JP3846727B2 - 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置 - Google Patents

液体燃料電池およびそれを用いた発電装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3846727B2
JP3846727B2 JP2003374674A JP2003374674A JP3846727B2 JP 3846727 B2 JP3846727 B2 JP 3846727B2 JP 2003374674 A JP2003374674 A JP 2003374674A JP 2003374674 A JP2003374674 A JP 2003374674A JP 3846727 B2 JP3846727 B2 JP 3846727B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid fuel
fuel cell
hydrogen
gas
negative electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003374674A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004172111A (ja
Inventor
敏浩 中井
軍 石
新吾 中村
佳士 飯塚
昭二 西原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Maxell Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Energy Ltd filed Critical Hitachi Maxell Energy Ltd
Priority to JP2003374674A priority Critical patent/JP3846727B2/ja
Publication of JP2004172111A publication Critical patent/JP2004172111A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3846727B2 publication Critical patent/JP3846727B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

本発明は、燃料として液体を用いた液体燃料電池およびそれを用いた発電装置に関する。
近年、ラップトップコンピュータ、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れる二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウム二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、空気電池、燃料電池などが考えられる(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
空気電池は、空気中の酸素を正極の活物質として利用する電池であり、電池内容積の大半を負極の充填に費やすことが可能であることから、エネルギー密度を増加させるためには好適な電池であると考えられる。しかし、この空気電池には、電解液として使用するアルカリ溶液が空気中の二酸化炭素と反応して劣化してしまうという問題がある。
また、燃料電池については、用いる燃料に関していくつかの候補が挙げられているが、それぞれ種々の問題点を有しており、最終的な決定がいまだなされていない。例えば、燃料として純水素を用いる場合には、水素スタンドなどの燃料供給設備の整備に時間と膨大な資金が必要である。また、水素は非常に軽い可燃性ガスであるためその取り扱いが難しく、安全性の面でも問題がある。さらに、燃料としてガソリンを用い、ガソリンを改質して水素を取り出す場合には改質装置が必要となり、また改質の効率があまり高くないなどの問題もある。また、燃料としてメタノールを用いる場合には、改質メタノールを使用するときにはガソリンと同じような問題が生じ、改質せずにそのままメタノールを燃料として使用すると、出力や効率などが低くなり、燃料であるメタノールが電解質膜を透過してしまう量も大きいという問題がある。
そこで、新たな水素燃料源として水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)が注目されてきた。水素化ホウ素ナトリウムは下記反応式により水素を発生させる。
(化1)
NaBH4 + 2H2O → NaBO2 + 4H2
上記加水分解反応はアルカリ水溶液中では起こりにくいため、水素化ホウ素ナトリムをアルカリ水溶液中で安定に保存可能であり、新規な水素燃料源として期待されている。
近年、水素吸蔵合金を負極に用いた電池を、NaBH4、KBH4、LiAlH4、KH、NaHなどの可溶性金属水素化物燃料で、充電状態にするアルカリ燃料電池が開発されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。このアルカリ燃料電池は、負極に燃料が供給されて水素が発生し、この水素を一旦負極に吸収させて反応させる。水素が負極に吸収貯蔵されることにより、放電レートに応じて水素を反応に用いることができる。また、燃料である金属水素化物は、水溶液などの液体に溶解させて用いられる。特に、NaBH4はアルカリ水溶液中で安定であるので、アルカリ水溶液に溶解させて用いられる。このアルカリ燃料電池は、正極に空気極を用いる場合は、燃料および酸素の供給さえ行えば連続的に使用することができる。
米国特許第3419900号明細書 特開昭60−54177号公報 特開2002−289252号(特許第3342699号)公報 米国特許第5599640号明細書
上記アルカリ燃料電池に金属水素化物水溶液を燃料として供給すると、燃料と負極である水素吸蔵合金が接することにより金属水素化物の加水分解反応が起こり、燃料電池が発電をしていなくても燃料中の金属水素化物の分解反応が継続する。この場合、負極と金属水素化物との反応で生成した水素は発電に利用されることはなく、燃料を無駄に消費してしまうことになる。このため用意した燃料の一部しか電力として取り出すことができず、燃料電池のエネルギー密度を大きく低下させる原因となっていた。
ここで、燃料の負極への供給をコントロールする補器を用いることで、燃料の無駄な消費は抑制できる。しかし、この場合、補器を用いることにより燃料電池全体の体積が大きくなってしまう。加えて、燃料電池の構造が複雑になり、燃料電池を小型ポータブル電源として用いることが困難となる。
これに対し、正極、電解質層および負極に弾力性を付与し、負極と燃料が反応して発生する水素ガスを燃料と負極との間に貯めることにより、発電しているときのみ負極と燃料が接触するようにした燃料電池も考えられる。例えば、正極、電解質層および負極の一体化物に弾力性を付与し、水素ガスが発生すると、この一体化物が燃料とは反対側に湾曲することにより、負極と燃料との接触を遮断する方法が考えられる。
しかし、上記方法では負極に水素吸蔵合金を用いる場合には、負極に上記機能を実現できるような弾力性を与えることは難しい。また、上記方法では負極と燃料との間の水素ガスに高い圧力がかかるため、水素ガスが正極側に流出するおそれがある。これを防ぐためには、電解質層にガスを透過しない膜状のイオン伝導性電解質を配置する必要があり、コスト高になる。さらに、上記正極、電解質、負極一体化物が変形を繰り返すため、正極から触媒層が、または負極から水素吸蔵合金が、それぞれ脱落しやすくなり、電極の耐久性にも問題がある。
本発明は、発電停止時または低率発電時における液体燃料の反応を抑制するとともに、水素ガスの吸収を増大させることにより、エネルギー密度の高い液体燃料電池を提供するものである。
本発明の液体燃料電池は、酸素を還元する正極と、水素吸蔵材料を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配置された電解質層と、金属水素化物を溶解した液体燃料とを含み、前記負極と前記液体燃料との接触により水素が発生する液体燃料電池であって、前記液体燃料から発生した水素を負極に接するように保持することができる気体保持部を備え、前記水素が前記気体保持部に蓄積されたときに、前記負極と前記液体燃料との接触を前記水素により遮断することを特徴とする。
また、本発明の発電装置は、複数の発電要素が、直列および並列から選ばれたいずれか一方で電気的に接続された発電装置であって、前記発電要素の少なくとも一つが、上記液体燃料電池であることを特徴とする。
本発明は、発電停止時または低率発電時における液体燃料の反応を抑制するとともに、水素ガスの吸収を増大させることにより、エネルギー密度の高い液体燃料電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の液体燃料電池の一実施形態は、酸素を還元する正極と、水素吸蔵材料を含む負極と、正極と負極との間に配置された電解質層と、金属水素化物を含む液体燃料を貯蔵した液体燃料貯蔵部とを含み、負極と液体燃料との接触部には、液体燃料から発生した気体を集めて保持することができる気体保持部を設けたものである。また、気体保持部は、液体燃料から発生した気体を保持した状態で、液体燃料と負極とが接触しないように配置されている。
負極と液体燃料との接触部に液体燃料から発生した気体を集めて保持することができる気体保持部を設けることにより、発電停止時または低率発電時において負極と液体燃料とが反応して発電に利用されない水素が発生すると、その水素が気体保持部に蓄積される。この気体保持部に水素が蓄積されると、負極と液体燃料との接触がこの蓄積された水素により遮断され、負極と液体燃料との反応が停止する。これにより、液体燃料の無駄な消費を抑制することができ、液体燃料電池のエネルギー密度を向上できる。なお、燃料電池の通常の発電時には気体保持部内の水素が消費され、この気体保持部に液体燃料が流入し、再び負極と液体燃料とが接触することにより、負極と液体燃料とが反応して水素が発生し、発電を継続できる。
液体燃料電池の発電量が多いときは気体保持部内に蓄積された水素が大量に消費されるため、気体保持部に流入する液体燃料も多くなる。従って、負極と液体燃料とが接する面積も増大し、水素も大量に発生する。一方、発電量が少ないときは気体保持部の水素の消費は少ないため、気体保持部に流入する液体燃料も少なくなる。従って、負極と液体燃料とが接する面積も減少し、水素の発生も少なくなる。即ち、発電量に応じて負極と液体燃料との反応を調節することができる。
気体保持部の構造としては、液体燃料が流入する開口部を備えるとともに、発生した気体を負極の液体燃料側の表面に保持することができる構造であれば、特にその種類は限定されるものではない。例えば、負極の液体燃料側の表面に発生した水素ガスを集めることができるように、液体燃料貯蔵部と負極との間に仕切り部材により蓄積部を形成する構造により、気体保持部の機能を発揮させることができる。
さらに、気体保持部を管形状にしてその管状部の設置方向を二方向以上とすることにより、燃料電池の設置方向にかかわらず発生した気体を気体保持部に保持することができるようになるため、発電効率が向上する。
また、管形状の気体保持部の両端には、発生する気体の圧力によって作動する逆止弁が、管状部内の液体燃料および気体が一方向に流れるように設置されていることが好ましい。これにより、液体燃料が循環し、燃料の利用率が向上する。
気体保持部の材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼などの耐食性金属から構成することができるが、液体燃料中で化学的に安定であり、気体を透過しない材料であれば特にその種類は限定されない。
負極の気体保持部側(液体燃料側)の表面には撥水処理が施されていることが好ましい。気体保持部に蓄積した水素ガスを利用して発電する際、負極表面に撥水処理を施していると負極である水素吸蔵材料への水素の吸収が速やかに起こるからである。
また、この撥水処理は、負極の表面にフッ素樹脂を塗布することによりなされていることが好ましい。フッ素樹脂は撥水性に優れているからである。このフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどを使用することができる。
また、負極の気体保持部側(液体燃料側)の表面には、さらに水素を原子状に解離させる機能および水素を酸化する機能から選択された少なくとも一つの機能を備えた触媒が付与されていることが好ましい。水素を原子状に解離させる機能を備えた触媒を付与すると、水素吸蔵材料への水素の吸収を促進することができる。また、水素を酸化する機能を備えた触媒を付与すると、水素の酸化を促進して、負極での放電を補助することができる。なお、この触媒は負極中に含有させてもよい。
上記触媒は、燃料電池の使用温度で水素を原子状に解離させる機能または水素を酸化する機能を備えていればよく、例えば、Pt、Pd、Rh、Niなどの金属を用いることができる。この中でも特にPtは上記触媒機能に優れているため、好適に用いることができる。
また、この触媒は、多孔性のカーボンに担持されていることが好ましい。触媒を多孔性のカーボンに担持することにより、触媒全体の表面積を増加でき、水素と触媒との反応面積が増加して、水素の解離または酸化反応を促進することができるからである。
また、触媒を担持する担体はカーボンが好ましい。触媒が水素を酸化するときに電子移動を伴うが、その際に導電性を有するカーボンを用いると反応が円滑に進行するからである。
さらに、気体保持部に生成した水素を酸化するために、負極の一部を水素を酸化する機能を有するガス拡散電極とすることも有効である。水素吸蔵材料を含む負極の表面では金属水素化物の分解反応を行わせ、ガス拡散電極では気体保持部に生成した水素の酸化反応を行わせることにより、負極の表面に水素を酸化する機能を有する層を形成するよりも、効率よく気体保持部に生成した水素を消費することができるからである。
ガス拡散電極は、水素を原子状に解離させる機能または水素を酸化する機能を備えた触媒を含んでいる。その触媒としては、例えば、Pt、Pd、Rh、Niなどの金属を用いることができる。この中でも特にPtは上記触媒機能に優れているため、好適に用いることができる。
また、この触媒は、多孔性のカーボンに担持されていることが好ましい。触媒を多孔性のカーボンに担持することにより、触媒全体の表面積を増加でき、水素と触媒との反応面積が増加して、水素ガスの解離または酸化反応を促進することができるからである。
また、触媒を担持する担体はカーボンが好ましい。触媒が水素を酸化するときに電子移動を伴うが、その際に導電性を有するカーボンを用いると反応が円滑に進行するからである。
また、ガス拡散電極は、フッ素樹脂を含むことが好ましい。フッ素樹脂は撥水性に優れているため、水素ガスの解離または酸化反応を促進することができるからである。このフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどを使用することができる。
液体燃料と負極が反応して発生した気体と液体燃料とを分離するために、気液分離膜を気体保持部あるいは気体保持部と繋がるいずれかの場所に配置することも有効である。特に、ガス拡散電極の液体燃料側に気液分離膜を配置すると、発生した気体と液体燃料が分離してガス拡散電極には発生したガスのみが接するようになるため、ガス拡散電極の表面が濡れることがなく、高い水素酸化能力を維持することができる。
気液分離膜は、気体と液体を分離できる膜であり、液体燃料に対して化学的に安定であればよいが、微孔性ポリテトラフルオロエチレン膜が好適に用いられる。
また、水素吸蔵材料としては、水素吸蔵合金またはカーボンナノチューブが好ましい。これらは、水素の吸蔵能力に優れているからである。
また、電解質層としては、KOH、NaOHおよびLiOHからなる群から選択された少なくとも一つを溶解した水溶液を含んでいることが好ましい。高いイオン伝導性を付与できるからである。
また、液体燃料としては、金属水素化物を溶解したアルカリ水溶液が好ましい。金属水素化物はアルカリ水溶液中で安定に保存可能だからである。この金属水素化物としては、負極である水素吸蔵材料と接することにより加水分解反応が起こる化合物であればよく、中でもNaBH4、KBH4、LiAlH4、KHおよびNaHからなる群から選択された少なくとも一つであることが好ましい。これらは、水に容易に溶解でき、また単位質量当たりの水素供給量が多いからである。
一つの液体燃料電池では起電力1.23V以下であり、多くの電子機器を駆動するには起電力が不足する。複数の液体燃料電池を直列に接続して発電装置を構成することにより、様々な電子機器を駆動することのできる起電力が得られる。
高い起電力の発電装置を構成するために、本発明の液体燃料電池と他の発電要素、例えば燃料電池、二次電池、キャパシターを直列に接続することもできる。また、液体燃料電池と並列に、液体燃料電池より短時間の高率放電特性に優れたキャパシターあるいは二次電池を接続することにより、高率放電特性に優れたエネルギー密度の高い発電装置を構成することができる。
液体燃料電池と直列または並列に接続する発電要素として、水素および酸素から発電する燃料電池が好ましい。酸素は空気に含まれるため、酸素用の特別な貯蔵部が不要で、酸素を還元する電極だけあればよく、エネルギー密度が高い電池となる。また、水素は本発明の液体燃料電池で、金属水素化物と水素吸蔵合金の反応により発生する水素を利用できるため、液体燃料電池用の金属水素化物用貯蔵部以外の新たな水素用の貯蔵部を必要としない。
同一発電装置内において、水素を燃料とする燃料電池を、本発明の液体燃料電池と直列あるいは並列に接続する場合、液体燃料電池の気体保持部から、水素を燃料とする燃料電池の水素極部(負極部)へ水素を導くための導管を設けることが好ましい。これにより、液体燃料電池から発生した水素を利用することで、水素を燃料とする燃料電池のための水素貯蔵部を新たに設ける必要がなくなり、発電装置を小型化できるからである。
液体燃料電池の負極と液体燃料との接触部に液体燃料から発生する気体を集めて保持することができる気体保持部を設けることにより、液体燃料電池の発電停止時または低率発電時において、負極と液体燃料とが反応して発電に利用されない水素が発生すると、その水素が気体保持部に蓄積される。この蓄積された水素は導管により他の水素を燃料とする燃料電池の水素極部へ導かれる。この気体保持部および水素極部に水素が蓄積されると、負極と液体燃料との接触がこの蓄積された水素により遮断され、負極と液体燃料との反応が停止する。これにより、液体燃料の無駄な消費を抑制することができ、液体燃料電池のエネルギー密度を向上できる。なお、液体燃料電池の通常の発電時には水素極部および気体保持部の水素が消費され、この気体保持部には液体燃料貯蔵部から新たに液体燃料が流入し、再び負極と液体燃料とが接触することにより、負極と液体燃料とが反応して水素が発生し、発電を継続できる。
水素を燃料とする燃料電池の水素極部へ水素を導くための導管に気液分離膜を設けて、液体燃料と水素を分離することも有効である。水素極部に水素のみを供給することにより、安定に発電することができるからである。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における液体燃料電池の断面図である。正極1は、例えば、多孔質炭素粉末に触媒を担持した炭素粉末からなるカーボン層1bと、ポリテトラフルオロエチレンからなる気液分離シート1aとを積層して構成される。正極1は酸素を還元する機能を有しており、多孔質炭素粉末に触媒を担持することによりその性能を向上させることができる。その触媒には、銀、白金、ルテニウム、酸化イリジウム、希土類酸化物、酸化マンガン、または銀、白金、ルテニウムを少なくとも一つ含む合金などが用いられる。また、正極1のカーボン層1bには、撥水性を付与するためポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子が含有されている。
負極2a(水素吸蔵合金極)は、水素吸蔵材料を導電性基体に固着して形成され、燃料を酸化する機能を有している。水素吸蔵材料としては、水素吸蔵合金、またはカーボンナノチューブなどの炭素材料を用いることができ、特に水素吸蔵合金が適している。その水素吸蔵合金としては特にその種類は限定されることはないが、例えば、LaNi5で代表されるAB5型水素吸蔵合金、ZnMn2またはその置換体で代表されるAB2型水素吸蔵合金、Mg2Niまたはその置換体で代表されるマグネシウム系のA2B型水素吸蔵合金、固溶体型バナジウム系水素吸蔵合金などを用い得る。それらの中でも、希土類元素の混合物であるミッシュメタル(Mm)を用い、且つNiの一部をCoなどで置換したMmNi5系のAB5型水素吸蔵合金が特に好適に用いられる。耐久性および水素の吸蔵・放出の能力に優れているからである。
負極2aの導電性基体としては、電解質に対して耐食性を持つ材料からなり、水素吸蔵材料から電気的な接触が得られる基体であればよく、例えば、ニッケル製またはニッケルメッキした鉄製のパンチングメタル、発泡金属体などが用いられる。
負極2aの水素吸蔵材料を導電性基体に固着させるための結着剤としては、電解質中で化学的に安定で粘着性を有する材料であればよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ラテックスなどを用いることができる。中でもポリテトラフルオロエチレンは負極2aに撥水性を付与することから好適に用いられる。
負極2bは、水素を電気化学的に酸化する機能を備えたガス拡散電極であり、負極2aと同一平面上に配置されている。このガス拡散電極としては、正極1のカーボン層1bと同様の構成のものを用いることができ、その触媒としては、例えば白金微粒子などを用いることができる。負極2bの液体燃料側の面には気液分離シート1aが設置されている。また、負極2aと2bは電気的に並列に接続されている。
本実施形態の電解質としては、液状のものであれば種々のものを用い得るが、特にアルカリ水溶液が好適に用いられる。このアルカリ水溶液としては、例えば、KOH、NaOH、LiOHなどのアルカリ金属の水酸化物を10〜40質量%程度水に溶解したものが好ましく、複数のアルカリ金属の水酸化物を含んでいる混合電解質も用いることができる。
上記電解質を保持して電解質層を構成するため、正極1と負極2aおよび2bとの間にセパレータ3を配置する。セパレータ3の材質は電解質に対して安定であれば特にその種類は限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどからなる不織布が用いられる。また、電解質溶媒に水を用いる場合、セパレータ3の表面を親水化処理することが好ましい。
液体燃料4の水素供給源としては金属水素化物が用いられるが、その金属水素化物としては、例えば、NaBH4、KBH4、LiBH4、LiAlH4、NaAlH4、KAlH4、KH、NaHなどが用いられ、特にNaBH4が好適に用いられる。NaBH4は、水またはアルカリ水溶液中で他の金属水素化物より安定であり、また、水素吸蔵合金との反応も穏やかだからである。水素供給源である金属水素化物は、液体電解質に溶解または混合された状態で用いることができる。
正極1、電解質層を構成するセパレータ3、負極2aおよび2bは、それぞれシート状の形状であり、正極1、セパレータ3、負極2aおよび2bの順に積層されて、電極・電解質一体化物を構成している。
負極2a、2bのセパレータ3と反対側には液体燃料4を貯蔵する燃料タンク5が隣接して設けられている。燃料タンク5は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂や、ステンレス鋼などの耐食性金属から構成されている。ただし、燃料タンク5を金属で構成する場合で、複数のセルを直列に接続して燃料電池モジュールを構成する場合は、それぞれのセル同士が電気的に短絡しないように燃料タンク5の表面を絶縁体で被覆する必要がある。
負極2a、2bと液体燃料4との接触部には、液体燃料4から発生した気体を集めて保持することができる気体保持部6が設けられている。本実施形態の気体保持部6は、液体燃料貯蔵部である燃料タンク5と負極2a、2bとの間に設けられた仕切り板5aにより形成されている。この仕切り板5aの負極側の面には、図2に示すのようなジグザグ状の溝状部が形成されている。この溝状部と負極2a、2bとにより、気体保持部6は管状部を形成している。
気体保持部6の両端には、気体保持部6内の液体燃料4および液体燃料4から発生した気体が一方向に流れるように逆止弁7aおよび7bが設置されている。気体保持部6内の液体燃料4と負極2aが反応して水素ガスが発生すると、気体保持部6内の内圧が上昇して逆止弁7aが閉鎖する。さらに、水素ガスが発生すると気体保持部6内の液体燃料4は逆止弁7b側へ押し出され、気体保持部6内は水素ガスで満たされた状態になる。発電を始めると、気体保持部6内の水素ガスは負極2b(ガス拡散電極)によって酸化される。このとき、気体保持部6内は減圧状態になるため逆止弁7bが閉鎖され、逆止弁7aより液体燃料4が気体保持部6内に流入する。上記の仕組みにより気体保持部6内の液体燃料4は一方向に循環する。
上記液体燃料4の循環の仕組みを効率よく行うためには、気体保持部6内の液体燃料4の流れ方向に対して、負極2aと2bはこの順で設置されていなければならない。そうすることにより、気体保持部6内の水素ガスは負極2bによって消費され、逆止弁7bより液体燃料4のみが燃料タンク5に戻ることができる。
上記気体保持部6内の液体燃料4と水素ガスが管状部内で混在するように、管状部の管径は細くすることが好ましく、具体的には管径は1〜3mmが好ましく、1〜2mmがより好ましい。管径を大きくすると、管内で液体燃料4と水素ガスが入れ替わり、液体燃料4は燃料電池設置面側に流れてしまう。これに対し、管径を細くすると、表面張力により液体燃料4と水素ガスが重力によって入れ替わることなく混在することができる。このため、上記循環により、液体燃料4および水素ガスは重力の方向とは関係なく一方向に流れるようになる。従って、本実施形態の燃料電池は設置方向が限定されず、ポジションフリーとすることができる。
また、正極1のセパレータ3と反対側にはカバー板8が設けられており、カバー板8の正極1と接する部分には空気孔9が設けられている。これにより、空気孔9を通して大気中の酸素が正極1と接することができる。
正極1および負極2aには集電体10が接続されており、集電体10は、例えば、白金、金などの貴金属や、ニッケルもしくはニッケルメッキをした耐食性金属、またはカーボンなどから構成されている。
燃料タンク5には液体燃料4を供給するための燃料供給口11が設けられている。液体燃料4は燃料供給口11から供給されて燃料タンク5に補充される。燃料電池が発電するときは、燃料供給口11は密閉されて液体燃料4が燃料電池より漏れないようにする。
燃料タンク5の電極面側以外の面には気液分離孔12aと気液分離膜12bとが設置されている。気液分離膜12bは、上記負極2b(ガス拡散電極)によって消費されなかった水素が燃料タンク5に排出された場合、燃料タンク5内の内圧が上昇してタンクが破裂するのを防ぐために、ガスのみをタンク外へ排出する機能を有している。
また、カバー板8の気液分離シート1aと燃料タンク5との間には、ゴム製のシール材13が配置されている。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2における液体燃料電池の断面図である。本実施形態は、実施形態1の液体燃料電池の負極を負極2a(水素吸蔵合金極)のみとし、新たに固体高分子型燃料電池16を設け、気体保持部6を固体高分子型燃料電池16にまで導いた構造である。
固体高分子型燃料電池16の正極は、拡散層15と正極触媒層17からなり、負極は拡散層15と負極触媒層18からなる。また、その正極触媒層17と負極触媒層18との間には固体高分子電解質膜14が配置されている。さらに、負極触媒層18の液体燃料側には、気液分離シート1aが配置されている。固体高分子型燃料電池16は、負極2aと液体燃料4との反応で発生した水素と空気中の酸素により発電する。本実施形態は、2組の正極および負極を電気的に直列に接続することにより、高い電圧が得られる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下のようにして実施形態1と同様の構造の液体燃料電池を作製した。
正極1は次にように作製した。カボット(CABOT)社製の白金微粒子を担持したカーボン“BP−2000”(商品名)0.25gを30cm3の蒸留水に添加して10分間混合・攪拌した後、濃度60質量%のポリテトラフルオロエチレンの水性分散液0.18gを添加し、さらに20分間混合・攪拌した。その後、n−ブタノール8cm3を添加して20分間混合・攪拌し、さらに200℃に加温して20分間混合・攪拌した後、凝集体を沈降させ、上澄みを除去して、正極触媒ペーストを得た。得られたペーストを40メッシュのニッケルメッシュ板電極支持体に塗布して乾燥してカーボン層1bとし、これをジャパンゴアテックス社製のポリテトラフルオロエチレンシートである“ゴアテックス”(商品名、厚さ100μm、空孔率50%)フィルム(気液分離シート1a)に9MPaの圧力で圧着して正極1とした。
負極2a(水素吸蔵合金極)は次のように作製した。組成式:MmNi3.48Co0.74Mn0.4Al0.3(Mmは、La33質量%、Ce47質量%、Pr5質量%、Nd15質量%からなるミッシュメタル)からなる水素吸蔵合金100gに、5質量%のポリ−N−ビニルアセトアミド水溶液6g、カルボキシメチルセルロース0.1gおよび50質量%のラテックスの水性分散液1.3gを添加して混合し、負極合剤含有ペーストを得た。得られたペーストをニッケル発泡体からなる基体に塗布・充填し、乾燥して負極合剤層を形成した後、加圧成形して負極2aとした。
負極2b(ガス拡散電極)は正極と同様の方法で作製した。ただし、カーボンの代わりに白金微粒子を担持させた活性炭(白金微粒子および活性炭の全質量に対する白金微粒子の割合は5質量%)を用いた。なお、白金の塗布量は、4mg/cm2とした。
電解質は30質量%のKOH水溶液を用い、セパレータ3は厚さ120μmのスルホン化ポリプロピレン製の不織布を用い、液体燃料は1.6質量%のNaBH4のアルカリ水溶液を用いた。アルカリ水溶液としては、29.5質量%のKOH水溶液を用いた。
なお、気体保持部6は、断面2×2mmの管状とした。
(実施例2)
以下のようにして実施形態2と同様の構造の液体燃料電池を作製した。
本実施例は、図3に示したように、実施例1で作製した液体燃料電池において、負極2b(ガス拡散電極)を配置する代わりに、負極全体を負極2a(水素吸蔵合金極)にした電池を1個、および固体高分子型燃料電池16を1個結合して作製した。また、液体燃料電池の気体保持部6は、図3に示したように固体高分子型燃料電池16の気体保持部6’と連結した。それぞれの液体燃料電池および固体高分子型燃料電池16は電気的に直列に接続して発電装置を構成した。
本実施例で用いた固体高分子型燃料電池は、次のようにして作製した。先ず、ライオンアクゾ社製の“ケッチェンブラックEC”(商品名)を50質量部、平均粒子径3nmの白金微粒子を50質量部担持した白金担持カーボンを10質量部、エレクトロケム(Electrochem)社製のプロトン伝導性物質“ナフィオン”(商品名、固形分濃度5質量%)溶液を75質量部、フッ素樹脂バインダとしてダイキン社製のポリテトラフルオロエチレンエマルジョン溶液“D1”(商品名、エマルジョン濃度60質量%)を10質量部および水を5質量部準備した。これらをホモジナイザーで混合・分散し、カーボンクロス(拡散層15)に白金量が0.3mg/cm2になるように塗布して乾燥した。次に、120℃、10MPaの条件で2分間熱プレスを行い電極として成形し、正極触媒層17および負極触媒層18を得た。
固体高分子電解質膜14は、デュポン社製の“ナフィオン117”(商品名)を用い、正極触媒層17および負極触媒層18でこの固体高分子電解質膜14を挟持し、120℃、10MPaの条件で3分間熱プレスを行った。
(比較例1)
図4は、比較例1における従来の液体燃料電池の断面図である。本比較例は、負極全体を負極2a(水素吸蔵合金極)とし、且つ気体保持部および気液分離孔を備えていないこと、および電池の設置方向を変えたこと以外は、実施例1と同様の構成である。本比較例では、液体燃料4と負極2aとは常に接触しているため、燃料電池の発電停止時においても水素ガスが発生し続けることになり、液体燃料4の一部が無駄に消費されることになる。
(比較例2)
図5は、比較例2における従来の液体燃料電池の断面図である。本比較例では、燃料タンク5に発生した水素ガスを排出するための気液分離孔12aおよび気液分離膜12bを備えていること以外は、比較例1と同様の構成である。
実施例1、2、比較例1、2の各電池に液体燃料をフル充填し、正負端子間をオープンにした状態で観察した。その結果、実施例1、2の電池では、すべて観察開始から10分以内に水素ガスの発生は停止した。これに対し、比較例1の電池では水素ガスの発生が継続し、電池内の圧力が上昇してポリテトラフルオロエチレンシート(気液分離シート1a)が破損し、電池として機能しなくなった。一方、比較例2の電池は、気液分離孔12aおよび気液分離膜12bを設けたので電池内の圧力は上昇しなかったが、液体燃料中の水素化ホウ素ナトリウムがすべて加水分解されるまで水素ガスの発生が継続した。
次に、実施例1、2および比較例2の各電池から使用済みの液体燃料を全て排出した後、新たに液体燃料をフル充填し、10mA/cm2の電流密度で電池電圧が0.5Vになるまで定電流放電を行い、放電容量を測定した。その結果を表1に示す。放電容量は、実施例1の放電容量を100%としたときの相対値で示した。
Figure 0003846727
表1において、実施例1および実施例2に比べて比較例2の放電容量が小さいのは、比較例2では気体保持部を設けていないので、放電電流の大きさに関係なく一定量の液体燃料が負極と反応しつづけ、放電反応に使用されなかった水素ガスが電池外に放出されたためと考えられる。これに対して、実施例1および実施例2では気体保持部を設けているので、放電反応に使用されなかった水素ガスは電池内に蓄積されるとともに、水素ガスの蓄積部分近傍の負極からは水素ガスが発生しなくなるため、液体燃料が効率よく使用できたものと考えられる。
また、実施例1に比べて実施例2の放電容量が大きいのは、実施例2は実施例1に比べて気体保持部の体積が固体高分子型燃料電池の部分だけ大きいため、発生した水素ガスとの反応が効率よく起ったためと考えられる。
本発明は、発電停止時または低率発電時における液体燃料の反応を抑制するとともに、水素ガスの吸収を増大させることにより、エネルギー密度の高い液体燃料電池を提供することができるので、ラップトップコンピュータ、携帯電話などのコードレス機器の電源の小型化、高容量化を図ることができる。
本発明の実施形態1における液体燃料電池の断面図である。 本発明の実施形態1における液体燃料電池の燃料タンクの斜視図である。 本発明の実施形態2における液体燃料電池の断面図である。 比較例1における従来の液体燃料電池の断面図である。 比較例2における従来の液体燃料電池の断面図である。
符号の説明
1 正極
1a 気液分離シート
1b カーボン層
2a 負極(水素吸蔵合金極)
2b 負極(ガス拡散電極)
3 セパレータ
4 液体燃料
5 燃料タンク
5a 仕切り板
6 気体保持部
6’ 気体保持部
7a 逆止弁
7b 逆止弁
8 カバー板
9 空気孔
10 集電体
11 燃料供給口
12a 気液分離孔
12b 気液分離膜
13 シール材
14 固体高分子電解質膜
15 拡散層
16 固体高分子型燃料電池
17 正極触媒層
18 負極触媒層

Claims (21)

  1. 酸素を還元する正極と、水素吸蔵材料を含む負極と、前記正極と前記負極との間に配置された電解質層と、金属水素化物を溶解した液体燃料とを含み、前記負極と前記液体燃料との接触により水素が発生する液体燃料電池であって、
    前記液体燃料から発生した水素を負極に接するように保持することができる気体保持部を備え、
    前記水素が前記気体保持部に蓄積されたときに、前記負極と前記液体燃料との接触を前記水素により遮断することを特徴とする液体燃料電池。
  2. 前記気体保持部の形状が管形状である請求項1に記載の液体燃料電池。
  3. 前記気体保持部が、前記液体燃料および前記液体燃料から発生した気体を一方向にのみ流すための逆止弁をさらに備えている請求項1または2に記載の液体燃料電池。
  4. 前記負極の液体燃料側の表面には撥水処理がさらに施されている請求項1〜3のいずれかに記載の液体燃料電池。
  5. 前記撥水処理が、前記負極の表面にフッ素樹脂を塗布することによりなされている請求項4に記載の液体燃料電池。
  6. 前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドおよびポリクロロトリフルオロエチレンからなる群から選択された少なくとも一つである請求項5に記載の液体燃料電池。
  7. 前記負極の液体燃料側の表面には、水素を原子状に解離させる機能および水素を酸化する機能から選択された少なくとも一つの機能を備えた触媒がさらに付与されている請求項1〜6のいずれかに記載の液体燃料電池。
  8. 前記触媒が、Pt、Pd、RhおよびNiからなる群から選択された少なくとも一つの元素を含む請求項7に記載の液体燃料電池。
  9. 前記触媒が、多孔性のカーボンに担持されている請求項7または8に記載の液体燃料電池。
  10. 前記負極の一部が、水素を酸化する機能を備えたガス拡散電極からなる請求項1〜9のいずれかに記載の液体燃料電池。
  11. 前記ガス拡散電極が、Pt、Pd、RhおよびNiからなる群から選択された少なくとも一つの元素を含む請求項10に記載の液体燃料電池。
  12. 前記元素が、多孔性のカーボンに担持されている請求項11に記載の液体燃料電池。
  13. 前記ガス拡散電極が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドおよびポリクロロトリフルオロエチレンからなる群から選択された少なくとも一つを含む請求項10〜12のいずれかに記載の液体燃料電池。
  14. 前記液体燃料から発生した気体と前記液体燃料とを分離するための気液分離膜をさらに備えた請求項1〜13のいずれかに記載の液体燃料電池。
  15. 前記気液分離膜が、微孔性ポリテトラフルオロエチレン膜からなる請求項14に記載の液体燃料電池。
  16. 前記水素吸蔵材料が、水素吸蔵合金およびカーボンナノチューブから選択されたいずれか一つである請求項1〜15のいずれかに記載の液体燃料電池。
  17. 前記電解質層が、KOH、NaOHおよびLiOHからなる群から選択された少なくとも一つを溶解した水溶液を含んでいる請求項1〜16のいずれかに記載の液体燃料電池。
  18. 前記液体燃料が、NaBH4、KBH4、LiAlH4、KHおよびNaHからなる群から選択された少なくとも一つを含む請求項1〜17のいずれかに記載の液体燃料電池。
  19. 複数の発電要素が、直列および並列から選ばれたいずれか一方で電気的に接続された発電装置であって、
    前記発電要素の少なくとも一つが、請求項1〜18のいずれかに記載の液体燃料電池であることを特徴とする発電装置。
  20. 前記液体燃料電池以外の発電要素が、水素および酸素から発電する燃料電池である請求項19に記載の発電装置。
  21. 前記液体燃料電池から同一発電装置内の他の燃料電池に気体を導く手段をさらに備えている請求項19または20に記載の発電装置。
JP2003374674A 2002-11-05 2003-11-04 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置 Expired - Fee Related JP3846727B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003374674A JP3846727B2 (ja) 2002-11-05 2003-11-04 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002321366 2002-11-05
JP2003374674A JP3846727B2 (ja) 2002-11-05 2003-11-04 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004172111A JP2004172111A (ja) 2004-06-17
JP3846727B2 true JP3846727B2 (ja) 2006-11-15

Family

ID=32715958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003374674A Expired - Fee Related JP3846727B2 (ja) 2002-11-05 2003-11-04 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3846727B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7507491B2 (en) 2003-03-11 2009-03-24 More Energy Ltd. Self-contained fuel cell and cartridge therefor
US20060057435A1 (en) * 2004-09-15 2006-03-16 Medis Technologies Ltd Method and apparatus for preventing fuel decomposition in a direct liquid fuel cell
JP2006108028A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Toshiba Corp 燃料電池
CA2589172C (en) * 2004-11-25 2011-03-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Fuel cell comprising one integrated insulating film folded in two over a membrane electrode assembly
JP4883437B2 (ja) * 2004-12-02 2012-02-22 セイコーインスツル株式会社 燃料電池システムおよび水回収装置
TW200631229A (en) * 2005-01-11 2006-09-01 Toshiba Kk Fuel Cell
EP1858827A4 (en) * 2005-02-23 2008-10-29 More Energy Ltd STABLE FUEL CONCENTRATE DURING STORAGE

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004172111A (ja) 2004-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6268077B1 (en) Portable fuel cell power supply
US7282294B2 (en) Hydrogen storage-based rechargeable fuel cell system and method
US20070141440A1 (en) Cylindrical structure fuel cell
US20090078568A1 (en) On-demand hydrogen gas generation device having gas management system
US7887944B2 (en) Integrated membrane electrode assembly and method related thereto
JP2007509480A (ja) 電極、その製造方法、金属/空気燃料セルおよび金属水素化物セル
US20090081501A1 (en) On-demand hydrogen gas generation device
WO2005094410A2 (en) Integrated hybrid electrochemical device
US20090042072A1 (en) On-demand hydrogen gas generation device with pressure-regulating switch
JP4781626B2 (ja) 燃料電池
US20090081497A1 (en) On-demand high energy density hydrogen gas generation device
JP2004055307A (ja) 燃料電池搭載機器
JP3846727B2 (ja) 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置
JP3866534B2 (ja) 燃料電池
JP3746047B2 (ja) 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置
JP3346449B2 (ja) 光水素化空気二次電池
JP2005240064A (ja) 改質器、燃料電池システムおよび機器
US20060078764A1 (en) Dissolved fuel alkaline fuel cell
JP4044372B2 (ja) 液体燃料電池
JP2004127672A (ja) 燃料電池および燃料電池の駆動方法
JP2007317496A (ja) 燃料電池発電システム
JP2004158304A (ja) 燃料電池
JP2003308869A (ja) 燃料電池
JP4018500B2 (ja) 燃料電池
JP2010103033A (ja) 燃料電池

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060817

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100901

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100901

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100901

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110901

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120901

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120901

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120901

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120901

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120901

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120901

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees