JP2002107353A - 水質分析装置 - Google Patents

水質分析装置

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JP2002107353A
JP2002107353A JP2000298830A JP2000298830A JP2002107353A JP 2002107353 A JP2002107353 A JP 2002107353A JP 2000298830 A JP2000298830 A JP 2000298830A JP 2000298830 A JP2000298830 A JP 2000298830A JP 2002107353 A JP2002107353 A JP 2002107353A
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Yukihisa Itabashi
亨久 板橋
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化剤を測定に支障にない酸化能力の劣化限
界まで使用できる水質分析装置を得る。 【解決手段】 マイクロシリンジ22がペルオキソ二硫酸
カリウム溶液4の流路に接続されてマイクロシリンジ22
内に所定量のペルオキソ二硫酸カリウム溶液が吸引され
て後、マイクロシリンジ22は吸光度測定部7に接続され
マイクロシリンジ22内のペルオキソ二硫酸カリウム溶液
は、吸光度測定部8の測定セル81に移送され、吸光度測
定部8で波長220nmのペルオキソ二硫酸カリウム溶
液の吸光度が測定される。この吸光度の測定値は、所定
吸光度値、例えば、予め測定により求めた、測定にに支
障のないペルオキソ二硫酸カリウムの酸化能力劣化度の
220nmでの吸光度値とが制御データ・制御部14の比
較部で比較され、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液の酸化
能力が劣化している場合には、制御データ・制御部14は
報知器16を作動させる出力信号を発する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場や事業所など
から出る排水や、水質汚濁の深刻な河川や湖沼、海水な
どの環境水に含まれる微量の窒素化合物、リン化合物な
どの濃度を測定する水質分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国においては水中の窒素化合物、リ
ン化合物の分析方法は、JISのK0102や環境庁告
示140号によって公的に規格化されている。水中の窒
素化合物は硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイ
オン又は有機態窒素として存在している。これらの水中
窒素を全て測定する全窒素分析方法では、全ての窒素化
合物を硝酸イオンに変えて測定するが、アンモニウムイ
オンや有機態窒素は硝酸イオンに酸化分解されにくい。
そこで、全窒素測定では試料水にアルカリ性ペルオキソ
二硫酸カリウム溶液を酸化剤として加えて120℃で3
0分間加熱し、全ての窒素化合物を硝酸イオンに酸化分
解する。それを冷却した後、pHを2〜3に調整し、硝
酸イオンによる波長220nmでの紫外線吸光度を測定
している。
【0003】一方、水中のリン化合物はリン酸イオン、
加水分解性リン、又は有機態リンとして存在している。
全リン測定では中性状態でペルオキソ二硫酸カリウム溶
液を酸化剤として添加し、120℃で30分間加熱する
ことによって全てのリン化合物をリン酸イオンに酸化分
解する。リン酸イオンは特有の光吸収を持たないので、
リン酸イオンを測定するには、冷却後に発色剤としてモ
リブデン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液
を添加して発色させ、波長880nmでの吸光度を測定
している。
【0004】このように、水中の全窒素、全リンを吸光
光度法により測定するには、その前処理として、酸化剤
(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)を添加し、酸化剤の
添加された試料水を酸化分解して窒素化合物を硝酸イオ
ンに、リン化合物をリン酸イオンを生成する必要があ
る。酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)の添加さ
れた水を加熱する酸化分解方法では、水の沸点以上の1
20℃というような高温に加熱するため、耐圧構造の反
応釜を必要とし、酸化分解槽の構造や操作が複雑にな
り、高価格になるという問題があることから、酸化剤
(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)の添加された試料水
に紫外線を照射して酸化分解を促進させることで高温加
熱を必要としない紫外線酸化分解方法が提案され、実用
に供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化剤
の添加された試料水の高温加熱による酸化分解、紫外線
の照射による紫外線酸化分解のいずれにしても、消耗品
としての酸化剤を用いる水質分析装置では、次の問題が
ある。
【0006】すなわち、試料水の酸化反応に使用する酸
化剤としてのペルオキソ二硫酸カリウム溶液は、他の溶
液(試薬)と比べて自己分解を起こし時間経過に伴い酸
化能力が劣化し長期保存が利かないことから、容器に収
容されている結晶状態の酸化剤を定期的(約2週間毎)
調製し、調製した新しい酸化剤と交換していた。なお、
交換された古い酸化剤は、廃棄される。
【0007】しかしながら、酸化剤の自己分解速度は、
周囲温度等の使用環境によって異なる(2〜4週間)に
も関わらず、酸化剤の定期的な調製・交換は、通常、安
全を見越して早め(約2週間毎)に行っていた。このよ
うに、安全を見越しての早めの酸化剤の定期的な調製・
交換は、酸化剤の使用環境により自己分解速度が異なる
ことの配慮がなされておらず、未だ酸化分解に供し得る
酸化能力を有しているにも関わらず、高価な酸化剤を廃
棄することになることから有効な資源を無駄にし、分析
装置のランニングコストを高めることになると共に、調
製、交換作業を頻繁に行う必要があり、その作業が面倒
で時間を要し、分析効率の低下を来たすことになる。
【0008】本発明は、上記に鑑み、試料水の酸化分解
に使用される高価で貴重な酸化剤を分析に供し得る酸化
能力の劣化の限度まで使用でき、酸化剤の定期的な調製
・交換を必要としない水質分析装置を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに請求項1に係る本発明の水質分析装置では、酸化剤
の添加された試料水を酸化分解し、酸化分解された試料
水の吸光度を測定し、試料水中の分析対象成分を測定す
る水質分析装置であって、試料水に添加する酸化剤の吸
光度を測定し、その測定値が所定値を示さない場合に出
力信号を発する出力手段を設けたことが特徴となってい
る。
【0010】なお、分析対象成分が全窒素(TN)であ
る水質分析装置(TN計)では、酸化分解された硝酸イ
オンによる220nmの吸光度を測定し、また、分析対
象成分が全燐(TP)である水質分析装置(TP計)で
は、酸化分解された試料水に発色剤が添加されて発色反
応後のリン酸イオンによる880nmの吸光度を測定す
る。
【0011】また、酸化剤の添加された試料水の酸化分
解は高温加熱によるものであってもよいが、紫外線照射
で行うことが好ましい。
【0012】出願人が鋭利実験・検討を繰り返した結
果、酸化剤としてのペルオキソ二硫酸カリウム溶液は、
波長220nmの吸収特性を有しており、その吸光度が
酸化能力の劣化に応じて減少することを見出し、本願発
明はこの点に着目してなされたものである。
【0013】このような観点から、上記のように、酸化
剤の吸光度を測定することで、酸化剤の酸化能力の劣化
度が測定でき、酸化剤の交換時期が分かることになる。
すなわち、分析に供し得ない程度に酸化剤の酸化能力が
劣化していない場合には、酸化剤の220nmでの吸光
度の測定値が所定吸光度値以上であるので出力手段は出
力信号を発しないが、分析に供し得ない程度に酸化能力
が低下している場合には、酸化剤の220nmでの吸光
度の測定値は所定吸光度値以下となり出力手段は出力信
号を発する。
【0014】この出力手段の出力信号は、表示部、ない
し、報知部に供給され、表示部に酸化剤の交換を要する
旨の表示、ないし、報知部より警報等がなされ、これに
より、使用している酸化剤の酸化能力が分析に供し得な
い酸化能力劣化を来して酸化剤として要をなさず、新し
く調製した酸化剤と交換する時期であることを、操作者
は察知できる。なお、酸化剤の220nmでの吸光度値
と比較する所定吸光度値は、分析(測定)に支障のない
酸化能力に劣化したペルオキソ二硫酸カリウムの220
nmでの吸光度値で、予め実験、測定等で求めたもので
ある。
【0015】したがって、酸化剤を分析に供し得る酸化
能力の劣化限度迄使用でき、酸化剤の調製、交換回数を
低減できと共に、調製した酸化剤を分析に供し得る酸化
能力の劣化限界まで使用できることから、資源の有効使
用が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例に沿って説明する。図1は、本発明が適用
される一例としての全窒素(TN)/全燐(TP)計と
しての水質分析装置の概略構成図である。図の構成にお
いて、オーバーフロー形容器1内を連続して流れる環境
水などの試料水の一部を採取して分析部に導くために、
該容器1に設けられている採水管2が、試料注入機構2
0の8ポートバルブの1つのポートに接続されている。
【0017】試料注入機構20は8ポートバルブ21とそれ
に接続されたマイクロシリンジ22で構成されており、
マイクロシリンジ22はポートバルブ21のいずれのポート
とも接続されるようになっている。ポートバルブ21の
それぞれのポートバルブには、試料用流路の採水管2の
他、3方弁3を介してペルオキソ二硫酸カリウム溶液
(酸化剤)4と水酸化ナトリウム(NaOH)5につながる
流路、希釈水6につながる流路、酸化分解部7につなが
る流路、測定部としての試料水の吸光度を測定する吸光
度測定部8につながる流路、3方弁9を介して発色剤と
してのモリブデン酸アンモニウム溶液10とL−アスコル
ビン酸溶液11につながる流路、ph値を調整するために
添加する酸(塩酸HCl)12につながる流路、校正用の標
準液13につながる流路などがそれぞれ接続されている。
【0018】酸化分解部7は、実施例ではペルオキソ二
硫酸カリウム溶液(酸化剤)の添加された試料水に紫外
線を照射して酸化分解させるもので、酸化分解(酸化反
応)槽71と該槽71内に配置された紫外線を照射する紫外
線源としての低圧水銀灯72とそれの電源73を備え、酸化
分解槽71に供給されたペルオキソ二硫酸カリウムの添加
された試料水に低圧水銀灯72よりの紫外線の照射によ
り、窒素化合物とリン化合物がそれぞれ硝酸イオンとリ
ン酸イオンに酸化分解される。
【0019】吸光度測定部8の出力は、制御・データ処
理部14に接続されており、制御・データ処理部14は、吸
光度測定部8の出力を処理してTN濃度を求めたり、8
ポートバルブ21及びマイクロシリンジ22の動作を制御し
たり、酸化剤の劣化度を判定(測定)するモードでは、
酸化剤が分析に供し得ない程度に酸化能力が劣化してい
る場合に酸化剤の交換を要すること、すなわち、酸化剤
の交換時期であることを示す出力信号を発する。なお、
制御・データ処理部14は、請求項1における出力手段に
相当する。また、制御・データ処理部14には、表示部1
5、報知部16や不図示のキーボード、レコーダ等が接続
されている。
【0020】次に、試料水中の全窒素(TN)濃度、お
よび、全リン(TP)濃度を測定する手順を説明する。
先ず、TNの測定では、制御・データ処理部14の制御の
もとにマイクロシリンジ22が採水管2の流路に接続され
る。所定量の希釈率が設定されている場合はマイクロシ
リンジ22が希釈水6の流路に接続され、マイクロシリン
ジ22内に吸引されている試料水に所定量の希釈水が加え
られる。ついで、マイクロシリンジ22が3方弁3を介し
てつらなるペルオキソ二酸化カリウムと水酸化ナトリウ
ムの流路に順次接続されてマイクロシリンジ22内の試料
水に、所定量のペルオキソ二硫酸カリウムと水酸化ナト
リウムが添加されて後、マイクロシリンジ22が酸化分解
部7の流路に接続されてマイクロシリンジ22内の希釈
水、ペルオキソ硫酸カリウム、水酸化ナトリウムの添加
された試料水は、酸化分解部7の酸化分解槽71内に吐出
される。
【0021】なお、上記の説明では、マイクロシリンジ
22内に試料水、希釈水、ペルオキソ二硫酸カリウム、硫
酸ナトリウムをそれぞれ所定量吸引し、その混合液を酸
化分解部7の酸化分解槽71に吐出するようにしたが、先
ず、マイクロシリンジ22を採水管2の流路に接続して所
定量の試料水を吸引して後に、マイクロシリンジ22を酸
化分解部7の流路に接続してマイクロシリンジ22内の試
料水を酸化分解槽71内に吐出し、次いで、マイクロシリ
ンジ22を希釈水6の流路に接続して所定量の希釈水を吸
引してマイクロシリンジ22を酸化分解部7の流路に接続
してマイクロシリンジ22内の希釈水を酸化分解槽71内に
吐出するというように、マイクロシリンジ22を採水管2
の流路、希釈水6の流路、ペルオキソ二酸化カリウム
4、水酸化ナトリウム5の流路に順次切換える間に、酸
化分解部7の流路に接続し、マイクロシリンジ22による
吸引、吐出を繰り返して、酸化分解部7の酸化分解槽71
内に、所定量の試料水、希釈水、ペルオキソ二硫酸カリ
ウム、水酸化ナトリウムを順次供給するようにしてもよ
い。この場合、マイクロシリンジ22で試料水等を順次採
取するに先立って、マイクロシリンジ22を希釈水7の流
路に接続してマイクロシリンジ22とそれより酸化分解部
7に至る流路内を洗浄する必要がある。
【0022】酸化分解槽71内の希釈水、ペルオキソ二硫
酸カリウム、水酸化ナトリウムの添加された試料水は、
低圧水銀灯72によりの紫外線が所定時間照射され、試料
水中の窒素化合物が硝酸イオンに分解される。酸化分解
された酸化分解槽71内の試料水はマイクロシリンジ22で
所定量吸引採取され、その後、ph値調整を要する際に
は、マイクロシリンジ22が酸12に連なる流路に接続され
て所定量の酸が、酸化分解された試料水に添加されて所
定のph値に調整される。
【0023】ついで、マイクロシリンジ22は吸光度測定
部8に接続され、pH調整されたマイクロシリンジ22内
の試料水は、吸光度測定部8の測定セル81に移送され、
吸光度測定部8で波長220nmの硝酸イオンの吸光度
が測定され、測定された硝酸イオンの吸光度が制御・デ
ータ処理部14で演算処理されてTN濃度が求められ、表
示部15に表示される。
【0024】また、TPの測定は、マイクロシリンジ22
が採水管2の流路に接続され、所定量の希釈率が設定さ
れている場合は、マイクロシリンジ22が希釈水6の流路
に接続され、マイクロシリンジ22内の試料水に所定量の
希釈水が加えられる。ついで、マイクロシリンジ22がペ
ルオキソ二酸化カリウム4の流路に接続されてマイクロ
シリンジ22内の試料水に、所定量のペルオキソ二硫酸カ
リウム(酸化剤)が添加されて後、マイクロシリンジ22
が酸化分解部7の流路に接続されてマイクロシリンジ2
2内の希釈水、ペルオキソ硫酸カリウムの添加された試
料水は、酸化分解部7の酸化分解槽71内に吐出される。
【0025】酸化分解槽71内の希釈水、ペルオキソ二硫
酸カリウムの添加された試料水は、低圧水銀灯72により
の紫外線が所定時間照射され、試料水中のリン化合物が
リン酸イオンに分解される。酸化分解された酸化分解槽
71内の試料水はマイクロシリンジ22で所定量吸引採取さ
れ、その後、マイクロシリンジ22をモリブデン酸アンモ
ニウム溶液10とL−アスコルビン酸溶液11の流路に切り
換えて、所定量のモリブデン酸アンモニウム溶液とL−
アスコルビン酸溶液が吸引されてマイクロシリンジ22内
の試料水に添加され、マイクロシリンジ22内で発色反応
が行われる。
【0026】発色反応後にマイクロシリンジ22は吸光度
測定部8の流路に切り換えられて発色反応した試料水は
吸光度測定部8の測定セル81に移送され、吸光度測定部
8で波長880nmのリン酸イオンの吸光度が測定さ
れ、測定されたリン酸イオンの吸光度が制御・データ処
理部14で演算処理されてTP濃度が求められ、表示部15
に表示される。
【0027】続いて、本発明の特徴である酸化剤の吸光
度測定による酸化剤の酸化能力劣化度の判定手順につい
て説明する。なお、判定は、必ずしも定期的に行う必要
はなく、測定結果が不適切と思われる場合や酸化剤の酸
化分解能力を確認したい場合に行ってもよい。
【0028】酸化剤の酸化能力を判定したい場合には、
制御・データ処理部14に接続するキーボード等を操作、
または、不図示のモード切り換えスィッチで酸化剤の酸
化能力(酸化能力劣化度)の判定モードに切り換える。
これにより制御・データ処理部14の制御のもとにマイク
ロシリンジ22がペルオキソ二酸化カリウム溶液(酸化
剤)4の流路に接続されてマイクロシリンジ22内に所定
量のペルオキソ二硫酸カリウム溶液が吸引されて後、マ
イクロシリンジ22は吸光度測定部8に接続され、マイク
ロシリンジ22内のペルオキソ二硫酸カリウム溶液は、吸
光度測定部8の測定セル81に移送され、吸光度測定部8
で波長220nmのペルオキソ二硫酸カリウムの吸光度
が測定される。その測定値が、制御データ・制御部14
の比較部で所定吸光度値、例えば、予め測定により求め
た、分析(測定)に支障のないペルオキソ二硫酸カリウ
ムの酸化能力劣化度における220nmでの吸光度値と
比較される。
【0029】酸化剤の酸化能力が劣化していない場合に
は、吸光度の測定値が所定吸光度値以上であるので、比
較部は信号を発せず、表示部15、ないし、警報部16が作
動しないので、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液の酸化能
力が測定に支障を来たす程に劣化していないことが確認
できる。したがって、酸化剤を新たに調製したものと交
換することなく、引き続き試料水中のTN/TPを測定
できることが認識できる。なお、請求項1における「所
定値」は、所定の一定値ではなく、測定精度に影響のな
い許容誤差範囲をも含むものである。
【0030】しかしながら、酸化剤の酸化能力が低下し
ている場合には、ペルオキソ二硫酸カリウム溶液の吸光
度の測定値が、所定吸光度値以下となるので、比較部は
出力信号を発し、これを受けて表示部15は「酸化剤交換
せよ」、「酸化力低下」、「測定不能」などのメッセイ
ジを表示したり、報知部16が作動して警報を発する。こ
れにより、操作者は、酸化剤の酸化能力が、測定(分
析)に支障を来たす程度まで劣化しており、酸化剤が交
換の時期に来ていることが認識でき、酸化剤を調製した
ものと交換する。
【0031】このように、酸化剤の交換時期が的確に判
定できて酸化剤の酸化能力が分析に供し得ない程度に劣
化する時期まで使用することができるので、酸化剤の有
効使用が図れると共に、酸化剤の調製と交換の回数を低
減でき、分析の効率化とランニングコストの低減が図れ
る。
【0032】なお、実施例では、TN/TP計に適用し
たが、TNやTPのみを分析するTN計、TP計、なら
びに、酸化剤を使用するTP、TN、TOCの2以上の
成分を分析する多成分水質分析装置にも適用できるもの
である。例えば、TOCの測定にあっては、酸化剤を添
加した試料水に紫外線を照射して酸化し、試料中に増加
したイオン伝導度を測定することでTOC濃度が求めら
れる。この場合、実施例のTN計の吸光度測定セルに一
対の電極を設けて、この電極をイオン伝導度測定部に接
続してイオン伝導度を測定することで、TN、TPとT
OCを測定できる。なお、TOC濃度の測定は、酸化分
解で発生したCO2を赤外線吸収法で測定しても、ま
た、酸化された試料水の波長545nmの吸光度を測定
することでも測定できる。
【0033】また、酸化剤の添加された試料水の酸化分
解は、高温加熱によるものであってもよいが、実施例の
ように紫外線を照射して酸化分解するようにすれば、高
温加熱を必要とせず、酸化分解部の構成や操作が簡単と
なる。さらに、実施例では、8ポートバルブとそれに接
続されたマイクロシリンジで構成される試料注入機構
で、所定量の試料水、酸化剤、希釈水、酸等を吸入(採
取)し、酸化分解部の酸化反応槽等に供給するようにし
たが、計量器を用いて試料水、酸化剤等を酸化分解部へ
計量・供給、ならびに、酸化分解部からの試料水を吸光
度測定部へ計量・供給する様にすることも可能である。
【0034】また、実施例では、酸化分解された試料水
と発色剤とをマイクロシリンジ内に吸引し、マイクロシ
リンジ内で発色反応を行わせ、発色反応後の試料水を吸
光度測定部の測定セルに移送して吸光度を測定するよう
にしたが、酸化分解部の酸化反応槽内の酸化分解された
試料水に発色剤を添加し、発色反応後の試料水をマイク
ロシリンジで吸引して吸光度測定部の測定セルに移送し
て吸光度を測定するようにしても、また、移送された試
料セル内の酸化分解された試料水に発色剤を添加して測
定セル内での発色反応を行わせ、発色反応後の試料水の
吸光度を測定するようにしてもよい。なお、酸化分解部
の試料水に発色剤を添加し、酸化反応部で発色反応を行
うようにすれば、TP測定中に発色反応させることが可
能となり、TP、TNの分析効率を高めることができる
利点がある。
【0035】
【発明の効果】本発明の水質分析装置によれば、酸化剤
の交換時期が分かるので、酸化剤を分析に供し得る酸化
能力の劣化限界まで使用することが可能となる。したが
って、測定(分析)に支障がない酸化能力を有している
にも係わらず酸化剤を定期的に交換・廃棄していた従来
のこの種の装置に比し、資源の有効使用が図れ、また、
定期的な酸化剤の調製、交換を要せず、酸化剤の交換回
数を低減できる水質分析装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
【符号の説明】
1:オーバーフロー形容器 2:採水管 3、9:三方バルブ 4:酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液) 5:水酸化ナトリウム(NaOH) 6:希釈水 7:酸化分解部 71…酸化分解槽 72…低圧水銀灯 73
…電源 8:吸光度測定部(81…測定セル) 10:モリブデン酸アンモニウム溶液 11:L−
アスコルビン酸溶液 12:塩酸(HCl) 13:校正用
の標準液 14:制御・データ処理部 15:表示部 16:報知部 20:試料注入機構 21…8ポートバルブ 22…マイクロシリンジ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化剤の添加された試料水を酸化分解
    し、酸化分解された試料水の吸光度を測定することで試
    料水中の分析対象成分を測定する水質分析装置であっ
    て、試料水に添加する酸化剤の吸光度を測定し、測定値
    が所定値を示さな場合に出力信号を発する出力手段を設
    けたことを特長とする水質分析装置。
  2. 【請求項2】 酸化剤の添加された試料水を酸化分解
    し、酸化分解された試料水及び酸化分解された後に発色
    剤が添加された試料水の吸光度を測定することで全窒素
    及び全リンを測定する水質分析装置であって、試料水に
    添加する酸化剤の吸光度を測定し、測定値が所定値を示
    さない場合に出力信号を発する出力手段を設けたことを
    特徴とする水質分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、または、請求項2に記載の水
    質分析装置であって、酸化剤を添加された試料水に紫外
    線を照射して酸化分解することを特徴とする水質分析装
    置。
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JP (1) JP2002107353A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025792A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 株式会社堀場製作所 水質分析装置及び水質分析方法
JP2015127675A (ja) * 2013-12-27 2015-07-09 株式会社堀場製作所 分析装置及び試薬劣化度算出方法
JP2018059788A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 株式会社島津製作所 水質分析計
CN111077074A (zh) * 2018-10-18 2020-04-28 株式会社岛津制作所 水质分析仪以及紫外线灯劣化判定方法
CN111344573A (zh) * 2017-12-22 2020-06-26 株式会社岛津制作所 水质分析仪

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