JP2004178855A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池において、小型携帯機器向けを実用化する際、燃料補給又は燃料輸送の場合にボンベや輸送装置が必要となり、電池が小型・軽量化できない。
【解決手段】電解質膜13を介して負極11と正極12とが対向して配置される。負極11が、光エネルギーによって水の分解を促進する光触媒(A)と、水の分解によって生じた水素をプロトンと電子への分解を促進する触媒(B)とを含有する多孔質触媒層11bからなる電極で構成される。
【選択図】 図2
【解決手段】電解質膜13を介して負極11と正極12とが対向して配置される。負極11が、光エネルギーによって水の分解を促進する光触媒(A)と、水の分解によって生じた水素をプロトンと電子への分解を促進する触媒(B)とを含有する多孔質触媒層11bからなる電極で構成される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質膜を介して負極と正極が配置され、燃料源として水が使用され、正極で酸素を還元した際に生じる電位差により発電する燃料電池に関する。より詳しくは、負極が、光エネルギーによって水の分解を促進する光触媒と、水素をプロトンと電子への分解を促進する触媒とを含有する多孔質触媒層からなる電極を有する光燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池として、容器内に、気体透過性の第1の電解質と、光触媒を含む第2の電解質と、その中間に多孔質触媒層からなる第1の電極(負極)と、第1の電解質に隣接して非多孔質触媒からなる第2の電極(正極)とを有する光燃料電池が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−342964号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1の燃料電池は、光触媒を用いて、光エネルギーにより水を分解し、生成した水素と酸素を利用するものであるが、光触媒を含む電解質と、負極とする多孔質触媒層が別々に構成されており、構造上の複雑さがある。さらに、正極の非多孔質触媒からなる電極上には水素と酸素が同時に存在する可能性があり、水素と酸素の反応が行われ反応熱を伴ったり、起電力低下を引き起こす可能性も考えられる。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、電解質膜を介して負極と正極とが対向して配置され、
負極が、光エネルギーによって水の分解を促進する光触媒(A)と、水の分解によって生じた水素をプロトンと電子への分解を促進する触媒(B)とを有する多孔質触媒層からなる電極で構成してなる燃料電池が提供される。
【0006】
この構成によれば、光触媒(A)と触媒(B)とを含有する多孔質触媒層が一体に簡便に形成されるので、製造上かつ構成上の利点を生ずる。
さらに、本発明は、燃料源として水が使用されるが、水中に還元剤(例えばメタノール)を含有させることを他の特徴としている。太陽光やその他の光エネルギーによって多孔質触媒層に含まれる光触媒(A)が水を分解して水素及び酸素を生成するが、酸素は還元剤の存在によって直ちに還元される。したがって、負極(燃料極)には水素のみが存在し、起電力低下を起こすことなく水素の有効利用が期待できる。
【0007】
本発明の燃料電池の基本構成について説明すると、この燃料電池は、電池容器と、電池容器内に収納された電解質膜及びこの電解質膜の両面に積層された負極・正極とを備えてなる。
電池容器としては、用いられる形態やその用途に応じて、どのような形態を有するものであってもよいが、電池容器における少なくとも負極と対向する壁部(光照射面)は透明とされる。電池容器の材料としては、アクリル樹脂のほか、石英、ガラス転移点が常温以上であるもの、かつ電池容器の光照射面に光触媒が水を分解できるだけのエネルギーを持つ光を透過するもの、具体的には可視光応答性光触媒であれば、無色透明なポリスチレン、ポリカーボネート、ないしは硬質ポリ塩化ビニル(可塑剤0〜5%添加)、ポリフェニレンオキサイドなどの硬質樹脂を用いることができ、400nm紫外光応答性光触媒の場合は石英が望ましい。
また、電池容器は、その内部の負極側に、燃料である水を負極に供給するための燃料保持空隙と、この燃料保持空隙に連通する燃料供給口及び余剰燃料排出口とを有する構造とし、一方内部の正極側に、外気保持材を充填した外気貯蔵空隙を有する構造としてもよい。これについて詳しくは後述の実施の形態で説明する。
【0008】
本発明において、電解質膜としては、トリフルエチレン誘導体の共重合体、リン酸含浸ポリベンゾイミダゾール樹脂、スルホン酸基、ホスホン酸基、フェノール系水酸基又は含フッ素カーボンスルホン酸基を陽イオン交換基として有する樹脂、PSSA−PVA(ポリスチレンスルホン酸ポリビニルアルコール共重合体)や、PSSA−EVOH(ポリスチレンスルホン酸エチレンビニルアルコール共重合体)等からなるものが挙げられる。中でも、含フッ素カーボンスルホン酸基を有するイオン交換樹脂からなるもが好ましく、具体的には、米国デュポン社製のナフィオン膜、旭硝子社製のフレミオン膜、旭化成社製のアシプレックス膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、樹脂の前駆体を熱プレス成型、ロール成形、押出し成形等の公知の方法で膜状に成形し、加水分解、酸型化処理することにより得られる。また、フッ素系陽イオン交換樹脂をアルコール等の溶媒に溶解させた溶液から、溶媒キャスト法により得ることもできる。
【0009】
本発明において、負極は、カーボン、カーボンペーパ、カーボンの成型体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属、金属繊維集合体などの多孔性基体を撥水処理したものを用いることができる。例えば、触媒(B)担持の光触媒(A)及び触媒(B)担持のカーボンを結着剤等にて上記多孔質性基体上に付着させ、それをホットプレスなどによって電解質膜の一面に多孔質触媒層を一体状に接合する方法を挙げることができる。なお、これについてさらに詳しくは後述する。
【0010】
負極の多孔質触媒層に用いられる光触媒(A)としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、貴金属類及び希土類のいずれかの半導体酸化物からなるものを用いることができる。具体的にはTiO2のほか、SrTiO2、Al2O3、WO3、BiYO3、Fe2O3、Cu2O、NiO、ZnO、NaTaO3、InTaO4、Nb2O5、CdS、ZrO2、KTaO3、CdSeなどを光触媒として用いることができる。好ましくは活性が高い、特にアナターゼ型のTiO2、SrTiO2あるいは可視光応答性を持つBiYO3などがよい。また、これらの光触媒は、粒径が5nm〜100μm程度のものが好ましい。
また、光触媒(A)は、層状構造又はトンネル構造を有する物質が一般的に触媒活性が高いため好ましい。上述したTiO2、SrTiO2、Al2O3、WO3、BiYO3、Fe2O3、Cu2O、NiO、ZnO、NaTaO3、InTaO4、Nb2O5、CdS、ZrO2、KTaO3、CdSeは層状構造又はトンネル構造を有するものが比較的多く、中でもアナターゼ型のTiO2、SrTiO2あるいは可視光応答性を持つBiYO3は層状構造又はトンネル構造を有するものが多いためその使用が好ましい。なお、この場合、層状構造とは、酸化物分子が層を成して配列し、数オングストローム〜数ナノメートル程度の層間距離を有するような構造であり、トンネル構造とは、同じく数オングストローム〜数ナノメートルの孔径を有する構造を単位構造とする分子構造である。
また、光触媒(A)は、その層状構造内又はトンネル構造内に、プロトン又はアルカリイオン又は陽イオンが挿入されたものであってもよい。具体的には、例えば、層状構造又はトンネル構造を有する光触媒を、酸の溶液またはアルカリ溶液に入れ、負圧により光触媒内に酸物質またはアルカリ物質を含浸させ、それを乾燥した後に焼結させる、あるいは挿入したい元素の酸化物または炭酸化物と混合し、焼成することにより、光触媒の層状構造又はトンネル構造の空隙にプロトン又は陽イオンを挿入する。前記酸の溶液としては、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸を用いることができる。また、前記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の強アルカリを用いることができる。このように、光触媒の結晶構造内にプロトンを挿入することにより、K3H3Ti16O35・3H2O (特開平8−208201号公報参照)のような異なる光触媒活性を得ることができ、また光触媒の結晶構造内にアルカリイオンを挿入することにより、K0.5La0.5Ca1.5Nb3O10(特開平8−196912号公報参照)のような異なる光触媒活性を得ることができ、光触媒の結晶構造に陽イオンを挿入することにより、Cr3+をドープしたSrTiO3(特開2002−255502号公報参照)のような異なる光触媒活性を得ることができる。
【0011】
負極の多孔質触媒層に用いられる触媒(B)としては、白金、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、レニウム、イリジウム、パラジウムなどの貴金属、あるいは遷移金属と白金の合金、あるいはそれらの酸化物の微粒子を触媒として含む炭素材料を用いることができる。
【0012】
本発明において、正極は、負極と同様に、カーボン、カーボンペーパ、カーボンの成型体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属、金属繊維集合体などの多孔性基体を撥水処理したものを用いることができ、これを用いて正極に多孔質触媒層を形成することができる。
また、正極の多孔質触媒層に用いられる触媒としては、負極と同様に、白金、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、レニウム、イリジウム、パラジウムなどの貴金属、あるいは遷移金属と白金の合金、あるいはそれらの酸化物の微粒子を触媒として含む炭素材料を用いることができる。
【0013】
本発明において、電解質膜の一面に負極の多孔質触媒層を積層し、電解質膜の他面に正極の多孔質触媒層を積層する方法として、例えば白金担持のTiO2及び白金担持のカーボンを、結着剤及び撥水剤として働くポリテトラフルオロエチレンや固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合し、カーボンペーパーなどの多孔質性電極上に吹きつけ、ホットプレスなどによって電解質膜の一面に負極側多孔質触媒層を一体状に接合して形成し、一方例えば白金担持のカーボンを上述と同様にして電解質膜の他面に正極側多孔質触媒層を一体状に接合して形成することができる(米国特許第5,599,638号参照)。あるいは、別の方法として、負極側では、例えば白金担持のTiO2及び白金担持のカーボンを固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合した触媒混合溶液を用意し、正極側では、例えば白金担持のカーボンを固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合した触媒混合溶液を用意し、各触媒混合溶液を個別にポリテトラフルオロエチレン板上に塗布し、乾燥後の各膜をポリテトラフルオロエチレン板上から引き剥がして、カーボンペーパーなどの多孔質性電極上にそれぞれ転写し、ホットプレスなどによって電解質膜の一面及び他面にそれぞれ一体状に接合して負極側の多孔質触媒層及び正極側の多孔質触媒層を形成することもできる(X.Renら、J.Electrochem.Soc.,143,L12(1996)参照)。
【0014】
本発明において、負極及び正極は、上記構成の多孔質触媒層をそれぞれ備えてなるものであるが、負極及び正極の各多孔質触媒層に集電体層及びガス拡散層をそれぞれ積層してもよい。
集電体層としては、例えばステンレス、ニッケル、ニッケルークロム合金等の金属性メッシュを用いることができる。集電体層を設けることにより、集電効果を向上させることができる。
ガス拡散層としては、カーボンペーパ、カーボンファイバー等の多孔質炭素材料から構成することができる。ガス拡散層は、負極及び正極のそれぞれに、燃料及び空気を供給する役割を果たす。ガス拡散層が電気導電性材料からなる場合には、集電体層としての役割も兼ねることができるので、より集電効果が向上し、さらに好ましい。
つまり、多孔質の炭素繊維で構成されたガス拡散層が供給された燃料を保持しかつ、自然拡散により燃料を負極に供給すると共に、負極で燃料が酸化される際生じる電荷を集電体層にて効率よく集電する機能を発揮することができる。一方、正極側においては、取り入れた外気をガス拡散層にて保持し、かつ酸素を正極に供給すると共に、正極で酸素が還元される際に必要な電荷を集電体層にて効率よく供給する機能を発揮することができる。
【0015】
本発明において、還元剤としては、メタノール、酢酸アンモニウム、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオール、アンモニア、一酸化炭素、N−アセチル−L−システイン等を挙げることができるが、白金上で水素が酸素と反応する前に酸素と反応しなければならないので、水素の燃焼エンタルピー285.8kJ/molより低い、あるいは大きくかけ離れない燃焼エンタルピーを持つ液体で、かつ水溶性のものでなければならず、726.6kJ/molの燃焼エンタルピーを持つメタノールが望ましい。したがって、本発明の燃料電池の燃料としては、還元剤であるメタノールを水に適量添加したメタノール水溶液が好ましい。なお、メタノール濃度は、メタノールの酸化、発電、クロスオーバーに伴う消費等を考慮した上で決定される。
【0016】
本発明の燃料電池は、特に、光触媒が水を分解できるだけのエネルギーを持つ光が照射される環境下で使用される小型電子機器、例えば携帯電話、電子手帳、ノートパソコン等に組み込まれた形態で用いられることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態は一般的なものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
図1は本発明の実施の形態にかかる燃料電池を示す斜視図であり、図2は図1の破線に沿った概略断面図であり、図3は図2の破線枠内の拡大図であり、図4は同実施の形態における光触媒の水分解メカニズムを示す説明図であり、図5は同実施の形態における電解質膜の発電反応を示す模式図であり、図6は本発明にかかる燃料電池の電流−電圧曲線及び電流−電力曲線を示すグラフである。
【0019】
この実施の形態の燃料電池は、少なくとも上面である光照射面20が透明なアクリル樹脂からなる箱型の電池容器10と、この電池容器10の内部空間を上下に仕切るように設けられた電解質膜13と、電解質膜13を挟むようにその上面及び下面に積層一体化された負極11及び正極12と、負極11に電気的に接続されて電池容器10の一側壁から外部に露出した負極端子2と、正極12に電気的に接続されて電池容器10の一側壁から外部に露出した正極端子3とを備えている。
【0020】
電池容器10は、その底壁に、外気より酸素を導入する目的で、例えば2mm×5mmの外気通気孔1が複数個(この場合5個)設けられると共に、底壁下方に空間を形成するためにコーナー部に4本の脚部30が設けられている。また、電池容器10における各端子2、3とは反対側の他側壁には、電池容器10内の負極11の上方空間と連通する燃料供給口11e(例えば口径1mm)が形成されると共に、各端子2、3側の一側壁には、電池容器10内の負極11の上方空間と連通する燃料供給口11eよりも小さい余剰燃料排出口11g(例えば口径0.5mm)が形成されている。そして、電池容器10内における負極11の上方空間が燃料保持空隙11dとされ、かつ正極12の下方空間が外気貯蔵空隙12dとされている。また、燃料供給口11eの内側には、燃料保持空隙11d内の燃料が燃料供給口11eの方へ逆流しないようにする逆止弁11fが取付けられている。
【0021】
燃料保持空隙11dは、供給された液体燃料、例えば還元剤としてのメタノールを含む水溶液を負極11に供給するための空間である。燃料保持空隙11dに通じるように燃料供給口11eと余剰燃料排出口11gを設けることにより、燃料が燃料供給口11eから供給される際に、燃料保持空隙11dに滞留していた還元剤濃度の低下した液体燃料は余剰燃料排出口11gより外部の回収部へ押出され、新たな燃料供給が円滑に行われる。したがって、燃料保持空隙11dに保持される液体燃料の還元剤濃度が適正値に維持され、発電効率が安定する。また、負極への燃料供給が円滑に行われるので起動時間が速くなる。この燃料保持空隙11dの容積は、燃料電池全体の大きさにより適宜調整されるが、例えば、電池容器10の容積の10%程度とすることができる。
【0022】
燃料供給口11e及び余剰燃料排出口11gの大きさは、電池容器10の大きさに応じて適宜調整される。この場合、燃料が液体であるため、燃料供給口11eの口径が小さすぎると燃料供給が困難となるため、燃料供給口11eはある程度以上の大きさが好ましい。一方、余剰燃料排出口11gは、燃料供給口11eよりも小さくすることにより、燃料供給圧力が一時的に保たれ、好ましい。そのため、燃料保持空隙11dが保持しうる以上の燃料が供給されたときも、余剰燃料排出口11Gより余分な燃料が排出されて燃料保持空隙11d内の圧力が一定に保たれ、したがって電解質に異常な圧力がかかって破損することを防止できる。
具体的には、燃料供給口11eと余剰燃料排出口11gが略円形の場合、燃料供給口11eは口径が約4〜1mm、余剰燃料排出口11gは口径が約2〜0.5mmとされる。なお、燃料供給口11eと余剰燃料排出口11gが円形以外の場合は、その大きさは、それらが略円形の場合の断面積と略等しい断面積に換算して考えることができる。
【0023】
逆止弁11fは、液体燃料の逆流を防ぎ、その結果反応物質等による未使用燃料の汚染を防ぐことができる。逆止弁11fは、通常流体(この場合液体)の逆流を防止するために用いられるものであれば、特に限定されず、例えば燃料供給口11eに燃料を供給する際にのみ開放されるものが使用できる。供給された燃料に押出されるようにして、燃料保持空隙11dに滞留していた空気は余剰燃料排出口11gより排出される。したがって、燃料保持空隙11dで滞留していた空気は燃料供給口11eに逆流せず、かつ燃料保持空隙11dに燃料が一定に供給され、その結果安定した発電が行われる。
【0024】
外気貯蔵空隙12dは、正極12に酸素を供給するための空間である。この外気貯蔵空隙12dと連通する外気通気孔1を電池容器10の下面に形成したことにより、正極12への外気の接触を容易としつつ、異物が外気貯蔵空隙12Dから内部に侵入しないようにすることができる。この外気貯蔵空隙12dの容積は、燃料電池全体の大きさにより適宜調整されるが、例えば、電池容器10の容積の10%程度とすることができる。なお、外気通気孔1は、円形、長円形、長方形等どのような形状でもよいが、その面積としては1個当たり約0.1〜10mm2で、かつ1〜100個備えられるのが好ましい。
【0025】
外気貯蔵空隙12dに装填された外気保持材12hとしては、外気貯蔵空隙12dを完全に満たすものであっても、その一部を満たすものであってもよい。本実施の形態では、外気貯蔵空隙12dに外気保持材12hが燃料供給口11e側と余剰燃料排出口11g側に少し隙間を残す程度に装填されている。一部を満たすものである場合には、容器に備えられた外気通気孔1と正極12との間に、正極に対して全面的又は部分的に配置されてもよい。いずれの場合にも、電池容器10と正極12との間の幅に対して、任意の厚さを有するものであってもよい。外気保持材12hの備えられる形態としては、シート状、綿材をメッシュ状又はウール状にしたもの、綿材を網状に織ったもの、細線を重ねて圧縮して板状にしたもの、粒状等どのような形態であってもよい。外気保持材12hの材料としては、ニッケル、ステンレス、アルミニウム、鉄等を用いることができる。さらに、外気保持材12hをポリテトラフルオロエチレンなどで被覆することによりる撥水処理により、正極12における反応により生成した水を効率よく除去することができる。本実施の形態では、例えばφ50μmニッケル線を網状に織って形成した外気保持材12hが用いられるが、ニッケル線のほか、耐水性及び導電性に富む金属種からなる発泡金属や金属繊維でもよい。この外気保持材12hは、外気通気孔1より供給された外気を保持し、かつ自然拡散により酸素を正極12に供給する役割を果たす。
【0026】
さらに、外気保持材12hは、電気導電性を有する、具体的には室温における電気伝導率が103S/cm以上であるような、ヨウ素付加ポリアセチレンに代表される有機導電性材料(導電性高分子)、高分子材料に金属導体を分散した電気導電性樹脂などから構成してもよく、このようにすれば集電体層の役割も兼ね、したがって集電効果が向上するため、より高い電流値を得ることができる。
【0027】
電解質膜13としては、樹脂膜、具体的にはトリフルオロエチレン誘導体の共重合膜、リン酸含浸ポリベンゾイミダゾール膜等を用いることができるが、好ましくはパーフルオロスルホン酸系のデュポン社製のナフィオン膜が用いられる。この電解質膜13は、その一面である上面に負極11が、他面である下面に正極12がそれぞれ積層して一体状となっている。
【0028】
負極11は、電解質膜13側から、多孔質触媒層11bと、負極集電体層11cと、ガス拡散層11aとからなる3層構造である。多孔質触媒層11bは、10重量%白金担持のTiO2(アナターゼ型、平均粒径50μm)5g及び10重量%白金担持のカーボン5gを、結着剤及び撥水剤として働くポリテトラフルオロエチレンや固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合し、カーボンペーパーなどの多孔質性電極上に吹きつけ、ホットプレスなどによって電解質膜13の一面(上面)に一体状に接合して形成される。
一方、正極12は、電解質膜13側から、多孔質触媒層12bと、正極集電体層12cと、ガス拡散層12aとからなる3層構造である。多孔質触媒層12bは、10重量%白金担持のカーボン5gを、結着剤及び撥水剤として働くポリテトラフルオロエチレンや固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合し、カーボンペーパーなどの多孔質性電極上に吹きつけ、ホットプレスなどによって電解質膜13の他面(下面)に一体状に接合して形成される。
このように電解質膜13の両面に多孔質触媒層11b及び多孔質触媒層12bを積層した後、その両面にステンレス製メッシュからなる負極集電体層11c、正極集電体層12cを積層し、かつカーボンペーパー、カーボンファイバー等の多孔質炭素材料からなるガス拡散層11a、12aを積層して、電解質膜13の両面に負極11及び正極12が一体化してなる触媒・光触媒一体型電解質膜を作製することができる。なお、集電帯11c、12cは必要であればカーボンブラック分散フッ素化合物のような導電性撥水剤を塗布するとよい。
【0029】
【実施例】
本実施の形態で作製した燃料電池を実施例とし、光触媒を添加せずに作製した燃料電池を比較例とした。なお、比較例の発電方法は、水素ボンベより純水素を0.05MPaで供給し、定電流負荷による電圧を測定した。
【0030】
実施例の発電に際しては、図2に示すように、燃料供給口11eより液体燃料である5%メタノール水溶液を供給すると、逆止弁11fが開放され、燃料保持空隙11dに滞留していた空気が余剰燃料排出口11gより押し出され、燃料保持空隙11dにメタノール水溶液が保持される。一方、高圧水銀灯を用いて光照射面20に400nm以上の波長を持つ紫外光を照射した。以下、負極11の光触媒(酸化チタンTiO2)による水分解メカニズム(及びこのときの標準水素電極(NHE)に対する酸化還元電位)を図4にて説明し、触媒・光触媒一体型電解質膜の発電における反応を図5にて説明する。
【0031】
多孔質触媒層11bにおいて、紫外光を吸収したTiO2の価電子帯にある電子e−は伝導帯のエネルギーレベルに励起され、液体燃料中の水分子H2Oを還元して水素H2を生成する。一方、TiO2の価電子帯にできたホールh+は水分子H2Oを酸化して酸素O2を生成する。酸素O2は液体燃料中のメタノール(CH2OH)と直ちに反応し、ホルムアルデヒド(HCHO)及びギ酸(CH2OOH)を生成する。このホルムアルデヒド及びギ酸は、多孔質触媒層11bに含まれる触媒である白金Pt及び生成された酸素O2によって二酸化炭素と水に分解される。なお、この二酸化炭素は、燃料電池へ液体燃料を供給する際に余剰燃料排出口11gより外部に押し出される。
【0032】
生成された水素は、多孔質触媒層11bの白金PtによりプロトンH+と電子e−に分離され、プロトンH+は電解質膜13中の水酸基により正極12へ伝達され、一方負極11側で発生した電子e−は、負極端子2と正極端子3とに電気的に接続された外部回路を通って正極12に到達し、多孔質触媒層12bで外気中の酸素O2とプロトンH+と電子e−とが反応して水H2Oが生成され、かつ燃料電池が発電する。
【0033】
発電時における実施例及び比較例の電流―電圧曲線及び電流―電力曲線を図6に示した。図6において、実線は実施例であり、破線は比較例である。図6より、実施例は、比較例より発電量は低いが、発電が起こっていることが確認された。これにより、本実施例における燃料電池は、実質的に水を燃料とし、光エネルギーを与えることによって発電したことが分かる。なお、本実施例において還元剤として使用したメタノールは数%電解質膜を透過し、電力低下を引き起こしてしまうが、希薄水溶液を用いることができるので、問題にはならない。また、実使用上のメタノール濃度は、メタノールの酸化、発電、クロスオーバーに伴う消費を考慮した上で決定する必要がある。
【0034】
【発明の効果】
本発明の燃料電池は、光触媒(A)と触媒(B)とを含有する多孔質触媒層としての負極が一体に簡便に電解質膜上に形成されたものであり、光触媒粒子表面に入射した光エネルギーによって水から水素が生成され、この水素は多孔質触媒層の触媒によりプロトンH+と電子e−に分離され、プロトンH+は電解質膜中を通って正極へ伝達され、一方負極側で発生した電子e−は外部回路を通って正極に到達し、正極で外気中の酸素とプロトンH+と電子e−とが反応して水が生成され、かつ燃料電池が発電する。したがって、簡易な構造で、かつガス供給のための装置も、改質器も必要とせず、実質的に光をエネルギー源とし、水を燃料とする携帯機器用燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる燃料電池を示す斜視図である。
【図2】図1の破線に沿った概略断面図である。
【図3】図2の破線枠内の拡大図である。
【図4】同実施の形態における光触媒の水分解メカニズムを示す説明図である。
【図5】同実施の形態における電解質膜の発電反応を示す模式図である。
【図6】本発明にかかる燃料電池の電流−電圧曲線及び電流−電力曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
13 電解質膜
11 負極
12 正極
11b 多孔質触媒層
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解質膜を介して負極と正極が配置され、燃料源として水が使用され、正極で酸素を還元した際に生じる電位差により発電する燃料電池に関する。より詳しくは、負極が、光エネルギーによって水の分解を促進する光触媒と、水素をプロトンと電子への分解を促進する触媒とを含有する多孔質触媒層からなる電極を有する光燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池として、容器内に、気体透過性の第1の電解質と、光触媒を含む第2の電解質と、その中間に多孔質触媒層からなる第1の電極(負極)と、第1の電解質に隣接して非多孔質触媒からなる第2の電極(正極)とを有する光燃料電池が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−342964号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1の燃料電池は、光触媒を用いて、光エネルギーにより水を分解し、生成した水素と酸素を利用するものであるが、光触媒を含む電解質と、負極とする多孔質触媒層が別々に構成されており、構造上の複雑さがある。さらに、正極の非多孔質触媒からなる電極上には水素と酸素が同時に存在する可能性があり、水素と酸素の反応が行われ反応熱を伴ったり、起電力低下を引き起こす可能性も考えられる。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、電解質膜を介して負極と正極とが対向して配置され、
負極が、光エネルギーによって水の分解を促進する光触媒(A)と、水の分解によって生じた水素をプロトンと電子への分解を促進する触媒(B)とを有する多孔質触媒層からなる電極で構成してなる燃料電池が提供される。
【0006】
この構成によれば、光触媒(A)と触媒(B)とを含有する多孔質触媒層が一体に簡便に形成されるので、製造上かつ構成上の利点を生ずる。
さらに、本発明は、燃料源として水が使用されるが、水中に還元剤(例えばメタノール)を含有させることを他の特徴としている。太陽光やその他の光エネルギーによって多孔質触媒層に含まれる光触媒(A)が水を分解して水素及び酸素を生成するが、酸素は還元剤の存在によって直ちに還元される。したがって、負極(燃料極)には水素のみが存在し、起電力低下を起こすことなく水素の有効利用が期待できる。
【0007】
本発明の燃料電池の基本構成について説明すると、この燃料電池は、電池容器と、電池容器内に収納された電解質膜及びこの電解質膜の両面に積層された負極・正極とを備えてなる。
電池容器としては、用いられる形態やその用途に応じて、どのような形態を有するものであってもよいが、電池容器における少なくとも負極と対向する壁部(光照射面)は透明とされる。電池容器の材料としては、アクリル樹脂のほか、石英、ガラス転移点が常温以上であるもの、かつ電池容器の光照射面に光触媒が水を分解できるだけのエネルギーを持つ光を透過するもの、具体的には可視光応答性光触媒であれば、無色透明なポリスチレン、ポリカーボネート、ないしは硬質ポリ塩化ビニル(可塑剤0〜5%添加)、ポリフェニレンオキサイドなどの硬質樹脂を用いることができ、400nm紫外光応答性光触媒の場合は石英が望ましい。
また、電池容器は、その内部の負極側に、燃料である水を負極に供給するための燃料保持空隙と、この燃料保持空隙に連通する燃料供給口及び余剰燃料排出口とを有する構造とし、一方内部の正極側に、外気保持材を充填した外気貯蔵空隙を有する構造としてもよい。これについて詳しくは後述の実施の形態で説明する。
【0008】
本発明において、電解質膜としては、トリフルエチレン誘導体の共重合体、リン酸含浸ポリベンゾイミダゾール樹脂、スルホン酸基、ホスホン酸基、フェノール系水酸基又は含フッ素カーボンスルホン酸基を陽イオン交換基として有する樹脂、PSSA−PVA(ポリスチレンスルホン酸ポリビニルアルコール共重合体)や、PSSA−EVOH(ポリスチレンスルホン酸エチレンビニルアルコール共重合体)等からなるものが挙げられる。中でも、含フッ素カーボンスルホン酸基を有するイオン交換樹脂からなるもが好ましく、具体的には、米国デュポン社製のナフィオン膜、旭硝子社製のフレミオン膜、旭化成社製のアシプレックス膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、樹脂の前駆体を熱プレス成型、ロール成形、押出し成形等の公知の方法で膜状に成形し、加水分解、酸型化処理することにより得られる。また、フッ素系陽イオン交換樹脂をアルコール等の溶媒に溶解させた溶液から、溶媒キャスト法により得ることもできる。
【0009】
本発明において、負極は、カーボン、カーボンペーパ、カーボンの成型体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属、金属繊維集合体などの多孔性基体を撥水処理したものを用いることができる。例えば、触媒(B)担持の光触媒(A)及び触媒(B)担持のカーボンを結着剤等にて上記多孔質性基体上に付着させ、それをホットプレスなどによって電解質膜の一面に多孔質触媒層を一体状に接合する方法を挙げることができる。なお、これについてさらに詳しくは後述する。
【0010】
負極の多孔質触媒層に用いられる光触媒(A)としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、貴金属類及び希土類のいずれかの半導体酸化物からなるものを用いることができる。具体的にはTiO2のほか、SrTiO2、Al2O3、WO3、BiYO3、Fe2O3、Cu2O、NiO、ZnO、NaTaO3、InTaO4、Nb2O5、CdS、ZrO2、KTaO3、CdSeなどを光触媒として用いることができる。好ましくは活性が高い、特にアナターゼ型のTiO2、SrTiO2あるいは可視光応答性を持つBiYO3などがよい。また、これらの光触媒は、粒径が5nm〜100μm程度のものが好ましい。
また、光触媒(A)は、層状構造又はトンネル構造を有する物質が一般的に触媒活性が高いため好ましい。上述したTiO2、SrTiO2、Al2O3、WO3、BiYO3、Fe2O3、Cu2O、NiO、ZnO、NaTaO3、InTaO4、Nb2O5、CdS、ZrO2、KTaO3、CdSeは層状構造又はトンネル構造を有するものが比較的多く、中でもアナターゼ型のTiO2、SrTiO2あるいは可視光応答性を持つBiYO3は層状構造又はトンネル構造を有するものが多いためその使用が好ましい。なお、この場合、層状構造とは、酸化物分子が層を成して配列し、数オングストローム〜数ナノメートル程度の層間距離を有するような構造であり、トンネル構造とは、同じく数オングストローム〜数ナノメートルの孔径を有する構造を単位構造とする分子構造である。
また、光触媒(A)は、その層状構造内又はトンネル構造内に、プロトン又はアルカリイオン又は陽イオンが挿入されたものであってもよい。具体的には、例えば、層状構造又はトンネル構造を有する光触媒を、酸の溶液またはアルカリ溶液に入れ、負圧により光触媒内に酸物質またはアルカリ物質を含浸させ、それを乾燥した後に焼結させる、あるいは挿入したい元素の酸化物または炭酸化物と混合し、焼成することにより、光触媒の層状構造又はトンネル構造の空隙にプロトン又は陽イオンを挿入する。前記酸の溶液としては、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸を用いることができる。また、前記アルカリ溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の強アルカリを用いることができる。このように、光触媒の結晶構造内にプロトンを挿入することにより、K3H3Ti16O35・3H2O (特開平8−208201号公報参照)のような異なる光触媒活性を得ることができ、また光触媒の結晶構造内にアルカリイオンを挿入することにより、K0.5La0.5Ca1.5Nb3O10(特開平8−196912号公報参照)のような異なる光触媒活性を得ることができ、光触媒の結晶構造に陽イオンを挿入することにより、Cr3+をドープしたSrTiO3(特開2002−255502号公報参照)のような異なる光触媒活性を得ることができる。
【0011】
負極の多孔質触媒層に用いられる触媒(B)としては、白金、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、レニウム、イリジウム、パラジウムなどの貴金属、あるいは遷移金属と白金の合金、あるいはそれらの酸化物の微粒子を触媒として含む炭素材料を用いることができる。
【0012】
本発明において、正極は、負極と同様に、カーボン、カーボンペーパ、カーボンの成型体、カーボンの焼結体、焼結金属、発泡金属、金属繊維集合体などの多孔性基体を撥水処理したものを用いることができ、これを用いて正極に多孔質触媒層を形成することができる。
また、正極の多孔質触媒層に用いられる触媒としては、負極と同様に、白金、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、レニウム、イリジウム、パラジウムなどの貴金属、あるいは遷移金属と白金の合金、あるいはそれらの酸化物の微粒子を触媒として含む炭素材料を用いることができる。
【0013】
本発明において、電解質膜の一面に負極の多孔質触媒層を積層し、電解質膜の他面に正極の多孔質触媒層を積層する方法として、例えば白金担持のTiO2及び白金担持のカーボンを、結着剤及び撥水剤として働くポリテトラフルオロエチレンや固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合し、カーボンペーパーなどの多孔質性電極上に吹きつけ、ホットプレスなどによって電解質膜の一面に負極側多孔質触媒層を一体状に接合して形成し、一方例えば白金担持のカーボンを上述と同様にして電解質膜の他面に正極側多孔質触媒層を一体状に接合して形成することができる(米国特許第5,599,638号参照)。あるいは、別の方法として、負極側では、例えば白金担持のTiO2及び白金担持のカーボンを固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合した触媒混合溶液を用意し、正極側では、例えば白金担持のカーボンを固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合した触媒混合溶液を用意し、各触媒混合溶液を個別にポリテトラフルオロエチレン板上に塗布し、乾燥後の各膜をポリテトラフルオロエチレン板上から引き剥がして、カーボンペーパーなどの多孔質性電極上にそれぞれ転写し、ホットプレスなどによって電解質膜の一面及び他面にそれぞれ一体状に接合して負極側の多孔質触媒層及び正極側の多孔質触媒層を形成することもできる(X.Renら、J.Electrochem.Soc.,143,L12(1996)参照)。
【0014】
本発明において、負極及び正極は、上記構成の多孔質触媒層をそれぞれ備えてなるものであるが、負極及び正極の各多孔質触媒層に集電体層及びガス拡散層をそれぞれ積層してもよい。
集電体層としては、例えばステンレス、ニッケル、ニッケルークロム合金等の金属性メッシュを用いることができる。集電体層を設けることにより、集電効果を向上させることができる。
ガス拡散層としては、カーボンペーパ、カーボンファイバー等の多孔質炭素材料から構成することができる。ガス拡散層は、負極及び正極のそれぞれに、燃料及び空気を供給する役割を果たす。ガス拡散層が電気導電性材料からなる場合には、集電体層としての役割も兼ねることができるので、より集電効果が向上し、さらに好ましい。
つまり、多孔質の炭素繊維で構成されたガス拡散層が供給された燃料を保持しかつ、自然拡散により燃料を負極に供給すると共に、負極で燃料が酸化される際生じる電荷を集電体層にて効率よく集電する機能を発揮することができる。一方、正極側においては、取り入れた外気をガス拡散層にて保持し、かつ酸素を正極に供給すると共に、正極で酸素が還元される際に必要な電荷を集電体層にて効率よく供給する機能を発揮することができる。
【0015】
本発明において、還元剤としては、メタノール、酢酸アンモニウム、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオール、アンモニア、一酸化炭素、N−アセチル−L−システイン等を挙げることができるが、白金上で水素が酸素と反応する前に酸素と反応しなければならないので、水素の燃焼エンタルピー285.8kJ/molより低い、あるいは大きくかけ離れない燃焼エンタルピーを持つ液体で、かつ水溶性のものでなければならず、726.6kJ/molの燃焼エンタルピーを持つメタノールが望ましい。したがって、本発明の燃料電池の燃料としては、還元剤であるメタノールを水に適量添加したメタノール水溶液が好ましい。なお、メタノール濃度は、メタノールの酸化、発電、クロスオーバーに伴う消費等を考慮した上で決定される。
【0016】
本発明の燃料電池は、特に、光触媒が水を分解できるだけのエネルギーを持つ光が照射される環境下で使用される小型電子機器、例えば携帯電話、電子手帳、ノートパソコン等に組み込まれた形態で用いられることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態は一般的なものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
図1は本発明の実施の形態にかかる燃料電池を示す斜視図であり、図2は図1の破線に沿った概略断面図であり、図3は図2の破線枠内の拡大図であり、図4は同実施の形態における光触媒の水分解メカニズムを示す説明図であり、図5は同実施の形態における電解質膜の発電反応を示す模式図であり、図6は本発明にかかる燃料電池の電流−電圧曲線及び電流−電力曲線を示すグラフである。
【0019】
この実施の形態の燃料電池は、少なくとも上面である光照射面20が透明なアクリル樹脂からなる箱型の電池容器10と、この電池容器10の内部空間を上下に仕切るように設けられた電解質膜13と、電解質膜13を挟むようにその上面及び下面に積層一体化された負極11及び正極12と、負極11に電気的に接続されて電池容器10の一側壁から外部に露出した負極端子2と、正極12に電気的に接続されて電池容器10の一側壁から外部に露出した正極端子3とを備えている。
【0020】
電池容器10は、その底壁に、外気より酸素を導入する目的で、例えば2mm×5mmの外気通気孔1が複数個(この場合5個)設けられると共に、底壁下方に空間を形成するためにコーナー部に4本の脚部30が設けられている。また、電池容器10における各端子2、3とは反対側の他側壁には、電池容器10内の負極11の上方空間と連通する燃料供給口11e(例えば口径1mm)が形成されると共に、各端子2、3側の一側壁には、電池容器10内の負極11の上方空間と連通する燃料供給口11eよりも小さい余剰燃料排出口11g(例えば口径0.5mm)が形成されている。そして、電池容器10内における負極11の上方空間が燃料保持空隙11dとされ、かつ正極12の下方空間が外気貯蔵空隙12dとされている。また、燃料供給口11eの内側には、燃料保持空隙11d内の燃料が燃料供給口11eの方へ逆流しないようにする逆止弁11fが取付けられている。
【0021】
燃料保持空隙11dは、供給された液体燃料、例えば還元剤としてのメタノールを含む水溶液を負極11に供給するための空間である。燃料保持空隙11dに通じるように燃料供給口11eと余剰燃料排出口11gを設けることにより、燃料が燃料供給口11eから供給される際に、燃料保持空隙11dに滞留していた還元剤濃度の低下した液体燃料は余剰燃料排出口11gより外部の回収部へ押出され、新たな燃料供給が円滑に行われる。したがって、燃料保持空隙11dに保持される液体燃料の還元剤濃度が適正値に維持され、発電効率が安定する。また、負極への燃料供給が円滑に行われるので起動時間が速くなる。この燃料保持空隙11dの容積は、燃料電池全体の大きさにより適宜調整されるが、例えば、電池容器10の容積の10%程度とすることができる。
【0022】
燃料供給口11e及び余剰燃料排出口11gの大きさは、電池容器10の大きさに応じて適宜調整される。この場合、燃料が液体であるため、燃料供給口11eの口径が小さすぎると燃料供給が困難となるため、燃料供給口11eはある程度以上の大きさが好ましい。一方、余剰燃料排出口11gは、燃料供給口11eよりも小さくすることにより、燃料供給圧力が一時的に保たれ、好ましい。そのため、燃料保持空隙11dが保持しうる以上の燃料が供給されたときも、余剰燃料排出口11Gより余分な燃料が排出されて燃料保持空隙11d内の圧力が一定に保たれ、したがって電解質に異常な圧力がかかって破損することを防止できる。
具体的には、燃料供給口11eと余剰燃料排出口11gが略円形の場合、燃料供給口11eは口径が約4〜1mm、余剰燃料排出口11gは口径が約2〜0.5mmとされる。なお、燃料供給口11eと余剰燃料排出口11gが円形以外の場合は、その大きさは、それらが略円形の場合の断面積と略等しい断面積に換算して考えることができる。
【0023】
逆止弁11fは、液体燃料の逆流を防ぎ、その結果反応物質等による未使用燃料の汚染を防ぐことができる。逆止弁11fは、通常流体(この場合液体)の逆流を防止するために用いられるものであれば、特に限定されず、例えば燃料供給口11eに燃料を供給する際にのみ開放されるものが使用できる。供給された燃料に押出されるようにして、燃料保持空隙11dに滞留していた空気は余剰燃料排出口11gより排出される。したがって、燃料保持空隙11dで滞留していた空気は燃料供給口11eに逆流せず、かつ燃料保持空隙11dに燃料が一定に供給され、その結果安定した発電が行われる。
【0024】
外気貯蔵空隙12dは、正極12に酸素を供給するための空間である。この外気貯蔵空隙12dと連通する外気通気孔1を電池容器10の下面に形成したことにより、正極12への外気の接触を容易としつつ、異物が外気貯蔵空隙12Dから内部に侵入しないようにすることができる。この外気貯蔵空隙12dの容積は、燃料電池全体の大きさにより適宜調整されるが、例えば、電池容器10の容積の10%程度とすることができる。なお、外気通気孔1は、円形、長円形、長方形等どのような形状でもよいが、その面積としては1個当たり約0.1〜10mm2で、かつ1〜100個備えられるのが好ましい。
【0025】
外気貯蔵空隙12dに装填された外気保持材12hとしては、外気貯蔵空隙12dを完全に満たすものであっても、その一部を満たすものであってもよい。本実施の形態では、外気貯蔵空隙12dに外気保持材12hが燃料供給口11e側と余剰燃料排出口11g側に少し隙間を残す程度に装填されている。一部を満たすものである場合には、容器に備えられた外気通気孔1と正極12との間に、正極に対して全面的又は部分的に配置されてもよい。いずれの場合にも、電池容器10と正極12との間の幅に対して、任意の厚さを有するものであってもよい。外気保持材12hの備えられる形態としては、シート状、綿材をメッシュ状又はウール状にしたもの、綿材を網状に織ったもの、細線を重ねて圧縮して板状にしたもの、粒状等どのような形態であってもよい。外気保持材12hの材料としては、ニッケル、ステンレス、アルミニウム、鉄等を用いることができる。さらに、外気保持材12hをポリテトラフルオロエチレンなどで被覆することによりる撥水処理により、正極12における反応により生成した水を効率よく除去することができる。本実施の形態では、例えばφ50μmニッケル線を網状に織って形成した外気保持材12hが用いられるが、ニッケル線のほか、耐水性及び導電性に富む金属種からなる発泡金属や金属繊維でもよい。この外気保持材12hは、外気通気孔1より供給された外気を保持し、かつ自然拡散により酸素を正極12に供給する役割を果たす。
【0026】
さらに、外気保持材12hは、電気導電性を有する、具体的には室温における電気伝導率が103S/cm以上であるような、ヨウ素付加ポリアセチレンに代表される有機導電性材料(導電性高分子)、高分子材料に金属導体を分散した電気導電性樹脂などから構成してもよく、このようにすれば集電体層の役割も兼ね、したがって集電効果が向上するため、より高い電流値を得ることができる。
【0027】
電解質膜13としては、樹脂膜、具体的にはトリフルオロエチレン誘導体の共重合膜、リン酸含浸ポリベンゾイミダゾール膜等を用いることができるが、好ましくはパーフルオロスルホン酸系のデュポン社製のナフィオン膜が用いられる。この電解質膜13は、その一面である上面に負極11が、他面である下面に正極12がそれぞれ積層して一体状となっている。
【0028】
負極11は、電解質膜13側から、多孔質触媒層11bと、負極集電体層11cと、ガス拡散層11aとからなる3層構造である。多孔質触媒層11bは、10重量%白金担持のTiO2(アナターゼ型、平均粒径50μm)5g及び10重量%白金担持のカーボン5gを、結着剤及び撥水剤として働くポリテトラフルオロエチレンや固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合し、カーボンペーパーなどの多孔質性電極上に吹きつけ、ホットプレスなどによって電解質膜13の一面(上面)に一体状に接合して形成される。
一方、正極12は、電解質膜13側から、多孔質触媒層12bと、正極集電体層12cと、ガス拡散層12aとからなる3層構造である。多孔質触媒層12bは、10重量%白金担持のカーボン5gを、結着剤及び撥水剤として働くポリテトラフルオロエチレンや固体高分子電解質を含むアルコール溶液と混合し、カーボンペーパーなどの多孔質性電極上に吹きつけ、ホットプレスなどによって電解質膜13の他面(下面)に一体状に接合して形成される。
このように電解質膜13の両面に多孔質触媒層11b及び多孔質触媒層12bを積層した後、その両面にステンレス製メッシュからなる負極集電体層11c、正極集電体層12cを積層し、かつカーボンペーパー、カーボンファイバー等の多孔質炭素材料からなるガス拡散層11a、12aを積層して、電解質膜13の両面に負極11及び正極12が一体化してなる触媒・光触媒一体型電解質膜を作製することができる。なお、集電帯11c、12cは必要であればカーボンブラック分散フッ素化合物のような導電性撥水剤を塗布するとよい。
【0029】
【実施例】
本実施の形態で作製した燃料電池を実施例とし、光触媒を添加せずに作製した燃料電池を比較例とした。なお、比較例の発電方法は、水素ボンベより純水素を0.05MPaで供給し、定電流負荷による電圧を測定した。
【0030】
実施例の発電に際しては、図2に示すように、燃料供給口11eより液体燃料である5%メタノール水溶液を供給すると、逆止弁11fが開放され、燃料保持空隙11dに滞留していた空気が余剰燃料排出口11gより押し出され、燃料保持空隙11dにメタノール水溶液が保持される。一方、高圧水銀灯を用いて光照射面20に400nm以上の波長を持つ紫外光を照射した。以下、負極11の光触媒(酸化チタンTiO2)による水分解メカニズム(及びこのときの標準水素電極(NHE)に対する酸化還元電位)を図4にて説明し、触媒・光触媒一体型電解質膜の発電における反応を図5にて説明する。
【0031】
多孔質触媒層11bにおいて、紫外光を吸収したTiO2の価電子帯にある電子e−は伝導帯のエネルギーレベルに励起され、液体燃料中の水分子H2Oを還元して水素H2を生成する。一方、TiO2の価電子帯にできたホールh+は水分子H2Oを酸化して酸素O2を生成する。酸素O2は液体燃料中のメタノール(CH2OH)と直ちに反応し、ホルムアルデヒド(HCHO)及びギ酸(CH2OOH)を生成する。このホルムアルデヒド及びギ酸は、多孔質触媒層11bに含まれる触媒である白金Pt及び生成された酸素O2によって二酸化炭素と水に分解される。なお、この二酸化炭素は、燃料電池へ液体燃料を供給する際に余剰燃料排出口11gより外部に押し出される。
【0032】
生成された水素は、多孔質触媒層11bの白金PtによりプロトンH+と電子e−に分離され、プロトンH+は電解質膜13中の水酸基により正極12へ伝達され、一方負極11側で発生した電子e−は、負極端子2と正極端子3とに電気的に接続された外部回路を通って正極12に到達し、多孔質触媒層12bで外気中の酸素O2とプロトンH+と電子e−とが反応して水H2Oが生成され、かつ燃料電池が発電する。
【0033】
発電時における実施例及び比較例の電流―電圧曲線及び電流―電力曲線を図6に示した。図6において、実線は実施例であり、破線は比較例である。図6より、実施例は、比較例より発電量は低いが、発電が起こっていることが確認された。これにより、本実施例における燃料電池は、実質的に水を燃料とし、光エネルギーを与えることによって発電したことが分かる。なお、本実施例において還元剤として使用したメタノールは数%電解質膜を透過し、電力低下を引き起こしてしまうが、希薄水溶液を用いることができるので、問題にはならない。また、実使用上のメタノール濃度は、メタノールの酸化、発電、クロスオーバーに伴う消費を考慮した上で決定する必要がある。
【0034】
【発明の効果】
本発明の燃料電池は、光触媒(A)と触媒(B)とを含有する多孔質触媒層としての負極が一体に簡便に電解質膜上に形成されたものであり、光触媒粒子表面に入射した光エネルギーによって水から水素が生成され、この水素は多孔質触媒層の触媒によりプロトンH+と電子e−に分離され、プロトンH+は電解質膜中を通って正極へ伝達され、一方負極側で発生した電子e−は外部回路を通って正極に到達し、正極で外気中の酸素とプロトンH+と電子e−とが反応して水が生成され、かつ燃料電池が発電する。したがって、簡易な構造で、かつガス供給のための装置も、改質器も必要とせず、実質的に光をエネルギー源とし、水を燃料とする携帯機器用燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる燃料電池を示す斜視図である。
【図2】図1の破線に沿った概略断面図である。
【図3】図2の破線枠内の拡大図である。
【図4】同実施の形態における光触媒の水分解メカニズムを示す説明図である。
【図5】同実施の形態における電解質膜の発電反応を示す模式図である。
【図6】本発明にかかる燃料電池の電流−電圧曲線及び電流−電力曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
13 電解質膜
11 負極
12 正極
11b 多孔質触媒層
Claims (6)
- 電解質膜を介して負極と正極とが対向して配置され、
負極が、光エネルギーによって水の分解を促進する光触媒(A)と、水の分解によって生じた水素をプロトンと電子への分解を促進する触媒(B)とを有する多孔質触媒層からなる電極で構成してなることを特徴とする燃料電池。 - 光触媒(A)が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、貴金属類及び希土類のいずれかの半導体酸化物からなる請求項1に記載の燃料電池。
- 光触媒(A)が、層状構造又はトンネル構造を有する請求項1又は2に記載の燃料電池。
- 光触媒(A)が、層状構造又はトンネル構造を有し、その構造内にプロトン又はアルカリイオンが挿入されている請求項1又は2に記載の燃料電池。
- 燃料源として水が使用され、この水中に還元剤を含有する請求項1〜4の何れか1つに記載の燃料電池。
- 還元剤が、メタノールである請求項5に記載の燃料電池。
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