JP3346449B2 - 光水素化空気二次電池 - Google Patents

光水素化空気二次電池

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JP3346449B2 JP08704596A JP8704596A JP3346449B2 JP 3346449 B2 JP3346449 B2 JP 3346449B2 JP 08704596 A JP08704596 A JP 08704596A JP 8704596 A JP8704596 A JP 8704596A JP 3346449 B2 JP3346449 B2 JP 3346449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気電池や酸素−
水素燃料電池、ニッケル−水素電池、及び光化学電池に
係わり、空気中の酸素と電池内の水素化物(吸蔵水素)
との反応による放電、並びに光エネルギーによる再生
(すなわち、充電)が可能で、充電器や水素燃料の補給
を必要としない省エネルギー性に優れた光化学二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽可視光等の光エネルギーで二次電池
を充電する試みは、以前からなされており、この種の電
池としては、アモルファスシリコン太陽電池とニッケル
−カドミウム蓄電池や鉛蓄電池等の二次電池を組合せた
太陽光蓄電池が知られている。図8は従来の光二次電池
の外観を示した図である。また、図9は図8に示した電
池の等価回路を示した図である。図8、及び図9におい
て、符号1が太陽電池、2が二次電池、3が電圧調整回
路、4が逆流防止ダイオード、5及び6がそれぞれ、正
極端子、負極端子、7が正極端子、負極端子につながれ
た外部負荷である。これらの従来型光二次電池は、太陽
電池1で発電した後、得られた電力を二次電池2に貯蔵
するという二段階型(間接型)の光二次電池であり、電
圧調整回路3や逆流防止ダイオード4が必要である等、
電池の構造が複雑で大きなものとなるといった欠点を有
している。また、上記従来型光二次電池を適正に機能さ
せるには、太陽電池1で発電した電力を、二次電池2を
充電するのに適した電圧に調整する必要があり、そのた
めのエネルギー損失も大きなものとなっている。そし
て、充電時のエネルギー変換ステップは、光→電気→電
気化学の3段階の形態のエネルギー変換を経るといった
問題も有している。更に、太陽電池1を製造するには、
pn接合設備等の比較的高度の製造設備が必要となる
等、製造上の困難性も有している。図10には、G.
P.ピーター(G.P.Peter)らの提案する従来の光化学二
次電池の構成図を示した。図中、符号17は電池容器、
17aは電池容器を密閉するための蓋、18はセパレー
タ、19はn型半導体よりなる光電極、20aは充電用
の電極、20bは放電用の電極である。図11は、米沢
らの提案する従来型光化学二次電池の簡単な構成とエネ
ルギー準位を示した図である。図11において、符号1
1は正極、12は負極、13はn型半導体よりなる光電
極、14はセパレータ、15は負荷、16は充放電切り
替えスイッチである。これらの光化学二次電池は、半導
体−電解質界面の電気化学特性を利用したものであり、
すなわち、半導体電極を電解質と接触させた時に生じる
エネルギーバンドの曲りを利用して、光エネルギーを電
気化学的に蓄積するものである。図10に示す光化学二
次電池の光変換部は、n型半導体よりなる光電極19を
電解質Sに浸積させるだけで構成されており、この点、
太陽電池等の必要な図8や図9に示した従来型光二次電
池に比べ優れている。しかし、これらの電池の反応は、
電解質の酸化還元反応に基づくものであり、放電に必要
な電池活物質はすべて電池内に保持しなければならず、
容量増大のためには、多量の電解質が必要となり、基本
的に大きなエネルギー密度が望めないという欠点が有っ
た。また、放電から充電に移る(あるいは、その逆)に
は、スイッチ等を使用して電極の接続を切り替えなけれ
ばならないといった欠点が有った。
【0003】一方、酸素と水素の電気化学反応を利用し
て電気エネルギーを取り出す電池には、従来型電池とし
て良く知られた酸素−水素燃料電池が有る。しかし、上
記燃料電池は、当然のことながら燃料である水素や水素
の原料ガスが供給されている間のみ動作・機能する電池
であり、これら燃料の供給が断たれれば、電気エネルギ
ーを取り出すことはできず、電池として機能しない。こ
のように、上記燃料電池は、本質的に燃料の供給が不可
欠であるといった問題があった。この問題については、
光エネルギーを利用して水素を生成する装置に関する従
来技術として、特開昭53−31576号公報の「光エ
ネルギー利用の水分解装置」が有る。しかし、本装置で
は、水素を生成するのみで、その反応により電気エネル
ギーを取り出すことはできない。図12は、これら両者
の機能を組合せた従来型の「光エネルギー利用の酸素−
水素燃料電池」(特開昭54−11450号公報)の構
成を示した図である。図中、符号21は電池電槽、22
は電解液、23はn型半導体、24は酸素極、25は水
素極、26は水素極をn型半導体と酸素極のいずれかに
接続するための切り替えスイッチ、27は受光窓、28
は付加抵抗、29は酸素排出口である。本酸素−水素燃
料電池では、光エネルギーによる水分解と生成水素と酸
素の電気化学反応による電気的出力を得ることが可能で
あり、この点、上記水分解装置や従来型燃料電池よりも
優れている。しかし、本従来電池では、光照射時(水分
解時)と暗時(電気出力取り出し時)で、切り替えスイ
ッチをn型半導体電極(接点イ)と酸素極(接点ロ)の
間で、一一切り替えなければならない。このようなスイ
ッチ切り替え操作無しには、水分解も、放電(電気出力
を得ること)も全くできないといった重大な欠点があっ
た。更に、ニッケル−水素電池においては、過充電発生
した酸素と水素極(負極)上の水素との水生成反応を利
用して安全を確保していること、並びに、湿式太陽電池
(光化学電池)の動作原理からも明らかなように、本従
来電池の構成では、光エネルギー利用による水分解反応
で、n型半導体電極表面に生成した酸素の多くが水素極
表面の水素と反応して、再び水に戻る反応の進行を阻止
することができないため、暗時の放電には、光生成した
水素の量に比べ、極めて僅かな残存水素しか利用できな
いといった根本原理に関わる重大な欠点があった。特
に、光の有効利用を目的として電池の単位体積当りの受
光面積を大きくするためには、電池を薄型化する必要が
あるが、この場合、n型半導体電極と水素極とは近接配
置されることとなるため、上記欠点は致命的であった。
【0004】更に、図13は、本発明者らが既に出願し
ている「光燃料電池」(特願平3−115077号)の
断面構成図を示した図である。図中、符号31は電池ケ
ース、32、33は電池端子、34は第1の電極、34
aははっ水膜、35は第2の電極、36は第1の電解
質、37は第2の電解質、38は光触媒である。本光燃
料電池では、充電時(水分解時)と放電時とで、特に、
スイッチの切り替えも必要なく、この点で、上記「光エ
ネルギー利用の酸素−水素燃料電池」に比べ優れてい
る。しかし、本光燃料電池では、水の光分解により生成
した酸素と水素は、基本的に気体や電解質中への溶存物
質の形で電池内に保持されるため、大きな放電容量を得
るためには、必然的に電池の体積が大きくならざるを得
ないといった欠点が有った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光エ
ネルギーを負極構成材の物質変化として、直接、電池内
へ蓄積し、更に、そのエネルギーを必要な時に取り出し
得る光化学二次電池であって、空気中の酸素と負極内の
吸蔵水素(水素化物)との反応による放電と、光エネル
ギーによる充電(負極構成材の水素化)が可能で、充電
器を必要としない省エネルギー性に優れた高エネルギー
密度二次電池であると共に、燃料補給の不要な酸素−水
素燃料電池としての機能も有する光水素化空気二次電池
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は光水素化空気二次電池に関する発明であって、正
極と、負極と、酸素透過抑止膜と、これら正極と負極と
に接触する電解質と、上記負極と上記正極と上記電解質
とが収容される電池ケースとを有し、該電池ケースに
は、上記負極をなす負極部材に光を入射する受光部が設
けられ、上記正極が酸素触媒を有する部材で構成され、
上記負極が、互いに電気的に接続されてなる、水素吸蔵
性、あるいは水素化物を形成する特性を有する材料より
なる水素極部材と、n型半導体よりなる光極部材とで構
成され、上記酸素透過抑止膜が酸素低透過性部材よりな
り、且つ、上記酸素透過抑止膜により上記負極を構成す
る水素極部材と光極部材との電解質接触面を互いに隔離
し、上記光極部材から水素極部材への酸素の拡散移動を
抑制する構成とし、上記負極をなす水素極部材中の水素
の酸化反応と、上記正極を構成する酸素触媒上での酸素
の還元反応により放電し、且つ、上記負極の光極部材を
なすn型半導体上に照射された光エネルギーによって、
上記負極の水素極部材の水素化反応、あるいは水素吸蔵
反応を進行させることにより充電されることを特徴とす
る。
【0007】本発明の光水素化空気二次電池は、以下の
特徴、及び従来電池との差異を有する。 (1)本発明の光水素化空気二次電池は、正極を酸素触
媒で構成し、その触媒作用により、空気中の酸素を還元
し、電気的出力を得ること(放電)を可能にした。 (2)負極は、水素極部材と光極部材で構成した。上記
水素極部材は、水素吸蔵性を有する、あるいは水素化物
を形成する材料で構成した。また、上記光極部材はn型
半導体で構成し、これを電解質に接触させることでエネ
ルギーバンドの曲り(電位勾配)を形成する構成とし
た。このような構成とすることによって、上記光極部材
が吸収した光をエネルギー源として、上記水素極部材の
水素化反応(水素吸蔵反応)を生起せしめ、光エネルギ
ーを水素化物(吸蔵水素)への物質変化として負極中へ
蓄積し、これにより、充電を可能にした。 (3)上記負極の水素極部材と光極部材を一体化、ある
いは電気的に接続する構成とした。これによって、3〜
5電極で構成される従来電池のように、各電極間の接続
を切り替える操作は必要無く、そのためのスイッチも不
要になった。また、本発明の負極構成では、上記光極部
材中に上記エネルギーバンドの曲り、すなわち、エネル
ギー障壁を形成することによって、放電電流は、負荷を
経由して、正極と負極の水素極部材との間に流れ、光極
部材へは流れ込まない構成とすることにより、上記スイ
ッチを不要にすることを可能にした。更に、上記負極構
成により、電池構造を簡易化することもでき、エネルギ
ー密度を向上させることができた。 (4)また、負極を構成する上記水素極部材と上記光極
部材との電解質接触面を互いに隔離する位置に酸素透過
抑止膜を設けた。従来電池では、充電時に発生した酸素
が水素極部材表面へ拡散移動し、負極の水素化物(吸蔵
水素)と反応して水に戻してしまい、水素化物としての
蓄積(充電)が困難であった。しかし、本発明電池にお
いては、上記酸素透過抑止膜の作用により、上記光極部
材から上記水素極部材への酸素の拡散移動を抑制し、光
エネルギーを負極中の水素化物(吸蔵水素)への物質変
化として蓄えることが可能になった。 (5)更に、本発明電池では、上記負極を構成する水素
極部材の水素解離平衡圧を1気圧以下の材料で構成する
ことにより、本発明電池のように開放系の電池(電池内
圧が大気圧となる電池)においても、従来電池と異な
り、水素が解離し、空気孔から外部へ流出することによ
る放電容量の低下を防止することができる。以上の特徴
を有する電池は、従来の電池には存在せず、本発明によ
って初めて可能となった。本発明技術により、空気中の
酸素と負極内に蓄積した水素化物(吸蔵水素)との反応
による放電と光エネルギーによる放電(負極構成材の水
素化)が可能で、充電器を必要としない省エネルギー性
に優れた、高性能な高エネルギー密度二次電池を提供す
ることが可能になった。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。まず、本発明の実施の態様を列挙すると下記のとお
りである。 (1)負極を構成する水素極部材が、水素解離平衡圧が
1気圧以下の水素吸蔵性、あるいは水素化物を形成する
特性を有する材料で構成されることを特徴とする。 (2)負極を構成する光極部材と上記電池ケースの受光
部との間に電解質が介在せず、光極部材の受光面が直接
電解質と接触しないことを特徴とする。 (3)電池ケースの受光部が上記負極を構成する光極部
材で構成されたことを特徴とする。 (4)水素極部材と上記光極部材とが、互いに物理的に
接触し、一体の電極となって上記負極を構成することを
特徴とする。 (5)電池ケースが、上記正極部材の一部と外部の空気
が接触するための空気孔を、上記正極部材近傍に少なく
とも一つ以上具備してなることを特徴とする。 (6)電池ケースが、少なくとも正極部材近傍部分にお
いては、酸素透過性部材よりなることを特徴とする。 (7)正極部材が、酸素触媒と、上記電池ケースの空気
孔又は酸素透過性部材よりなる部分を通して上記電解質
が電池外部へ流出、透過するのを防止するはっ水剤とで
構成されることを特徴とする。 (8)正極部材と上記電池ケースとの間に、電池ケース
の空気孔又は酸素透過性部材よりなる部分を通して上記
電解質が電池外部へ流出、透過するのを防止するはっ水
膜又ははっ水板を設けたことを特徴とする。 (9)正極部材と電池ケースとの間に、酸素を正極部材
表面に一様に拡散するための拡散紙を設けたことを特徴
とする。 (10)はっ水膜又ははっ水板と電池ケースとの間に、
酸素を正極部材表面に一様に拡散するための拡散紙を設
けたことを特徴とする。 (11)負極の水素極部材が、既に水素を吸蔵した部
材、あるいは水素化物よりなることを特徴とする。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0010】実施例1 図1及び図2は、本発明の第1の実施例を説明する図で
あって、図1は本発明電池の外観図、図2は図1のX−
X′線に沿う断面図である。図中、符号41は多孔性酸
素触媒よりなる正極、42aは水素吸蔵性や水素化物を
形成する特性を有する材料、又は既に水素を吸蔵した部
材や水素化物からなる水素極部材、42bはn型半導体
よりなる光極部材であり、上記水素極部材42aと共に
負極42を構成する。また、43は上記負極を構成する
水素極部材42aの電解質接触面と光極部材42bの電
解質接触面とを互いに隔離し、上記光極部材表面から上
記水素極部材表面への酸素の移動を抑制するための酸素
低透過性部材よりなる酸素透過抑止膜、44はこれら正
極及び負極と接触する電解質、45は正極と負極の接触
を防止するセパレータ、46及び47は、正極端子及び
負極端子、48はこれら電池構成部材を収容する電池ケ
ース(容器)、49ははっ水膜、50は電池ケース48
に設けられた空気孔、51は水素極部材42aと光極部
材42bとの接続導体である。上記電池ケース48は、
角箱状に形成されており、一方の面を兼ねる光透過材等
からなる受光部48aと、この受光部48aの反対側に
設けられた板状の底部48bとを有し、この底部48b
には多数の空気孔50が形成されている。また、空気孔
50は、一部、上記負極の光極部材42b近傍の電池ケ
ース部分にも設け、充電時に光極部材表面から発生した
酸素を外部へ放出する。電池ケース48には、底部48
b側に配設された正極41と、受光部48a側に配設さ
れた負極42との間、及び受光部48aと負極42との
間に充満された液状電解質44と、上記正極41と負極
42との間に設けられ、電解質44が透過可能なガラス
繊維等からなるセパレータ45、並びに、上記水素極部
材42aとn型半導体部材42bとの間に設けられた酸
素透過抑止膜43とが収納されている。なお、前記電池
ケース48を角箱状に形成したが、本発明はこれに限定
するものではなく、円柱状等の形状でも良い。はっ水膜
49は、正極41と空気孔50との間に配設され、通気
性を有すると共に、電解質44が外部へ流出するのを防
止する構成にされている。本実施例の光水素化空気二次
電池では、空気中の酸素の還元に基づく放電反応を円滑
に進行させるため、酸素と電解質及び正極(酸素触媒)
とで構成される気−液−固三相界面の場を効果的に形成
することが必要となる。したがって、上記三相界面場の
増大を目的として、正極を多孔性の酸素触媒で構成し
た。ただし、低率(低電流)放電で使用する電池を構成
する場合には、必ずしも多孔性である必要はなく、板状
の正極を用いてもよい。
【0011】上記実施例において、正極41は、酸素触
媒作用を有するカーボン(多孔炭素)や多孔ニッケル、
及びこれらにPtやPdを担持した多孔性酸素触媒(P
t−C、Pd−C、Pt−Ni、Pd−Ni)、更に、
Pt、Pd、Ir、Rh、Os、Ru、Pt−Co、P
t−Au、Pt−Sn、Pd−Au、Ru−Ta、Pt
−Pd−Au、Pt−酸化物、Au、Ag、Ag−C、
Ni−P、Ag−Ni−P、ラネーニッケル、Ni−M
n、Ni−酸化コバルト、Cu−Ag、Cu−Au、ラ
ネー銀等の貴金属及び合金、ホウ化ニッケル、ホウ化コ
バルト、炭化タングステン、水酸化チタン、リン化タン
グステン、リン化ニオブ、遷移金属の炭化物、スピネル
化合物、酸化銀、酸化タングステン、遷移金属のペロブ
スカイト型イオン結晶等の無機化合物、及びバクテリ
ア、非イオン活性剤、フタロシアニン、金属フタロシア
ニン、活性炭、キノン類等の有機化合物のいずれかで構
成されるのが好ましい。
【0012】また、負極42を構成する水素極部剤42
aは、La−Ni系合金、La−Nd−Ni系合金、L
a−Gd−Ni系合金、La−Y−Ni系合金、La−
Co−Ni系合金、La−Ce−Ni系合金、La−N
i−Ag系合金、La−Ni−Fe系合金、La−Ni
−Cr系合金、La−Ni−Pd系合金、La−Ni−
Cu系合金、La−Ni−Al系合金、La−Ni−M
n系合金、La−Ni−In系合金、La−Ni−Sn
系合金、La−Ni−Ga系合金、La−Ni−Si系
合金、La−Ni−Ge系合金、La−Ni−Al−C
o系合金、La−Ni−Al−Mn系合金、La−Ni
−Al−Cr系合金、La−Ni−Al−Cu系合金、
La−Ni−Al−Si系合金、La−Ni−Al−T
i系合金、La−Ni−Al−Zr系合金、La−Ni
−Mn−Zr系合金、La−Ni−Mn−Ti系合金、
La−Ni−Mn−V系合金、La−Ni−Cr−Mn
系合金、La−Ni−Cr−Zr系合金、La−Ni−
Fe−Zr系合金、La−Ni−Cu−Zr系合金、並
びに、上記合金中のLa元素をミッシュメタルで置き換
えた合金、また、Ti−Zr−Mn−Mo系合金やZr
−Fe−Mn系合金、Mg−Ni系合金等のTi、F
e、Mn、Al、Ce、Ca、Mg、Zr、Nb、V、
Co、Ni、Cr元素の2組以上の組合せからなる合金
等の水素吸蔵合金、更には、Ti、V、Zr、La、P
d、Pt等の水素化物を形成する(水素吸蔵性を有す
る)金属、又は上記合金や金属の水素化物(水素を吸蔵
した物質)で構成されることが好ましい。特に、本実施
例電池のような半開放系の電池においては、外気中の酸
素を放電反応に利用するための上記空気孔50を設けて
いるため、電池内圧を大気圧以上にすることは困難であ
る。したがって、充電により負極中に生成した水素化物
(吸蔵水素)の解離による放電容量の低下を防ぐには、
上記水素極部材は、少なくとも水素の解離平衡圧が1気
圧以下の材料で構成することが望ましい。
【0013】光極部材42bは、上記電解質44との界
面における価電子帯の準位が酸素発生電位よりも貴な電
位にあり、且つ、伝導帯の準位が上記水素極部材42a
上で進行する水素化反応の電位よりも卑な電位にあるS
rTiO3 、TiO2 、CdS、SiC、GaP等のn
型半導体で構成されるのが好ましい。なお、本光極部材
は、化合物半導体のほか、単元素半導体や縮合多環芳香
属化合物、有機半導体でも良く、n型半導体で、且つ、
上記電解質44や水素極部材42aとの組合せにおい
て、上記準位(電位)を満足するものであれば良く、特
に材料の種類には限定されない。
【0014】また、電解質44には、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩基や弱酸等
の水溶液電解質で構成される。また、充電性能は低下す
るが、硫酸、塩酸等の強酸や塩を使うこともできる。な
お、本実施例においては、液状電解質を用いているが、
電解質44は、液状に限定されることなく、ペースト状
等でも良い。
【0015】酸素透過抑止膜43は、ガラス繊維やポリ
アミド系繊維不織布、ポリオレフィン系繊維不織布、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ナフィオン(Nafion)
膜、イオン交換膜、セルロース膜、合成樹脂等で構成さ
れるが、酸素の拡散移動を妨げ、且つ、電解質が透過可
能な膜であれば良く、上記材料に限定されるものではな
い。
【0016】また、セパレータ45は、ガラス繊維やポ
リアミド系繊維不織布、ポリオレフィン系繊維不織布、
セルロース、合成樹脂等で構成されるが、電解質に対す
る耐久性を有するものであれば特に限定されず、上記酸
素透過抑止膜43を用いても良い。
【0017】電池ケース(容器)48は、ABS樹脂や
フッ素樹脂等の電解質44に侵されない材質のものであ
れば特に限定されない。ただし、電池ケース48の受光
部48aは、ガラス、石英ガラス、アクリル、スチロー
ル等の少なくとも可視光の一部や紫外光の一部を透過す
る(無色あるいは有色の)透明板や透明フィルム等で構
成する。もちろん電池ケース48全体をこれらの部材で
構成してもよい。このように、受光部48aを少なくと
も可視光の一部や紫外光の一部が透過される構成とした
のは、光充電反応を進行させるために、照射光を光極部
材42b表面に到達させる際、この照射光が電池ケース
48によって吸収あるいは反射されて、光極部材表面へ
到達する光エネルギーが低下するのを防止するためであ
る。
【0018】一方、空気中の酸素の還元に基づく放電反
応を円滑に進行させるためには、該酸素が酸素触媒より
なる正極表面へ拡散移動しなければならない。このよう
な酸素の拡散移動を実現することを目的として、本実施
例の電池は、電池ケース48の正極41側底部48b
に、少なくとも1つ以上の小孔よりなる空気孔50を設
ける構成とした。この空気孔50は空気中からの酸素取
り込み口として働くものであり、小孔の代りに大径の空
気孔や開口部としてもよい。
【0019】はっ水膜(はっ水板)49は、正極41と
電池ケース48の空気孔50との間に設けられている。
このはっ水膜49は、正極中の孔を通過した電解質44
が空気孔50を通して電池外部へ透過、流出するのを
(そのはっ水性により)防止する働きをすると共に、上
記気液固三相界面場の増大にも寄与している。はっ水膜
(はっ水板)49は、多孔性四フッ化エチレン等のフッ
素系樹脂やシリコン系樹脂等で構成するのが望ましい。
なお、上記はっ水膜49は、はっ水膜の代りにはっ水板
を使用して本発明電池を構成できることは言うまでもな
い。また、これらはっ水膜やはっ水板を設ける代りに、
上記正極中にはっ水剤を混入させ、酸素触媒とはっ水剤
とから正極を構成し、上記はっ水膜(はっ水板)の機能
を正極に持たせることによっても、本発明電池を構成す
ることができる。この場合には、上記三相界面場の増大
効果は更に大きくなる。なお、上記空気孔が小孔で構成
される場合、空気孔50から取り込んだ酸素を正極面全
体へ一様に拡散させるために、電池ケースの底部48b
とはっ水膜49又は、はっ水剤を含む正極41との間に
セルロース等からなる拡散紙50を設けても良い。
【0020】実施例2 図3は、本発明の第2の実施例を説明する図であって、
電池ケース48の正極側底部48bと上記負極の光極部
材近傍部の一部を酸素透過性部材52で構成したもので
ある。本実施例の他の構成は第1の実施例と同様であ
る。上記電池ケースの底部48bを酸素透過性部材で構
成したのは、電池外部の酸素を酸素触媒よりなる正極4
1表面へ拡散移動させるためであり、また、光極部材近
傍部の一部を酸素透過性部材52で構成したのは、充電
時に発生した酸素を外部へ排出するためであり、第1の
実施例において電池ケースに空気孔50を形成したのと
同様の趣旨である。
【0021】上記酸素透過性部材52は、エチルセルロ
ース、セルロース、アセテート、及びブチレート等の酸
素透過性部材により構成されるのが好ましいが、酸素透
過性を有する部材であれば良く、これらに限定されるも
のではない。
【0022】もちろん、本発明電池は、電池ケース内に
存在する酸素と充電により生成する酸素のみを利用して
放電反応を進行させることも可能であり、必ずしも、電
池ケース底部の48bに空気孔を設けたり、これを酸素
透過性の部材で構成する必要はない。しかし、この場合
には、外部からの酸素取り込みが不可能となるため、電
池の放電容量、すなわちエネルギー密度が上記第1及び
第2の実施例に比べ低下する。
【0023】実施例3 図4は、本発明の第3の実施例を説明する図であって、
上記負極の光極部材42bの受光面と上記電池ケースの
受光部48aとの間に電解質44が介在せず、光極部材
の受光面が直接電解質と接触しない構造とした。その他
の構成は第1の実施例と同様である。また、本発明の実
施例として、上記構造を有し、他の構成が第2の実施例
と同様の電池を構成できることは言うまでもないことで
ある。
【0024】実施例4 図5は、本発明の第4の実施例を説明する図であって、
電池ケースの受光部48aが上記負極の光極部材42b
で構成され、光極部材が電池ケースの一部を兼ねた構造
であり、他の構成は第1の実施例と同様である。また、
本発明の実施例として、上記構造を有し、他の構成が第
2の実施例と同様の電池を構成できることは言うまでも
ないことである。上記第3及び第4の実施例において
は、照射光が電解質を透過することなく光電極上に到達
する構造となっているため、第1の実施例や第2の実施
例に比べ、光充電効率を上昇させることができる。ま
た、電解質に光吸収性の部材を使用することも可能とな
る。
【0025】実施例5 図6は、本発明の第5の実施例を説明する図であって、
本実施例の電池では、上記負極42を構成する水素極部
材42aと光極部材42bとが、互いに物理的に接触
し、一体の電極(複合電極)となって負極42を構成す
る構造とした。これにより、上記実施例において必要で
あった、水素極部材42aと光極部材42bとの接続導
体51が不要となり、電池の信頼性が向上すると共に、
水素極部材42aと光極部材42bとの接続面積が大幅
に増大し、両部材間の抵抗損失が低減するため、光によ
る充電効率が上記第1〜第4の実施例に比べ、向上す
る。本発明の実施例の電池においても、上記構造を有
し、他の構成が第2の実施例と同様の電池を構成できる
ことは言うまでもないことである。
【0026】以下に、本発明の上記実施例における光水
素化空気二次電池の充放電時の動作を簡単に説明する。
図7に本発明電池の充放電反応の概要と反応式の一例を
示した。すなわち、放電時には、水素化した負極の水素
極部材42a中の水素と電解質44中の水酸イオン(O
- )とが反応して、水素極部材である合金や金属から
水素が抜け、水が生成すると共に、負極端子47を通じ
て電子(e- )を負荷に供給する。一方、正極41上で
は、空気中から取り込んだ酸素と電解質44と酸素触媒
(正極)41により形成される三相界面において、酸素
と電解質中の水、及び負極から負荷を通して供給(放
出)されてきた電子とが反応して、水酸イオンを生成す
る。この放電反応においては、正極活物質である酸素は
空気中から取り込むため、その消費は問題とならない。
結局、本放電反応では、空気中の酸素と電池内水素化物
中の水素とから水を生成する反応によって電気出力を得
ることができる。
【0027】次に、充放電時の動作を簡単に説明する。
n型半導体よりなる光極部材42bと電解質44との接
触界面において、上記光極部材中のエネルギーバンド
は、電解質側へ向って上方曲りとなる。今、この光電極
表面へ太陽や蛍光灯等の光エネルギーが照射されると、
伝導帯に電子を励起し、価電子帯にホール(h+ )を生
む。このホールは上記バンドの曲りに沿って電解質側へ
運ばれ、負極光極部材42bの表面で水酸イオンと反応
して酸素と水を生成する。一方、伝導帯に励起された電
子は、バンドの曲りに沿って、接続導体51を経て(第
5の実施例では直接)水素極部材42aへ移動し、やが
て、電解質と接触する負極表面に達する。そこで電解質
中の水と反応して、水酸イオンを生成すると共に、水素
極部材である合金や金属(M)を水素化して、水素化物
(水素吸蔵物)MHn を形成することにより、放電前の
状態へ戻る。以上の経過を経て、光充電反応が進行し、
再び放電可能になる。結局、本実施例電池の充放電反応
は、水素を負極の水素極部材42aと電解質44との間
で、ピストンのようにやり取り(出たり入ったり)して
いることになる。なお、放電の際に水素極部材中で発生
した上記電子は、水素極と電気的に接続された光極部材
へ移動することなく、専ら負荷(最終的には正極)へ供
給される。これは、上記光極部材中には上記エネルギー
バンドの曲がりが存在するために、電子が電解質界面方
向へ移動できない構成としたことを利用したものであ
る。また、本実施例の電池においては、光充電(照射)
時に光極部材表面42bで発生した酸素が水素極部材表
面42aへ拡散移動し、上記光充電反応により生成した
水素化物(MHn )と反応して水に戻ってしまい、水素
化物としての蓄積(充電)ができないといった現象は発
生しない。これは、上記水素極部材と光極部材との電解
質接触面を互いに隔離するように設け上記酸素透過抑止
膜43の作用によるものであり、これにより、本実施例
電池においては、上記光極部材から水素極部材への酸素
の拡散移動を抑制し、光エネルギーを負極中の水素化物
への物質変化として蓄えることが可能になった。更に、
本実施例では、上記負極を構成する水素極部材の水素解
離平衡圧を低くする構成としているため、本実施例のよ
うな開放系の電池においても、水素が解離し、空気孔5
0から外部へ流出することによる放電容量の低下を防止
することができる。
【0028】実施例6 正極の酸素触媒にメッシュ状の白金(Pt)、負極の水
素極部材に形状15mm×15mmのLaNi3.76Al
1.24、同じく負極の光極部材にSrTiO3 、及び電解
質に水酸化カリウム(KOH)水溶液、酸素透過抑止膜
には、微孔性ガラス繊維とナフィオン膜、受光部には石
英ガラスを使用し、上記第1の実施例によるSrTiO
3 −MHn |KOH|O2 (Pt)系光水素化空気二次
電池を作製し、充放電試験を行った。なお、光照射用の
光源には、500WのXe(キセノン)ランプを使用し
た。その結果、電池電圧約1V、放電容量100mAh
以上を得ると共に、光照射により水素化充電反応が進行
し、繰り返し放電が可能であった。これらの結果は、上
記負極の水素極部材に用いたLaNi3.76Al1.24の平
衡電位の実測値が、−0.8V(Hg/HgO電極基
準)程度であり、LaNi5 等に比べ、かなり貴な電位
でも水素化反応が進行する特性を示すことから、本実施
例の電池が光水素化充電反応が容易に進行する構成であ
ること、また、上記合金の水素解離平衡圧が約1.5×
10-3気圧と極めて低圧であることから、水素の解離が
抑制されたこと、更には、上記に酸素透過抑止膜の作用
により、光照射により生成した酸素の拡散が抑えられ、
水素化物との再結合反応を防止することができたことな
ど、本発明の作用効果によるものである。以上説明した
ように、第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の実
施例に示した構成をとることによって、従来の電池には
ない、空気中の酸素と負極中に蓄積された水素との反応
による放電と光エネルギーによる水素化充電が可能で、
充電器を必要としない省エネルギー性に優れた高エネル
ギー密度二次電池を提供することができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光水素化
二次電池では、負極を構成する水素極部材の水素吸蔵
(水素化物形成)作用、並びに、光極部材の電子励起作
用と光極部材を電解質に接触させることによって形成し
た電位勾配(エネルギーバンドの曲り)を利用して、光
エネルギーにより水素化(水素吸蔵)反応の生起を可能
ならしめると同時に、上記水素極部材と上記光極部材と
の電解質接触面を互いに隔離する位置に設けた酸素透過
抑止膜の作用により、充電時に発生した酸素が水素極部
材表面へ拡散移動し、負極の水素化物(吸蔵水素)と反
応して水に戻ることを防止することにより、光充電を可
能ならしめている。また、正極の触媒作用による酸素の
電気化学反応により、空気中の酸素をエネルギー源(活
物質)とした放電を可能ならしめている。このように、
本発明によって、実質的に無限に存在する空気中の酸素
と電池内の水素化物(吸蔵水素)との反応による放電が
可能であり、且つ、同じく周囲に無限に存在する光エネ
ルギーによる充電が可能な高エネルギー密度の光化学二
次電池を実現できる。したがって、本発明は、実質的
に、燃料補給の不要な酸素−水素燃料電池として機能
し、省エネルギー性に優れ、且つ、高エネルギー密度で
光充電が可能な二次電池を提供できるという極めて大き
な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による光水素化空気二次
電池の外観を示した図である。
【図2】図1のX−X′線に沿う断面図を示した図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施例を説明する図である。
【図4】本発明の第3の実施例を説明する図である。
【図5】本発明の第4の実施例を説明する図である。
【図6】本発明の第5の実施例を説明する図である。
【図7】本発明電池の充放電反応を説明する図であっ
て、反応の概要と反応式の一例を示した図である。
【図8】従来の光二次電池の外観を示した図である。
【図9】図8の等価回路を示した図である。
【図10】従来型光化学二次電池の構成を示す図であ
る。
【図11】米沢らの提案する従来型光化学二次電池の簡
単な構成とエネルギー準位を示した図である。
【図12】特開昭54−11450号公報に記載の「光
エネルギー利用の酸素−水素燃料電池」の構成を示した
図である。
【図13】特願平3−115077号の図面に記載の
「光燃料電池」の断面構成図を示した図である。
【符号の説明】
1:太陽電池、2:二次電池、3:電圧調整回路、4:
逆流防止ダイオード、5:正極端子、6:負極端子、
7:正極端子、負極端子につながれた外部負荷、11:
正極、12:負極、13:n型半導体よりなる光電極、
14:セパレータ、15:負荷、16:充放電切り替え
スイッチ、17:電池容器、17a:電池容器を密閉す
るための蓋、18:セパレータ、19:n型半導体より
なる光電極、20a:充電用の電極、20b:放電用の
電極、21:電池電槽、22:電解液、23:n型半導
体、24:酸素極、25:水素極、26:水素極をn型
半導体と酸素極のいずれかに接続するための切り替えス
イッチ、27:受光窓、28:付加抵抗、29:酸素排
出口、31:電池ケース、32、33:電池端子、3
4:第1の電極、34a:はっ水膜、35:第2の電
極、36:第1の電解質、37:第2の電解質、38:
光触媒、41:多孔性酸素触媒よりなる正極、42:負
極、42a:水素極部材、42b:光極部材、43:上
記負極を構成する水素極部材42aの電解質接触面と光
極部材42bの電解質接触面とを互いに隔離し、上記光
極部材表面から上記水素極部材表面への酸素の移動を抑
制するための酸素低透過性部材よりなる酸素透過抑止
膜、44:これら正極及び負極と接触する電解質、4
5:正極と負極の接触を防止するセパレータ、46:正
極端子、47:負極端子、48:これら電池構成部材を
収容する電池ケース(容器)、49:はっ水膜、50:
電池ケース48に設けられた空気孔、51:42aと光
極部材42bとの接続導体、52:酸素透過性部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−130407(JP,A) 特開 平6−223889(JP,A) 特開 平5−198319(JP,A) 特開 平7−122305(JP,A) 特開 平6−325801(JP,A) 特開 平6−223888(JP,A) 特開 平5−266932(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 12/08 H01M 14/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、負極と、酸素透過抑止膜と、こ
    れら正極と負極とに接触する電解質と、上記負極と上記
    正極と上記電解質とが収容される電池ケースとを有し、
    該電池ケースには、上記負極をなす負極部材に光を入射
    する受光部が設けられ、上記正極が酸素触媒を有する部
    材で構成され、上記負極が、互いに電気的に接続されて
    なる、水素吸蔵性、あるいは水素化物を形成する特性を
    有する材料よりなる水素極部材と、n型半導体よりなる
    光極部材とで構成され、上記酸素透過抑止膜が酸素低透
    過性部材よりなり、且つ、上記酸素透過抑止膜により上
    記負極を構成する水素極部材と光極部材との電解質接触
    面を互いに隔離し、上記光極部材から水素極部材への酸
    素の拡散移動を抑制する構成とし、上記負極をなす水素
    極部材中の水素の酸化反応と、上記正極を構成する酸素
    触媒上での酸素の還元反応により放電し、且つ、上記負
    極の光極部材をなすn型半導体上に照射された光エネル
    ギーによって、上記負極の水素極部材の水素化反応、あ
    るいは水素吸蔵反応を進行させることにより充電される
    ことを特徴とする光水素化空気二次電池。
  2. 【請求項2】 上記負極を構成する水素極部材が、水素
    解離平衡圧が1気圧以下の水素吸蔵性、あるいは水素化
    物を形成する特性を有する材料で構成されることを特徴
    とする請求項1記載の光水素化空気二次電池。
  3. 【請求項3】 上記負極を構成する光極部材と上記電池
    ケースの受光部との間に電解質が介在せず、光極部材の
    受光面が直接電解質と接触しないことを特徴とする請求
    項1又は2に記載の光水素化空気二次電池。
  4. 【請求項4】 上記電池ケースの受光部が上記負極を構
    成する光極部材で構成されたことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の光水素化空気二次電池。
  5. 【請求項5】 上記水素極部材と上記光極部材とが、互
    いに物理的に接触し、一体の電極となって上記負極を構
    成することを特徴とする請求項1又は2に記載の光水素
    化空気二次電池。
  6. 【請求項6】 上記電池ケースが、上記正極部材の一部
    と外部の空気が接触するための空気孔を、上記正極部材
    近傍に少なくとも一つ以上具備してなることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の光水素化空気二
    次電池。
  7. 【請求項7】 上記電池ケースが、少なくとも正極部材
    近傍部分においては、酸素透過性部材よりなることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光水素化
    空気二次電池。
  8. 【請求項8】 上記正極部材が、酸素触媒と、上記電池
    ケースの空気孔又は酸素透過性部材よりなる部分を通し
    て上記電解質が電池外部へ流出、透過するのを防止する
    はっ水剤とで構成されることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の光水素化空気二次電池。
  9. 【請求項9】 上記正極部材と上記電池ケースとの間
    に、電池ケースの空気孔又は酸素透過性部材よりなる部
    分を通して上記電解質が電池外部へ流出、透過するのを
    防止するはっ水膜又ははっ水板を設けたことを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の光水素化空気二
    次電池。
  10. 【請求項10】 上記正極部材と電池ケースとの間に、
    酸素を正極部材表面に一様に拡散するための拡散紙を設
    けたことを特徴とする請求項9に記載の光水素化空気二
    次電池。
  11. 【請求項11】 上記はっ水膜又ははっ水板と電池ケー
    スとの間に、酸素を正極部材表面に一様に拡散するため
    の拡散紙を設けたことを特徴とする請求項9に記載の光
    水素化空気二次電池。
  12. 【請求項12】 上記負極の水素極部材が、既に水素を
    吸蔵した部材、あるいは水素化物よりなることを特徴と
    する請求項1〜11のいずれか1項に記載の光水素化空
    気二次電池。
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