JP3264090B2 - 窒素化合物、リン化合物及び有機汚濁物質の計測装置 - Google Patents

窒素化合物、リン化合物及び有機汚濁物質の計測装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工場や事業所などから出
る排水や、河川や湖沼などの環境水に含まれる微量の窒
素化合物とリン化合物を分析する装置に関し、さらに有
機汚濁物質もともに分析することのできる装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】我が国においては水中の窒素化合物やリ
ン化合物の分析方法は、JISのK0102や環境庁告
示140号によって公的に規格化されている。水中の窒
素化合物は硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイ
オン又は有機態窒素として存在している。これらの水中
窒素を全て測定するTN(全窒素)分析方法では、全て
の窒素化合物を硝酸イオンに変えて測定するが、アンモ
ニウムイオンや有機体窒素は硝酸イオンに酸化されにく
い。そこで、TN測定では試料水にアルカリ性ペルオキ
ソ二硫酸カリウム溶液を加えて120℃で30分間加熱
し、全ての窒素化合物を硝酸イオンに酸化する。それを
冷却した後、pHを2〜3に調整し、硝酸イオンによる
波長220nmでの紫外線吸光度を測定している。
【0003】一方、水中のリン化合物はリン酸イオン、
加水分解性リン、又は有機態リンとして存在している。
TP(全リン)測定では中性状態でペルオキソ二硫酸カ
リウムを酸化剤として添加し、120℃で30分間加熱
することによって全てのリン化合物をリン酸イオンに酸
化する。リン酸イオンは特有の光吸収を持たないので、
リン酸イオンを測定するには、冷却後に発色剤としてモ
リブデン酸アンモニウム溶液とL−アスコルビン酸溶液
を添加して発色させ、波長880nmでの吸光度を測定
している。
【0004】他のTN測定方法では、酸化触媒を用いて
500℃以上の高温で硝酸イオンに酸化した後、化学発
光法により窒素酸化物として測定したり、窒素酸化物を
さらに酸化還元反応管(約600℃)に通して窒素ガス
に分解してガスクロマトグラフ法で窒素として測定して
いる。さらに他の方法としては、試料水にオゾンを供給
してオゾン酸化する方法も行なわれており、そのオゾン
酸化は、TN測定ではアルカリ性下、TP測定では酸性
下で行なわれている。また、我が国においては、水質環
境保全のために、閉鎖性海域に流入する工場排水に対
し、有機汚濁物質についてはすでに総量規制が実施さ
れ、COD計、TOC計、UV計などが公定法として採
用されている。その中でもUV計は構成の簡素さにより
最も普及している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】試料水中のTN測定と
TP測定を共通の分析計で分析するようにした装置はな
い。これは、酸化剤による酸化やオゾン酸化では、窒素
化合物の酸化をアルカリ性下で行ない、リン化合物の酸
化を中性下又は酸性下で行なうというように、酸化の際
のpH条件が異なるためである。また、酸化剤による酸
化方法では水の沸点以上の120℃というような高温に
加熱するため、耐圧構造の反応釜を必要とし、酸化装置
の構造や操作が複雑になり、高価格になる問題がある。
酸化剤は消耗するため頻繁に補充しなければならず、ラ
ンニングコストが高くなる問題もある。
【0006】触媒を用いて窒素化合物を酸化する方法
は、500℃以上というような高温が必要であり、かつ
触媒の劣化が激しい。装置も構造が複雑になり、保守が
困難であるだけでなく、触媒を使用した分析法は一般に
モニタとして現場で使用するのに不向きである。オゾン
酸化法では中性域での酸化力が弱いため、窒素化合物の
酸化についてもリン化合物の酸化についてもそれぞれp
Hを調整する機構を要し、装置の構造が複雑になる。ま
た、酸とアルカリのpH調整液も消耗品として必要にな
る。このように、従来の分析方法に基づく分析装置では
窒素化合物とリン化合物を共通に測定することができな
いだけでなく、コスト高にもなり、また連続モニタとし
て使用するのが困難である。
【0007】そこで、本発明は試料水中の窒素化合物、
リン化合物及び有機汚濁物質を1台の装置でともに測定
できるようにするとともに、長時間連続して分析するこ
とも可能な計測装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1に本発明の基本構成
を示す。測定しようとする試料を供給する試料供給部
、窒素化合物又はリン化合物を測定する場合に、試料
供給部から試料の供給を受けて酸化処理する酸化反応
装置、リン化合物の測定を行なうときに酸化された試
料溶液にモリブデン酸アンモニウム溶液とL−アスコル
ビン酸溶液を発色剤として添加する呈色反応部、及び
それぞれの試料溶液の吸光度を測定する吸光度測定部
から構成されている。
【0009】有機汚濁物質を測定するときは、試料供給
部から吸光度測定部へ試料を供給するが、このとき
酸化反応装置と呈色反応部は試料溶液を単に通過さ
せるだけとするか、又はバイパス流路によって直接吸光
度測定部へ試料を供給する。吸光度測定部では例え
ば254nmの測定波長で吸光度を測定して有機汚濁物
質を測定する。
【0010】窒素化合物を測定するときは、試料を酸化
反応装置へ送って窒素化合物を硝酸イオンに酸化し、
酸化反応装置で酸化された試料溶液を呈色反応部を
通過させるか又はバイパス流路により吸光度測定部へ
導いて、220nmの測定波長で硝酸イオンを測定す
る。リン化合物を測定するときは、試料を酸化反応装置
へ送ってリン化合物をリン酸イオンに酸化させた後、
呈色反応部で発色試薬を添加して発色させ、その後吸
光度測定部で880nmの測定波長でリン酸イオンを
測定する。
【0011】本発明の計測装置は、紫外線照射により試
料水中の窒素化合物とリン化合物を同時に酸化して窒素
化合物から硝酸イオン、リン化合物からリン酸イオンを
生じさせる酸化分解装置と、その酸化分解装置と流路で
結ばれ、その酸化分解装置からの試料水が供給される石
英ガラス製吸光測定セルと、酸化分解装置又は吸光測定
セルへリン酸イオンと選択的に反応する発色液を添加す
る発色液添加用流路と、吸光測定セルへ測定光として紫
外線及び近赤外線を照射する光源部と、吸光測定セルの
測定光透過光路上にあって、その透過光を3つの光路に
分波する分波手段と、分波された第1の光路上にあって
硝酸イオンに特有の吸収波長を選択し、その波長の光を
硝酸イオンの試料光として検出する第1の光学系と、分
波された第2の光路上にあってリン酸イオンと反応した
発色液に特有の吸収波長を選択し、その波長の光をリン
酸イオンの試料光として検出する第2の光学系と、分波
された第3の光路上にあって有機汚濁物質に特有の吸収
波長の光を有機汚濁物質の試料光として検出する第3の
光学系と、第1、第2及び第3の光学系の検出信号を基
にし、それらの信号から窒素化合物濃度、リン化合物濃
度及び有機汚濁物質濃度を算出する演算処理部とを備え
ている。
【0012】本発明の他の態様では、窒素化合物濃度と
リン化合物濃度を測定する吸光測定セルと、有機汚濁物
質を測定する吸光測定セルとを別の測定セルとする。そ
の場合は、有機汚濁物質を測定する吸光測定セルには試
料水を酸化分解装置を経ずに直接導くようにすることが
でき、窒素化合物濃度とリン化合物濃度の測定に関係な
く有機汚濁物質を独立して測定することができるように
なり、例えば有機汚濁物質を連続して測定することがで
きるようになる。
【0013】本発明で用いられる酸化分解装置は、好ま
しくは試料水出入り口を有する酸化反応槽と、酸化反応
槽内に紫外線を照射する紫外光源と、酸化反応槽の試料
水を50〜100℃に加温する加温手段とを備えてい
る。バッチ式光酸化分解装置とする場合には試料水を酸
化反応槽に不連続に供給し、不連続に取り出す流路を備
え、フロー式光酸化分解装置とする場合には試料水を酸
化反応槽に連続して供給する流路を備えている。
【0014】さらに好ましい酸化分解装置は、酸化反応
槽にガス供給口を有し、そのガス供給口から酸素又はオ
ゾンを含有したガスをその試料水に吹き込みながら、紫
外光源からその試料水に紫外線を照射するようにしたも
のである。さらに好ましい酸化分解装置では、反応槽内
面に光酸化触媒薄膜が形成され、又は反応槽内に光酸化
触媒が充填されたものである。光酸化触媒としてはTi
2や、AgCl、AgI又はAgBrなどのハロゲン
化銀を使用することができる。
【0015】試料水に紫外線を照射する際に酸素やオゾ
ンを含んだガスを吹き込む場合には、次のような反応が
起こり、水中に酸素原子やオゾンが発生する。この酸素
原子やオゾンがTiO2やハロゲン化銀の光酸化触媒の
作用とともに、窒素やリンの酸化を促す。
【0016】酸素原子やオゾンは酸化力をもっているの
で、試料水中の窒素化合物やリン化合物を酸化してそれ
ぞれ硝酸イオンやリン酸イオンに変える。試料水を50
〜100℃に加温するのは、加温により光酸化分解反応
が大幅に促進されるからである。
【0017】
【実施例】図2と図3により一実施例を表わす。図2は
反応部、図3は測定部を表わしている。2は紫外線照射
により窒素化合物を硝酸イオンに酸化し、リン化合物を
リン酸イオンに酸化する光酸化反応槽である。光酸化反
応槽2は酸化反応容器4を備え、その酸化反応容器4の
底部には試料水、空気及び洗浄用上水を供給する供給管
6と、酸化反応終了後の試料水を取り出す取出し管8が
接続され、その酸化反応容器4の上部には溢れた試料水
や洗浄水、及び空気を排出するための排出管10と、校
正液12をバルブ14を介して供給する校正液供給管1
6と、発色剤18,20をペリスターポンプ22を介し
て供給する発色剤供給管24が接続されている。発色剤
18,20はリン酸イオンと反応して発色するものであ
り、発色剤18はモリブデン酸アンモニウム溶液、発色
剤20はL−アスコルビン酸溶液である。排出管10に
は排出用バルブV5が接続され、そのバルブV5を経て
試料水等が排出される。
【0018】酸化反応容器4内には光酸化反応用の光源
として、短波長の紫外線、例えば185nmに輝度を有
する低圧水銀灯26が配置されている。酸化分解時に低
圧水銀灯26が電源28により点灯されて紫外線が酸化
反応容器4内の試料水に照射される。酸化反応容器4は
例えばアルミニウムやステンレスなどの金属製であり、
その内面は紫外線を多重反射させるために、鏡面研磨さ
れてミラー構造になっている。酸化反応容器4をガラス
製とすることもできる。試料水が海水や塩分の多い水で
ある場合は、酸化反応容器4はガラス製であることが好
ましい。ガラス製の場合、ミラー構造とするには、パイ
レックスガラスは紫外線を透過しないので内面に銀鏡や
アルミニウム蒸着膜を形成し、紫外線透過ガラスの場合
は外面に銀鏡やアルミニウム蒸着膜を形成すればよい。
酸化反応容器4をミラー構造にすれば紫外線放射光を有
効に活用することができ、分解効率が著しく向上する。
光酸化反応槽2としては種々の構造のものを使用するこ
とができる。
【0019】光源としては低圧水銀灯26以外にもエキ
シマレーザ、重水素ランプ、キセノンランプ、Hg−Z
n−Pbランプなど、強いエネルギーで紫外線を放射で
きる光源であればいずれも使用することができる。低圧
水銀灯26は寿命が長いという利点をもっており、モニ
タとして使用するのに好都合である。
【0020】酸化反応容器4には酸化反応容器4内の試
料水を50〜100℃の所定の温度に保持するためにヒ
ータ30が設けられ、温度センサ32を介して温調器に
よって所定の温度に制御できるようになっている。酸化
反応容器4内の試料水は例えば90℃に温度制御され
る。ヒータ30をカートリッジヒータとして温度センサ
32ともに酸化反応容器4に埋め込んでもよい。必要に
応じて酸化反応容器4の外側を断熱材で被ってもよい。
酸化反応容器4を紫外線透過ガラス製とした場合は、紫
外線光源を酸化反応容器4の外側に配置し、酸化反応容
器4の外側から紫外線照射するようにしてもよい。
【0021】酸化反応容器4の下部の供給管6を経て試
料水を供給するために、試料水流路が弁34とピンチ弁
V3を介して接続されている。弁34とV3の間の流路
には弁V4を介して排水する流路が接続されている。供
給管6には酸化反応時に試料水を曝気するための空気を
供給するために、空気供給流路がフィルタ38、ポンプ
40、ニードル付き流量計42及び弁V1を介して接続
されている。
【0022】供給管6にはさらに、酸化反応容器4や測
定セルなどの流路を洗浄するための上水を供給するため
に、上水供給路がボール弁44、電磁弁V2、純水器4
6、逆止弁48を介して接続されている。供給管6には
排水用弁50が接続され、その弁50を介して酸化反応
容器4や供給管6に残った液を排出できるようになって
いる。酸化反応容器4の底部に設けられた取出し管8は
弁V6を介して吸光測定セル52の底部に接続されてい
る。吸光測定セル52はその底部から弁V8を介して排
水できるようになっており、その上部には溢れた試料水
や洗浄水を排出するために弁V7をもつ排出管が接続さ
れている。
【0023】吸光測定セル52は試料水を流通させるこ
とができるとともに、紫外から近赤外に及ぶ領域の測定
光を透過させるために石英ガラス製の透過窓を備えてい
る。吸光測定セル52へ測定光を照射するために、キセ
ノンフラッシュランプ54が設けられている。測定用光
源としては短波長側に重水素ランプ、長波長側にタング
ステンランプを用いることもできる。しかし、光源が2
種類になると構造が複雑になるので、測定に必要な波長
範囲をカバーできるキセノンランプが好ましい。連続点
灯するキセノンランプでは高温になり、かつ寿命が短い
ので、キセノンフラッシュランプが好都合である。キセ
ノンフラッシュランプ54は発熱が少なく、寿命が長
い。56は光源の電源である。発色剤を添加する手段は
吸光測定セル52に設け、吸光測定セル52において試
料水に発色剤を添加するようにしてもよい。
【0024】吸光測定セル52は紫外線透過可能な石英
窓が測定光路上に配置されたものであり、吸光測定セル
52の光路長は10mmである。吸光測定セル52の透
過光光路上には透過光を分波するハーフミラー500が
配置され、吸光度測定セル52とハーフミラー500の
間の光路上には石英製集光レンズ58が配置され、吸光
測定セル52の透過光が後のハーフミラー62上に集光
されるようになっている。集光レンズ58とハーフミラ
ー500の間の光路上には校正フィルタ60が配置され
ている。
【0025】ハーフミラー500は波長特性を持たず、
吸光測定セル52の透過光を単に反射光と透過光に分割
するだけのものである。ハーフミラー500の反射光光
路上には有機汚濁物質を測定するために、シリコンフォ
トダイオード504が配置され、ハーフミラー500と
フォトダイオード504の間の光路上には透過波長が約
254nmの光学フィルタ502が配置されている。
【0026】ハーフミラー500の透過光光路上にはさ
らにハーフミラー62が配置されている。ハーフミラー
62としては反射光が800nm以上の光となり、透過
光が240nm以下の波長の光となるように波長特性が
設定されたものを用い、ハーフミラー62の透過光路が
窒素化合物測定用、反射光路がリン化合物測定用とな
る。ハーフミラー62の透過光路上にはシリコンフォト
ダイオード66が窒素側光検出器として配置され、ハー
フミラー62とフォトダイオード66の間の光路上には
透過波長が220nmの光学フィルタ64が配置されて
いる。一方、ハーフミラーの反射光路上にはシリコンフ
ォトダイオード70がリン側光検出器として配置され、
ハーフミラー62とフォトダイオード70の間の光路上
には透過波長が880nmの光学フィルタ68が配置さ
れている。光学フィルタ64,68の半値幅は10〜3
0nmである。光検出器のフォトダイオード66,7
0,504は紫外〜近赤外域にわたって広範囲な感度を
有する特性のものを使用する。
【0027】フォトダイオード66,70,504の検
出出力を増幅するために、それぞれにプリアンプ72,
74,506が接続され、プリアンプ72,74,50
6で増幅された検出出力は前処理部76を経て演算部7
8へ取り込まれる。前処理部76では差動増幅と対数増
幅がなされ、演算部78で窒素化合物とリン化合物の濃
度が算出され、表示部80へ表示される。84は演算部
の電源である。測定値はアナログ出力としても取り出す
ことができ、例えばDC0〜1V又はDC4〜20mA
の値として出力することができる。測定時の温度制御、
各電磁弁(ピンチ弁、電磁弁)及びペリスターポンプ、
空気ポンプなどのシーケンス制御は制御部82によって
行なわれる。
【0028】次に、図2,図3の実施例の動作について
詳細に説明する。試料水は初めバルブV3をオフ、バル
ブV4をオンにして排水状態にしておく。有機汚濁物質
を測定するために、バルブV3をオン、バルブV4をオ
フ、バルブ50をオフ、バルブV5をオフ、バルブV6
をオンにすることにより、試料水を反応容器4を経て測
定セル52に導入し、測定セル52からオーバーフロー
した試料水は排出する。試料セル52に保持され、又は
試料セル52を流れる試料水に光源54から測定光を照
射し、波長254nmで有機汚濁物質を測定する。
【0029】次に、窒素化合物とリン化合物を測定する
ために、光酸化反応部2のヒータ30をオンにして90
℃に温調する。同時に光源の電源28もオンにして低圧
水銀灯26の点灯を安定化させる。バルブV3をオン、
バルブV4をオフ、バルブ50をオフ、バルブV6をオ
フにして試料水を反応容器30へ導入し、オーバーフロ
ーした試料水はバルブV5を経て排出する。その後、バ
ルブV3をオフ、V4をオンにする。次に、バルブV1
をオンにして空気を反応容器4へ導入して、光酸化反応
部に保持された試料水を曝気しながら約20分間にわた
って紫外線を照射し、試料水中の窒素酸化物とリン酸化
物を同時に酸化反応させる。
【0030】光酸化反応終了後、酸化反応容器4内の半
分の試料水をバルブV6をオンにして測定セル52に導
入し、測定セル52からオーバーフローした試料水は排
出する。測定セル52に保持された試料水に光源54か
ら測定光を照射し、波長220nmで硝酸イオン濃度を
測定する。この測定の間に、酸化反応容器4には発色剤
18,20を添加しておく。
【0031】測定セル52での硝酸イオンの光吸収測定
を終了した後、バルブV8をオンにして測定セル52内
の試料水を排出する。このときバルブV6はオフになっ
ている。測定セル52の試料水の排出を完了した後、バ
ルブV8をオフにし、バルブV6をオンにして光酸化反
応部2の残り試料水(発色している)を試料セル52に
導入し、オーバーフローした試料水は排出する。リン酸
イオンは発色剤の880nmの波長で測定する。測定
後、バルブV8をオンにして測定セル52内の試料水を
排出する。
【0032】その後、バルブV6をオフにした状態で、
洗浄のためにバルブV2をオンにして酸化反応容器4へ
上水を洗浄水として供給して洗浄する。次に、バルブV
6をオンにし、酸化反応容器4を経て洗浄水を測定セル
52にも供給し測定セル52も洗浄する。このときバル
ブV8をオフにしておく。測定セル52の洗浄終了後、
洗浄水の供給を停止し、バルブV8をオンにして測定セ
ル52内の洗浄水を排出する。これにより測定系内の洗
浄水は全て排出される。その後、光酸化反応部2へ試料
水を導入する工程に戻って測定を繰り返す。
【0033】光酸化反応部2は、酸化反応容器4内にT
iO2やハロゲン化銀などを光酸化触媒として設けたも
のでもよい。その方が、反応速度が速くなる。また、図
2の実施例は酸化反応槽として光酸化反応を行なうもの
を示しているが、窒素化合物とリン化合物を同時に酸化
して硝酸イオンとリン酸イオンを発生させるものであれ
ば、酸化反応槽は他の方式のものでもよい。
【0034】図2と図3の実施例は有機汚濁物質の測定
を行なう場合も試料水は反応容器4を経て測定セル52
へ導かれるようになっている。これに対し、第2の実施
例である図4に示す測定部では、窒素化合物とリン化合
物を測定するための測定セル52と、有機汚濁物質を測
定するための測定セル510を別に設けている。反応部
は図2に示されたものであり、図4の測定セル510に
試料水を供給するために、試料水供給流路108がバル
ブ34とV3の間から分岐し、反応容器4を経ないで測
定セル510へ直接導かれるようになっている。
【0035】測定用の光源54は測定セル52と510
で共通に使用され、測定セル52の透過光光路上には窒
素化合物測定用の光学系68,70と、リン化合物測定
用の光学系64,66が配置されており、測定セル51
0の透過光光路上には集光レンズ512及び校正フィル
タ514を経て有機汚濁物質の吸収波長で測定を行なう
ための光学フィルタ502及びシリコンフォトダイオー
ド504が配置されている。なお、図4で図3と同一の
符号を用いている素子は同じものであり、同じ動作を行
なう。図4の実施例では測定セル52と510が独立に
設けられているので、有機汚濁物質を連続して計測する
ことができる。窒素化合物とリン化合物は図3と同じ
く、間歇的に測定される。
【0036】
【発明の効果】本発明では紫外線照射により試料水中の
窒素化合物とリン化合物を同時に酸化して窒素化合物か
ら硝酸イオン、リン化合物からリン酸イオンを生じさ
せ、その試料水又は酸化を施さない試料水に測定光を照
射して測定を行なうので、硝酸イオン、リン酸イオン及
び有機汚濁物質を1台の装置でともに測定できるように
なリ、また、酸化剤などの消耗剤を補充する必要がない
ので、作業が容易で、長時間連続して分析することがで
きる。また、その結果、3成分の測定装置として共通部
分が増えるため、装置コストが安くなり、装置構成が簡
単になる。さらに、それぞれの成分ごとに測定装置を設
置するのに比べると保守が容易で、設置場所を少なくで
きる効果もある。酸化反応の際、試料水に酸素又はオゾ
ンを含有したガスを吹き込みながら試料水を加温し、試
料水に紫外線を照射するようにすれば、効率よく光酸化
反応を行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を概略的に示すブロック図である。
【図2】第1の実施例の測定部を示す構成図である。
【図3】同実施例における光学系及び信号処理系を示す
ブロック図である。
【図4】第2の実施例における光学系と信号処理系を示
すブロック図である。
【符号の説明】
2 光酸化反応槽 4 酸化反応容器 18 モリブデン酸アンモニウム溶液 20 L−アスコルビン酸溶液 26 低圧水銀灯 52,510 吸光測定セル 54 光源 64,68,502 フィルタ 66,70,504 フォトダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/75 - 21/83

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線照射により試料水中の窒素化合物
    とリン化合物を同時に酸化して窒素化合物から硝酸イオ
    ン、リン化合物からリン酸イオンを生じさせる酸化分解
    装置と、 前記酸化分解装置と流路で結ばれ、前記酸化分解装置か
    らの試料水が供給される石英ガラス製吸光測定セルと、 前記酸化分解装置又は前記吸光測定セルへリン酸イオン
    と選択的に反応する発色液を添加する発色液添加用流路
    と、 前記吸光測定セルへ測定光として紫外線及び近赤外線を
    照射する光源部と、 前記吸光測定セルの測定光透過光路上にあって、その透
    過光を3つの光路に分波する分波手段と、 分波された第1の光路上にあって硝酸イオンに特有の吸
    収波長を選択し、その波長の光を硝酸イオンの試料光と
    して検出する第1の光学系と、 分波された第2の光路上にあってリン酸イオンと反応し
    た発色液に特有の吸収波長を選択し、その波長の光をリ
    ン酸イオンの試料光として検出する第2の光学系と、 分波された第3の光路上にあって有機汚濁物質に特有の
    吸収波長の光を有機汚濁物質の試料光として検出する第
    3の光学系と、 前記第1、第2及び第3の光学系の検出信号を基にし、
    それらの信号から窒素化合物濃度、リン化合物濃度及び
    有機汚濁物質濃度を算出する演算処理部とを備えたこと
    を特徴とする分析装置。
  2. 【請求項2】 紫外線照射により試料水中の窒素化合物
    とリン化合物を同時に酸化して窒素化合物から硝酸イオ
    ン、リン化合物からリン酸イオンを生じさせる酸化分解
    装置と、 前記酸化分解装置と流路で結ばれ、前記酸化分解装置か
    らの試料水が供給される第1の石英ガラス製吸光測定セ
    ルと、 試料水が供給される第2の石英ガラス製吸光測定セル
    と、 前記酸化分解装置又は前記第1の吸光測定セルへリン酸
    イオンと選択的に反応する発色液を添加する発色液添加
    用流路と、 前記第1の吸光測定セルへ測定光として紫外線及び近赤
    外線を照射し、前記第2の吸光測定セルへ測定光として
    紫外線を照射する光源部と、 前記第1の吸光測定セルの測定光透過光路上にあって、
    その透過光を2つの光路に分波する分波手段と、 分波された第1の光路上にあって硝酸イオンに特有の吸
    収波長を選択し、その波長の光を硝酸イオンの試料光と
    して検出する第1の光学系と、 分波された第2の光路上にあってリン酸イオンと反応し
    た発色液に特有の吸収波長を選択し、その波長の光をリ
    ン酸イオンの試料光として検出する第2の光学系と、 前記第2の吸光測定セルによる前記光源部からの測定光
    の透過光路上にあって有機汚濁物質に特有の吸収波長の
    光を有機汚濁物質の試料光として検出する第3の光学系
    と、 前記第1、第2及び第3の光学系の検出信号を基にし、
    それらの信号から窒素化合物濃度、リン化合物濃度及び
    有機汚濁物質濃度を算出する演算処理部とを備えたこと
    を特徴とする分析装置。
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