JP2004179083A - 真空端子 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空容器との溶接性が良く非磁性であり、またロウ付け強度および気密性の高い真空端子を提供すること。
【解決手段】真空端子は、筒状の金属スリーブ2と、鍔部1aが金属スリーブ2の内周面にロウ付けされたセラミックスから成る絶縁体1と、絶縁体1の貫通孔1bに両端を突出させて挿入固定されたリードピン3と、底面の中央部の貫通穴にリードピン3が挿通されるとともに一端面が絶縁体1の他端面にロウ付けされた金属部材8とを具備し、金属スリーブ2および金属部材8はステンレススチールまたは耐食耐熱超合金(JIS G 4901)から成り、リードピン3はステンレススチール、耐食耐熱超合金または無酸素銅から成り、金属スリーブ2と絶縁体1とのロウ付け部で金属スリーブ2の厚みが残部よりも薄くされており、金属部材8の肉厚が金属スリーブ2のロウ付け部の厚みと略同じとされている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子顕微鏡等の真空容器を備えた理化学機器において真空容器内外の装置間で電気信号を伝達するのに用いられる真空端子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子顕微鏡等の真空容器を備えた理化学機器では、真空容器内外の装置間で電気信号を伝達するのに真空端子が用いられている。この真空端子は、通常、酸化アルミニウム質焼結体からなり、一端が真空容器に固定され、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等から成る金属スリーブと、一端に鍔部が形成されるとともに中心軸に沿って貫通孔が形成され、鍔部がロウ付けされた絶縁体と、その絶縁体の貫通孔に両端を突出させて挿入固定されたFe−Ni−Co合金から成るリードピンとを具備している。そして、真空容器に金属スリーブの一端を固定し、真空容器内外の装置とリードピンの両端とをそれぞれ電気的に接続することによって、両装置間で電気信号の伝達が可能となる。
【0003】
なお、金属スリーブおよびリードピンと絶縁体との接着は、絶縁体の鍔部の外周面、貫通孔の内面およびその開口周囲付近に、モリブデン−マンガン等から成るメタライズ金属層とニッケルメッキ層の2層構造を有する金属層をそれぞれ被着しておき、それらの金属層と金属スリーブおよびリードピンとを銀ロウ(銀−銅合金から成るロウ材)等のロウ材でロウ付けすることによって行われる。
【0004】
また、加速器等の理化学機器においては、マグネットにより強力な磁場が発生する真空装置があり、非磁性の真空端子が必要となる場合があった。そこで、非磁性の真空端子として、金属スリーブが非磁性のチタンから成り、真空容器に固定される一端側にステンレススチールが拡散接合されているもの提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−223902号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の真空端子においては、チタンおよび拡散接合材を用いるため金属スリーブの製造コストが非常に高くなるとともに、チタン製の金属スリーブと絶縁体とのロウ付けは、厳密な条件管理を行わないとチタンと銀ロウとの間に金属間化合物が生成し、これによって接合強度が極端に小さくなる。その結果、真空端子として必要な強度や気密性が得られず、強度不良および気密不良が発生しやすいという問題点があった。
【0007】
従って、本発明は上記従来技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、ステンレススチール製等の真空容器との溶接性が良く非磁性であり、またロウ付け強度および気密性の高い真空端子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空端子は、筒状の金属スリーブと、中心軸に沿って貫通孔が形成されるとともに一端に鍔部が形成された略柱状とされ、前記鍔部が前記金属スリーブの内周面の一部に全周にわたってロウ付けされたセラミックスから成る絶縁体と、該絶縁体の前記貫通孔に両端を突出させて挿入固定されたリードピンと、一端が開放された有底筒状とされているとともに底面の中央部に貫通穴が形成され、該貫通穴に前記リードピンが挿通されるとともに一端面が前記絶縁体の他端面にロウ付けされた金属部材とを具備しており、前記金属スリーブおよび前記金属部材はステンレススチールまたは耐食耐熱超合金(JIS G 4901)から成り、前記リードピンは前記ステンレススチール、前記耐食耐熱超合金または無酸素銅から成り、前記金属スリーブと前記絶縁体とのロウ付け部で前記金属スリーブの厚みが残部よりも薄くされており、前記金属部材の肉厚が前記金属スリーブの前記ロウ付け部の厚みと略同じとされていることを特徴とする。
【0009】
本発明の真空端子は、金属スリーブおよび金属部材はステンレススチールまたは耐食耐熱超合金(JIS G 4901)から成り、リードピンはステンレススチール、耐食耐熱超合金または無酸素銅から成ることから、非磁性でかつステンレススチール製等の真空容器との溶接性が良く、ロウ付け強度が大きくなるとともに、安価に製造できるものとなる。
【0010】
また、金属スリーブと絶縁体とのロウ付け部で金属スリーブの厚みが残部よりも薄くされていることから、金属スリーブと絶縁体とのロウ付け後の降温時にロウ材が固化した状態で、金属スリーブと絶縁体との熱膨張率差により発生し絶縁体に働く応力が、金属スリーブのロウ付け部である薄い部分の変形により軽減される。その結果、絶縁体にクラックや欠け等の破損を発生させることなくロウ付けができることとなる。
【0011】
さらに、金属部材の肉厚が金属スリーブのロウ付け部の厚みと略同じとされていることから、金属部材およびリードピンと絶縁体とのロウ付け後の降温時にロウ材が固化した状態で、金属部材およびリードピンと絶縁体との熱膨張率差により発生し絶縁体に働く応力が、金属部材の変形により軽減される。その結果、金属部材を用いずにリードピンと絶縁体とを直接ロウ付けする場合と比較して、絶縁体にクラックや欠け等の破損を発生させることなくロウ付けができることとなる。
【0012】
本発明の真空端子において、好ましくは、前記金属スリーブの前記ロウ付け部の厚みおよび前記金属部材の肉厚が0.1乃至0.35mmとされていることを特徴とする。
【0013】
本発明の真空端子は、好ましくは金属スリーブのロウ付け部の厚みおよび金属部材の肉厚が0.1乃至0.35mmとされていることから、ロウ付け後の降温時に絶縁体にクラックや欠け等の破損が発生するのをより効果的に防ぐことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の真空端子を以下に詳細に説明する。図1は本発明の真空端子について実施の形態の例を示す断面図である。図1において、1は絶縁体、1aは絶縁体1の鍔部、1bは絶縁体1の貫通孔、2は金属スリーブ、3はリードピン、4,7,9はロウ材、5,6はメタライズ金属層、8は金属部材である。
【0015】
本発明の真空端子は、筒状の金属スリーブ2と、中心軸に沿って貫通孔1bが形成されるとともに一端に鍔部1aが形成された略柱状とされ、鍔部1aが金属スリーブ2の内周面の一部に全周にわたってロウ付けされたセラミックスから成る絶縁体1と、絶縁体1の貫通孔1bに両端を突出させて挿入固定されたリードピン3と、一端が開放された有底筒状とされているとともに底面の中央部に貫通穴が形成され、貫通穴にリードピン3が挿通されて一端面が絶縁体1の他端面にロウ付けされた金属部材8とを具備し、金属スリーブ2および金属部材8はステンレススチール(JIS G 4303等)または耐食耐熱超合金(JIS G4901:インコネル)から成り、リードピン3はステンレススチール、耐食耐熱超合金または無酸素銅(JIS H 3100等)から成り、金属スリーブ2と絶縁体1とのロウ付け部で金属スリーブ2の厚みが残部よりも薄くされており、金属部材8の肉厚が金属スリーブ2のロウ付け部の厚みと略同じとされている。
【0016】
なお、金属部材8の肉厚と金属スリーブ2のロウ付け部の厚みとが略同じであるとは、それらの差が0.2mm程度以下の範囲内にあることを意味するものである。
【0017】
本発明の絶縁体1は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)等の電気絶縁材料から成り、リードピン3を電気的絶縁をもって保持するためのものである。この絶縁体1は、鍔部1aが筒状の金属スリーブ2の内周面の一部にロウ材4を介してロウ付けされ、貫通孔1bの他端面側の開口の周囲に金属部材8がロウ材7を介してロウ付けされている。また、絶縁体1は、鍔部1aの外周面にメタライズ層5が被着されており、メタライズ層5には金属スリーブ2がロウ材4を介してロウ付けされる。また、リードピン3と金属部材8とがロウ材9を介してロウ付けされている。
【0018】
上記のメタライズ金属層5は、表面をニッケルメッキ層で被覆したモリブデン−マンガンからなり、例えばモリブデン−マンガンの粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合して得た金属ペーストを従来周知のスクリーン印刷法により絶縁体1の鍔部1aの外周面に約50μmの厚みに印刷塗布してこれを約1500℃の温度で焼成し、しかる後、モリブデン−マンガンから成るメタライズ層の表面に電解メッキ法や無電解メッキ法によってニッケルを約10μmの厚みで被着させることによって形成される。
【0019】
本発明の金属スリーブ2は、真空端子を理化学機器の真空容器に取着するためのものであり、ステンレススチール(以下、ステンレスともいう)または耐食耐熱超合金から成ることによって、一般にステンレスから成る真空容器に対して、良好かつ容易に溶接を行なうことができる。上記のステンレスと耐食耐熱超合金は、ビッカース硬度(Hv)がいずれも約160と硬いこと、および、例えば絶縁体1を構成する酸化アルミニウム焼結体の熱膨張係数(約7.0×10−6/℃)とステンレスの熱膨張係数(約17.5×10−6/℃)および耐食耐熱超合金の熱膨張係数(約16.2×10−6/℃)とが大きく相違することから、絶縁体1の鍔部1aに金属スリーブ2をロウ材4を介して接合する際、両者の接合部に熱膨張係数の相違に起因して大きな応力が発生しやすいため、金属スリーブ2と絶縁体1とのロウ付け部で金属スリーブ2の厚みが0.1乃至0.35mmであることが好ましい。
【0020】
金属スリーブ2の厚みが0.1mm未満では、真空端子として片側が真空状態で片側が大気圧環境下で使用した場合に金属スリーブ2自体が変形し、場合によっては破壊されてしまうこととなる。0.35mmを超えると、絶縁体1と金属スリーブ2との熱膨張係数差に起因して発生する応力が金属スリーブ2において緩和されにくくなり、絶縁体1にクラックが生じ気密不良が生じやすい。
【0021】
絶縁体1はその中心軸に沿って形成された貫通孔1bにリードピン3が両端を突出させた状態で金属部材8を介して固定されている。このリードピン3は、真空容器内外の装置を電気的に接続させるものであり、上記ステンレス、上記耐食耐熱超合金または無酸素銅から成る。この金属部材8は、一端が開放された有底筒状(キャップ状)とされているとともに底面の中央部に貫通穴が形成され、その貫通穴にリードピン3が挿通されるとともに一端面が絶縁体1の他端面にロウ付けされる。即ち、金属部材8は、貫通孔1bの絶縁体1の他端面側開口の周囲に被着されたメタライズ金属層6に、ロウ材7を介してロウ付けすることによって絶縁体1に取着される。また、金属部材8の底面の貫通穴にリードピン3が挿通されてロウ材9を介してロウ付けされる。
【0022】
金属部材8を成すステンレスまたは耐食耐熱超合金は、ビッカース硬度がいずれも約160と硬いこと、および、例えば絶縁体1を構成する酸化アルミニウム焼結体の熱膨張係数(約7.0×10−6/℃)とステンレスの熱膨張係数(約17.5×10−6/℃)および耐食耐熱超合金の熱膨張係数(約16.2×10−6/℃)とが大きく相違することから、絶縁体1の貫通孔1bの開口の周囲にリードピン3をロウ材7を介して接合する際、両者の接合部に両者の熱膨張係数の相違に起因して大きな熱応力が発生しやすいので、金属部材8の肉厚は0.1乃至0.35mmであることが好ましい。
【0023】
金属部材8の厚みが0.1mm未満では、真空端子として片側が真空状態で片側が大気圧環境下で使用した場合に金属部材8自体が変形し、場合によっては破壊されてしまうこととなる。0.35mmを超えると、絶縁体1と金属部材8との熱膨張係数差に起因して発生する応力を金属部材8において緩和しにくくなり、絶縁体1にクラックが生じ気密不良が生じやすい。
【0024】
本発明のリードピン3は、ステンレス、耐食耐熱超合金または無酸素銅から成り、これにより、リードピン3が非磁性のものとなり、加速器等のマグネットにより強力な磁場が発生する真空装置を備えた理化学機器において、リードピン3が磁化されたりリードピン3の残留磁場が生じることがなく、支障なく使用することができる。
【0025】
本発明において、金属スリーブ2および金属部材8を成すステンレス、耐食耐熱超合金、リードピン3を成すステンレス、耐食耐熱超合金、無酸素銅は、それらの透磁率が1.1以下の材料であることから、リードピン3に電気信号を伝達させた際、金属スリーブ2、リードピン3および金属部材8に電気信号の伝達に伴う磁場が残留することはなく、残留磁場で電気信号にノイズが入り込むこともなくなる。その結果、リードピン3で伝達される電気信号のS/N比(信号と雑音との比)が小さくなる。
【0026】
かくして、本発明の真空端子は、金属スリーブ2を理化学機器の真空容器に取着し、真空容器内外の装置をリードピン3の突出した両端にそれぞれ電気的に接続することによって、真空容器内外の装置間で電気信号を伝達させる真空端子として機能する。
【0027】
【実施例】
本発明の真空端子の実施例について以下に説明する。
【0028】
図1の構成のものを以下のようにして製作した。純度約99.5重量%の酸化アルミニウム質焼結体から成り、一端に形成された鍔部1aの直径が7.5mm、鍔部1aの軸方向の長さが2.5mm、鍔部1a以外の部分の直径が2.5mm、全体の軸方向の長さが5mmであり、中心軸に沿って直径1.8mmの円形の貫通孔1bが形成された絶縁体1を用意した。絶縁体1の鍔部1aの外周面および貫通孔1bの絶縁体1の他端面側開口の周囲には、Mo粉末とMn粉末と酸化ケイ素(SiO)粉末とに有機バインダや溶剤を混合してなる金属ペーストを、約10μmの厚さとなるように印刷塗布し、乾燥後加湿したフォーミングガス中で約1400℃の温度で焼成して、絶縁体1にMo−Mn合金からなるメタライズ層を被着した。その後、メタライズ層上にNiメッキ層を電解メッキ法により約2μmの厚さで被着してメタライズ金属層5とメタライズ金属層6を形成した。
【0029】
次に、絶縁体1の鍔部1aに金属スリーブ2を、貫通孔1bの上記開口の周囲に金属部材8を、金属部材8の底面の貫通穴にリードピン3を、それぞれロウ付けした。これらの金属スリーブ2、リードピン3、金属部材8は、ステンレスからなるものとした。金属スリーブ2は外径8.1mm、内径7.5mmの円筒形で、軸方向の長さは6.5mmであり、リードピン3は、断面が直径1.8mmの円形で長さが41mmである。
【0030】
このとき、ロウ材4,7,9としてAg−Cu合金からなる線状のプリフォームを接合部に設置し、真空端子全体を約820℃に加熱して、全ての部品をロウ付けした。
【0031】
次に、作製した真空端子の気密性について調べた。比較のため、金属部材8の肉厚を0.3mmとし、金属スリーブ2の肉厚を0.09mm、0.1mm、0.3mm、0.35mm、0.4mmにした5種類の真空端子を製作した。また、金属スリーブ2の肉厚を0.3mmとし、金属部材8も肉厚を0.09mm、0.1mm、0.3mm、0.35m、0.4mmにした5種類の真空端子を製作し、合計10種類の真空端子を得た。気密性の調査は、各部品をロウ付け後に内部を真空状態にし、外側からヘリウムガスを吹き付けた際に内部へのヘリウムガスの侵入がないかどうかを検出する方法で気密試験を行い、外観を観察することによって行った。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 2004179083
【0033】
表1より、金属スリーブ2、金属部材8の肉厚が0.1mm未満では、真空端子を真空容器に設けて片側が真空状態、片側が大気圧下となるようにして使用した場合に、金属スリーブ2、金属部材8が変形し割れが生じ、絶縁体1にクラックが生じ易いことが判った。また、金属スリーブ2、金属部材8の肉厚が0.35mmを超えると、絶縁体1にクラックが生じ易いことが判った。
【0034】
なお、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更を施すことは何ら差し支えない。
【0035】
【発明の効果】
本発明の真空端子は、金属スリーブおよび金属部材はステンレスまたは耐食耐熱超合金(JIS G 4901)から成り、リードピンはステンレス、耐食耐熱超合金または無酸素銅から成ることにより、非磁性でかつステンレス製等の真空容器との溶接性が良く、ロウ付け強度が大きくなるとともに、安価に製造できるものとなる。
【0036】
また、金属スリーブと絶縁体とのロウ付け部で金属スリーブの厚みが残部よりも薄くされていることにより、金属スリーブと絶縁体とのロウ付け後の降温時にロウ材が固化した状態で、金属スリーブと絶縁体との熱膨張率差により発生し絶縁体に働く応力が、金属スリーブのロウ付け部である薄い部分の変形により軽減される。その結果、絶縁体にクラックや欠け等の破損を発生させることなくロウ付けができることとなる。
【0037】
さらに、金属部材の肉厚が金属スリーブのロウ付け部の厚みと略同じとされていることにより、金属部材およびリードピンと絶縁体とのロウ付け後の降温時にロウ材が固化した状態で、金属部材およびリードピンと絶縁体との熱膨張率差により発生し絶縁体に働く応力が、金属部材の変形により軽減される。その結果、金属部材を用いずにリードピンと絶縁体とを直接ロウ付けする場合と比較して、絶縁体にクラックや欠け等の破損を発生させることなくロウ付けができることとなる。
【0038】
また本発明の真空端子は、好ましくは金属スリーブのロウ付け部の厚みおよび金属部材の肉厚が0.1乃至0.35mmとされていることから、ロウ付け後の降温時に絶縁体にクラックや欠け等の破損が発生するのをより効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空端子について実施の形態の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁体
1a:鍔部
1b:貫通孔
2:金属スリーブ
3:リードピン
4:ロウ材
5:メタライズ金属層
6:メタライズ金属層
7:ロウ材
8:金属部材
9:ロウ材

Claims (2)

  1. 筒状の金属スリーブと、中心軸に沿って貫通孔が形成されるとともに一端に鍔部が形成された略柱状とされ、前記鍔部が前記金属スリーブの内周面の一部に全周にわたってロウ付けされたセラミックスから成る絶縁体と、該絶縁体の前記貫通孔に両端を突出させて挿入固定されたリードピンと、一端が開放された有底筒状とされているとともに底面の中央部に貫通穴が形成され、該貫通穴に前記リードピンが挿通されるとともに一端面が前記絶縁体の他端面にロウ付けされた金属部材とを具備しており、前記金属スリーブおよび前記金属部材はステンレススチールまたは耐食耐熱超合金(JIS G 4901)から成り、前記リードピンは前記ステンレススチール、前記耐食耐熱超合金または無酸素銅から成り、前記金属スリーブと前記絶縁体とのロウ付け部で前記金属スリーブの厚みが残部よりも薄くされており、前記金属部材の肉厚が前記金属スリーブの前記ロウ付け部の厚みと略同じとされていることを特徴とする真空端子。
  2. 前記金属スリーブの前記ロウ付け部の厚みおよび前記金属部材の肉厚が0.1乃至0.35mmとされていることを特徴とする請求項1記載の真空端子。
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