JP2004180096A - 情報処理装置および装置異常検出方法 - Google Patents

情報処理装置および装置異常検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽微な障害の発生を早期に検出するための情報処理装置を提供する。
【解決手段】クロックからの信号を所定回数受信する度にカウンタ信号を出力するカウンタ回路18と、カウンタ信号数に対応した自カウンタ値を格納するためのメモリ15と、カウンタ回路18からカウンタ信号を受信すると、メモリ15に格納された自カウンタ値を1増加し、ハードウェア障害による割り込み信号を受信すると、装置状況をメモリ15に記録し、記録する間のカウンタ信号を拒否し、メモリ15から読み出した自カウンタ値を相手装置に送信する処理部11と、正常な通信状態における、相手装置のカウンタ値である相手カウンタ値と自カウンタ値との比率である基準値をメモリ15に格納し、相手カウンタ値を受信すると、相手カウンタ値および自カウンタ値のカウンタ比率を求め、カウンタ比率が基準値と一致するか否かを判定するチェック回路19とを有する構成である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回線を介して相互に通信可能な情報処理装置、および装置異常検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、情報処理装置間においてネットワークを介して信号の伝送単位である通信フレームを送受信する際、各装置は通信フレーム受信時にその通信フレームについての送信元アドレスおよび送信先アドレス等を履歴情報として保存している(例えば、特許文献1参照)。履歴情報を保存することで、通信に異常が発生した際、情報処理装置の操作者は、履歴情報を参照して障害発生時の装置状況を示す記録であるログ(Log)を画面に表示させ、通信異常の原因を調べていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−272508号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術では、軽微な障害により通信フレームの送受信に遅延が発生しても、通信に支障がなければ、そのまま通信を続けることになる。その後、軽微な障害が大きな通信障害に発展して、装置間の通信ができなくなったとき、操作者が装置を操作して障害の原因を調べようとしても、初めに遅延が発生した箇所を履歴情報から特定するのに手間がかかるだけでなく、蓄積された多くのログの中から遅延の原因を特定することは困難であった。
【0005】
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、軽微な障害の発生を早期に検出するための情報処理装置および装置異常検出方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の情報処理装置は、クロックから生成した信号を所定回数受信する度にカウンタ信号を出力するカウンタ回路と、
前記カウンタ信号数に対応した自カウンタ値を格納するためのメモリと、
前記カウンタ回路から前記カウンタ信号を受信すると、前記メモリに格納された自カウンタ値を1増加し、ハードウェア障害による割り込み信号を受信すると、装置状況を前記メモリに記録し、記録する間の前記カウンタ信号を拒否し、前記メモリから読み出した自カウンタ値を通信先の相手装置に送信する処理部と、
正常な通信状態における、前記相手装置のカウンタ値である相手カウンタ値と前記自カウンタ値との比率である基準値を前記メモリに格納し、前記相手装置から前記相手カウンタ値を受信すると、該相手カウンタ値、および該相手カウンタ値受信時における前記メモリに格納された自カウンタ値のカウンタ比率を求め、該カウンタ比率が前記基準値と一致するか否かを判定するチェック回路と、
を有する構成である。
【0007】
また、上記本発明の情報処理装置において、前記チェック回路は、
前記カウンタ比率が前記基準値と一致しないと判定した場合、前記処理部に前記カウンタ比率が前記基準値と一致しない旨の信号を送信し、
前記処理部は、
前記チェック回路から前記カウンタ比率が前記基準値と一致しない旨の信号を受信すると、障害発生時の装置状況を示す記録を含む障害情報を前記相手装置に要求し、該相手装置から受信した該障害情報を表示することとしてもよい。
【0008】
さらに、上記本発明の情報処理装置において、前記処理部は、
信号の伝送単位である通信フレームに前記自カウンタ値を付加して前記相手装置に送信することとしてもよい。
【0009】
一方、上記目的を達成するための本発明の装置異常検出方法は、通信可能に接続された情報処理装置間における、通信先である相手装置の障害発生を検出するための装置異常検出方法であって、
自装置に備えたクロックから生成した信号を所定回数受信する度にカウンタ信号を該自装置の処理部に出力し、
前記カウンタ信号数に対応した自カウンタ値、および正常な通信状態における、前記相手装置のカウンタ値である相手カウンタ値と前記自カウンタ値との比率である基準値を保持し、
前記カウンタ回路から前記カウンタ信号を受信すると、前記自カウンタ値を1増加し、ハードウェア障害による割り込み信号を受信すると、装置状況を記録し、記録する間の前記カウンタ信号の受信を拒否し、
前記メモリから読み出した自カウンタ値を前記相手装置に送信し、
前記相手装置から前記相手カウンタ値を受信すると、該相手カウンタ値と、該相手カウンタ値受信時における前記メモリに格納された自カウンタ値とのカウンタ比率を求め、
前記カウンタ比率が前記基準値と一致するか否かを判定するものである。
【0010】
また、上記本発明の装置異常検出方法は、前記カウンタ比率が前記基準値と一致しないと判定した場合、障害発生時の装置状況を示す記録を含む障害情報を前記相手装置に要求し、
前記相手装置から前記障害情報を受信すると、該障害情報を表示することとしてもよい。
【0011】
さらに、上記本発明の装置異常検出方法は、前記自カウンタ値を、信号の伝送単位である通信フレームに付加して前記相手装置に送信することとしてもよい。
【0012】
(作用)
本発明では、ハードウェア障害が発生した場合、その割り込み信号による処理が優先され、自カウンタ値が正常な場合より小さい方にずれてしまう。そのため、自カウンタ値を相手装置に送信すると、相手装置のチェック回路が、カウンタ比率と基準値が一致するか否かを判定し、その結果、カウンタ比率と基準値が一致しないため、通信先の装置に傷害が発生したことが検出される。また、異なる周波数のクロックを備えた装置間においても、カウンタ比率をモニタしているため、相手装置に障害が発生するとカウンタ比率が変化し、装置異常を検出できる。
【0013】
また、本発明では、装置に障害が発生したことが検出されると、障害情報を相手装置から受信し、障害情報を表示して操作者に通知可能となる。そのため、装置内部に発生した軽微な障害を早い段階で検出でき、操作者は障害の原因を容易に特定できる。
【0014】
さらに、本発明では、通信フレームを相手装置に送信する際、通信フレームに自カウンタ値を付加するようにすれば、通信フレームと一緒に自カウンタ値を相手装置に送信できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の情報処理装置は、異なる周波数のクロックを備えた装置間においても、装置毎にクロックからの出力信号数に応じてカウンタ値を計測し、装置間で正常に通信する場合における自装置のカウンタ値と相手装置のカウンタ値との比率を基準値として格納し、相手装置のカウンタ値を受信する度に自装置のカウンタ値と相手装置のカウンタ値との比率を求め、求めた比率が基準値と一致するか否かを判定することで相手装置の異常を検出できるようにしたものである。
【0016】
本発明の情報処理装置を用いた装置異常検出システムについて説明する。
【0017】
図1は本発明の情報処理装置を有する装置異常検出システムの一構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、装置異常検出システムは、情報処理端末、ディスプレイおよびプリンタ等の周辺装置2と、汎用コンピュータであるホスト3から受け取るデータを周辺装置2に転送する周辺制御装置1とを有する構成である。周辺制御装置1は、上位装置となるホスト3と専用インタフェース4で接続され、下位装置となる周辺装置2とネットワーク20を介して接続されている。
【0019】
次に、本発明の情報処理装置である周辺制御装置1および周辺装置2の構成について詳細に説明する。
【0020】
図2は本発明における周辺制御装置および周辺装置の一構成例を示すブロック図である。
【0021】
周辺制御装置1は、ホスト3と通信フレームを送受信する上位インタフェース(I/F)制御部13と、自装置に設けられたクロック(不図示)から生成した信号を所定回数受信する度にカウンタ信号を出力するカウンタ回路18と、カウンタ値を格納するためのメモリ15と、カウンタ回路18からカウンタ信号を受信する度にメモリ15に格納されたカウンタ値を1増やす処理部となるマイクロプロセッサ部11と、二つのカウンタ値の比率を計算するチェック回路19と、周辺装置2と通信フレームを送受信する下位I/F制御部12とを有する構成である。
【0022】
メモリ15には、通信フレーム種別を含むトレース情報を格納するためのトレース領域16と、カウンタ値等を格納するためのカウンタ領域17とを有する。
【0023】
トレース領域16は、通信可能な周辺装置2のアドレスおよび装置状況を記録するための制御テーブルと、送受信する通信フレームを一時的に格納するための入出力バッファと、トレース情報とを格納する。なお、通信フレームに転送データが含まれる場合、トレース情報に転送データの内容を簡単に示した情報が含まれる。
【0024】
カウンタ領域17は、上記カウンタ値の他、自装置のカウンタ値である自カウンタ値と通信先の装置のカウンタ値である相手カウンタ値とのカウンタ比率を格納する。なお、周辺制御装置1および周辺装置2の間における通信が正常な場合のカウンタ比率を基準値と称する。
【0025】
チェック回路19は、周辺装置2から通信フレームを受信すると、受信した通信フレームから相手カウンタ値を格納し、カウンタ領域17に格納された自カウンタ値を読み出して格納する。続いて、これら二つのカウンタ値からカウンタ比率を計算して、メモリ15内に格納された基準値と比較する。比較の結果、カウンタ比率が基準値と一致しない場合、カウンタ比率が基準値と一致しない旨の信号をマイクロプロセッサ部11に送信し、格納した自カウンタ値および相手カウンタ値、ならびにカウンタ領域17内の基準値を消去する。一方、上記比較の結果、カウンタ比率と基準値が一致する場合、新たに求めたカウンタ比率をカウンタ領域17内に基準値として格納する。
【0026】
なお、メモリ15内のカウンタ領域17に基準値が格納されていない場合には、格納している二つのカウンタ値からカウンタ比率を計算し、求めたカウンタ比率を基準値としてカウンタ領域17に書き込む。
【0027】
マイクロプロセッサ部11は、プログラムとなるファームウェア(FW)を格納し、プログラム制御により所定の処理を実行する。
【0028】
マイクロプロセッサ部11は、ホスト3から上位I/F制御部13を介して転送データを受信すると、転送データを入出力バッファに一時格納する。続いて、送信先となる周辺装置2のアドレスおよび装置状況を制御テーブルで確認し、転送データを送付するための通信フレームを作成する。その後、作成した通信フレームを下位I/F制御部12を介して周辺装置2に送信する。その際、送信する通信フレームに、カウンタ領域17に格納された自カウンタ値、およびチェック回路19に格納された相手カウンタ値を付加する。なお、周辺装置2からのコネクション確立要求の通信フレームを受信した際、同様に、上記二つのカウンタ値を付加した応答通信フレームを周辺装置2に送信する。
【0029】
また、周辺装置2に通信フレームを送信する際、および周辺装置2から通信フレームを受信する際、通信フレームのトレース情報、その通信フレームに含まれた相手カウンタ値、およびカウンタ領域17に格納された自カウンタ値を含む履歴情報をトレース領域16に格納する。
【0030】
また、ハードウェア障害による割り込み信号を受信すると、ログを記録し、記録する間のカウンタ回路18からのカウンタ信号を拒否する。
【0031】
さらに、チェック回路19からカウンタ比率が基準値と一致しない旨の情報を受け取ると、周辺装置2に障害が発生したものと判断し、ログを含む障害情報を要求するための障害情報要求フレームを周辺装置2に送信する。周辺装置2から障害情報を返信するための障害情報フレームを受信すると、周辺装置2に障害が発生した旨を示す信号、および障害情報をホスト3に送信する。
【0032】
次に、周辺装置2について説明する。なお、以下では、本発明の装置異常の検出に関連する構成および動作について説明し、周辺装置2が備えた一般的な機能についての説明を省略する。
【0033】
周辺装置2は、ネットワーク20を介して周辺制御装置1とデータを送受信するI/F制御部22と、チェック回路29と、メモリ25と、カウンタ回路28と、マイクロプロセッサ部21とを有する構成である。なお、チェック回路29、メモリ25、カウンタ回路28およびマイクロプロセッサ部21は、上記周辺制御装置1のチェック回路19、メモリ15、カウンタ回路18およびマイクロプロセッサ11のそれぞれと同様な構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0034】
また、マイクロプロセッサ部21は、周辺装置2内に障害が発生すると、その発生時のログをトレース領域26に格納する。また、周辺制御装置1から障害情報要求フレームを受信すると、トレース領域26からログを読み出し、ログを送付するための障害情報フレームを作成して周辺制御装置1に送信する。
【0035】
次に、周辺制御装置1および周辺装置2の間で送受信される通信フレームの構成例について説明する。
【0036】
図3は周辺制御装置および周辺装置の間で送受信される通信フレームの構成例を示す図である。なお、図3に示す▲5▼はトレース領域16、26に格納するための履歴情報の形式を示す。
【0037】
図3に示す▲1▼は一方の装置から他方の装置にコネクションの確立を要求する際に送信する通信フレームの形式を示す。送信先となる相手装置のアドレス、送信元となる自装置のアドレス、および送信するパケットの種別が含まれるヘッダ部の後ろに、自カウンタ値と、相手カウンタ値の情報が付加されている。他の▲2▼から▲7▼の形式でも、上記▲1▼と同様に、ヘッダ部の後ろに二つのカウンタ値が付加されている。
【0038】
図3に示す▲2▼は、自装置が相手装置から上記▲1▼の通信フレームを受信した際、相手装置に応答するための確立応答フレームの形式を示す。また、▲3▼は転送データを添付して送信するための転送データ通信フレームの形式を示し、▲4▼はその応答となる通信応答フレームの形式を示す。さらに、図3に示す▲6▼は障害情報要求フレームの形式を示し、▲7▼は障害情報フレームの形式を示す。
【0039】
次に、上述した構成の装置異常検出システムの動作手順を説明する。
【0040】
図4は上述の装置異常検出システムの動作手順を示すフローチャートである。図4に示す「H」はヘッダ部を示す。図5は本発明の装置異常検出システムの動作において、通信フレーム受信時の履歴情報の要部を示す表である。図5に示す表の左欄は周辺制御装置の履歴情報であり、右欄は周辺装置の履歴情報である。
【0041】
なお、以下では、周辺制御装置1のカウンタ値には、数字の右上に「 ’」を記す。また、カウンタ回路18、28の動作についての詳細な説明は省略する。
【0042】
図4に示すように、操作者が周辺制御装置1の電源を入れると、マイクロプロセッサ部11は、自カウンタ値「2’」を付加した、コネクション確立要求の通信フレームを周辺装置2に送信し、その通信フレームの履歴情報をトレース領域16に格納する。
【0043】
周辺装置2のI/F制御部22が周辺制御装置1からコネクション確立要求の通信フレームを受信すると、チェック回路29は、受信時における自カウンタ値「1」、および受信した通信フレームから読み出した相手カウンタ値「2’」を格納する。また、マイクロプロセッサ部21は、コネクション確立要求の通信フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。続いて、その応答をするために、確立応答の通信フレームを周辺制御装置1に送信する際、送信時における自カウンタ値「2」、およびチェック回路29内に格納した相手カウンタ値「2’」を付加して周辺制御装置1に送信し、送信した通信フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。
【0044】
周辺制御装置1の下位I/F制御部12が周辺装置2から確立応答の通信フレームを受信すると、マイクロプロセッサ部11は、受信した通信フレームの履歴情報をトレース領域16に格納する。また、チェック回路19は、確立応答の通信フレームから読み出した相手カウンタ値「2」、および受信時における自カウンタ値「6’」を格納する。
【0045】
一方、周辺装置2のマイクロプロセッサ部21は、上記確立応答通信フレームを送信した後、コネクションを確立するために、自カウンタ値「3」、およびチェック回路29に格納された相手カウンタ値「2’」を付加した、コネクション確立要求の通信フレームを周辺制御装置1に送信し、送信した通信フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。
【0046】
周辺制御装置1の下位I/F制御部12が周辺装置2からコネクション確立要求の通信フレームを受信すると、チェック回路19は、受信した通信フレームから読み出した相手カウンタ値「3」、および受信時における自カウンタ値「8’」を格納する。続いて、格納した二つのカウンタ値からカウンタ比率を計算し、その結果を基準値としてメモリ15のカウンタ領域17に格納する。また、マイクロプロセッサ部11は、コネクション確立要求の通信フレームの履歴情報をトレース領域16に格納する。続いて、コネクション確立要求に応答するために、確立応答の通信フレームを周辺装置2に送信する際、送信時における自カウンタ値「10’」、およびチェック回路19内に格納された相手カウンタ値「3」を付加して周辺装置2に送信し、送信した通信フレームの履歴情報をトレース領域16に格納する。
【0047】
周辺装置2のI/F制御部22が周辺制御装置1から確立応答の通信フレームを受信すると、マイクロプロセッサ部21は、受信した通信フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。また、チェック回路29は、受信した通信フレームから読み出した相手カウンタ値「10’」、および受信時のおける自カウンタ値「5」を格納する。続いて、格納した二つのカウンタ値からカウンタ比率を計算し、その結果を基準値としてメモリ25内のカウンタ領域27に格納する。
【0048】
次に、周辺制御装置1の上位I/F制御部13が周辺装置2への転送データaをホスト3から受信すると、マイクロプロセッサ部11は、転送データaを周辺装置2に送信するために、送信時における自カウンタ値「16’」、およびチェック回路19に格納された相手カウンタ値「3」を付加した転送データ通信フレームを作成し、作成した転送データ通信フレームの履歴情報をトレース領域16に格納するとともに、転送データ通信フレームを周辺装置2に送信する。
【0049】
周辺装置2のI/F制御部22が周辺制御装置1から転送データ通信フレームを受信すると、マイクロプロセッサ部21は、転送データaに対して所定の処理を実行し、受信した転送データ通信フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。また、チェック回路29は、転送データ通信フレームから読み出した相手カウンタ値「16’」、および転送データ通信フレーム受信時における自カウンタ値「8」を格納する。続いて、格納した二つのカウンタ値からカウンタ比率を計算し、その結果とカウンタ領域27に格納された基準値とを比較する。
【0050】
図5に示すように、転送データa受信時におけるカウンタ比率と、カウンタ領域27に格納された基準値とが一致しているため、チェック回路29はカウンタ領域27に新たに求めたカウンタ比率を基準値として更新する。
【0051】
その後、マイクロプロセッサ部21は、転送データaの処理が終了したことを通知するために、自カウンタ値「9」、およびチェック回路29内に格納された相手カウンタ値「16’」を付加した通信応答フレームを作成して周辺制御装置1に送信し、送信した通信応答フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。
【0052】
周辺制御装置1の下位I/F制御部12が周辺装置2から通信応答フレームを受信すると、マイクロプロセッサ部11は、通信応答フレームの履歴情報をトレース領域16に格納する。また、チェック回路19は、通信応答フレームから読み出した相手カウンタ値「9」、および通信応答フレーム受信時における自カウンタ値「20’」を格納する。続いて、格納した二つのカウンタ値からカウンタ比率を計算し、その結果とカウンタ領域17に格納された基準値とを比較する。
【0053】
図5に示すように、転送データaに対する応答受信時におけるカウンタ比率と、カウンタ領域17に格納された基準値とが一致しているため、チェック回路19はカウンタ領域17に新たに求めたカウンタ比率を基準値として更新する。
【0054】
次に、周辺制御装置1の上位I/F制御部13が周辺装置2への転送データbをホスト3から受信すると、マイクロプロセッサ部11は、転送データbを周辺装置2に送信するために、上記転送データaの場合と同様にして、送信時における自カウンタ値「22’」、およびチェック回路19に格納された相手カウンタ値「9」を付加した転送データ通信フレームを作成し、作成したデータ通信フレームの履歴情報をトレース領域16に格納するとともに、転送データ通信フレームを周辺装置2に送信する。
【0055】
周辺装置2のI/F制御部22が周辺制御装置1から転送データ通信フレームを受信すると、マイクロプロセッサ部21は、転送データbに対して所定の処理を実行し、受信した転送データ通信フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。また、チェック回路29は、転送データ通信フレームから読み出した相手カウンタ値「22’」、および転送データ通信フレーム受信時における自カウンタ値「11」を格納する。続いて、格納した二つのカウンタ値からカウンタ比率を計算し、その結果とカウンタ領域27に格納された基準値とを比較する。
【0056】
図5に示すように、転送データb受信時におけるカウンタ比率と、カウンタ領域27に格納された基準値とが一致しているため、チェック回路29はカウンタ領域27に新たに求めたカウンタ比率を基準値として更新する。
【0057】
ここで、図4に示すように、マイクロプロセッサ部21が、通信応答フレームを作成する際に、周辺装置2内に生じた軽微な障害によるハードウェア(HW)割り込み信号を受信した場合、ログをトレース領域26に格納する。そのため、ログを格納している間にカウンタ回路28からのカウンタ信号があっても、HW割り込み信号による処理を優先させるため、カウンタ領域27の自カウンタ値は、HW割り込み信号がない場合よりカウンタ信号を受信できなかった分だけ小さくなる。
【0058】
そして、自カウンタ値「12」、およびチェック回路29内に格納された相手カウンタ値「22’」を付加した通信応答フレームを作成するが、上記HW割り込みにより、通信応答フレームを作成するまでにタイムラグが生じていることになる。続いて、通信応答フレームを周辺制御装置1に送信するとともに、この通信応答フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。
【0059】
周辺制御装置1の下位I/F制御部12が周辺装置2から通信応答フレームを受信すると、マイクロプロセッサ部11は、通信応答フレームの履歴情報をトレース領域16に格納する。また、チェック回路19は、通信応答フレームから読み出した相手カウンタ値「12」、および通信応答フレーム受信時における自カウンタ値「28’」を格納する。続いて、格納した二つのカウンタ値からカウンタ比率を計算し、その結果とカウンタ領域17に格納された基準値とを比較する。
【0060】
図5に示すように、転送データbに対する応答受信時におけるカウンタ比率が「8:3」であるのに対し、カウンタ領域17に格納された基準値は「2:1」であり、求めたカウンタ比率が基準値と一致しない。そのため、チェック回路19は、カウンタ比率が基準値と一致しない旨の信号をマイクロプロセッサ部11に送信し、格納したカウンタ値、およびカウンタ領域17内の基準値を消去する。
【0061】
マイクロプロセッサ部11は、チェック回路19からカウンタ比率が一致しない旨の情報を受け取ると、周辺装置2に障害が発生したものと判断し、障害情報を要求するための通信フレームに自カウンタ値「30’」を付加して周辺装置2に送信するとともに、送信した障害情報要求フレームの履歴情報をトレース領域16に格納する。
【0062】
周辺装置2のI/F制御部22が周辺制御装置1から障害情報要求フレームを受信すると、チェック回路29は、格納した二つのカウンタ値、およびカウンタ領域27内の基準値を消去し、障害情報要求フレームから読み出した相手カウンタ値「30’」、および障害情報要求フレーム受信時における自カウンタ値「14」を格納する。また、マイクロプロセッサ部21は、受信した障害情報要求フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。続いて、トレース領域26からログを読み出し、ログを送付するための障害情報フレームを作成する。その後、障害情報フレームを周辺制御装置1に送信する際、送信時における自カウンタ値「15」、およびチェック回路29に格納された相手カウンタ値「30’」を付加して周辺制御装置1に送信し、送信した障害情報フレームの履歴情報をトレース領域26に格納する。
【0063】
周辺制御装置1の下位I/F制御部12が周辺装置2から障害情報フレームを受信すると、チェック回路19は、障害情報フレームから読み出した相手カウンタ値「15」、および受信時における自カウンタ値「34’」を格納する。また、マイクロプロセッサ部11は、受信した障害情報フレームの履歴情報をトレース領域16に格納し、周辺装置2に障害が発生した旨を示す信号、および障害情報をホスト3に送信する。
【0064】
ホスト3は、周辺装置2に障害が発生した旨を示す信号、および障害情報を受信すると、周辺装置2に障害が発生した旨、および障害情報をディスプレイに表示させる。
【0065】
本発明では、上述のようにして、装置間で正常に通信する場合のカウンタ比率の基準値を格納し、通信フレームを相手装置に送信する場合、通信フレームに自カウンタ値を付加して送信し、通信フレームを相手装置から受信する場合、受信時の自カウンタと通信フレームに付加された相手カウンタ値との比率を求めて基準値と比較し、求めたカウンタ比率が基準値と一致しなければ、相手装置に異常があると判断する。そのため、相手装置側に発生した軽微な障害を早期に検出でき、ホスト3の操作者は障害の原因を容易に特定できる。
【0066】
また、上述のようにして、異なる周波数のクロックを備えた装置間においても、カウンタ比率をモニタしているため、相手装置に障害が発生するとカウンタ比率が変化し、異常を検出できる。
【0067】
なお、周辺制御装置1に異常があった場合には、周辺装置2が、上述のようにして、その異常を検出し、周辺制御装置1に異常がある旨の情報を操作者に通知する。例えば、周辺装置2にディスプレイを備え、周辺制御装置1に異常があった旨の情報をディスプレイに表示させる。また、周辺制御装置1に異常のあった旨を示す警告ランプを周辺装置2に備え、警告ランプを点灯させるようにしてもよい。
【0068】
また、通信フレームに自カウンタ値を付加して相手装置に送信する場合に限られず、自カウンタ値単体を相手装置に送信するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0070】
本発明では、装置間で正常に通信する場合のカウンタ比率を基準値として格納し、相手装置からカウンタ値を受信する度に、相手装置のカウンタ値および自装置のカウンタ値から求めたカウンタ比率と上記基準値とを比較し、カウンタ比率が基準値と一致しなければ、相手装置に異常があると判断する。そのため、相手装置側に発生した軽微な障害を早期に検出でき、操作者は、障害の原因を容易に特定できる。
【0071】
また、相手装置のカウンタ値を受信すると、相手装置のカウンタ値と自装置のカウンタ値との比率を求める段階、求めたカウンタ比率をメモリに格納した基準値と比較する段階、および比較の結果カウンタ率が基準値と一致するか否かを判定する段階を順に進めるシーケンス制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報処理装置を有する装置異常検出システムの一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明における周辺制御装置および周辺装置の一構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明における周辺制御装置および周辺装置の間で送受信される通信フレームの構成例を示す図である。
【図4】図1に示した装置異常検出システムの動作手順を示すフローチャートである。
【図5】図4に示した動作において、通信フレーム受信時の履歴情報の要部を示す表である。
【符号の説明】
1 周辺制御装置
2 周辺装置
3 ホスト
4 専用インタフェース
11、21 マイクロプロセッサ部
12 下位I/F制御部
13 上位I/F制御部
15、25 メモリ
16、26 トレース領域
17、27 カウンタ領域
18、28 カウンタ回路
19、29 チェック回路
20 ネットワーク
22 I/F制御部

Claims (6)

  1. クロックから生成した信号を所定回数受信する度にカウンタ信号を出力するカウンタ回路と、
    前記カウンタ信号数に対応した自カウンタ値を格納するためのメモリと、
    前記カウンタ回路から前記カウンタ信号を受信すると、前記メモリに格納された自カウンタ値を1増加し、ハードウェア障害による割り込み信号を受信すると、装置状況を前記メモリに記録し、記録する間の前記カウンタ信号を拒否し、前記メモリから読み出した自カウンタ値を通信先の相手装置に送信する処理部と、
    正常な通信状態における、前記相手装置のカウンタ値である相手カウンタ値と前記自カウンタ値との比率である基準値を前記メモリに格納し、前記相手装置から前記相手カウンタ値を受信すると、該相手カウンタ値、および該相手カウンタ値受信時における前記メモリに格納された自カウンタ値のカウンタ比率を求め、該カウンタ比率が前記基準値と一致するか否かを判定するチェック回路と、
    を有する情報処理装置。
  2. 前記チェック回路は、
    前記カウンタ比率が前記基準値と一致しないと判定した場合、前記処理部に前記カウンタ比率が前記基準値と一致しない旨の信号を送信し、
    前記処理部は、
    前記チェック回路から前記カウンタ比率が前記基準値と一致しない旨の信号を受信すると、障害発生時の装置状況を示す記録を含む障害情報を前記相手装置に要求し、該相手装置から受信した該障害情報を表示する請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記処理部は、
    信号の伝送単位である通信フレームに前記自カウンタ値を付加して前記相手装置に送信する請求項1または2記載の情報処理装置。
  4. 通信可能に接続された情報処理装置間における、通信先である相手装置の障害発生を検出するための装置異常検出方法であって、
    自装置に備えたクロックから生成した信号を所定回数受信する度にカウンタ信号を該自装置の処理部に出力し、
    前記カウンタ信号数に対応した自カウンタ値、および正常な通信状態における、前記相手装置のカウンタ値である相手カウンタ値と前記自カウンタ値との比率である基準値を保持し、
    前記カウンタ回路から前記カウンタ信号を受信すると、前記自カウンタ値を1増加し、ハードウェア障害による割り込み信号を受信すると、装置状況を記録し、記録する間の前記カウンタ信号の受信を拒否し、
    前記メモリから読み出した自カウンタ値を前記相手装置に送信し、
    前記相手装置から前記相手カウンタ値を受信すると、該相手カウンタ値と、該相手カウンタ値受信時における前記メモリに格納された自カウンタ値とのカウンタ比率を求め、
    前記カウンタ比率が前記基準値と一致するか否かを判定する装置異常検出方法。
  5. 前記カウンタ比率が前記基準値と一致しないと判定した場合、障害発生時の装置状況を示す記録を含む障害情報を前記相手装置に要求し、
    前記相手装置から前記障害情報を受信すると、該障害情報を表示する請求項4記載の装置異常検出方法。
  6. 前記自カウンタ値を、信号の伝送単位である通信フレームに付加して前記相手装置に送信する請求項4または5記載の装置異常検出方法。
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