JP2001188045A - 水質分析装置 - Google Patents

水質分析装置

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JP2001188045A
JP2001188045A JP37543499A JP37543499A JP2001188045A JP 2001188045 A JP2001188045 A JP 2001188045A JP 37543499 A JP37543499 A JP 37543499A JP 37543499 A JP37543499 A JP 37543499A JP 2001188045 A JP2001188045 A JP 2001188045A
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Kenji Ninomiya
健二 二宮
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料水の酸化分解に使用される酸化剤や紫外
線源を、それらの使用限度まで使用でき、酸化剤や紫外
線源の交換回数を低減できる水質分析装置を得る。 【解決手段】 酸化分解部1の酸化分解槽2内に供給さ
た基準試料水への計量部5で計測されて添加された酸化
剤(アルカリ性ペルオキソ二硫酸カリウム)と、低圧水
銀灯3よりの紫外線照射で、基準試料水内の窒素酸化物
を硝酸イオンに酸化分解する。酸化分解された基準試料
水は、測定セル8に移送され、吸光度測定部9で波長2
20nmの基準試料水の硝酸イオンの吸光度が測定され
る。酸化剤の酸化能力が低下している場合には、基準試
料中の窒素化合物が全て硝酸イオンに酸化分解されてい
ないので、基準試料水の吸光度測定値が所定値とならな
いので、制御手段12が機能する。制御手段12は、酸
化剤の添加量が試料水の分析時に使用する通常使用量の
α倍(α>1)になるように計量部5を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工場や事業所などか
ら出る排水や、水質汚濁の深刻な河川や湖沼、海水など
の環境水に含まれる微量の窒素化合物、リン化合物の濃
度を測定する水質分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国においては水中の窒素化合物、リ
ン化合物の分析方法は、JISのK0102や環境庁告
示140号によって公的に規格化されている。水中の窒
素化合物は硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイ
オン又は有機態窒素として存在している。これらの水中
窒素を全て測定する全窒素分析方法では、全ての窒素化
合物を硝酸イオンに変えて測定するが、アンモニウムイ
オンや有機態窒素は硝酸イオンに酸化分解されにくい。
そこで、全窒素測定では試料水にアルカリ性ペルオキソ
二硫酸カリウム溶液を酸化剤として加えて120℃で3
0分間加熱し、全ての窒素化合物を硝酸イオンに酸化分
解する。それを冷却した後、pHを2〜3に調整し、硝
酸イオンによる波長220nmでの紫外線吸光度を測定
している。
【0003】一方、水中のリン化合物はリン酸イオン、
加水分解性リン、又は有機態リンとして存在している。
全リン測定では中性状態でペルオキソ二硫酸カリウム溶
液を酸化剤として添加し、120℃で30分間加熱する
ことによって全てのリン化合物をリン酸イオンに酸化分
解する。リン酸イオンは特有の光吸収を持たないので、
リン酸イオンを測定するには、冷却後に発色剤としてモ
リブデン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液
を添加して発色させ、波長880nmでの吸光度を測定
している。
【0004】このように、水中の全窒素、全リンを吸光
光度法により測定するには、その前処理として窒素化合
物を硝酸イオンに、リン化合物をリン酸イオンに生成す
るために酸化分解する必要がある。酸化剤(ペルオキソ
二硫酸カリウム溶液)の添加された水を加熱する酸化分
解方法では、水の沸点以上の120℃というような高温
に加熱するため、耐圧構造の反応釜を必要とし、酸化分
解槽の構造や操作が複雑になり、高価格になるという問
題があることから、酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウ
ム)の添加された試料水に紫外線を照射して酸化分解を
促進させることで高温加熱を必要としない酸化分解方法
が提案され、実用に供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化剤
の添加された試料水に紫外線を照射して酸化分解する水
質分析装置では、消耗品としての酸化剤と、酸化反応を
補助する低圧水銀灯等の紫外線源(ランプ)を用いるこ
とから、次の問題がある。すなわち、試料水の酸化反応
に使用する酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウム溶液)
は、時間経過に伴い酸化能力が低下することから、容器
に収容されている酸化剤を約2週間毎に調製し、新しく
調製したものと交換し、また、試料水の酸化分解を補助
する低圧水銀灯も経時的に照射光量が低下することか
ら、酸化剤程に頻繁ではないものの、それの寿命が来る
前に定期的に交換していた。
【0006】しかしながら、酸化剤はある程度酸化能力
が低下しても添加量を増すことで酸化能力が回復し、2
週間毎に新しく調製したものと交換しなくても使用可能
であり、また、低圧水銀灯等の紫外線源も、寿命は低下
するもののランプ電流を増大すれば光量が増加し酸化反
応の補助能力を発揮する。したがって、添加量の増加、
ランプ電流を増大することで充分に使用可能な酸化剤や
低圧水銀灯等の紫外線源(ランプ)を定期的の交換する
ことは、有効な資源を無駄にし、また、交換作業に多大
な時間を消費するという問題がある。
【0007】本発明は、上記に鑑み、試料水の酸化分解
に使用される貴重な酸化剤や紫外線源をそれらの使用限
度まで使用でき、定期的な取り換えを必要としない水質
分析装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの請求項1に係る本発明の水質分析装置では、酸化剤
を添加した試料水に紫外線を照射して酸化分解し、酸化
分解された試料水の吸光度を測定することで全窒素及び
全リンを測定する水質分析装置であって、基準試料水の
吸光度を測定し、その測定値が所定値を示さない場合に
基準試料水に添加する酸化剤の添加量を増量する制御手
段を設けたことを特徴としている。
【0009】また、請求項2に係る本発明水質分析装置
では、請求項1の制御手段が、増量制御で酸化剤が増量
添加された基準試料の吸光度測定値が所定値を示さない
場合に基準試料水に照射する紫外線の照射光量を増強制
御するものであることを特徴としている。なお、紫外線
を照射する紫外線源としては、低圧水銀灯、キセノンラ
ンプ、重水素ランプ、Hg−Zn−Pbランプなど紫外
線を照射するものであればよいが、低圧水銀灯は安価で
長寿命である点で優れている。また、紫外線の照射光量
の増強制御は、低圧水銀灯等の紫外線源(ランプ)のラ
ンプ電流を増大することで容易に行える。
【0010】このような構成によれば、定期的、また
は、必要に応じて適宜基準試料水による吸光度の測定を
行う。基準試料水は、全窒素濃度、あるいは、全リン濃
度、または、全窒素濃度と全リン濃度が既知に調製され
たものであり、この基準試料水に、試料水の分析時に使
用する通常使用量の酸化剤を添加して、試料水の分析時
に使用する通常光量の紫外線を照射して酸化分解された
基準試料水の吸光度を測定する。
【0011】酸化剤の酸化能力が低下していない場合に
は、吸光度の測定値は所定値、例えば、前回の定期校正
時の基準試料水の吸光度測定値、または、前回の基準試
料水の吸光度による較正時の吸光度測定値との許容誤差
以内をとなるが、酸化能力が低下している場合には、基
準試料水の吸光度測定値が所定値、または、許容誤差以
内とならないので、制御手段が働いて基準試料水に、試
料水の分析時に使用する通常使用量のα倍(α>1)の
酸化剤を添加し、且つ、試料水の分析時に使用する通常
光量の紫外線を照射して酸化分解された基準試料水の吸
光度を測定する。
【0012】測定値が所定値、または、許容誤差以内で
あれば酸化剤の増量添加により酸化能力が増して酸化分
解能力が装置の初期状態に回復し、吸光度測定の再現性
が維持できていることが確認でき、試料水の分析時に基
準試料水による校正で制御された増量添加量の酸化剤を
添加することで、試料水の全窒素(以下、適宜TNと称
する)及び全リン(以下、適宜TPと称する)を正確に
測定することができる。
【0013】しかしながら、酸化剤の増量添加された基
準試料水の吸光度の測定値が所定値、または、許容誤差
以内でない場合には、もはや酸化剤の増量添加でもって
酸化能力が回復しないので、酸化剤を新しく調製したも
のと交換するか、次に述べるように紫外線の照射光量を
増強制御して酸化分解能力の回復を図り、装置の初期状
態の吸光度の測定の再現性が維持されるようにする。こ
れによに、酸化剤の添加量の増量でもって酸化分解能力
を増強させるので、酸化剤を添加量の増量で酸化能力が
回復可能な時期まで使用でき、酸化剤の調製、交換回数
を低減でき、酸化剤の有効使用が図れる。
【0014】また、先の酸化剤の増量制御でもって酸化
剤が増量添加された基準試料水の吸光度の測定値が所定
値、または、許容誤差以内を示さず、酸化能力が回復し
ない場合には、制御手段は、酸化剤の増量添加された基
準試料水に照射する紫外線の照射光量を、試料水の分析
時の通常光量のβ倍(β>1)に増強制御する。これに
より、先の酸化剤の増量添加と紫外線の照射光量の増強
制御と相俟つて酸化分解能力が増大する。この状態で基
準試料水の吸光度を測定する。
【0015】測定値が所定値、または、許容誤差以内で
あれば、酸化剤の増量添加と紫外線の照射光量の増強制
御により酸化能力増して装置の酸化分解能力が初期状態
に回復し、吸光度の測定の再現性が維持できたことが確
認でき、試料水の分析時に基準試料水による校正で制御
された増量添加量の酸化剤を添加し、且つ、基準試料水
による校正で増強制御された光量の紫外線を照射するこ
とで、試料水のPN及びTPを正確に測定することがで
きる。
【0016】しかしながら、酸化剤の増量制御、ならび
に、紫外線の照射光量の増強制御しても基準試料水の吸
光度の測定値が所定値、または、許容誤差以内でない場
合には、もはや酸化剤の増量と紫外線の照射光量の増強
制御でもっても酸化能力を回復させることができないの
で、酸化剤、または、酸化剤と紫外線源(ランプ)を交
換する。これにより、酸化剤を添加量の増加で酸化能力
が回復可能な時期まで使用でき、酸化剤の調製、交換回
数を低減でき、酸化剤の有効使用が図れると共に、紫外
線源(ランプ)をそれの寿命限度まで使用することが可
能となり、資源の有効使用が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例に沿って説明する。図1は本発明に係る実
施例の水質分析装置の全体を概略的に表わしたブロック
図である。図の構成において、1は、酸化分解槽2と酸
化分解槽2に紫外線を照射する低圧水銀灯3とそれの電
源4を備えてなる酸化分解部であり、酸化分解槽2には
試料水と、計量部5、6で計量された酸化剤としてのア
ルカリ性ペルオキソ二硫酸カリウム溶液、ないしは、ペ
ルオキソ二硫酸カリウム溶液が供給される。酸化分解槽
2内の試料水に酸化剤が添加され低圧水銀灯3よりの紫
外線の照射により、窒素とリンの化合物がそれぞれ硝酸
イオンとリン酸イオンに酸化分解される。
【0018】酸化分解さた後の試料水はpH調整部7で
pH調整されて測定セル8に導かれる。9は測定セル8
の試料水の硝酸イオンの吸光度と、発色剤が添加された
後のリン酸イオンによる発色量を吸光度として測定する
吸光度測定部である。測定セル8にはリン酸イオンの測
定のために、モリブデン酸アンモニウム溶液とL−アス
コルビン酸溶液がそれぞれ計量部10、11で計量さ
れ、混合されて供給される。酸化分解槽2及び測定セル
8には洗浄のための洗浄水(液)が供給される。12
は、基準試料水の吸光度測定による校正時に低圧水銀灯
3の電源4と計量部5、6を制御すると共に、後述の吸
光度測定部とモータ、演算部等を含む全システムを制御
する制御部である。
【0019】低圧水銀灯3を含めた酸化分解部1の一例
を図2に示す。保護槽20で覆われたパイレックスガラ
ス製の酸化分解槽2内に紫外線照射用の低圧水銀灯3が
設けられ、酸化分解槽2内の試料水と直接接触する。酸
化分解槽2の底部には、試料水入口21、測定セル8に
連なる試料水出口22、酸化剤入口23、全窒素濃度、
全リン濃度が既知の基準試料水の基準試料水入口24、
洗浄水入口25が設けられ、また、上側部にはオーバー
フローした試料水を排出する側管26が設けられてい
て、それらの入口や出口、ならびに、側管にはチューブ
接続できるように継手が設けられている。なお、酸化分
解槽2の内側又は外周面には、紫外線の照射効率を高め
るために反射面とされていることが好ましい。
【0020】図3により吸光度測定部9の一例を説明す
る。酸化分解部1から送られてきた試料水が流入する測
定セル8は、光源32からの紫外から近赤外に及ぶ領域
の光を透過させるために石英ガラス製の透過窓を備えて
おり、また、測定セル8には、測定終了後の試料水や洗
浄水を排水するバルブ33が設けられている。光源32
としては、紫外から近赤外に及ぶ領域の光を発光し長寿
命なキセノンフラッシュランプが好ましい。測定セル8
の上部に発色剤入口が設けられ、全窒素測定後で全リン
測定前に計量された発色剤が不図示のタンクから測定セ
ル8に移送されて添加される。発色剤はリン酸イオンと
反応して発色するものであり、具体的にはJISK01
02に採用されているモリブデン酸アンモニウム溶液と
L−アスコルビン酸溶液である。
【0021】測定セル8の透過光は透過光路上に配置さ
れた集光レンズ34で、モータ35で回転駆動される円
板36に取り付けられた干渉フィルタ37、38に集光
され、フィルタ透過光は検出器(光センサ)39で受光
検出される。光センサ39としては200〜1000n
mの波長に感度を有する特性のシリコンフォトダイオー
ドが適しており、また、円板36に取り付けられた干渉
フィルタ37は220nmに、干渉フィルタ38は88
0nmに透過ピークを有する。光センサ39で検出され
た信号は、前処理部40を経て演算部41へ取り込まれ
る。前処理部40では増幅と同期整流がなされ、演算部
41で窒素化合物とリン化合物の濃度が算出され、演算
部41で算出された濃度が表示部42で表示されたり、
記録部43に記録される。
【0022】次に、試料水中の全窒素濃度、および、全
リン濃度を測定する手順を説明する。先ず、TNの測定
は、試料水が計量されながら試料入口21を経て酸化分
解槽2へ供給され、酸化分解槽2内の試料水に計量部5
で計量された所定量のアルカリ性ペルオキソ二硫酸カリ
ウム(酸化剤)が添加され、所定時間に渡って低圧水銀
灯3により紫外線が照射され、試料水中の窒素化合物を
硝酸イオンに酸化分解させる。酸化分解後の試料水は酸
化分解槽2の試料水出口22を経てpH調製部7に導か
れ、pH調製部7で計量された所定量の酸が添加され所
定のpH値に調製された試料水が、測定セル8に移送さ
れ、吸光測定部9で波長220nmの硝酸イオンの吸光
度を測定して、測定された硝酸イオンの吸光度を演算処
理部41で演算処理してTN濃度が求められ、表示部4
2に表示される。
【0023】また、TPの測定は、試料水が計量されな
がら試料入口21を経て酸化分解槽2へ供給され、酸化
分解槽2内の試料水に計量部6で計量された所定量のペ
ルオキソ二硫酸カリウム(酸化剤)が添加され、所定時
間に渡って低圧水銀灯3により紫外線が照射され、試料
水中のリン化合物をリン酸イオンに酸化分解させる。酸
化分解後の試料水は測定セル8に移送され、測定セル8
内の試料水に計量部10、11で計量された所定量のモ
リブデン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液
を添加して発色反応させる。その発色した試料水を吸光
測定部9で波長880nmのリン酸イオンの吸光度を測
定して、測定されたリン酸イオンの吸光度を演算処理部
41で演算処理してTP濃度が求められ、表示部42に
表示される。
【0024】図4は、上記に説明した測定手順の測定フ
ローで、(a)は全窒素の測定フローを、(b)は全リ
ンの測定フローを示もので、これらの測定手順は、従来
のこの種装置で行われている公定法と同じである。
【0025】続いて、本発明の特徴である基準試料水に
より定期的に行われる校正手順を、基準試料水中のTN
の測定で行う場合について説明する。なお、校正は、必
ずしも定期的に行う必要はなく、測定結果が不適切と思
われる場合や酸化分解部の酸化分解能力を確認したい場
合に行ってもよい。既知のTN濃度に調製された基準試
料水を用意し、それを計量しながら試料入口21を経て
酸化分解槽2へ供給し、酸化分解槽2内の試料水に計量
部5で計量された試料水の分析時と同量のアルカリ性ペ
ルオキソ二硫酸カリウム(酸化剤)を添加して所定時間
に渡って低圧水銀灯3による紫外線の照射で、基準試料
水中の窒素化合物を硝酸イオンに酸化分解させる。酸化
分解後の基準試料水はpH調製部7に導かれ、pH調製
部7で計量された所定量の酸が添加されて所定のpH値
に調製された基準試料水が測定セル8に移送され、吸光
度測定部9で波長220nmの基準試料水の硝酸イオン
の吸光度を測定する。
【0026】酸化剤の酸化能力が低下していない場合に
は、吸光度の測定値は、所定値、例えば、前回の定期校
正時の基準試料水の吸光度測定値、ないし、前回の測定
値との誤差が3%FS以内となり、酸化剤の酸化能力が
低下しておらず、装置の吸光度の測定の再現性が維持さ
れていることが確認できる。したがって、酸化剤を新た
に調製したものと交換することなく、通常の試料水中の
TNの測定に供することが可能で、引き続き試料水の全
窒素測定が行える。なお、特許請求の範囲における「所
定値」は、測定精度に影響のない許容誤差範囲をも含む
ものである。
【0027】しかしながら、酸化剤の酸化能力が低下し
ている場合には、基準試料中の窒素化合物が全て硝酸イ
オンに酸化分解されないので、基準試料水の吸光度の測
定値が、所定値、ないし、前回の測定値との誤差が±3
%FS以下(許容誤差以下)とならないので、制御手段
12が機能して計量部5を制御し酸化剤の添加量が、料
水の分析時に使用する通常使用量のα倍(α>1)にな
るようにする。酸化分解槽2に新たに供給された基準試
料水に、計量部5で計量された試料水の分析時に使用す
る通常使用量のα倍の酸化剤を添加、紫外線を照射して
基準試料水中の窒素成分を硝酸イオンに酸化分解し、吸
光度測定部9で波長220nmの基準試料水の硝酸イオ
ンの吸光度を測定する。
【0028】測定値が所定値(許容誤差以下)であれば
増量添加により酸化剤の酸化能力が増し、酸化分解能力
が装置の初期状態に回復し、吸光度の測定の再現性を維
持できることが確認できる。したがって、試料水に基準
試料水による校正で制御された増量添加量(試料水の分
析時に使用する通常使用量のα倍)の酸化剤を添加する
ことで、酸化剤を新たに調製したものと交換しなくて
も、引き続き試料水のTN及びTPの測定を正確に行え
る。
【0029】なお、酸化剤の添加量を試料水の分析時に
使用する通常使用量のα倍にしても基準試料水の吸光度
の測定値が所定値(許容誤差以下)にならない場合に
は、制御手段12が働いて計量部5を制御して酸化剤の
添加量が、試料水の分析時に使用する通常使用量の2α
にし、2α倍の酸化剤を基準試料水に添加、紫外線を照
射しての基準試料水中の窒素化合物を硝酸イオンに酸化
分解、吸光度測定部9で波長220nmの基準試料水の
硝酸イオンの吸光度測定を繰り返し、添加量を3α、4
α…倍とする酸化剤の添加量増量制御を繰り返し行うよ
うにしてもよい。
【0030】しかしながら、試料水の分析時に使用する
通常使用量の2α、または、3α、4α…倍の酸化剤を
基準試料水に添加しても基準試料水の吸光度の測定値が
所定値(許容誤差以下)にならない場合には、もはや酸
化剤の増量添加のみでは、酸化能力を回復させることが
できないので、制御部は、低圧水銀灯3の照射光量の増
強制御を行う。すなわち、制御手段12は、先の酸化剤
の増量制御で増量された、試料水の分析時に使用する通
常使用量の2α、または、3α、4α…倍の酸化剤が添
加された基準試料水に照射する紫外線の照射光量を、試
料水の分析時の通常光量のβ倍(β>1)となるランプ
電流が流れるように、低圧水銀灯3の電源4を制御す
る。
【0031】このランプ電流の増大制御による紫外線の
照射光量の増強と、先の酸化剤の増量添加制御と相俟つ
て酸化分解能力が増大する。この状態で基準試料水の吸
光度を測定する。測定値が所定値(許容誤差以下)であ
れば酸化剤の増量添加と、紫外線の照射光量の増強によ
り酸化能力が増し、酸化分解能力が装置の初期状態に回
復し、吸光度測定の再現性を維持できることが確認でき
る。したがって、試料水に基準試料水による校正で制御
された増量添加量の酸化剤を添加し、かつ、基準試料水
による校正で増強制御された光量の紫外線を照射するこ
とで、引き続き試料水のTN及びTPを正確に測定する
ことができる。
【0032】なお、紫外線の照射光量を試料水の分析時
に使用する通常光量のβ倍にしても基準試料水の吸光度
測定値が所定値(許容誤差以下)にならない場合には、
制御手段12が働いて低圧水銀灯3の電源4を制御し、
低圧水銀灯3の照射光量が、試料水の分析時に使用する
通常光量の2βにし、この増強された光量の紫外線を、
先の増量制御された酸化剤の添加された基準試料水に照
射しての基準試料水中の窒素化合物を硝酸イオンに酸化
分解、吸光度測定部9で波長220nmの基準試料水の
硝酸イオンの吸光度測定を繰り返し、照射光量を3β、
4β…倍とする紫外線の照射光量の増強制御を繰り返し
行うようにしてもよい。
【0033】しかしながら、酸化剤の増量制御、ならび
に、紫外線の照射光量増強制御しても基準試料水の吸光
度の測定値が所定値(許容誤差以下)を示さない場合に
は、もはや酸化剤の増量と紫外線の照射光量の増強制御
でもってしても酸化能力を回復することができないの
で、酸化剤を新しく調製したものと交換、または、酸化
剤と低圧水銀灯の両者の交換等の処理を行う。図5は、
上記の基準試料水による校正時の測定フローを示す。
【0034】これにより、酸化剤を添加量の増量で酸化
能力回復可能な時期まで使用でき、酸化剤の調製と交換
の回数を低減でき、酸化剤の有効使用が図れると共に、
低圧水銀灯をそれの寿命限度まで使用することが可能と
なり、資源の有効使用が図れる。
【0035】なお、上記の実施例では、酸化剤の増量制
御で酸化能力が、装置の初期状態に回復しない場合には
引き続き紫外線の照射光量の増強制御を行うようにした
が、紫外線照射用の低圧水銀灯(ランプ)等の紫外線源
の寿命は酸化剤より長いことから、酸化剤の増量制御で
酸化能力が回復しない場合に、酸化剤を新しく調製した
ものに取り換えるようにしてもよい。この場合には、酸
化剤の増量制御に引き続く実施例における紫外線の増強
制御は不要である。
【0036】また、実施例では、先ず酸化剤の増量制御
を行い、それで酸化能力が回復しない場合は引き続いて
紫外線の照射光量の増強制御を行うようにしたが、酸化
剤の増量制御で1回目の増量を行い、それでもって酸化
能力が回復しない場合には紫外線の増強制御で1回目の
照射光量の増強を行い、それでも酸化能力が回復しない
場合には、酸化剤の増量制御で2回目の増量を行い、そ
れでも酸化能力が回復しない場合には紫外線の照射光量
の増強制御で2回目の照射光量の増強を行なうというよ
うに、酸化剤の増量制御と紫外線の照射光量の増強制御
を交互の行うようにしてもよい。
【0037】さらに、実施例では、TN濃度を測定する
ことで校正したが、TP濃度を測定、または、TNとT
P濃度の両方を測定することで校正するようにしてもよ
い。この場合には、基準試料水としては、TP濃度、ま
たは、TN濃度とTP濃度が既知に調製されたものを用
いる。また、実施例では、低圧水銀灯を試料水内に侵漬
させたが、酸化分解槽を内側と外側間に試料水が収容で
きる二重有底円筒構造とし、内側の円筒体内に低圧水銀
灯を配置したものであってもよく、また、酸化反応槽の
外側に低圧水銀灯を配置したものであってもよい。
【0038】さらにまた、実施例では、全窒素測定後で
全リン測定前に計量された発色剤を測定セル内の酸化分
解された試料水に添加するようにしたが、リン測定時に
その前段の酸化分解槽内の酸化分解された試料水に発色
剤を添加し、その発色剤の添加された試料水を測定セル
に移送して吸光度を測定するようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明の水質分析装置によれば、試料水
の酸化分解に使用される貴重な酸化剤や紫外線源をそれ
らの使用限度まで使用できる。したがって、寿命がある
にも係わらず酸化剤と紫外線源とを定期的に交換してい
た従来のこの種の装置に比し資源の有効使用が図れ、酸
化剤の調製、ならびに、酸化剤や紫外線源の交換回数を
低減できる水質分析装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る水質分析装置の全体
を概略的に示すブロック図である。
【図2】 図1における酸化分解部1の構成の一例を示
す断面図である。
【図3】 図1における吸光度測定部の一例を説明する
模式図である。
【図4】 図1の装置による全窒素と全リンの測定フロ
ーを示す図である。
【図5】 図1の装置における校正時の測定フローを示
す図である。
【符号の説明】
1:酸化分解部 2:酸化分解槽 20…保護槽 21…試料水入口 22…試料水出口 23…酸化剤入口 24…基準試料水入口 25…洗浄水入口 26…側管 27…保護槽 3:低圧水銀灯 4:低圧水銀灯の電
源 5、6、10、11:計量部 7:pH調整部 8:測定セル 9:吸光度測定部 33…バルブ 32…光源 34…集光レンズ 35…モータ 36…円板 37、38…干渉フィルタ 39…光センサ(検出器) 40…前処理部 41…演算部 42…表示部 43…記録部 12:制御部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化剤を添加した試料水に紫外線を照射
    して酸化分解し、酸化分解された試料水及び酸化分解さ
    れた後に発色剤が添加された試料水の吸光度を測定する
    ことで全窒素及び全リンを測定する水質分析装置であっ
    て、基準試料の吸光度を測定し、測定値が所定値を示さ
    ない場合に前記基準試料水に添加する酸化剤の添加量を
    増量する制御手段を設けたことを特徴とする水質分析装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水質分析装置であっ
    て、前記制御手段は、増量制御で酸化剤が増量添加され
    た基準試料の吸光度の測定値が所定値を示さない場合に
    前記基準試料水に照射する紫外線の照射光量を増強制御
    するものであることを特徴とする水質分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1、または、請求項2に記載の水
    質分析装置であって、前記試料水に紫外線を照射する紫
    外線源が低圧水銀灯であることを特徴とする水質分析装
    置。
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