JP2004182369A - 紙送り機構及び紙送り機構を備えたプリンタ - Google Patents

紙送り機構及び紙送り機構を備えたプリンタ Download PDF

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Abstract

【課題】紙送り機構及び紙送り機構を備えるプリンタにおいて、回転駆動源から紙送り軸に至る歯車列のバックラッシュによる位置ずれを防ぐことである。
【解決手段】摩擦係合機構32は、歯車列30の最終段42の回転軸50に、クラッチディスク52、摩擦板54、フランジディスク56、押付けばね58、押付けリング60を順次挿入し、係止リング62を回転軸50の係止溝にはめ込み、摩擦板54を介してフランジディスク56をクラッチディスク52に押し付け摩擦係合させる。コイルばね64の一端はばね固定部分38に、他端はクラッチディスク52の取付穴66に取付けられ、フランジディスク56から摩擦係合によりクラッチディスク52に伝達された回転力に抗して、クラッチディスク52を中立位置に引き戻す回転力を付勢し、歯車列30のバックラッシュによる紙送り軸28の位置ずれを防止する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙送り機構及びプリンタに係り、特に回転駆動源と歯車列を介して接続される紙送り軸を備える紙送り機構及びプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタにおいては、例えば、印字ヘッドにより紙の上に1列印字すると1列分紙を送って次の1列の印字を行い、これを繰り返して完全な文字やグラフィックを印刷することが行われる。したがって精細な文字またはグラフィックの印刷を得るには、紙送りは細かいピッチで正確に行われることが要求される。この精細な紙送りには、モータ等の回転を複数の歯車列により正確に減速して紙送りローラを駆動することで行われる。
【0003】
何らかの原因で紙送りローラの停止位置にばらつきが生ずると、紙送りのピッチに狂いが生じ、精細な印刷を行うことができない。これを防ぐために、例えば特許文献1には、駆動力を介して正逆回転させられる回転体に、制動ベルトを掛け回して、往動開始位置からの急速発進時の振動を抑え、復動停止時の停止位置のばらつきを抑える機構が開示されている。
【0004】
【特許文献】
特開昭58−149069号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載の構成によれば、制動ベルトにより回転体に制動を与えるので、駆動力が与えられる際の振動や、停止位置を安定させることができるが、反面、制動装置であるために、回転体の慣性運動により、あるいは回転体に与えられた外力により、回転体が正常位置から偏移した場合には、その偏移位置で停止してしまい、正常位置にもどることができない。
【0006】
プリンタが高速でかつ精細な紙送りを要求されるにつれ、紙送りのピッチはより精細になるが、その半面1行の印字幅は長くなり、その分紙送り軸の慣性が大きくなる傾向にある。また、通常紙送り軸の一端には手送り用のために紙送りノブが設けられるが、この紙送りノブは手による操作性のため小型化が困難である。このように、より精細な紙送りが要求されるにつれ、紙送り軸の慣性の影響が相対的に大きくなり、より小さな外乱により位置ずれが生じやすくなる。
【0007】
回転体が正常位置から偏移するのは、減速機構の歯車列のバックラッシュおよび、動力伝達機構各部のがた等があるからである。また、回転体が正常位置から偏移する原因としては、紙送りノブを含めた紙送り軸まわりの慣性により、高速紙送りの際に行過ぎて回転したり、あるいは紙送りノブ等に外乱が与えられて回転しすぎたりすることが上げられる。
【0008】
その様子を図7に示す。図において、回転駆動源の停止状態において、モータからの回転駆動が伝達される駆動側の歯車10と、紙送り軸に同軸に設けられた紙送り側の歯車12とのかみ合い状態が示される。(a)は、駆動側の歯車10の歯先14と紙送り側の歯車12の歯先16が正常にかみあっている状態である。(b)は、紙送り軸に外乱が与えられて、歯車列に存在するバックラッシュの範囲内で、紙送り側の歯車12が偏移回転し、駆動側の歯車10の歯先14から紙送り側の歯車12の歯先16が離れた状態を示す。(b)の状態で次の1行の印字が行われると、前の1行の印字との間に印字隙間が生じ、印字品質が劣化する。
【0009】
このように、従来技術においては、回転駆動源から歯車列を介して接続される紙送り軸を備える紙送り機構において、歯車列に存在するバックラッシュによる紙送り軸の位置ずれの問題を完全には解消できていない。
【0010】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解消し、回転駆動源から紙送り軸に至る歯車列のバックラッシュによる位置ずれを防ぐ紙送り機構及び紙送り機構を備えるプリンタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る紙送り送り機構は、回転駆動源と歯車列を介して接続される紙送り軸と、紙送り軸と一体となって回転するフランジディスクと、フランジディスクと同軸に設けられ、摩擦部材を介してフランジディスクと摩擦係合するクラッチディスクと、一端が固定され、他端がクラッチディスクに接続される弾性部材と、を含み、クラッチディスクは、第1回転方向の第1駆動位置と、第1回転方向と逆方向の第2駆動位置との間で回動自在であり、弾性部材は第1駆動位置と第2駆動位置との間の中立位置にクラッチディスクを引き戻す回転力を付勢することを特徴とする。
【0012】
かかる構成により、紙送り軸と一体となって回転するフランジディスクと、弾性部材により常に中立位置に引き戻されるクラッチディスクとの間で摩擦係合を行わせる。このことにより、回転駆動源が停止したときに紙送り軸に外乱が生じ、紙送り軸が偏移回転しても、摩擦係合により、フランジディスクはクラッチディスクが中立位置に戻ろうとする復元力を受けて、正常位置に引き戻される。したがって、回転駆動源から紙送り軸に至る歯車列のバックラッシュによる位置ずれを防ぐことができる。
【0013】
また、クラッチディスクは、第1回転方向の第1駆動位置と、第1回転方向と逆方向の第2駆動位置との間で回動自在であるので、紙送り軸が第1回転方向に回転した後に停止しそこで外乱を受けて偏移する場合のみならず、第1回転方向と逆の第2回転方向に回転した後に停止しそこで外乱を受けて偏移する場合でも、摩擦係合により、フランジディスクはクラッチディスクが中立位置に戻ろうとする復元力を受けて、正常位置に引き戻される。したがって、両方向の偏移について、回転駆動源から紙送り軸に至る歯車列のバックラッシュによる位置ずれを防ぐことができる。
【0014】
また、弾性部材は、その一端が紙送り機構の固定部に固定され、他端がクラッチディスクの外周側の取付部に取付けられ、クラッチディスクの回転中心と取付部と固定部とは、クラッチディスクが中立位置にあるときに同一線上にあることを条件に設定されることが好ましい。
【0015】
この構成により、クラッチディスクは、紙送り軸が第1の回転方向に回転したときは第1駆動位置から中立位置に引き戻される回転付勢力を弾性部材から受け、第2の回転方向に回転したときは第2駆動位置から中立位置に引き戻される回転付勢力を同じ弾性部材から受ける。すなわち、簡易な構成により、クラッチディスクに両方向の回転付勢力を与えることができる。また、前記弾性部材は、コイルばねであることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る紙送り機構において、クラッチディスクまたはフランジディスクは、その摩擦部材と対向する面に、複数の同心円状の凹凸を有することが好ましい。この構成により、クラッチディスクとフランジディスクとの間に適度の摩擦係合を与えることができ、回転駆動源から紙送り軸に至る歯車列のバックラッシュによる位置ずれを防ぐことができる。
【0017】
また、本発明に係るプリンタは、印字ヘッドと、紙送り機構とを備えるプリンタであって、紙送り機構は、回転駆動源と歯車列を介して接続される紙送り軸と、紙送り軸と一体となって回転するフランジディスクと、フランジディスクと同軸に設けられ、摩擦部材を介してフランジディスクと摩擦係合するクラッチディスクと、一端が固定され、他端がクラッチディスクに接続される弾性部材と、を含み、クラッチディスクは、時計回転方向の第1駆動位置と、反時計転方向の第2駆動位置との間で回動自在であり、弾性部材は第1駆動位置と第2駆動位置との間の中立位置にクラッチディスクを引き戻す回転力を付勢することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、プリンタ20の全体斜視図である。プリンタ20は、図に示すX方向に往復運動可能な印字ヘッド22と、印字ヘッド22により印字された紙を図に示すY方向に送る紙送り機構24とを備える。
【0019】
紙送り機構24は、複数の紙送りローラ26を有する紙送り軸28と、図には現われていない駆動モータから回転力を減速して紙送り軸28に伝達する歯車列30と、歯車列30と紙送り軸28とが接続される部分に設けられ、本実施の形態の特徴である摩擦係合機構32と、紙送り軸ノブ34とを含んで構成される。
【0020】
図2は、紙送り機構24の一部、特に歯車列30と摩擦係合機構32を中心に拡大した図である。歯車列30は、プリンタの固定フレーム36に取付けられ、所定の減速比となるように配列された複数個の歯車、この図の例では8個の歯車からなり、駆動モータの駆動軸の回転駆動力を精細なピッチの下で紙送り軸28に伝達する機能を有する。
【0021】
駆動モータは、固定フレーム36の裏側に設けられる(後述の図5において駆動モータ29として示されていることを参照)。その駆動軸は、固定フレーム36の図示されていない開口部を通って歯車列30側に延伸し、その端部に歯車列30における初段の一方側の歯車40が取付けられる。駆動モータは、例えばステッピングモータ等で構成することができる。歯車列30の減速機能を用いることにより、駆動軸の1ステップ送りを減速し、紙送り軸28において、例えば、約71ミクロンメートル(1インチの1/360)の精細なピッチ送りを行うことができる。
【0022】
摩擦係合機構32は、歯車列30の最終段42の回転軸50周りに設けられ、歯車列30のバックラッシュによる紙送り軸28の位置ずれを防止する機能を有する機構である。摩擦係合機構32は、クラッチディスク52と、摩擦板54と、回転軸50と一体となって回転するフランジディスク56と、押付けばね58と、押付けリング60と、係止リング62と、固定フレーム36のばね固定部分38とクラッチディスク52の取付穴66との間に懸架されたコイルばね64とを備える。
【0023】
図3は、摩擦係合機構32の各要素を展開して示した図である。回転軸50は、Dカット70が施され、軸方向の所定の位置に係止リング62と係合する係止溝72が設けられた軸で、その一端には、歯車列30の最終段42の一方の歯車42aが一体となって取付けられる。この回転軸50に、クラッチディスク52乃至押付けリング60等が順次挿入される。回転軸50の動きは、歯車42aを介して紙送り軸28に伝達されるので、回転方向を別にすれば、回転軸50と紙送り軸28とは同じ動きをする。
【0024】
クラッチディスク52は、回転軸50に遊合する貫通穴を有するリング部分と、摩擦板54に対向する面を有する鍔部分からなる部材で、例えばナイロン樹脂で成形して得ることができる。クラッチディスク52の詳細図を図4に示す。図4において(a)は断面図、(b)は摩擦板54と対向する面側から見た正面図である。クラッチディスク52は、軸方向に延伸したリング部分80と、リング部分80の外径より大きな外径を有する鍔部分82とが一体構造として構成される。貫通穴84の内径は、回転軸50の外径より大きめに設定され、回転軸50に挿入されたときに歯車42aの側面に接することになるリング部分80の一端は摩擦が少ないように表面処理がされることが好ましい。
【0025】
クラッチディスク52の鍔部分82において、回転軸50に順次挿入されたときに摩擦板54と対向することになる面には、複数の同心円状の凹凸86が設けられる。例えば、摩擦板54と対向する領域がクラッチディスク52の中心から直径で10mmから20mmの範囲の場合では、直径において0.5mmピッチで、頂角90度の凹凸が同心円状に約20本設けられる。同心円状の凹凸86の数、形状は、クラッチディスク52とフランジディスク56との間の摩擦係合により駆動モータに過度の負荷を与えないように適宜調整することができる。同心円状に凹凸を配置することで、他の配置法に比べ、回転力を伝達する摩擦係合の度合いの調整を容易に行うことができる。
【0026】
また、クラッチディスク52の鍔部分82の外周側に、コイルばね64の一方側を取付ける取付穴66が設けられる。
【0027】
摩擦板54は、リング形状のフェルト板である。このリング形状の内径は回転軸50の外径より大きめに設定され、このリング形状の外径は、十分な摩擦係合が得られる係合面積の観点から設定できる。摩擦板54が回転軸50に順次挿入されたときにフランジディスク56と対向する面には、接着剤あるいは両面接着テープ等のPSA(感圧接着材)が設けられ、摩擦板54とフランジディスク56とは一体化される。
【0028】
フランジディスク56は、リング部分の一方側に蓋板を有するカップ状の部材で、蓋板部分の中央には、回転軸50のDカット70に対応したD窓が設けられる。リング部分の内径は、押付けばね58を収容できる大きさに設定される。フランジディスク56が回転軸50に順次挿入されたときに摩擦板54と対向する蓋板部分の面には、複数のくさび状の凹凸が設けられる。このくさび状の凹凸と、摩擦板54の対向面に設けられた上述のPSAとで、フランジディスク56と摩擦板54とは一体化される。
【0029】
押付けばね58は、圧縮により押付け力を発生するコイルばねで、その外形はフランジディスク56の内径より小さめに設定され、その内径は回転軸50の外径より大きく設定される。押付けばね58が回転軸50に順次挿入されたとき、その付勢力を生ずる一端側はフランジディスク56側に、他端側は押付けリング60側にそれぞれ接触する。
【0030】
押付けリング60は、リング部分の一方側に蓋板を有するカップ状の部材で、蓋板部分の中央には、回転軸50のDカット70に対応したD窓が設けられる。リング部分の内径は、少なくとも押付けばね58の外形を収納する大きさ、好ましくはフランジディスク56の外形をも収納する大きさに設定される。
【0031】
係止リング62は、回転軸50に設けられた係止溝72にはまり合ったときに、径方向に弾性力を発生させることができる弾性リングで、例えば市販のEリング等を用いることができる。
【0032】
かかる構成において、回転軸50に、クラッチディスク52、摩擦板54、フランジディスク56、押付けばね58、押付けリング60を順次挿入して組込み、全体を歯車42a側に十分押付け、その状態で押付けリング60の蓋板の外面側に接触するようにして係止リング62を回転軸50の係止溝72にはめ込むことで、クラッチディスク52とフランジディスク56との摩擦係合機構を形成することができる。すなわち、押付けばね58は、フランジディスク56を摩擦板54側に押付けることで、フランジディスク56と一体化した摩擦板54をクラッチディスク52側に押付ける付勢力を発生し、フランジディスク56とクラッチディスク52とを摩擦係合させる。
【0033】
コイルばね64は、フランジディスク56から摩擦係合によりクラッチディスク52に伝達された回転力に抗して、クラッチディスク52を中立位置に引き戻す回転力を付勢する機能を有する弾性部材である。
【0034】
図5に、コイルばね64の取付の様子を示す。コイルばね64の一端は、固定フレーム36のばね固定部分38に固定され、他端は、クラッチディスク52の外周側に設けられた取付穴66に取付けられる。例えば、クラッチディスク52が、フランジディスクと摩擦係合しないときには、コイルばね64の弾性力により、クラッチディスク52は中立位置に保持される。この中立位置における取付穴の位置66Nと、クラッチディスク52の回転中心90と、ばね固定部分38の位置は、同一直線上に並ぶように設定される。
【0035】
かかる構成において、回転軸50が時計方向92Aに回転すると、クラッチディスク52は摩擦係合によりコイルばね64の復元力と釣り合う第1駆動位置まで時計方向に回動する。そのときの状態を取付穴の位置66Aで示す。同様に、回転軸50が反時計方向92Bに回転すると、クラッチディスク52は摩擦係合によりコイルばね64の復元力と釣り合う第2駆動位置まで反時計方向に回動する。そのときの状態を取付穴の位置66Bで示す。このようにクラッチディスク52は、第1駆動位置及び第2駆動位置の間で回動自在で、コイルばね64は、中立位置にクラッチディスク52を引き戻す回転力を付勢している。
【0036】
図6は、クラッチディスク52を中立位置に引き戻すコイルばねの作用によって、駆動モータから紙送り軸に至る歯車列のバックラッシュによる位置ずれを防ぐ様子を説明する図である。図の上部には、歯車列における駆動側の歯車100と、紙送り軸側の歯車102のかみあい状態を示し、図の下方には、紙送り軸と一体となって回転するフランジディスクに摩擦係合するクラッチディスク52とコイルばね64の動きの様子を示す。
【0037】
駆動モータが紙送り軸を1ステップ送り停止している状態において、紙送り軸側が外乱を受けた場合は、駆動側の歯車100は固定され、紙送り軸側の歯車102が外乱の大きさに応じ、歯車列のバックラッシュの範囲で図の矢印104Xのように回転して偏移し、歯車100の歯先106から歯車102の歯先108が離れる。歯車102が矢印104Xのように回転すると、摩擦係合機構の回転軸も回転し、回転軸と一体となって回転するフランジディスクと摩擦係合するクラッチディスク52も矢印104Yのように回動偏移する。
【0038】
この矢印104Yの回動偏移に対し、コイルばね64は、クラッチディスク52に対して中立位置に引き戻す回転力110を付勢する。この引き戻し回転力は、摩擦係合を介してクラッチディスク52からフランジディスクに伝達され、歯車102を引き戻す回転力として作用する。そして、歯車102は、歯車列のバックラッシュの範囲で回転可能であるので、歯車102の歯先108が歯車100の歯先106に接触するまで、歯車102が引き戻される。
【0039】
図6においては、外乱による歯車102の偏移方向を反時計方向としたが、時計方向の偏移が生ずる場合でも同様に歯車102は引き戻される。このようにして、駆動モータから紙送り軸に至る歯車列のバックラッシュによる位置ずれを防ぐことができる。
【0040】
上記において、クラッチディスクを中立位置に引き戻す付勢力を与える手段として、クラッチディスクの外周側と固定フレームとの間に懸架されたコイルばねを引張りばねとして用いた。このほかに、ねじりばねを用いることができる。例えば、クラッチディスクの中心軸回りにねじりコイルばねを設け、その一端をクラッチディスクの外周側に取付け、他端をクラッチディスクに対向する面の固定端に固定し、その間で中心軸まわりの回転トルクとしての付勢力を発生させてもよい。このねじりコイルばねを用いる構成によって、中立位置を中心として時計方向の第1駆動位置と反時計方向の第2駆動位置の間でクラッチディスクが回動可能で、ねじりコイルばねの回転トルクの付勢力により、クラッチディスクを中立位置に引き戻すことができる。
【0041】
また、上記説明では、押付けばねをフランジディスク側に設けたが、クラッチディスク側に設けてもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明に係る紙送り機構及び紙送り機構を備えるプリンタによれば、回転駆動源から紙送り軸に至る歯車列のバックラッシュによる位置ずれを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態におけるプリンタの全体斜視図である。
【図2】本発明に係る実施の形態における紙送り機構の一部、特に歯車列と摩擦係合機構を中心に拡大した図である。
【図3】本発明に係る実施の形態における摩擦係合機構の各要素を展開して示した図である。
【図4】本発明に係る実施の形態におけるクラッチディスクの詳細図である。
【図5】本発明に係る実施の形態におけるコイルばねの取付の様子を示す図である。
【図6】クラッチディスクを中立位置に引き戻すコイルばねの作用によって、歯車列のバックラッシュによる位置ずれを防ぐ様子を説明する図である。
【図7】従来技術において、歯車列に存在するバックラッシュによる紙送り軸の位置ずれの問題を説明する図である。
【符号の説明】
10,12,40,42a,100,102 歯車、14,16,106,108 歯先、20 プリンタ、22 印字ヘッド、24 紙送り機構、28 紙送り軸、29 駆動モータ、30 歯車列、32 摩擦係合機構、34 紙送り軸ノブ、36 固定フレーム、38 ばね固定部分、50 回転軸、52 クラッチディスク、54 摩擦板、56 フランジディスク、58 押付けばね、60 押付けリング、62 係止リング、66N 中立位置、66 取付穴、86同心円状の凹凸、110 中立位置に引き戻す回転力。

Claims (8)

  1. 回転駆動源と歯車列を介して接続される紙送り軸と、
    紙送り軸と一体となって回転するフランジディスクと、
    フランジディスクと同軸に設けられ、摩擦部材を介してフランジディスクと摩擦係合するクラッチディスクと、
    一端が固定され、他端がクラッチディスクに接続される弾性部材と、
    を含み、
    クラッチディスクは、第1回転方向の第1駆動位置と、第1回転方向と逆方向の第2駆動位置との間で回動自在であり、弾性部材は第1駆動位置と第2駆動位置との間の中立位置にクラッチディスクを引き戻す回転力を付勢することを特徴とする紙送り機構。
  2. 請求項1に記載の紙送り機構において、
    弾性部材は、その一端が紙送り機構の固定部に固定され、他端がクラッチディスクの外周側の取付部に取付けられ、クラッチディスクの回転中心と取付部と固定部とは、クラッチディスクが中立位置にあるときに同一線上にあることを条件に設定されることを特徴とする紙送り機構。
  3. 請求項2に記載の紙送り機構において、
    前記弾性部材は、コイルばねであることを特徴とする紙送り機構。
  4. 請求項1に記載の紙送り機構において、
    クラッチディスクまたはフランジディスクは、その摩擦部材と対向する面に、複数の同心円状の凹凸を有することを特徴とする紙送り機構。
  5. 印字ヘッドと、紙送り機構とを備えるプリンタであって、
    紙送り機構は、
    回転駆動源と歯車列を介して接続される紙送り軸と、
    紙送り軸と一体となって回転するフランジディスクと、
    フランジディスクと同軸に設けられ、摩擦部材を介してフランジディスクと摩擦係合するクラッチディスクと、
    一端が固定され、他端がクラッチディスクに接続される弾性部材と、
    を含み、
    クラッチディスクは、時計回転方向の第1駆動位置と、反時計転方向の第2駆動位置との間で回動自在であり、弾性部材は第1駆動位置と第2駆動位置との間の中立位置にクラッチディスクを引き戻す回転力を付勢することを特徴とするプリンタ。
  6. 請求項5に記載のプリンタにおいて、
    弾性部材は、その一端がプリンタの固定部に固定され、他端がクラッチディスクの外周側の取付部に取付けられ、クラッチディスクの回転中心と取付部と固定部とは、クラッチディスクが中立位置にあるときに同一線上にあることを条件に設定されることを特徴とするプリンタ。
  7. 請求項6に記載のプリンタにおいて、
    前記弾性部材は、コイルばねであることを特徴とするプリンタ。
  8. 請求項5に記載のプリンタにおいて、
    クラッチディスクまたはフランジディスクは、その摩擦部材と対向する面に、複数の同心円状の凹凸を有することを特徴とするプリンタ。
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