JP2004182956A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂組成物およびその硬化物に関し、さらに詳しくは熱潜在性重合触媒を用いたエポキシ樹脂組成物およびその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
LEDやLD(lazer diode)等の半導体発光素子は、小型で効率良く鮮やかな色の発光をする。また、半導体素子であるため球切れがない。駆動特性が優れ、振動やON/OFF点灯の繰返しに強いという特徴を有する。そのため、各種インジケータや種々の光源として利用されている。このような半導体発光素子を封止する材料としては、透光性や生産性、扱い易さなどの点からエポキシ樹脂が好んで使用されている。特に酸無水物系硬化剤を使用して硬化したエポキシ樹脂は、熱処理による変色も少なく、透光性および耐光性に優れている。このような酸無水物系硬化剤を使用したエポキシ樹脂組成物においては、硬化を促進するための硬化促進剤も併用されている。
硬化促進剤としては、従来、耐熱性の高いハロゲンのホスホニウム塩が使用されていた。しかし、このようなハロゲン塩は、特に高温高湿下では電極腐食の原因になり好ましくない。この問題を解決すべく、硬化促進剤としてテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートが開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートは酸無水物系硬化剤やエポキシ樹脂との相溶性が悪く、これを配合したエポキシ樹脂組成物を比較的低温で硬化させると白濁した透光性のない硬化物になるという問題がある。近年、溶解性が改善された硬化促進剤としてテトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレートが開発されているが(例えば、特許文献2参照)、耐熱性が従来のテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートより劣るため、さらに溶解性が高く、耐熱性に優れた触媒の開発が望まれている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−209624号公報
【特許文献2】
特開2002−53644号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、硬化物が高い透光性を有し、かつ高温・高湿下でも色変化の少ない耐熱性、耐光性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1)エポキシ樹脂、硬化剤および硬化促進剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤が下記式(I)で表されるホスホニウム化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、
【化3】
(式中、R1〜R4は、同一または異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいジアリールメチル基または式(II):
【化4】
(式中、R5〜R7は、同一または異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基または置換されていてもよいジアリールメチル基を示し、R8〜R11は、同一または異なって水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基であり、Aは置換されていてもよい芳香族炭化水素環であり、nは1〜5の整数、mは0または1であり、Xはハロゲン原子、SbF6、AsF6、PF6、BF4またはBPh4を表す。)で表される基を示し(ただし、R1〜R4のうち少なくとも1つは式(II)で表される基である。)、または、R1〜R4のうちのいずれか1つと、R5〜R7のうちのいずれか1つとが一緒になって低級アルキレン基を形成してリン原子2個を含む複素環を形成してもよく、Xは式(II)における定義と同義である。)
(2)上記ホスホニウム化合物が、
(a)上記式(I)において、R1〜R4のうち少なくとも1つは、上記式(II)で表される基であって、R5〜R7が同一または異なってフェニル基、置換されていてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、置換されていてもよいジフェニルメチル基または置換されていてもよいアルキル基であり、R8が水素原子、R9が水素原子またはフェニル基、nが1〜4の整数、mが0であり、R1〜R4のうちの残りはフェニル基、置換されていてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、置換されていてもよいジフェニルメチル基または置換されていてもよいアルキル基であるホスホニウム化合物、
(b)上記式(I)において、R2は、上記式(II)で表される基であって、R6、R7およびR9がフェニル基であり、R8が水素原子であり、mが0、nが2であり、R1はR5と一緒になって炭素数1〜4のアルキレン基を形成し、R3およびR4はフェニル基であるホスホニウム化合物、
(c)上記式(I)において、R1は、上記式(II)で表される基であって、R5〜R7がフェニル基または式:−(CH2)p−PPh2(式中、pは1〜4の整数を示す)で表される基、R8〜R11が水素原子、Aが置換されていてもよいベンゼン環であって、mおよびnが1であり、R2〜R4はフェニル基または式:−(CH2)p−PPh2(式中、pは1〜4の整数を示す)で表される基であるホスホニウム化合物、および
(d)上記式(I)において、R2は、上記式(II)で表される基であって、R6およびR7がフェニル基、R8〜R11が水素原子、Aが置換されていてもよいベンゼン環であって、mおよびnは1であり、R1はR5と一緒になって炭素数1〜8のアルキレン基を形成し、R3およびR4はフェニル基であるホスホニウム化合物、からなる群から選択される1種以上のホスホニウム化合物であること特徴とする上記(1)記載のエポキシ樹脂組成物、
(3)ホスホニウム化合物の対イオンX−が、BPh4 −またはBF4 −である上記(1)または(2)記載のエポキシ樹脂組成物、
(4)ホスホニウム化合物の添加量が、エポキシ樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部で有ることを特徴とする上記(1)記載のエポキシ樹脂組成物、
(5)エポキシ樹脂が、トリアジン誘導体エポキシ樹脂を含有することを特徴とする上記(1)記載のエポキシ樹脂組成物、および
(6)上記(1)記載のエポキシ樹脂組成物を加熱・硬化して得られる硬化物を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤および硬化促進剤を必須成分とし、硬化促進剤が下記式(I)で表されるホスホニウム化合物であることを特徴とする。このような一定の構造を有する硬化促進剤を使用することにより、その硬化物が高い透光性を有し、かつ高温・高湿下でも色変化の少ない耐熱性、耐光性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
本発明で使用する硬化促進剤のホスホニウム化合物は、下記式(I)で表される。
【化5】
ここで、R1〜R4のうち少なくとも1つは式(II):
【化6】
で表される基である。
式(II)中、R5〜R7は、同一または異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいジアリールメチル基を示し、R8〜R11は、同一または異なって水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基であり、Aは置換されていてもよい芳香族炭化水素環であり、nは1〜5の整数、mは0または1であり、Xはハロゲン原子、SbF6、AsF6、PF6、BF4またはBPh4を表す。
式(I)におけるR1〜R4のうち式(II)で表される基以外のものは、同一または異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいジアリールメチル基である。またはR1〜R4のうちのいずれか1つと、R5〜R7のうちのいずれか1つとが一緒になって低級アルキレン基を形成してリン原子2個を含む複素環を形成してもよい。
また、式(I)におけるXは、式(II)における定義と同義である。
R1〜R4の置換されていてもよいアルキル基の置換アルキル基としては、たとえば式:−(CH2)p−PPh2(式中、pは1〜4の整数を示す)で表される基などが挙げられる。
R1〜R4の置換されていてもよいアリール基のアリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、該置換基としては、たとえばフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、シアノ基、ベンゾイル基、アルキル基などが挙げられる。
R1〜R4の置換されていてもよいアラルキル基としては、たとえばベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ピレニルメチル基およびアントラセニルメチル基などが挙げられ、該置換基としては、たとえばフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、シアノ基、ベンゾイル基、アルキル基、トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル基、置換されていてもよいフェニル基(該置換基としては、たとえばフッ素、塩素などのハロゲン原子、トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル基等)などが挙げられ、置換基の数は1または2が好ましい。
R1〜R4の置換されていてもよいジアリールメチル基としては、たとえばジフェニルメチル基などが挙げられ、置換基としてはフッ素、塩素などのハロゲン原子等が挙げられる。
また、式(II)におけるR5〜R7の置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基および置換されていてもよいジアリールメチル基は、それぞれ、前記R1〜R4における置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基および置換されていてもよいジアリールメチル基の定義と同義である。
また、R1〜R4のうちのいずれか1つと、R5〜R7のうちのいずれか1つとが一緒になって低級アルキレン基を形成してリン原子2個を含む複素環を形成する場合の該低級アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレンなどの炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
【0007】
式(I)で表されるホスホニウム化合物のうち、硬化促進剤としては、具体的には、下記(a)〜(d)で示される化合物が好ましい。
(a)上記式(I)において、R1〜R4のうち少なくとも1つは、上記式(II)で表される基であって、R5〜R7が同一または異なってフェニル基、置換されていてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、置換されていてもよいジフェニルメチル基または置換されていてもよいアルキル基であり、R8が水素原子、R9が水素原子またはフェニル基、nが1〜4の整数、mが0であり、R1〜R4のうちの残りの基はフェニル基、置換されていてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、置換されていてもよいジフェニルメチル基または置換されていてもよいアルキル基であるホスホニウム化合物。
ここで、R1〜R4の置換されていてもよいベンジル基の置換基としては、たとえばフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子、シアノ基、ベンゾイル基、アルキル基、トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル基、置換されていてもよいフェニル基(該置換基としては、たとえばフッ素、塩素などのハロゲン原子、トリフルオロメチルなどのハロゲン化アルキル基等)などが挙げられ、置換基の数は1または2が好ましい。
R1〜R4の置換されていてもよいジフェニルメチル基の置換基としては、フッ素、塩素などのハロゲン原子等が挙げられる。
R1〜R4の置換されていてもよいアルキル基の置換アルキル基としては、たとえば式:−(CH2)p−PPh2(式中、pは1〜4の整数を示す)で表される基などが挙げられる。
また、R5〜R7の置換されていてもよいベンジル基、置換されていてもよいジフェニルメチル基および置換されていてもよいアルキル基の具体例としては、各々上記R1〜R4におけると同様のものが挙げられる。
(b)上記式(I)において、R2は、上記式(II)で表される基であって、R6、R7およびR9がフェニル基であり、R8が水素原子であり、mが0、nが2であり、R1はR5と一緒になって炭素数1〜4のアルキレン基を形成し、R3およびR4はフェニル基であるホスホニウム化合物、具体的には下記式(III):
【化7】
(式中、qは1〜4の整数であり、Xは上記式(II)における定義と同義である。)で示されるホスホニウム化合物。
(c)上記式(I)において、R1は、上記式(II)で表される基であって、R5〜R7がフェニル基または式:−(CH2)p−PPh2(式中、pは1〜4の整数を示す)で表される基、R8〜R11が水素原子、Aが置換されていてもよいベンゼン環であって、mおよびnが1であり、R2〜R4はフェニル基または式:−(CH2)p−PPh2(式中、pは1〜4の整数を示す)で表される基であるホスホニウム化合物、具体的には下式(IV):
【化8】
(式中、R12およびR13は、それぞれ同一または異なってアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基および水酸基であり、R2〜R4、R5〜R7およびXは、式(I)および式(II)における定義と同義である。また、置換基:−CH2−P+R5R6R7・X−の置換位置は、o、mおよびp位のいずれであってもよい。)で示されるホスホニウム化合物。
(d)上記式(I)において、R2は、上記式(II)で表される基であって、R6およびR7がフェニル基、R8〜R11が水素原子、Aが置換されていてもよいベンゼン環であって、mおよびnは1であり、R1はR5と一緒になって炭素数1〜8のアルキレン基を形成し、R3およびR4はフェニル基であるホスホニウム化合物、具体的には下記式(V):
【化9】
(式中、R14およびR15は、それぞれ同一または異なってアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基または水酸基であり、ベンゼン環上のリン原子が結合したメチレン基が相互にo位にある場合は、rは1〜4の整数であり、前記メチレン基が相互にm位またはp位にある場合は、rは4〜8の整数を示す。Xは式(II)におけると同義である。)で示されるホスホニウム化合物。
【0008】
上記ホスホニウム化合物のなかでも対イオンX−が、BPh4 −、BF4 −およびハロゲンイオンであるものが好ましい。例えばエポキシ樹脂組成物の硬化剤として酸無水物を用いる場合に本発明に係るホスホニウムハライドを添加すると、これらは100℃前後で硬化反応を促進させることができ、酸無水物系硬化剤による薄膜硬化においても、本発明に係るホスホニウムハライドを添加することにより機械特性等を低下させることなく90℃程度の低温でも硬化させることができる。
また、これらのホスホニウム化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上併用するものであってもよい。さらに、硬化物の透光性、耐熱性、耐光性等を損なわない限り、他の硬化促進剤と併用することもできる。
【0009】
硬化促進剤の配合量としては、エポキシ樹脂100重量部に対し、ホスホニウム化合物0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。触媒の配合量が0.05重量部より少ない場合は、十分な硬化反応の促進効果が得られず、また5重量部より多い場合は、硬化促進剤を多量に用いることによる好ましい重合反応促進効果の向上はほとんど認められないので経済面から好ましくないばかりか、得られる硬化物の耐湿性が低下したり、変色が起こったりするので好ましくない。
【0010】
本発明における式(I)で示されるホスホニウム化合物は、自体公知の方法により、たとえば、有機3級ホスフィン化合物とベンジルハライド等の有機ハロゲン化物とを反応させて有機ホスホニウムハライドを調製し、次いで塩交換を行うことにより製造することができる。
このような有機ホスホニウムハライドの調製は、有機溶媒中で行うことができる。有機溶媒としては例えば、メタノール、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミドなどを用いることができる。
また反応温度は室温〜110℃、好ましくは30〜80℃程度である。反応終了後、反応液を濃縮し、次いで再結晶させるなど常法により精製を行うことにより上記のような本発明に係るホスホニウムハライドが得られる。
さらに、得られたホスホニウムハライドの対イオンを常法により、例えばKSbF6、NaSbF6などを用いて塩変換することによって目的とするホスホニウム塩を製造することができる。
このような対イオン交換反応は水、あるいは水−メタノール、水−アセトン、水−アセトニトリルなどの水性溶媒中で行うことができる。
【0011】
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、特に限定されず、分子中に1個以上のエポキシ基を有し、透明性を有するものであればモノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれであっても使用することができる。エポキシ樹脂としては、たとえば、従来公知の脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂および芳香族エポキシ樹脂が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族オレフィン類をエポキシ化して得られるアルキレンオキサイド、脂肪族アルコールとエピクロルヒドリンなどの反応から得られるモノグリシジルエーテル類、グリセリンやポリエチレングリゴールなどの多価アルコールとエピクロルヒドリンなどの反応から得られるポリグリシジルエーテル類および脂肪族不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類などが挙げられる。具体的には、分子内に1個のエポキシ基を含む化合物としては、たとえば、プロピレンオキサイド、エポキシブタン、エポキシヘキサン、エポキシオクタン、ブタジエンモノオキサイド、エポキシヘキセン、エポキシオクテン、グリシジルメチルエーテル、グリシジルイソプロピルエーテル、グリシジルブチルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルなど、分子内に2個以上のエポキシ基を有するオキシラン化合物としては、ジエポキシブタン、ジエポキシオクタン、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびテトラエチレングリコールなどのジグリシジルエーテルおよびグリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては少なくとも1個のシクロヘキセンまたはシクロペンテン環などのシクロアルケン環を有する化合物を過酸化水素、過酸などの適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。
具体的には、分子内に1個のオキシラン環を有する化合物としては、たとえば3,4−エポキシシクロへキシルエチレンや3,4−エポキシシクロへキシルメチルメタクリレートが、分子内に2個のエポキシ基を含む脂環式オキシラン化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートや特開平11−302372号公報記載の化合物などが挙げられる。
芳香族エポキシ樹脂としては、たとえば、フェノールやクレゾールなどとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるモノグリシジルエーテル、エポキシプロピルベンゼンおよびスチレンオキシドなどの分子内に1個のエポキシ基を含む芳香族オキシラン化合物、および、ビスフェノール類、カテコール、レゾルシノールなどの多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体やヒドロキシ安息香酸やヒドロキシナフトエ酸などのヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるポリグリシジルエーテル、フタル酸、テレフタル酸などのポリカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステルなどの分子内に2個以上のエポキシ基を有する芳香族オキシラン化合物が挙げられる。さらには、エポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、水素添加ビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0012】
上記エポキシ樹脂のなかで、不飽和結合を有するエポキシ樹脂は波長の短い光や熱により二重結合が切れたり酸化されて、黄変着色や劣化の原因になることがあるので、反応性の高い不飽和結合を含まないエポキシ樹脂が好ましく、特に脂肪族エポキシ樹脂なかでも脂環式エポキシ樹脂が好ましい。具体的には、このようなエポキシ樹脂として、例えば、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートやトリアジン誘導体エポキシ樹脂である1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
また、これらのエポキシ樹脂は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。芳香族エポキシ樹脂のような不飽和結合を含むエポキシ樹脂を使用する場合は、不飽和結合を含まないエポキシ樹脂と併用して不飽和結合を含むエポキシ樹脂の配合比率を低く押さえることが硬化物の耐光性の観点から好ましい。
【0013】
本発明で用いられる酸無水物系の硬化剤としては、耐光性を必要とするため非芳香族かつ炭素二重結合を化学的に有しないもの、たとえば、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物などが挙げられる。これらの酸無水物系硬化剤は、1種類を単独で使用してもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
酸無水物系硬化剤の配合量としては、エポキシ樹脂1当量に対し、酸無水物0.5〜2.0当量、好ましくは0.7〜1.5当量である。0.5当量以下では、硬化不良が生じ信頼性が低下する。また、2.0当量以上では未反応硬化剤が硬化物中に残り、得られる硬化物の耐湿性を悪化させる。
【0014】
本発明のエポキシ樹脂組成物には助触媒としてアルコール・ポリオール類を含有させてもよい。アルコール・ポリオール類は、硬化物に可とう性を付与し剥離接着力を向上させるだけでなく硬化促進剤の相溶化剤としても機能する。アルコール・ポリオール類も耐光性を要求されるため非芳香族かつ炭素二重結合を化学構造的に有しない炭素数2〜12の直鎖型、分岐型、脂環型、エーテル基含有型のいずれかからなるアルコール・ポリオール類が好適に用いられる。具体的にはプロパノール、イソプロパノール、メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
アルコール・ポリオール類は、硬化促進剤の相溶化剤でもあるため硬化促進剤の化学構造と配合量に影響を受けるが、エポキシ樹脂100重量部に対しエチレングリコールなどの低分子量ジオールが1〜30重量部の少量配合で好ましく、5〜20重量部がより好ましい。
【0015】
本発明のエポキシ樹脂組成物は使用に際し、本発明の硬化反応を損なわない範囲内であれば、公知の各種添加剤、例えば、無機充填剤、強化材、着色剤、安定剤(熱安定剤、耐候性改良材など)、増量剤、粘度調節剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤、抗菌剤、防黴剤、老化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、発泡剤、離型剤などを添加・混合することができる。上記着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、金属錯塩染料などの染料、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカなどの無機顔料およびカップリングアゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、チオインジゴ系、ジオキサゾリン系、フタロシアニン系などの有機顔料などが挙げられる。また、上記安定化剤としては、ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、オキザリックアシッドアニリド系などの化合物が挙げられる。さらにまた、上記無機充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素繊維、塩基性硫酸マグネシウム繊維、ホウ素繊維、ステンレス鋼繊維、アルミニウム、チタン、銅、真鍮、マグネシウムなどの無機質および金属繊維、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、スズ、鉛、ステンレス鋼、アルミニウム、金および銀などの金属粉末、木粉、マグネシア、カルシアなどの酸化物、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、石英粉末、タルク、クレイ、各種金属の水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ホウ珪酸塩、アルミノ珪酸塩、チタン酸塩、塩基性硫酸塩、塩基性炭酸塩およびその他の塩基性塩、ガラス中空球、ガラスフレークなどのガラス材料、炭化ケイ素、窒化アルミ、ムライト、コージェライトなどのセラミック、フライアッシュやミクロシリカなどの廃棄物、および青色光の一部を吸収して黄色の発光が可能な蛍光物質であるYAG:Ce蛍光体などの無機蛍光物質や有機蛍光物質などが挙げられる。
【0016】
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、例えば、上記の割合になるようにエポキシ樹脂、硬化剤および硬化促進剤を配合し、必要により助触媒やその他の添加剤を加えて、常法により、常温または加温下に均一に混合して製造することができる。
【0017】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤の種類を選択することによって広い温度範囲で加熱することによって速やかに硬化させることができる。加熱温度が200℃を越えると硬化物の品質に悪影響を及ぼすようになるので、本発明の硬化反応における加熱温度は80〜200℃、好ましくは100〜180℃の範囲である。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物の硬化反応における反応時間、すなわち、加熱時間については、エポキシ樹脂の仕込量、硬化促進剤の種類および使用量および加熱温度などの硬化反応の条件によって異なるが、通常1分〜24時間であり、好ましくは5分〜10時間、より好ましくは10分〜5時間である。
また、本発明に係るエポキシ樹脂組成物の硬化反応においては、得られる硬化物の望ましくない酸化などによる劣化を防止するために、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガス雰囲気下で行われることが望ましい。
【0018】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例1〜2において使用した硬化促進剤1,4−ビス(ベンジルジフェニルホスホニア)ブタンジテトラフェニルボレートは、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンとベンジルクロライドとの反応で得られたホスホニウムクロライドをテトラフェニルホウ酸ナトリウムと反応させて塩交換を行うことにより合成した。融点は180〜183℃であった。また、重合例1〜10で使用した触媒も同様にして合成した。
(実施例1)
メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(リカシッドMH700、新日本理化(株)製)100重量部にエチレングリコール2重量部、1,4−ビス(ベンジルジフェニルホスホニア)ブタンジテトラフェニルボレート塩0.5重量部の割合で混合し、硬化剤溶液を調整した。次に上記硬化剤溶液125.19重量部に、脂環式エポキシ樹脂である3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021p、ダイセル化学工業(株)製)100重量部(エポキシ当量比で脂環式エポキシ樹脂:硬化剤=1:1)を常温にて混合し、エポキシ樹脂組成液を調整した。CIEの色度表でX,Y=(0.33、0.33)となる光が得られるようYAG蛍光体(YがGdで約2割置換された、中心粒径が21.429μmである(Y0.8Gd0.2)2.965Al5O12:Ce0.035)と上記エポキシ樹脂組成液とを重量比が45:100になるように混合して24時間ボールミルにて均一に分散させ、LEDチップが配置されたカップ内にシリンジにてポッティングし、170℃に予熱しておいたオーブンで2時間加熱硬化し、LEDを作成した。
得られたLEDを85℃、85%RHの条件下で0、24および48時間保管したものを各々半田リフローを通し、リフロー前後での発光色の変化を調べた(図1参照)。
なお、同様にして、上記エポキシ樹脂組成液(但し、YAG蛍光体は含まない。)を用いて作成した30mm×30mm×3mmの硬化樹脂板のガラス転移温度Tgは184℃であった。
【0019】
(比較例1)
メチルヘキサヒドロフタル酸無水物100重量部にエチレングリコール2重量部、ベンジルトリフェニルホスホニウム臭素塩0.5重量部の割合で混合し、硬化剤溶液を調整した。次に上記硬化剤溶液125.19重量部に、脂環式エポキシ樹脂である3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート100重量部(エポキシ当量比で脂環式エポキシ樹脂:硬化剤=1:1)を常温にて混合し、エポキシ樹脂組成液を調整した。CIEの色度表でX,Y=(0.33、0.33)となる光が得られるようYAG蛍光体と上記エポキシ樹脂組成液とを重量比が45:100になるように混合して24時間ボールミルにて均一に分散させ、LEDチップが配置されたカップ内にシリンジにてポッティングし、170℃に予熱しておいたオーブンで2時間加熱硬化し、LEDを作成した。
得られたLEDを85℃、85%RHの条件下で0、24および48時間保管したものを各々半田リフローを通し、リフロー前後での発光色の変化を調べた(図2参照)。
なお、同様にして、上記エポキシ樹脂組成液(但し、YAG蛍光体は含まない。)を用いて作成した30mm×30mm×3mmの硬化樹脂板のガラス転移温度Tgは189℃であった。
【0020】
図1および2の色度図より、従来の硬化促進剤を用いたLED(比較例1)、一般式(I)で示される硬化促進剤を用いたLED(実施例1)の両方で吸湿後の色変化は起こっているが、一般式(I)で示される硬化促進剤を用いた方が色変化が小さく、硬化物の耐熱性が向上していることが判る。
【0021】
(実施例2)
メチルヘキサヒドロフタル酸無水物100重量部にエチレングリコール2重量部、1,4−ビス(ベンジルジフェニルホスホニア)ブタンジテトラフェニルボレート塩0.5重量部の割合で混合し、硬化剤溶液を調整した。次に上記硬化剤溶液328.32重量部に、融点が100℃のトリアジン誘導体エポキシ樹脂である1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート100重量部(エポキシ当量比でトリアジン誘導体エポキシ樹脂:硬化剤=1:2)を常温にて混合し、エポキシ樹脂組成液を調整した。CIEの色度表でX,Y=(0.33、0.33)となる光が得られるようYAG蛍光体と上記エポキシ樹脂組成液とを重量比が45:100になるように混合して24時間ボールミルにて均一に分散させ、LEDチップが配置されたカップ内にシリンジにてポッティングし、170℃に予熱しておいたオーブンで2時間加熱硬化し、LEDを作成した。
得られたLEDを85℃、85%RHの条件下で0、24および48時間保管したものを各々半田リフローを通し、リフロー前後での発光色の変化を調べた(図3参照)。
なお、同様にして、上記エポキシ樹脂組成液(但し、YAG蛍光体は含まない。)を用いて作成した30mm×30mm×3mmの硬化樹脂板のガラス転移温度Tgは183℃であった。
【0022】
(比較例2)
メチルヘキサヒドロフタル酸無水物100重量部にエチレングリコール2重量部、ベンジルトリフェニルホスホニウム臭素塩0.5重量部の割合で混合し、硬化剤溶液を調整した。次に上記硬化剤溶液328.32重量部に、融点が100℃のトリアジン誘導エポキシ樹脂である1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート100重量部(エポキシ当量比でトリアジン誘導体エポキシ樹脂:硬化剤=1:2)を常温にて混合し、エポキシ樹脂組成液を調整した。CIEの色度表でX,Y=(0.33、0.33)となる光が得られるようYAG蛍光体と上記エポキシ樹脂組成液とを重量比が45:100になるように混合して24時間ボールミルにて均一に分散させ、LEDチップが配置されたカップ内にシリンジにてポッティングし、170℃に予熱しておいたオーブンで2時間加熱硬化し、LEDを作成した。
得られたLEDを85℃、85%RHの条件下で0、24および48時間保管したものを各々半田リフローを通し、リフロー前後での発光色の変化を調べた(図4参照)。
なお、同様にして、上記エポキシ樹脂組成液(但し、YAG蛍光体は含まない。)を用いて作成した30mm×30mm×3mmの硬化樹脂板のガラス転移温度Tgは191℃であった。
【0023】
(比較例3)
メチルヘキサヒドロフタル酸無水物100重量部にエチレングリコール2重量部、テトラブチルホスホニウムテトラフェニルボレート塩0.5重量部の割合で混合し、硬化剤溶液を調整した。次に上記硬化剤溶液328.32重量部に、融点が100℃のトリアジン誘導体エポキシ樹脂である1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート100重量部(エポキシ当量比でトリアジン誘導体エポキシ樹脂:硬化剤=1:2)を常温にて混合し、エポキシ樹脂組成液を調整した。CIEの色度表でX,Y=(0.33、0.33)となる光が得られるようYAG蛍光体と上記エポキシ樹脂組成液とを重量比が45:100になるように混合して24時間ボールミルにて均一に分散させ、LEDチップが配置されたカップ内にシリンジにてポッティングし、170℃に予熱しておいたオーブンで2時間加熱硬化し、LEDを作成した。
得られたLEDを85℃、85%RHの条件下で48時間保管したものを半田リフローを通し、リフロー前後での発光色の変化を調べた(図5参照)。
なお、同様にして、上記エポキシ樹脂組成液(但し、YAG蛍光体は含まない。)を用いて作成した30mm×30mm×3mmの硬化樹脂板のガラス転移温度Tgは180℃であった。
【0024】
図3、4および5の色度図より、従来の硬化促進剤(臭素塩)を用いたLED(比較例2)は吸湿後の色変化が大きいことが判る。従来の硬化促進剤(ホウ酸塩)を用いたLED(比較例3)と一般式(I)で示される硬化促進剤を用いたLED(実施例2)は、色変化は小さいが、その中でも一般式(I)で示される硬化促進剤を用いたものの方が色変化は小さく、硬化物の耐熱性が向上することが判った。
【0025】
(重合例1〜10)
重量比でセロキサイド2021p/リカシッドMH700/エチレングリコール/触媒=100/100/2/1からなるエポキシ樹脂組成物を、板状の型(60mm×50mm×3mm)に入れ、表1に示した条件下で加熱硬化して、それぞれ硬化物を得た。
【表1】
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、エポキシ樹脂、硬化剤および硬化促進剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤として上記式(I)で表されるホスホニウム化合物を使用することにより、その硬化物が高い透光性を有し、かつ高温・高湿下でも色変化の少ない耐熱性、耐光性などに優れたエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたエポキシ樹脂硬化物(LED)の発色光の変化を示す色度図である。
【図2】比較例1で得られたエポキシ樹脂硬化物(LED)の発色光の変化を示す色度図である。
【図3】実施例2で得られたエポキシ樹脂硬化物(LED)の発色光の変化を示す色度図である。
【図4】比較例2で得られたエポキシ樹脂硬化物(LED)の発色光の変化を示す色度図である。
【図5】比較例3で得られたエポキシ樹脂硬化物(LED)の発色光の変化を示す色度図である。
Claims (6)
- エポキシ樹脂、硬化剤および硬化促進剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤が下記式(I)で表されるホスホニウム化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 前記ホスホニウム化合物が、
(a)前記式(I)において、R1〜R4のうち少なくとも1つは、前記式(II)で表される基であって、R5〜R7が同一または異なってフェニル基、置換されていてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、置換されていてもよいジフェニルメチル基または置換されていてもよいアルキル基であり、R8が水素原子、R9が水素原子またはフェニル基、nが1〜4の整数、mが0であり、R1〜R4のうちの残りはフェニル基、置換されていてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、置換されていてもよいジフェニルメチル基または置換されていてもよいアルキル基であるホスホニウム化合物、
(b)前記式(I)において、R2は、前記式(II)で表される基であって、R6、R7およびR9がフェニル基であり、R8が水素原子であり、mが0、nが2であり、R1はR5と一緒になって炭素数1〜4のアルキレン基を形成し、R3およびR4はフェニル基であるホスホニウム化合物、
(c)前記式(I)において、R1は、前記式(II)で表される基であって、R5〜R7がフェニル基または式:−(CH2)p−PPh2(式中、pは1〜4の整数を示す)で表される基、R8〜R11が水素原子、Aが置換されていてもよいベンゼン環であって、mおよびnが1であり、R2〜R4はフェニル基または式:−(CH2)p−PPh2(式中、pは1〜4の整数を示す)で表される基であるホスホニウム化合物、および
(d)前記式(I)において、R2は、前記式(II)で表される基であって、R6およびR7がフェニル基、R8〜R11が水素原子、Aが置換されていてもよいベンゼン環であって、mおよびnは1であり、R1はR5と一緒になって炭素数1〜8のアルキレン基を形成し、R3およびR4はフェニル基であるホスホニウム化合物、
からなる群から選択される1種以上のホスホニウム化合物であること特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。 - ホスホニウム化合物の対イオンX−が、BPh4 −またはBF4 −である請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物。
- ホスホニウム化合物の添加量が、エポキシ樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部で有ることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- エポキシ樹脂が、トリアジン誘導体エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を加熱・硬化して得られる硬化物。
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