JP3829660B2 - プリント基板の実装構造およびプリント基板実装構造の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板の実装構造およびプリント基板実装構造の製造方法に関し、特に、スルーホールを有するプリント基板の実装構造およびプリント基板実装構造の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、リード部品等が実装できるようにスルーホールを有するプリント基板がある。そして、少なくともプリント基板両面に形成された導体パターン層間を電気的接続するとともに、リード部品等の実装半田付け時にスルーホール内壁面の半田濡れ性をよくするために、めっき処理を行ないスルーホール内壁面に層間接続材料層である金属層を形成するプリント基板が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、スルーホール形成にめっき処理を用いるので、めっき工程を必要とするとともにめっき処理に工数がかかるため、製造コストが高価であるという問題がある。また、スルーホールにめっき処理を行なうときには、プリント基板両面の導体パターン層にもめっきが行なわれてしまうため、導体パターンが厚くなりファインパターン化の妨げになるという問題もある。
【0004】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、スルーホールを有するプリント基板であっても、製造コストを低減することが可能であるとともに、ファインパターン化が可能なプリント基板の実装構造およびプリント基板実装構造の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明のプリント基板の実装構造では、
樹脂フィルムからなる絶縁基材(23)(123)上に金属箔から成る導体パターン(22)(122)を形成したプリント基板(101)(121)であって、該プリント基板(101)(121)は前記絶縁基材(23)(123)と前記導体パターン(22)(122)とを交互に積層した多層基板として構成されており、
前記絶縁基材(23)の所定位置に形成した前記導体パターンを底とする有底孔(25)に埋め込まれた導電ペースト(50)が加熱して形成された導電部材(51)を有し、複数の積層された前記導体パターン(22)(122)層間を、前記所定位置の前記導電部材(51)を介して電気的に接続しており、
前記導電部材(51)が前記絶縁基材(23)(123)内に円周状に配置されるように前記導電部材(51)の円周状の外径より小さな径で形成され前記絶縁基材(23)(123)と前記導体パターン(22)(122)とを貫通したスルーホール(41)を有し、
該スルーホール(41)内に充填された半田(90)によってリード端子(48a)が固定されるとともに、前記リード端子(48a)と各層の前記導電パターン(22)(122)との電気的接続がなされている電気的素子(48)を有し、
前記スルーホール(41)の内壁面に円周状に配置された前記導電部材(51)と前記導体パターン(22)(122)とによって、前記スルーホール(41)内の半田濡れ性が確保されていることを特徴としている。
【0006】
これによると、絶縁基材(23)のスルーホール(41)となる位置に設けた有底孔(25)の内部に形成した導電部材(51)の略中央に、内壁面に導電部材(51)が残るようにスルーホール(41)を形成することができる。
スルーホール(41)の内壁面に、導電ペースト(50)を加熱して得られる円周状に配置された導電部材(51)を導体パターン(22)に確実に接触させ、導電部材(51)によりプリント基板(101)の導体パターン(22)層間が確実に導通するとともに、スルーホール(41)内壁面は円周状に配置された導電部材(51)と導体パターン(22)とにより半田付け時の半田濡れ性を確実に発現することができる。このように、スルーホール(41)形成にめっき処理を必要としないので、プリント基板(101)の製造コストを低減することができるとともに、ファインパターン化が可能となる。
【0007】
また、めっき処理工程が不要であるので、排水処理コスト等の環境悪化を防止するためのコストも低減することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明のプリント基板の実装構造では、前記円周状に配置された前記導電部材(51)は、前記絶縁基材(23)に設けた円周状孔(26)から成る前記有底孔(26)の内部に充填されており、前記スルーホール(41)は、前記円周状孔(26)の中央に、前記円周状孔(26)の外径より小さくかつ内径より大きな径で、前記円周状孔(26)の軸方向である前記積層方向に穴あけして形成されたものであることを特徴としている。
【0009】
これによると、円周状孔(26)の外周壁面に導電部材(51)が残るように請求項1に記載の発明と同様なスルーホール(41)を備えることができる。従って、プリント基板(101)の導体パターン(22)層間が確実に導通するとともに、スルーホール(41)内壁面は円周状に配置された導電部材(51)と導体パターン(22)とにより半田付け時の半田濡れ性を確実に発現することができる。このように、スルーホール(41)形成にめっき処理を必要としないので、プリント基板(101)の製造コストを低減することができるとともに、ファインパターン化が可能となる。
また、スルーホール(41)の内壁面となる部位付近のみに円周状孔(26)を形成するので、孔の形成工数を低減できるとともに、この孔に充填する導電ペースト(50)の量を低減することができる。従って、プリント基板の製造コストを一層低減することが可能である。
また、めっき処理工程が不要であるので、排水処理コスト等の環境悪化を防止するためのコストも低減することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明のプリント基板の実装構造では、前記円周状に配置された前記導電部材(51)は、前記絶縁基材(23)に設けた円周形状の一部を不連続としたC字状孔(27)から成る前記有底孔(27)の内部に充填されており、前記スルーホール(41)は、前記C字状孔(27)の中央に、前記C字状孔(27)の外径より小さくかつ内径より大きな径で前記C字状孔(27)の軸方向である前記積層方向に穴あけして形成されたものであることを特徴としている。
【0011】
これによると、C字状孔(27)の外周壁面に導電部材(51)が残るようにスルーホール(41)を形成することができる。従って、プリント基板(101)の導体パターン(22)層間が確実に導通するとともに、スルーホール(41)内壁面は円周状に配置された導電部材(51)と導体パターン(22)とにより半田付け時の半田濡れ性を確実に発現することができる。このように、スルーホール(41)形成にめっき処理を必要としないので、プリント基板(101)の製造コストを低減することができるとともに、ファインパターン化が可能となる。
また、スルーホール(41)の内壁面となる部位付近のみにC字状孔(27)を形成するので、孔の形成工数を低減できるとともに、この孔に充填する導電ペースト(50)の量を低減することができる。従って、プリント基板の製造コストを一層低減することが可能である。
【0012】
また、めっき処理工程が不要であるので、排水処理コスト等の環境悪化を防止するためのコストも低減することができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明のプリント基板の実装構造では、前記円周状に配置された前記導電部材(51)は、前記絶縁基材(23)に設けられ円周の線(41b)上に並んで形成された複数の孔(28a、28b、28c、28d)から成る前記有底孔(28a、28b、28c、28d)の内部に充填されており、前記スルーホール(41)は、前記円周の線(41b)上に並んで形成された複数の孔(28a、28b、28c、28d)を結ぶように該複数の孔(28a、28b、28c、28d)の外径より小さくかつ内径より大きな径で前記複数の孔(28a、28b、28c、28d)の軸方向である前記積層方向に穴あけして形成されたものであることを特徴としている。
【0014】
これによると、複数の孔(28a、28b、28c、28d)を結ぶ前記円周の線(41b)に沿った径で穴あけし、複数の孔(28a、28b、28c、28d)内の導電部材(51)が内壁面に露出するようにスルーホール(41)を形成することができる。従って、プリント基板(101)の導体パターン(22)層間が確実に導通するとともに、スルーホール(41)内壁面は円周状に配置された導電部材(51)と導体パターン(22)とにより半田付け時の半田濡れ性を確実に発現することができる。このように、スルーホール(41)形成にめっき処理を必要としないので、プリント基板(101)の製造コストを低減することができるとともに、ファインパターン化が可能となる。
【0015】
また、スルーホール(41)の内壁面となる部位付近のみに複数の孔(28a、28b、28c、28d)を形成するので、孔の形成工数を一層低減できるとともに、この孔に充填する導電ペースト(50)の量を一層低減することができる。従って、プリント基板の製造コストをより一層低減することが可能である。
【0016】
また、めっき処理工程が不要であるので、排水処理コスト等の環境悪化を防止するためのコストも低減することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明のプリント基板の実装構造では、前記複数の孔(28d)は、断面形状が前記円周の線(41b)に対し直交する方向に長い長円状に形成されていることを特徴としている。
【0018】
これによると、スルーホール(41)を穴あけするときに穴あけ位置に若干のずれが発生したとしても、確実に導電部材(51)をスルーホール(41)の内壁面に露出することができる。
【0021】
また、請求項6に記載の発明のプリント基板の実装構造では、前記導電部材(51)は金属成分を98重量%以上含有することを特徴としている。
【0022】
これによると、スルーホール(41)内壁面の導電部材(51)は金属の露出比率が大きいので、一層確実な半田濡れ性を得ることができる。
【0025】
また、請求項7に記載の発明のプリント基板実装構造の製造方法では、
樹脂フィルムからなる絶縁基材(23)(123)上に金属箔から成る導体パターン(22)(122)を形成した片面に導体を有するパターンフィルム(21、31)を形成する工程と、
前記絶縁基材(23)(123)の所定位置に形成した前記導体パターン(22)(122)を底面とする有底孔(25)の内部に導電部材(51)となる導電ペースト(50)を充填する充填工程と、
前記絶縁基材(23)(123)と前記導体パターン(22)(122)とが交互になるように前記パターンフィルム(21、31)を積層したのち加熱加圧して複数の前記導体パターン(22)(122)の層間を前記導電ペーストが加熱加圧されて形成された導電部材(51)を介して電気的に接続した多層基板を構成する層間接続工程と、
前記導電部材(51)が前記有底孔(25)の内壁面に円周状に配置されるように前記導電部材(51)の円周状の径より所定量小さな径でスルーホール(41)を設け、前記スルーホール(41)の内壁面を前記導電部材(51)と該導電部材(51)に接触した前記導体パターン(22)(122)とによって形成する穴あけ工程と、
前記スルーホール(41)内に半田(90)を充填することによってリード端子(48a)を固定するとともに、当該リード端子(48a)と前記導電パターン(22)(122)との電気的接続を確保して、前記リード端子(48a)を有する素子(48)を実装する実装工程とを備え、
前記スルーホール(41)の内壁面を円周状に配置された前記導電部材(51)と前記導体パターン(22)(122)とによって形成することにより、当該スルーホール(41)内の半田濡れ性を確保するとともに、
前記導体パターン(22)(122)と接触した前記導電部材(51)を介して前記多層基板の前記複数の導体パターン(22)(122)の層間を電気的に接続したことを特徴としている。
【0026】
これによると、請求項1に記載の発明の実装構造を製造することができる。したがって、スルーホール(41)の内壁面に、導電ペースト(50)を加熱して得られる円周状に配置された導電部材(51)を導体パターン(22)に前記所定量分確実に接触させ、導電部材(51)によりプリント基板(101)の導体パターン(22)層間が確実に導通するとともに、スルーホール(41)内壁面は円周状に配置された導電部材(51)と導体パターン(22)とにより半田付け時の半田濡れ性を確実に発現することができる。
【0027】
また、請求項8に記載の発明のプリント基板実装構造の製造方法では、
前記充填工程では、前記絶縁基材(23)に設けた円周状孔(26)から成る前記有底孔(26)の内部に前記導電ペースト(50)を充填し、
前記穴あけ工程では、前記円周状孔(26)の中央に、前記円周状孔(26)の外径より小さくかつ内径より大きな径で、前記円周状孔(26)の軸方向である前記積層方向に前記スルーホール(41)を穴あけして、
前記円周状に配置された前記導電部材(51)を形成することを特徴としている。
【0028】
これによると、請求項2に記載の発明の実装構造を製造することができる。すなわち、円周状孔(26)の外周壁面に導電部材(51)が残るようにスルーホール(41)を形成することができる。従って、プリント基板(101)の導体パターン(22)層間が確実に導通するとともに、スルーホール(41)内壁面は円周状に配置された導電部材(51)と導体パターン(22)とにより半田付け時の半田濡れ性を確実に発現することができる。
【0029】
また、請求項9に記載の発明のプリント基板実装構造の製造方法では、
前記充填工程では、前記絶縁基材(23)に設けた円周形状の一部を不連続としたC字状孔(27)から成る前記有底孔(27)の内部に前記導電ペースト(50)を充填し、
前記穴あけ工程では、前記C字状孔(27)の中央に、前記C字状孔(27)の外径より小さくかつ内径より大きな径で前記C字状孔(27)の軸方向である前記積層方向に前記スルーホール(41)を穴あけして、
前記円周状に配置された前記導電部材(51)を形成することを特徴としている。
【0030】
これによると、請求項3に記載の発明の実装構造を製造することができる。すなわち、C字状孔(27)の外周壁面に導電部材(51)が残るようにスルーホール(41)を形成することができる。従って、プリント基板(101)の導体パターン(22)層間が確実に導通するとともに、スルーホール(41)内壁面は円周状に配置された導電部材(51)と導体パターン(22)とにより半田付け時の半田濡れ性を確実に発現することができる。
【0031】
また、請求項10に記載の発明のプリント基板実装構造の製造方法では、
前記充填工程では、前記絶縁基材(23)に設けられ円周の線(41b)上に並んで形成された複数の孔(28a、28b、28c、28d)から成る前記有底孔(28a、28b、28c、28d)の内部に前記導電ペースト(50)を充填し、
前記穴あけ工程では、前記円周の線(41b)上に並んで形成された複数の孔(28a、28b、28c、28d)を結ぶように該複数の孔(28a、28b、28c、28d)の外径より小さくかつ内径より大きな径で前記複数の孔(28a、28b、28c、28d)の軸方向である前記積層方向に前記スルーホール(41)を穴あけして
前記円周状に配置された前記導電部材(51)を形成することを特徴としている。
これによると、請求項4に記載の発明の実装構造を製造することができる。すなわち、複数の孔(28a、28b、28c、28d)内の導電部材(51)が内壁面に露出するようにスルーホール(41)を形成することができる。従って、プリント基板(101)の導体パターン(22)層間が確実に導通するとともに、スルーホール(41)内壁面は円周状に配置された導電部材(51)と導体パターン(22)とにより半田付け時の半田濡れ性を確実に発現することができる。
【0032】
また、請求項11に記載の発明のプリント基板実装構造の製造方法では、前記複数の孔(28d)は、断面形状が前記円周の線(41b)に対し直交する方向に長い長円状に形成することを特徴としている。
【0033】
これによると、請求項5に記載の発明の実装構造を製造することができる。すなわち、穴あけ工程でスルーホール(41)を穴あけするときに穴あけ位置に若干のずれが発生したとしても、確実に導電部材(51)をスルーホール(41)の内壁面に露出することができる。
【0034】
また、請求項12に記載の発明のプリント基板実装構造の製造方法では、前記導電部材(51)は金属成分を98重量%以上含有することを特徴としている。
【0035】
これによると、請求項6に記載の発明の実装構造を製造することができる。すなわち、スルーホール(41)内壁面の導電部材(51)は金属の露出比率が大きいので、一層確実な半田濡れ性を得ることができる。
【0042】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0044】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態におけるプリント基板の製造工程を示す工程別断面図である。
【0045】
図1(a)において、21は絶縁基材である樹脂フィルム23の片面に貼着された導体箔(本例では厚さ18μmの銅箔)をエッチングによりパターン形成した導体パターン22を有する片面導体パターンフィルムである。本例では、樹脂フィルム23としてポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる厚さ25〜75μmの樹脂フィルムを用いている。また、導体箔としては、銅箔以外にアルミニウム箔等他の金属箔を用いることもできる。
【0046】
図1(a)に示すように、導体パターン22の形成が完了すると、次に、図1(b)に示すように、樹脂フィルム23側から炭酸ガスレーザを照射して、導体パターン22を底面とする有底ビアホールであるビアホール24を形成するとともに、後述する後工程においてスルーホールが形成される位置に導体パターン22を底面とする有底孔である孔25を形成する。ビアホール24および孔25の形成は、炭酸ガスレーザの出力と照射時間等を調整することで、導体パターン22に穴を開けないようにしている。
【0047】
ビアホール24および孔25の形成には、炭酸ガスレーザ以外にエキシマレーザ等が使用可能である。レーザ以外のドリル加工等のビアホールおよび孔形成方法も可能であるが、レーザビームで穴あけ加工すると、微細な径で穴あけでき、導体パターン22にダメージを与えることが少ないため好ましい。
【0048】
図1(b)に示すように、ビアホール24および孔25の形成が完了すると、次に、図1(c)に示すように、ビアホール24内および孔25内に層間接続材料である導電ペースト50を充填する。導電ペースト50は、銀合金の金属粒子とバインダ樹脂であるアクリル樹脂とを99:1で混合した混合物500gに、有機溶剤であるテルピネオール100gを加え、これを混練しペースト化したものである。
【0049】
金属粒子としては、銀合金以外に、銅、銀、スズ等の金属粒子やこれらの混合物を用いることができる。バインダ樹脂として、本例ではアクリル樹脂を用いたが、アクリル樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いることもできるし、熱硬化性樹脂も使用可能である。有機溶剤としては、テルピネオール以外を用いることも可能である。
【0050】
導電ペースト50は、メタルマスクを用いたスクリーン印刷機により、片面導体パターンフィルム21の導体パターン22側を下側としてビアホール24内および孔25内に印刷充填される。これはビアホール24内および孔25内に充填された導体ペースト50が落下しないようにするためである。導電ペースト50が落下しないものであれば片面導体パターンフィルム21を導体パターン22側が下側以外の向きにしてもよい。また、ビアホール24内および孔25内への導電ペースト50の充填は、本例ではスクリーン印刷機を用いたが、確実に充填ができるのであれば、ディスペンサ等を用いる他の方法も可能である。
【0051】
なお、ビアホール24および孔25はいずれも有底構造であるので、導電ペースト50を確実に充填することが容易である。
【0052】
ビアホール24内および孔25内への導電ペースト50の充填が完了すると、図1(d)に示すように、片面導体パターンフィルム21を導体パターン22が設けられた側を下側として複数枚(本例では3枚)積層するとともに、これらの上方側に片面導体パターンフィルム31を導体パターン22が設けられた側を下側として積層する。
【0053】
ここで、片面導体パターンフィルム31には、図1(b)に示すビアホール24および孔25の形成工程と同様の方法で、電極32を露出するように開口33が穴あけ加工されるとともに、後述する後工程においてスルーホールが形成される位置に導体パターン22を底面とする孔25が形成されている。
【0054】
また、積層された複数層の片面導体パターンフィルム21の下方側には、最下層の導体パターン22を覆うようにレジスト膜であるカバーレイヤー36を積層する。このカバーレイヤー36にも、最下層の導体パターン22の電極となるべき位置に対応して、電極37を露出するように開口38が穴あけ加工されるとともに、後述する後工程においてスルーホールが形成される位置に開口39が穴あけ加工されている。本例では、カバーレイヤー36には、樹脂フィルム23と同じ材料であるポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムを用いている。
【0055】
図1(d)に示すように片面導体パターンフィルム31、片面導体パターンフィルム21およびカバーレイヤー36を積層したら、これらの上下両面から真空加熱プレス機により加熱しながら加圧する。本例では、200〜350℃の温度に加熱し0.1〜10MPaの圧力で加圧した。
【0056】
これにより、図1(e)に示すように、各片面導体パターンフィルム21、31およびカバーレイヤー36相互が接着される。樹脂フィルム23およびカバーレイヤー36が熱融着して一体化するとともに、ビアホール24内の導電ペースト50および孔25内の導電ペースト50を加熱して得られる導電部材51により隣接する導体パターン22の層間接続が行なわれる。
【0057】
導電部材51は、導電ペースト50を加熱して得られるものであるので、有機溶剤であるテルピネオールは蒸散しており、銀合金からなる金属成分を約99重量%、アクリル樹脂からなる樹脂成分を約1重量%を含有している。
【0058】
これにより、両面に電極32、37を備えるとともに、スルーホールが形成される位置に導体パターン22と導電部材51の積層構造が形成されたプリント基板100が得られる。樹脂フィルム23とカバーレイヤー36とは同じ熱可塑性樹脂材料によって形成されているので、加熱により軟化し加圧されることで確実に一体化することができる。
【0059】
プリント基板100が得られたら、図1(f)に示すように、孔25の中央に、孔25の径より小さい径の貫通穴41aをドリル加工により穴あけしスルーホール41を形成する。本例では、孔25の直径は950μmであり、貫通穴41aの直径は800μmとした。従って、スルーホール41の内壁面には厚さ75μmの導電部材51からなる層間接続材料層が形成される。
【0060】
なお、貫通穴41aの穴あけ位置は、スルーホール41の内壁面の全周に導電部材51からなる層間接続材料層が形成できるのであれば、孔25の略中央でかまわない。
【0061】
このようにして、スルーホール41を有する4層のプリント基板101が得られる。なお、貫通穴41aの穴あけにはドリル加工を用いたが、パンチング加工やレーザ加工等の他の加工法を用いてもよい。
【0062】
その後、図1(g)に示すように、プリント基板101の両面に形成された電極32および37上に、チップサイズパッケージのような表面実装部品47をマウントして半田付けするとともに、スルーホール41内にリード端子を有する素子であるリード部品48のリード端子であるリードピン48aを挿入して半田90にて半田付けを行ない、部品実装を行なう。
【0063】
なお、上述の製造工程において、図1(a)に示す工程が本実施形態における導体パターン形成工程であり、図1(d)、(e)に示す工程が本実施形態における層間接続工程であり、図1(f)に示す工程が本実施形態における穴あけ工程である。
【0064】
上述の構成および製造方法によれば、スルーホール41の内壁面の導電ペースト50を加熱して得られる導電部材51からなる層間接続材料層により、導体パターン22層間が導通するとともに、スルーホール41内壁面は導電部材51と導体パターン22とにより覆われるため、リードピン48a半田付け時の半田90に対する半田濡れ性を発現することができる。また、スルーホール41内壁面の導電部材51は金属の露出比率が大きいので、確実な半田濡れ性を得ることができる。
【0065】
なお、本実施形態では、導電部材51の金属成分は約99重量%であり樹脂成分は約1重量%あったが、導電部材51は金属成分を98重量%以上含有していることが好ましい。
【0066】
図2は、本発明者らが行なった半田濡れ性評価の結果であり、金属成分の含有比率を変化させた導電部材の表面に、直径1mmの半田ボールを配置するとともに半田溶融温度以上に加熱したときの、半田濡れ性の指標である半田広がり率を示すグラフである。半田広がり率は、半田が広がらず直径1mmのままである場合を0%、直径1.5mmに広がった場合を50%、直径2mmに広がった場合を100%とした。
【0067】
導電部材の金属成分が98%以上であれば、半田濡れ性が良好であるときの半田広がり率50%以上を確保することができることがわかる。
【0068】
以上のように、スルーホール41形成にめっき処理を必要としないので、プリント基板の製造コストを低減することができるとともに、ファインパターン化が可能となる。また、めっき処理工程が不要であるので、排水処理コスト等の環境悪化を防止するためのコストも低減することができる。
【0069】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図に基づいて説明する。
【0070】
図3は、本実施形態におけるプリント基板の概略の製造工程を示す工程別断面図である。
【0071】
図3(a)において、121は銅箔122に絶縁基材である絶縁層123をコーティングした樹脂付銅箔材であり、絶縁層123側から炭酸ガスレーザを照射して有底ビアホールであるビアホール24を形成するとともに、後述する後工程においてスルーホールが形成される位置に有底孔である孔25を形成したものである。ビアホール24および孔25の形成には、炭酸ガスレーザ以外にエキシマレーザ等が使用可能である。レーザ以外のドリル加工等のビアホールおよび孔形成方法も可能であるが、レーザビームで穴あけ加工すると、微細な径で穴あけできるため好ましい。
【0072】
ビアホール24および孔25の形成は、炭酸ガスレーザの出力と照射時間等を調整することで、銅箔122に穴を開けないようにしている。また本例では、厚さ9μmの銅箔にBステージ状態のエポキシ樹脂層をコーティングした樹脂付銅箔材を用いている。ここで、樹脂付銅箔材を用いることは、樹脂のみのプリプレグ等に穴あけしてから後述する導電ペースト充填を行ない、その後プリプレグ等の両面に銅箔を配置して一体化する場合より、すでに片面に銅箔が一体化しているため、ペースト充填を容易に行なうことができる。
【0073】
図3(a)に示すように、ビアホール24および孔25の形成が完了すると、次に、図3(b)に示すように、ビアホール24内および孔25内に層間接続材料である導電ペースト50を充填する。導電ペースト50は、第1の実施形態と同様のペーストを用いた。
【0074】
導電ペースト50は、メタルマスクを用いたスクリーン印刷機により、ビアホール24内および孔25内に印刷充填される。ビアホール24内および孔25内への導電ペースト50の充填は、本例ではスクリーン印刷機を用いたが、確実に充填ができるのであれば、他の方法を用いることも可能である。
【0075】
なお、ビアホール24および孔25はいずれも有底構造であるので、導電ペースト50を確実に充填することが容易である。
【0076】
ビアホール24内および孔25内への導電ペースト50の充填が完了すると、図3(c)に示すように、樹脂付銅箔材121の銅箔122が設けられた側と反対側(図3(c)中上方側)に銅箔125を配置し、樹脂付銅箔材121と銅箔125とを真空加熱プレス機によりプレスする。これにより、絶縁層123の硬化の進行に伴い銅箔125は樹脂付銅箔材121の絶縁層123に密着するとともに、ビアホール24内および孔25内の導電ペースト50を加熱して得られる導電部材51により、銅箔122と銅箔125とが層間接続される。
【0077】
銅箔122と銅箔125の層間接続が完了すると、次に、銅箔122、125のパターンエッチングを行ない、図3(d)に示すように、絶縁層123の両面に導体パターン122a、125aを形成する。そして次に、図3(e)に示すように、導体パターン122a、125a形成面に、図3(a)、(b)に示す工程と同様の方法で、ビアホール24および孔25を形成し、このビアホール24内および孔25内に導電ペースト50を充填した樹脂付銅箔材131を絶縁基材である絶縁層133が内側になるように配置し、真空加熱プレスして一体化する。本例では、ここでも厚さ9μmの銅箔にエポキシ樹脂層をコーティングした樹脂付銅箔材を用い、200℃で加熱している。
【0078】
これにより、絶縁層133の硬化の進行に伴い、絶縁層133は絶縁層123導体パターン122a、125aに密着するとともに、ビアホール24内および孔25内のペースト50を加熱して得られる導電部材51により、銅箔132と導体パターン122a、125aとが層間接続される。
【0079】
樹脂付銅箔材131のプレス接合が完了し、導体パターン122a、125aと複数の銅箔132との層間接続が完了すると、次に、銅箔132のパターンエッチングを行ない、図3(f)に示すように、絶縁層133の外側両面に導体パターン132aを形成し、4層のプリント基板200が得られる。
【0080】
その後、図3(g)に示すように、孔25の中央に、孔25の径より小さい径の貫通穴41aをドリル加工により穴あけしスルーホール41を形成するとともに、プリント基板200の最外層にある導体パターン132aの外側両面の部品実装時はんだ付けを必要としない部分に、ソルダーレジスト層145をパターン形成する。本例では、孔25の直径は950μmであり、貫通穴41aの直径は800μmとした。従って、スルーホール41の内壁面には厚さ75μmの導電部材51からなる層間接続材料層が形成される。
【0081】
なお、貫通穴41aの穴あけ位置は、スルーホール41の内壁面の全周に導電部材51からなる層間接続材料層が形成できるのであれば、孔25の略中央でかまわない。
【0082】
このようにして、スルーホール41を有する4層のプリント基板201が得られる。なお、貫通穴41aの穴あけにはドリル加工を用いたが、パンチング加工やレーザ加工等の他の加工法を用いてもよい。
【0083】
プリント基板201には、第1の実施形態と同様に、図1(g)に示すように、チップサイズパッケージのような表面実装部品47を半田付けするとともに、リード端子であるリードピン48aを有する素子であるリード部品48を半田90にて半田付けして、部品実装を行なうことができる。
【0084】
なお、上述の製造工程において、図3(a)に示す工程が本実施形態における導体パターン形成工程であり、図3(c)、(e)に示す工程が本実施形態における層間接続工程であり、図3(g)に示す工程の貫通穴41a穴あけ工程が本実施形態における穴あけ工程である。
【0085】
上述の構成および製造方法によれば、第1の実施形態と同様に、スルーホール41の内壁面の導電ペースト50を加熱して得られる導電部材51からなる層間接続材料層により、導体パターン22層間が導通するとともに、スルーホール41内壁面は導電部材51と導体パターン22とにより覆われるため、半田付け時の半田濡れ性を発現することができる。また、スルーホール41内壁面の導電部材51は金属の露出比率が大きいので、確実な半田濡れ性を得ることができる。
【0086】
このように、スルーホール41形成にめっき処理を必要としないので、プリント基板の製造コストを低減することができるとともに、ファインパターン化が可能となる。また、めっき処理工程が不要であるので、排水処理コスト等の環境悪化を防止するためのコストも低減することができる。
【0087】
(他の実施形態)
上記各実施形態において、絶縁基材のスルーホールとなる位置に孔25を設け、この孔25内に導電ペースト50を充填(例えば、第1の実施形態では、図1(b)に示すように孔25を形成し、図1(c)に示すように導電ペースト50を充填)した後層間接続を行ない、その後この孔25の径より小さい径の貫通穴41aを穴あけすることでスルーホール41を形成したが、これに限定されるものではない。貫通穴41aの穴あけにより形成したスルーホール41の内壁面に導電ペースト50により形成された導電部材51が露出するものであれば採用することができる。
【0088】
例えば、図4(b)および図5に示すように、絶縁基材である樹脂フィルム23のスルーホールとなる位置に円周状孔26を設け、図4(c)に示すようにこの円周状孔26内に導電ペースト50を充填した後、層間接続を行ない、その後この円周状孔26の中央に、円周状孔26の外径より小さくかつ内径より大きな径の貫通穴41aを、円周状孔26の軸方向に穴あけすることでスルーホール41を形成するものであってもよい。
【0089】
なお、図5は、孔形成後の片面導体パターンフィルム21において、スルーホール41となる部位の平面図であり、一点鎖線で示す符号41bは、穴あけ工程において形成される貫通穴41aの位置を示すものである。これは、後述する図6〜図10においても同様である。
【0090】
これによれば、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、孔の形成工数を低減することが可能であるとともに、充填する導電ペースト50の量を低減できるのでコスト低減効果もある。さらに、充填する導電ペースト50の量が少なくできるので、層間接続時に、導電ペースト50の収縮に伴い接続信頼性が低下することも防止できる。
【0091】
また、例えば、図6に示すように、絶縁基材である樹脂フィルム23のスルーホールとなる位置に、円周形状の一部を不連続としたC字状孔27を設け、導電ペースト充填および層間接続後、一点鎖線41bの位置に貫通穴41aを穴あけするものであってもよい。
【0092】
また、例えば、図7〜図10に示すように、絶縁基材である樹脂フィルム23のスルーホールの外径となる円周の線上(すなわち、一点鎖線41b上)に、複数の孔28a、28b、28c、28dのいずれかを設け、導電ペースト充填および層間接続後、一点鎖線41bの位置に貫通穴41aを穴あけするものであってもよい。
【0093】
これらの図6〜図10に示した例によれば、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。また、孔の形成面積に応じて、孔の形成工数を低減することが可能であるとともに、充填する導電ペースト50の量を低減できるので一層のコスト低減効果もある。さらに、充填する導電ペースト50の量が少なくできるので、層間接続時に、導電ペースト50の収縮に伴い接続信頼性が低下することも防止できる。
【0094】
また、樹脂フィルム23の孔27、28a、28b、28c、28dを設けた位置の内側の部位と外側の部位とが連結しているので、図5に示す孔26よりも、導電ペースト充填時等に孔の形状が変形し難い。
【0095】
さらに、例えば、樹脂フィルム23に保護フィルムを貼着し、樹脂フィルムと保護フィルムとに孔あけして孔を形成した後、孔内に導電ペースト50を充填し、しかる後に保護フィルムを剥離する製造方法を採用した場合には、前述の樹脂フィルム23の孔を設けた位置の内側と外側とが連結している部位において、保護フィルムも連結しているので、保護フィルムの剥離が容易であるという利点がある。
【0096】
なお、図7から図10に示すように、複数の孔を略等間隔に形成すれば、貫通穴41aを穴あけしたときに、スルーホール41内壁面の半田濡れ性の良好な部位をほぼ均一に分布させることができる。
【0097】
また、図10に示すように、孔28dが、一点鎖線41b(すなわちスルーホール41の外径となる円周の線)に対し直交する略長円状の孔である場合には、穴あけ工程において、貫通穴41aの穴あけ位置に若干のずれが発生したとしても、確実に導電部材51をスルーホール41の内壁面に露出することができる。
【0098】
また、上記各実施形態において、銅箔をエッチング処理することにより導体パターンを形成するものであったが、導電ペーストをパターン印刷することにより導体パターンを形成するものであってもよい。また、導電ペーストをパターン印刷することにより導体パターンを形成する場合には、ビアホール内や孔内への導電ペースト充填を同時に行なうものであってもよい。
【0099】
また、上記第1の実施形態において、樹脂フィルム23およびカバーレイヤー36としてポリエーテルエーテルケトン樹脂65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂35〜65重量%とからなる樹脂フィルムを用いたが、これに限らず、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂に非導電性フィラを充填したフィルムであってもよいし、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリエーテルイミド(PEI)を単独で使用することも可能である。
【0100】
さらに樹脂フィルムやカバーレイヤーとして、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)や熱可塑性ポリイミド、または所謂液晶ポリマー等を用いてもよい。あるいは、ポリイミドフィルムにPEEK、PEI、PEN、PET、PES、熱可塑性ポリイミド、液晶ポリマーの少なくともいずれかの熱可塑性樹脂からなる層を積層した構造のものを使用してもよい。加熱プレスにより接着が可能であり、後工程である半田付け工程等で必要な耐熱性を有する樹脂フィルムであれば好適に用いることができる。
【0101】
なお、ポリイミドフィルムに熱可塑性樹脂層を積層したものを用いた場合には、ポリイミドの熱膨張係数が15〜20ppm程度で、配線として利用されることが多い銅の熱膨張係数(17〜20ppm)と近いため、剥がれや基板の反り等の発生を防止することができる。
【0102】
また、上記各実施形態において、多層基板101、201は4層基板であったが、2層以上の導体パターン層を有するものであれば、層数が限定されるものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施形態の多層基板の概略の製造工程を示す工程別断面図である。
【図2】導電部材51の金属成分比率と半田濡れ性の指標である半田広がり率との関係を示すグラフである。
【図3】本発明における第2の実施形態の多層基板の概略の製造工程を示す工程別断面図である。
【図4】本発明における他の実施形態の多層基板の概略の製造工程の一部を示す工程別断面図である。
【図5】本発明における他の実施形態の片面導体パターンフィルムの要部を示す平面図である。
【図6】本発明における他の実施形態の片面導体パターンフィルムの要部を示す平面図である。
【図7】本発明における他の実施形態の片面導体パターンフィルムの要部を示す平面図である。
【図8】本発明における他の実施形態の片面導体パターンフィルムの要部を示す平面図である。
【図9】本発明における他の実施形態の片面導体パターンフィルムの要部を示す平面図である。
【図10】本発明における他の実施形態の片面導体パターンフィルムの要部を示す平面図である。
【符号の説明】
21、31 片面導体パターンフィルム
22、122a、125a、132a 導体パターン
23 樹脂フィルム(絶縁基材)
24 ビアホール(有底ビアホール)
25 孔(有底孔)
26 円周状孔(有底孔)
27 C字状孔(有底孔)
28a、28b、28c、28d 孔(有底孔)
41 スルーホール
41a 貫通穴
48 リード部品(素子)
48a リードピン(リード端子)
50 導電ペースト(層間接続材料)
51 導電部材
90 半田
101、201 多層基板
121、131 樹脂付銅箔材
123 絶縁層(絶縁基材)
Claims (12)
- 樹脂フィルムからなる絶縁基材(23)(123)上に金属箔から成る導体パターン(22)(122)を形成したプリント基板(101)(121)であって、該プリント基板(101)(121)は前記絶縁基材(23)(123)と前記導体パターン(22)(122)とを交互に積層した多層基板として構成されており、
前記絶縁基材(23)の所定位置に形成した前記導体パターンを底とする有底孔(25)に埋め込まれた導電ペースト(50)が加熱して形成された導電部材(51)を有し、複数の積層された前記導体パターン(22)(122)層間を、前記所定位置の前記導電部材(51)を介して電気的に接続しており、
前記導電部材(51)が前記絶縁基材(23)(123)内に円周状に配置されるように前記導電部材(51)の円周状の外径より小さな径で形成され前記絶縁基材(23)(123)と前記導体パターン(22)(122)とを貫通したスルーホール(41)を有し、
該スルーホール(41)内に充填された半田(90)によってリード端子(48a)が固定されるとともに、前記リード端子(48a)と各層の前記導電パターン(22)(122)との電気的接続がなされている電気的素子(48)を有し、
前記スルーホール(41)の内壁面に円周状に配置された前記導電部材(51)と前記導体パターン(22)(122)とによって、前記スルーホール(41)内の半田濡れ性が確保されていることを特徴とするプリント基板の実装構造。 - 前記円周状に配置された前記導電部材(51)は、前記絶縁基材(23)に設けた円周状孔(26)から成る前記有底孔(26)の内部に充填されており、前記スルーホール(41)は、前記円周状孔(26)の中央に、前記円周状孔(26)の外径より小さくかつ内径より大きな径で、前記円周状孔(26)の軸方向である前記積層方向に穴あけして形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の実装構造。
- 前記円周状に配置された前記導電部材(51)は、前記絶縁基材(23)に設けた円周形状の一部を不連続としたC字状孔(27)から成る前記有底孔(27)の内部に充填されており、前記スルーホール(41)は、前記C字状孔(27)の中央に、前記C字状孔(27)の外径より小さくかつ内径より大きな径で前記C字状孔(27)の軸方向である前記積層方向に穴あけして形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の実装構造。
- 前記円周状に配置された前記導電部材(51)は、前記絶縁基材(23)に設けられ円周の線(41b)上に並んで形成された複数の孔(28a、28b、28c、28d)から成る前記有底孔(28a、28b、28c、28d)の内部に充填されており、前記スルーホール(41)は、前記円周の線(41b)上に並んで形成された複数の孔(28a、28b、28c、28d)を結ぶように該複数の孔(28a、28b、28c、28d)の外径より小さくかつ内径より大きな径で前記複数の孔(28a、28b、28c、28d)の軸方向である前記積層方向に穴あけして形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板の実装構造。
- 前記複数の孔(28d)は、断面形状が前記円周の線(41b)に対し直交する方向に長い長円状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のプリント基板の実装構造。
- 前記導電部材(51)は金属成分を98重量%以上含有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のプリント基板の実装構造。
- 樹脂フィルムからなる絶縁基材(23)(123)上に金属箔から成る導体パターン(22)(122)を形成した片面に導体を有するパターンフィルム(21、31)を形成する工程と、
前記絶縁基材(23)(123)の所定位置に形成した前記導体パターン(22)(122)を底面とする有底孔(25)の内部に導電部材(51)となる導電ペースト(50)を充填する充填工程と、
前記絶縁基材(23)(123)と前記導体パターン(22)(122)とが交互になるように前記パターンフィルム(21、31)を積層したのち加熱加圧して複数の前記導体パターン(22)(122)の層間を前記導電ペーストが加熱加圧されて形成された導電部材(51)を介して電気的に接続した多層基板を構成する層間接続工程と、
前記導電部材(51)が前記有底孔(25)の内壁面に円周状に配置されるように前記導電部材(51)の円周状の径より所定量小さな径でスルーホール(41)を設け、前記スルーホール(41)の内壁面を前記導電部材(51)と該導電部材(51)に接触した前記導体パターン(22)(122)とによって形成する穴あけ工程と、
前記スルーホール(41)内に半田(90)を充填することによってリード端子(48a)を固定するとともに、当該リード端子(48a)と前記導電パターン(22)(122)との電気的接続を確保して、前記リード端子(48a)を有する素子(48)を実装する実装工程とを備え、
前記スルーホール(41)の内壁面を円周状に配置された前記導電部材(51)と前記導体パターン(22)(122)とによって形成することにより、当該スルーホール(41)内の半田濡れ性を確保するとともに、
前記導体パターン(22)(122)と接触した前記導電部材(51)を介して前記多層基板の前記複数の導体パターン(22)(122)の層間を電気的に接続したことを特徴とするプリント基板実装構造の製造方法。 - 前記充填工程では、前記絶縁基材(23)に設けた円周状孔(26)から成る前記有底孔(26)の内部に前記導電ペースト(50)を充填し、
前記穴あけ工程では、前記円周状孔(26)の中央に、前記円周状孔(26)の外径より小さくかつ内径より大きな径で、前記円周状孔(26)の軸方向である前記積層方向に前記スルーホール(41)を穴あけして、
前記円周状に配置された前記導電部材(51)を形成することを特徴とする請求項7に記載のプリント基板実装構造の製造方法。 - 前記充填工程では、前記絶縁基材(23)に設けた円周形状の一部を不連続としたC字状孔(27)から成る前記有底孔(27)の内部に前記導電ペースト(50)を充填し、
前記穴あけ工程では、前記C字状孔(27)の中央に、前記C字状孔(27)の外径より小さくかつ内径より大きな径で前記C字状孔(27)の軸方向である前記積層方向に前記スルーホール(41)を穴あけして、
前記円周状に配置された前記導電部材(51)を形成することを特徴とする請求項7に記載のプリント基板実装構造の製造方法。 - 前記充填工程では、前記絶縁基材(23)に設けられ円周の線(41b)上に並んで形成された複数の孔(28a、28b、28c、28d)から成る前記有底孔(28a、28b、28c、28d)の内部に前記導電ペースト(50)を充填し、
前記穴あけ工程では、前記円周の線(41b)上に並んで形成された複数の孔(28a、28b、28c、28d)を結ぶように該複数の孔(28a、28b、28c、28d)の外径より小さくかつ内径より大きな径で前記複数の孔(28a、28b、28c、28d)の軸方向である前記積層方向に前記スルーホール(41)を穴あけして
前記円周状に配置された前記導電部材(51)を形成することを特徴とする請求項7に記載のプリント基板実装構造の製造方法。 - 前記複数の孔(28d)は、断面形状が前記円周の線(41b)に対し直交する方向に長い長円状に形成することを特徴とする請求項10に記載のプリント基板実装構造の製造方法。
- 前記導電部材(51)は金属成分を98重量%以上含有することを特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれか1つに記載のプリント基板実装構造の製造方法。
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