JP3746047B2 - 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料として液体を用いた液体燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ラップトップコンピュータ、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れる二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウム二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
【0003】
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、空気電池、燃料電池などが考えられる(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
空気電池は、空気中の酸素を正極の活物質として利用する電池であり、電池内容積の大半を負極の充填に費やすことが可能であることから、エネルギー密度を増加させるためには好適な電池であると考えられる。しかし、この空気電池には、電解液として使用するアルカリ溶液が空気中の二酸化炭素と反応して劣化してしまうという問題がある。
【0005】
また、燃料電池については、用いる燃料に関していくつかの候補が挙げられているが、それぞれ種々の問題点を有しており、最終的な決定がいまだなされていない。例えば、燃料として純水素を用いる場合には、水素スタンドなどの燃料供給設備の整備に時間と膨大な資金が必要である。また、水素は非常に軽い可燃性ガスであるためその取り扱いが難しく、安全性の面でも問題がある。さらに、燃料としてガソリンを用い、ガソリンを改質して水素を取り出す場合には改質装置が必要となり、また改質の効率があまり高くないなどの問題もある。また、燃料としてメタノールを用いる場合には、改質メタノールを使用するときにはガソリンと同じような問題が生じ、改質せずにそのままメタノールを燃料として使用すると、出力や効率などが低くなり、さらに燃料であるメタノールが電解質膜を透過してしまう量も大きいという問題がある。
【0006】
そこで、新たな水素燃料源として水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)が注目されてきた。水素化ホウ素ナトリウムは下記反応式により水素を発生させる。
【0007】
【化1】
NaBH4 + 2H2O → NaBO2 + 4H2
【0008】
上記加水分解反応はアルカリ水溶液中では起こりにくいため、水素化ホウ素ナトリムをアルカリ水溶液中で安定に保存可能であり、新規な水素燃料源として期待されている。
【0009】
近年、燃料にNaBH4、KBH4、LiAlH4、KH、NaHなどの金属水素化物を用い、水素吸蔵合金を負極に用いたアルカリ燃料電池が開発されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。このアルカリ燃料電池は、負極に燃料が供給されて水素が発生し、この水素を一旦負極に吸収させた後に反応させ、正極では酸素が反応する。水素が負極に吸収貯蔵されることにより、放電レートに応じて水素を反応に用いることができる。また、燃料である金属水素化物は、水溶液などの液体に溶解させて用いられる。特に、NaBH4はアルカリ水溶液中で安定であるので、アルカリ水溶液に溶解させて用いられる。このアルカリ燃料電池は、燃料および酸素の供給さえ行えば連続的に使用することができる。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第3419900号明細書
【0011】
【特許文献2】
特開昭60−54177号公報
【0012】
【特許文献3】
米国特許第5599640号明細書
【0013】
【特許文献4】
特開2002−289252号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記アルカリ燃料電池に金属水素化物水溶液を燃料として供給すると、燃料である金属水素化物と負極である水素吸蔵合金とが接することにより金属水素化物の加水分解反応が起こり、燃料電池が発電をしていなくても燃料中の金属水素化物の分解反応が継続する。この場合、水素吸蔵合金と金属水素化物との反応で生成した水素は発電に利用されることはなく、燃料を無駄に消費してしまうことになる。このため準備した燃料の一部しか電力として取り出すことができず、燃料電池のエネルギー密度を大きく低下させる原因となっていた。
【0015】
ここで、燃料の負極への供給をコントロールする補器を用いることで、燃料の無駄な消費は抑制できる。しかし、この場合、補器を具備することにより燃料電池全体の体積が大きくなってしまう。加えて、燃料電池の構造が複雑になり、燃料電池を小型ポータブル電源として用いることが困難となる。
【0016】
これに対し、正極、電解質層および負極に弾力性を付与し、負極と燃料とが反応して発生する水素ガスを燃料と負極の間に貯めることにより、発電しているときのみ負極と燃料が接触するようにした燃料電池も考えられる。例えば、正極、電解質層および負極の一体化物に弾力性を付与し、水素ガスが発生すると、この一体化物が燃料とは反対側に湾曲することにより、負極と燃料との接触を遮断する方法が考えられる。
【0017】
しかし、上記方法では負極に水素吸蔵合金を用いた電極では、上記機能を実現できるような弾力性を与えることは難しい。また、上記方法では負極と燃料との間の水素ガスに高い圧力がかかるため、水素ガスが正極側に流出するおそれがある。これを防ぐためには、電解質層にガスを透過しない膜状のイオン伝導性電解質を配置する必要があり、コスト高になる。さらに、上記一体化物が変形を繰り返すため、正極から触媒層、または負極から水素吸蔵合金が脱落しやすくなり、電極の耐久性にも問題がある。
【0018】
本発明は、発電停止時または低率発電時における液体燃料の反応を抑制するとともに、水素ガスの吸収を増大させることにより、エネルギー密度の高い液体燃料電池を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸素を還元する正極と、水素吸蔵材料を含む負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵部とを含む液体燃料電池であって、
前記負極の表面部には、液体燃料から発生する気体を集めて保持することができる気体保持部が設けられ、
前記気体保持部は、液体燃料から発生する気体を保持することにより、液体燃料と前記負極との接触を遮断することを特徴とする液体燃料電池を提供する。
【0020】
また、本発明は、複数の発電要素が電気的に接続された発電装置であって、
複数の前記発電要素の少なくとも一つが上記液体燃料電池であることを特徴とする発電装置を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
本発明の液体燃料電池の一実施形態は、酸素を還元する正極と、水素吸蔵材料を含む負極と、正極と負極との間に設けられた電解質層と、液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵部とを含み、負極の表面部には、液体燃料から発生する気体を集めて保持することができる気体保持部が設けられ、この気体保持部は、液体燃料から発生する気体を保持することにより、液体燃料と負極との接触を遮断することができる。
【0023】
負極と液体燃料との接触部に液体燃料から発生した気体を集めて保持することができる気体保持部を設けることにより、液体燃料電池の発電停止時または低率発電時において負極と液体燃料とが反応して発電に利用されない水素が発生すると、その水素が気体保持部に蓄積される。この気体保持部に水素が蓄積されると、負極と液体燃料との接触がこの蓄積された水素により遮断され、負極と液体燃料との反応が停止する。これにより、液体燃料の無駄な消費を抑制することができ、液体燃料電池のエネルギー密度を向上できる。なお、液体燃料電池の通常の発電時には気体保持部の水素が消費され、この気体保持部には液体燃料貯蔵部から新たに液体燃料が流入し、再び負極と液体燃料とが接触することにより、負極と液体燃料とが反応して水素が発生し、発電を継続できる。
【0024】
気体保持部の構造としては、液体燃料が流入する開口部を備えるとともに、発生した気体を負極の液体燃料側の表面に保持することができる構造であれば、特にその種類は限定されるものではない。例えば、負極の液体燃料側の表面に発生した水素ガスを集めることができるように、液体燃料貯蔵部(例えば、燃料タンク)と負極との間に仕切り部材(例えば、仕切り板)によりガス蓄積部を形成する構造、または、負極の表面に複数のセルを形成する構造などにより、気体保持部の機能を発揮させることができる。また、気体保持部は負極の液体燃料側の表面部だけに限定して設けられるものではなく、液体燃料貯蔵部と気体保持部とを繋ぐ開口部より上部に位置していれば、他の位置に拡張して設けることもできる。
【0025】
気体保持部の材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼などの耐食性金属から構成することができるが、液体燃料中で化学的に安定であり、気体を透過しない材料であれば特にその種類は限定されない。
【0026】
負極の気体保持部側の表面には撥水処理が施されていることが好ましい。気体保持部に蓄積した水素を利用して発電する際、負極表面に撥水処理を施していると負極の水素吸蔵材料への水素の吸収が速やかに起こるからである。
【0027】
また、この撥水処理は、負極の表面にフッ素樹脂を塗布することによりなされていることが好ましい。フッ素樹脂は撥水性に優れているからである。このフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどを使用することができる。
【0028】
また、負極の気体保持部側の表面には水素を原子状に解離させる機能および水素を酸化する機能から選択された少なくとも一つの機能を備えた触媒が付与されていることが好ましい。水素を原子状に解離させる機能を備えた触媒を付与すると、水素吸蔵材料への水素の吸収を促進することができる。また、水素を酸化する機能を備えた触媒を付与すると、水素の酸化を促進して、負極での放電を補助することができる。なお、この触媒は負極に含有させてもよい。
【0029】
この触媒は、燃料電池の使用温度で水素を原子状に解離させる機能または水素を酸化する機能を備えていればよく、例えば、Pt、Pd、Rh、Niなどの金属を用いることができる。この中でも特にPtは上記触媒機能に優れているため、好適に用いることができる。
【0030】
また、この触媒は、多孔性のカーボンに担持されていることが好ましい。触媒を多孔性のカーボンに担持することにより、触媒全体の表面積を増加でき、水素と触媒との反応面積が増加して、水素の解離または酸化反応を促進することができるからである。
【0031】
また、触媒を担持する担体はカーボンが好ましい。触媒が水素を酸化するときに電子移動を伴うが、その際に導電性を有するカーボンを用いると反応が円滑に進行するからである。
【0032】
また、水素吸蔵材料としては、水素吸蔵合金またはカーボンナノチューブが好ましい。これらは、水素の吸蔵能力に優れているからである。
【0033】
また、液体燃料に含まれる金属水素化物としては、負極である水素吸蔵材料と接することにより金属水素化物の加水分解反応が起こる物質であればよく、中でもNaBH4、KBH4、LiAlH4、KHおよびNaHからなる群から選択された少なくとも一つであることが好ましい。これらは、水に容易に溶解でき、また単位質量当たりの水素供給量が多いからである。
【0034】
また、電解質層としては、KOH、NaOHおよびLiOHからなる群から選択された少なくとも一つを溶解した水溶液を含んでいることが好ましい。高いイオン伝導性を付与できるからである。
【0035】
気体保持部に生成した水素を酸化するために、負極の一部に水素を酸化する機能を有するガス拡散電極をさらに配置することも有効である。水素吸蔵材料を含む負極の表面では金属水素化物との触媒反応を行わせ、ガス拡散電極では気体保持部に生成した水素の酸化反応を行わせることにより、負極の表面に水素を酸化する機能を有する層を形成するよりも、効率よく気体保持部に生成した水素を消費することができるからである。
【0036】
ガス拡散電極は、水素を原子状に解離させる機能または水素を酸化する機能を備えた触媒を含んでいる。その触媒としては、例えば、Pt、Pd、Rh、Niなどの金属を用いることができる。この中でも特にPtは上記触媒機能に優れているため、好適に用いることができる。
【0037】
また、この触媒は、多孔性のカーボンに担持されていることが好ましい。触媒を多孔性のカーボンに担持することにより、触媒全体の表面積を増加でき、水素と触媒との反応面積が増加して、水素の解離または酸化反応を促進することができるからである。
【0038】
また、触媒を担持する担体はカーボンが好ましい。触媒が水素を酸化するときに電子移動を伴うが、その際に導電性を有するカーボンを用いると反応が円滑に進行するからである。
【0039】
また、ガス拡散電極はフッ素樹脂を含むことが好ましい。フッ素樹脂は撥水性に優れているからである。このフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどを使用することができる。
【0040】
一方、一つの液体燃料電池だけでは起電力が1.23V以下であり、多くの電子機器を駆動するには起電力が不足する。そこで、複数の液体燃料電池を直列に接続して発電装置を構成することにより、様々な電子機器を駆動することのできる起電力が得られる。
【0041】
高い起電力の発電装置を構成するために、本発明の液体燃料電池と他の発電要素、例えば、上記液体燃料電池以外の燃料電池、二次電池、キャパシターとを直列に接続することもできる。また、液体燃料電池と並列に、液体燃料電池より短時間の高率放電特性に優れたキャパシターあるいは二次電池を接続することにより、高率放電特性に優れたエネルギー密度の高い発電装置を構成することができる。
【0042】
液体燃料電池と直列または並列に接続する発電要素としては、燃料として水素および酸素を用いて発電する燃料電池が好ましい。これにより、酸素としては空気中の酸素が利用できるため、酸素用の特別な貯蔵部を必要とすることなく、酸素を還元する電極だけあればよく、エネルギー密度が高い電池を構成できる。また、水素としては本発明の液体燃料電池において、金属水素化物と水素吸蔵合金との反応により発生する水素を利用できるため、液体燃料電池用の金属水素化物用貯蔵部以外の新たな水素用の貯蔵部を必要としない。
【0043】
同一発電装置内において、水素を燃料とする燃料電池を、本発明の液体燃料電池と直列あるいは並列に接続する場合、液体燃料電池の気体保持部から、水素を燃料とする燃料電池の水素極部(負極部)へ、水素を導くための導管を設けることが好ましい。これにより、液体燃料電池から発生した水素を利用することで、水素を燃料とする燃料電池のための水素貯蔵部を新たに設ける必要がなくなり、発電装置を小型化できるからである。
【0044】
液体燃料電池の負極と液体燃料との接触部に液体燃料から発生する気体を集めて保持することができる気体保持部を設けることにより、液体燃料電池の発電停止時または低率発電時において負極と液体燃料とが反応して発電に利用されない水素が発生すると、その水素が気体保持部に蓄積される。この蓄積された水素は導管により他の水素を燃料とする燃料電池の水素極部へ導かれる。この気体保持部および水素極部に水素が蓄積されると、負極と液体燃料との接触がこの蓄積された水素により遮断され、負極と液体燃料との反応が停止する。これにより、液体燃料の無駄な消費を抑制することができ、液体燃料電池のエネルギー密度を向上できる。なお、液体燃料電池の通常の発電時には水素極部および気体保持部の水素が消費され、この気体保持部には液体燃料貯蔵部から新たに液体燃料が流入し、再び負極と液体燃料とが接触することにより、負極と液体燃料とが反応して水素が発生し、発電を継続できる。
【0045】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0046】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における液体燃料電池の断面図である。図1に示した液体燃料電池は、図中の底面11を下側にして設置されて用いる。正極1は、例えば、多孔質炭素粉末に触媒を担持した炭素粉末からなるカーボン層1bと、ポリテトラフルオロエチレンからなる気液分離シート1aとを積層して構成される。正極1は酸素を還元する機能を有しており、多孔質炭素粉末に触媒を担持することによりその性能を向上させることができる。その触媒には、銀、白金、ルテニウム、酸化イリジウム、希土類酸化物、酸化マンガン、または銀、白金、ルテニウムを少なくとも一つ含む合金などが用いられる。また、正極1のカーボン層1bには、撥水性を付与するためポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子が含有されている。
【0047】
負極2は、水素吸蔵材料を導電性基体に固着して形成され、燃料を酸化する機能を有している。水素吸蔵材料としては、水素吸蔵合金、またはカーボンナノチューブなどの炭素材料を用いることができ、特に水素吸蔵合金が適している。その水素吸蔵合金としては特にその種類は限定されることはないが、例えば、LaNi5で代表されるAB5型水素吸蔵合金、ZnMn2またはその置換体で代表されるAB2型水素吸蔵合金、Mg2Niまたはその置換体で代表されるマグネシウム系のA2B型水素吸蔵合金、固溶体型バナジウム系水素吸蔵合金などを用い得る。それらの中でも、希土類元素の混合物であるミッシュメタル(Mm)を用い、且つNiの一部をCoなどで置換したMmNi5系のAB5型水素吸蔵合金が特に好適に用いられる。耐久性および水素の吸蔵・放出の能力に優れているからである。
【0048】
負極2の導電性基体としては、電解質に対して耐食性を持つ材料からなり、水素吸蔵材料から電気的な接触が得られる基体であればよく、例えば、ニッケル製またはニッケルメッキした鉄製のパンチングメタル、発泡金属体などが用いられる。
【0049】
負極2の水素吸蔵材料を導電性基体に固着させるための結着剤としては、電解質中で化学的に安定で粘着性を有する材料であればよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ラテックスなどを用いることができる。中でもポリテトラフルオロエチレンは負極2に撥水性を付与することから好適に用いられる。
【0050】
本実施形態に用いる電解質としては、液状のものであれば種々のものを用い得るが、特にアルカリ水溶液が好適に用いられる。このアルカリ水溶液としては、例えば、KOH、NaOH、LiOHなどのアルカリ金属の水酸化物を10〜40質量%程度水に溶解したものが好ましく、複数のアルカリ金属の水酸化物を含んでいる混合電解質も用いることができる。
【0051】
上記電解質を保持して電解質層を構成するため、正極1と負極2との間にセパレータ3を配置する。セパレータ3の材質は電解質に対して安定であれば特にその種類は限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどからなる不織布が用いられる。また、電解質溶媒に水を用いる場合、セパレータ3の表面を親水化処理することが好ましい。
【0052】
液体燃料の水素供給源としては金属水素化物が用いられるが、その金属水素化物としては、例えば、NaBH4、KBH4、LiBH4、LiAlH4、NaAlH4、KAlH4、KH、NaHなどが用いられ、特にNaBH4が好適に用いられる。NaBH4は、水またはアルカリ水溶液中で他の金属水素化物より安定であり、また、水素吸蔵合金との反応も穏やかだからである。水素供給源である金属水素化物は、液体電解質に溶解または混合された状態で用いることができる。
【0053】
正極1、電解質層を構成するセパレータ3および負極2は、それぞれシート状の形状であり、正極1、セパレータ3、負極2の順に積層されて、電極・電解質一体化物を構成している。この電極・電解質一体化物は、積層方向が電池の底面11と平行になるように配置されている。
【0054】
負極2のセパレータ3と反対側には液体燃料4を貯蔵する燃料タンク5が隣接して設けられている。燃料タンク5は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂や、ステンレス鋼などの耐食性金属から構成されている。ただし、燃料タンク5を金属で構成する場合で、複数のセルを直列に接続して燃料電池モジュールを構成する場合は、それぞれのセル同士が電気的に短絡しないように燃料タンク5の表面を絶縁体で被覆する必要がある。
【0055】
負極2と液体燃料4との接触部には、液体燃料4から発生した気体を集めて保持することができる気体保持部6が設けられている。本実施形態の気体保持部6は、液体燃料貯蔵部である燃料タンク5と負極2との間に設けられた仕切り板5aにより形成され、負極2の下端よりも下方に設けられた開口部6aを通して燃料タンク5と通じている。液体燃料電池の発電停止時または低率発電時において負極2と液体燃料4が反応して生成する水素ガス4a(図1では水素ガスの気泡を示す。)は気体保持部6に集められて水素ガス4bとして蓄積され、その蓄積部分において負極2と液体燃料4とは接触しなくなる。その結果、液体燃料4の加水分解反応は停止して水素ガスの発生は抑制される。
【0056】
次に、燃料電池の通常の発電が開始されると、負極2中の水素濃度が低下するため、負極2の表面から気体保持部6内に蓄積された水素ガス4bが吸収される。その結果、気体保持部6内の水素ガス4bが減少するため液体燃料4が開口部6aを通して気体保持部6内に流入して、負極2と液体燃料4とが再び接触して加水分解反応が連続して起こることになる。
【0057】
また、正極1のセパレータ3と反対側にはカバー板7が設けられており、カバー板7の正極1と接する部分には空気孔8が設けられている。これにより、空気孔8を通して大気中の酸素が正極1と接することができる。
【0058】
正極1および負極2には集電体9が接続されており、集電体9は、例えば、白金、金などの貴金属や、ニッケルもしくはニッケルメッキをした耐食性金属、またはカーボンなどから構成されている。
【0059】
燃料タンク5には液体燃料4を供給するための燃料供給口10が設けられている。液体燃料4は燃料供給口10から供給されて燃料タンク5に補充される。燃料電池が発電するときは、燃料供給口10は気液分離膜10aにより密閉されて液体燃料4が液体燃料電池より漏れないようにするとともに、気体保持部6の気体が減少した際に大気を燃料タンク5内に導くことで、液体燃料4の移動を円滑にしている。
【0060】
(実施形態2)
図2は、本発明の実施形態2における液体燃料電池の断面図(a)とその一部拡大図(b)である。本実施形態の気体保持部6は、負極2の表面に形成された複数のセルからなり、そのセルの中央部に設けられた開口部6aを通して燃料タンク5と通じている。また、本実施形態では、セル内から水素ガスが放出されないように開口部6aの開口径を小さく、例えば2mm以下にすることが好ましい。さらに、液体燃料電池をどのような方向に設置してもセル内の水素ガスが外部に放出されないようにするためには、開口部6aの開口径を1mm以下に形成することがより好ましい。以上で述べた構成以外は、実施形態1と同様の構成である。なお、図3は、本実施形態の気体保持部6の一部を示す正面図である。
【0061】
本実施形態では、液体燃料電池の発電停止時または低率発電時において負極2と液体燃料4とが反応して生成する水素ガスは各気体保持部6のセル内に集められて蓄積され、負極2と液体燃料4とは接触しなくなる。その結果、液体燃料4の加水分解反応は停止して水素ガスの発生は抑制される。
【0062】
次に、液体燃料電池の通常の発電が開始されると、負極2中の水素濃度が低下するため、負極2の表面から各気体保持部6のセル内に蓄積された水素ガスが吸収される。その結果、セル内の水素ガスが減少するため、液体燃料4が開口部6aを通してセル内に流入して、負極2と液体燃料4とが接触して加水分解反応が連続して起こることになる。
【0063】
(実施形態3)
本実施形態は、負極2の気体保持部6側の表面に撥水処理が施されていること以外は、実施形態1と同様の構成である。この撥水処理は、例えば、負極2の気体保持部6側の表面にポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂のディスパージョンを塗布することにより行うことができる。
【0064】
(実施形態4)
本実施形態は、負極2の気体保持部6側の表面に、さらに水素を原子状に解離させる機能および水素を酸化する機能を備えた触媒が付与されていること以外は、実施形態3と同様の構成である。この触媒としては、例えば白金微粒子などを用いることができる。
【0065】
(実施形態5)
本実施形態は、水素を原子状に解離させる機能および水素を酸化する機能を備えた触媒をカーボンに担持して用いたこと以外は、実施形態4と同様の構成である。
【0066】
(実施形態6)
図4は、本発明の実施形態6における液体燃料電池の断面図である。本実施形態は、負極2の上部をガス拡散電極13にしたこと以外は、実施形態1と同様の構成である。このガス拡散電極としては、実施形態1のカーボン層1bと同様の構成のものを用いることができ、その触媒としては、水素を酸化する機能を有する白金を用いることができる。
【0067】
(実施形態7)
図5は、本発明の実施形態7における液体燃料電池の断面図である。本実施形態は、実施形態1の気体保持部6の上部に気体保持部6bを拡張したこと以外は、実施形態1と同様の構成である。
【0068】
(実施形態8)
図6は、本発明の実施形態8における液体燃料電池の断面図である。本実施形態は、実施形態1の気体保持部6の下部に気体保持部6bを拡張したこと以外は、実施形態1と同様の構成である。
【0069】
(実施形態9)
図7は、本発明の実施形態9における液体燃料電池の断面図である。本実施形態は、実施形態1の気体保持部6と燃料タンク5とが別々に分離して設けられていること以外は、実施形態1と同様の構成である。
【0070】
(実施形態10)
図8は、本発明の実施形態10における液体燃料電池の断面図である。本実施形態は、実施形態1の燃料タンク5が液体燃料電池本体から取り外し可能にして、燃料タンク5と液体燃料電池本体との接続部に、液体燃料4が漏れないようにOリング14を設けたこと以外は、実施形態1と同様の構成である。
【0071】
(実施形態11)
図9は、本発明の実施形態11における発電装置の外観斜視図である。本実施形態は、実施形態1の液体燃料電池を発電要素部20として10個用い、内部で電気的に直列に接続して発電装置を構成したものである。なお、図9において、5は燃料タンクに相当する部分である。
【0072】
(実施形態12)
本実施形態は、発電要素部20として、実施形態1の液体燃料電池を1個、および固体高分子型燃料電池を9個用いたこと以外は、実施形態11と同様の構成である。
【0073】
図10は、本発明の実施形態12における液体燃料電池(a)と固体高分子型燃料電池(b)との接続関係を示した断面図である。液体燃料電池(a)の気体保持部6は、図10に示すように固体高分子型燃料電池(b)の気体保持部6と連結されており、液体燃料電池(a)の負極2の表面で発生した水素ガス4a、4bを固体高分子型燃料電池(b)の負極2’において酸化することで、固体高分子型燃料電池(b)も発電することができる。
【0074】
以下、固体高分子型燃料電池(b)について説明する。固体高分子型燃料電池(b)は、水素および酸素から発電する燃料電池であり、正極1’と、負極2’と、それらの間に設けられた固体電解質膜15とを備えている。その負極2’は、触媒を担持した炭素粉末、プロトン伝導性物質、およびフッ素樹脂バインダから構成することができる。負極2’は水素を酸化する機能を有しており、その触媒には、例えば、白金微粒子や、鉄、ニッケル、コバルト、錫、ルテニウムまたは金などと白金との合金微粒子などが用いられるが、これらに限定されることはない。担体である炭素粉末としては、例えばBET比表面積が10〜2000m2/gのカーボンブラックなどが用いられる。この炭素粉末に上記触媒を例えばコロイド法を用いて担持する。炭素粉末と触媒との質量比は、炭素粉末100質量部に対して、触媒を5〜400質量部とすることが好ましい。5質量部未満では十分な触媒活性が得られず、400質量部を超えると触媒の粒子径が大きくなってしまうため、触媒活性が低下してしまうからである。
【0075】
上記プロトン伝導性物質としては、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂などのスルホン酸基を有する樹脂を用いることができるが、これらに限定されることはない。このようなプロトン伝導性物質の量は、上記触媒担持炭素粉末100質量部に対して、2〜200質量部とすることが好ましい。2質量部未満では十分なプロトン伝導性が得られず、200質量部を超えると電子抵抗が大きくなってしまうため、電池性能が低下してしまうからである。
【0076】
また、上記フッ素樹脂バインダとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどを用いることができる。このバインダの量は、上記触媒担持炭素粉末100質量部に対して、0.01〜100質量部とすることが好ましい。0.01質量部未満では十分な結着性が得られず、100質量部を超えると電子抵抗が大きくなってしまうため、電池性能が低下してしまうからである。
【0077】
次に、これらの材料を用いて負極2’を作製する方法ついて説明する。先ず、上記材料を水と有機溶剤とに均一に分散させる。この分散液中の固形分量は、分散液の全質量に対して1〜70質量%とするのが好ましい。1質量%未満では十分な粘性が得られず、作業性が悪くなり、70質量%を超えると粘性が高くなりすぎて、これも作業性が悪くなってしまうからである。上記分散は、例えば、ボールミル、ホモジナイザー、超音波分散機などを用いて行うことができるが、これらに限定されない。分散して得られたスラリーを、拡散層16に塗布して乾燥する。続いて、熱プレスを行うことで、負極2’が形成される。熱プレスの温度は、100〜160℃とすることが好ましい。プレスの圧力は3〜50MPaが好ましい。3MPa未満では電極形成が十分でなく、50MPaを超えると電極内のポアがつぶれてしまい、電池性能が低下してしまうからである。
【0078】
拡散層16は、導電性を有し、ガスを透過する膜状の形態をしていればよく、例えば、多孔性の炭素材料からなるカーボンペーパー、カーボンクロスなどを用いることができる。
【0079】
また、正極1’は、例えば、負極2’と同様に構成することができる。
【0080】
固体電解質膜15は、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能な材料により構成される。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂膜、具体的には、デュポン社製の“ナフィオン”(商品名)膜、旭硝子社製の“フレミオン”(商品名)膜、旭化成工業社製の“アシプレックス”(商品名)膜などを用いることができる。その他では、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂膜、スルホン化ポリイミド樹脂膜、硫酸ドープポリベンズイミダゾール膜などからも構成することができる。
【0081】
これらの正極1’、負極2’により固体電解質膜15を挟持し、熱プレスで圧着する。熱プレスの温度は、100〜180℃に設定することが好ましい。プレスの圧力は3〜50MPaが好ましい。100℃未満、3MPa未満では電極形成が十分でなく、180℃または50MPaを超えると電極内のポアがつぶれてしまい、電池性能が低下してしまうからである。
【0082】
正極1’および負極2’の固体電解質膜15と反対側の面には、それぞれ集電板17が配置されている。集電板17は、例えば白金、金、ステンレス、ニッケル、または金などと白金との合金などが用いられる。集電板17には酸素または水素を各電極に透過させるため、多数の孔が設けられている。
【0083】
負極2’の固体電解質膜15と反対側には、液体燃料電池(a)の液体燃料4と負極2(図の左側)とが反応して発生した水素ガス4a、4bが導かれる気体保持部6が設けられている。また、気体保持部6の側部には、仕切り板19aを介して水位調整用タンク19が設けられている。水位調整用タンク19内には、水18が貯蔵されている。
【0084】
なお、図10の(a)、(b)においては、同一の符号を付した部分は、同一の構成要素である。
【0085】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0086】
(実施例1)
以下のようにして実施形態1(図1)と同様の構造の液体燃料電池を作製した。
【0087】
正極は次のようにして作製した。カボット(CABOT)社製の炭素粉末“BP−2000”(商品名)0.25gを30cm3の蒸留水に添加して10分間混合・攪拌した後、濃度60質量%のポリテトラフルオロエチレンの水性分散液0.18gを添加し、さらに20分間混合・攪拌した。その後、n−ブタノール8cm3を添加して20分間混合・攪拌し、さらに200℃に加温して20分間混合・攪拌した後、凝集体を沈降させ、上澄みを除去して、正極触媒ペーストを得た。得られたペーストを40メッシュのニッケルメッシュ板電極支持体に塗布して乾燥し、ジャパンゴアテックス社製のポリテトラフルオロエチレンシート“ゴアテックス”(商品名、厚さ100μm、空孔率50%)フィルムに9MPaの圧力で圧着して正極とした。
【0088】
負極は次のようにして作製した。組成式:MmNi3.48Co0.74Mn0.4Al0.3(Mmは、La33質量%、Ce47質量%、Pr5質量%、Nd15質量%からなるミッシュメタル)からなる水素吸蔵合金100gに、5質量%のポリ−N−ビニルアセトアミド水溶液6g、カルボキシメチルセルロース0.1gおよび50質量%のラテックスの水性分散液1.3gを添加して混合し、負極合剤含有ペーストを得た。得られたペーストをニッケル発泡体からなる基体に塗布・充填し、乾燥して負極合剤層を形成した後、加圧成形して負極とした。
【0089】
電解質は30質量%のKOH水溶液を用い、セパレータは厚さ120μmのスルホン化ポリプロピレン製の不織布を用い、液体燃料は1.6質量%のNaBH4のアルカリ水溶液を用いた。液体燃料のアルカリ水溶液としては、29.5質量%のKOH水溶液を用いた。
【0090】
その他、燃料タンク、仕切り板およびカバー板は、ポリプロピレンで作製し、集電体はニッケル製のものを使用し、気液分離膜はポリテトラフルオロエチレン製のものを使用した。
【0091】
なお、気体保持部の容積は、燃料タンクの容積の13%とした。
【0092】
(実施例2)
実施形態2(図2)の構造を採用したこと以外は、実施例1と同様にして液体燃料電池を作製した。気体保持部のセルは、以下のようにして作製した。
【0093】
厚さ30μmのNiメッキ鋼板をエンボス加工によりピッチ2mmの凹凸を形成した。凸部の高さは0.4mmであった。この凸部の中心を直径0.6mmに打ち抜いて開口部を形成した。開口部を設けた凸部とは反対側の面を負極表面に圧着させることにより、気体保持部のセルを形成した。
【0094】
(実施例3)
負極の気体保持部側の表面に、濃度60質量%のポリテトラフルオロエチレンの水性分散液を塗布したこと以外は、実施例1と同様にして液体燃料電池を作製した。なお、ポリテトラフルオロエチレンの塗布量は、3mg/cm2とした。
【0095】
(実施例4)
負極の気体保持部側の表面に、さらに粒子径0.4μmの白金粉末を塗布したこと以外は、実施例3と同様にして液体燃料電池を作製した。なお、白金粉末の塗布量は、2mg/cm2とした。
【0096】
(実施例5)
負極の気体保持部側の表面に、さらに30質量%の白金微粒子を担持させた粒子径0.5mm以下のカーボンを塗布したこと以外は、実施例3と同様にして液体燃料電池を作製した。なお、カーボンの塗布量は、7mg/cm2とした。
【0097】
(実施例6)
実施形態6(図4)の構造を採用したこと以外は、実施例1と同様にして液体燃料電池を作製した。ガス拡散電極は実施例1のカーボン層(図4の1b)と同様の方法で作製した。ただし、カーボンの代わりに5質量%の白金微粒子を担持させた活性炭を用いた。なお、白金の塗布量は、4mg/cm2とした。また、ガス拡散電極の大きさは、負極とほぼ同一とした。
【0098】
(実施例7)
実施形態7(図5)の構造を採用したこと以外は、実施例5と同様にして液体燃料電池を作製した。なお、気体保持部の全容積は、燃料タンクの容積の16%とした。
【0099】
(実施例8)
実施形態8(図6)の構造を採用したこと以外は、実施例5と同様にして液体燃料電池を作製した。なお、気体保持部の全容積は、燃料タンクの容積の16%とした。
【0100】
(実施例9)
実施形態9(図7)の構造を採用したこと以外は、実施例5と同様にして液体燃料電池を作製した。なお、気体保持部の容積は、燃料タンクの容積の13%とした。
【0101】
(実施例10)
実施形態10(図8)の構造を採用したこと以外は、実施例5と同様にして液体燃料電池を作製した。なお、気体保持部の容積は、燃料タンクの容積の30%とした。
【0102】
(実施例11)
実施形態11(図9)の構造を採用し、実施例6で作製した液体燃料電池を、正極が側面に並ぶように10個配置した。それぞれの液体燃料電池は電気的に直列に接続して発電装置を構成した。
【0103】
(実施例12)
実施例6で作製した液体燃料電池を1個、および他の固体高分子型燃料電池を9個用いたこと以外は、実施例11と同様にして発電装置を作製した。また、液体燃料電池の気体保持部は、図10に示したように固体高分子型燃料電池の気体保持部と連結した。それぞれの液体燃料電池および固体高分子型燃料電池は電気的に直列に接続して発電装置を構成した。
【0104】
本実施例で用いた固体高分子型燃料電池は、次のようにして作製した。正極は、先ず、ライオンアクゾ社製の"ケッチェンブラックEC"(商品名)を50質量部、平均粒子径3nmの白金微粒子を50質量部担持した白金担持カーボンを10質量部、エレクトロケム(Electrochem)社製のプロトン伝導性物質"ナフィオン"(商品名、固形分濃度5質量%)溶液を75質量部、フッ素樹脂バインダとしてダイキン社製のポリテトラフルオロエチレンエマルジョン溶液"D1"(商品名、エマルジョン濃度60質量%)を10質量部および水を5質量部準備した。これらをホモジナイザーで混合・分散し、拡散層であるカーボンクロスに白金量が0.3mg/cm2になるように塗布して乾燥した。次に、120℃、10MPaの条件で2分間熱プレスを行い電極として成型し、正極を得た。
【0105】
負極は、先ず、上記"ケッチェンブラックEC"を50質量部、平均粒子径3nmの白金ルテニウム合金微粒子(合金質量比1:1)を50質量部担持した白金担持カーボンを10質量部、上記"ナフィオン"溶液を75質量部、上記ポリテトラフルオロエチレンエマルジョン溶液"D1"を5質量部および水を10質量部準備した。これらをホモジナイザーで均一に混合・分散し、拡散層であるカーボンクロスに白金ルテニウム合金量が0.3mg/cm2になるように塗布して乾燥した。次に、120℃、10MPaの条件で2分間熱プレスを行い電極として成型し、負極を得た。
【0106】
固体電解質膜は、デュポン社製の"ナフィオン117"(商品名)を用い、正極および負極でこの固体電解質膜を挟持し、120℃、10MPaの条件で3分間熱プレスを行った。
【0107】
集電板は、厚さ1mmのステンレス板(SUS316)に金製のリード線を取り付けたものを用いた。
【0108】
(比較例1)
図11は、比較例1における従来の液体燃料電池の断面図である。本比較例は、気体保持部および気液分離膜を備えていないこと以外は、実施例1と同様の構成である。ただし、燃料供給口10は、樹脂栓10’aで封口した。本比較例では、液体燃料4と負極2とは常に接触しているため、液体燃料電池の発電停止時においても水素ガス4a(図11では水素ガスの気泡を示す。)が発生し続けることになり、液体燃料4の一部が無駄に消費されることになる。
【0109】
(比較例2)
図12は、比較例2における従来の液体燃料電池の断面図である。本比較例では、燃料タンク5に発生した水素ガス4a(図12では水素ガスの気泡を示す。)を排出するための気液分離膜12aおよび気液分離孔12bを設けたこと以外は、比較例1と同様の構成である。
【0110】
実施例1〜10、比較例1、2の各電池に液体燃料をフル充填し、正負端子間をオープンにした状態で観察した。その結果、実施例1〜10の電池では、すべて観察開始から10分以内に水素ガスの発生は停止した。これに対し、比較例1の電池では水素ガスの発生が継続し、電池内の圧力が上昇して正極のポリエチレンテレフタレートシートが破損し、電池として機能しなくなった。一方、比較例2の電池は、気液分離孔を設けたので電池内の圧力は上昇しなかったが、液体燃料中の水素化ホウ素ナトリウムがすべて加水分解されるまで水素ガスの発生が継続した。
【0111】
次に、実施例1〜10および比較例2の各電池から使用済みの液体燃料を全て排出した後、新たに液体燃料をフル充填し、10mA/cm2の電流密度で電池電圧が0.5Vになるまで定電流放電を行い、放電容量を測定した。その結果を表1に示す。放電容量は、実施例1の放電容量を100%としたときの相対値で示した。
【0112】
【表1】
【0113】
表1において、実施例1、2に比べて実施例3の放電容量が大きいのは、負極表面に撥水処理を施したことにより、負極による水素ガスの吸収量が増加したためと考えられる。また、実施例3に比べて実施例4の放電容量が大きいのは、負極表面の撥水処理に加えて、白金触媒を塗布したことにより、さらに負極による水素ガスの吸収量が増加したためと考えられる。さらに、実施例4に比べて実施例5の放電容量が大きいのは、負極表面の撥水処理、白金触媒塗布に加えて、触媒をカーボンに担持させたので、触媒の反応面積が増大し、さらに負極による水素ガスの吸収量が増加したためと考えられる。
【0114】
一方、実施例6が実施例5より大きい放電容量を示したのは、負極の上部に水素を酸化する機能を有するガス拡散電極を配置したことにより、水素酸化能力および分極特性が向上したためと考えられる。実施例7、8および9は実施例5とは気体保持部の構造が異なるが、実施例5とほぼ同じか、または少し大きい放電容量であった。この結果から、気体保持部が負極の表面に位置しており、気体保持部と液体燃料貯蔵部の仕切り板の下部に開口部を有していれば、放電容量を維持または増加させる効果が得られることが分かる。
【0115】
また、実施例10は実施例5と同様な構造であるが、液体燃料貯蔵部が取り外して交換できるようになっている。放電容量は実施例8、9と同程度であり、放電容量の増加が認められた。また、液体燃料貯蔵部を取り外して交換できることから、燃料の入れ替えが簡便になるという効果も得られた。
【0116】
実施例11では実施例6の液体燃料電池を10個直列に接続して発電装置を構成した。その結果、開回路電圧9.5V、駆動電圧6〜9.5Vになり、高い電力が得られた。実施例12では実施例6の液体燃料電池を1個と固体高分子型燃料電池を9個直列に接続した結果、開回路電圧9.5V、駆動電圧6〜9.5Vになり、高い電力が得られた。さらに、液体燃料電池の気体保持部と9個の固体高分子型燃料電池の気体保持部とを連結することにより、固体高分子型燃料電池は液体燃料電池の負極で発生する水素ガスを燃料として発電できた。加えて、実施例11の場合、10個の液体燃料電池の液体燃料貯蔵部に、別々に燃料を補給しなければならなかったが、実施例12では発電装置内の液体燃料電池の数が1個であるので、燃料は1個の液体燃料貯蔵部に供給するだけで燃料補給が完了するので、燃料交換が簡便になった。
【0117】
なお、実施例1に比べて比較例2の放電容量が小さいのは、比較例2では気体保持部を設けていないので、放電電流の大きさに関係なく一定量の液体燃料が負極と反応しつづけ、放電反応に使用されなかった水素ガスが電池外に放出されたためと考えられる。これに対して、実施例1では気体保持部を設けているので、放電反応に使用されなかった水素ガスは電池内に蓄積されるとともに、水素ガスの蓄積部分近傍の負極からは水素ガスが発生しなくなるため、液体燃料が効率よく使用できたものと考えられる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、発電停止時または低率発電時における液体燃料の反応を抑制するとともに、水素ガスの吸収を増大させることにより、エネルギー密度の高い液体燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における液体燃料電池の断面図である。
【図2】本発明の実施形態2における液体燃料電池の断面図(a)とその一部拡大図(b)である。
【図3】本発明の実施形態2の気体保持部の正面図である。
【図4】本発明の実施形態6における液体燃料電池の断面図である。
【図5】本発明の実施形態7における液体燃料電池の断面図である。
【図6】本発明の実施形態8における液体燃料電池の断面図である。
【図7】本発明の実施形態9における液体燃料電池の断面図である。
【図8】本発明の実施形態10における液体燃料電池の断面図である。
【図9】本発明の実施形態11および12における発電装置の外観斜視図である。
【図10】本発明の実施形態12における液体燃料電池と固体高分子型燃料電池の接続関係を示した断面図である。
【図11】比較例1における従来の液体燃料電池の断面図である。
【図12】比較例2における従来の液体燃料電池の断面図である。
【符号の説明】
1、1’ 正極
1a 気液分離シート
1b カーボン層
2、2’ 負極
3 セパレータ
4 液体燃料
4a 水素ガスの気泡
4b 蓄積された水素ガス
5 燃料タンク(液体燃料貯蔵部)
5a 仕切り板(仕切り部材)
6 気体保持部
6a 開口部
6b 拡張した気体保持部
7 カバー板
8 空気孔
9 集電体
10 燃料供給口
10a 気液分離膜
10’a 樹脂栓
11 底面
12a 気液分離膜
12b 気液分離孔
13 ガス拡散電極
14 Oリング
15 固体電解質膜
16 拡散層
17 集電板
18 水
19 水位調整用タンク
19a 仕切り板
20 発電要素部
Claims (20)
- 酸素を還元する正極と、水素吸蔵材料を含む負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵部とを含む液体燃料電池であって、
前記液体燃料貯蔵部と前記負極との間に、開口部を有する仕切り部材を備え、
前記仕切り部材は、前記負極の表面部に気体保持部を形成し、
前記気体保持部は、前記開口部より上部に位置し、
前記気体保持部は、液体燃料から発生する水素を保持することにより、液体燃料と前記負極との接触を遮断することを特徴とする液体燃料電池。 - 前記気体保持部が、前記開口部より上部であって前記負極の表面部以外の位置まで拡張して設けられている請求項1に記載の液体燃料電池。
- 前記液体燃料貯蔵部が、脱着可能に形成されている請求項1または2に記載の液体燃料電池。
- 前記負極の気体保持部側の表面には撥水処理が施されている請求項1〜3のいずれかに記載の液体燃料電池。
- 前記撥水処理が、前記負極の表面にフッ素樹脂を塗布することによりなされている請求項4に記載の液体燃料電池。
- 前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドおよびポリクロロトリフルオロエチレンからなる群から選択された少なくとも一つである請求項5に記載の液体燃料電池。
- 前記負極の気体保持部側の表面には水素を原子状に解離させる機能および水素を酸化する機能から選択された少なくとも一つの機能を備えた触媒が付与されている請求項1〜6のいずれかに記載の液体燃料電池。
- 前記触媒が、Pt、Pd、RhおよびNiからなる群から選択された少なくとも一つの元素を含む請求項7に記載の液体燃料電池。
- 前記触媒が、多孔性のカーボンに担持されている請求項7または8に記載の液体燃料電池。
- 前記水素吸蔵材料が、水素吸蔵合金およびカーボンナノチューブから選択されたいずれか一つである請求項1〜9のいずれかに記載の液体燃料電池。
- 金属水素化物を含む液体燃料をさらに含み、前記金属水素化物がNaBH4、KBH4、LiAlH4、KHおよびNaHからなる群から選択された少なくとも一つである請求項1〜10のいずれかに記載の液体燃料電池。
- 前記電解質層が、KOH、NaOHおよびLiOHからなる群から選択された少なくとも一つを溶解した水溶液を含んでいる請求項1〜11のいずれかに記載の液体燃料電池。
- 前記負極の上部を、水素を酸化する機能を有するガス拡散電極とした請求項1〜12のいずれかに記載の液体燃料電池。
- 前記ガス拡散電極が、Pt、Pd、RhおよびNiからなる群から選択された少なくとも一つの元素を含む請求項13に記載の液体燃料電池。
- 前記元素が、多孔性のカーボンに担持されている請求項14に記載の液体燃料電池。
- 前記ガス拡散電極が、フッ素樹脂を含む請求項14または15に記載の液体燃料電池。
- 前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドおよびポリクロロトリフルオロエチレンからなる群から選択された少なくとも一つを含む請求項16に記載の液体燃料電池。
- 複数の発電要素が電気的に接続された発電装置であって、
複数の前記発電要素の少なくとも一つが請求項1〜17のいずれかに記載の液体燃料電池であることを特徴とする発電装置。 - 前記液体燃料電池以外の発電要素が、水素および酸素から発電する燃料電池である請求項18に記載の発電装置。
- 少なくとも一つの前記液体燃料電池の気体保持部から、前記水素および酸素から発電する燃料電池の負極に水素を導く導管を備えた請求項19に記載の発電装置。
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