JP2004179541A - プリント基板及びその形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム2の少なくとも片面上にランド3を備えるプリント基板1であって、当該ランド3は、ランド3の表面から下面3aにかけて形成された貫通孔4を備えている。そして、ランド3を樹脂フィルム2内に埋没させることにより、貫通孔4の内部に樹脂フィルム2の構成材料である熱可塑性樹脂を導入した。
貫通孔4を形成した分、ランド3と樹脂フィルム2との間の接触面積が増加するので、樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性を向上できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板及びその製造方法に関し、特にプリント基板におけるランドと樹脂フィルムとの間の接続信頼性を向上することが可能なプリント基板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特許文献1において、導体パターンに対して、表面粗化処理を行わない場合であっても、形成された積層基板における導体パターンと樹脂フィルムとの密着力を十分確保できる積層基板及びその製造方法を提示している。
【0003】
この積層基板は、樹脂フィルムへの貼り付け面のみ粗化処理(凸部形成)のされた導体パターンを備える樹脂フィルムを複数積層し、導体パターンを構成する金属表面が活性化する温度以上の加熱温度を持って加熱・加圧することにより形成されるものである。
【0004】
【特許文献1】特開平14−290034号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、プリント基板を内蔵する電子製品の小型化に伴い、プリント基板における導体層の薄層化、及び高密度化が進んでいる。このとき、プリント基板表面にて電子部品の電極と接合するランドは、薄層化に伴って十分なアンカー効果を発揮するだけの深さを持った凸部を形成することができず、又、樹脂フィルムとの接触面であるランド径も縮小する。すなわち、特許文献1の構造を有するプリント基板であっても、樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性の低下が懸念される。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性を向上したプリント基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に請求項1に記載のプリント基板は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面上にランドを含む導体パターンを備えている。そしてプリント基板のランドは、ランド表面からランド下面の範囲に渡って形成された少なくとも1つの貫通孔を備え、ランドは樹脂フィルム内に少なくとも一部が埋設され、そのランドの貫通孔内に、樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が導入されていることを特徴とする。
【0008】
このように、ランドにはランド表面からランド下面に渡って貫通する貫通孔が形成されているので、ランドの少なくとも一部が樹脂フィルム内に埋設された状態においては、当該貫通孔内に樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が導入されることとなる。従って、貫通孔内における樹脂フィルムとの接触面積分、ランドと樹脂フィルムとの間の接触面積が増加することとなるので、樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性を向上できる。
【0009】
また、プリント基板は、請求項2に記載のように、導体パターンを備えた樹脂フィルムを含む複数の樹脂フィルムから構成されても良い。樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性を向上させることで、ランドの直径を小さくすることができる。従って、このような複数の樹脂フィルムからなるプリント基板において導体パターンを高密度に形成することが可能となる。
【0010】
請求項3に記載のプリント基板は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面上にランドを含む導体パターンを備えており、ランドの側面に、少なくとも1個の凹部或いは凸部を備え、ランドは樹脂フィルム内に少なくとも一部が埋設され、そのランドの側面に形成された凹部或いは凸部に、樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が密着されていることを特徴とする。
【0011】
このように、ランドの側面には、凹部或いは凸部が形成されている。ランドの少なくとも一部が樹脂フィルム内に埋設された際、凹部或いは凸部表面に、樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が密着されることとなる。従って、ランド側面における樹脂フィルムとの接触面積が増加するので、樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性を向上できる。
【0012】
また、請求項3に記載のプリント基板も、請求項4に記載のように、導体パターンを備えた樹脂フィルムを含む複数の樹脂フィルムから構成されても良い。樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性を向上させることで、ランドの直径を小さくすることができる。従って、このような複数の樹脂フィルムからなるプリント基板において導体パターンを高密度に形成することが可能となる。
【0013】
次に、プリント基板の製造方法は、請求項5に記載のように、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面に貼付された導体箔上に、所定のパターンを有するエッチングレジストを形成するレジスト形成工程と、導体箔の内、エッチングレジストで覆われていない部分を除去し、表面から下面にかけて貫通する貫通孔を有するランドを含む導体パターンを形成するエッチング工程と、ランドを含む導体パターンを備えた樹脂フィルムの上下両表面から、加熱プレス機を用いて加熱しつつ加圧する加熱・加圧工程とを備えている。そして、加熱・加圧工程において、加熱された樹脂フィルム内にランドの少なくとも一部が埋没されるとともに、貫通孔内に樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が充填されることを特徴とする。
【0014】
所定パターンを有するエッチングレジストを形成し、エッチングにより貫通孔を備えるランドを形成しておけば、加熱・加圧工程において、ランドが樹脂フィルム内に押し込まれ埋没される際、加熱により塑性変形した樹脂フィルムが貫通孔内に導入されることとなる。従って、樹脂フィルムが貫通孔の内壁と接触する面積分、ランドと樹脂フィルムとの接触面積が増加することとなるので、樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性を向上できる。
【0015】
また、請求項6に記載のように、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面に貼付された導体箔上に、所定のパターンを有するエッチングレジストを形成するレジスト形成工程と、導体箔の内、エッチングレジストで覆われていない部分を除去し、側面に少なくとも1個の凹部或いは凸部を有するランドを含む導体パターンを形成するエッチング工程と、ランドを含む導体パターンを備えた樹脂フィルムの上下両表面から加熱プレス機を用いて加熱しつつ加圧する加熱・加圧工程とを備える。そして、加熱・加圧工程において、加熱された樹脂フィルム内に、ランドの少なくとも一部が埋没されるとともに、凹部或いは凸部に樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が密着されることを特徴とする。
【0016】
このように、所定パターンを有するエッチングレジストを形成し、エッチングによって側面に凹部或いは凸部を備えるランドを形成しておけば、ランド側面の面積が増加する。そして、加熱・加圧工程において、ランドが樹脂フィルム内に押し込まれ埋没される際、加熱により塑性変形した樹脂フィルムがランド側面の凹部或いは凸部表面に密着する。従って、樹脂フィルムが凹部或いは凸部と接触することにより、ランドと樹脂フィルムとの間の接触面積が増加することとなるので、樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性が向上される。
【0017】
また、請求項7に記載のように、エッチング工程後、ランド及び導体パターンを底部としたビアホールを形成し、このビアホールに層間接続材料を充填する充填工程を備え、充填後、加熱・加圧工程において、導体パターンを有する樹脂フィルムを含む複数の樹脂フィルムを積層し、この積層体を加熱プレス機を用いて加熱しつつ加圧することにより、樹脂フィルムを相互に接着しても良い。このように、加熱・加圧工程において、プリント基板の多層化を行うと共に、上述の請求項5或いは請求項6に記載した樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性を向上する構造も確保される。従って、樹脂フィルムに対するランドの接続信頼性を向上した多層のプリント基板を安価に製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態におけるプリント基板の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面における断面図、(c)はランドの斜視図である。
【0019】
図1(a),(b)に示すように、本プリント基板1は、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム2と、図示されない電子部品等の電極が接合されるランド3とにより構成される。ここで、樹脂フィルム2としては、例えば熱可塑性の液晶ポリマー(LCP)からなる厚さ25〜100μmの樹脂フィルムを用いることができる。また、ランド3の形成材料としては、例えばAu、Ag、Cu、Alの少なくとも1種を含む低抵抗金属箔が良く、望ましくは安価でマイグレーションの心配のないCu箔が良い。尚、図1においては便宜上、樹脂フィルム2に対して1つのランド3のみを示しているが、ランド3は1個に限定されるものでは無い。また、ランド3には図示されない導体パターンが電気的に接続されている。
【0020】
ランド3は、その一部がランド表面からランド下面の範囲に渡って形成された8個の貫通孔4を備えている。そして、図1(b)に示されるように、ランド3は表面のみ樹脂フィルム2から露出するように樹脂フィルム2内に埋め込まれ、貫通孔4内には樹脂フィルム2の構成材料である熱可塑性樹脂が導入・充填されている。尚、製造工程については後述する。また、ランド3に形成される貫通孔4の個数は8個に限定されるものでなく、少なくとも1個形成されれば良い。さらに、ランド3の表面のみが樹脂フィルム2から露出するように、ランド3が樹脂フィルム2に埋め込まれた例を示したが、ランド3の少なくとも一部が樹脂フィルム2内に埋め込まれていれば良い。
【0021】
ここで、本実施の形態の特徴であるランド3の構造について、図1(c)及び図4を用いて説明する。尚、図4は、略円柱形状を有する従来構造のランド3の斜視図である。
【0022】
図5に示すように、従来のランド3は、底面3a側のみトリーター等による粗化処理がなされ、図示されない凸部が形成され、当該底面3aと側面3bとが樹脂フィルム2と接触し密着することで、樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性を確保している。しかしながら、電子製品の小型化に伴ってランド3の厚さが薄くなる(例えば10μm以下)となると、十分なアンカー効果を得るだけの深さを持った凸部が形成できず、又、側面3bの面積も減少するので、樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性が低下する恐れがある。さらに、高密度化によりランド3自体の大きさ(直径)が小さくなると、底面3aにおける樹脂フィルム2との接触面積が減少するので、さらに樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性が低下する恐れがある。
【0023】
しかしながら、本実施の形態におけるプリント基板1のランド3は、図1(c)に示すように、従来構造のランド3と同様の略円柱形状を有しつつ、さらに8個の貫通孔4を備えている。従って、ランド3が、従来構造のランド3と同様の直径と高さを有し、樹脂フィルム2に対して略同等の深さまで埋め込まれた場合、貫通孔4内の内壁が樹脂フィルム2の構成材料である熱可塑性樹脂と接触する面積分、ランド3が樹脂フィルム2と接触する面積が増加するので、樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性を向上できる。尚、ランド3の形状は、略円柱形状に限定されるものではない。従って、略四角柱形状や略三角柱形状であっても良い。
【0024】
次に、プリント基板1の製造工程を、図2に示す工程別断面図を用いて説明する。
【0025】
プリント基板1が単層の樹脂フィルム2から構成される場合について、図2(a)〜図2(f)の工程別断面図を用いて説明する。先ず、熱可塑性樹脂である樹脂フィルム2の片面に導体箔5(図2(a))を貼着し、導体箔5上にランド3の形状に対応したエッチングレジストを形成するレジスト形成工程が行われる。
【0026】
レジスト形成工程として、先ず、図2(b)に示されるように、導体箔5の表面全体に感光性のレジスト材料6が塗布される。そして、図2(c)に示されるように、レジスト材料6の表面側に、形成すべきランド3の形状に対応した光透過部7を有する露光マスク8を配置し、当該マスク8を介して例えば紫外線を照射し、レジスト材料6を露光させて硬化させる。
【0027】
ここで、露光マスク8は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やガラス等からなる透明基材8aに、当該基板8a上に遮光性を有する例えば黒色インクを、必要とするエッチングレジストの形状とは反転(ネガポジの関係)した形状に被着することにより形成したマスク部8bを有する。インクが被着されていない部分が、ランド3の形状に対応した光透過部7となるので、ランド3は、貫通孔4の形成部分がインクにより透明基板8aが被着され、それ以外の箇所は光透過部7となっている。
【0028】
レジスト材料の硬化後、露光マスク8が剥離されると共に、現像が行われてレジスト材料6の内、未硬化部分が除去される。このとき、ランド3において貫通孔4となる部分に対応したレジスト材料6も未硬化のため除去される。以上より、図2(d)に示されるように、貫通孔4を有するランド3の形状に対応したエッチングレジスト9が導体箔5上に形成される。
【0029】
このようなレジスト形成工程が終了すると、引き続いて、導体箔5の不要部分を除去するエッチング工程が行われる。エッチングレジスト9をマスクとし、エッチングレジスト9の非形成部分の導体箔5をエッチング液を用いてエッチングする。すると、図2(e)に示されるように、貫通孔4を有するランド3が樹脂フィルム2上に形成された片面導体パターンフィルム10が形成される。尚、エッチング液としては、例えば硫酸一過酸化水素、過硫酸塩、塩化第二銅、塩化第2鉄等の水溶液が用いられる。
【0030】
そして、図2(e)に示される片面導体パターンフィルム10の上下両面から図示されない加熱プレス機により加熱しつつ加圧する。印加される加熱・加圧条件は、例えば、温度は、200〜350℃の範囲の値であり、圧力は0.1〜10MPaの範囲の値である。このように、加熱されると、樹脂フィルム2の構成材料である熱可塑性樹脂が塑性変形可能となる。そして、加熱プレス機による圧力を受けて貫通孔4を有するランド3が樹脂フィルム2内に押し込まれるとともに、ランド3の下面3a側から貫通孔4内に樹脂フィルム2の構成材料である熱可塑性樹脂が塑性流動し、導入・充填されることとなる。従って、ランド3に形成された貫通孔4において、内壁が樹脂フィルム2と接触する分、ランド3と樹脂フィルム2との間の接触面積が増加するので、樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性が向上する。尚、加熱・加圧時に、片面導体パターンフィルム10と加熱プレス機との間の離型性を良くする為に、両者の間にポリイミド樹脂等の離型用フィルムを配置しても良い。
【0031】
また、本実施の形態におけるプリント基板1は、複数の樹脂フィルム2を積層した多層基板であっても良い。次に、多層基板の製造方法について、図3(a)〜(d)に示す工程別断面図を用いて説明する。
【0032】
先ず、上述の図2(e)に示される片面導体パターンフィルム10に対して、樹脂フィルム2の裏面(ランド3の非形成面)に、例えばPETからなる保護フィルム11を貼付する。そして、保護フィルム11上から炭酸ガスレーザを照射して、ランド3を底面とする有底孔であるビアホール12を形成する(図3(a))。ビアホール12の形成には、炭酸ガスレーザ以外にもUV−YAGレーザやエキシマレーザ等を用いることが可能である。その他にもドリル加工等により機械的にビアホールを形成することも可能であるが、小径でかつランド3を傷つけないように加工することが必要とされるため、レーザによる加工法を選択することが好ましい。
【0033】
ビアホール12の形成が完了すると、図3(b)に示すようにビアホール12内に層間接続材料である導電性ペースト13を充填する。導電性ペースト13は、Cu、Ag、Sn等の金属粒子に有機溶剤を加え、これを混練しペースト化したものである。尚、導電性ペースト13には、その他にも適宜低融点ガラスフリットや有機樹脂、或いは無機フィラーを添加混合しても良い。この、導電性ペースト13は、図示されないスクリーン印刷機やディスペンサ等を用いてビアホール12内に充填される。
【0034】
このように、図3(b)に示される片面導体パターンフィルム10が形成されると共に、図2(a)〜(e)、及び図3(a),(b)に示した同一の工程を経て、樹脂フィルム2の片面にランド2以外の導体パターン14が形成された片面導体パタ−ンフィルム10a(図3(c))が形成される。
【0035】
そして、片面導体パターンフィルム10,10aを各2層ずつ積層し、この積層体の上下両面から図示されない加熱プレス機により加熱しつつ加圧し、多層基板を形成する加熱・加圧工程がなされる。このとき、各樹脂フィルム2が熱溶着して一体化すると共に、ビアホール12内の導電性ペースト13と隣接するランド3、導体パターン14或いは導電性ペースト13との間で層間接続がなされる。この結果、図3(d)に示すように多層基板であるプリント基板1aが形成される。このとき、プリント基板1aの形成に伴って、多層基板を形成する際の加熱により樹脂フィルム2の構成材料である熱可塑性樹脂が塑性変形され、加熱プレス機からの加圧により樹脂フィルム2内にランド3が押し込まれるので、ランド3の貫通孔4内に樹脂フィルム2の構成材料である熱可塑性樹脂が導入・充填されることとなる。
【0036】
従って、複数の樹脂フィルム2を積層した多層のプリント基板1aにおいても、樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性を向上できる。さらに、この場合、従来の多層基板の製造プロセスの中で、樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性を向上できるので、製造原価を低く抑えることができる。
【0037】
また、樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性を向上できるので、接続信頼性が確保される範囲内においてランド3の径を小さくすることができ、多層基板1aを高密度化可能である。
【0038】
尚、本実施の形態において、4層からなるプリント基板1aを例として示したが、層数が限定されないのは言うまでもない。
【0039】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図4に基づいて説明する。尚、図4は本実施の形態におけるプリント基板1を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面における断面図、(c)はランド3の斜視図である。
【0040】
第2の実施の形態におけるプリント基板1は、第1の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。
【0041】
第2の実施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は、ランド3の側面に凹部或いは凸部を形成した点である。
【0042】
尚、製造方法においては、露光マスク8の形成パターンを変えるだけであるので、本実施の形態における製造方法の説明を省略する。
【0043】
図4(a)〜(c)に示すように、本実施の形態におけるプリント基板1のランド3の側面3bには、ランド3表面からランド3下面3aにかけて4個の凹部15が形成されている。そして、当該凹部15の表面に、樹脂フィルム2の構成材料である熱可塑性樹脂が密着している。尚凹部15の個数が4個の例を示したが、ランド3に付き少なくとも1個形成されていれば良い。
【0044】
ここで、本実施の形態におけるランド3は、図5に示される従来構造のランド3に対して凹部15を形成した構造と略同等の構造を有しており、同じ深さだけ樹脂フィルム2に埋め込まれたものとする。このとき、ランド3は、底面3aと側面3bが樹脂フィルム2と密着することにより、樹脂フィルム2に対して固定されている。図4(c)に示すように、ランド3の側面3bに凹部15を形成することにより、従来構造のランド3と比較して、底面3aの面積は若干減少するものの、側面3bの面積が大きく増加することとなる。
【0045】
加熱・加圧工程において、側面に溝部15を形成したランド3を樹脂フィルム2内へ押し込むと、当該凹部15表面に加熱により塑性変形した樹脂フィルム2の構成材料である熱可塑性樹脂が回り込む。従って、ランド3の側面における樹脂フィルム2との接触面積が増加するので、本実施の形態におけるプリント基板1においても、樹脂フィルム2に対するランド3の接続信頼性を向上させることができる。
【0046】
また、本実施の形態において、ランド3の側面3bに形成される凹部15が、ランド3の表面から下面3aに渡って形成される例を示した。しかしながら、ランド3の表面から下面3aの間の所定の範囲に凹部15が形成されれば良い。例えば、露光マスク8のマスク部8bの厚さを調整したり、異なるマスク部8bを有する複数の露光マスク8を用いることで、凹部15の形成される範囲を調整できる。ただし、ランド3の側面3bの面積の増加量よりも下面3a面積の減少量の方が大きくならないように注意する必要がある。
【0047】
また、本実施の形態において、ランド3の側面3bに凹部15を形成する例を示した。しかしながら、凹部15の代わりに、凸部を形成しても良いし、凹凸部を形成してもよい。いずれの場合も、本実施の形態同様、露光マスク8のマスク部8bのパターンを変えるだけで容易に形成することができ、ランド3の側面3bの面積が増加する。
【0048】
また、本実施の形態においては、単層の樹脂フィルム2から構成されるプリント基板1の例のみ示したが、プリント基板1の層数が限定されないのは言うまでもない。
【0049】
尚、第1及び第2の実施の形態におけるプリント基板1,1aのランド3は、貫通孔4或いは凹部15を有するランド3の形状に対応した露光マスク8を用意することで容易に形成することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0050】
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、種々変更して実施する事ができる。
【0051】
上述の実施の形態において、樹脂フィルムはLCPであったが、それ以外にも、PEEK樹脂65〜35%とPEI樹脂35〜65%とからなる熱可塑性樹脂フィルムであっても良いし、PEEK及びPEIを単独で用いることも可能である。更に、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチック構造を有するスチレン系樹脂等を単独で用いても良いし、或いはPEEK、PEIを含めそれぞれの内、いずれかを混合して用いても良い。要するに加熱・加圧工程において、樹脂フィルム同士の接着が可能であり、後工程であるはんだ付け等で必要な耐熱性を有する樹脂フィルムであれば好適に用いる事ができる。
【0052】
また、本実施の形態においては、樹脂フィルムとして、片面にランド或いは導体パターンの形成された片面導体パターンフィルムを用いる例を示したが、それ以外にもコア基板を用いその上下に片面導体パターンフィルムを配置したり、コア基板の代わりに両面に導体パターンが形成された熱可塑性樹脂からなる加工樹脂フィルムを用いても良い。また、積層される樹脂フィルムの中には、その表面に導体パターンを有していない樹脂フィルムを含んでも良い。
【0053】
また、本実施の形態において、ビアホール内に導電性ペースト充填する印刷法の例を示したが、それ以外にも無電解メッキ、電解メッキ、蒸着法、金属コート等を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるプリント基板を示し、(a)平面図、(b)(a)のA−A断面における断面図、(c)ランドの斜視図である。
【図2】プリント基板の製造方法を示す工程別断面図である。
【図3】プリント基板が多層からなる場合の製造方法を示す工程別断面図である。
【図4】第2の実施の形態におけるプリント基板を示し、(a)平面図、(b)(a)のB−B断面における断面図、(c)ランドの斜視図である。
【図5】従来のランドの斜視図である。
【符号の説明】
1・・・プリント基板、1a・・・プリント基板(多層)、2・・・樹脂フィルム、3・・・ランド、3a・・・(ランド)底面、3b・・・(ランド)側面、4・・・貫通孔、8・・・露光マスク、9・・・エッチングレジスト、15・・・凹部
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面上にランドを含む導体パターンを備えるプリント基板であって、
前記ランドは、前記ランド表面から前記ランド下面に達するように形成された少なくとも1つの貫通孔を備え、前記ランドは前記樹脂フィルム内に少なくとも一部が埋設され、当該ランドの貫通孔内に、前記樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が導入されていることを特徴とするプリント基板。 - 前記プリント基板は、前記導体パターンを備えた樹脂フィルムを含む複数の樹脂フィルムから構成されることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板。
- 熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面上にランドを含む導体パターンを備えるプリント基板であって、
前記ランドの側面に、少なくとも1個の凹部或いは凸部を備え、前記ランドは前記樹脂フィルム内に少なくとも一部が埋設され、当該ランドの側面に形成された凹部或いは凸部に、前記樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が密着されていることを特徴とするプリント基板。 - 前記プリント基板は、前記導体パターンを備えた樹脂フィルムを含む複数の樹脂フィルムから構成されることを特徴とする請求項3に記載のプリント基板。
- 熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面に貼付された導体箔上に、所定のパターンを有するエッチングレジストを形成するレジスト形成工程と、
前記導体箔の内、前記エッチングレジストで覆われていない部分を除去し、表面から下面にかけて貫通する貫通孔を有するランドを含む導体パターンを形成するエッチング工程と、
前記ランドを含む導体パターンを備えた樹脂フィルムを、加熱プレス機を用いて加熱しつつ加圧する加熱・加圧工程とを備えたプリント基板の製造方法であって、
前記加熱・加圧工程において、加熱された前記樹脂フィルム内に前記ランドの少なくとも一部が埋没されるとともに、前記貫通孔内に前記樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が導入されることを特徴とするプリント基板の製造方法。 - 熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面に貼付された導体箔上に、所定のパターンを有するエッチングレジストを形成するレジスト形成工程と、
前記導体箔の内、前記エッチングレジストで覆われていない部分を除去し、側面に少なくとも1個の凹部或いは凸部を有するランドを含む導体パターンを形成するエッチング工程と、
前記ランドを含む導体パターンを備えた樹脂フィルムを、加熱プレス機を用いて加熱しつつ加圧する加熱・加圧工程とを備えたプリント基板の製造方法であって、
前記加熱・加圧工程において、加熱された前記樹脂フィルム内に前記ランドの少なくとも一部が埋没されるとともに、前記凹部或いは凸部に前記樹脂フィルムの構成材料である熱可塑性樹脂が密着されることを特徴とするプリント基板の製造方法。 - 前記エッチング工程後、前記ランド及び導体パターンを底部としたビアホールを形成し、このビアホールに層間接続材料を充填する充填工程を備え、
充填後、前記加熱・加圧工程において、前記導体パターンを有する樹脂フィルムを含む複数の樹脂フィルムを積層し、この積層体を加熱プレス機を用いて加熱しつつ加圧することにより、前記樹脂フィルムを相互に接着することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のプリント基板の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008109127A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-05-08 | Nippon Steel Chem Co Ltd | フレキシブル基板の製造方法 |
JP2013211349A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Fujikura Ltd | 回路基板及び多層回路基板並びにそれらの製造方法 |
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- 2002-11-28 JP JP2002346284A patent/JP4082193B2/ja not_active Expired - Fee Related
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