計、TP/TN計などの水質分析装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を水質分析装置に適用した一実施例の概略構成を示す図である。
【図2】 本発明を水質分析装置に適用した他の実施例の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
2:TC酸化反応部 3:TC燃焼管
15:試料注入器
A…第1、第2のマルチポートバルブ(A1‥共通ポート、A2‥分配ポート)
B…第2のマルチポートバルブ(B1‥共通ポート、B2‥分配ポート)
16…シリンジ型計量ポンプ
(17‥シリンジ本体、18‥プランジャー、19‥連通管)
21:酸化反応器 23:吸光度測定部(23a…測定セル)
Claims (1)
- 1個の共通ポートと複数の分配ポートとを有する少なくとも2個のマルチポートバルブを具備し、一方のマルチポートバルブの共通ポートに水溶液の計量・採取と送液を行なうシリンジ型計量ポンプが接続され、該ポンプの接続されたマルチポートバルブの分配ポートの1つのポートが他方のマルチポートバルブの共通ポートに接続されていると共に、両者の他の分配ポートには、各ポートに対応させて、水溶液試料流路や試薬流路を含む分析に必要な各流路が接続され、これら各流路がその対応する分配ポートを介して前記シリンジ型計量ポンプが接続された一方のマルチポートバルブの共通ポートに接続可能とされていることを特徴とする分析用水溶液の計量・送液機構。
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